rain
思いつきで書きますので
ご了承ください
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風に煽られた大粒の雨がバチバチとベランダの窓にぶつかり弾ける。由美はカーテンを小さく動かし、窓越しに外を見た。
あまり車の通らない細い道路は闇夜に同化して漆黒に染まり、街灯は無数の波紋だけを照らしていた。
「大型の台風は明日にも上陸し、日本列島は大荒れの天気となるでしょう」
TVのアナウンスが由美のため息と混じる。
帰宅が遅くなって、自炊する気にもなれずコンビニで買っておいた鮭おにぎりとおでんを袋から取り出す。
携帯でお気に入りのアニメを観ながらの夕飯。行儀が悪いと忠告する人間は居ない。小さなアパートで女の一人暮らし、両親も県外にいて、友達も少なく、3年前に別れた彼氏とも連絡は一切無い。
一人暮らしという心細く、寂しい
状況だ。
「でも慣れたわ」
そう自分を騙した回数は数えきれないほどだ。
TV番組をつけておきながら、携帯アニメを観る。
孤独感を和らげているから由美は観るつもりはなくとも夜はTVを流していた。
そしてイケメンボイスをイヤホンで堪能する。携帯アニメのそのシーンは何度も繰り返し観ているので台詞は覚えている。
耳の中が惚れた声優の声で溢れていくのは由美のささやかな楽しみだった。
「人間について知りたいと思ったら、人間を見ているだけではいけない。人間が何を見ているかに注目しなければ...君達は何を見ている?....信じられないかもしれないが僕は君達のことが好きだ...昔からよく言うだろう?
愛の反対は憎悪ではなく、無関心だ。興味がないのなら、わざわざ殺したり痛めつけたりはしないんだ......余計な事ばかり考える...緊張しているのか...
相手を甘く見すぎて踏み込みすぎた.........
......なんてね...」
由美の目はキラキラとして、ムフっと微笑みながら味染み大根に箸を刺す。
湯船に浸かる。
換気扇のダクトを通して外の音が聞こえる。強風に舞う小枝が通気口にぶつかる音、緊急車両のサイレン等だ。
(事故かな...)
聴覚が非常に良いので小さな音も拾ってしまう。たまに時計の針の音が気になるくらいだ。
お湯を顔にかける。
(身体洗うのが面倒。セミロングの髪を洗うのも面倒)
「全身洗い機が欲しい。ふぅ〜」
洗面所で濡れた髪をドライヤーで乾かす。1番面倒だ。
(イケボの彼氏が身体密着させて髪を乾かしてくれたら最高なんだけどなぁ......)
現実離れした天国を妄想しながら携帯の画面を開く。
LINEに会社の数少ない仲の良い同僚の藤井さんから新着メッセージが1つ。
😃 「やほ!由美のアパートって霧ヶ町だよね?今日、その付近で通り魔事件が発生したらしいから戸締まりしっかりしなよー」
藤井さんの旦那は警察官でこの地域の犯罪情報には詳しい。
👾「えー(ll゚д゚ll)ありがとう、注意する。旦那さんに早くその悪党を捕まえてほしい」
😃「まだ不審者捕まってないらしいんだよね。被害者も軽傷で済んだらしいからニュースにもなってないんだけど。犯人、紺のカッパ着てその辺ウロついてるからヤバいよー」
👾「(꒪⌓꒪)怖い。怖すぎる」
由美は戸締まりにはかなりの自信がある。今まで忘れた事など一度もなかった。
チラリと玄関を覗く。
!!!!!
鍵が縦になっている
(嘘!?鍵閉め忘れた)
通り魔事件のことが脳をかすめて背筋がゾクゾクした。
入浴している間は完全に誰でも入れる状態だった...軽いパニックに陥る。今更ながらオートロックのアパートに入居するべきだったと後悔する。
「カチャ...」
鍵で玄関をロックする。
心臓の鼓動が大きく早まる。
(まさかね...誰か侵入したなんて起きるわけないじゃない)
背後が無性に無防備に思えた。
(もし居るとしたら襲われててもおかしくない)
ふと下を見ると異様に濡れていた。自分の靴の脇に水溜りができている。暴風雨で雨水が扉の下から侵入したか、誰かがその場所で立ち尽くした...そう思えた。
私が入浴中、玄関に不審者が立っていたのが事実ならば、気持ちが悪い。気持ちが悪いを通り越して吐き気がする。
屋外は通り魔が居るから絶対に部屋から出たくない。扉を開けて確認したら目の前に立っていたとなれば気絶しそうだ。
リビングへ続くフローリングには点々と水滴が落ちていた。
(逆!?)
室内に潜んでいるならば屋外が安全になる。全身の毛が逆立つ。
遠くからTVキャスターの声
「....市のアパート2階の一室で、9人の遺体が発見された事件で...
クーラーボックスから2人の頭部が見つかり、室内にあった残り7個のクーラーボックスや箱を確認したところ、このうち6個から、のこぎりで切断されたとみられる遺体が次々と発見されました
容疑者は「自宅の浴室で遺体を切断し、クーラーボックスに猫のトイレ用の砂をかけた」と供述しています....警視庁は遺体の身元確認を急ぐと共に....」
身体は硬直していたが、由美の胸の鼓動は勢いを増していた。
「ぉ...おでん....」
ボソッと呟き、思い出した。
帰宅した時にコンビニの袋に付いていた雨水が滴り落ちた。
それだ!間違いない
ホッとして大きく息を吐けた。
(こんなに部屋数のあるアパートでピンポイントに自分の部屋が狙われるなんて運が悪すぎるし、確率も低いわ。
いざとなったら他の近隣住民もいるし、助けてくれるだろう...通り魔の件でパトカーも巡回して警戒しているはず、犯人はそんなに自由に動けない!)
トイレのドアを恐る恐る開けて確認。(よし...誰も居ない)
リビングに戻ると、ベッドの下を確認。お気に入りの漫画が全巻セット置いてあり、位置もいつもと同じ。後、人間が潜めそうな場所はクローゼットのみ。
クローゼットに目をやると4cmほど扉が開いていた。
由美はその黒い隙間をジッと見つめる。
「んぐ....」
声が出ない
目ではなかった。
クローゼットの中に仕舞いっぱなしにしておいたジャケットの模様が少し隙間から出ていて、人間の目玉に見えたのだ。
恐怖で脳が誤作動を起こした。
そのジャケットは父が
「由美!メキシコに行ってきたぞ!」と意気揚々と帰国した時に貰った土産だ。
なんでもアステカ文明の模様や装飾をデザインしたもので、これを着て街を歩くのは罰ゲームに近く、袖を通したことは一度もない。
「義男!あほ!」
父の名を叫んでクローゼットの扉をピシャリと閉めた。
「ガチャガチャ...ガチャ」
玄関まで素早く移動して内鍵を掛けた。
きつく張った糸が張力を失い、ダラリと垂れ下がる様に、身体は緊張から解き放たれる。
(近場に通り魔とか....ほんとに無理......)
洗面台で美容液やら乳液等をいつもより雑に済ませると、歯を磨き、電気を消し、携帯を握り、逃げるようにベッドに飛び込み、布団にくるまった。
暴風雨の影響で湿気を含んだ空気が充満した女子更衣室。
鏡を何度も見ながら化粧をする3人組は台風など気にも止めず。男の話題。
「この会社にいい男あんまり居ないよねー」
「あ!この前、イケメン見つけたよ?チョーカッコよかった」
「うっそ!どこの課?名前は?」
「おはよーございます...」
由美はおそらく聞こえもしない、返っても来ないだろう挨拶を一応行うと、スッと通りすぎた。
自分のロッカーに到着すると上着を脱ぐ。ハンカチで濡れた髪をサッと拭き取る。
「由美おはよー」
藤井さんの声。
「おはよー。昨日の通り魔のおかげであまり寝れてない...」
「だよねー。今日ウチくる?大丈夫?」
由美の先輩だが敬語は使わない友達に近い仲だ。
「あたしなら襲われる心配なしだけどね。おばさんだし、由美は若くて可愛いから狙われそーだぞ」
藤井さんはスパッツのゴムを引っ張り、腹の肉でパチンと鳴らして笑う。
「昨日めっちゃ怖かったんだから...犯人見つかった?」
「まだ見つかってないみたい」
由美は落胆し、ため息をつく。
仕事内容は工場内のライン作業だ。圧倒的に男性の職場だけど、自分には合っている。女性が多い職場は苦手だ。
「由美ちゃん!おはよん♪」
胸を鷲掴みにするようなジェスチャーでセクハラを懲りもせずにしてくる小太りの柴田さん。
「おはよーございます。キモいっすよ。朝っぱらから...」冷ややかな目で柴田さんをあしらう。
私が怒るのが楽しいらしい。ニコニコしながら去っていく。
(あのセクハラが無きゃ良い人なんだが...)
まぁたまに尻触られたり、顎パンされたりはするが、皆優しくて良い人達だ。
「パタン...」
会社のロッカーを閉める
「ふぅ〜」
(手が痛い。早く帰ってお風呂に浸かってマッサージしよう)
手作業がメインの職場なので、男性よりも細く小さい掌では負荷が大きい。
会社の出口に着いた時に傘を忘れた事を思い出した。
「あーやっちゃった...」
自分の車がある駐車場までは徒歩で数分歩かなければならない。他の帰宅者は傘を手早く広げると由美の横を通り過ぎる
奇怪な雲は一瞬光り、数秒遅れて轟いた。
「園田さん?」
後ろから声をかけられた。
「え...?」
聞き慣れない男性の声に振り向いた。
「傘使います?」
「え!?」
戸惑いの空気で少し間が空く。
苗字で呼びかけられたが、この男性の名前が浮かばない。それほど接点が無い人間から声をかけられたのだ。
「あ...だ...大丈夫です」
「困ってそうだったので...すみません」
苦笑いを隠すように男性はうつむいた。
「ごめんなさい...ありがとうございます」由美は突発的に起きた小説の様な出来事に胸の鼓動が早まる
「あ...僕の上着、雨仕様なんで傘使わなくてもなんとかなるんですよ」
爽やかな笑顔で真っ直ぐに目を見つめてくる。
「でも借りるわけにも...」
(やだ...声が...素晴らしい...)
遠慮しながらもイケメンボイスに聞き惚れてしまった。
「どうぞ...」
手渡された時に手と手が触れ合う
「どうしよ...あ..ありがとうございます」これ以上、断るのも気がひけてしまい受け取ってしまった。
「じゃ...お疲れ様でした...お気をつけて」
軽く会釈をすると微笑み、フードを力強く頭に被り駐車場へと走って行ってしまった。
水は側溝に集まり、ゴボゴボと音を立てて暗い排水口に吸い込まれる
「こんな雨だし、やっぱりあの人ずぶ濡れになっているだろな」
(どこの部署の人だろうか...?傘を返さないといけないし、お礼もしなければ)
青い傘布を見つめる。端には細かい刺繍の装飾があり、女性用の傘にも思えた。
なんとか自分の車に避難した時はスニーカーの中に水が染み込み、身体は水滴にまみれていた。
「もーやだなぁ」
鏡を見ようと車内でバックミラーを覗き込む。
「........?」
自分の車の後方に人がいる
フードを被り口元だけ見える
「え?誰?傘を貸してくれた人?」
「あ!あの!」
この声は確実に届いていないと分かっていた。後部座席の濡れた傘を掴み、車外に出る。
しかし、ほんの数秒で鏡に映った人間は消えていた。
釈然としないまま運転する。車内TVは大雨の注意を促す天気予報が映っていた。
道路は暗闇の農道にさしかかる。普段はハイビームで通る道だが雨が反射して白いカーテンの様に視界が悪い。慎重にロービームで進んだ。
寂しい神社の鳥居が正面にあるT字路で右折する。いつもの帰宅する道だ。ここを左折すると薄気味悪い山道へと繋がるのだが、行った事はない。通ろうとも思わない。
その山道は過去に少女の遺体が発見された場所でもあり認知度の高い有名な場所で5年前くらいにニュース報道もされたこともある「帰らずの森」と呼ばれる場所だ。
この町は標高300〜800程の山々に囲まれた盆地に存在していて、隣町まで行く為には峠を越える必要がある。
どこか寂しく隔離されたような町で若者は早々に賑やかな都会へと逃げてしまうので人口は減少傾向にある。そして失踪者の多い土地としても有名だった。
帰宅途中に寄ったコンビニエンスストア
菓子とジュースをかごに入れ、レジ前でおでんを頼もうとした。
「....すみませーん」
閑散とした店内には店員が居ない。
奥の方で年配の店員と男が話をしている
「....犯カメラ....もう一度....させてく...」
(私服警官?)
薄っすらと聞こえた発言で男が何者なのか推測できた。通り魔の手掛かりになり得る防犯カメラの 映像を入手しに来たのだろう
(絶対、警察の人だ...何か尋ねられても面倒だし、おでん頼んで帰ろう)
気の弱そうな痩せた店員がレジに回る
眉を曲げて困ったように由美を見た
「すみませんね。お待たせしちゃって」
「いえ。大丈夫です」
品物のバーコードを読み取っている間、店の奥を横目で見る。
警察であろう男と目が合う。
「おでん...今日はよろしいですか?」
コンビニの常連である由美の好物を店員は把握していた。
「あ...おでん...あー今日はいいです」
「かしこまりました。うちで採れた野菜なんかも販売してますので、よかったら」
「は...はい」
田舎のコンビニは客が限られている為、若干親しくなる事も多い
(めっちゃ見てる)
由美の容姿を記憶しているのか、逸らすことなく切れ長の目で見つめる警官
由美はおでんを諦め、なるべく早く店を出ようと考えた
「待って」
案の定、車に乗り込む寸前で呼び止められてしまった。由美が振り向くと男の胸が目前に迫ってきていた。
「すみません、突然.....少しお話しを聴かせてもらってもいいでしょうか?」
由美の耳より少し離した位置に傘を持ってきた。
「はい」
男の背丈は思ったよりも高く、見上げながら言葉を交わす。髪は無造作だが切れ長の目と顎のラインで冷たい、シャープな印象を抱いた。
「私、こういう者です」
黒いハンドバッグから名刺を取り出し、由美に渡した。
ーーーーーーーーーー
【平澤探偵事務所】
木瀬 翔太郎
TEL 070-6547-○○○○
ーーーーーーーーーー
「探偵?」
「ええ....5年前の未解決事件の手掛かりを探してまして」
近くで見ると、男の鋭い眼差しはいくらか和らいで見えた
「私、ここに越してきてから半年ぐらいなんです。知っている事は何も無いんです。ごめんなさい」
探偵さんが求めるような真相に迫る情報は持っていない。せいぜい『帰らずの森』の噂くらいだった。
「そうですか....この町が地元というわけではないんですね。お仕事はこの町でされていますか?」
「はい。事件の事は職場の人から聞いたぐらいで、森で女性のすすり泣く声が聞こえるだとか、殺人鬼の住処とか」
「なるほど....」
反応は薄かった。すでに知っているのだろう。
「最近、通り魔も発生していますからね。気をつけて下さい」
「パトカーの巡回もよく見かけるし、検問も行なっているみたいなので今は犯人も動けないと思います」
「冷静ですね」
木瀬の細い目が更に細くなり、僅かに笑った。
(内心めっちゃ恐いけど....なんで強がってるんだろ....あたし)
「差し支えなければ、お名前と年齢を教えていただけますか?」
「園田です。21歳」
「独身ですか?ご結婚はされていますか?」
「独身です」
(ほっといてくれ泣)
「ありがとうございます。お時間とらせてしまって、ごめんなさい」
「いえ」
「何か気づいた事や気になる事がありましたら連絡いただけると助かります」
「あと最後にこの女性に似た人物を見かけた事はありますか?」
木瀬は手帳から1枚の写真を取り出した。それはセーラー服を着た女学生が笑ってピースサインをしている姿だった。
「8年前の写真なので今は少し変わっているとは思います」
由美は首を横に振る。
「ごめんなさい。分からないわ」
「そうですか....」
傘布に当たる雨音と木瀬の声のトーンが酷く悲しげに聞こえた。
写真の女性をジッと見つめた。
輪郭は卵型、黒髪で肩に掛かるぐらいの長さ、少しウェーブ。前髪はおでこにピン留めされていて、笑顔は日本人形の様に質素だが美しい。左目尻の下に涙ぼくろ。全体的な雰囲気は、古風で笑顔の似合う女性といった印象だ。
「この写真の女性と5年前の未解決事件と何か関係があるんですか?」
暗闇の中で小さなライターで火を灯すような、少し聴くのが怖い質問をした。
「事件との関係性は現在分かりません。未解決事件の被害者ではないのですが、この街で足取りが消え、失踪してしまいました」
「何か手がかりを掴む為に事件を追っている?」
「そうです」
「三崎 祐奈」
「彼女の名前です。これから帰らずの森に行ってみます」
木瀬は表情を変えずに視線を逸らした
「え⁈今からですか?もう日が暮れ始めてますよ」
「遺体発見は早朝7時。死亡推定時刻は発見から14時間前。大体今くらいの時間帯に犯行が行われています」
「大変厚かましいのですが、帰らずの森に連れて行って頂けないでしょうか?」
「はい⁇え?なんであたしも行くの?」
「すみません....車のエンジンの調子が悪くて、近くで落としてもらえれるだけで構わないのですが...」
「い...」
思わず顔をしかめた。
あんな不気味な場所に行くなんてどうかしている。
(イケメンでイケボだからって図々しいにもほどがあるわ....よ)
「ちょっとそれは...」
苦笑いでお断りのアクションをした
「すみません...変な頼み事をしてしまって」
冷静な表情が崩れてから頭を下げた
「じぁ...失礼します」
軽く会釈をして由美は自分の車に乗り込んだ。
横目でチラリと木瀬を見る
無造作ヘアを掻きながら困った表情をしていた。
「ふぅ....木瀬さん!乗って。送るだけなら」
困った人を見捨てる罪悪感だろうか、承諾してしまった。
ワイパーの動く音だけが車内に響く
(....何か喋ってよ....別れ際の男女みたいな重い空気...)
木瀬は助手席から外を眺めているばかりだった。リラックスしているのか緊張感が伝わってこない。
(あの....一応、年頃の女なんですけど!少しくらい探り入れてくるとか、口説いてくるとかないのかしら....)
さり気なく、信号待ちの時に左側の髪を指で梳かしてアピってみたが効果は薄い
「こほん....三崎祐奈さん綺麗な方ですね。木瀬さんの彼女さんですか?」
小さく咳払いをして尋ねた
「幼馴染ですね....」
「離妙山へ友達とキャンプへ行く目的でこの街へ来ているはず....」
「キャンプですか....」
離妙山の麓に帰らずの森があり、地元の人間は山菜採りや、頂上にある無人の寂れた神社へお参りに行く以外は滅多に立ち入らない場所だ。
「女性だけで行ったのかな...?」
「そう聞いています。三人で帰らずの森を抜けて登山道へ、一人は下山しましたが二人は失踪しました」
「二人が行方不明?」
「失踪した内の一人が祐奈です」
「そしてもう一人が五年前の未解決事件の被害者、篠田真美です」
「え⁈どういうこと?」
5年前に【帰らずの森】で事件発生
三崎祐奈 失踪(木瀬の幼馴染み)
篠田真美 遺体で発見
???? 生存?
車のルーフに当たる雨音が激しくなった。人の気配や対向車の無い交差点の信号機が青に変わったが、由美のハンドルを握る手が止まる。
「三人って事は下山した女の子がいるんですよね?その娘に事情を聴けないの?」
木瀬は窓越しに朽ち果てた木造民家を見
ながら言った「唯一の生存者、夏目絵梨花は自殺しています」
「え⁈」
「少しだけ情報は入手していますが犯人特定に至る決定的な手がかりは....まだ...
」
標高が少しづつ高くなってきているのか、車内の冷んやりとした空気が由美の身体を包む。
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小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
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