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rain

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思いつきで書きますので
ご了承ください

17/10/31 02:50(スレ作成日時) [RSS]

  • No: 15®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/02 03:44

    「パタン...」
    会社のロッカーを閉める

    「ふぅ〜」
    (手が痛い。早く帰ってお風呂に浸かってマッサージしよう)
    手作業がメインの職場なので、男性よりも細く小さい掌では負荷が大きい。

    会社の出口に着いた時に傘を忘れた事を思い出した。
    「あーやっちゃった...」
    自分の車がある駐車場までは徒歩で数分歩かなければならない。他の帰宅者は傘を手早く広げると由美の横を通り過ぎる

    奇怪な雲は一瞬光り、数秒遅れて轟いた。

  • No: 16®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/02 04:04

    「園田さん?」
    後ろから声をかけられた。
    「え...?」
    聞き慣れない男性の声に振り向いた。

    「傘使います?」
    「え!?」

    戸惑いの空気で少し間が空く。

    苗字で呼びかけられたが、この男性の名前が浮かばない。それほど接点が無い人間から声をかけられたのだ。

    「あ...だ...大丈夫です」
    「困ってそうだったので...すみません」
    苦笑いを隠すように男性はうつむいた。

    「ごめんなさい...ありがとうございます」由美は突発的に起きた小説の様な出来事に胸の鼓動が早まる

  • No: 17®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/02 04:36

    「あ...僕の上着、雨仕様なんで傘使わなくてもなんとかなるんですよ」

    爽やかな笑顔で真っ直ぐに目を見つめてくる。
    「でも借りるわけにも...」
    (やだ...声が...素晴らしい...)
    遠慮しながらもイケメンボイスに聞き惚れてしまった。

    「どうぞ...」
    手渡された時に手と手が触れ合う
    「どうしよ...あ..ありがとうございます」これ以上、断るのも気がひけてしまい受け取ってしまった。

    「じゃ...お疲れ様でした...お気をつけて」
    軽く会釈をすると微笑み、フードを力強く頭に被り駐車場へと走って行ってしまった。


  • No: 18®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/02 23:22

    水は側溝に集まり、ゴボゴボと音を立てて暗い排水口に吸い込まれる

    「こんな雨だし、やっぱりあの人ずぶ濡れになっているだろな」
    (どこの部署の人だろうか...?傘を返さないといけないし、お礼もしなければ)

    青い傘布を見つめる。端には細かい刺繍の装飾があり、女性用の傘にも思えた。

    なんとか自分の車に避難した時はスニーカーの中に水が染み込み、身体は水滴にまみれていた。

    「もーやだなぁ」

    鏡を見ようと車内でバックミラーを覗き込む。







    「........?」








    自分の車の後方に人がいる


    フードを被り口元だけ見える
    「え?誰?傘を貸してくれた人?」



    「あ!あの!」



    この声は確実に届いていないと分かっていた。後部座席の濡れた傘を掴み、車外に出る。


    しかし、ほんの数秒で鏡に映った人間は消えていた。

  • No: 19®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/03 16:44

    釈然としないまま運転する。車内TVは大雨の注意を促す天気予報が映っていた。

    道路は暗闇の農道にさしかかる。普段はハイビームで通る道だが雨が反射して白いカーテンの様に視界が悪い。慎重にロービームで進んだ。
    寂しい神社の鳥居が正面にあるT字路で右折する。いつもの帰宅する道だ。ここを左折すると薄気味悪い山道へと繋がるのだが、行った事はない。通ろうとも思わない。

    その山道は過去に少女の遺体が発見された場所でもあり認知度の高い有名な場所で5年前くらいにニュース報道もされたこともある「帰らずの森」と呼ばれる場所だ。

    この町は標高300〜800程の山々に囲まれた盆地に存在していて、隣町まで行く為には峠を越える必要がある。

    どこか寂しく隔離されたような町で若者は早々に賑やかな都会へと逃げてしまうので人口は減少傾向にある。そして失踪者の多い土地としても有名だった。

  • No: 20®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/04 03:21

    帰宅途中に寄ったコンビニエンスストア
    菓子とジュースをかごに入れ、レジ前でおでんを頼もうとした。

    「....すみませーん」

    閑散とした店内には店員が居ない。

    奥の方で年配の店員と男が話をしている

    「....犯カメラ....もう一度....させてく...」

    (私服警官?)
    薄っすらと聞こえた発言で男が何者なのか推測できた。通り魔の手掛かりになり得る防犯カメラの 映像を入手しに来たのだろう

  • No: 21®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/05 23:53

    (絶対、警察の人だ...何か尋ねられても面倒だし、おでん頼んで帰ろう)

    気の弱そうな痩せた店員がレジに回る
    眉を曲げて困ったように由美を見た

    「すみませんね。お待たせしちゃって」
    「いえ。大丈夫です」
    品物のバーコードを読み取っている間、店の奥を横目で見る。

    警察であろう男と目が合う。

    「おでん...今日はよろしいですか?」
    コンビニの常連である由美の好物を店員は把握していた。

    「あ...おでん...あー今日はいいです」

    「かしこまりました。うちで採れた野菜なんかも販売してますので、よかったら」
    「は...はい」
    田舎のコンビニは客が限られている為、若干親しくなる事も多い

    (めっちゃ見てる)
    由美の容姿を記憶しているのか、逸らすことなく切れ長の目で見つめる警官

    由美はおでんを諦め、なるべく早く店を出ようと考えた

  • No: 22®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/06 02:36

    「待って」
    案の定、車に乗り込む寸前で呼び止められてしまった。由美が振り向くと男の胸が目前に迫ってきていた。

    「すみません、突然.....少しお話しを聴かせてもらってもいいでしょうか?」

    由美の耳より少し離した位置に傘を持ってきた。

    「はい」

    男の背丈は思ったよりも高く、見上げながら言葉を交わす。髪は無造作だが切れ長の目と顎のラインで冷たい、シャープな印象を抱いた。

    「私、こういう者です」

    黒いハンドバッグから名刺を取り出し、由美に渡した。
    ーーーーーーーーーー
    【平澤探偵事務所】

    木瀬 翔太郎
    TEL 070-6547-○○○○
    ーーーーーーーーーー

    「探偵?」
    「ええ....5年前の未解決事件の手掛かりを探してまして」

    近くで見ると、男の鋭い眼差しはいくらか和らいで見えた

  • No: 23®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/05/07 00:45

    「私、ここに越してきてから半年ぐらいなんです。知っている事は何も無いんです。ごめんなさい」
    探偵さんが求めるような真相に迫る情報は持っていない。せいぜい『帰らずの森』の噂くらいだった。

    「そうですか....この町が地元というわけではないんですね。お仕事はこの町でされていますか?」

    「はい。事件の事は職場の人から聞いたぐらいで、森で女性のすすり泣く声が聞こえるだとか、殺人鬼の住処とか」

    「なるほど....」

    反応は薄かった。すでに知っているのだろう。
    「最近、通り魔も発生していますからね。気をつけて下さい」
    「パトカーの巡回もよく見かけるし、検問も行なっているみたいなので今は犯人も動けないと思います」
    「冷静ですね」
    木瀬の細い目が更に細くなり、僅かに笑った。
    (内心めっちゃ恐いけど....なんで強がってるんだろ....あたし)

    「差し支えなければ、お名前と年齢を教えていただけますか?」

    「園田です。21歳」

    「独身ですか?ご結婚はされていますか?」
    「独身です」
    (ほっといてくれ泣)

    「ありがとうございます。お時間とらせてしまって、ごめんなさい」

    「いえ」

    「何か気づいた事や気になる事がありましたら連絡いただけると助かります」

    「あと最後にこの女性に似た人物を見かけた事はありますか?」
    木瀬は手帳から1枚の写真を取り出した。それはセーラー服を着た女学生が笑ってピースサインをしている姿だった。
    「8年前の写真なので今は少し変わっているとは思います」

    由美は首を横に振る。

    「ごめんなさい。分からないわ」

    「そうですか....」
    傘布に当たる雨音と木瀬の声のトーンが酷く悲しげに聞こえた。

  • No: 24®️(osRUnb)スレ主更新時刻18/06/24 15:22

    写真の女性をジッと見つめた。

    輪郭は卵型、黒髪で肩に掛かるぐらいの長さ、少しウェーブ。前髪はおでこにピン留めされていて、笑顔は日本人形の様に質素だが美しい。左目尻の下に涙ぼくろ。全体的な雰囲気は、古風で笑顔の似合う女性といった印象だ。

    「この写真の女性と5年前の未解決事件と何か関係があるんですか?」

    暗闇の中で小さなライターで火を灯すような、少し聴くのが怖い質問をした。

    「事件との関係性は現在分かりません。未解決事件の被害者ではないのですが、この街で足取りが消え、失踪してしまいました」

    「何か手がかりを掴む為に事件を追っている?」

    「そうです」

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