back to the sunset
黄昏時のオレンジ色に染まった公園
夕陽に照らされ長く伸びたふたつの影が歩み寄り
やがて寄り添いひとつになって歩いて行く
決してはぐれることなんてない…一筋に伸びた影を見て、そう信じて疑わなかった
窓から差し込む夕陽を遮るようにカーテンを閉めた。
ベッドに倒れこみ足を投げ出し横になる。
イヤホンから聴こえてくるのは、お気に入りの10-FEET。
その音をけたたましく鳴り響く救急車のサイレンがかき消していく。
「ふぅ〜。」
深いため息をついて、ボーッと天井を眺めながら、迷路のような壁紙の模様を目でなぞる。
幾重にも交差しまた分岐し分かれていく無数の道のように見える。
「…あの時……。」
物思いにふける。
しばらくすると眠っていた…。
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放課後の騒がしい教室の中、慌てて帰り仕度をする少年…亮太、高校2年生。
無造作にカバンに教科書やらを詰め込んで、勢いよく教室を飛び出して行った。
「一緒に帰ろうぜーっ!!」
「いいよ!ちょっと待ってて!」
笑顔でそう答える少女。
ショートカットで色白。ちょっと天然だが性格も明るく、学年で1、2を争う人気だった。
名前は…まみ。高校2年生。
「亮太、今日は補習は??」
「今日はないから大丈夫!」
亮太が慌てて向かった先は、そう、ふたつ隣のまみの教室だった。
「お待たせー!」
「よし!帰ろうっ」
帰り仕度の済んだまみと一緒に学校を出る。
亮太は地元で自転車通学。
まみは電車で数駅行ったところに住んでいた。
まだ、スマホや携帯なんて普及していない時代。LINEなんて当然ない。
付き合ってるっていっても会話や連絡を取り合うのは、学校の帰り道やたまの長電話って感じ。
それ故にすれ違うことも多々あった。もちろんケンカもした。
休みにはデートもしたが、学校から駅までのこの10分、15分がふたりの絆のようなものを築いていった。
昨日のテレビ番組の話や担任の文句。たわいのない話に盛り上がりながら一緒に歩いた。
若いふたりは先のことなんて考えなかった。
いや、考える暇もないくらいに今、その瞬間を純粋に楽しんでいたんだと思う。
校門を出て学校から少し離れると、ふたりはいつも手を繋いで歩いた。
「あ、あのさぁ…手ぇ…繋ぎたい…。」
最初に言い出したのは亮太だった。
「通学路だし人に見られちゃうよ?」
頰を赤くしたまみが、顔をそらして答える。
「…だったらいいよ…。」
すねる亮太。
「うっそー!ごめん…ちょっと恥ずかしかったから…。」
変なとこで意地っ張りっていうか素直じゃないまみ。
「うっせー。もういいよ。」
亮太もまみに劣らずな感じだった。
「ごめんね!亮太、怒んないで!!ほんとにごめん!意地悪して…。」
そう言ってにこりと微笑むと、亮太の左手をギュっと握りしめた。
駅まで続く一本道に、夕陽に照らされ寄り添い歩くそんなふたりの影が伸びていた。
「うーん、、どこがいいかなぁ〜。」
まみが眉間にシワを寄せ口を尖らせて呟く。
「スキー場に行きたい…。」
亮太がカバンからパンフを出した。
「雪山かぁ!寒そうだけど楽しそう!!」
「よしっ!決まりっ!!」
「亮太と一緒に旅行とか初めてだね!楽しみだなぁ〜早く春休みよ来ーーーい!!」
無邪気にはしゃぐまみ。
まみの即決で春休みに2泊3日で長野のスキー場に行くことになった。ふたりとも誰と行くかは、もちろん親には内緒だ。
春からは3年生…受験を控え補習やらで忙しくなる。その前に楽しもう!って魂胆だった。
『でも泊まりってことは…部屋も一緒だし、やっぱ…。』
『まみはどういうつもりなんだろう?』
高校生に限らず男子が考えることって言ったら…やっぱりこうなる。
まみとキスはしたが、その先はまだであった。
一度、キスした時にドサクサ紛れに亮太が胸を触ったことがあるが、こっぴどくキレられた。
『でも…泊まりだし…やっぱいいってことだよなぁ?!』
亮太は四六時中そのことで頭がいっぱい。
『あーっ!ムラムラするーーっ!!』
帰り道、亮太はまみの胸が気になって気になってしょうがない。
高校生とはいえまみの胸は、ブレザーの下からでもその膨らみをしっかり主張し誇示する立派なものだった。
『うーん。亮太やっぱ意識してんだろうなぁ…旅行の話決まってから様子がおかしいし。やっぱアレのこと考えてるんだろうなぁ…絶対に…。』
まみだって同じだ。意識してないはずがなかった。
亮太と愛しあいたい…亮太に愛されたい…
まみは目覚めつつある"女"としての想い…まだ知らない男と女の未知の世界に対する期待と不安…。
そんな想いに頰を染め体の芯が熱く焦がれるのを感じていた。
やわらかな夕陽が、真っ赤に染まったまみの頰を亮太に気付かれないようにと、そっと照らしていた。
バスに揺られ目を覚ますと窓の外は白銀の世界。
「うわーっ!雪だ!!まみ!雪で真っ白だよ!!」
亮太の肩にもたれかかって眠るまみを揺すって起こした。
無防備に寝顔を晒していたまみの目がパッと見開いた。
「すごい!綺麗!!!」
「だろだろ??」
ふたりとも見慣れぬ雪景色に一気に眠気が吹っ飛びテンションが上がっていた。
「ねぇねぇ!亮太!雪だるま…めっちゃいっぱい作れるねっ!!」
ふたりで窓の外を眺めながら子どものようにはしゃいでいた。
そうこうしているうちに、バスは目的地のスキー場に到着した。
ロッジにチェックインして、ゲレンデに出た。
親子連れにカップルと…春休みシーズンとあって、平日にもかかわらず結構な賑わい様だった。
まみは初めてのスキーだったが、持ち前の運動神経の良さですぐに滑れるようになった。
「大丈夫か?はい。」
「うん…。ありがと。」
普段はどっちかっていうとシャイで奥手な感じの亮太が、転んで尻餅ついたまみの手を取り起こしてくれた。
まみは、遊ぶのに夢中で忘れていた今夜のことを思い出した。
『そう言えば…今夜、亮太と同じ部屋に泊まるんだ…。』
一瞬、ボーッとしてしまい足を滑らせた。
「あっ…!!!」
亮太も腕を引っ張られて、まみに覆い被さるように倒れこんだ。
『ちょっと…こんなの…ドキドキしてるのバレちゃう…。』
ゴーグルと分厚いスキーウェアが、潤んだ瞳と体の芯から発する熱、心臓の鼓動を気付かれないように隠してくれているのが幸いだった。
『やばい…まみに気付かれたかなぁ??こんなになってるの…。とりあえず、今は治ってくれ頼むっ…。』
亮太も気が気じゃない。
「ご、ごめん…。」
小さな声でまみが謝る。
「お、おう。」
『なんかあたしおかしい…恥ずかしいよ…落ち着いて!お願い…。』
周りの雪を溶かしてしまうんじゃないか、ってくらいの火照りと恥ずかしさのあまり、まみは亮太の顔を見ることが出来ない。
それからふたりとも目一杯はしゃいで遊んだ…ドキドキをお互いさとられないように。
山の天気はっていうように、着いてしばらくは霞がかっていた空もいつしか晴れて、夕陽が真っ白なゲレンデを幻想的に染めていた。
「いただきまーす!」
陽も沈み、遊び疲れたふたりは夕食を食べていた。
夕食後、スキー場の周りを散策することにした。
「うわー!綺麗!!」
都会の夜景やイルミネーションに比べれば、たいそう質素でささやかなものだったが…まみにとっては輝いて見えた。
『まみ、楽しそうだな。来てよかった。』
亮太も、そんなまみを見て純粋に嬉しかった。
「寒くなってきたね。戻ろっか?」
まみが甘えて腕に寄りかかる。
「うん、明日もあるし…風邪引いちゃいけないからな。」
亮太がそう言ってふたりはロッジへと歩きだした。
「外はやっぱ寒いねー!お風呂入りたーい!」
「そうだな、まみ、先に入って来なよ!」
亮太が緊張気味にすすめる。
「じゃぁ、お先に失礼!あ、亮太、覗くなよ??」
まみがわざと顔をしかめてみせる。
からかったつもりのまみの頰が赤くなっていた。
「バ、バカっ!だ、だ、誰が覗くか!まみの裸なんて!!興味ねぇーからっ!早く入れよ!」
耳の先まで真っ赤になった顔を見られないようにと、まみに背を向け言い放つ。
「ふーん。。そうなんだ〜。」
まみは脱衣所のドアを閉めロックした。
『はぁ…興味…なし…か…。魅力…ないんかなぁ…あたしって…。』
鏡に映る自分の体を見つめるまみの表情は、少し寂しげだった。
『もう入ったよな…今まみは…。』
まみの体を想像しムズムズと落ち着かない。
今までだってまみの体を想像したことは何度もあった。むしろ夜な夜な妄想にふけっていた。
ただ、いつもと違うのは、扉ひとつ隔てたすぐそこには、妄想ではない…一糸纏わぬまみ…がいるってこと。
その事実が亮太を今までになく興奮させ、落ち着きを奪った。
シャワーを浴びながらそっと指先で体に触れてみる。
『あっ…!…旅行が決まってから…ずーっと。あたし…亮太を…求め…わからない…。』
自分で理解しているような、していないような…初めての感覚と体の反応にまみは戸惑っていた。
「もう!亮太のバカ!バカ!大バカヤロー!」
先程の亮太の言葉と態度を思い出し、自分の戸惑いやら不安を亮太に八つ当たりするまみ。
『長風呂しちゃった…亮太が待ってるし、上がらなきゃ。』
ちょっとのぼせたようだ。
手をつきゆっくり立ち上がるその肢体は…亮太の想像が及ばないほどに…少女のそれというより美しい女のものだった。
『しまった…着替え持ってきてない。どーしよう…亮太に持ってきてもらうのも恥ずかしいし…あーもうあたしのバカバカバカっ!!』
「亮太ーー!あたしのバッグ持ってきてくれる??ちょっと忘れ物しちゃったの!」
ドア越しにまみの声がした。
『えっ?ちょっと待てよ…!!今入ったら…。』
亮太にも状況が理解出来て焦った。
「バッグ…だな??わかった、えーっと、、ドアの前に置くからな……いいよ、置いたよ!!」
ドアの前にバッグを置き、亮太はドアに背を向けた。
「大丈夫!見てないから開けてもいいよ!!」
亮太が声をかける。
「ありがとー!」
まみがバッグを取ってささっとドアを閉めロックする。
「おっ先ー!!」
しばらくしてパジャマに身を包んだまみが元気よく出てきた。
「おぅ!あったまったかー??…じゃぁ、俺も入ってくるわ!」
亮太はいそいそと脱衣所に向かった。
「亮太!パンツ持ったー??」
「お、おぃ…まみと一緒にすんな!」
『やっぱないよなー…。』
バスタオル一枚を巻きつけた姿でも期待してたのだろうか…。
亮太は服を脱ぎ風呂場に入った。
『さっきまで…まみがいたんだよな…ここに。…しかも裸で………。……いかん!せっかく治りかけてたのに!』
冷静になろうと、亮太は蛇口をひねり頭から水を被った。
着てるのはパジャマだし化粧こそしてないものの、これから出かけるのか?って具合に念入りに身だしなみを整えた。
そしてひとつひとつ点呼を取るかのように確認していった。
『髪…オッケー!…!…!』
『下着…オッケー?…だよね…?…大丈夫よね…これで。』
新しい下着…この旅行のために新調した物。
大人が買うような高級な物ではないが、純白にレースやらの装飾がついた派手過ぎず地味過ぎずで、感じの良い物だった。
まみはソファーに腰掛け、まだかまだかと…脱衣所のドアが開くのを待っていた。
壁に掛けられた時計の針は10時を少し回った辺りをさしていた。
夜が明けるのはまだまだ先。
ふたりの長い夜はまだ始まったばかりだった。
風呂から上がった亮太とまみは、ソファーに腰掛けテレビを見ていたが、内容なんて上の空だった。
お互い意識して緊張してるのか、交わす言葉も少なめだった。
亮太は全く気付いていなかった。
亮太がアプローチしてくれるのを…まみはドキドキしながら待っている…そのことに。
『もう、亮太ったらテレビに夢中なんだから…。いつもはスケベでエロエロなのに!!…亮太のために……あたし…もうっ!!!』
まみは決意と覚悟を決めてこの旅行に来ていた。
この旅行で、まみは初めてを亮太に捧げよう…そう決めていた。
初めてだし最初は不安が大きかった…でも、日が経つうちに決意が固まっていった。
『きっと亮太もあたしと同じ気持ちだよね…?あたしのこと……そう思ってくれてる…よね?』
『…でも、あたしから誘うとか…絶対に無理だよなぁ…そんな度胸ないもん。そもそも、どうすればいいんかわからないし…。』
いつもは明るく積極的なまみだったが、ことがことなだけにか恥ずかしさが勝り、思うように言葉も言えず、行動も出来ずでいた。
ただ信じてじっとその時を待つだけだった。
『あー!テレビに集中出来ない。気を紛らせたいのに!まみもこんな時に限って無口だし!くそっ…こいつもなかなか治ってくれないし…まみに気付かれたらどうするんだよ…。』
亮太は心の中で葛藤しながら、体の隆起した部分をまみに気付かれまいと、ソファーの上で膝を抱え体操座りをしていた。
亮太には、まみに対してふたつの想いがあった。
まみを抱きたいという男の本能、情熱、欲望に司られた想い。
まみをひとりの女性として尊重し自分の感情を押し付けたくないという理性的な想い。
時にはイコールでもあり、時には相反することもあるであろう…ふたつの想い。
悲しいかな、まだ若い亮太には相手の想いを察するだけの包容力もない。
触れないでいること…必ずしもそれが相手を大切にしている訳ではない…そのことに亮太は気付いていなかった。
はやい話が、亮太は女心、まみの気持ちを全くと言っていいほど理解出来ていなかった。
それにもし拒まれてしまったら…そう思うと亮太は手を出せなかった。
亮太にとって…まみからの拒絶…それがなによりも一番怖かった。
どれくらい時間が経ったのだろう。
心臓が時計の秒針の音をかき消すくらいの激しい鼓動を繰り返す。
コクっ…まみの頭が腕にもたれかかった。
「…ん?」
そっとまみの顔をのぞき込むと、スヤスヤ寝息を立て、気持ち良さそうに眠っていた。
『かわいい顔してるよなぁ…ほんとに…。』
まみを見つめる亮太の顔には、さっきまでの気忙しさはなかった。
しばらくの間、まみのことを見つめていた。
『ここでこのまま寝かせる訳にはな…ベッドに寝かせてやらなきゃ。』
亮太はまみの背中と膝の裏に腕を回し、起こさないようゆっくりと抱き上げた。
『うっ…見かけによらず結構…重いんだな…。』
亮太は俗に言うお姫様抱っこをしてベッドに向かった。
パジャマの薄い布越しに…まみの体温、柔らかい肌の感触が伝わってきた…。
「よいしょ…。」
亮太はまみをベッドに横たえた。
「…うぅ…ぅん…。」
布団を掛けようとしたら、まみが寝返りをうった。
こっちを向いたまみと向かいあい、じーっと寝顔を見つめていた。
まみの顔から視線をずらすと、パジャマの首元から…胸の谷間と純白のブラが目に入った。
『おほっ!ラッキー!へへへっ…今日のブラはホワイトちゃん〜!!』
付き合っているとは言え、じっくりと見たことがなかった、まみの谷間とブラを堪能出来て、亮太はニヤけていた。
しかし、目にしてみると…今度は触ってみたくなる。悲しい男の性だろうか…。
まみが寝入ってるのを確認すると、そーっと気付かれないように…胸元に手を伸ばしていった…。
「ぅうん…バ…カ…亮太の…バカ……。」
びっくりして慌てて伸ばした手を引っ込めた。バランスを崩しストンと尻餅をついてしまった。
『な、なんだよ…寝言かよ。びっくりさせんなよな!』
『俺の夢…見てるんかなぁ…でも、バカって…。』
バカとは言われたけれど…寝言で名前を口にしてくれたことが、亮太にはすごく嬉しかった。
「ふぅ…。」
肩まで布団を掛け、まみの髪を優しく撫でた。
「ごめんな…。まみのこと本当に好きだから…まみがその気になるまで…俺、我慢する。…おやすみ。」
まみを起こさないように…そっとキスをして…亮太も隣のベッドに横になった。
部屋の明かりを落とし天井を見つめながら、今日一日を振り返った。
そうこうしているうちに…亮太も眠りについていた。
「…う、うぅん…。」
まみが目を覚ました。
カーテンの隙間からは朝日が差し込んでいた。
『あれ?…寝ちゃったんだあたし…。亮太は?…。』
まみはキョロキョロしながら起き上がると、ギュっと枕を抱きしめ、だらしなく口を半開きにして眠っている亮太に視線を向けた。
『なによ…結局テレビ見てそのまま寝ちゃったのね!!もうっ!』
自分が先に寝落ちてたのを棚に上げ、亮太に逆ギレするまみ…。
「亮太っ!いつまで寝てんのよ!」
まみがまくし立て、ガバッと掛け布団を剥ぎ取った。
「ちょっと!早く起きなさいよ!」
亮太の体を激しく揺さぶった。
「きゃっ…!!!」
咄嗟に声が出て、まみは両手で口を覆った。
一瞬で真っ赤に染まったまみの頬。
一点を凝視するその視線の先には、パジャマを今にも突き破らんとする…亮太の男の部分が…。
この状況、いつものまみなら完全に怒ってしまっただろうが……今朝は違っていた。
『ちょっと…や、やだ…。亮太…す…すごい…。こんなにし…これが…朝……ってやつ…なの…?』
驚きや恥ずかしさ、そして好奇心…怒るどころか、まみは微動だにしない。
初めて目の当たりにする、その逞しく勇猛に亮太の男を主張する様に圧倒され、まるで金縛りにでもあったかのようだった。
視線をそらすことすら出来なかった。
「ゴニョゴニョ…うーん…もう朝…なんか…??」
寝ぼけまなこの亮太が呟く。
亮太の視界にまみの姿が見えた。
「まみ…おはよう…。ぐっすり眠れた??」
「あっ!…お…おはよう…。」
我に返ったが、まみはモジモジと俯いたまま、亮太と視線を合わせようとしない。
『うん?なんだどうしたんだ、まみのやつ??まぁいいや、俺も起きよっと。』
亮太はそんなまみの様子に訳がわからないまま、ひょいっと、ベッドから勢いよく飛び起きた。
「……………。」
「あ!あぁっ!ご、ごめんっ!」
亮太はまみの違和感の原因が何かに気付き、慌ててその部分を両手で覆った。
『しまったなぁ…無防備だった…。まみ、気ぃ悪くしたよな…きっと。』
若さの漲る亮太にとって、それは毎朝の日課の様なこと…至極当然で当り前のこと。
完全に油断していた。
ふたりとも無言で顔を赤らめたまま身支度を始めた。
気不味さの漂う部屋の外では、真っ白な世界を日の光が照らしギラギラと眩く輝いていた。
顔を洗って服を着替えたふたりは、朝食を食べに行った。
「ねぇ、食べたら早く滑りに行こうよー!今日はもうちょっと上の方にも行ってみよっ?ゴンドラにも乗ってみたいなぁ〜!!」
まみが明るい声で話しかける。
「いいねぇ!せっかく来たんだし!」
『いつものまみに戻ったかな…?いやーでも、さっきは参ったよなぁ〜。』
ちょっとホッとして亮太も笑顔でまみの提案に乗っかった。
ゲレンデは朝から快晴だった。
真っ白い雪と晴れ渡った青い空の美しいコントラストが目を惹く。
照り返しで汗ばむ陽気の中、ふたりは今朝のハプニングも忘れ、夢中になって遊んでいた。
少し難しそうなコースに行ってみたり、座りこんで小さな雪だるまをいくつも作ったり…。
「疲れたー!天気いいし…あちぃーなぁ…。」
「おーーーい!!まみー!そろそろメシにしないかーー??」
手で日差しを遮りながら亮太が声を張り上げる。
「うん!疲れたし…ゴハンにしよっか!」
亮太の前まで滑り降りてきたまみが、息を切らして返事をする。
「暑いねぇ〜!まわりはこんな雪だらけなのに!」
「ねぇ亮太!これ、食べても大丈夫かなぁ…??」
手のひらにすくった雪を見つめてまみが言った。
「バカっ!死にはしないだろうけど…食うなよそんなん…。まみはほんとガキだなぁ〜!」
亮太にからかわれ、まみは口を尖らせてみせた。
ふたり仲良く並んで、お昼時で混み合うゲレンデでのレストランへと入って行った。
3人組でOL風のグループの隣の席に座った。
大人っぽい色気を振りまくその3人に、落ち着きなくキョロキョロと目をやる。
『…あたしが一緒なのに……もうっ!』
ニヤニヤした亮太とは反対に、まみはさりげなく怒りを露わにしていた。
「ちょっと、亮太?」
声のトーンをおとしてまみが呟いた。
女性の一人が話しかけてきた。
「ふたりでスキーですか?」
「えぇ〜まぁ!」
ヘラヘラと鼻の下を伸ばし亮太が答えた。
「彼女とスキーかぁ…うらやましいなぁ〜。」
「いやぁ〜彼女だなんて〜はははっ。そんな風に見えます〜?こいつなんてまだまだガキで…あはははっ!」
ヘラヘラと亮太が受け答えた。
「…………。」
『…悪かったわねぇ…ガキで。調子に乗りやがって…この…バカっ!!!』
もうまみの怒りは爆発寸前。
「あら、そんな言い方、彼女に失礼よ??こんなに可愛いのにー!」
亮太に棘を刺すように言ってみせた。
「す、すいません…。」
照れながら謝る亮太。ヘラヘラしたその顔に反省の色などなかった。
『誰に謝ってんだよ…誰にっ…。』
もうまみの怒りは絶頂に近かった。
「ほら〜?そんなんじゃ振られちゃうわよ?…ねっ!」
そう言ってまみに微笑みかけた。
「ほんと、こんな奴よりも……新しい恋を探そうかなぁ〜。」
横目で亮太を見ながら挑発した。
仕返しだと言わんばかりに。
「ねぇ?幾つなの?」
「あたし達…えーっと17歳です。来月から高3です…。」
まみがちょっと恥ずかしそうに答えた。
「わぁ〜若いんだ〜!ねぇねぇ、ふたりはもう長いの〜?」
「もうす…ぐ…。」
「もうすぐ1年です!」
亮太を遮ってまみが答えた。
『亮太…エロい目でジロジロと…絶対に喋らせてあげないんだからっ!』
「ふーん。17歳でもうすぐ1年…ふたりでお泊まりスキー。なるほど〜ふたりはもうそんな仲なのね〜!」
ニヤっとして悪戯な口調で言った。
「そ、そんな…。」
ふたりとも顔を真っ赤にして俯いてしまった。
「ふたりとも可愛い!私達もう行くけど…仲良くね!それじゃお邪魔してごめんね!楽しんで!!」
そう言って3人はレストランをあとにした。
意識しまいと必死だった…その事に触れられ…ふたりは俯いたままだった。
しばらくして亮太とまみもゲレンデへ向かった。
「メシ食ったし、ゴンドラ乗ろっ!!」
亮太がわざとテンション高い口調で言った。
「亮太、よかったね〜。綺麗なお姉さん達と仲良くなれて。」
満面の笑みで答えるまみ…。しかし、その目は笑ってはいなかった。
…亮太は黙ったまま足を止めた。
「まみ、ごめん。なんか調子に乗っちゃって…。傷付くようなことばっか言って…。」
いつになく素直に謝る亮太…まみはキョトンとしていた。
「俺、初めてふたりで遠出して、同じ部屋に泊まって……。」
「その……なんか意識しちゃって…すっげードキドキして、すっげー緊張しちゃって…俺ってガキなんだよなぁ…。」
「ガキっぽいとこ…まみに見られたくなくて。恥ずかしいから。もっと素直になりたいけど…。もともとガキだからどうしようもないけど…。」
「…俺ガキだしふざけてばっかだけど…俺…まみが大好きだから…。」
予想外の亮太からの2回目の告白。
「亮太、ありがとう。」
まみが優しく微笑みかけた。
「亮太のこと、ガキだなんて思ってないよ…背伸びすることないし、そんなこと悩まなくていいよ。そのままの亮太でいいよ…。」
「…たまに子どもっぽいとこもあるし、ケンカもよくするけど…。」
「でも、ケンカするほど仲がいい!って言うしっ!!」
まみが笑ってみせた。
「あたしね、そんな亮太が大好きだから。今、目の前にいる…そんな亮太が大好きなの。」
優しく落ち着いた口調で…はっきりっと想いを告げた。
そして…。
『どうしよう…もうこの勢いで言っちゃおうかなぁ…。』
頰を赤く染め俯くまみ。
「あの……。」
「…あたし…あたしね、亮太……亮太にね………亮太と…なら…。」
必死に絞り出そうとしたが…結局、言えなかった。
あの亮太が、真剣に好きだと言ってくれたのに…まみは申し訳なく思えた…。
「な、何??…なんだった…??」
亮太はちょっと不安そう。
「いや!なんでもない!!」
まみはその場を取り繕うように元気よく笑ってみせた。
悲しいかな…ちょっとした思い込みや勘違いから、交わることない平行した道を…それぞれの想いがひとり歩きし始めた…。
少しずつその距離は縮まってはいたが…。
ここ一歩が踏み出せないでいるふたり。
「 好き 」…ちゃんと言葉にして伝えられるのに…。
こんな風にかしこまって告白したのなんて…ふたりが付き合いだした時…そう、亮太がまみに告白した…あの時以来だった。
「あぁ〜ぁ…明日はもう帰りかぁ…。」
まみが足をブラブラさせてボヤいた。
「おいっ揺らすなって!!…まだ半日あるし…思いっきり楽しもうぜっ!!」
少しぎこちなくなったふたりだったが…並んでリフトに乗ると、すぐにいつものふたりに戻っていた。
ゴンドラには…結構並んでいる様に見えたが…それ程待たずに乗りこめた。
「ワァ〜ォ!ビューティフォースカイ!アーンド!ビューティフォースノー!!イッツワンダフォー!!」
本当に来月から受験生なのか?そう疑いたくなるような流暢な英語を披露するまみ。
ふたりの眼前に広がる風景は、まみのテンションがおかしくなるのも納得がいく絶景だった。
「やばいなっ!まみ!写真っ!フォトプリーズ!!」
「…ソ〜リィ〜亮太〜。…カメラさぁ、部屋に忘れてきちゃった…てへっ!」
しまった!と思い、笑ってごまかすまみ。
『マジかこいつ…。』
自分が持って来なかったのを激しく後悔した…。
まみの忘れ物で、この絶景を写真にこそ収めることは出来なかったが…ふたりの目にはしっかりと焼き付いていた。
それからふたりは、日没前までスキーや雪遊びを堪能した。
「はぁ〜もう腹いっぱい!!」
夕食を平らげた亮太が、お腹をポンポンと叩いてみせた。
「あたしも〜!ねぇ?亮太、アイス食べたくない?」
ニコニコしながら亮太の顔を覗きこむ。
『まだ食うんかよ…こいつ…。』
そう思いつつも、これはもう決定だなと悟った…。
『コンビニ…かぁ…。丁度いいな…。』
「あ!昨日ぶらぶらした時にコンビニあったよな?俺、買ってくるっ…!!」
「外寒いし…まみは部屋で待ってな!すぐ戻るから…!」
亮太が自ら進んでパシリに名乗り出た…。
「あたしも一緒に行く!早く行こっ行こーっ!!」
有無を言わさずまみが立ち上がる。
ひょっとして読まれてるのか?…亮太はいそいそと身支度した。
外に出ると、冷んやりと澄んだ空気が、食後の火照った体に心地良かった。
まみはいつも亮太の左腕に、自分の右腕を絡ませて手を握る…こうやって手を繋ぐのが好きだった。
まみには内緒だったが…腕に伝わる胸の感触を楽しめて、亮太も好きだった。
ふたりの定番スタイルだった。
ふたりのロッジから歩くこと数分、お目当のコンビニがあった。
ふたりの住む辺りでは見かけない名前だった。
まみは店に入ると、一目散にお目当のアイスを物色し始めた。
「どれがいいかなぁ…?うーん。これ美味しそうだよね…あっ!これも……。亮太も食べるでしょー??」
ぶつぶつ言いながらアイスを選ぶ…。
「あ、う、うん。俺は…えーっと…まみと同じのでっ!」
適当に返事をして、落ち着かない様子でキョロキョロする亮太…。
『今夜がラストチャンス…ラストナイトフィーバーだ…!!』
なにかを探してるんだろうか?そう、なにかを探していた。
『まぁ昨日はなんもなくて良かったよな。…着けないでなんて言ったら…絶対ダメって言われるよな…。』
亮太がお目当のなにかが並ぶ商品棚を見付けた。
『どれがいいかなぁ…?早く選ばないと…見つかっちゃう…。』
「亮太ーー!どこー?」
『げっ!やっべー!!!あーもうこれでいいやっ!!』
適当に掴み取ると、見付からないように後ろ手に隠した。
「亮太、どーしたのー??」
アイスを選び終えたまみがやって来た。
「どーもしないよ!地元にない珍しいコンビニだからつい…ははっ…。アイス決まった??大サービスで俺が奢ってやるよ!!」
「えぇー!いいの?ラッキー!!…これと…あ、これ亮太のねっ!!嬉しいなぁ〜ありがとう!じゃぁ、はいっ!」
ニコニコしながアイスの入ったカゴを亮太に渡した。
『はぁ…危なかった…。まぁ、アイスくらい安いもんだっ!』
「俺、レジ行って来るから、立読みでもして待ってて…!」
「はーい!」
そう返事をして、まみは雑誌コーナーへ歩いて行った。
『よかった…素直に言う事聞いてくれて…。』
亮太の額は、薄っすら汗ばんでいた。
袋が大きいスナック菓子を二つカゴに入れた。
そして、まみに見られてないのを確認し、隠していたブツを菓子の袋の下に忍ばせた。
緊張したが…ここは旅先、もう顔を合わすこともないだろうと言い聞かせ…無事に支払いを済ませた。
ひとりこっそりと店を出ると、亮太は例のブツを袋から取り出し、慌てて上着の内ポケットに隠した。
亮太は作戦が成功し、よし!っとガッツポーズした。
立読みに夢中なまみの正面に行き、コンコン…と外から窓を叩いた。
一瞬びっくりした表情をし、店の外にいる亮太に気付くと雑誌を戻し、店から出て来た。
「もぉー!びっくりしたー!亮太、いつの間に外出てたの?全然気付かなかったよ〜。」
「夢中だったから置いて帰ろうと思って!」
すました表情を作り答えた。
「ひどい…!置いて行かないでよ!」
口を尖らせ、亮太の腕にしがみついた。
「冗談だよ!ちょっと驚かせてやろうと思っただけ!!」
そう言ってふたりはロッジに向かって歩き始めた。
「ずーーーっと、こうやって一緒にいるっ!!亮太がどっか行っちゃわないように。」
「ふーん。じゃぁ、お風呂もこうやって一緒に入っちゃうか?」
冗談だったが、亮太の頭の中では妄想劇が展開されていた。
「えっ……いきなり…それは……恥ずかしい……。」
亮太の腕に顔を埋めて小声で呟いた。
いつものまみなら、怒って一蹴する様な冗談を、真に受け恥ずかしさの極致だった。
妄想に夢中な亮太は気付いてないが…。
『まだ……まだ…なのに…一緒にお風呂だなんて…引かれちゃうよね絶対……手慣れた感じがして…。』
「…………。」
『…うーん…。順番的にどーなんだろう?…ふたりでお風呂って…ABCだと…どれにあたるの?……あーん…もう!』
まみも妄想を膨らませ困惑していた…。
『戻ったらひとつだけ出して、残りはバッグに隠す。使う分は……ふつうにポッケに入れとくか…よし!完璧っ!!』
ひとしきり妄想を楽しんだ亮太は、予定は未定な今夜のプランニングを始める。
「亮太、次はナイターでも滑ろうよ?あんな綺麗なとこ滑ったら…気持ちいいだろうなぁ〜。」
ライトアップされたゲレンデを見つめるまみ。
「うん。そうだな…次は絶対。夜のゲレンデかぁ…ロマンチックだよな。」
まみの言葉に我に返り、亮太もゲレンデを見て呟いた。
「亮太…絶対来ようね…ふたり一緒に…。」
亮太に目をやりまみが言う。
「うん。絶対に!俺はずっとまみと一緒だから。」
まみの瞳を見つめて答える。
まみの腕を解き抱きしめた。
「まみ…。」
「…亮太。」
ライトアップされ、美しく輝くゲレンデを背に…ふたりは唇を重ね…少し長めのキスをした…。
いつまでも一緒…そう誓うふたりを祝福するかのように…粉雪が、キラキラ輝きながら舞っていた。
ふたりは肩を寄せ、少しの間ゲレンデを見つめていた。
雪が降り始めて本格的に冷えてきた。
「行くか。帰ってアイス食べようぜ!」
「うん。そうそう!アイスアイスっ!!」
まみがニコニコしながら手を繋ぐ。
ふたりがロッジに着く頃には、雪は本降りになっていた。
雪が…街灯やゲレンデの光に照らされて…キラキラと光のシャワーとなって舞い降りる…。
「ほんとに綺麗……。あたし、ここに来て亮太と見た全部…あたしは…絶対に忘れないと思う。」
「俺もだよ…しっかり目に焼き付いてる…。」
部屋に戻ったふたりは、ソファーに腰掛け念願のアイスを頬張った。
「亮太〜ひと口ちょーだーい!」
まみが亮太の食べているアイスを狙っていた。
「ちっ…しゃーないなぁ…ほれっ!」
アイスをまみの口元に差し出し、食べさせた。
まずは味見と言わんばかりに、目の前に差し出されたアイスを、舌でペロっと…悪戯っぽく舐め上げた。
そして、今度はガブっとかぶりつく。
「あー!こっちも美味しいなぁ…やっぱ、あたしもこれにすればよかったかなぁ…。」
顔をしかめてまみがボヤいている。
亮太は固唾を飲んでその様子を見ていた。
その様は、AVで見たことのある…そして亮太もしょっちゅう妄想する…あの行為とリンクした…。
『あーもう!何を見てもエロく見える!!…はぁ…落ち着かなきゃ…。』
気持ちとは裏腹に体は正直だからね…。
『やばいよなぁ…。今朝のこともあるし…まみが見たら終わりだよな。』
そんな亮太をよそ目に、まみはアイスを堪能して、満足そうにニコニコと可愛らしい笑顔を振りまいていた。
「まみ、昨日みたいに寝ちゃうといけないし…早くお風呂入っておいで。」
怪しまれないよう…落ち着いた口調で促す。
「お風呂?亮太は??」
「あぁ、俺、後でいいからまみ先に入りな。」
「うーん。じゃぁ、お言葉に甘えて…先、入って来るねっ!」
そう言って立ち上がると、風呂の準備をして、脱衣所に入って行った。
亮太はなんとかピンチを切り抜けホッとした。
まぁ…悪運はいい方なんだろうか??
ズルズル、ズルズルとここまできたけど…今夜が正念場だってのは、おバカな亮太でもさすがにわかっていた。
まみに気付かれないように、忍び足で脱衣所のドアに忍び寄る亮太。
こっそり覗こうとでもしているのだろうか…。
ドアの前に来ると、ドアにそーっと耳を当てて、まみが浴室に入ったのを確認した…。
すると、ドアを開けることなく、再び忍び足でドアから離れた。
そして、上着の内ポケットから…さっきコンビニで買った…タバコを大きくしたくらいの箱を取り出した。
箱の中から、円形をしたなにかがパッキングされた包みを取り出すと…。
素早くパジャマのポケットに忍ばせ、箱をカバンの奥深くに隠した。
『よし…完璧!予定通り!!』
カーテンをめくり、窓の外を眺めた。
『あとは…勇気を出してだな……。』
「はぁ〜気持ちいい〜。」
浴槽に腰掛け膝を抱えて俯くまみ。
『楽しかったなぁ…明日はもう……。』
『…今夜がラストチャンス……大丈夫…亮太…好きだって言ってくれたし…。』
『うん!頑張るっ!!』
そう自分に言い聞かせると、真新しい下着を身に付け、パジャマを着て脱衣所を出た。
「お待たせっ!亮太もどうぞ〜!」
「おぅ…上がったか。今日はパンツ忘れなかったみたいだな…!!よし、俺も入って来る!」
亮太がおどけてみせる。
「ふんっ…今日はバッチリです〜。」
まみはわざと不貞腐れてみせた。
亮太は湯船に腰掛けまみの言葉を思い出していた…。
『大丈夫…だよな。まみも俺のこと…好きだって…言ってくれたし。』
『断られたら…我慢すればいいだけ…まずは…当たって砕けろだっ!!』
『よし!いくぜっ!!!』
パジャマのポケットに手を入れなにかを確認し、脱衣所を後にした。
天井の照明が消され…ベッド脇のテーブルランプの灯りが…部屋をほのかに照らしていた。
意気揚々と出て来た亮太は、その状況に呆気に取られた。
「うん?まみ、どこ?」
キョロキョロとまみを探す…。
まみはベッドに横になっていた。
「…亮太、おかえり。どうしたの…?」
布団を首元まで被ったまま、顔を起こした。
「いや、なんでもないよ。…もう寝てたんだ…。」
亮太は意気消沈したが…きっと疲れてるんだな…と自分を納得させた。
ベッドの脇まで歩み寄って、まみの顔を覗き込んだ。
「ごめんな、起こしちゃった?」
「ううん、起きてた…。」
「…今日もいっぱい遊んだし…体調崩すといけないし…無理せずゆっくり休めよ。」
優しく話しかけると、荷物を片付け、亮太も寝る準備を始めた。
『…亮太…寝ちゃうんか…。』
どっちを選ぶも本人次第…我が道を行くもよし、流されるのもまたよし。
どっちがいいかって?
そんなことわからない。最初っからわかっていたら…きっと誰も傷付かないし苦しまない…。
『仕方がないよな…うん。』
そう自分に言い聞かせると、亮太もベッドに横になった。
「亮太、もう寝るの??」
「……そうだな…テレビも面白いの演ってないし…寝ようかな…。」
当たり障りのないように答え、ちらっと壁の時計を見ると、まだ9時過ぎだった。
「そっか。…ねぇ…亮太、おやすみのチューとか…してくれないの??」
まみは恥ずかしそうに目を伏せ呟いた。
「なに?キスしてください。…だろ??」
あっけらかんとした口調で意地悪く呟くと、立ち上がりまみの顔を覗き込んだ…。
「…おやすみ…チュッ…。」
…まみにおやすみのキスをした。
首元まで被った布団に、ギュッとしがみ付くまみの手は、小刻みに震えていた…。
「もうっ!意地悪しないでよね…!」
拗ねた顔をして、くるりと亮太に背を向けた。
「ごめん。まみ、…あのさぁ……。」
亮太は立ち上がり、拳をギュッと握り締め、絞り出す…。
「…い、一緒に寝ても…いい…?」
「まみと…一緒に寝たい…。」
言いたいけど…言えないでいた…でも、やっと言えた…。
まみは、亮太に背を向け…黙ったままだ…。
しばらく続いた沈黙を破ったのは…まみ…だった。
「亮太…。」
「ごめん。まだ…今日はダメ…。」
一番恐れていた結果に、何も言えず力無く立ち尽くす亮太。
そんなに簡単に許してくれるとは、思っていなかったけど…やっぱりどこか期待している自分もいた。
濡れた窓に…雪が次から次へと…ぶつかっては溶け、ぶつかっては溶け…水滴となり滴り落ちていく。
まみが亮太の方を向き居直った。
「亮太、ごめんね…。」
「俺が…勝手に先走ってただけだし…気にするなよ…。」
亮太は俯き答える。謝られると余計に辛かった…。
「あの……ほんとはね…ごめん……あたしも…亮太と…一緒に寝たい…。」
恥ずかしさを堪えて…必死に絞り出した…。
『…えっ…?………。』
一瞬何が起こったのかわからなかったが…まみの言葉の意味を理解すると、脈が高まり体の隅々まで活力が満ち漲っていく感覚がした。
「ごめんね、亮太。さっきの仕返し…あたしも意地悪しちゃった…。ごめん…ほんとは……。」
「ほんとは、あたしも…亮太と……。」
「…まみ、そっち行くね…?」
「うん…。」
「…それじゃぁ…。」
まみの布団に入ろうと…緊張で震える手で…ゆっくりと布団に手を添えた…。
亮太は布団を捲り上げ、ベッドの上のまみを露わにした。
真っ白なシーツの上に…下着だけの姿で横たわるまみ……。
まみは仰向けで…目を閉じて胸元で手を組んで…祈りを捧げるかのように…激しい緊張に耐えていた。
布団の中の熱気が逃げ…強張り火照ったまみの素肌を、冷んやりとした空気が撫でると、まみの体が一瞬ビクッと震えた。
下着こそ身に付けているが、その無防備に横たわるまみの姿に、亮太は体がゾクゾクする感覚を覚える…。
「亮太…軽蔑した?……あたしのこと…。」
しばらくして…組んでいた手をギュッと握り締め…まみが呟く。
「い、いや、軽蔑なんて。ただ…ちょっとびっくりしたっていうか…。ははっ。」
おどけてみせるも…それが、まみなりの精一杯だってことは、鈍感な亮太にもしっかりと伝わっていた。
そんな亮太にほっとして、まみはゆっくりと目を開いた。
「ごめんね…亮太、ずっと我慢してくれてたんだよね?ほんとは……。ごめんね…。」
「そんな…謝ることじゃ…。俺は…まみがその気になるまで…待つつもりだったから……。」
そう言ってまみの横に寝転んで、布団をかけた。
「そう…。ありがとう。亮太の気持ち嬉しいよ。」
「…そんな…礼を言われるようなことでも…。」
そう言って、まみの方に体を向け、その手を握った。
亮太に愛されている。亮太に大切にされている。亮太に女として求められている。そして今、亮太が隣にいる…。
もうまみは…素直に想いを伝えることに…不安はなかった。
「亮太、あたし、ずっと前から決めてたの……初めての人……亮太だって…。」
「あぁ…俺もまみじゃなきゃって…ずっと思ってた。」
「お昼…あの時は…言えなかったけど、ふたりの初めてのこの旅行で……亮太にあたしの全てを…って……。意味、わかる…よね?」
「亮太、あたし…亮太が大好き。だから……あたしの……あたしの初めて……あたしの…初めての人になって…ください……。」
そう告げると、恥ずかしさと緊張のあまりか、亮太から視線を逸らし、きつく瞼を閉じた。
亮太はまみの想い、覚悟を目の当たりにして、正直驚いた。
『そんなに…俺のこと…。』
付かず離れずだった…ふたりの想いがひとつになった。
「まみっ…!!!」
亮太はまみを強く抱きしめた。
「うっ…うぅん…。」
「……亮太、また昨日みたいに寝ちゃうんじゃないかって…心配だった…。」
「そんな…寝れる訳ないだろ…!」
「よかった…こんなに近くにいるのに…意識されないなんて寂しいもん。あたしって…女として…魅力ないんかなぁって……。」
「まみっ!!」
亮太が…まみの言葉を遮るように唇を塞ぎ…ぎこちないが情熱的なキスをした…。
「亮太…大好き…。」
想いを告げ、亮太を求めるまみの表情は、無意識のうちに…少女から…男を欲情させる女の表情へと…変わっていた。
そんなまみに亮太は息を荒げ…男として愛したい、悦ばせたい…そんな想いの丈を一心不乱にぶつけていった。
亮太の汗ばんだ掌が、まみの素肌を撫で、首元に唇を這わしていく…。
その度に…肌を薄っすらとピンク色に染め上げ…時折、吐息混じりの小さな声を洩らす。
エアコンが、絶え間無く生温い風を吐き出し…忙しなく吹き出し口のリボンを…揺らしている。
それを覆う布地越しに、膨らみを弄る亮太の手が、やがて背中へと回り…手間取りながらホックを外す…。
そして肩からストラップをずり下げ…胸元を覆っていたそれを取り払う…。
すると、その下で心なしか窮屈そうにしていたふたつの膨らみが…ピンク色の蕾とともにぷるんと揺れながら…その全貌を曝した。
初めて見るその美しさは…まみが女であることを気高く誇り主張し、かつて妄想していたものを遥かに凌ぐ美しさで、感動と衝撃を受け固唾を飲んで見入ってしまった…。
「まみ…すっげー綺麗だよ…。」
「イヤっ……見ないで…恥ずかしい…。」
恥ずかしさのあまり、手で覆い隠すも…恥じらうまみの表情が、益々と亮太を興奮させていく…。
その膨らみに顔を埋め…夢中で唇を這わせ、その柔らかくも弾力のある柔肉を揉みしだき…その感触を味わう。
その頂きでピンッと硬さを増したピンク色の蕾を指で摘んだり、口に含み吸い上げ舌で転がす。
「…うっ……うん…あっ…ぅう…。」
戸惑い羞恥に耐えながらも…その一挙一動に甘い吐息を漏らし、ピクンと体を震わせながら…拒むことなく受け容れ応えていくまみ…。
とめどない愛撫が、体の強張りを少しずつ解きほぐし…快感へと変えていく…。
天井には、カーテンの影が…寄せては引く…波の様に静かに揺れている。
亮太の手が胸元から、くびれた腰へと徐々に撫で下ろし、まみの最後の砦へと伸びていく……まだ誰にも許した事のない……そこを護る最後の一枚へすぅっと指を忍び込ませていく…。
「イヤっ……亮太…ダメっ!!」
ビクっとしてまみが言った。
次々と送り込まれる快感の波に…それを受け容れ、女の反応を示す…そんな自分が恥ずかしくなり、亮太の手を咄嗟に遮った。
「ご、ごめん…。調子乗っちゃって…。」
亮太は今、正にそこに到達せんとするその指を慌てて引き抜いた。
「ごめん…ダメじゃ…ないけど。……恥ずかしくなっちゃって…。」
目を逸らし呟いた。
この先へ進みたい…でも恥ずかしい…そんな心の葛藤さえもが、その体を熱っしていく…。
しばらくそのままいたまみが…何かを決心して…キュッと唇を噛んだ。
「…電気…全部消してくれる…?」
亮太は上体を起こすと、手を伸ばしスイッチを切って、部屋の明かりを落とした。
濡れて滲んだ窓からは…街明かりがカーテン越しに…ゆらゆらと優しく部屋を照らしていた。
「…ちょっと…待ってて……。」
まみは自ら…その最後の一枚をゆっくりと脱ぎ去ると…その若く美しい体の全てを曝け出した…。
窓の明かりに浮かび上がるまみの体を…亮太はギラギラした視線で…舐める様になぞっていった…。
まみの体は…普段の無邪気さからは想像も出来ない…あまりも煽情的で妖艶な色香を放ち…亮太を欲情させ一瞬にして虜にした。
「亮太…あたしばっかり……亮太も……。」
「あ、あぁ…。」
亮太は立ち上がり、着ていたパジャマを脱ぎ…最後の一枚まで脱ぎ捨てた…。
「!!!!!!!!」
初めて見る、露わになった亮太の男を前に、まみは衝撃を受け声も出なかった…。
火照っていた体がさらに熱くなる。
『えっ…これが…あたしの中…に……。でも、すごい…初めて見たけど……なんか亮太…すごい…逞しい…。』
驚きから次第にそれを求める恍惚の表情へと変わっていく…。
まみを見下ろし…まるでそれを誇示するかの様に…立つ亮太。
天をつかんと逞しくそそり立つ亮太の男に…まみは畏敬の念にも似た感覚を覚えた。
この男に自らの体を差し出し…悦ばせ、悦ばせてもらう…。
そして、それを今か今かと…待ち焦がれている…。
そんな女の本能が、まみの背筋に、武者震いも似たようなゾクゾクする感覚を走らせていく…。
全てを露わにした亮太が、ゆっくりとベッドに腰掛け、まみの横に沿う様に横になった。
「好きだよ…まみ…。」
「うん。…あたしも…大好き。」
見つめ合い…最後に確かめ合うかのように…想いを告げ合うふたり。
まみに覆い被さり、キスをすると、そのまま再びその手で胸の膨らみを弄り始めた。
「あっ…ぅうっ……んぐっ…。」
亮太が刺激を送り込む度に、塞がれたままの唇から声が漏れ出す。
亮太の舌がまみの唇を舐め回し、侵入して行く…。
初めてのディープキスに戸惑いつつも…それを受け容れ…懸命に舌を絡め合う…。
亮太のぎこちなく情熱的な愛撫が…みるみるうちにまみの体を女の体へと…変えていく。
- << 38 レスNo.21の続きです。 抜けていました。読み苦しくなってしまい申し訳ございません🙇 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 胸の膨らみを手でギュっと揉み上げ…掌に吸い付く様な柔らかさと、それを跳ね戻そうとする弾力を兼ね備えた…その絶妙な感触を楽しむ。 「…はぁ…あぁ……ぁん…。」 亮太から送り込まれる快感に、吐息混じりの声を漏らし応えるまみ。 しばらく胸の感触を楽しんだ亮太の左手が、素肌を撫でながら下へ下へと下って行く…。 指先が小高い丘にある湿り気を帯びた茂みの中を進み、さらにその先へと進んで行く…。 「アッ…!」 まみが声を上げた。 亮太の指先が、まみの女の部分に到達した。 指先からは、零れ出した蜜のヌルっとした感触と、熱く火照った体の熱が伝わって来た。 『まみ…もう…こんなに…。』 『やだ…濡れてるの…亮太に気付かれちゃう…。』 恥ずかしくなったまみは、固く目を閉じ顔を逸らした。 しかし、そう思うと余計に体が熱くなり、ジワジワと蜜が湧き出て来た…。 亮太は指先を濡れた割れ目の亀裂に、ゆっくりと沿わせた。 指先を上下させ擦り、撫で回しその感触を楽しむ亮太。 「アァ!…ゥッ……ウゥ!……。」 「まみ…?気持ち…いいの?」 「…ハァン!……ゥン…ァア…!」 「まみ…どうなの??もう…濡れてるけど…?」 「気持ち…良く…ないんかなぁ…?」 亮太は指の動きを止め、まみを見つめて執拗に問い詰める。 「……よく…わかんない…。けど……気持ち…いい…と思う…。」 亮太と視線を逸らし、少し間を置いて小さな声で呟いた。
「なるほど…。」
この時は…口に出してはっきりと言わせたい、そんな気持ちもあったが、純粋に気になる…そんな感じだった。
「ごめん、恥ずかしかった?なんか意地悪で…ごめんな。」
そう囁き、軽くキスをすると、再び指先を動かし捏ねくり始めた。
まみは恥ずかしさと緊張で気が触れそうだった。
しかし、亮太に問い詰められ、体の芯がさらに熱くなったような気がした…。
「アンッ!……ンンッ…アッ!…。」
指の動きに合わせ…甲高い声を上げ、その体をクネクネとよじらせ…反応するまみ…。
指先で、入口の辺りを円を描くように撫でたり、少しぬかるみの中に入れて穿ってみると…指の動きに合わせてグチュグチュと卑猥な音を立てた。
そして、入口の上にある…小さな突起の様なものを…濡れた指先で優しく撫でると、その動きに合わせ大きく体を震わせ始めた…。
「ヒャッ!…ァアッ!……アッ!」
恥ずかしさとは裏腹に…急にスイッチでも入ったかのように…甲高い喘ぎ声を上げだすまみ…。
顔を上気させ…恍惚と苦悶の入り混じった表情で…ビクンと体を震わせるまみ。
しばらくその感触とそんなまみの反応を満足気に楽しんだ。
突然指の動きを止め、亮太が起き上がった。
徐に脱ぎ捨てたパジャマのポケットをゴソゴソと探りだした。
ポケットから取り出した包みの封を開け、半透明の円形をしたなにかを手に取った。
「…!!」
まみがそのなにかに気付いた。
「ははっ…。ちゃんと着けないとね。」
照れ笑いする亮太。
「あ、ありがとう…。ちゃんと…してくれるのね……。」
亮太の愛撫で乱れた呼吸を整えて、まみが言った。
ふたりは、もうここまで来ていたが、こんな光景が…より一層生々しく…まみに今この場の状況を知らしめる。
ふたりの目は…暗がりの部屋に慣れてきて…お互いの表情も見て取れた。
亮太は、そのなにかを男の部分の先の方から被せ終えると、まみの足元へ体を向けた。
以前、友人に貰った物で練習した甲斐があり、案外スムーズにクリアした。
まみの足を抱え押上げると、M字型に開いて、その正面に鎮座した…。
窓から射し込む光が、溢れ出る蜜に反射し…妖しく蠢くその造形を…妖艶に浮かび上がらせた。
『これが…まみの……。』
ゴクリと喉を鳴らし、初めて見る…謎めいた妖しさを放つ、まみの女の部分を凝視した…。
足を拡げられ、亮太にその全てを曝されたまみ…そのすぐそこには、先程より幾分その逞しさを増した亮太の男が…勢い良く天を突いていた…。
硬くそそり勃ちそれに侵入し貫き征服せんとする男
甘い蜜を零しそれを誘い魅了し欲情させんとする女
羞らい潤んだ瞳で亮太を見つめるまみ…。
『…とうとう…この時が………。』
組んだ手をギュっと握り締め、覚悟を決めた。
亮太がゆっくりとまみに覆い被さった…。
「まみ、好きだ。」
「うん。好き…あたしも…。」
まみは、そっと…目を閉じた…。
まみにキスをすると、上体を起こした。
これでもかと言わんばかりに、太く硬くなったそれの先端を…ゆっくりと濡れそぼるまみの肉襞にあてがった…。
まみの体は、強張り一瞬ビクッとし、小刻みに震えていた…。
「まみ…。」
まみはギュっと目と唇を閉じ、手を握り締めると…黙ったままコクっと小さく頷いた…。
亮太は、そんなまみを見て、腰に力を入れ、その先端でグッと肉襞を押し拡げて行く…。
ベッドの上には…今まさにひとつにならんとする…ふたりとその影が伸びていた。
手間取るも…放射状に広がるその先端を…ゆっくりとまみの中へと…押し進めて行く…。
まみの体に激痛が走り、大きく体を震わせた。
「ヒィィッァ…!!!」
奇声を発し、まみの腰が引けた。
「大丈夫…?」
心配そうにまみを覗き込む。
「う、うん…。」
痛みに堪える様に小さく呟くまみ。その体も声も震えていた…。
「…痛かったら…言えよ…?」
まみの心中を察する亮太。
「…ちょっと…ァア……痛いけど…大丈夫。」
微笑みかけ、気丈に振る舞うまみ。
「わかった…。じゃぁ…。」
亮太はそう言って、またゆっくりとその先端を…さらに奥深くへと…進ませて行く…。
それを覆う薄い樹脂越しに…吸い付くように絡み纏わりつく…まみの温かく柔らかい柔襞…その感触が伝わってくる。
もう少しでその最深部へ到達するか…その時…。
「ァァアッ!……亮太!…ごめん…ちょっとそのまま…んんっ…動かないで…。」
亮太は動きを止めた。唇を噛み眉間に皺を寄せ耐えるまみ…。
『ごめん…やっぱ痛いんだ…。奥まで入れ過ぎたかな…?』
黙ったまま、まみの顔を見つめ、亮太は…必死に堪えるその表情に、心配やら不安やらで…なんか申し訳ない気でいっぱいだった。
「まみ?…あの…なんか辛そうだし…痛かったら、やめとこうか…??」
亮太が心配のあまり問い掛ける…。
「…ううん。このままでいい…。」
優しくまみを見守りながら、亮太はそのまま動かずじっとしていた。
「…亮太…もう大丈夫…。だから…続けて……。」
しばらくしてまみが呟いた。
「わかった。我慢出来なくなったら…ちゃんと言うんだぞ??」
優しく声を掛け、亮太は再びゆっくりと腰を動かした…。
「アッ…アァ…ンッ…。」
抑えようとしてもまみの口から声が漏れる…。
亮太は根元まで差し込むと、そのまま動きを止めた。
心も体も完全に繋がり…ふたりはひとつになった。
『遂に…。まみと……。』
『とうとう亮太と…あたし…。』
飾り気のない壁に…ふたりを映すひとつの影が……昔観た白と黒の映画のように…映つし出されていた。
一思い耽った後、今度は、腰をゆっくりと引き抜いて行く…。
亮太の男にギュっと吸い付き、それを逃がすまいと吸引する…再び深部へと吸い戻さんとする…そんな感触だった。
「お、おぁっ…!!」
あまりの快感に思わず声を上げ、武者震いした。
そんな亮太を目を潤ませ見つめるまみ。
「まみ…まみの…すっげー気持ちいいよ…。」
亮太に悦んでもらえている…亮太の言葉が女として物凄く嬉しかった。
「あたし…大丈夫だから…。亮太の好きなように…していいんだよ…。」
まみは…自分は痛みに耐え、亮太にその体で悦んでもらおう…そう思った。
少し…また少し…こうやって、被虐的にすら思える…献身的な捧げる愛に目覚めていった…。
また、亮太もまみのそんな言葉に、胸の膨らみや蕾にも刺激を送り込みながら…腰を動かし、その快感と情欲の波に飲み込まれていった…。
「ウッ…クゥッ……。」
痛みに耐えるまみをいたわってか、その動きはゆっくりとしたものだったが、確実に昇りつめて行く。
「ふぅ…ゥウッ…ァアアッ…ンアッ……。」
亮太にその体を悦んでもらえて、痛みが少しずつ溶けて…未知の悦びへと変わって行った…。
雑誌なんかで、最初とその後の数回は…などいうのを見たことがあった。
まみの体は恵まれていたのか、耐え難いものだったその痛みが…亮太の腰の動きに合わせ、次第に痛み混じりの気持ち良さ…そんな感覚へと変わって行った…。
静まり返った部屋の中に響く…男の動きに合わせ軋むベッドの音…男の荒い息遣いと女の甘い声…。
「ウァッ!…ォオオッ!…。」
亮太が声を荒げ、腰の動きを速めた…。
「ヒャッ!…ダメッ…ァァァアアァッ!…ァアッ!」
それに堪らず、悲鳴にも似た声を張り上げるまみ。
亮太の腰が、そのスピードをさらに加速させたその時…。
「…ゥウ…ウァァアアアッッ!!!」
部屋に叫び声が響き渡り、押し寄せる快感にその限界を迎えた。
「…ァア!…オオォッ!…オォ…オッ!」
自慰では味わったことのない…あまりの快感に、体をビクビクっと震わせ、勢いよく精を解き放った。
ドクドクと脈打ち、それを最後まで出し切ると…倒れる様にまみに覆い被さり…亮太は果てた。
「亮太…大丈…夫…?気持ち……良かった…?」
亮太を見つめ、息も絶え絶えにまみが呟いた…。
「あ…あぁ、ごめん。なんか…最高過ぎて…感動しちゃった。」
ふっと我に返った亮太が、息を切らせながら答えた。
「そっか……よかった…。」
まみは、汗ばむ亮太の背中に手を回し、きつく抱きしめ顔を埋めた…。
「まみ…大好きだよ…。」
「…あたしも。大好き。」
心も体もひとつになった…色んな感情が一気に湧き上がり、まみの瞳から涙が溢れ出した…。
しばらく抱き合ったまま、お互いの肌の温もりを確かめ合ったふたり。
照れ臭そうに事後処理を済ませ、ふたりは身を寄せ横になった…。
そっとまみの肩を抱き…天井を見つめる亮太。
まみに初めて会った時の事、一目惚れした事、ドキドキしながら告白した事…………そして、今夜、初めてひとつになれた事。
まみと出会い歩んだ道のりを…そのひとつひとつを思い出し…なぞっていった…。
まみも同じだった。亮太の胸に頬を寄せ、初めて出会ったあの日…あの時から…今、こうして寄り添うそれまでを…。
人生におけるひとつの節目。
今夜の出来事もそのひとつに過ぎないかも知れない。
ずっと憧れ、待ち望んだこの瞬間。これがゴールではないけれど…ここに至るまで、悩み葛藤し、時にはすれ違い…やっとのことで辿り着き、そして結ばれた。
そうやってそのひとつひとつを乗り越え人は成長していく。
そして、良くも悪くも…変わっていく…。
それは、亮太とまみ。このふたりも、例外ではなかった…。
ふたりは…言葉を交わす訳でもなく…ただその身をぴったりと寄せ…静かに物思いに耽っていた…。
徐に亮太が壁時計を見てため息を吐いた。
「はぁ…もう昨日のことかぁ…」
長針と短針が重なり0時を指していた。
「…どうしたの…亮太…。」
「いや、俺とまみの…初めて記念日が…。」
顔を赤めて亮太が言った。
「…そうだね。でも、今もこうやって…亮太と……。だから…ふたりの記念日…まだ終わってない…。」
頬を染め潤んだ瞳からは…亮太への愛…ふたりこうしていられる幸せが…ふつふつと溢れていた。
「あっ!今日もやれば記念日だなっ!」
あっさりとムードをぶち壊す亮太…。
「バカっ!そんなんだからガキだってんのよっ!!」
「うそ!…ごめんごめん!」
顔を赤らめ言い放ったまみに、亮太が反射的に謝る。
「…亮太…あたしのこと……好きだよね…?」
まみが一転して、少し不安げに呟いた…。
「あ、当たり前だろ!好きだから……誰でもいい訳じゃ…。」
まみの言わんとする事を察して、亮太が言う。
「うん。よかった…。」
「俺にはまみだけだからっ!」
まみの目を見て、ハッキリとそう言って退けた。
「うん。…ありがと…嬉しい。」
亮太の言葉を反芻する様に…そっと目を閉じるまみ…。
「俺は…他の女になんて…。」
言い切る亮太…。
「信じてるよ…。でも…もし…浮気なんてしたら……絶っっっ対に許してやんないからね!!!」
怒りをヒートアップさせ言い放った。
「ぜ、絶対しませんから…!!許してっ!」
そんなまみに恐れをなして、必死でなだめる亮太。
「えっ!許してって…亮太っ!!!」
キッと鋭い視線で亮太を睨む。
「バ、バカ!そんな訳ないって!」
「ふっ……亮太、ずっと一緒にいてね…。」
そんな様子を見てふっと微笑み、亮太の胸に顔を寄せ、優しく囁いた。
「うん。約束する。」
亮太も優しく囁く。
「亮太、そろそろ…寝るね……。おやすみ…。」
亮太が、そっと…おやすみのキスをした…。
「おやすみ…。」
唇が触れ、これが夢ではないと確かめ合うと、再び目を閉じふたりは眠りに就いた…。
程なくして…ふたりの寝息が聞こえて来た…。その寝顔から…お互いの夢でも見てるのだろうか。
雪は止み、雲の切れ間からは、月明りがそっと…白一色の世界を…優しく見守っていた。
ベッドに差し込む朝陽を受け、亮太が目を覚ました。
「んおぉぉおおお!!!」
布団を跳ね除け、腕を広げて、大きく伸びをすると、腕に何かがぶつかった。
隣で寝息を立てるまみの顔だった。
「…そっか。俺達…一緒に寝たんだな…。」
まみの寝顔を見つめ、感慨深そうな亮太…。
「俺達、昨日……。」
亮太の脳裏に、昨夜の出来事が鮮明に蘇っていった…。
その横でまみは、その美しい体を無防備に曝し、眠っていた。
そう。ほんの数時間前まで、亮太が、触れ、貫き、愛した女の体が、朝陽にその白い素肌を照らされていた。
目の前の美しい女…その心も体もひとつに重ね合った…昨夜の光景に…亮太の顔は次第に緩み、ニヤついてくる…。
「はぁっ…あぁぁ…!!」
まみが体を反らせ目を覚ました。
「…朝かぁ…。亮太…?」
目を擦りながら、上体を起こし、亮太の方を向いた。
視界に入った亮太のニヤついた顔に、自分が、何も着ずに寝ていたことに気付いた。
「イヤッ!何見てんの!変態っ!!!」
咄嗟に寝ていた枕で、亮太の顔を叩いた。
「痛っっ!!!」
枕で叩かれ、ムッとし我に返った亮太。
「おい!何怒ってんだ!誤解だって!誤解っ!!」
「何が誤解よっ!ニヤニヤしてっ!!」
聞く耳持たずのまみ…。
「いや!だから俺は昨日のことを…!」
亮太がそこまで言うと、今までの威勢がなくなり、怒っていたまみの顔が、恥ずかしさで…より一層赤くなった。
まみの脳裏にも、昨夜の出来事が瞬時に蘇り、恥ずかしくなって俯いてしまった…。
「なぁ?まみって…家でもいっつも、そんなエロイカッコで寝てるの…?」
格好も何も…何も着てはいない…。
誤解され(誤解でもないが…)責められていた亮太が、反撃に出た。
「そっ!そんなハズないでしょっ!!ちゃんと着てるしっ!!バカっ!!」
慌てて布団で体を隠すと、真っ赤な顔でキッと亮太を睨みつけた。
もう…昨夜すごした甘い時間など、どこ吹く風状態だ……。
そんな恋人達の光景を、窓から朝陽が覗きこむ。
「なんだ、オモロくねぇ…。」
「でもさぁ、初めて見たけど…まみの体……マジで綺麗で…色っぽかったよ…。もう、ヤバイくらい気持ち良かったし……。」
亮太の表情とその口調は、ただ純粋に褒めている様にも…まるで、まみを辱め、その反応を楽しんでいるかの様にも思えた…。
まみは、褒められて嬉しい反面、羞恥心を煽られ…恥ずかしさとともに、体の芯が熱くなっていく…そんな感覚を覚えていた…。
恥ずかしさと、そんな体の反応に戸惑い、ただ頬を赤く染めるだけで、返す言葉も出なかった…。
「よし!服着て朝メシ行くかっ!」
亮太が、話題をコロっと変えて、まみを促した。
まみは、さっさと事を収拾させんと…黙って亮太に従うことにした。
すると、亮太が何やら屈み込み、ベッド脇からなにかを拾い上げた。
「ほれっ!早くブラ着けてっ!!」
亮太が得意げに…ベッドの下に、脱ぎ捨てられていたブラジャーを…まみの顔の前に差し出した。
「やだっ!!!」
慌てて亮太からブラを奪い取るまみ。
「なぁ?いつもそんな可愛いブラしてんのか?」
亮太がニヤニヤしながら、まみを言葉で弄る。
「うるさいわねっ!どうでもいいでしょっ!!そんなことっ!」
亮太のために買った…そんなこと言うもんかとばかりに突っぱねた。
「どうでもいいことないけどなぁ〜。……まぁいいや!メシ行こメシっ!!」
不服そうだったが、そう言って亮太は立ち上がった。
今度こそ身支度を済ませ、ふたりは朝食の会場へと向かった。
昨夜、屋根に積もった雪が…強い陽射しを浴び、溶け出しポタポタと…水滴を滴らしていた。
レストランに着くと、空いてる席を探した。混雑していたが、ふたりはなんとか場所を確保した。
「亮太、先に取りに行ってきてっ!あたし場所取っとくから!」
「おぅ、んじゃ先行ってくるわ。」
朝食はバイキング形式で、亮太に先に取りに行かせて、まみが席をキープした。
亮太が、皿いっぱいの料理を手に席に戻ると、入れ替わりで…今度はまみが食事を取りに行った。
『おっせ〜なぁ〜もう。女ってやつはほんとに…。』
なかなか戻って来ないまみを、ひとりこっそりと…持って来たフルーツを、つまみ食いしながら待つ亮太。
朝食客で賑わう店内に、一際耳につく黄色い声。
「ねぇ〜こっちは〜??」
「あー、ダメダメっ!」
「あった!あったー!!ここ空いてる〜!」
そんな感じで、ふたりの隣のテーブルに、場所を陣取る3人の女性達。
「あっ!!!」
「あぁーーー!!!」
顔を見合わせた瞬間、目を見開いた亮太とその3人が、合わせて声を上げた。
「えっ?やだっ!昨日の…すっごい偶然ねぇー!!」
昨日レストランで会った3人と、偶然の再会だった。
「あれ?彼女は??」
「あ、今、料理取りに行ってます…。」
そこへまみが料理を持って戻って来た…。
「あ!昨日の…!!」
まみも直ぐに気が付いた。
「おはよっ!また会っちゃったねっ!」
各々の料理が揃ったところで、5人は…これもなんかの縁だろうと…簡単な自己紹介をした。
「あらっ!わたし達も△△△よっ!!」
「ちなみに家は◯◯よ!」
「どっかで会ってたかも!」
3人は…ふたりと同じ県内で、しかも同じ沿線上に住んでいた。
そんな出会いに、打ち解け話を弾ませていった。
「まみちゃんと亮太くんは、いつまで居るの?」
「あたし達、お昼に帰ります…。」
「そっかー。残念。わたし達は明日…。」
歳は違えど、年頃の女性が4人も集まると、話が途切れるどころかひたすら喋る。とにかく喋る…。
女性の一人が、空になったグラスを掲げて言った…。
「お代わりー!!」
「あ!わたしも!亮太くん達は…??」
「そうっすね、僕達もっ!」
「じゃぁ…亮太のも持って来るっ!」
まみが気を利かせ立ち上がった。
「わたしもお願〜い!」
そんな風に…亮太と髪の長い女性を残し…席を後にした。
その女性曰く、名前はナツキ。19歳でOLとの事。
栗色のロングヘアーが色っぽい、美人だった。
ナツキは、亮太と二人きりになると、バッグからペンを取り出し、いそいそと紙ナプキンに何かを書き始めた…。
「ハイ!これわたしの!!ねぇ、亮太くんも…番号教えてよ!せっかくだし交換しよ?」
そう言って、ナツキは…名前と電話番号の書かれたそれを…スッと亮太の前に差し出した。
『えっ?これ…ちょっとマズイよな……。』
「あ…でも…。ちょっと……。」
「いいじゃん!連絡先くらい!!まみちゃんには内緒にしとくからっ!!ねっ!」
亮太は、罪悪感から躊躇したが、押しの強さもあり…連絡先くらい…そんな軽い気持ちで…交換した。
「サンキュー!今度連絡するねっ!!」
「ははっ…はい…。」
亮太は圧倒され苦笑いする他なかった。
しばらくしてまみと女性達が…ドリンクのお代わりと、デザートを載せた皿を持って席に戻って来た。
再び、時折、亮太とまみをいじりつつ…話に花を咲かせていった…。
かれこれ1時間半くらいは喋っていただろうか…。
「もうこんな時間かぁ…。…それじゃぁ…帰りの支度もあるし…あたし達これで…。」
まみが腕時計を見て、名残惜しそうに切り出した。
「そっかぁ…もう時間かぁ…。せっかく仲良くなれたのにねぇ…。でも、またどっかで会ったら、絶っ対声掛けてねっ!!近所だし!」
お互い挨拶を交わし、ふたりは部屋へ戻って行った。
まみはよっぽど楽しかったのか、すこぶる機嫌がいい。
亮太に寄り添い歩くまみの顔は…朝のケンカがまるで嘘だったかの様に…ニコニコして楽しそうだった。
そんなまみを横目に…亮太はナツキに渡された連絡先の事で頭を悩ませていた…。
『こんなの見つかった日には…俺。』
ポケットの中で握っていたそれを、ぎゅっと奥深くへ押し込んだ。
『帰ったら……さり気なく捨てとくか…。』
そして時間とともに次第に忘れていった…。
「ねぇねぇ、亮太?こんな偶然もあるんだね!地元まで一緒とか…!」
「お、おぅ。びっくりだったよ。偶然って凄いよな!」
話をしながらまみは、亮太と出会えた事を、ただの偶然じゃない…運命の出会いなんだ…そう思い胸をときめかせていた。
ロビーには食事を済ませ、ゲレンデへと向かう人々が、慌しく行き来していた。
ふたりは部屋に戻ると、急いで帰り支度をした。
「忘れ物…ないよね?亮太、大丈夫??」
「カ!ン!ぺ!キ!!」
「…まみこそ…忘れ物、大丈夫か…??」
亮太の顔は心なしか心配そうだ……。
帰り支度を済ませたふたりだったが、バスの出発時間までは、まだ少し余裕があった。
まみは部屋の中をゆっくりと見渡していった。
『この部屋で…亮太と………。』
亮太もベッドに腰掛け部屋を見渡す。
『ここで…俺とまみは……。』
『俺(あたし)は絶対に…忘れない。』
ふたりはここへ来てからの時間に想いを馳せて…心にそう誓った。
「…亮太、帰る前に一枚、写真撮っておこうよ。」
「うん…。そうだな。」
亮太とまみは、ベッドに腰掛け、仲良く肩を寄せて写真を撮った。
そして、陽がまさにその頂へと昇り切らんとする頃…ふたりは手を繋ぎ、思い出がいっぱい詰まった…この部屋を後にしていった…。
バスが出発し、しばらくは外の風景に見入っていたふたりだったが、遊び疲れもあってか、暖かい車内と振動に揺られ、何方からともなく眠っていた…。
ふたりを乗せ走ること数時間、バスは終点である都心部の駅に到着した。
陽もすっかり沈み夜の帳が下りていた。
「亮太、楽しかったね。一緒に来れてよかった…ありがとう…。」
「うん…。ありがとな!気を付けて帰れよ?また落ち着いたら電話するよ。」
「うん。わかった。亮太もね。それじゃぁ…おやすみ。」
「おう!またな!おやすみ。」
後ろ髪を引かれる思いではあったが、ふたりはそれぞれの家へと帰って行った。
「亮太〜!洗濯物早く出して〜!今から洗濯機回すから!」
「はいはーい。」
母に急かされ、亮太は部屋着に着替えるために服を脱いだ。
『あっ…。そう言えば……。』
何かを思い出し、履いていたズボンのポケットから紙切れを取り出した。
『どーしようこれ……。いいよな…掛かって来ねぇーだろうし。』
その紙を丸めてゴミ箱へ投入れ、そのまま洗濯物を出しに行った。
亮太は夕食を食べ、風呂に入り部屋に戻った。
『まみ、まだ起きてるかなぁ…。』
『…今日は疲れてるよな。明日、電話すっか!』
亮太は、コンポにメタリカのCDを入れて再生ボタンを押すと、ベッドに横になって、天井を見上げた…。
『俺も遂にまみと…ヤっちゃったんだよな。…まみ…ほんと綺麗だったなぁ…。』
『オッパイなんて最高だし…はぁ……。しっかし…セックスがあんなに気持ちいいとは……。』
昨夜の事を思い出していく…。
『でも、大丈夫かなぁ…マジで痛がってたけど…。そのうち気持ち良くなるもんか?まみも…。』
まみを心配しながらも、AVで観た女優の反応を思い出していた。
『そのうちまみも…感じる様になって、あんな感風に……。』
そんな事を考えているうちに、亮太は…まみとAVをリンクさせ…妄想し始めた…。
『…まみが、もうちょっと慣れてきたら……。』
『…もっと色々してみたいよな…。口でとか…色んな体位とか……。』
妄想が進むにつれて、亮太から…色々な欲求が…次から次へと湧き出して来た…。
部屋に流れる音楽のように、亮太は激しく興奮し淫らで甘美な欲求を募らせていった…。
亮太は興奮した気持ちを発散し、体を鎮めてから眠りに就いた…。
家に帰ったまみも、身の回りのことを済ませ、ベッドに横になっていた。
「はぁ…。電話…来ないなぁ…。」
『…疲れただろうし…寝ちゃったんかなぁ…。明日連絡するか…。』
時たま部屋の子機をチラチラと気に掛けながら、帰りに買った雑誌を読み始めた。
亮太と過ごした時間を思い出しながら、ぼーっとページをめくっていくと…ある特集ページで手を止めた。
『…セックス……かぁ…。もう…あたし…もう亮太と……。』
そのページは、男と女の肉体関係に関する特集ページだった。
『あたし……もう…処女じゃ…ないんだよね……。』
亮太と交わった昨夜の事を、感慨深く思い出すまみ…。しばらくの間、思いに耽ると、再び記事に目を向けた。
『そうなんだぁ…。確かに…物凄く痛かったけど……。』
『…確かにだんだん…痛みはあるけど…気持ち……良く………。』
亮太と交わってからのことを思い返した。
そして、さらに読み進めていった…。
『えっ!こんなエッチなこと…!でも……やっぱ喜ぶんかなぁ……。』
記事には…口や手などで男を喜ばせるテクニック…そんな内容が簡単なイラストを織り交ぜ書かれていた。
『…う〜ん…。やっぱ……亮太もして欲しいって、思ってるんだよね…実際。言わないだけで…。』
そう思うと、記事を読む目が真剣になっていった…。
『亮太が喜ぶなら…今度………?…でも…恥ずかしいよ……こんなん…。』
亮太のことを想像しながら、雑誌の内容に沿って見様見真似でその動作を真似してみた…。
すると、恥ずかしさとは裏腹に、体の芯が火照り、次々と蜜が湧き出て潤し満たしていった。
『やだ!あたし…濡れてきちゃった…。』
まみは恥ずかしくなり…その反応を否定するかのように…枕に顔を押し着けて、必死で他ごとを考えた。
男を欲する体の反応に、まみも気付き始めていたが、恥ずかしさからなのか、まだまだ素直にそれを認められずにいた…。
『こんなんじゃ…寝れなくなっちゃうよ〜!』
このままでは埒があかないと、雑誌を閉じて部屋の明かりを消した。
目を瞑り布団に潜り込んだまみの耳に…遠くから遣り場のないフラストレーションを発散させるかの如く…バイクを吹かす爆音が、聞こえていた。
そうやって夜は更けていった。
「じゃぁ、明日の10時に駅でな!」
「うん!亮太、寝坊しないようにね!!」
翌朝、亮太はまみに電話した。
ひとしきり話をすると、明日会う約束をして電話を切った。
亮太の両親は、明日の朝から亮太を家に残し、父の実家に帰省することになっていた。
もちろん、亮太は自ら留守番を名乗り出た…。
『明日は…おかんに邪魔されずに済むな…。』
亮太の顔は心なしかニヤついていた。
ふたりは春休みの最中だが、駅は通勤客で賑わっていた。
しばらくして満員の乗客を乗せた電車が、警笛を鳴らし駅に滑り込んで来た。
『これかな…?』
改札口から、ボーダーのワンピースに薄手のカーディガンを羽織ったまみが現れた。
「亮太!おはよ〜!お待たせ〜!!」
「まみ!おはよー!」
ニコニコと笑顔で亮太に添い寄るまみ。
「昼メシさぁ…おかんが、まみ来るならって…メシ作ってたんだけど?どーする??」
「えー!ほんとに!食べる食べるっ!嬉しい!!おばさん、いつも優しくて大好きっ!!」
まみは子供のような笑顔で喜んだ。
ふたりは途中、コンビニで飲み物とお菓子を買って、亮太の家へと向かった。
亮太の母とまみは面識があった。
亮太には兄がいるが、県外の大学に進学し家を空けていた。
元々家に女は母一人。そんな訳でか亮太の母は、まみを目に掛け可愛がっていた。
「おじゃましまーす!」
ふたりが家に着くと、亮太の両親はもう出掛けた後だった。
ふたりは二階にある亮太の部屋へと入った。
お菓子を食べながらいつもの調子で会話を楽しんだ。
「あんま激しくないやつで…なんかおすすめのCDないの〜??」
まみがCDラックを物色しながら聞いた。
「うーん、まみが聴くようなのはないな。たぶん。いや、絶対に!」
亮太は中学時代にヘビメタやパンクロックにハマった。以降、聴くだけではなく、自らギターも弾き始め、その道を突き進んでいた。
「もう…こんなんばっかり〜。」
口を尖らせ不服そうなまみ。
「あっ!そうだ!ギター弾いてよっ!!」
「ギター?いいけど…ちょっと待ってな…。」
亮太は部屋の片隅からギターを取り、準備を始めた。
『ギター演ってる亮太…カッコイイんだよねぇ…。』
まみは学祭での亮太のバンド演奏を思い出していた。
準備を終えて亮太がギターを弾き始めた。
弾いてる曲などまみには当然わからなかったが…真剣な表情で足や体でリズムを取りながら、ギターを掻き鳴らす亮太の姿に…目を輝かせ見入っていた。
「亮太…かっこいい…。」
「いや…そんな…。そんなことないよ…。」
「ううん。そんなことある。」
まみは目を潤ませ、照れ笑いする亮太を見つめた。
「な、なんか照れるなー!そんな!」
照れ隠しにおどける亮太。
「もう…人がせっかく褒めてるのに…素直に喜べばいいのにっ!!」
まみがヒートアップしてきた…。
「…うっせーなぁ!いちいち言われなくたってなぁ、カッコイイことくらいわかってんだよ!!」
「ぅう…ギター演ってる時だけねっ!それ以外はただのエロ!スケベ!変態っ!!」
お互い引かずで、子供のケンカの様になってきた…。
近所の工場から聞こえる、正午を知らせるサイレンの大きな音。それをかき消す勢いで言い争うふたり…。
「まみだって…そんなエロイ体して何言ってんだよ?人の事…言えるんか?うん??」
「な、何よ…。あたしそんなに……。」
亮太とのセックスを思い出してしまったまみは、言葉に詰まり、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
言葉で弄られ、まみの体が熱を帯びていった。
「まみ?ご、ごめん…。」
亮太はそんなまみを見て、言い過ぎたかなと、素直に謝った。
「…あたしも…ムキになって…ごめん。」
まみも俯いたまま素直に亮太に謝った。
「ごめんな…。」
亮太はまみの肩にそっと手を回して、優しく抱き寄せた。
「まみ…。」
「…なに…?」
「大好き…だよ…。」
亮太はまみにキスをして、そのままベッドへ横たえた。
「…しても…いい…?」
「…うん。いいよ…。」
亮太が優しく見つめ囁くと、部屋の明るさに躊躇いを感じもしたが、しばらく間を置き、まみは頬を軽く赤らめ小さく頷いた。
陽の光が差す明るい部屋の中、ベッドの上で縺れ合うふたり。
「うっ…うぅん……亮太…。あっ…あぁ……んっ…。」
衣服の上からまみの体に快感を送り込む亮太。
それに応えるように声を漏らし、濡らしていくまみ…。
亮太はワンピースを捲り上げ裾から手を侵入させると、ブラジャーの上から胸を撫で回し始めた…。
しばらくそれを楽しんだ亮太は、まみの体からそれを覆っていた全てを取り去ると、自らも服を脱ぎ捨てた。
白くきめ細かい肌、ピンク色をした胸の蕾、その体の美しさが…余す事なく鮮明に…亮太の視界に飛び込んで来た。
まみの目の前には、もうすっかり力が漲り、はち切れんばかりになった亮太の男。
明るみで改めて見た亮太の男に、またもや目が釘付けになってしまった。
『…す…すごい………。』
その逞しさ、色形をはっきりと目の当たりにして、まみの体がぶるっと震えた。
明るい部屋に曝されたまみの体。亮太はその隅々まで食い入る様に見て回る。
『やだ…こんな明るい所で…すごい見られてる…。』
恥ずかしさのあまり、まみは布団を掴み、露わになった体を覆い隠そうとした。
「まみ…!」
まみの手を掴み、それを制止した。そして、勢いよく布団を跳ね除けた。
「いやっ…!!」
咄嗟に声を上げ、胸を覆い隠している手に力が入った。
まみの恥ずかしそうな表情、覆われ切れず押し潰される様にして掌からはみ出した膨らみが、さらに亮太の劣情を煽った。
「まみ…あのさぁ……。」
亮太が顔を赤くしてもの言いたげに呟いた。
そして、いきり勃った自分の分身にチラッと目を遣る。
「…これ…。口で…してくれないかなぁ…?」
申し訳なさそうな口調で、しかしその瞳の奥に情欲の炎を燃やしながら、そう呟いた。
亮太に愛撫され、上気していたまみの顔が、さらに赤まった。
「えっ?ちょっと…あの……。」
「ごめん…。ムリなら別に…。」
亮太の男を目前にし、その言葉を聞かされ、あまりにもリアルなその状況に、焦りやら羞恥やらで、まみは困惑し言葉に詰まってしまった。
まみを気遣う言葉を掛けるも、なにか有無を言わせない雰囲気が漂っていた…。
『やっぱり…亮太…。どーしよう…どーしたらいいの!…こんなんじゃ…断われない…。』
『…してあげたら……きっと、喜んで…くれる……そう本にも…書いてあったし……でも…。』
しばらく固まったまま沈黙するまみ。
昨夜読んだ記事の内容を思い出すと、困惑し躊躇いながらも、亮太の落ち込んだ表情を見て、受け容れる覚悟を決めた。
「…わかった。いい…よ…。」
まみは俯き恥ずかしそうにそう呟いた。
『うん…。亮太が喜んでくれるなら…あたし…。』
「なんか…ごめんな。ありがとう。」
優しくそう言って、亮太はまみの方を向いて立ち上がると、突き付けるかの如くまみの顔の前に構えた。
>> 21
しばらくそのままいたまみが…何かを決心して…キュッと唇を噛んだ。
「…電気…全部消してくれる…?」
亮太は上体を起こすと、手を伸…
レスNo.21の続きです。
抜けていました。読み苦しくなってしまい申し訳ございません🙇
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
胸の膨らみを手でギュっと揉み上げ…掌に吸い付く様な柔らかさと、それを跳ね戻そうとする弾力を兼ね備えた…その絶妙な感触を楽しむ。
「…はぁ…あぁ……ぁん…。」
亮太から送り込まれる快感に、吐息混じりの声を漏らし応えるまみ。
しばらく胸の感触を楽しんだ亮太の左手が、素肌を撫でながら下へ下へと下って行く…。
指先が小高い丘にある湿り気を帯びた茂みの中を進み、さらにその先へと進んで行く…。
「アッ…!」
まみが声を上げた。
亮太の指先が、まみの女の部分に到達した。
指先からは、零れ出した蜜のヌルっとした感触と、熱く火照った体の熱が伝わって来た。
『まみ…もう…こんなに…。』
『やだ…濡れてるの…亮太に気付かれちゃう…。』
恥ずかしくなったまみは、固く目を閉じ顔を逸らした。
しかし、そう思うと余計に体が熱くなり、ジワジワと蜜が湧き出て来た…。
亮太は指先を濡れた割れ目の亀裂に、ゆっくりと沿わせた。
指先を上下させ擦り、撫で回しその感触を楽しむ亮太。
「アァ!…ゥッ……ウゥ!……。」
「まみ…?気持ち…いいの?」
「…ハァン!……ゥン…ァア…!」
「まみ…どうなの??もう…濡れてるけど…?」
「気持ち…良く…ないんかなぁ…?」
亮太は指の動きを止め、まみを見つめて執拗に問い詰める。
「……よく…わかんない…。けど……気持ち…いい…と思う…。」
亮太と視線を逸らし、少し間を置いて小さな声で呟いた。
目と鼻の先には、天を向いたまま、まだかまだかとピクン、ピクンと…まるで催促でもするかの様に、己を震わす亮太の男。
思わずそれから目を逸らしてしまったまみ。
そして、そのままゆっくりと体を起こし、亮太の前に跪いた…。
まみは緊張しながらそれに顔を向け、正面に向き居直ると、背中がゾクゾクする感覚にゴクッと喉を鳴らした…。
「…まみ…?」
亮太もこの状況に待ち切れない感じで、やんわりと催促した。
この状況に、激しい羞恥心を示すまみの理性。
その逞しさが愛しく、それを飲み込み悦ばせ自分も悦ばされたい女の情欲。
まみの中で激しくぶつかり合う。
そして、折れた…。
「…はい……。」
聞き取れないくらいの小さな声で呟くと、そっと亮太の男に手を添えた…。
亮太の男がビクンと震える。
初めてそれに触れた指先からは…石の様にカチカチに硬くなっていること、ドクドクと脈打つ感じが…伝わって来た。
『…こんなに…硬くて太いんだ…。』
手にすることで、改めてその逞しさを認識した。
『…先ずは………。』
先日読んだ雑誌の記事を思い出しながら、添えた手をゆっくりと前後に動かし茎の部分をしごくまみ…。
「うぅ…。まみ…早く…口に……。」
まみの手の動きに思わず声が漏れた。焦らされている様な感覚になり、さらなる快感を欲し、亮太が催促した。
まみは、手の動きを止め、羞恥に耐える苦悩の表情で、ゆっくりその先端を口にした…。
「はぁ…あぁぁ……。」
まみの柔らかい唇の感触、唾液と口の中の温かく湿った感触に包まれ、亮太は未知の快感にため息混じりの声を漏らした。
「うぅ…んぐっ……。」
まみの口からも声が漏れた…。
まみは先端の部分を口に含み込むと、口内に男の匂いが充満し、それが体中に広まり、息苦しくも甘美な感覚を覚えた。
「…んぐ…んん……ぅう…。」
まみがゆっくりと口を前後させ、唇と舌で茎の部分を刺激していく…。
亮太の前に跪き、目を潤ませ苦悶と恍惚が入り混じった表情で、亮太の男を口に咥えこみ奉仕するまみ。
そんなまみの姿が、亮太のサディスティクな欲求を満たしていき、さらにはエスカレートしさらなる欲求を生み出していった。
雑誌の内容を思い出しながら、口と舌で亮太へ次々と快感を与えていく…。
「あぁぁ…いい…。まみ…ぁあ…気持ち…いいよ…。」
まみの動きに合わせ、体を時折震わせながら、あまりの気持ち良さに声を漏らしてしまう亮太。
まみは、そんな亮太の反応に愛おしさや、亮太を悦ばせているという女としての充実感…そんな想いに突き動かされ没頭していった。
そして、険しかった顔つきが次第にうっとりとした恍惚の表情へ変わっていった…。
「…んぐっ…ジュパ……ぅう……。」
唾液が絡む音を立てながら必死に愛情を注ぎ込むまみ。
「うぅっ!…ぅあっ!…うぅ…。」
まみが口を前後させると、悶える様な声を漏らす亮太。
突然、亮太がまみの口から引き抜いた。
驚いた表情で亮太に目を遣るまみ。
「まみ…今度は…舌で舐めて…くれる?」
まみは黙ったまま小さく頷くと、舌で舐め始めた。
ミルクを舐める子猫のように、ペロペロと先端を舐めたり、舌を広げ包み込む様に舐めたり…思いつくまま思うがままに舌を這わせていった。
快感に悶える亮太の表情にたまに目を遣り、時には再び口に含んだりと、絶え間なく快感を送り込んでいった。
まだ明るい部屋の中に鳴り響く、まみの口元が奏でる卑猥で淫靡なハーモニー。
『こんなことしてるの…亮太に見られてる…。』
羞恥心に蜜を湧き出し満たし潤していく…まみは女の体になっていった。
「おぁぁ!そこっ…!」
体を震わし声を上げる亮太。
『…ここが気持ちいいんだ…。』
まみは亮太の表情や反応から、亮太が悦ぶポイントを心得ていった。
時折、意地悪く焦らす様にしたり、緩急を付けて攻めていくまみ…。
最初はぎこちなかったその動きも…夢中になって舌を這わせては口に含み…今となっては、積極的に亮太の男を攻め上げていた。
亮太は次々と送り込まれる快感の波に、体を震わせ声を上げ、ただただ必死に耐えていた。
「まみっ!…うぁぁあっ!…ダメだっ…!」
叫び声を上げて、まみの頭を掴むと、激しく腰を前後させる亮太…。
「んんんっ…んぁ…んん……。」
言葉にならない声を出し、まみが身悶えた。
亮太の体に電撃が走り抜けブルッと震えた…。
「あぁっ!おぉっ…!…あっ…あぁ…。」
耐えきれなくなった亮太が、体中をビクビクと震わせ、まみの喉奥に解き放ち果てた。
まみの前に仁王立ちになりドクドクとまみの口に精を流し込む亮太。
亮太の前に跪き苦悶と恍惚の表情でそれを喉奥で受け止めるまみ。
「うぅっ!…あぁぁ…あぁ……。」
亮太の男が、ドクンドクンと脈打ちながら勢いよく精を放っていった。
初めて口の中で絶頂を迎えた亮太は、感動とその快感に呆然としていた。
「ゲホッ!…ぶはっ…うぐっ…んん…んぐっ…。」
突然の事に驚きむせ返るまみ。
咄嗟に口から抜き出そうとしたが…亮太に頭を掴まれ、為すがままに受け止めるしかなく…そのほとんどを飲み込んでしまった。
口の中が亮太の熱い精液で満たされ、その独特の匂いが充満した。そして飲み込んだ際の喉に感じるネバネバとした感触。
「ゴホッゴホッ!…ゲホッ…!…ぅうっ…。」
亮太の手が離れ口を解放されると、まみはゴホゴホとむせて咳込み、口の中に残った精液を掌に吐き出した。
上気し赤くなった顔。その瞳から涙が頬を伝っていた。
「ごめん!まみ…。わざとじゃないんだ…。気持ち良すぎて……。」
我に返った亮太がまみに謝った。
この時、亮太は、やり過ぎたかなという罪悪感を感じたが、愛する女の口を犯し征服したという満足感が、次第に罪悪感を薄れさせていった…。
「…ぅう…。だ…大丈夫…。ゲホッゲホッ…。」
まみが咳込みながら、息苦しそうに答えた。
「まみ…ほんとにごめんな。気持ち良すぎて…我慢出来なかった…。」
亮太がまみの目を見つめて心配そうに呟いた。
「うん…。あたしは…大丈夫。ちょっと…びっくりしたけど…。」
まみは亮太を心配させまいと軽く微笑んで見せた。
亮太はティッシュを取り、まみの掌の精液を拭き取った。
そして、まみの口元をじっと見つめた…。
「まみ…飲んでくれたんだ…?嫌だった?ごめんな…。でも、俺…すっげー嬉しいよ。」
亮太が優しく呟いた。
「ううん…。別に…嫌じゃ…。初めて…だったし、びっくりしたけど……。」
まみが恥ずかしそうに俯き答えた。
「そっか…。ありがとう。まみ?…これ、口で綺麗にしてくれる…?」
亮太は精液の残る先端部に目を遣り、まみに新たな欲望をぶつけた。
「えっ!!」
『り、亮太…!そんな…恥ずかし過ぎるよ……。でも……。』
「…うん。…わかった…。」
亮太の発言に一瞬驚き黙ってしまったが、意を決しそう答えた。
「んんっ…んぐっ……んん…んぐっ」
そっと口に含むと、残った精液を舌で舐め取り、口を窄めて吸い出した。
そして、それを全て飲み込むと口を離した。
「あっ!…あぁぁ…!」
舌の感触と吸い出される快感に身悶えしながら、大きな声を上げる亮太。
「あ、ありがとう…。気持ち良すぎだよ…。」
亮太は優しくまみの頭を撫でた。
「今度は、俺が……。」
そう言うと、亮太はまみの足元にしゃがみこんだ。
「えっ…?」
亮太は、キョトンするまみに構わず、まみの両足を持ち上げグイッと大きく広げた。
「イヤっ…!!!ちょっ…亮太!見ちゃダメ…!!」
まみが咄嗟に声を上げ、手で覆い隠した。
「お願い…まみ。少しだけ…だから…。」
まみを見て優しく落ち着いた口調で囁く亮太。
腕で足を押さえ、覆った手を払うと、亮太の目の前に、もう蜜が溢れて濡れそぼるまみの女が、無防備にも露わになった。
窓から射し込む日光に照らされ、その色も形もはっきりと見てとれた。
薄っすら繁る茂み、パックリと割れたワレメの奥から顔を覗かせるピンク色の花びら…その美しく神秘的で複雑な造形、ヒクヒクと蠢く花びらの様、その奥から滲み出る蜜、鼻腔を満たす芳しい女の香り…。
その全てが亮太を刺激し興奮させていった。
亮太は吸寄せられる様に顔を近づけていった…。
「亮太っ!やめてっ!恥ずかしい!」
まみが足を閉じようと力を入れた。
まみはそこを見られる事、これから起こり得る事に対して、亮太の男を口にするよりも抵抗があった。
『見られてる!どーしよう…こんな恥ずかしいこと…亮太!』
亮太にがっちりと足を押さえられ、どうにも出来ず焦るまみ。
「亮太…!あぁぁ……。」
絶望にも似た声を出すまみ。
ゴクっと生唾を飲み込み、両手の親指を襞に添え、左右にゆっくりと広げていく…ツ〜っと蜜が糸を引きながら、赤ピンク色をした柔襞が露わになった。
『あぁ…まみの…こんな風になってんだ…。』
「まみ…綺麗…だよ…。」
初めてまじまじと見た感動と、その艶かしくも淫靡な姿態に目が離せない亮太…。
「亮太!それだけは…お願い…!」
亮太の吐息が触れビクっと体に力が入った。
懇願するかの様な言葉とは裏腹に、次々と蜜が滲み出してくる…早く早くとせがんでいるかの様に…。
亮太がさらに顔を近付け、舌を出しそっと舐め上げた。
「アッ!!!イヤっ…!」
ビクっとして声を上げるまみ。
『これが…まみの味か…。』
味覚に伝わる蜜の味、舌に伝わる触感を堪能する亮太。
「……美味しいよ…まみ。」
「ャッ!………!!!」
亮太の言葉にもう言葉を返せなかった…。
ワレメに沿って舌を上下させたり、舌先を尖らせチョロチョロと動かしたり、唇で塞ぎ吸い込む様にしてみたり…夢中になって味わっていった。
腕を伸ばし胸の膨らみを揉み、指先でコリコリとしたその先端にも刺激を送り込む亮太。
「アァッ!アン…ィヤッ…ァア…!」
執拗に舐め回す亮太の舌の動きに合わせ声を漏らしていくまみ…。
花びらを指で大きく広げ、舌先を尖らせその内部にも刺激を送り込んでいった。
亮太が舐め回していくうちに、それを拒もうと力の入っていたまみの足から、次第に強張りが薄れていった…。
まみの視界には…股に顔を埋め、頭を上下左右に揺らし一心不乱に自分の女を貪る…そんな亮太の姿があった。
『亮太…。こ…こんなの…エロ過ぎる…。』
僅かに残ったまみの理性が抵抗する。
しかし、そう思えば思うほどに体の熱は増し蜜が湧き出てくる…。
「ヒィィァッ!アッアァァ…!」
亮太の舌先が襞の上にある小さな突起を舐め上げると、まみは奇声を発し体を大きく仰け反らした。
まみの体を鋭い快感が突き抜けた。
そんな反応を見ながら…まみの感じるポイントや弄り方を瞬時に察知し…さらに舌先で刺激していく亮太。
「…アッ!…アァン…アンッ…!」
まみは抵抗をやめ感じ始めていた。亮太の愛撫、その快感にまみは堕ちていった…。
さっきまで、亮太の顔を払い除けようとしていたその手、気が付けば抱き込む様にして亮太の頭に添えられていた。
「…アッ…アァァ…亮太ァ……アァ…。」
亮太の舌の感触、それが生み出す快感に…甲高く艶やかな声を出し、クネクネと身をよじらせ…受け応えるまみ。
そんなまみを見ながら、まるで嬲り楽しむかの様に快感を与えていった。
亮太が舌の動きを止めて、上体を起こし、足をまみの頭の方にして横になった。
そして、まみの腰に手を回し一気に体を反転させた。
ベッドの上のふたりは、頭を互い違いにして、仰向けに横になる亮太の上にまみがうつ伏せに覆い被さる体勢…俗に言う数字の6と9の体勢になった。
「キャッ!!亮太!な、なっ…!」
目の前には、射精した直後にも関わらず、もう既に大きくなった亮太の男。
急な出来事に驚くまみ。
しかし、亮太の男を目の前にし、その意図を理解した。
『ちょっと…亮太…。こんなエッチなこと…次から次へと…。』
そして、羞恥心が湧き起こるも、さっき口にした経験と口でされた経験が後押しして、亮太に言われる前に…自ら口に含み舐め始めた…。
亮太を悦ばせたい…亮太に嫌われたくない…そんな想いだった。
まみは亮太の欲求を拒むことによって、亮太に嫌われてしまうんじゃないか、それが怖かった。
そして、亮太の欲求に従い、体を可愛いがられ弄ばれることに悦びを見出していった。
そんなまみの想いを知ってか知らずか、亮太も拒否しないまみに対し、情欲をぶつけ、その体を愛し弄び欲求を満たしていった…。
「んぐっ…んん……ぅん…んん…。」
『えっ?ま、まみ……。』
亮太はそんなまみの行動に驚いたが、嬉しかった。
「…おぉ…ぁぁ…。…まみ…まみも気持ち良く…なりたいだろ…?」
「…また舐められて…気持ち良く…なりたいんだろ…?」
亮太がやんわりと言葉で攻める…。
まみの襞がヒクつき蜜が滲んできた。
「…んん…。…は…早く…んぐっ…して…。」
まみが亮太の男をしゃぶりながら答えた。
その言葉で火がついた亮太は、尻に手を添え、尻の肉をグイッと広げ、その割れ目に荒々しく顔を埋めた。
「ンアッ…ァアッ!…んぐっ……ァア…。」
亮太の男に塞がれた口から声が漏れ出した。
亮太は、まるで獲物に喰らい付く猛獣の様に、まみの女を舌で舐め回し蜜を吸い上げ貪った。
激しい快感に、亮太の男から口を離し頭を仰け反らせるまみ。
「アァ…!亮太…ァア…気持ち…いぃアッ!」
「まみ、お口…離しちゃダメだろ…?…ほら、ちゃんと…しゃぶって…。」
亮太が腰を突き上げ、優しい口調で意地悪く囁く。
「だ、だって…亮太…が……んぐっ…。」
言葉も絶え絶えに、亮太の男にしがみ付く様にして咥え込むまみ…。
まみは、亮太が与える快感に、何度も口を離しかけたが、必死にしゃぶり付いた。
まみの口から垂れた涎が、亮太の男をその根元まで濡らしていた。
まみが口を離しそうになると…亮太は腰を突き上げ、口内に突っ込み…それを許さなかった。
まみは口から涎を垂らしながら、一心不乱に亮太の男をしゃぶり続けた。
亮太は尻を撫で回し、その弾力のある肉を掴み揉みしだき、ジュルジュルといやらしい音を立てながら貪った。
そして、手をまみの胸に伸ばし、プルプルと揺れ震える柔肉を揉み、その指先で硬く隆起した蕾を捏ねくり回す。
「アッ!…アッ…ァアン…ダメ……ァア…。」
もうまみは、亮太の愛撫に身をクネらせ悦びの声を上げて応えるしかなかった。
『…あたし…もう…。こんなんじゃ……。』
『…この調子じゃ…また出ちゃいそうだな…。』
この卑猥な行為が、ふたりを欲情させ、快感と興奮を倍増させていった。
亮太はまみを解放し、体の上から降ろし、まみに寄り添い横になった。
「気持ち良かったよ。ごめんな、これ…やってみたかったんだ…!」
そして、まみを見つめ笑顔でそう言って、まみに軽いキスをした。
「うん…。亮太、喜んでくれて…良かった。恥ずかしかった…けど…。」
亮太が無邪気に喜ぶ姿に、まみは潤んだ瞳で、息を整えながら答えた。
『…よかった…。亮太……。』
亮太は、まみの頭を…親が我が子の頭を撫でる様に…優しく撫でた。
「ふぅ〜。」
荒ぶる息を整える亮太。
ここからが、亮太にとって一番懸念するところであった。
なんとかここまでは、順調に自分の欲求を満たしつつ、まみの体も悦ばす事が出来た。
初めての夜、亮太にはまみが半ば痛みに耐えて終わった、そんな印象があった。
はたして、自分の男でまみを悦ばせ、快感の絶頂へと導く事が出来るのか…それが亮太の懸念であり課題であった。
『まみにも…気持ち良くなって欲しい…。まみをイカせたい…。』
『さてと……。』
亮太はスキーの時に買った残りのコンドームを手に取り、手際良くそれを被せていった。
『…いよいよね…。また…痛いんかなぁ……。』
それまで甘美な快感にその体を悦ばせていたまみに不安がよぎった…。
「まみ…大好きだよ…。」
「…あたしも…好き!大好き…!」
まみが今にも泣き出しそうな感じでそう言った。
そしてまみにキスをした。
「…痛かったら…ちゃんと言うんだぞ?」
まみの頭を撫で亮太が優しく囁く。
「…うん。」
まみの返事を確認し、亮太が先端をあてがった…。
『…亮太!!』
ゆっくりと…既に濡れそぼったまみの柔襞に押し入っていく亮太の男…。
「アァッ!…アァァァ…!」
まみの口から声が漏れる。
まみの表情を確認しながらさらに奥へ奥へと進めて行く亮太。
「まみ、大丈夫…か?」
「アァ…う…うん…。大丈夫…ァッ!」
まだ痛みはあるものの、初めての時の様な耐え難いものではなく、痛痒いような感覚だった。
亮太の男が最奥に到達した。
「…ゥウッ!…ハァ……ァアッ!」
「まみ、動かすね…?」
じっと、包まれ締め付けられる様な感触を味わっていた亮太が問い掛けた。
「うん…。」
目を閉じ顔を赤くしたまみが頷いた。
亮太はゆっくりとその感触を味わいながら腰を前後させ始めた。
ふたりが合わさる結合部からは…亮太の腰の動きに合わせ、ヌチャヌチャと蜜が掻き回される…卑猥な音が聞こえてきた。
「アッ!…アン…ァッ…ウゥン…。」
まみもその動きに合わせ身をクネクネさせ声を上げた。
亮太はまみのそんな反応に、少しずつ腰の動きを速めていった…。
部屋に鳴り響くまみの喘ぎ声と卑猥な水音…まだ昼間のこんな明るい時間から、ベッドの上で縺れ合い乱れるふたり…。
「…ァァアア!……ァア…アン…ァアッ…!」
痛みが薄れてきたのか、まみの表情と体から、強張りがなくなっていった。
そして、まみの体に…今まで感じたことのない未知の快感の波が…止めどなく押し寄せていった。
亮太が腰の動きに変化を付けて攻め始めた。
リズミカルに浅く深く、時にゆっくりと、また速く荒々しく…亮太の男はまみの柔襞の感触を味わいそれを悦ばせていった。
「…まみ…大丈夫…?痛く…ないか?」
息も絶え絶えに問い掛ける亮太。
「ァア!…ハァ…う…うん…。アッ…気持ち…いぃ…ァァアア!」
次々と押し寄せる快感にやっとの感じで絞り出したまみ。
『よかった…まみ…感じてくれてる…。」
亮太はまみの返事に安心と喜びを感じた。
『…あぁ…なにこれ…!あたし…おかしくなっ…ちゃう…。』
『これが…セックスの…気持ち…良さ…なの…。気持ち…良過ぎるよ……。』
自然と声が出てしまい体中がゾクゾクし、無意識に体が震え仰け反る快感に、まみは困惑した。
亮太が腰を打ち付ける度に揺れる胸の膨らみ…堪らなくなりむしゃぶりつく亮太。
『あぁ…やべーな…このままじゃ…。』
亮太は快感の波に絶頂が近いのを感じた。
腰の動きを止め…捏ねくり回され白濁したまみの蜜塗れになった…亮太の男を引き抜いた。
そして、まみをうつ伏せに寝転ばせると…その腰を持ち上げ尻を突き出させ…四つん這いの姿勢にした。
「亮太…いや…こんな格好…!」
まみは尻を突き上げ…白濁した蜜を垂らすその女と菊門を突き出し、そして見せ付ける様に曝し出すその格好に…激しく羞恥心を煽られた。
「大丈夫だよ…。さっき舐め合っこした時と同じだろ…?」
亮太が目をギラギラさせ、有無を言わさない感じで言った。
「…で、でも……。」
恥ずかしさで躊躇するまみ。
亮太に突いてもらうのを待ってるかの様なこの挑発的な体勢…今さら躊躇してもどうにもならない事は、まみも理解していた…寧ろ再び快感を与えられるのを待っていた。
亮太が竿の部分を持ち、先端をまみの花びらにあてがうと、それを上下に軽く振りながら擦り付けた…。
まみは亮太の方に振り返り、上目遣いで懇願するような表情した。
ピチャピチャと音を立てながら襞をヒクつかせ、菊門がキュっと締まった。
その卑猥な様に、亮太はゾクゾクする感覚と、早く突いて掻き回したい衝動に駆られたが、ぐっと堪えて囁いた…。
「まみ…?入れて欲しい…?」
亮太がその先端をねっとりと沿わせながら囁いた。
「…うぅ…ぅ……。」
その感触に反応するだけで答えないまみ。
「うん?どうなの…?俺の…お◯んちん…欲しくないの…??」
卑猥な言葉でさらにまみを責める亮太。
「…いや。…言わない…そんな…。」
まみが絞り出した。
まみの花びらから蜜が次々と湧き出して来た。
「…ふーん。じゃぁ…やめるか…これで。」
亮太が一気に奥まで挿入し突き上げると、直ぐに抜き出した。
「アァァッ!…ハァ…ァアア…!」
堪らず声を上げるまみ。
「ァァア…亮太……ハァ……。」
すると、まみが反応した。
「うん?…まみ…どうかした?」
再び先端で撫でながら、意地悪く問い掛ける亮太。
「…は…早く……。」
まみが聞き取れないくらいの小さな声で呟いた。
「何…?聞こえなかったよ…?」
亮太は執拗に責め続ける。
もう逃げ切れない、早く気持ち良くなりたい…そんな想いがまみに覚悟を決めさせた。
「はぁ…。じゃぁ…今日はこれでお終い…ね?」
そう言って先端でワレメに沿って撫で上げると、それを引き離した。
「ハァアア!…ァア…待って…!」
まみが声を上げた。
「…どうした??」
再び先端で花びらを焦らす様に撫でながら、意地悪く問い掛ける亮太。
「…い……い…入れ…て……。」
亮太から顔を逸らし、伏せたまま小さな声で絞り出した。
「何…?聞こえなかったよ…?俺を見て…ちゃんと言ってくれなきゃ…。」
そんなまみを亮太が執拗に言葉で嬲る。
亮太に言葉で弄ばれ、体が反応してしまうこと、さらなる快感を貪欲に欲していること…そんな自分をもう誤魔化せない、隠し通せない、そう悟った。
もう亮太の望む言葉を発し、好きな様に体を辱しめられ、亮太を悦ばせその快感に自分も体を濡らし溺れて行くしかなかった。
「…りょ…亮太の……入れて…ください…。」
まみは振り返り体を震わせ…哀願するかの様な表情で、亮太の顔を見ながら…必死に絞り出した。
『今日は…これくらいにしとくか…。』
あまり深追いするのも良くないかと、亮太はここでやめておく事にした。
亮太を誘惑し早く突いてくれと、催促し挑発するかの様なその姿…亮太の男は、はち切れそうになりピクピクと震えていた。
早くその女を犯したい…亮太も我慢の限界だった。
「まみ…行くよ…?」
「…は…早く……お願い…!」
亮太が先端で撫で回しながら囁くと、まみが催促した。
まみの理性が飛び、その心身を女の本能が支配した。
「よし…。それじゃぁ…。」
亮太がまみの尻を掴み、ゆっくりと腰を前進させた。
「アァッ!…アッ…アッァン…!」
体を突き抜けて行く様な快感に声を上げた。
亮太は根元まで挿し込むと、ゆっくりと腰を引いた。そしてまた根元まで…。
視界に入る光景、感触、ゆっくりと腰を前後させながら、初めてのバックスタイルを堪能する亮太…。
「アッ…アッ…ァァア!…ァン…ンンッ!」
亮太の動きに甲高い喘き声を上げ始めたまみ。
尻を振り、菊門をヒクつかせながら快感に悶え悦ぶまみの体…。
亮太の腰のスピードが増していき、パンッパンッと音を立てながら打ち付けていった。
視界には、尻を突き出し体をクネクネとよじらせ、頭を振り乱すまみの姿…。
視線を下にやると、まみの女を貫く己の男…出入りする度に白濁した蜜に絡まれクチュクチュ、ヌチャヌチャと卑猥な音を奏で…まとわりつくまみの花びら…。
その様子がリアルに視界に入り見てとれた。
『…たまんねぇな…これ…。』
亮太からも理性が薄れ、本能のままに縦横無尽にまみの体を突き、貫いていった…。
「ァアアッ!…ソ…ソコッ!ァァアッダメッ…ァア…!」
亮太が角度を変えて突き始めると、まみが一際大きな喘ぎ声を上げ出した…。
『な、何これ…あ…あたし……あぁ…。』
快感の波に押し上げられたまみの体が、その絶頂を迎え様としていた…。
『…ここがいいんか……。』
亮太はまみの反応を察知し、そこを集中して攻めだした。
亮太を締め付けるまみの柔襞が、それをより一層強め始めた…ギュッギュッとまるで搾り出さんとするかの様に…。
『お、おい…やばいな…何だこれ…。』
その締め付けに亮太も限界が近付いていた。
亮太が激しく腰を打ち付けラストスパートをかけた。
「おぉ…!おぁぁ…!うぁぁっ!」
亮太が雄叫びを上げた。
「ハァァァア!…アッ!…ハッ…ァア…!!!」
悲鳴の様に喘ぐまみ。
「ァア!…ダ…ダメェァア…ィッ…イッ!…イッチャ…ァア!…ァァアアアッ…!!」
快感が全身を突き抜け…絶叫し体をガクガクと痙攣させながら、体を仰け反らせて…まみが果てた…。
尻を突き出し、両腕を力無く前に投げ出し、枕に顔を押し付け倒れ込んだ。
まみは腰を抜かした様に、全身の力が抜けてしまい、目を半開きにし、口元から涎を垂らし唇を震わせていた…。
絶頂を迎えたまみの締め付けに、亮太も我慢の限界を迎えた。
「あぁっ!イクッ…もう…出るっ…!」
亮太を締め付ける、そのあり得ない程の快感に、亮太はその精を思いっきり放った。
「ぅぁあ…!うっうぅ…おぉっ!」
ドクン、ドクンと脈打ち精を放つ亮太の男を…まみの柔襞がそれを搾り出さんと…締め付けていった…。
「うぁああ…はぁ…ああぁ……。」
その気持ち良さに声を出し身悶える亮太。
最後まで出し切ると、亮太もまみに覆い被さる様に倒れ込んだ。
「はぁ…はぁ…はっ…。」
ふたりとも息が上がっていた。
まみは意識が朦朧としていて、焦点の合っていない目で、ボーっとどこかを見つめていた。
「まみ…。」
放心状態のまみを優しく抱きしめ、おでこに軽くキスをして頭を撫でた。
「うぅ…亮太…。」
「どうした?…まみ。」
亮太の胸に顔を寄せ目を潤ませて呟いた。
「亮太…ほんとにほんとに大好き…!」
「な、なんだよ…いきなり。…俺も…めっちゃ大好き。」
まみが微笑んでそう言うと、亮太も照れながらまみに想いを告げた。
「うん。」
まみは満足顔で返事をした。
「でも…ごめんな。なんか…俺…。」
「ううん…。亮太…大好きって…言ってくれたし…。それに…あたしも……。」
まみは亮太の言わんとする事を察しそう答えた。
「うん?あたしも…?なーに?」
「もう!そうやって…またエッチな事言わせようとする…!!」
「えっ!今のは…!」
前科ありの亮太は誤解を招き、まみに責められ、弁解した。
「ふん。どーだかっ!」
「…でも……亮太、気持ち…良かったよ…すごく……。」
口を尖らせ怒った顔をして見せたが、顔を真っ赤にして恥ずかしそうに続けた。
「俺も…めっちゃ、気持ち良かったよ…まみの……。」
亮太が含み笑いしながら呟いた。
「…あんなエロイまみが見れるとはなぁ〜。ははっ…!」
「…んもうっ!変態っ!このっ!変態っ!!」
まみが枕で亮太をどつき回した。
まみの胸がぷるんぷるんと揺れ跳ね回っていた…。
「キャッ…!!!」
まみは怒って見せるも、その目は優しい目をしていた。
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
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