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恐怖先生

レス6 HIT数 1651 あ+ あ-

匿名
17/04/30 20:06(更新日時)

「佐藤、ネクタイはどうした?」

「あ…」

「ちゃんとネクタイをしないとダメやろ、校則違反じゃないか!」

「すんません」

「すんませんやない!」

ゴンッ
先生は僕の頭を殴った

「いたっ…。で、でも先生、田辺君や野崎君もネクタイしてへんのに、なんで僕だけ叱るんですか」

「あ?」

「いや、僕だけじゃ…」

「うるさいっ、黙れ!田辺と野崎はええんじゃ」

「どうしてですか!?」

「あいつらはヤンキーやから」

「は?なんですかそれ!」

「お前は大人しいし、弱そうだし、叱りつけてもやり返される心配がない。けど田辺や野崎は腕力もありそうやし、下手に注意なんかしたらやり返えされるかもしれんからな…身の危険には勝てん」

「そんな…!」

「『そんな!』じゃない!お前はいちいち先生に反発するな!」

「それは先生が不条理な事を言いよるからやないですか!」

「なんやと?」

先生は拳を振りかざした為、僕は咄嗟に、「ひゃあっ!」と声を挙げてしまった

「佐藤、世の中はそんなもんや…弱いヤツが強いヤツに抑圧されるのは世の常だ」

「そんな…」

「残念だがな、お前は弱い人間に属する。童顔で貧弱そうな顔やさかいな」

「顔で決められるというんですか!?」

「そうだ。田辺と野崎は厳つい強面。中学生であの怖さだ。これから年を重ねるにつれてもっと怖い顔になるやろ」

「怖い顔って…」

「いいか、佐藤…。人相の悪い怖い顔ってのは、相手を怖じ気付ける事が可能なんだ」

「怖じ気付ける?」

「そうだ。相手が無礼な態度を取ってきた時、ちょっと睨みを効かせるだけで、相手は怯んで身を引く」

「…」

「だがな、お前みたいな貧弱そうで大人しそうな顔はな、人はこぞって舐めてかかってくるんじゃ」

「なんですかそれ!いくら先生だからって失礼じゃありません!?」

「うるさいっ!黙れ!」

先生はそう怒鳴ると同時に、僕の頬をひっぱたいた
僕はあまりの痛さに、「イった…」と声を漏らし、先生を睨みつけた

「なぁんだよー、その目付きはー、あ?」

「い、いえ…」

「とにかくだ、これから社会に出たらな、こんな不条理はいくらでもあるんだ!」

「そりゃそうかも知れませんけど、だからって殴る事はないで…」

「うるさいっ!黙れ黙れーっ!」

先生は顔を真っ赤にして僕の顔を殴りつけ、腹に蹴りを入れてきた
その反動で僕は床に倒れた
そこに3人連れの女子生徒が通りがかり、僕の様を見て、「僕ちゃん、どったのぉ?(笑)」「弱っちーヤツ(笑)」と嘲笑してきた
屈辱だった

先生は女子達に「早くお帰り」と言った
女子は「はーい、先生、さよーならー」と大きな声で挨拶し、帰っていった

「佐藤、お前ももう帰れ。いいか、この事は誰にも言うなよ?分かったな?」

「はい」

「もしチクったら…」

「誰にも言わんです、とにかくもう帰して下さい」

「あぁ」

「ほな、失礼しまス」

僕は一礼するとその場から走り去った
絶対に親にバレんようにせんと…
そう心の中で呟き、帰路を急いだ

the end

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No.2464822 17/04/29 18:25(スレ作成日時)

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