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花火30

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柚子は、しばらく苛立ちを押さえながら、仕事をして、頭がク―ルダウンされるのを待って、考えてみた。

右斜めに座っている佐方事務官が、現在進行形で夢中になっている男は、自分の弟の長谷川圭介だということ。

以前は、夢ばかり追っているだけの、
どこか危ういところがあったし、自分には理解出来ないところがあった。

しかし、今は、マンディロンという
バンドがそこそこの知名度や、実績を持つようになった。

姉としては、まだまだ、これで良かったとは思えないし、思いたくない。
今だけなら、それで良いが、長い長い道のりの人生で、マンディロンとしての
時間は、どれ程のものか分からないから。

「検事、先ほど、すみませんと謝りましたが、まだ、怒ってらっしゃるのですね。さっきから、ずっと黙ったまま、
険しい顔で考えているみたいですけど」

佐方事務官は、落ち込んだ表情で、柚子方を見ていた。
あまりに、真剣に考えていたらしく、
全く気が付かないでいた。

俺は、ツアー中に作っていた何曲かの中から、一曲をマンディロンの5thのシングルにしようと、仕上げていた。

最初から今まで

作詞作曲
長谷川圭介

最初から今まで
ずっとずっと言えなくて言いたくて
寒いから早く言うよ

キミが好きだから 
だからだから
どうしようもないほどにわがままに
なるんだ
キレイ事ではなく素のままに
キミのそばに

最初から今まで
もう何度目の雪景色を目にしてきただろうか
窓の外で舞う粉雪を横目に
いつだってキミを想うよ

キミが好きだから
だからだから
言わなくてもいいことも言ってしまう
多くを求めず素のままに
キミのそばに

ふいに天を仰ぎ見る
最初から今まで
こうしてキミと過ごせたってことが
当たり前じゃなくて
奇跡に近いことなんじゃないかって
思うんだ

隣にキミがいて
キミの隣に僕がいて

「花火って曲も、ラブソングぽかったけれども、これもまた、胸がキュンとするなぁ。切ない男ゴコロかなぁ。圭介は、
こういうのが得意だよなぁ~‼」

デモ曲を聴かせて、歌詞を見せると、
じっと聴いていた柳之助は、遠くをみるように、わざとうっとり顔で言った。

裕太は、指先でオッケーというジェスチャーをしている。

別に、恋愛をテ-マに曲作りをしているわけではないが、なんとなく曲が最初に浮かんできて、アコースティックギターで弾いていたら、それに合う歌詞が自然と降りてきただけだ。

それなのに、柳之助は、まだ隣でぶつぶつと言っている。

「俺だって、顔が裕太で、頭の中が圭介だったら、もう少しモテていたし、
人生少しはマシになるはずなんだ。
しょせんは、女子はイケメンのロマンチストを好きになるんだ。切ない、切なすぎる」

俺と裕太は、柳之助を遠くに見ていた。

17/03/05 00:19(スレ作成日時) [RSS]

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