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花火27

レス0 HIT数 885 あ+ あ-

作家
16/12/14 15:03(更新日時)

「買っちゃった♪買っちゃった♪ついに
マンディロンのアルバム買っちゃった♪
しかも、マンディロンのライブにも~%$#~♪」

柚子は、隣の佐方事務官を見て見ないふりをしていた。
朝から、ずっとこんな調子。
普段は、京都大学の法学部を出ただけあって、自分よりも法律に精通しているから、スゴく頼りにしているのだ。
仕事の処理も早いし。

「長谷川検事は、マンディロンの曲とか聴きます?ホライズンを聴くのは知ってますけど」
「マンディロン?はぁ?聴かないし、関心無いから!」
「そんな言い方しなくても、僕のマンディロンに~」

コンコン。ノックの音がした。柚子が、どうぞと声をかけると、総務課の事務官の百合子という若い女が入ってきた。

「長谷川検事に、郵便です。ここに、置いていきます。」

百合子が、そういって郵便物を検事席の机の上に置くと、出ていこうとした。
佐方事務官が、あわてて呼び止め声をかけた。

「百合ちゃん。ありがとう。あのさ、
百合ちゃんは、マンディロンっていう
3人組のバンド知っている?」
「知って増すよ。今、人気急上昇の若手3人組のバンドですよね。TVでよくそういう紹介されているし、曲も良いですよね♪私は、イケメン担当のドラムの裕太
くんが好きです。アルバム買いましたし」

柚子は、二人の事務官の会話を、複雑な思いで聞いていた。マンディロンのボーカル、長谷川圭介は柚子の実の弟なのだ。

「百合ちゃん。ありがとう。検事は、
マンディロンに関心無いからって。
ちなみに、マンディロンのボーカルの長谷川圭介さんのファンなんだけど、ね。
僕が。百合ちゃんは、どう?」
「えっ%#!ボーカルの長谷川圭介って、
イモでしょ。全然、イマイチだし~!」

柚子は、つい吹き出してしまった。
チラッと、佐方事務官の横顔をのぞき見る。
かわいそうに、青ざめた顔で、プルプルと震えている。この世の終わりのような感じだった。

「検事は、マンディロンのボーカルをどう思います?」

佐方事務官の視線が、容赦なく突き刺さってくるなか、柚子は一言口を開いた。

「マンディロンのボーカルなんて、イモよ、イモ!」

俺たちは、2ヶ月間で、4ヶ所をまわるツアーにいよいよ、明日から行くことになった。
名古屋、大阪、福岡、ラストの東京。

1stアルバムの花火をひっさげてのライブに、心踊るし、迫りくる不安だらけに飲み込まれそうだ。

今回は、3人で話し合って、それぞれの想いを形にするべく、試行錯誤の日々だった。
あとは、当日、それが伝わるか、届いてくれるか、どうかだと思っている。

ツタワレ。トドケ。

柳之助は、ひたすら、自分の腹をなでては、着るものが問題だ。
髪の色も変えよう。俺、ビジュアル的にいけているのか?って、どうでも良いくらいの悩みを俺と裕太にぶつけてくる。

あー!俺と柳之助、裕太の夢が叶いつつあるんだね♪
音楽やってきて本当によかった。

No.2409834 16/12/14 15:03(スレ作成日時)

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