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ドラマ相棒 〜穂乃果と八人の相棒たち〜 u’s

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小説大好き
18/06/27 07:41(更新日時)

ドラマ『相棒』と『ラブライブ!』のクロスオーバーSS。

穂乃果が右京役。
穂乃果以外が相棒役。
警視庁特命係とは別にあるもうひとつの窓際部署音乃木坂および秋葉原限定の特命係。

さて、今日の物語は……。

17/02/07 16:44 追記
とりあえず現時点での配役は以下の通り。

杉下右京=高坂穂乃果
亀山薫=園田海未
神戸尊=南ことり
三浦信輔=星空凛
米沢守=西木野真姫
矢澤にこ=内村完繭、中園照夫

花陽、希、絵里についてはまだ思案中。
あくまでパロディなので本気にしないでくださいm(__)m。

No.2397381 16/11/09 07:12(スレ作成日時)

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No.1 16/11/09 07:47
小説大好き0 

この日、警視庁捜査一課に所属している園田海未はあろうことかデパートの屋上で指名手配犯の人質になっていた。

「動くなよ!動くな動くなよ」

「動いてませんよ!」

「お前じゃねえ!警察だ」

屋上には警察やマスコミのヘリがばんばんと飛び交いヘリの音がよけい犯人を逆撫でしているようだ。
海未は思う。
なぜこんなことになったのか。
たまたまトイレに寄った際に男性用トイレから出てきた男に見覚えがあった。何年か前の強盗指名手配犯だった。
声をかけたまではよかったが、うかつなことに警察であるのに気づかれ屋上まで追いかけたはいいが市民の前で指名手配犯は拳銃を出して市民を恐怖に震えさせた。
犯人を刺激しないために人質になったはいいが彼は目が血走りながら動揺は見てとれた。
テレビが来ているのに格好悪いです、とマジメな自分から心の声が聞こえた時だった。
携帯が突然、鳴った。

「なんだなんだ」

「電話です。電話です」

「無視しろ!」

「でも一向に鳴り止みません!出た方が」

「わかった」

携帯に出るとなんともあほで能天気な明るい声が飛んできたのに驚いた。

『ヤッホー』

「な、なんですか!?」

『いやはや大変だね。いまあなたテレビに映っていますよ』

「く、だからなんだと言うんです」

『まあまあ落ち着いて。パーク刑事』

「パークじゃなくて園田です」

「なにごちゃごちゃ言っている!ぶち殺すぞ。それと逃走用の車やヘリ、何でもいいから用意しろ」

『そうとう感情が高ぶっています。あたしが気を逸らすからあなたは隙をみて反撃してください』

「聞こえてるぞ」

「のようです」

海未は犯人に携帯を渡した。くぅ、格好悪いです園田海未!
しかし、犯人と電話相手はなにか話をして長引いてようだ。

「はあ!?車やヘリで逃げれるし!」

『ですけどヘリはすぐに見つかるよ』

いまだ!と海未は幼少より合気道を使い犯人の腕を隙を見つけてはあ!と返して地面に叩きつけた。
確保!、と瞬間屋上を囲んでいた刑事や警官隊が犯人や自分を取り押さえていた。

「いたいです!いたい!私は犯人ではありません」

この後、海未は慣れ親しんだ捜査一課を離れることになるのだった。

No.2 16/11/09 08:19
小説大好き 

辞令 警視庁特命係に園田海未を拝命する

捜査一課に帰るやいなや犯人を捕らえたのに課長から一通の辞令を渡され海未はまじまじと見つめた。

「なんですか、これは」

「そのままの通りだ。早く行きたまえ」

課長はむっつりとしたまま海未の顔を見たくないといわんばかりに手で払った。
犬ですか、私は。
デスクの私物を整理し廊下を進んでいると嫌なヤツにあった。

「もと捜査一課の動物園だ刑事〜」

「伊・丹・さ・ん」

「まったく手をわずらわすんじゃねえよ!このアフリカ象!」

「誰がアフリカ象ですか」

「ならアオウミガメだ」

「カメは動物園にそんなにいません」

まあまあ、と伊丹と同じ捜査一課の刑事たちがとりなしたので事なきを得たがライバルの伊丹から嫌なことを耳にした。

「たしか特命係ってのは警視庁のお払い箱がいく部署って聞いたな。アハハ」

お払いです、とこの私が!?
苛々と伊丹たちの背中を見ながら鼻息荒くフンとしたまま特命係にむかった。
特命係があるのは生活安全課の奥らしかった。手を招いたのは角田という刑事だった。

「お!新入りか」

「は、はあ……」

そのままに奥に案内されると、少し暗い部屋から明るい声が聞こえた。

「あんこ飽きた〜!!」

「おい、新入りが来たぞ」

え、と振り向いたのは自分と同じくらいの少女があんこ入りのまんじゅうをくわえたまま振り向いた。

「え、え〜とあなたが新しく来た動物園だ海水浴さん?」

文字があってるのが『園 』と『海』しかない。わざとでしょうか。
しかし海未は気を取り直して敬礼し挨拶した。

「園田海未です!このたび辞令を受け取りここでお仕事することになりました」

「うん、よろしく。ちなみにあたしは高坂穂乃果。お茶菓子だすね」

穂乃果と名乗る人物はとてとてとお茶を淹れに背を向けながら言う。

「それにしてもさっきの事件はうかつでしたね」

「あ!あんたあの時の声」

「正解。ですがあなたがあの場で合気道で倒さなかったら狙撃班はあなたごと撃ってましたよ」

え!?と思い当たる。前後左右あらゆる方向から狙撃班が銃を構えていたのを思い出した。

「ちなみにあたしはあなたより犯人の命を尊重しましたから」

No.3 16/11/09 09:05
小説大好き 

「あの、それで特命係のお仕事というのは……?」

海未の質問をよそに穂乃果はお茶を淹れながら事も無げに説明してのほほんとしている。

「そうだね。音乃木坂や秋葉原で起こる事件の手伝いをしたり首を突っ込んだりだけど、ふだんはこうしてお茶をしているね。ウーロン茶でいいかな」

は?、と変な顔をしたまま変なところに来ちまったと思った。
しかし相手の穂乃果の方が階級が上であるのを知る。

「ちなみに園田くん、いや海未ちゃんの階級は?」

「巡査ですが」

「あたしは警部補だよ。つまりきみはあたしの部下。あたしは上司だよ」

くぅ、と喉が唸る。
こんな和菓子屋の娘みたいなのが上司なことになにかおもしろくないと悔しがる。
しかし、そんな時に事件がやってくる。角田刑事が伝えてきた。

「おい高坂、音乃木坂で事件だ」

「え〜、これから海未ちゃんとお茶菓子の時間なのに」

「なに言ってるんです。事件なら行きましょう!」

特命係を出た海未を追うようにやれやれ、元気だなとお茶を一口してから穂乃果は後を追った。
事件現場は音乃木のとある部室。
被害者の名前は矢澤にこ。アイドル部部室でひとり倒れていた。

「ちいせえな」

「ええ、被害者の身長はそんなに小学生とかわりありません」

鑑識の米田は伊丹たちに説明していると、海未と穂乃果がやってきた。

「現場はここですか!」

「ぎゃあ〜!?」

被害者の体から叫び声がしたことに伊丹や海未、米田たちは驚き穂乃果は見つめた。

「生きてます!?」

「生きてて悪い!私を誰だと思っているの宇宙No.1アイドルの矢澤にこよ」

「宇宙一ちいさい○リーザ」

「宇宙で地上げ屋はしてないわよ」

まあまあ、と穂乃果がとりなす。

「え〜と、矢島晶子さん?」

「オラ、ひろしとみさえとひまのこと好きだぞ。てなにやらせんのよ」

「え〜と、矢○真里さん?」

「ふん、あたしは悪くないから。バラエティでもなんでもやるから。じゃなくて!」

「矢澤にこちゃん。身長は25センチ?」

「そこまでちいさくない」

「すみません。話を脱線するのがあたしの悪いくせだよ」

「自覚ないのですか」

海未の言葉に納得する一同だった。

No.4 16/11/09 13:20
小説大好き 

「なにか取られたものはないですか、身長以外に?」

「もとからこの身長だし」

「アイドル部というのはあなた以外に部員は?」

「いないわよ。ひとりだし」

海未とにこの肩を無言で叩く穂乃果は吠え笑み見つめる。

「似た者同士だね」

「ちがうわよ(ちがいます!!)」

「警部殿、警部殿」

伊丹刑事は穂乃果に現場を振り回されさすがに呼びかける。

「ほ、穂乃果と呼んで。伊丹さん」

思わず頬を赤らめる伊丹刑事だがそこは捜査一課の刑事。気を取り直す。

「高坂警部補」

「わかったわかった。ジャマしないから。ね?」

わかりました、と穂乃果が部室を物色するのを忌々しく見ながらにこに事情を聞いた。

「まったく伊丹によく口を聞けますね」

「まあまあ、だけどアイドル部の部室だけあってアイドルグッズがいっぱいだよ」

「アイドルに興味はありません。て無視しないでください」

「これはアイドルの伝説のDVDボックス!『デンデンデン』ですか」

「触らないで。これは部活用かつ保存用!」

そうですか、と穂乃果はいつの間にか部室にあるお菓子をつまみながらうなずく。

「食べないの」

叱られながらふと彼女の背中を見るとあることに気づいた。

「ちょっと待ってにゃこちゃん」

「にこよ!刑事なら名前くらいおぼえてよ」

これは、とつぶやく穂乃果の目にはにこの背中に謎の足跡があるのに気づいた。

「これは、生徒の足跡ですか」

「ええ、たぶん。にゃんこちゃんは誰かに踏まれて気を失った」

「すぐに鑑識が見ます。脱いで」

米沢が言うと「脱がないわよ!」と反発する被害者にこ。

「安心してよ。海未ちゃんも胸がちいさいから」

「なんの話ですか!」

「お前ら出ていけ!!」

眉間にシワを寄せた伊丹刑事はさすがに穂乃果と海未を追い出した。

「やれやれ」

「困ったことになりましたね。捜査できませんよ」

「方法はいくらでもあります」

穂乃果の言ってることがわからず海未を目を白黒させた。

「お菓子食べる?」

「食べません。太りますよ」

なぜか海未を見てしくしくと泣く穂乃果だった。

No.5 16/11/09 18:28
小説大好き 

泣いた穂乃果だったが、校内を見てまわりませんかというので海未はしかたなく同行した。この間に伊丹たちがなにか手がかりを得ているかもしれないのに。

「立派な学校だね」

「そうですね。歴史ある由緒ある学校みたいです」

頷き耳にしたのは妙な生徒だった。

「ハイにゃ!」アクロバット!!

「凛ちゃんスゴい」パチパチ パチパチ

ふむ、と頷くと穂乃果はふたりの生徒に話しかけた。こんなことしてるヒマはないのにと海未はおもしろくない。

「これこれ、そこの女子生徒」

「凛に何か用かにゃ」

「実はあたしたちはこういう者なのです」

「け、毛胃察!?」

「警察です。凛ちゃんの誤字だと毛が胃の中にあって見るみたいです」

警察と知っていきなり凛はガタガタ震え始める。蛇に睨まれたカエルのように。

凛 「」ガタガタ

穂乃果 「どうかしましたか」

花陽 「えい」(゜o゜)\(-_-)

凛 「にゃ!?」

凛 「にゃんでもないです」

海未 「むかしのアナログ時代のテレビなみの精密さですか」

凛 「それで何を聞きたいのにゃ」

穂乃果 「実はアイドル部部室のたったひとりのにこちゃんが何者かに背中を踏まれて気絶したの。なにか知らない」

凛 「知らないにゃ!にこちゃんなんて背の低すぎな部長さんなんて」

花陽 「そうです!伝説のアイドルDVD『デンデンデン』なんて見たことも聞いたこともないです」

穂乃果 「そうですか。失礼しました。行きましょう」

海未 「え?ああ、はい」

穂乃果 「ああ、そこのリンリンランランさん」

凛 「凛はひとりっこにゃ!」

穂乃果 「あなたはどこかの部活動に所属していますか?」

凛 「してないにゃ。いまのところ迷っているにゃね」

花陽 「」ウンウン

穂乃果 「そうですか。行きましょううみみくん」

海未 「海未です」

なんの意味があるのか彼女にはなんのことかわからなかった。
高坂穂乃果が変わった上司というのは理解した。

No.6 16/11/10 07:19
小説大好き 

特命係に戻ってきた穂乃果と海未に情報を届けたのは鑑識の米沢。

「実はですね。伊丹刑事らの捜査によりますと伝説のアイドルDVD『デンデンデン』の中身がなかった、とのことです」

「やはりあの中はからっぽだったんだ」

「え」

「持った時にわかりました」

当たり前だな、と思う海未に穂乃果はある提案をする。

「え〜と、植物園だくん」

「園田です」

「園田くんにぜひ頼みたいことがあります。米沢くん例のモノを」

米沢がカバンから出したのは音ノ木坂高校の制服だった。

「キミには潜入捜査をしてもらいたい」

「は」

「は、じゃなくて潜入捜査です。犯人はあのなかにいます」

「な、何を言うんですか。たしかに私は美しいし可愛いらしいですがまだ警察学校を卒業して手柄を立ててノンキャリアながら捜査一課に配属になった一警察官!音ノ木坂の制服が似合うなんて」」

「似合うと思いますよ、米沢くん。ねえ」

ええ、と頷く米沢を睨み海未は一言。

「破廉恥です!」

「まあまあ、穂乃果でもいいけどほのかは顔を知られているし」

「私も捜査に行ったから知られているのでは?」

「たぶんだいじょうぶです。明日からお願いしますが、いまここで着てみる?」

米沢を追い出しながら特命係の一室で音ノ木坂の制服に着替える海未。

「は、恥ずかしいです」

「うんうん、似合いますね。期待してます、いちおう」

妙な言い含みを気にしながら海未は再び私服に着替えて音ノ木坂の制服はそのまま持ってていいと言われ警視庁を後にした。
自宅に帰ると同棲相手の美和子がいた。

「お帰り、うみみちゃん」

「うみみではなく海未です」

「聞いたけど特命係に配属なったんだって」

うん、と頷き座りながら今日一日は疲れたものだ。

「なんでも特命係て警視庁のお払い箱になった人がいくらしいんなんだってね」

「お払い箱になってません!」

ビクッと美和子がびっくりするのを見てゴメンと謝る。

「なんでもみんなあの高坂穂乃果という変わり者にこき使われるとか」

「そうですか」

さっそくこき使われているなんて言えなかった。
明日から潜入捜査におもむくのだ。

No.7 16/11/10 07:38
小説大好き 

音ノ木坂高坂の門の前までやって来た高坂穂乃果と制服の海未。

「あの、本当にだいじょうぶなんですか?」

たぶん、と微笑む謎めいた顔に不安しかない。なんでも理事長から職員室に話は伝わっているらしく職員室に向かうように言われた。

「おう!キミが転校生の園田海未さんか」

「あ、はあ」

「保護者の高坂穂乃果です。うちの娘をよろしくお願いします」

いつの間に保護者ですか、という突っ込みを心でしながら海未は担任に一年生の教室につれていかれ穂乃果はどこかへ行ってしまった。
一年生の教室はひとつしか使われていなかった。そこに昨日見た星空凛と小泉花陽がいた。

「転校生を紹介する。桜大門高校からやって来た園田海未さんだ」

なんですか、その名前は!?警視庁とバレますから!!

「そ、園田海未です。よろしくお願いします」

りんぱな 「」キャキャ

凛 「転校生にゃ」

花陽 「いい子だといいね」

真姫 「ふたりともちゃんとしてよね」

ふむ、凛と花陽は仲がいいようですがつり目な子は一匹オオカミみたいですねと思う海未。
しかしなぜ気づかないですかね。
凛と花陽の側の席になったがやはり気づかない様子だった。

No.8 16/11/10 09:51
小説大好き 

なぜ気づかれないのでしょう、と思いながらもなんともほんわかしたクラスであった。
見たところ凛は元気はつらつ、花陽はやや内気ながらも健気、あと西木野真姫という生徒はちょっとツンデレ気味。でもどこか寂しそう。
やれやれ、潜入捜査というものの穂乃果から具体的な指示はなく一日が過ぎてしまった。
歩いていると弓道場らしいのが目に入り弓と矢を手慣れた生徒たち。
なつかしい、そのむかし私も弓道部の部員でした。
しばらく見つめていると、部長らしき生徒が声をかけてきた。

「あなた一年生のクラスに入った転校生?」

「は、はあ」

「だけど転校したばかりだけど知ってる?この学校は廃校になるらしいの。一年生が一クラスだけだから」

なるほど、廃校になるのですか。つまりは凛や花陽、真姫たちは最後の学年になるんでしょうか。
部長から手を引かれ道場に誘われた。

「やってみない?いいでしょう」

「え、え!?」

なんだかんだで弓矢を持ってしまい構える海未。
じ〜ん。
なんでしょう、とてもいいです……。
弓のしなり具合、矢を持った時の気合い。なんだかあの穂乃果のゆるゆるした雰囲気とはちがいすぎます。
思わず彼女は的に当ててしまった。
一回二回、とほぼ円の内にあて部長や部員からほめられた。

「凄いわ。才能あるわね」

「そ、そうでしょうか」

「あなた弓道部に入らない」

これまた返答に困るのだった。自分は潜入捜査に入っているのに。
部長や部員たちが帰った後に海未はひとり道場に残った。なつかしい雰囲気に浸りたかった。
そして鏡の前に落ち着いた表情から一転にこり♪

「ふむ、海未ちゃんでもそんな顔をするんだ」

「うわあああっ!?」

いつの間にか上司の高坂穂乃果が側にいることに道場に声が伝わった。

No.9 16/11/10 13:44
小説大好き 

「いつの間にいたんですか!?」

「はて?私は校内を散策してたらあなたが弓道場に入るのを見たので……」

妙な沈黙をする穂乃果から急にはしゃぐ声がしたのはその時だ。

「すご〜い!海未ちゃん。弓道ができるんだね」

「は、はあ」

「う〜ん、なんでこんなに弓道できるのに人質になるかな」

「関係ないでしょう!日常的に弓矢を持つのはむかしの武士や狩人くらいです!」

バカにされているのではと思いながらも相手は上司。面と向かっては言えないが軽くチクりと言う。

「校内を散策してたとおっしゃいましたが、変質者に間違われますよ」

「ほ、ほのかはへんたいさんじゃないよ」ウルウル

「わ、わかりましたから。泣かないでください」

扱いに困る上司は昨日の矢澤にこの部室を訪ねるという。
あほなのかマメなのかよくわからない。

「失礼。いいですかエヴァ25号機さん」

「誰が汎用人型決戦兵器よ!!」

「失礼、小沢さん」

「矢澤よ!やざわ」

海未が間にとりなしてなんとか場を落ち着かせる。海未はそういえば、と思い出したように聞く。

「そういえば矢澤さんは一年生の教室にいませんでしたね」

「三年だからあたりまえでしょう!三年!ついでに部長!!」

え、とふたりしてさすがに驚きの顔をする。にこは悪い?みたいな表情で見つめる。

「り、留年してもそんなちいさいままなの」

「してないわよ!入学した時もいまもこのまま!!なんなのよ、こいつ」

「変人みたいですから」

海未はにこをなだめていると保護者のような気持ちを抱いた。

「それよりにこちゃん大魔王」

「ふつうのにこちゃん。なに?」

「『デンデンデン』のDVDの中身が抜き取られたようですが、その時のことを詳しく聞かせてください」

「あの刑事さんたちにも話したわよ」

もう一度お願い、とうるうると瞳に涙を潤ましながらくっつく。
この上司はやっかいですね、と思わざるえない海未だった。

No.10 16/11/10 15:27
小説大好き 

まったくめんどくさいわね、とつぶやきながらもにこはあの日部室になにがあったか話はじめた。

「あの日あたしは放課後、ひとりで部室に入ろうとしたの」

「ひとりで?」

「そうよ。なにが悪い」フン

「海未ちゃんはひとりで人質になったんだよ」

「いま言わなくていいです!!」

話を進めていい?、と断る矢澤にこの話に耳を傾ける穂乃果と海未。

「鍵を開けて扉を開けようとした時だった。部室からにゃあにゃあ言う変な声が聞こえてコソっと開けたら『何々ちゃん!人が来たよ!』『にゃあ!!』と背中を踏まれてそのまま気絶したの。何々ちゃんが誰かはわからないけど」

「なるほど、部室に置いてあるお菓子食べていい?」モグモグ

「なに食べてるんですか!!」

にこ 「本当に警察官?」

警察手帳をあらためて見せる穂乃果、ついでに海未。

「にゃあにゃあですか」

「海未ちゃんはにゃあとは言わない?」

「言いませんよ」

穂乃果は空になったDVDボックスの箱を見つめた。

「穂乃果?なにか」

「からっぽ」

「あなたの頭がですか」

「失礼だよ!海未ちゃん」

他人に失礼なことをしているのに自分に言われると逆ギレする上司に頭がいたくなりそうだった。

No.11 16/11/10 16:13
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海未は穂乃果との捜査に頭を抱えていると部室の外に人影がいるのを見て捕まえた。

「あなた、二十世紀真姫?」

「西木野!」

「え……と、錦絵さん?」

「西木野、に・し・き・の・!なにやってたの園田さん」

じーんと感動した。やっとふつうに名前を呼ばれた。しかしそれを知らない真姫は離れようとするが逃げられなかった。

「」イミワカンナイ

「すみません、言い忘れましたが私はこういう者です」

「警視庁の特命係?聞いたことないけど」

「なんで矢島の、じゃなくて矢口の、え〜とヤジロベーの」

「矢澤よ!や・ざ・わ・!」

部室から顔を出したにこは真姫と顔を合わした。

「新入部員?」

「侵入部員?」

「穂乃果」

「ハイハイ、おとなしくお茶菓子いただきます」

食べない、と海未は上司を見張りにこと真姫はどういうわけか話が進まない。

「新入部員でしょう」

「ち、ちがうわ」ツン

「そうよね。あたしみたいに……」

「ちいさくてそのうち宇宙No.1アイドルの矢澤にこちゃん。またの名をにこちゃんダイオーになって」

「こら!誤解を招くでしょう!」

お茶菓子をいただきながらも本当に捜査をしているのかふしぎで仕方がない。

No.12 16/11/11 06:05
小説大好き 

本庁に戻り制服から着替えた海未は角田刑事と米沢に見られていた。

「ハレンチです!見ないでください」

「まあまあ、海未ちゃんでも見られるんだよ」

「見られたくありません!お先に失礼します」

肩を掴まれて泣き顔になる穂乃果は飲みにいきませんか、と誘ってきた。

「なんで私が!」

「ほ、穂乃果は飲み友だちが角田さんと米沢さんしかいないの」

「いるじゃないですか!?」

「女の子と飲みに行きたいの」

しかたなく美和子に電話して今夜は上司と飲みにいくのを伝えると「気をつけて」とだけ言われた。連れていかれたのは秋葉原の側にある“穂むら・雪穂”と書かれた居酒屋だった

「ここですか」

「うん。まあまあ入って、行きつけだから」

入るといきなり店主は自分たちよりちょっとだけ幼くどこか穂乃果に似ていた女性が一言。いらっしゃいせではなく……。

「バカ姉貴。また来たの。あれ、そちらは?」

「バカじゃないもん。こっちは新しく特命係に入った海田園未ちゃん」

「ん?園田海未です。あのふたりはどんな関係です。バカとかアホとか」

「バカ姉貴って言われるくらい親しい関係だよ。雪穂なにかつくって」

フン、としながらも店主を呼び捨てにしてるのを見ながら美味しい匂いが漂いビールが出された。

「ご苦労さま、潜入捜査」

「は、はあ……」

「特命係はどうですか」

「捜査一課に戻りたいです……」

「ほ、ほのかの何がいけないの」

「高坂さんは、その、悪くないです」

いやいや悪いから、と雪穂はつまみを出しながら見つめた。
また新しい部下が来たんだ、と思った。

No.13 16/11/11 07:44
小説大好き 

料理はちいさくまとまりながらもなかなかの味だった。
しかしふたりの関係も気になり聞いてしまう海未だった。

「なかなかイケます」

「ありがとう」

「つかぬことをお聞きしますが、おふたりの関係は?」

「妹の従姉妹のまた従姉妹で……」

ほぼ無関係ではないかと思った時に穂乃果が一言。

「ひどい!妹じゃないの」

「和菓子屋を継ぐのがいやで刑事になったのに特命部補佐てなによ!窓際姉貴!」

え、とふたつ驚いた。ひとつはふたりが姉妹だったこと。もうひとつは辞令をあらためてよく見ると“補佐”の文字があった。

「姉妹なんですか」

「そうだよ。高坂雪穂、表通りある和菓子屋を継いだ出来た妹」

「補佐てなんですか!?」

ふつうに説明する穂乃果に食いつくように海未は聞くと、さらに驚いた。

「あのね、特命部というのは変人の杉下右京さんが毎回変わる相棒と組んでなんやかんや事件を解決するの」

「知ってます!亀山先輩がいたのを耳にしましたから」

「うん。だけど捜査一課や他の課、そして特命さえ捜査しないのを捜査するのが特命補佐なんだよ」

つまりは超窓際に配属されたとショックを隠しきれなかった。

「なんなんですか!それは!?ああ優秀な私の将来がこんなへんちくりんに左右されるなんて……」

「へんちくりんじゃないよ!」

「こういう姉貴のもとがいやで特命補佐を辞めたひとたちは数知れないとか」

ビールを片手にしながらやってられますか、とグラスをあおる。

「ほ、ほのかわるくないもん!」

「そうなの姉貴」

とんだところに配属されたと思いながら飲み終えて店を出た。
配属祝いということで穂乃果のおごりと思ったら妹にツケにしていた。なんて上司だ。

「ごちそうさまでした」

「いやいやいつでもツケにしていいよ」

こら、と雪穂の声が扉の向こうから聞こえた。

「失礼します」

「え〜、帰っちゃうの。ほのかん家にお泊まりしないの?」

「しません。仮にも上司と部下です」

失礼しました、と帰ろうとすると穂乃果は足にしがみついてにぱあと笑みをした。

「海未ちゃんはいつまでも穂乃果の部下だよ」

変人にまとわりつかれたと思い家路に着いた。

No.14 16/11/11 10:15
小説大好き 

翌日、警視庁にいくと前から伊丹たち三人がやって来た。言うまでもなく嫌味だった。

「よぉ、もと捜査一課の zoo sea 刑事」

zooは動物園、seaは海。
動物園だ海と言いたいらしい。

「」フン

「おやおや特命補佐になった途端に無視ですか。ツンデレ?」

「ちがいます!イヤミ刑事」

「シェーッ!て誰がイヤミだ」

イヤミのポーズをしてる伊丹を見ながらほくそ笑みながら特命補佐に向かった。

「あんのヤロー、亀そっくりだ」

ふたりの刑事がなだめながら伊丹は捜査一課に向かい海未はあらためて見ると生活安全課の奥に『特命係』とありさらにその隣にちいさく『特命係補佐』とあるのに気づいた。
角田刑事が「お、来たかと挨拶したので挨拶を返した。

「おはようございます。あれが特命係ですか」

「やっと気づいたか。人材の墓場は杉下右京、人材の墓場もどきの高坂穂乃果なんだな。これが」

もどきとはなんですか、と聞くになれなかった。『補佐』の中を見ると昨日、穂乃果が食い散らかしたままであり本人はまだ来てないと思った途端に姿を現した。

「セーフ!間に合った」

「上司が部下より遅いとはなんですか!昨夜はあのあと何をしてたんですか」

ガミガミと海未に朝早くに叱られながら『特命係補佐』に入っていくふたりを杉下右京が紅茶片手に見ていたのを知らない。

「ひ〜ん、海未ちゃん。わたしは上司だよ」

「どこが上司ですか!昨日、わたしは警視庁のデータベースにアクセスしたら年齢はいっしょ!ほぼ同期ではないですか」

「ほえ、同い年」

「それに人材の墓場もどきというあだ名を角田さんから聞きましたよ」

「もどき?穂乃果はパチものでも偽者でもないよ」

そういう問題ではないが“人材の墓場もどき”とは何なのか。疑問しかなかった。
それはともかく音ノ木坂高校の事件の捜査をするのだった。

No.15 16/11/11 11:20
小説大好き 

「実はわたしには容疑者の疑いがある者が二名います」

オオッ、と穂乃果はハイハイと手を挙げた。ここは教室ですか。

「ハイ、高坂穂乃果さん」

「ほ、ほのかと呼んで」テレテレ

「ほ、穂乃果……」

「実はわたしも容疑者の目星はついてるんだよ」

思わずむっとにらみたくなる。こんなアホ乃果になにができるかむしろ聞きたくなった。
答えてみてください、とつい答えをうながしたのがいけなかった。

「私はまずあやしいのは海未ちゃん」

「は?」

「私の推理はこうだよ。海未ちゃんが警視庁の屋上からにこちゃんの後頭部を矢であて気絶。そして『デンデンデン』の中身だけ抜き取り逃げた」ドヤ

「ちなみに犯行時間に私はあなたのそばにいました」

そうだった、とすっとぼける穂乃果は次の推理を言い出した。まだあるんですか。

「あやしいのは西木野真姫ちゃん」

「は?」

「真姫ちゃんはにこちゃんが好きでたまらないので気を引こうとして『デンデンデン』をとったんだよ」

「……ありえません」

「海未ちゃんこわい」

穂乃果の推理は的はずれすぎてむしろこわいものがあった。こわいのはあなたです、穂乃果と思う。

「私の推理を聞いてください」

「寝ちゃダメ?」

「あなたの話を聞いたから私の話を聞いてください」

うんうん、とうなずく穂乃果はお茶菓子を用意しながら聞く準備はできたようだ。

「私の分は?」

「海未ちゃんほしいの?」

「上司だからて。まあいいでしょう。先に推理を発表します」

「いただきます」

「私の推理はこうです。犯人はふたり組です。ひとりは運動神経抜群、ひとりはアイドル好きの生徒。アイドル好きが運動神経抜群を籠絡したか言いくるめたかはわかりませんが、にこが部室に入ろうとした時に運動神経抜群の生徒が背中を踏んで気絶させたと思います。そしてアイドル好きがその隙に『デンデンデン』を奪い逃走……」

「その容疑者の名前は?」

「星空凛、小泉花陽です。わかりましたか」ドヤ

海未の推理を聞いた穂乃果は食べて満足して居眠りしてました。

「起きなさい!」

「起きたよ」

No.16 16/11/11 13:07
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「とにかく逮捕礼状を取りにいきますよ」

「待ってよ」

穂乃果と海未が特命係補佐室を出たところを杉下右京が声をかけた。

「園田海未さんですね」

「ああ、はい。園田海未です!熱中○代に刑○貴族、地方記者立○○介です!?」

「ん?海未ちゃんあたまだいじょうぶ」

「私は杉下右京です」

「ほのかだよ」

「知っています。いつも私が解決できない事件を解決していただき高坂穂乃果さんには感謝しています」

なんですと!?、あの杉下右京がこのアホ乃果に感謝してるなんてありえません!なにかの間違いです!
海未の気持ちをよそにさらに右京は意外なことを言い出した。

「先ほど隣からあなた方の推理をうかがっていましたが、園田海未さん」

「ハイ」

「高坂穂乃果さんの推理を甘くみてはいけません。今度、お茶を飲みにきてください」

失礼、と右京はカップを手にしたま隣の特命係に姿を消した。
あまりな発言に海未は穂乃果をキッとにらんだ。

「た、逮捕礼状取りにいくんだよの」コワイヨ

「行きますよ」

裁判所に逮捕礼状を取りに行き再び音ノ木坂高校に入る。
果たして事件の真相は?

No.17 16/11/12 06:04
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音ノ木坂高校アイドル部部室に集められたの被害者にこ、容疑者星空凛と小泉花陽そしてなぜか呼ばれた西木野真姫。

「西木野さんは関係ないんじゃないの」

「まあまあ穂乃果にまかせなさい」

「なんと園田さんが刑事だったにゃ!?」

「あわわ、ど、どうしましょう!」

「おもいっきり動揺しています」

「な、なんなの。関係ないのに」

アイドル部部室は一躍、学校内で注目を集めることになった。

「さて、にこまんじゅうさん」

「にこね。まんじゅうはなしで」

「にこさん。あなたは部室に入ろうとしたところを」

「穂乃果、そこからは私の推理です。取らないでください」

はーい、と返事はいい。海未は自分の推理を語る。

「にこが部室に入ろうとしたところをにこは何者かに背中を踏まれ気絶。そしてふたりの生徒の声


「し、知らないにゃあ」

「凛ちゃんシー!」

「ふふふ、すでに自分で犯行を認めましたね凛に花陽」

「な、なにを言うんです!あたしも凛ちゃんも『デンデンデン』のDVDは知りません」

「あなたたちは私と穂乃果が聞いた時に『デンデンデン』のことはなにも言っていないのにすでに知っていました」

「あ……」

そう、すでにあの時に凛と花陽は自分たちでしゃべっていたのです。

「あんたたちが犯人だったのね!返しなさい『デンデンデン』!」

「にゃ!にゃあ!」

「凛ちゃんは知らないにゃあと言っています。実はあたしたちはたしかにDVDは盗りました。だけど気づいたらDVDはあたしたちの手元からなくなってました」

「本当ですか?」

「本当です」

「よし、ふたりの家を角田さんと米田さんに見てもらおう」

「なぜあのふたりを行かせるのですか!おっさんふたりが女子高生の自宅を……ハレンチです」

しばらくして電話がかかり角田刑事と米田からの連絡によると『デンデンデン』はなかったという。


「帰っていいかしら」

「まあまあマッキントッシュちゃん」

「真姫よ」

「どういうことですか。ふたりの自宅からはDVDがないなんて」

「穂乃果の推理の見せどころだよ」

にこに出されたお茶菓子を頬張る穂乃果は自信があるようだった。

No.18 16/11/12 07:12
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ふふふ、と穂乃果は微笑みながら推理を語る。

「凛ちゃんとぱなよちゃんはたしかににこちゃんを気絶させ『デンデンデン』の中身を奪った」

「花陽です。ぱなよではなく」

「ふたりはDVDの中身を奪ったまではよかった。しかしなにかアクシデントがあったのではないですか」

「そ、そうにゃ。奪ったんだけど途中でお腹が空いて」

「ラーメン屋さんとゴハン屋さんに寄っていたらいつの間にかDVDはなかったの」

真姫はフンとしながら腕を組んでいた。なんとあの穂乃果の推理が当たっていたなんて、いやまだわかりませんと思う海未は耳を傾けた。

「どこやったのよ」

「まあまあ八嶋にこちゃん」

「矢澤!」

「凛ちゃんと花陽ちゃんはDVDをたぶん教室のどちらかの机に置いたのでしょう。しかしそれをニシンの真姫ちゃんは見ていた」

「ニシンでもないし」

「真姫ちゃんはそれが『デンデンデン』というのを知っていたのです。しかし鞄や机のなかに入れてはバレてしまいます。持ち物検査があったら先生に取り上げられると思ったのです」

「なるほど。西木野真姫逮捕です」

待ちなさい、と海未を制する穂乃果。にこは真姫を見つめる。
穂乃果は驚くべき推理を続ける。

「ふたりが食べている間に彼女は思いつきました。よしお腹に入れちゃえ、と。ということでDVDは彼女のお腹にあるのです」

「な、なに言ってるのよ。イミワカンナイ」

ふふふ、と笑みする穂乃果はさらにとんでもないことを言う。

「西木野さん、あなたの家は総合病院でしたね」

「な、なによ」

「実は私はあなたが夜の睡眠中にご両親に断りあなたを画像診断させていました。いまごろは伊丹刑事たちが診断書を取りに行っているでしょう」

穂乃果の言う通り伊丹刑事たちが診断書を持ってきた。

「高坂警部殿、我々は忙しいんですよ。診断書はこれです」

「おお!ありがとう。イタミン」

「イタミン言うな!」

診断書と画像のコピーを見せると、真姫の腹部には円形の物体が三枚あるらしいだった。

にこぱな 「『デンデンデン』のDVDが……」

凛「すごいにゃ」

「で、でも動機はなんですか、穂乃果?」

推理を語りすぎたのか穂乃果は寝ていた。

No.19 16/11/12 07:51
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「起きなさい(起きろ)!!」

「ね、寝てた!?ほのかは推理しすぎると寝ちゃうんだよ」

「なんなんですか。それより真姫の動機はなんですか?」

穂乃果はお茶を口に入れるっあまりに渋すぎて海未に吹いた。

「なにするんですか!?」💢

「お、お茶が渋すぎてつい……」シクシク

「とにかく動機を語ってください」

「煮汁の真姫ちゃん」

「西木野!」

「真姫ちゃんは実はちいさい先輩のにこちゃんが好きで好きでたまらない。だけどツンツンな性格が災いして友だちができず悩んでいた。だけどたまたまアイドル部の部長がひとりなのを知って恋をした。でも仲間に入りたいけど入れない。そんな時に凛と花陽ちゃんの犯行を知ったんだよ。そしてにこちゃんの匂いが染み付いたDVDをお腹に入れることでにこちゃんと一緒でいたいと思ったんだよ」

「……」ツン!

「そうですよね西木野さん」

「そ、そうよ!にこちゃんとお友だちになりたくて思わずしてしまったの!」

「スゴい、あたりました」

「星空凛、小泉花陽、西木野真姫を窃盗の容疑で逮捕する」

「伊丹さん、なに横取りしてるんですか」

まあまあ、と穂乃果は海未をなだめる。せっかくの手柄が横取りされると思った時だった。真姫がお腹を抱えて痛がった。

「真姫ちゃん!」

「い、いたい……」

「う、産まれるの!?真姫ちゃんとにこちゃんのこどもが」

『なんでよ!!』

海未は手早く西木野総合病院の救急車を呼んで手術を頼んだ。
手術は比較的かんたんに終わり真姫のお腹からDVD三枚出てきた。

「う、産まれたんだ。サンコンちゃん、ヨンコンちゃん、ゴコンちゃん」ジーン

「勝手にDVDに名前をつけないでよ!」

「にこちゃん」

「なによ」

「真姫ちゃんが罪を償ったらお友だちになってあげてね」

う、うんとうなずくにこを見て花陽はいいなと呟く。

「か、かよちんも罪をを償ったらお友だちに、いいえアイドル部に入れてあげてほしいにゃ」

「り、凛ちゃん」

「かよちんはアイドルが好きだにゃ。きっとにこちゃんをチャイドルに扱うにゃ」

「」オイ

まきりんぱなの三人は罪を償うと約束してにこの前から去っていった。

No.20 16/11/12 11:15
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納得しない風な表情をしながらも高坂穂乃果の推理はみごとだった。

「」ホメテホメテ

「甘えないでください」

「ほのかがかわいいから?」ウルウル

「どういう理屈ですか」

警視庁に戻り特命係補佐に入るところを杉下右京とその相棒らしき男性が見ていた。

「今度、お茶をいただきに参ります」ケイレイ!ペコリ

「まじめだな海未ちゃん」

「あなたが不真面目なのです」

そんな会話をよそに特命係補佐に入ると、米田がにやにやしていた。

「穂乃果くん穂乃果くん」

「なんだい米田さん。嫁に逃げられて今度は海未ちゃんを嫁さんにしようとするつもりかい?」

なんですと!?、海未は心の内で驚愕した。鑑識の仕事は立派と思いますが中年の鑑識のお嫁さんになるつもりはまったくないのに。
ところが彼は海未が今回の潜入捜査で使った音ノ木坂の制服を手にして言う。

「いえいえそれはもちろんですが、園田くんが使用した制服をください」

「ハレンチです!」

海未が手にした弓がしなり矢が飛び米田をかすめた。あまりのことに米田は恐怖に震え少し顔を赤くしながら逃げていった。

「う〜ん、あれは海未ちゃんに惚れたね」

「な、なんでですか!?」

「それより矢で壁に突き刺さった穴の修理費はキミの給料から引いておきますね」

「え」

「え、じゃありません。我々特命係補佐も警官です。国民の血税でまかなわれているのですよ」

「わ、わかりました」

「報告書を書いてから帰ろうね。海未ちゃん」

「くぅ〜」

「あ、そうそう凛ちゃん、花陽ちゃん、真姫ちゃんは罪を償ったらアイドル部に入るんだったね。どんなアイドルになるのかな」

「知りません」

「堅物」

なんともぎくしゃくしながら特命係補佐の最初の事件は終わった。
高坂穂乃果、和菓子屋の長女ながら警視庁特命係補佐という変わった部署にいる彼女。
報告書を書きながら海未は刑事の勘が無意識に働いていた。

「も、もしかしてほのかに惚れた?」

「報告書を書いてください!」

隣では杉下右京と相棒が笑みをこぼし角田刑事たちも興味ありげに見ていた。
次回、どうなる特命係補佐!?

No.21 16/11/18 15:59
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その日、もと捜査一課に所属しいまは特命係補佐に所属している園田海未は早朝3時からジョギングをしていた。
彼女はその気になれば遠くは奥多摩、時には23区までまわってから出勤するのだった。恋人の美和子は別れることをしばしば考えていた。
この日も海未は汗をかきながら路上を走っていると、すれ違ったひと共に倒れているひとを見かけた。

「きみ、きみですよ」

「わ、私ですか」

妙に上から目線な若い母親と同い年くらいの女性に呼び止められ海未はそばにひとが倒れているのに気づいた。

「これは警察に通報した方がいいです」

「は、はあ……」

「だけど私が側を通ったことは言わないでください。ややこしいことになるかもしれませんから」

え、とつぶやく間に女性の姿は路上から消えていた。しかし本庁に連絡しないわけにはいかなかった。
よく見ると倒れていたのはこの前の事件の被害者矢澤にこのようであった。

「ためしにつついてみましょう」

「…」

「なぜ動かないのでしょう」

「……」

「ちいさいからでしょうか」

「」💢

そんなにこの様子をよそに捜査一課のトリオたちと鑑識の米田たちがやってきた。

「特命係の堅物園田。なにしてんだ」

「わ、私が第一発見者なんですよ」

「つまりは早朝ジョギングをしてたら被害者を見つけたと」

異常に理解が早い米田であることに海未は軽く引いた。ハレンチです、とちいさく呟いた。

「おい、このガイシャはこのまえのちいさいのじゃないか」

「あ、アイドル部の女の子」

若い三浦刑事はちょっと興味があるようだった。

「死んでるのか」

「わかりません。だから呼んだんです」

伊丹たちはためしににこの身体をこそばしてみた。するとぴくぴくと動き出してついに喚いた。

「ぬわにすんのよ!」

「やはり生きてましたか」

「ですが、仮死状態や冬眠をしてた可能性もあります」

驚く海未に米田はさりげなく仮説を立てていた。伊丹たちは事情を聞いた。

「なんで道端に倒れていた?」

「う〜ん、おぼえてないわ」

「まったく役に立たないガイシャです」

「しかたないでしょう!おぼえてないんだから」

にこをよそに穂乃果が歩いてきた。

No.22 16/11/18 17:47
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「園田くん、園田さん、園田ちゃん、海未くん、海未さん、海未ちゃん、うみみくん」

「なんですか!ひとの名前で遊ばないでください」

「ほ、穂乃果は海未ちゃんと親しくなりたくて考えた呼び名なのに」ウルウル ウルウル

本当に面倒くさい上司だな、と海未は早朝のなか思った。

「す、好きなように呼んでくださっていいですから」

「ツンデレだろ、こういうの。三浦」

「ええ」

ちがいます、と海未は伊丹たちを見ながら何故か事件現場より彼女を撮影する米沢を睨みつけた。

「じゃあ海未ちゃんで」

「ちょっとあたしのことはどうなったの!」

穂乃果はいま気づいたようににこに目をやり名前を口にする。

「家探しにこちゃん」

「家を探してる迷子か」

「やぶさかにこちゃん?」

「や・ざ・わ・!やぶさかなのはあんたでしょう!」

にこも海未と同じでこの変な刑事が苦手であった。すると、穂乃果はあることに気づいてにこの頭に触れた。

「いたっ!?なにすんのよ」

「米沢さん、にこちゃんの頭にたんこぶがふたつほどあります」

どれどれ、と米沢がにこの頭に触れるとたしかにふたつほどたんこぶがあった。伊丹たちが勇んで聞く。

「誰にやられた!?」

「知らないわよ!気づいたら頭を叩かれてみたいだし」

「役にたちませんね」

「あんたが言うな」

にこは穂乃果を睨みつける。思い出したように海未は穂乃果に聞く。

「こんな早朝になにをしてたんですか」

「ほ、穂乃果は夜眠れなくてコンビニでジ○ンプやサン○ー、マ○ジン、コロ○ロ、なか○しとか立ち読みしてたの。え、えっちな本の棚にはいってないからね!」

「なんの話をしてるんですか!!」

一晩中、秋葉原界隈のコンビニで立ち読みしている特命係補佐の高坂穂乃果の新たな一面を知って清々しい朝ににこは発見するわ伊丹たちや米沢、そして穂乃果に囲まれうんざりする。

「米沢くんにこちゃんを鑑識に」

「警部殿、事情聴取が先です」

「勝手に鑑識に持っていかれるとこだったわ」

にこはとりあえずパトカーのなかで事情を聞かれた。
穂乃果はにこが倒れた現場で犬のようにしゃがんでなにかしていた。

「犬ですか。このひと」

No.23 16/11/18 21:38
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「いやいやこうしてたらにこちゃんの気持ちがわかると思って」

「わかりましたか?」

「わかりません!」

犬のように寝転がっていた穂乃果はきっぱりと言う。あまりのあほさにこの人がなぜ自分の上司かわからない。

「相変わらずアホなのね」

「アホじゃないもん」

事情聴取を終えたにこに子どものように言い返す穂乃果にあきれる。

「それよりにこちゃん」

「なによ?」

「出勤時間までほのかを家で居眠りさせてくれない」

「アホですか!仮にも警官なんですから」

「ほ、ほのか眠たいの」シクシク シクシク

「わかりました!私の家、いや納屋、いえ物置でよかったら」

「も〜の〜お〜き〜!?」

穂乃果のわがままな声が早朝の音ノ木坂に響くので海未はやむなく引っ張って帰っていった。

「やれやれ、警部殿には困ったものだ」

「可愛いですよ。高坂警部補」

三浦、と怒鳴る伊丹であった。
にこはついでに米沢に鑑識で見てもらうことになった。

「なんでよ!?」

「高坂警部補殿に頼まれましたので」

「これから朝ごはんを作らないといけないの!」

「なら、その後で」

米沢がニヤニヤしながら言うのが嫌だったが警察の捜査に協力しないとならない。
いったん家に戻り弟妹たちに朝ごはんをつくり団欒をした後、学校に断り警視庁の鑑識課に向かった。

「ロリコン、米沢さん?」

「ちがいます!私は園田刑事が好きなのです」

鑑識課でたんこぶにある犯人の痕跡を分析する米沢をアブナイとにこは思った。
その頃、穂乃果は園田家で布団を貸してもらい仮眠していた。

「なぜ、私の家で警部補が寝ることになってるのか」

頭を再び抱える海未であった。

No.24 16/11/19 07:05
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美和子と穂乃果のとのことでひと悶着を起こしながらようやく本庁へ出勤した穂乃果と海未を角田刑事が見つけ声をかける。

「おはよう、暇か」

「貧乏暇なしです。このあほ乃果のせいで」

「あほじゃないもん!」

ぐっすり寝たのか穂乃果はやけにはっきり声に出す。角田は思い出したように彼女たちの特命係補佐を指に示す。

「そういえばお前さんたちにお客さんが待っているぞ」

お客さん、とふたりは目を合わしながら向かうとそこには頭にとさかのような髪型をした少女がいていきなり穂乃果に抱きついた。

「ほのかちゃ〜ん♪」

「こ、ことりちゃん!?」

ふたりは旧知の仲のようで海未は戸惑いながら見つめていると、穂乃果は説明した。

「こ、こっちは幼馴染みの南ことりちゃん。たしかことりちゃんは官僚になったんじゃないの?」

「うん、いまは大臣官房府所属だよ」

な、なんと大臣官房府という肩書きに海未は再び清々しい朝から寝覚めが悪い気分になりかけた。

「それよりことりちゃんはなんでここにいるの?」

ことりはもじもじとしながら事情を口にした。言ってはならないことを。

「あのね、穂乃果ちゃんたち特命係補佐の調査をするように言われたの。それと穂乃果ちゃんの素性や経歴とかを」

「それは言ってはいけないのでは?」

思わず口を挟む海未。するとことりは紹介して、と穂乃果の袖を掴む。

「あ、忘れてた。こっちは捜査一課を干された園田海未ちゃん」

「干されてません!」

よろしくね、と海未とことりは握手した。
それにしても海未は穂乃果が官僚から調査をされる存在なのか疑問に思った。
その頃、にこはまだ米沢からたんこぶにあるかもしれない犯人の痕跡を辿られていた。

「海未刑事と親しくなるにはどうしたらいいでしょうか」

「知らないわよ」

「やはり穂乃果くんみたいにあほになる以外ないでしょうか」

「まああほだけど。ていうか、たんこぶでしょう!いつまで触るのよ!いたいのよ!」

「いま伊丹刑事たちが捜査をしていますから」

伊丹たちが容疑者を上げたのは朝の九時頃だった。

No.25 16/11/19 08:16
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伊丹たちは会議室で容疑者の名前を挙げていた。

「容疑者はこの二名。絢瀬絵里と東條希」

「が、外人の女子高生か」

「いやハーフらしいぞ。てなにを聞いてるんだ。ん?」

なるほど、とメモをしていた穂乃果と海未、そして見慣れないとさか型の髪型をした少女がいるのに気づいた。

「警部殿警部殿」

「ほのかと呼んでイタミン♪」

「呼ぶか!また捜査会議にまぎれやがって。それより海未はともかくそちらは?」

「南ことりです!大臣官房付所属の官僚だよ」

官僚の言葉に捜査一課トリオや他の者たちはおののいた。

「ほのかは?」

「相手されてませんね」

「むっ」

「まあとりあえず情報は手に入ったからいきましょう」

ハイ、とことりがやけに素直すぎなことに海未は訝しい思いがした。
素直すぎ?ただアホの穂乃果が好きなだけ?
そもそもこんなアホ乃果が官僚から調査を受けるのがあやしいと思った。もしかして自分がにこを発見したもうひとりの発見者を探しているのでしょうか?
るんるん気分で穂乃果は米沢のもとをおとずれた。

「にゃこちゃんあたまだいじょうぶ?」

「にこよ!あんたの方があたまどうかしてるの」

「こ、こわいよ」

「なにかわかりましたか?」

米沢の説明によるとたんこぶの痕跡は主にふたつ。それぞれ異なる鈍器のようなもので叩かれたらしいと言う。ことりを見つけた米沢は即座にアブナイことを口に出す。

「ケッコンしてください」

「え!?ええ」

「なんなの、これ」

「さあ」

海未とにこはなげやりになるような表情のままあきれた。
しかし、ことりは穂乃果を見て言う。

「ほ、穂乃果ちゃんが好きだから!ごめんなさい!」

あっさりフラレた米沢は瞳に涙をためながら海未を見つめて言う。

「じゃあ園田刑事で」

「じゃあてなんですか!?じゃあて!」

ヒステリックになる海未ににこだけは同情の瞳で見ていた。
穂乃果はにことの結婚にひとりドキドキしていた。

「ほ、穂乃果ケッコン?」

「うん」

「あほですか!!それより捜査ですよ」

鑑識課から海未の声が響いた。

No.26 16/11/19 14:15
小説大好き 

「また潜入捜査ですか」

穂乃果、海未、ことりの三人は音乃木坂高校にいた。穂乃果と海未は二度目、ことりはまじまじと見つめ聞いた。

「潜入捜査?」

「この前、海未ちゃんを潜入捜査させて捜査したんだよ。そしたら見事に穂乃果が事件を解決したの」ホメテ

「うわ〜!すごいさすが穂乃果ちゃん」

「(ほめることですか?私は無駄なことをやらされたんですよ)」

つぶやく海未をよそに穂乃果とことりは学校に入っていき海未もついていった。
向かったのは生徒会室。容疑者は生徒会長と副会長であるらしく扉から声が聞こえてきた。

「認められないわ。書類に記載事項が抜けているからやり直し」

「まあくじけずにがんばるや」

そんな声が聞こえながら扉が開いて女子生徒が吐息を落としてすれ違う。よろしいですか、と穂乃果ははじめは礼儀正しいのだが今後は不安になる海未であった。

「あのあなたは?」

「警視庁特命係補佐の高坂穂乃果」

「おなじく園田海未」

「南ことりだよ!」

「特命係補佐?聞いたことないわ」

グサッ、と三人のか弱い胸に容赦ない矢が刺さる。ムカつきますね、と海未はこめかみを震わす。そこへ側にいる副会長がまあまあとなだめる。

「警視庁特命係補佐か。ウチらになんか用なん?」

穂乃果はここの女子生徒の矢澤にこが何者かに殴打され気絶した事件のなかアリバイのないが絵里、希であると説明した。

「深夜十二時から三時まであなたはなにをしてましたか」

「寝てたと思うけど」

「ウチもや」

たしかに学生だから深夜に眠るのは当たり前だ、と思う海未。
しかし、穂乃果はしつこい。

「まずは絢瀬さん、どんな布団もしくはベッドで寝てましたか」

「え〜と、花柄の羽毛かしら」

「次に希さん」

「スピリチュアルな柄かな」

「なんの質問をしてるんですか!!ひとの寝る布団やベッドを聞いてどうするんですか」

すぐに海未はキレた。事情聴取をしてるのに、と穂乃果は言い訳じみてるようだ。

「じゃあ気を取り直して。ふたりの寝巻き姿は」

「あたしはふつうにパジャマかしら」

「ウチはネグリジェかな。ちょっとかわいいねん」

「そうなの」

これではガールズトークである。

No.27 16/11/19 15:31
小説大好き 

「なにガールズトークしてるんですか!?」

「ま、待ってよ。これからが本番だよ」

「頑張って」ハノケチェン!

穂乃果はふたりを見据えるように見つめて聞いた。

「ふたりのご趣味や特技は?」

「バレエかしら。途中で挫折したけどUTX学園のA-RISEはあたしからしたらまだまだだけど」

「キツいなえりち。ウチはスピリチュアルなカード占いや!」

「おお!?バレエに占い」スゴイ!

どう見てもにこを殴打するにはバレエやカード占いでは不可能ではと思うのだが。
穂乃果の質問は続く。

「ちなみにふたりのスリーサイズは?」

「なにを聞いてるんですか!帰りますよ」

「ま、待って!海未ちゃん!ちなみににこちゃんの身長はこれくらいでしょうか?」

穂乃果が親指と人差し指でまるでつまむようにした。それではにこはアリくらいである。

「いえ、もう少し身長はあったかしら。小学生くらいはあるわよ」

「いやいや中学生くらいはあるわよ」

なるほど、とうなずく穂乃果を海未はあきれことりはまじまじと見つめる。

「あともうひとつ」

「もう帰りますよ!穂乃果」

「ガールズトークをする時はまぜてね」

なんですか、と海未はブチギレ寸前になりながら穂乃果を生徒会室から引っ張り出しことりは慌てついてゆく。

「なんなんですか!?あなたは真面目に捜査してますか」

「してるよ」

「さすがは穂乃果ちゃんの捜査はスキがないよ!」

「なにほめてるんですか!」

ブチギレている海未の側を捜査一課の伊丹たちが嫌味たらしく見つめている。

「なに勝手に捜査してるんですか」

「伊丹さん」ウルウル

「泣いてもダメです。我々が来る前に捜査して」

「もう終わりましたから」ニコッ

やれやれ、と伊丹たちは生徒会室に入っていき海未に一言こぼす。

「かたぶつの海未、上司の面倒くらいちゃんと見ろよ」

バタン、と扉が閉まるなか私だって好きでしているんじゃありませんと言うのを堪えた。

「ほのかちゃんお茶していく?」

「その前にもう一回にこちゃんに話を聞きたいかな」

むっとしながらもにこがいるはずのアイドル部部室に向かった。

No.28 16/11/20 10:01
小説大好き 

「にこちゃんいる?」

いるわよ!、と扉の向こうから声がして入る三人。キョロキョロする穂乃果さらにことり。

「いないよ」ナデナデ

「いたっ!」

「にこちゃんさん」ナデナデ

「いたいいたい」タンコブ!

「声はするのににこちゃんが見えないよ」

「本当だね」

「います!ちゃんと部室の椅子にいますよ!」

海未の声でようやく部室の上座にあたるところにいるのに気がつく。

「ひとのたんこぶにぬわにすんのよ!」イタイシ!

すると穂乃果は何かを思いついたように指を立てる。

「いまのことから察するににこちゃんは何者か、つまりは二回叩かれたか複数の容疑者にやられたと思うよ」

「さすが穂乃果ちゃん」

「わかりますよ。それくらい」

海未の生意気な口に穂乃果は頬を膨らましておもしろくなさそう。にこが口を挟む。

「何しにきたの?たんこぶを触りに?」

「それもあるけど。アイドル部は相変わらずひとりなんだね」

「ほっといてよ」

「凛ちゃん花陽ちゃん真姫ちゃんはいまは罪を償っているから」

「どんな?」

ことりは興味ありげに穂乃果を見つめる。

「凛ちゃんはラーメンだけ食べて世界一周、花陽ちゃんもお米だけ食べて世界一周」

「」ラーメンニャ

「」ゴハンデスヨ

「ふたりはいっしょ!!」

「真姫ちゃんだけは毎日、男性芸人の健康診断チェック。ちなみにはじめは梅宮辰夫の物まねのロバート秋山さん」

「梅宮辰夫です!」

「ヴェェ!なんであたしだけ毎日、オトコばかりなのよ!イミワカンナイ!」

「なにをやらせてるんですか」

にこはあきれてものが言えなかった。

No.29 16/11/20 12:42
小説大好き 

「にこちゃん」

「なによ」

「乗り物料金は子ども料金なの?」

「なあんんんの話よ!!」💢

さすがに海未は間に入り止めるしかなかった。

「穂乃果、ちゃんと捜査をしてください」

「してるよ」ブツブツ ブツブツ

穂乃果の捜査は行き当たりばったりか思いつきでしてるしか見えなく不安しか感じさせない。

「仮にも警官なんですから」

「穂乃果ちゃんに惚れるひとはいくらでもいるよ」

「いませんよ」

肯定と否定のことりと海未である。にことしては後者であった。

「なんの捜査をしてるのよ」

「あ、それそれ。にゃんこちゃんは……」

「にこ!宇宙No.1のにこ!」

「ギネスブックに載るくらいのにこちゃんは生徒会長さんと副会長さんは知ってるかな?」

知ってるわよ、と意味なく胸を張るにこであった。なんかかわいい。

「どんな感じかな。にこちゃんは」

「そうね、絢瀬絵里は生徒会長で堅物で融通が利かない」

「ふむふむ」

「副会長の希はなんかスピリチュアルがどうのこうのとか。あとムネがむやみに大きい!」

納得、と三人はそろって頷いた。あんなおムネはそうそうない。

「にこちゃんはふたりに恨みはない?」

「ないわよ!」ガアア!!

怒り猛るにこのオーラは部室から黒いものが出ていた。
う〜ん、と穂乃果は推理をしていた。
海未は不安だが、ことりはにこにこしていた。

「ぬわんなのよ!」

「にこちゃんは恨みを買いそうなのに」

ドキッ、とにこのちいさいちいさいちいさいムネの奥にある鼓動が激しくなった。

「何回ちいさいを繰り返すのよ!!」

「まあまあ」

なんとなく穂乃果だけでなくにこの保護者にもなった海未である。

No.30 16/11/20 16:18
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「にこちゃんお菓子ない?」

「あるけどあんたにはあげないわよ!!」ガアア!!

「穂乃果、にこは被害者なのですよ。穏便にしないといけません」

わかったよ、と不満をつぶやく穂乃果をみてことりがバッグからマカロンを出す。

「これでよかったら?」

「おお!?マカロンだ。ありがとう!美味しい」

「なんで穂乃果を甘やかすのですか」

ことりはキョトンとしながら海未やことりにもマカロンをあげた。

「ありがとうございます」

「れ、礼なんて言わないからね」

もぐもぐと食べなから穂乃果はにこに笑みを見せる。

「ぬわんなのよ!」

「にこちゃん、ほんとあのふたりから恨み買ってない?」

「穂乃果!」

海未の叱る声に室内は沈黙する。仮にもにこは被害者なのだ。
あたまにあるたんこぶはそれを物語っているのだ。
帰りますよ、と海未は穂乃果の手を引いた時だ。にこはぽつりと告白をした。

「ま、待って!」

「屋島のにこ、拙者に何か用か?」

「時代劇ですか」

イライラと海未に募りながらとっさにことりは海未とにこにマカロンを再び与える。穂乃果ちゃんたら、とことりは甘えるようにつぶやく。

「実は絵里と希に嫌がらせをしたことあるの」

「なぜ言わないんですか」

まあまあと穂乃果が微笑む。これでは前回の事件と逆である。

「どんな嫌がらせ?絵里ちゃんのお弁当を日の丸弁当にしたり希ちゃんの体操着をわざとサイズをちいさいものにしたり?」

「あほですか」

「まあそんなものね。正しくは絵里にわざとわかんない難しい日本語を教科書にいたずら書きしたり希には吉本興業か松竹芸能の紹介状を机に置いたり」

「それはいいことなんじゃないかな?」

あの希という少女は芸人体質であるようにことりには見えた。
穂乃果は事情を聞く。

「なぜそんなことしたの?八嶋智人と高橋克実とタモリのトリビアの泉」

「誰がトリビアの泉よ!」

穂乃果はいちいち話題を脱線させる困り者だ。

「実はアイドル部に部員が入らないのはあのふたりに一度二度三度と勧誘したのに無視されたからよ」

「しつこいにこだったんですね」

海未の言葉に穂乃果ことりも頷く。納得するには充分だった。

No.31 16/11/22 19:52
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穂乃果、海未、ことりは特命係補佐に戻ってきた。

「しかしあのふたりにはアリバイありますよ穂乃果」

「有田哲平?」

「くりぃむしちゅーですか!!」

ことりが間に入ってふたりをなだめる。

「穂乃果ちゃんはふざけているように見えて真剣なんだよ」

「どこがですか」

う〜ん、と唸る穂乃果は悩んでいるようだ。そこへ捜査一課から伊丹たちが顔を出した。

「警部殿、我々の前に捜査をするからやりにくいでありませんか」

「ほ、ほのかと呼んで」

「こ、ことりと呼んで♪」」

「ことりさん僕と付き合ってください!」

「三浦っ〜!!」

真っ先に三浦刑事はことりにアプローチしたことに伊丹は憤慨した。そこへ鑑識から米沢もやってきた。

「ことりさんと付き合うのはボクです!」

「なんの話をしてるんだ貴様ら」

「そうだよ!イタミンは顔は怖いけどやさしい刑事さんだよ」

「なんの話をしてるんですか!!」

伊丹と海未が珍しく意見があった。

「米沢くん、なにかわかったかね」

「矢澤にこのたんこぶを詳しく診たところ大中小と三つのたんこぶがありました。つまりは」

「三回叩かれたか、複数の容疑者に叩かれたか」

ご名答、と米沢はことりを見ながら答えた。

「ほのかはこっちだよ」

「なんなんですか、ここは」

「とにかく高坂穂乃果警部、一課の邪魔をしないでください」

「ほのかと呼んで♪」

呼ぶか、と伊丹たち三人は出ていくが三浦刑事は宣言した。

「南ことりさんをデートに誘う!」

「」ピイッ!?

ことりのちいさな悲鳴が特命係補佐から飛び上がった。この状況に海未はあたまがいたくなった。

「海未ちゃん風邪?横になる?それとも何かあたしたちに黙っていることあるの」

どきっ!?と海未のちいさな胸の奥にある動悸が激しくなった。

「な、なにを言うんですか」

あたふたする彼女の顔を穂乃果は純真な瞳で見ていた。
なんていう瞳をするんですかと慌てる自分が彼女の中にいた。

「ボクは海未さんとことりさん両方を彼女にします!」

米沢が退出してゆく言葉に海未は弓から矢を放った!

「壁の修理費が増えて給料が減るよ、海未ちゃん」

No.32 16/11/23 15:54
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海未はことりを見つめた。すかさず穂乃果は口を挟む。

「ことりちゃんに惚れたの?ほのかがいるのに」

「ややこしいこと言わないでください!誤解を招きます」

「な、なんなの?え…と、捜査一課から左遷された海未さん?」

「よけいな肩書きはつけないでください」

海未は実は事件現場にことりに似た女性を見たことを穂乃果に話した。

「ことりちゃんに似た女性か」

「こ、ことりは犯人じゃないよ!!」ハノケチェン!

「わかってますよ」

海未はことりと別人らしいのはわかっているが、穂乃果はめずらしく黙っている。

「穂乃果?」

「ほのかちゃん?」

「ああ、ふたりとも今日は帰っていいですよ。私は穂むらで飲んでいきますから」

「妹さんのツケで、ですか?」

うん、という穂乃果を海未はガミガミと怒鳴り付ける。

「な、なんなの!?」

「どこに妹さんのツケで飲みにいく警官がいますか!!」

「ここに」

ガミガミと海未はまた怒鳴り付けた。ふたりが帰ろうとすると、穂乃果は携帯を取りだしどこかにかけていた。

「あ、しもしも?」

「あんたはどこかのお笑い芸人ですか!!」

ブーメランのように戻ってきた海未はまた穂乃果を叱った。
ことりは海未に帰ろうと促しようやくふたりが姿を消した後、穂乃果は呟いた。

「やれやれ、あの人と海未ちゃんが関わっていたとはやっかいだよ」

穂乃果のその呟きを隣の特命係の右京と相棒、そして角田刑事たち数人は聞いていた。
辺りを見回して海未とことりがいないのを確認すると、穂乃果は実家の居酒屋兼和菓子屋の穂むらにむかった。
しかし、それを海未とことりは見ていた。

No.33 16/11/23 18:40
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「こちらHMKゼロワン、HMUゼロツー異常ないか」ボソボソ」

「こ、こちらHMUゼロツー異常ありません。あ、あのことりさん?」ボソボソ

「ことりじゃないよ。HMKゼロワンだよ」ボソボソ

「(なにやってるんだろう?海未さんに久しぶりに会ったことりさん。久しぶりに会ったのにいきなり厨房に入られたし)」

実は居酒屋穂むらの厨房の雪穂の左右にしゃがんだ海未とことりがなんと糸でんわで会話をしていた。

「しかもなんで糸でんわなんですか。HMKゼロワン」

「ほのかちゃんはハイテクで盗聴すると気づかれるの。HMUゼロツー」

そこへ穂乃果が穂むらがやってきた。

「あれ?まだ来てないか」

「いらっしゃい。てなんだお姉ちゃんか」

「ひま?」

「よけいなお世話!ひまでも忙しくないし。それに……!?な、なんでもない(ことりさんたら)」イタイ

妹との側に海未とことりがいるのも気づかずに穂乃果はいつものようにビールを注文する。

「ビールちょうだい」

「その前にたまったツケを払ってよ」

ほら、と穂乃果はこの前に解決した事件で金一封を頂きそこから札を数枚出して一枚だけ渡した。

「千円て子どものこづかいか」

「もう、これでいい?」

封筒を見せるとなぜか千円札だらけだった。まるで枚数だけ増やして喜ぶ子どものようである。

「(おかしいです。前のにこの事件の時に金一封をもらったなんて)」

「(海未ちゃんはもらわなかったの?)」

糸でんわを通して会話する海未に疑問しか残らなかった。
それよりなぜ盗聴機を仕掛けないのかも謎だった。

「(なぜ穂乃果に盗聴しないんですか)」

「(うんとね、むかし盗聴機を仕掛けたんだけど気づかれたの。ついでに今日も仕掛けたんだよ)」

「(なんですと!?)」

「(実は昼間のマカロンに仕掛けたの。気づくはずだけど)」

「(そういえば穂乃果はマカロンを丸飲みしようとしてましたね)」

「そうそう、特命係補佐に南ことりちゃんが配属されたんだよ」

「そう(知ってるし)」

雪穂はなぜこんな馬鹿な姉に部下が配属されるかふしぎだった。

No.34 16/11/23 19:10
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「(穂乃果のお腹に盗聴機が入っているのですね)」

「(うん。盗聴してるよ。これこれ)」イヤホン!

お腹に盗聴機が入っているらしくお腹からの声が直接聞こえるらしかかった。聞いてみる、とことりがもうひとつイヤホンを貸す。すると穂乃果の声がやたら大きく聞こえた。

「あ〜の〜ね〜!マカロン〜ひと飲み〜しちゃった〜!!」

「う…!(うるさいですよ!!)」

慌てイヤホンを耳から離す海未だったが、ことりは平気なようでぽわんぽわんとした表情で萌えていた。
しかし穂乃果に異常が起きたのは次の瞬間である。

「雪穂、下剤ちょうだい!」

「お店の品みたいに言わないでよ!ほら」

またあれをやるのか、と雪穂は側にいることりを見ると彼女は先ほどとちがいまた失敗かとがっかりした。
穂乃果は下剤と水を飲んで奥のトイレに駆け込んだ。
するとしばらくして穂乃果のはしゃぐ声と痛がる悲鳴ふたつした。

「やった〜!お尻が痛いよ!!」

「こら!店の外に聞こえるでしょう!」

「見て見て!ことりちゃんがあたしに仕掛けた盗聴機だよ!」

袋に包んであるもののそれは一度はトイレに落ちた盗聴機である。しかも掌に乗るくらいのそれなりに大きい。それを我が姉はマカロンごと飲んだらしかった。

「見せないの!」

「は〜い。まったくことりちゃんにも困ったものだよ。マカロンに盗聴機を仕掛けるなんて」

「(失敗しちゃった)」

「(失敗したどうこうよりマカロンに盗聴機ある時点で言えばいいのではありませんか)」

海未には穂乃果とことりの関係がわからなかった。

「盗聴機がマカロンにあったらその時に言えばいいんじゃないの」

もっともな疑問を雪穂は口にする。

「だってことりちゃんの前で気づいたら傷つくしそれにはじめて会った時からことりちゃんは盗聴機を仕掛けられたし」

「(てへ!)」

「(てへ!じゃないし。なにやってるんですか)」

そんな海未の精神的な喧騒をよそにどうやら穂むらに穂乃果のお客さんが来たようだった。

No.35 16/11/24 10:25
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いらっしゃい、と雪穂が声をかけたのはなんとなく雰囲気がことりに似た大人びた女性だった。
それはを見たことりはぴぃぴぃとちいさく喚いた。

「(し、静かにしてください。気づかれます)」

「(お、お母さんっ!?)」

なんと相手はことりの母親でもありかつて杉下右京の同僚でもあり特命係の指揮をしていた小野田公顕の下でいまは働いている南おやどり(仮)だった。

「待った?穂乃果ちゃん」

「いえ。ですがさっそくことりちゃんに盗聴機を仕掛けられました」

盗聴機を見せる穂乃果におやどりはぺこり、と頭を下げたのちに無差別格闘流スーパーイナズマキックと叫んで盗聴機を粉々にした!

「(ぴぃっ!?)」

「(し、静かにバレますよ)」

なぜ、この状況でバレないのか雪穂だけはふつうに思った。
穂乃果はおやどりにビールを注いで適当に鶏料理を注文する。あきらかに嫌がらせぽい。

「鶏料理ばかりね」

「なぜ、ことりちゃんをウチに派遣したの?」

「娘の希望よ」

意外にあっさりと言うおやどり(仮)であった。
穂乃果は鶏料理をばくばくと食べまくる。

「(どんだけ食べるのですか)」

海未の怒りを知らないまま穂乃果は事件の経緯を聞く。

「なぜ、あの場所にいたことをほのかに言わなかったの?」

「ややこしくなるから。というより現にややこしくなってるから」

「だから娘さんを派遣してほのかを見張ろうとしたんだね」

どきどきと厨房の向こう側でうずくまることり。

「海未ちゃんと一緒になって発見したにこちゃん」

「どう?解決しそう」

もちろん、と穂乃果はなぜか海未のいる方向にムネを張る。嫌みですか、と拳を握る海未。

「穂乃果ちゃん、あたしはこっちよ」

「わかってるよ」

どうやら南ことりが特命係補佐に来たのは本人の希望そしておやどりは特命係補佐を監視したい意味があったようだ。

No.36 16/11/24 12:46
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翌日、音ノ木坂高校アイドル部部室に三人の容疑者が招かれた。
綺瀬絵里、東條希、南おやどり(仮)である。しかし呼び出した本人の特命係補佐の穂乃果は食べてばかりである。

「いつまで食べているんですか!太りますよ」

「ほ、穂乃果は太らないもん」

「認められないわ。仮にも生徒会長である私が容疑者だなんて」

「そうやそうや。ウチらがにこっちを気絶させた犯人やない!」

絵里と希は頑として否定していた。にこはふたりを睨みつけていた。

「とっとと推理しなさいよ穂乃果!」

穂乃果は食べることに満足したのか爪楊枝を手にしてことりが淹れたお茶を口にしてくつろぎ言う。

「でも今回はにこちゃんも悪いんだよ?希ちゃんを音ノ木坂のドラえ○んと吹聴したり絵里ちゃんの下着を売ろうとしたり」

「ぬ!?ぬわんでそれを知ってるのよ!?」

「あたしが一緒になって調べたの!」

どうやら穂乃果とことりは今回の事件の裏付けをしてたようであり海未は驚く。
しかしおやどり(仮)がここにいる意味は何なのか。
やはり犯人?
そこへ他の捜査をしていた伊丹たちが面倒そうにやって来た。

「高坂穂乃果、来てやったぞ」

「おお!?伊丹刑事、ほのかの愛人になってくれるの!?」

「そんな意味じゃねえ!とっとと始めろ」

事件の解明を始めろと伊丹はこわい顔をしながら全員を見回し三浦刑事はことりと絵里を口説こうとしていた。

「三浦さん!ほのかは?」

「遠慮します!」

「いいから、とっとと始めろ!!」

穂乃果は米田以外いることを確認しそのまま口を開いた。

「まずこの事件はにこちゃんが絵里ちゃんと希ちゃんから恨みを買ったことに始まるんだよ」

なに、と伊丹たち三刑事はにこを睨みつけ彼女はさらに背を低くした。穂乃果は続ける。

「にこちゃんのアイドル部は創設当初はそれなりに部員はいたらしいの。だけど自称部長のにこちゃんのやり方に部長はついていけずやめていまの状態になった」

「自称部長じゃなくて本当の部長!」

にこを無視して穂乃果は話を続けた。

「ひとりになってもにこちゃんは部員勧誘を懸命にしつこいくらい続けた。絵里ちゃんや希ちゃんにも」

絵里と希は名前を出されたことに少しどきとした。

No.37 16/11/24 17:17
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「まず25個ちゃん」

「にこね」

「にこちゃんはなぜあんな道端に倒れていたか。にこちゃんあなたはあの日なにをしてましたか」

「部活が終わって夕食の買い物に行こうとしたらいきなりやられたのよ」

なるほど、と顎に指をやりながら納得する穂乃果。そのまま続ける。

「にこちゃんにはこころちゃんここあちゃん虎太郎くんという妹弟がいますね」

「な!?」

「驚かないでください。そこにいる警視庁一課トリオ、イタミンズが調べてくれました」

「勝手なあだ名をつけないでください」

穂乃果はさらに続ける。

「おそらくにこちゃんが誰かに殴られたのは夕方六時から七時くらい。米沢さんのたんこぶに鑑識です」

気絶したにしても夕方六時から半日近く気絶するんですか?秋葉原の近くなのに!?と海未が疑問に思ったことを穂乃果は察したように口にする。

「おそらくにこちゃんは最初のふたつのダメージが大きかったのです。一撃二撃はとてつもなく大きく意識が回復するまで時間がかかったのです」

穂乃果の淡々としたしゃべりに絵里と希は落ち着きがなくなる。

「次に海未ちゃん、あなたに聞きます」

「なんですか」

「あなたが走るあのランニングコース。人通りはありますか」

「そういえばあまりないです」

「実はあそこはうみにこロードと呼ばれ通っているのは調べた限り海未ちゃんとにこちゃんしか使っていません。あと通るのは変質者くらいです」

『なんてあぶない道路なのよ!?』

「ちなみに巡回の警官はあそこの道は外れています。だからにこちゃんが見つかるまで時間がかかったのです」

海未とにこの驚きをよそに穂乃果はアイドル部の黒板に地図や時間を示す。

「き、凶器はなんなのよ!」

「えりち!」

焦った絵里は思わず声を漏らし希にたしなめられる。
ふむ、と穂乃果は頷く。

「そういえば凶器はなかったな」

イタミンズも頷く。
しかし穂乃果は言う。

「凶器はあります。それも隠されていなく堂々と学校内にあります」

穂乃果は皆を連れて向かったのは三年生の玄関。靴を履き替える場でありそこにいたのは米沢が変質者のようにいた。

「高坂警部!なぜ私に知らせないんですか」

「来ると思いました」

No.38 16/11/24 17:34
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「おお!?女子高生がふたりと被害者の幼女ですか」

「ここの学生!にこよ」

ムキになるにこの頭を穂乃果は掴みながらたんこぶにある跡を示す。いち、に、さんと。

「にこちゃんのたんこぶには三つの足跡、正確には靴の跡ですが。これに該当するのが絢瀬絵里さん東條希さんのスニーカーです」

「な、なななななにを言うのよ!?」

「思いっきり取り乱しておわりや」

靴箱から穂乃果は絵里と希のスニーカーを取り出して米沢からの鑑識結果と比べる。

「ほら、一致しました」

「なななななにをいいい言うのよ!?」

「そやそや(たぶんむりやな)」

「ふむ、絵里さんあなたはにこちゃんを小学生くらいの大きさそして希さんは中学生くらいと言いましたね」

並んでください、とにこ希絵里の順番に立たせる。

「あ!絵里からはにこは小学生!希からは中学生の大きさにしか見えません!」

「そこまでちいさくないわよ」

海未の声ににこは声をあげる。そして穂乃果はふたりのスニーカーを順番ににこの頭に乗せる。

「ここからは私の推測です。なにか否定したいなら言ってください」

「あの日、にこちゃんは部活を終え妹弟たちのためにうみにこロードを使いました。しかし運の悪いことにあそこは海未ちゃんにこちゃんしか使っていません。にこちゃんはひとりです。ひとりでいるのを絵里ちゃん希ちゃんに見つかりました。ふたりはにこがアイドル部を頑張っているのを知っていました。しかしにこちゃんに悪戯もされました。ふたりはバッタリ出会いました」

「えりち!?」

「希っ!?」

「ふたりはにこに謝ろうと思いましたが悪戯されたことを思い出し感情に走りました。そしてまずはじめに絵里ちゃんはバレエのチュチュドレスを着てトゥシューズでにこちゃんの頭に蹴りをいれるはずがシューズはなかったのでスニーカーでまず一撃!」

「」エイッ!

「!?」

「次に希ちゃんは得意のワシワシマックスをしたかったのですがワシワシは猥褻罪です。しかたがないのでにこちゃんが歩いているなか絵里ちゃんが蹴りを入れた直後に電柱から真下に飛び降りたのです。垂直落下」

「」ジャンプ!

「!!?」

「このふたつのそれぞれの一撃がすごくにこちゃんは気絶したのです」

No.39 16/11/24 17:50
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「ちなみににこちゃんの顔だけほんの一瞬だけサバンナの八木さんとブラジルの人たちに目撃されていました。確認済みです」

いつ穂乃果は確かめたと驚いていたらことりとブラジルまで捜査しに行ったようだった。

「これでもまだ否認しますか。絵里さん希さん」

「ご、ごめんなさい」

「だ、だけどにこっちかて悪いねんで!ウチらが入部しないからて嫌がらせやネットオークションに出したり」

「わ、悪かったわよ。ごめん」

にこの口から謝罪の言葉が漏れた。
伊丹たちは絵里と希の手を引くなかにこは声をかける。

「罪を償ったらアイドル部に入れてあげるわよ」

「にこっち」

「わかったわ」

絵里と希は伊丹たちに連れていかれ米沢はふたりの靴を嗅いでいた。

「いつまでやっているんですか!?それより三人目の足跡は」

「かんたんです」

穂乃果はにこの頭をまた掴む。

「海未ちゃんがにこちゃんを発見した状況です。あの時、海未ちゃんはおやどりさんと共ににこちゃんを見つけました。先に見つけたのはおやどりさん」

「はい」

「先にあの場を去ったのはおやどりさん。あなたがヒールでにこちゃんの頭を踏んだのですね」

「はい」

そんな!?と娘のことりは涙した。それを見て穂乃果は言う。

「おやどりさんはたまたま踏みつけただけですから罪になりませんよ」

「なりますよ!傷害くらいになりますから。なにきれいにまとめてるんですか」

海未は米沢にまとわりつかれながらも懸命に訴えるが無視される始末。
穂乃果は最後に言う。

「あのうみにこロードは利用率が少ないのでおやどりさん国交省に圧力をお願いします」

「なに勝手に決めてるんですか」

「わかったわ」

母であるおやどりが罪にとがめられないことにことりはほっとした。
さすがほのかちゃんと思い心から感謝した。
こうして第二の事件『うみにこバッタリ』は解決した。

「なんですか!その言葉は!?私は関わっただけですよ」

事件はエピローグを迎えていた。

No.40 16/11/25 05:22
小説大好き 

穂乃果、海未、ことり、おやどりは小料理屋穂むらで飲んでいた。

「だいたい今回の事件はにこが加害者ではありませんか」

「え〜!にこちゃんは被害者だよ」

「今回の事件は、です。過去の嫌がらせはにこが悪いです」

「愛情の裏返しかも」

ことりは少しだけにこを庇う風に口を尖らす。

「やれやれ、仲良くやってね。ことり、穂乃果さんをよろしくね」

「帰っちゃうの?」

「そ、そんな!?ほのか、ことりちゃんにお婿さんにいくの?」

「なんの話をしてるんですか!?」

おやどりは娘ことりに頷いて勘定を雪穂に払い消えていった。
海未は早く捜査一課に戻りたいと願うのだった。

「なんなの、この人たち」

雪穂のあきれた呟きに同感です、と思うのは海未だけであった。

「あ!海未ちゃんほのかに惚れちゃうの?」

「惚れませんよ」

ことりはメモする。

【特命係補佐に関する報告書】

1、高坂穂乃果(ちゃん)は可愛い。いまも可愛い。

2、その可愛い外見に違わず見事な推理力。捜査一課から干された園田海未さんがなんの役に立っているかわかりません。

3、今回の事件の被害者矢澤にこを庇う風に見せているものなぜ彼女のまわりで事件が起きて特命係補佐にまわるのか。
なぞだよ。

以上、とメモを胸ポケットに入れたのを海未は見逃さなかった。

「なにここで報告書を書いてるんですか」

「ぴいっ!?」ンミチャ

「」ナンデモナイノヨ ナンデモナイノヨ

この時、穂乃果は食べ疲れて口からよだれを垂らして寝ていた。
雪穂はまたとあきれながら世話を焼いていた。

「」ナンデモナイノヨ ナンデモナイノヨ ナンデモナイノヨ

「動揺しすぎです」

次回予告

特命係補佐に現れる三人の女性。捜査一課に復帰できるのか園田海未!?

No.41 16/11/26 11:25
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その日、特命係補佐を海未が入るといきなり目の前が暗くなった!?
な、なんですか!?これは!?

「ほ、穂乃果のイタズラですか!出てきなさいアホ乃果!」

しかし声はちがう方向から聞こえてきたのだ。

「やれやれ、海未くん。キミはいまの状況がわかってませんね」

「紅茶やお菓子の匂い?また太りますよ」

「またてなに!?まだ事件はキミが来てから二回しか解決してないのに!」

「それより目の前のコレはなんですか」

てっきり穂乃果が肩車のように抱きついているかと思ったがちがうようだ。すると聞き覚えのある声が抱きついてきた者から聞こえてきた。

「かよちんいないにゃあ?これはかよちんとちがうにゃ?」

「その声は星空凛ですか!」

「正解にゃ!世界中のラーメンを食べつくし罪を償い新たに特命係補佐に入る星空凛にゃあ」

ようやく海未の頭から離れた凛だが手にはカップ麺が熱く湯気を立てていた。
あやうく頭の上でカップ麺をこぼされなくてよかったと安堵したと思った時である。凛はキョロキョロとして箸を海未の頭に乗せてなるとを口に入れた。

「なるとがあったにゃあ」

「なにひとの頭の上でなるとを落としてるんですか!」

まあまあと穂乃果がなだめるが怒りが朝からおさまるはずがない。
事情を聞くと罪を償った後に国家試験を受けて一度は警視庁交通機動隊に配属されたが、花陽がいないのを知って自ら特命係補佐に志願したという。

「あの?凛、ここは人材の墓場の本来の特命係よりひどいところですよ」

「海未ちゃんひどい!」

「でもなんかほのぼのしていいにゃ」

「いやいや海未ちゃんが来てからぎすぎすしてるよ」

「あなたにそれを言う資格がありますか!」

紅茶はともかくお菓子やカップ麺の匂いがしてまるで高校の部活のようである。
しかしあのおやどりがこの特命係補佐を守っているようでありそうかんたんに潰れまいと思った。そういえばことりがいないことに気づいた。

「ことりは?」

「さあ」

「ことり?誰にゃ」

凛はともかく仮にも穂乃果は旧知の仲というのに知らないという。

No.42 16/11/26 13:34
小説大好き 

その頃、ことりは特命係補佐に向かう途中で一課の三浦と鑑識の米沢に口説かれていた。

「ことりさんデートしましょう」

「いやいや鑑識のこの米沢ですよ」

ふたりは彼女の迷惑をかえりみずにナンパしておりことりはなんとか通り抜けようとしていた。

「通してくださいよ」

そこへ一課の伊丹とはもうひとりちがう刑事の芹沢がことりと似た年頃の女の子を連れていた。

「あれ?芹沢さんのお子さんですか」

「ちがう。なんでも特命係補佐に用があるらしいんだ」

ことりが見るとその女の子はおどおどしていた。そこへ伊丹がやってきた。

「伊丹さん」

「む、三浦に米沢。自分たちの仕事をしろ」

「世界を破壊するんですね伊丹さん」

「そりゃデ●ケイドの話だ!」

ことりは芹沢が連れていた女の子の手を引いて特命係補佐に逃げるように走っていった。
特命係補佐は生活安全課の奥そして杉下右京らがいる特命係の隣にある。生活安全課の角田がことりと見覚えのある少女に気づく。

「お、ことりちゃん遅刻かい?それに」

「ちがいます!三浦さんと米沢さんに口説かれていたんです!」

「こ、ことりちゃん。三浦さんと米沢さんとデートしてたの」ウルウル

「なぜデートに飛躍するのか。穂乃果の理解力がわかりません。あ!」

ことりが手を引いている少女に凛と角田は同時に声を出した。

「かよちん!(小泉花陽ちゃん)」

「にゃ?」

角田は事情を話した。世界一周ごはん食いで罪を償った花陽もまた国家試験を受けて警視庁生活安全課に一度は所属していた。その後は主に所轄の食堂で働いていたがある時に特命係補佐の存在を思い出して配属転換を願ったという。

「かよちん!」

「りんちゃん!」

感動の再会はいいのですが釈然としない海未。仮にもこのふたりはあの矢澤にこを倒したもと容疑者。なぜ特命係補佐に来て学校はどうしたのか。

「ああ、このふたりの学校なら私が休学扱いということにしました」

「なんですか!?ていうかひとの心を読まないでください!」

「ンミチャ、ウミチャ、海未ちゃん。ほのかちゃんは海未ちゃんの顔を読んだんじゃないかな」

なぜかひとの名前を呼び直すことりの説明を聞いてこれまた納得しない顔をした。

No.43 16/11/29 15:55
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しかしそんなのんびりしている時に事件は起きる!通報が特命係補佐に届く!!

『緊急通報!緊急通報、音ノ木坂にて誘拐事件発生!特命係補佐は至急、現場に向かえ!』

「誘拐事件ですか!?」

「誘惑事件?ことりが穂乃果ちゃんを誘惑しちゃうの!」

「夕食はラーメンにゃ」

「夕食はご飯にカレーライスです」

「もう!ふざけてないでいくよ」

え!?、と海未は驚く!?あの穂乃果がことりはともかく凛や花陽のおふざけに乗らなかったのだ。

「あ〜ん、待ってよ」

「待つにゃ」

「誰かタスケテ」

「誘拐事件の被害者がその気持ちですよ」

誘拐事件の被害者はまたも矢澤にこだった。穂乃果たちはそれぞれ変装して矢澤邸に入っていった。

「ラーメンの出前にゃ」

「定食屋の出前です」

「誘拐されているのに食べる余裕があるお宅みたいですね」

「じゃあことりはフライドチキン屋さんのデリバリーで」

「駄目です」

穂乃果、海未、ことりは電気屋さんの変装して入っていった。
被害者の矢澤にこは目の前に並べられた定食やラーメンの匂いがやけに鼻についていた。

「ぬわんなのよ!しかもなんで凛と花陽がいるのよ」

「罪を償っていまは休学して警官にゃ」

「婦警とも言います。父兄ではないですよ」

「まじめにしてください」

「海未ちゃんを怒らすとこわいよ」

穂乃果は誘拐されたのは誰かを家族であるにこに聞いた。

「にこちゃん、誘拐されたのは誰なの」

「む、こころにここあに虎太郎。次女に三女に長男よ。これが三人の顔よ」

穂乃果にしてはめずらしくふざけていないことににこはちゃんと対応したと思った時だった。

「え〜と、にこちゃん?クローン人間をつくっちゃいけないのは知ってる?」

そこへ思わぬところから穂乃果にチョップというツッコミが入った!

「ンミチャ!?いたいよ」

「私ではありません!あなたは……」

そこにいたのは鑑識課の制服を身に付けた西木野真姫だった。
にこは驚いた。
凛は驚いた!ラーメンになるとがたくさんだったから!

「おのれ、良純!」

花陽も驚いた!ご飯がすべておにぎりだった。

「お寿司にしなくてよかったです」

No.44 16/11/29 16:16
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「な、なんで真姫ちゃんがここに……」

「な、なんで、小錦になるはずだった真姫ちゃんがここに……!?」チョップ!!

穂乃果の顔面に真姫のチョップが容赦なく決まる!海未はよくやりました、と心のなかで称えた。

「いたいよ!」

「あたり前よ!何が罪を償うために男性お笑い芸人限定であたしが身体検査や人間ドッグをしたのよ!」イミワカンナイ!

真姫の抗議に同情や共感したのは海未とにこだけだった。
ことりや凛、花陽はそんなおもしろいことしてたんだと見つめていた。
にこは真姫の手を握りかつての彼女の過ちを許す。

「真姫ちゃんつらかったわね」

一瞬、ふたりの間に甘々な雰囲気が宿るがツンデレな彼女はそれをあえて壊す。

「ふ、フン。にこちゃんのためじゃないからね」

そして真姫の上司になった米沢が他の鑑識を連れて姿を現す。

「高坂警部」

「米沢くん」

「高坂警部、ようやく私も結婚のめどがつきました。相手はこの西木野くんです」

「ちがうわよ!とっとと鑑識の仕事するわよ」

米沢たち男の鑑識課職員は涙を流しながら仕事をした。

「ほ、ほのかの相手は?」

「そんなことよりにこから聞くことがあります」

「そうだよ!にこちゃんがつくったクローンがどうやって誘拐されたか」

「クローンにしないで!実の妹や弟!」

「もう!穂乃果は黙ってて!」

鑑識のくせに警部である穂乃果の捜査の邪魔をする真姫に米沢らは拍手する。

「もう!ほのかはまじめだよ」

「そうだよ」

「ラーメンは熱いうちに食べるべしにゃ」

「ご飯は白いままがいちばん、なまの味」

「凛と花陽を追い出していいかしら?穂乃果もいらないし」

ひどい!とほのりんぱなの悲鳴が矢澤邸から近所迷惑なくらい響いた。
海未と真姫が率先して指揮を取ることになった。

No.45 16/11/29 18:57
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そこへ伊丹たち捜査一課トリオも応援にあらわれ穂乃果は甘える。

「イタミン聞いてよ!海未ちゃんと真姫ちゃんがほのかにいじわるするの!」

「イタミン言うな。特命係補佐の海未に鑑識課に新たに入った」

「西木野真姫よ」

この時、伊丹刑事の胸に動悸が高鳴るようになった……。彼は西木野真姫に惚れたのだ。刑事ではなく男として。

「警部殿、なに勝手にひとの気持ちを語っているんですか!」

「ほ、ほのかはイタミンに振り向いてもらいたくて」ウルウル

「ことりがいるよ」

「凛もいるにゃ」

「花陽はごはんさえあればいいです」

頭を抱えながら海未、真姫、にこそして伊丹たちと米沢は犯人からの電話を待つ。
その間に穂乃果たちは独自に捜査する。

「うわ〜、可愛いね。にこちゃんのクローンじゃなくて妹に弟」

「そっくりです」

「穂乃果ちゃんとあたしとの間に子どもができたら……」

ことりの妄想

「あなた、あたしたちの赤ちゃんほとりです」

「わ〜い。ほとりちゃんかわいい」

真剣な捜査現場でにやけることりを海未は鬼のように睨みつける。

「」ナンデモナイノヨ

「真剣にやってください」

「小学生くらいみたいだね」

「小学生といえば給食ですね」

「特命係補佐の園田うみみ」

「海未です」

「警部殿はまあ構わないがあとの三人をなんとかしろ」

伊丹の言うことはことり凛花陽の三人を追い出せというのか。しかし特命係補佐に新たに加わった仲間と呼ぶべきか部下か、それを追い出せというのか。

「まあ捜査の邪魔にならないでしょう」

真姫の言うことに一課トリオにすでに仕事が終わったはずの米沢たち鑑識の面々もうなずく。
にこは真姫を頼りありげに見つめていた。

No.46 16/11/29 20:47
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「にこちゃんにこちゃん」

「なに」

「今日の夕ごはんはなんだったのかな」

「ハンバーグよ」

「穂乃果」

海未に睨まれ穂乃果はわかってるよと口を尖らす。いつ犯人から電話がかかってくるかわからず緊迫感が宿っている。

「りんはラーメンかにゃ」

「あたしはごはんものならなんでも」

「ことりは穂乃果ちゃんといっしょ」

「ことり、ちょっと」

今度はことりを睨みつけて彼女を呼んで小声で言う。

「あなたは穂乃果を監視するために来たはずですよね?」

「うん」

「監視してますか」

「だけど穂乃果ちゃんがなにもしないことには監視しようもないよ?」

むう、と海未は納得しない表情をしながらもういいですと彼女を離す。
きょとんとしたことりは穂乃果たちとキャピキャピしていた。

「犯人からかかってきませんね」

「あせるな三浦」

捜査一課トリオは真剣な表情で電話を待つ。米沢と鑑識の面々は真姫だけを現場に残して去っていき穂乃果はぽつりとつぶやく。

「オトコのなかに真姫ちゃんひとりか」

「むっ」

「特命係補佐を希望しなかったにゃ?」

ぷい、と真姫は穂乃果たちとけっして目を合わさない毅然とした表情。
その表情に伊丹の胸を貫く痛みが走った。伊丹はこれが恋なのか、しかし相手は鑑識果である。職場の違いは恋愛の障害……。

「警部殿!」

「ほのかと呼んでイタミン!」

「いま真剣なんですから」

「ほのかも真剣なんだよ!」

海未はやむなく穂乃果をなだめるように言う。

「おとなしくしてください。穂乃果だけでなくことり、凛、花陽も」

「海未ちゃんはどっちの味方なの!」

「私は法律の味方です」

その言葉ににこは真姫以外に頼れるのは海未と伊丹たちと確信していた。
しかし穂乃果たちはこころたちの写真から手がかりらしいのを見つける。

「にこちゃん」

「なによ」

「こころちゃんはしっかりしてるみたいね」

「まあ言葉遣いや礼儀は家族のなかでできるから」

「ということは知らない人についていかない?」

「たぶん……」

穂乃果は写真を見つめてお茶を口に入れる。ちょっと猫舌気味で海未に吹いてしまった。

No.47 16/11/30 05:15
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お茶をかけられた海未が怒ると同時に電話がかかり伊丹はうるさいぞと怒鳴りつけられた。
なにするんですか!とちいさく抗議する海未に熱いお茶は苦手と言う穂乃果にあきれる。いつも熱い紅茶を飲んでいるのに。
しかしそんなことよりも受話器から誘拐犯らしい声が聞こえてきた。

『矢澤にこはいるか?』

「い、いるわよ」

『お前の妹や弟は預かった。返してほしければお前が持っているアイドルDVD『デンデンデン保存用』をよこせ』

「わ、わかったわよ。それよりこころやここあ、虎太郎は!!」

「お姉さまっ!」

「こころ!」

「わかったか。いまは無事だ。また電話する」

そこで電話は切れ逆探知はできたようだ。真姫が言うには都内しかも秋葉原以内という。
そこへ穂乃果が凛たちに言う。

「凛ちゃん花陽ちゃんいまこそ力を見せるときだ!」

「はいにゃ。いくよかよちん」

待ちなさい、と海未が止めたにも関わらずりんぱなコンビは出ていった。どこへいくというのか。
しかし穂乃果の表情は真剣だ。またことりは見守るように見つめていた。
だが、真姫はそんな穂乃果をじゃまな存在のように見つめ返していた。
視線は交錯しているなか伊丹たちは苛立つ。

「『デンデンデン』保存用とはなんだ」

「こ、これよ」

にこは妹弟と同じくらいに大事にしているアイドルDVDボックスを伊丹たちの前に差し出した。
それにしても妙だった。犯人は警察が矢澤にこ宅に来ているのはわかっているはずだった。

「にこちゃん、妹や弟は私が助けるわ」

「真姫ちゃん」

ふたりの間に甘い雰囲気が宿り三浦はことりにアプローチしかけるが芹沢に止められた。
誰も鑑識課の真姫がいることに咎めない。あの伊丹でさえも。

「う〜ん」

穂乃果は唸る。ためしに海未は言ってみる。

「にこ、トイレはどちらに?穂乃果は便秘みたいなので」

「ちがうよ!考えていたの」

なにを、と思った時に秋葉原中を駆け巡っていたりんぱなコンビはなんの手がかりもなしに戻ってきた。

「ダメだったにゃ」

「犯人はどこにいるかわかりません」

「わかってました」

「わかってたならやらせるにゃ!」

りんぱなコンビから抗議が穂乃果に飛んでいた。

No.48 16/11/30 14:10
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穂乃果 「ちょっと待ってください。先ほどの会話を再生してみてください」

真姫 「わかっ……」

米沢 「その役目はわたくし米沢がしましょう」

伊丹 「お前帰ったんじゃ……」

米沢 「鑑識課はわたくしが仕切っております。南ことりくん西木野真姫くんそして園田海未くんはわたくしのものです」

ことうみまき 「」チガウチガウ

先ほどの会話を再生する米沢に穂乃果は音声に耳を傾ける。凛と花陽は走り疲れ互いに寝てしまう。

にこ 「ここは私の家のはずよね?」

りんぱな 「」(+.+)(-.-)(__)..zzZZ(+.+)(-.-)(__)..zzZZ

そんななか穂乃果はあることに気づき指を立てる。

穂乃果「これ、にこちゃんの声以外はテープじゃないかな」

伊丹 「なんだと!?米沢」

米沢 「再生します」

カセットから流れているのはたしかにあらかじめ録音されたかのような不自然がありよく聞くと機械的な音声いわば台本が用意されているようだった。

ことり 「さすが穂乃果ちゃん」

凛 「なんかあったにゃ」

花陽 「穂乃果さんが推理したんだよ」

伊丹 「鑑識!くわしく鑑識しろ!」

米沢 「は!真姫くんとともに一晩いや一生添い遂げてでもします」

真姫 「一生はしないわよ」

真姫は口を尖らしながら米沢と共に帰ろうとする。しかしにこは不安げに見つめ送っていった。
伊丹たちも聞き込みをした後に本庁に戻るらしかった。

にこ 「であんたたちは?」

穂乃果 「にこちゃんさえよかったら一晩いや衣食住すべて世話してくれるならいてもいいよ!」

海未 「帰りますよ!」

海未は穂乃果の首根っこを掴み立ち上がる。しかし穂乃果は凛と花陽に言う。

穂乃果 「凛ちゃんと花陽ちゃん、にこちゃんを見守っててあげて」

りんぱな 「了解した(にゃ)!!」ケイレイ!

にこがむすっとする様子をしながら凛と花陽はそのまま座り直した。
穂乃果は海未とことりを連れて出ていった。

にこ 「ぬわんなの?」

凛 「上司からの命令です」

花陽 「安心してください。ご飯は経費からですから」

にこはじっとふたりを見つめた。

にこ 「いちゃつかないでよ」

No.49 16/11/30 18:16
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穂乃果、ことり、海未もまた聞き込み捜査をしていた。はじめはまともな聞き込みかと思ったが、穂乃果はにこの行きつけのスーパーや精肉店、鮮魚店、八百屋、農協などをたずねてはこう漏らしていた。

穂乃果 「いいな。毎日ハンバーグやカレー、オムレツオムライス」

海未 「何を聞いているのですか」

ことり 「でもでもちゃんと妹や弟の食わず嫌いを直すために工夫してるらしいよともお店の人たちは言ってたよね」

そうだよね、と穂乃果はことりにはにっこりしながら海未にも聞く。

穂乃果 「海未ちゃんの嫌いな食べ物ある?」

海未 「言いません」

そう言った時に穂乃果は懐から彼女の履歴書を見て呟く。

穂乃果 「苦手なものは炭酸、自販機だよ」ゴー!

海未 「待ちなさい!ことりも止めなさい」

ことり 「だって止めたら穂乃果ちゃんの報告書が書けなくなるし」

自販機の前に来た穂乃果は十円玉を一枚ずつ入れてようやく販売機の表示が輝くのを見てどれにしようか迷っていた。

穂乃果 「どの炭酸がいいの?」

海未 「なんですかそれ!炭酸なんてどれも苦手です」

ポチッ、とことりがすかさずコーラを押して穂乃果に渡した。ふたりはワクワクした顔をしながらプルトップを開けて渡した。

ほのこと 「飲んで♪」

海未 「なんで飲まないとならないんですか!いやです」

穂乃果 「ほのかが十円硬貨を一枚ずつ自販機に入れて買ったんだよ」

海未 「理屈がわかりません」

穂乃果 「この前の金一封からの十円硬貨だよ」

くっ、と海未は少し歯痒かった。なぜ穂乃果に金一封が出たのか意味がわからない。

穂乃果 「飲んでみて」

海未 「どうなっても知りませんよ」ゴクッ!

手にして一口飲んだだけ穂乃果とことりに向けて吹いてしまった。あわてふたりに頭を下げた。

海未 「すみません穂乃果、ことり」

穂乃果 「海未ちゃんは炭酸が苦手。忘れないようにしよう」フキフキ

ことり 「炭酸が飲めないのに特命係補佐にいる園田海未さん。穂乃果ちゃんがなぜ部下にしたのか。なぞ」

ことりの言葉は海未本人の疑問であった。
穂乃果の捜査はまだ続くようであった。

No.50 16/12/01 06:51
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穂乃果は捜査の途中で再び音ノ木坂学院の門の前に立ちしばし見上げていた。

海未 「穂乃果?」

ことり 「ほのかちゃん」

穂乃果 「いえ、にこちゃんはひとりスクールアイドルとして活動してると思うと。なんでもないですから」

その頃、にこは凛と花陽の世話を見ていた。

凛 「醤油取ってにゃ」

にこ 「」ハイ

花陽 「ソースお願いします」

にこ 「」ハイ

にこ 「ここはあたしの家のはずなのに。この幼女みたいな警官の世話してるし」

中を凛と花陽にまかせながら外では三浦刑事が見張りながらことりか真姫か悩んでいた。
そこに現れたのは……。
その頃、穂乃果たちも警視庁に戻り鑑識課をたずねていた。

穂乃果 「なにかわかりましたか」

米沢 「はい、西木野真姫くんは使えます」

穂乃果 「真姫ちゃんじゃなくて捜査だよ!」

米沢 「やはりテープであったようです。あと逆探知の形跡から都内、秋葉原あたりかと」

むぅ、と穂乃果はみんなして真姫に夢中になるのに頬を膨らました。

海未 「その真姫はいませんね」

米沢 「仕事を終えて帰りました。三浦刑事と私が真姫くんを奪い合っていました」

海未 「破廉恥です」

米沢 「安心してください。真姫くんことりちゃんにフラレたら海未くんにアタックしますから」

破廉恥です!と海未は鑑識課に広がるくらい響いた。
穂乃果は何やら推理しているようだった。すかさずことりは頭のなかでメモ書きする。

ことり (穂乃果ちゃんは推理していた。とても真剣)

海未 「(声が漏れているような感じですね)」

ことり 「」チュン!?

三人は特命係補佐に戻り穂乃果はお茶をふたりに淹れた。

海未 「いったい犯人はだれでしょう」

ことり 「わからないね」

穂乃果 「また海未ちゃん、音ノ木坂に潜入する?」

海未 「しませんよ!恥ずかしいです」

ことりは穂乃果を見つめる。穂乃果はいいかげんな捜査をしているようにみえるがその言動や行動に無駄は多い。が、無駄のなかに彼女の捜査があると言われている。

No.51 16/12/01 10:43
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穂乃果たちは報告書を書きながら考えていた。穂乃果はつぶやくように言う。

穂乃果 「なぜ三人なのでしょう」

海未 「ひとりだけ誘拐しては他の兄弟がかわいそうだからでは」

ことり 「それは紅の豚の空賊さんたちみたいだよ?海未ちゃんこの前の放送みたの」

海未 「み、見てませんよ!ポルコさん渋いなんて思いませんよ」

明らかに見てるとふたりは思った。意外に女の子らしい一面と思うふたりだった。

海未 「では私は報告書を書き終えたので失礼します」

穂乃果 「五時脱衣がないくらい立派な報告書だね。毎回」

海未 「誤字脱字です!なぜ私が五時にならないと脱がないとならないんですか」

ことり 「穂乃果ちゃんにツッコミする海未ちゃん。報告しないと」カキカキ

海未 「どこに報告するんですか。私は念のためににこのもとに寄ってみます。お先に失礼します」

あきれながら海未は特命係補佐を退出した。はあ〜、とふたりは吐息をついてことりは言う。

ことり 「なんであんなひとが特命係補佐にいるの」プンプン

穂乃果 「いやいや彼女は役に立つんだよことりちゃん」

わかんないな、とことりは穂乃果にお菓子を分けながら報告書を書いていた。
海未が再びにこ宅に訪れると三浦が真姫を口説いていたのでやめさせた。

海未 「なにやってるんですか!騒がしいですよ」

にこ 「あんたもね」

真姫 「あ〜、穂乃果に関わってから災難続き。にこちゃんを見に来たのに」

真姫は心からにこを心配しているらしく邪魔した三浦刑事に針のように瞳を向け海未と共に入っていった。
三浦は男泣きをしていた。

三浦 「オレの出番これだけじゃないよね」

海未 「うるさいです!」

海未はにこ宅に入ると凛と花陽はならんで寝ていた。

海未 「凛、花陽起きなさい!」

りんぱな 「」ン?

凛 「海未ちゃん」

花陽 「お弁当の差し入れですか?」

ちがいます、と海未が否定したことにふたりは目の前でいちゃつき始めた。

りんぱな 「」イチャイチャ

海未 「(なぜかおもしろくありませんね)」

りんぱな 「(成功にゃ)」

真姫 「にこちゃんだいじょうぶ」

にこ 「ううん」

No.52 16/12/05 05:48
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にこ 「こころたちはどこにいるのかしら」

凛 「りんとかよちんはここにいるにゃ」

花陽 「にこちゃん」

海未 「なんで穂乃果はこのふたりをここに置いたのかしら」

真姫 「意味わかんないわよ。穂乃果のやることは」

しかし犯人からの連絡はこの夜は一度としてなかった。
穂乃果とことりは雪穂の穂むらで話をしていた。

穂乃果 「報告書にはなんて書いたの?ことりちゃんのお母さんこわいんだよ」

雪穂 「誘拐事件の最中に飲みにくる我が姉とことりさん」

ことり 「変なことは書いてないし報告しないから安心してね」

そうか、と安心する穂乃果はオレンジジュースを口にしながら誘拐事件の推理をして呟く。

穂乃果 「気になるのはにこちゃんの妹さん弟さん三人というところ」

ことり 「三人一緒ということ?」

う〜ん、と穂乃果が悩んでいるとガラリと海未が開けて入ってきて怒っているようだった。

ほのこと 「」ンミチャ

海未 「ンミチャではありません。いったい事件の最中になにを飲んでるのですか」

穂乃果 「オレンジジュース」

ことり 「ファンタ」

ムッとした海未は空いている穂乃果の隣に座り睨む。慌てた穂乃果は海未が飲みそうなモノを注文する。

穂乃果 「べ、ペプシコーラ!雪穂」

海未 「私はコーラは飲めません!」

ことり 「ファンタは?」

海未 「だから飲めませんてば」

ふたりのペースに巻き込まれてしまったことを後悔する海未だが、凛と花陽をにこのもとに置いた理由を聞いた。

海未 「なんの役に立ってませんよ」

穂乃果 「あのふたりを置いておけばこころちゃんたちの代わりになるかと思って」

海未 「世話を焼くどころではないですが」

穂乃果 「だけどこころちゃんたちは意外に近くにいるんじゃないかな」

ことり 「冴え渡る推理だよ!」

冴え渡る推理かどうかはともかく居場所さえわからないのにどう探すのかなぞだった。
穂乃果は言う。

穂乃果 「明日は音ノ木坂学院に行ってみますか」

お勘定、と雪穂に伝えると穂乃果はさらに言う。

穂乃果 「ツケにしといてね雪穂」

雪穂 「」オイ

またもツケにする姉に雪穂は焼き鳥の串で刺していた。

No.53 16/12/05 06:12
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翌日、穂乃果たちは音ノ木坂学院にいた。そこにいたのは捜査一課の伊丹たちもいた。にこの事情を理事長たち学校関係者に説明してたようだ。

伊丹 「特命係補佐のうみみと」

三浦 「ことりさん結婚しましょう」

穂乃果 「ほ、ほのかはイタミンと?」

伊丹を見て頬を染める穂乃果に海未は頭を抱えた。

海未 「わ、私は捜査に来たんですよ」

伊丹 「捜査?」

芹沢 「警部殿、あまり首を突っ込まれるのはいがかと思います」

芹沢はなだめるように言うが穂乃果は校内を見回し歩きはじめた。伊丹たちは見送りながら警視庁に戻るようだった。

三浦 「ことりさん」

やかましい、と伊丹は怒鳴りつける声が海未の耳に届いた。
穂乃果はどこに向かうのか海未は気になった。

ことり 「う〜ん、ここにこころちゃんたちがいるの?」

なるほど、と海未は思う。しかし穂乃果は購買部に向かいパンを買っていた。

穂乃果 「はむはむ」

海未 「なにを食べてるんですか」

穂乃果 「コンビだよ」

食べている場合ですか、と言いたいのを堪えながらじっと海未は見つめた。やがて口を開く。

海未 「なにを考えているのですか」

しかし返ってきたのは購買部のおばちゃんの声だった。ニ十円足りないと言われ海未は泣く泣く払ってしまった。

海未 「なぜ私が払うんですか」

ことり 「今度からことりが払うよ」

すると穂乃果はことりにコンビをひとつ渡した。私には?と思う海未は口に出せなかった。
穂乃果は食べ終わると再び校内を歩いた。そこは二年生の教室である。

ヒデコ 「あの警察のひとですか」

穂乃果 「こういう者です」

海未とことりも警察手帳を見せて納得してもらった。しかしなぜ警察とわかったか伊丹たちといるのを見られたか。
相手はヒデコと名乗った。

ヒデコ 「アイドル部の先輩どうかしたんですか」

穂乃果 「いや別になにもないですよ。海未ちゃんのムネほどに」

海未 「私のムネと今回の事件は関係ありませんよ!」

ヒデコ 「事件なんですか」

なんでもないのよ、とことりは甘い顔と声でごまかした。
穂乃果がクラスに戻りなさいと諭すと彼女は足早に去った。

No.54 16/12/05 12:11
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ゆっくりと穂乃果はヒデコのあとをつけて彼女の教室の前で止まりヒデコがふたりの友人と話をしているのを見た。
教室に入ろうとする生徒にヒデコとふたりの友人について聞いた。

穂乃果 「ちょっといいかな」

生徒 「はい」

穂乃果 「ヒデコのそばにいる子達はなんて名前かな」

生徒 「フミコにミカです。私たちは三人そろっている時はヒフミトリオと呼んでいます。失礼しますね」

穂乃果はヒフミトリオが談笑してるのを見て呟くように言う。

穂乃果 「ハヒフヘホトリオですか」

海未 「アンパンマンのライバルみたいですね。てちがいますヒフミです」

穂乃果 「わかってるよ」

ことり 「穂乃果ちゃんの推理だよ」φ(..)

しかし穂乃果は三人を見つめた後に再びにこの家を訪ねた。

凛 「ラーメン食べきれないにゃあ」

花陽 「にこちゃんのご飯は美味しいね」

にこ 「」ツン

真姫 「なにしにいるのよ。凛と花陽は」

真姫がムッとしていると穂乃果たちが入ってきて彼女は睨む。だけど穂乃果はポツリと言う。

穂乃果 「真姫ちゃんかわいい?」

にこまき 「かきくけこ!!」ナニヤラセンノヨ!

穂乃果 「ハヒフヘホではない。うむ」

ことり 「凛ちゃん花陽ちゃんなにかあった?」

凛 「にこちゃんと真姫ちゃんはツンデレにゃあ」

花陽 「あたしたちに不満を言いながらもご飯を作ってくれたです」

穂乃果 「なるほど」

海未は穂乃果がなにを考えているのかわからなかった。

海未 「犯人から連絡はありましたか」

真姫 「なかったわ。なぜかしら」

穂乃果は真姫を見つめていた。もしかしたら海未は彼女が関係しているのかと思わず頭がよぎった。

穂乃果 「うむ。なぜ連絡がないのでしょう」

ことり 「凛ちゃんと花陽ちゃんをにこちゃんの妹と犯人は思い込んだとか?」

穂乃果 「ありえなくはありませんね」

にこ 「ありえないわよ。凛と花陽を今日は連れて帰って!」

穂乃果 「凛ちゃんと花陽ちゃんはどうしたい?」

りんぱな 「」ゴロゴロ

穂乃果 「もう一晩お願いできるかな?」

にこ 「連れて帰れ!!」ガアアア!

No.55 16/12/05 15:35
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花陽 「追い出されちゃいました。にこちゃんこわい」

凛 「でもラーメンは美味しかったにゃ」

穂乃果 「ふたりには苦労をかけましたね。今日は帰ってください」

穂乃果はふたりを帰した。振り返り矢澤邸を振り替える。

海未 「なにを考えてます?」

穂乃果 「あたしが居残ればよかったな。にこちゃんのご飯」

海未 「いまは事件のことを考えてください」

穂乃果 「考えてるよ。真姫ちゃんは犯人じゃない。にこちゃんでもないよ」

海未 「あたりまえです。にこが自作自演する理由がないです」

ことり 「たしかに」

納得することりに穂乃果は推理する。
行方不明の三人妹弟。いまだに部室ではひとりのにこちゃん。学校で出会ったペン&パイナップルトリオ。

海未 「ヒフミトリオですよ」

穂乃果 「わかってるてば!海未ちゃんいま考えているの」

もう一度、穂乃果はにこの家をたずねた。にこはむすっとしていた。

にこ 「なに?」

穂乃果 「ヒフミトリオのことは知っている?」

知らないわよ、とフンとにこは頬を膨らませて扉を閉めた。
ふむ、と穂乃果は考えた。海未はこんなのがよく特命係補佐になれたのか毎日疑問しかない。

ことり 「海未ちゃんは上司である穂乃果ちゃんをおバカにしている」メモメモ メモメモ

海未 「なにを報告しようとしてるんですか」

穂乃果 「にこちゃんの妹弟は三人。ヒフミトリオは三人」

穂乃果は呟いたまま警視庁鑑識課をおとずれ米沢に聞いた。

穂乃果 「なにかわかりましたか」

米沢 「ことりちゃんか真姫くんどちらもお嫁さんにしたいです。どちらにもフラレたら海未くんで 」

穂乃果 「テープのことだよ!」

ことり 「マカロンをあげるから米沢さんおしえて♪」

米沢 「う〜ん、テープの声はどこかで聞いたことがあるかもしれません」

あっさり教えた米沢はことりのマカロンを頬張った。
穂乃果は頷いて海未を見た。

海未 「?」

穂乃果 「犯人は海未ちゃん?」

海未 「ちがいますよ!」

しかし事件は二日目。早く解決しないとにこの妹弟の身が危ういのは確かかもしれなかった。

No.56 16/12/06 07:14
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翌朝、矢澤邸に動きがあった!駆けつける穂乃果たちに捜査一課の伊丹たち!

穂乃果 「犯人から連絡だって!いくよ」

伊丹 「海未に負けていられるか」

鳴る電話音。駆けつける穂乃果たちであった。
矢澤邸は揺れた。

穂乃果 「あれ?にこちゃんは」

伊丹 「被害者の家族なのに。どこ行きやがった」

真姫 「踏んでる踏んでる!にこちゃんが踏まれている!」

にこ 「」👻

穂乃果 「よし!真姫ちゃんが人工呼吸で」

米沢三浦 「」(´ 3`)(´ 3`)

伊丹 「三浦はともかく米沢までいつ現れた!」

真姫 「イミワカンナイ!にこちゃんしっかり!」

にこ 「」ハッ!デンワデンワ

にこ 「もしもし!」

? 「矢澤にこか。お前の弟や妹たちは……」

こころ 「お姉さま!」

ここあ 「お姉ちゃん!」

虎太郎 「おねえちゃ〜ん」

そのままガチャッと切れてしまった。あわてにこは呼び掛けるが反応はなかった。

海未 「逆探知は」

米沢 「やはり秋葉原内かと思われます。しかもごく近く」

なんで鑑識の米沢が答えているのか。海未は理解に苦しんだ。
穂乃果はというとことりたちとババ抜きをしていた。

海未 「なにしてるのですか」

穂乃果 「トランプ」

凛 「あ〜!ババにゃ」

花陽 「口に出しちゃわかるよ」

真姫は思わず穂乃果たちを叱った。それは伊丹たちも驚いた。

真姫 「なにやってるのよ。にこちゃんの気持ちを考えなさいよ!」

にこ 「真姫ちゃん」

穂乃果 「ごめんなさい」

真姫 「わかればいいのよ」ツン

しかし穂乃果の答えは違っていた。

穂乃果 「真姫ちゃんもトランプ遊びしたかったんだね」

真姫 「ちがうわよ」

穂乃果 「にこちゃん」

にこ 「なによ」

穂乃果 「昨日聞き忘れたんだけど妹さんたちに学校での活動はなんて伝えてあるのかな」

にこはむっとしながらも聞かれたのでやむなく答えた。
学校が廃校になるかもしれないなかひとりアイドル部の活動をひとりでしているなんて言えず八人のバックダンサーがいると見栄を張っていたことがわかった。

穂乃果 「八人のバックダンサーですか」

No.57 16/12/06 12:46
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アイドル部にひとりしかいないのに八人のバックダンサーとは大風呂敷を広げすぎではないか。

伊丹 「とにかく犯人を探すぞ」

三浦 「犯人を捕まえた暁には真姫さんオレと一緒になってください」

真姫 「ならないわよ」フン

三浦刑事はまったく相手にされていなかった。米沢も真姫に告白する。

米沢 「妻とは別れる。リアル六角精児ではありません。米沢守として告白します。仕事中にセクハラはしてません」

真姫 「してたでしょう!とっとと職場に戻る」

米沢は本庁に戻っていった。穂乃果たちのなかで動いたのは海未だけだった。

海未 「私は犯人を探します!いいですね」

穂乃果 「あ!○○屋のチョコケーキと」

ことり 「ショートケーキをお願いね」

海未 「なんでですか!?凛と花陽も行きますよ!」

りんぱな 「お断りします!!」

嫌がる凛と花陽の襟を掴み海未は出ていった。穂乃果は吐息をつきながらことりを連れて出ていった。

にこ 「ぬわんなのよ」

真姫 「あたしがいるから」

再び音ノ木坂学院にやって来た穂乃果はヒフミトリオを見つけたが声はかけなかった。

ことり 「?」

穂乃果 「あとをつけてみましょう」

No.58 16/12/10 06:49
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穂乃果 「ハヒフヘホトリオはどこに」

ことり 「三人だよ」

ふたりはヒデコの後をつけると彼女はアイドル部部室の扉ではなく外に向かったよう。外に待っていたのはフミコにミカ、彼女たちはアイドル部部室の窓を開けて手にした袋を中にいた誰かにあげているようだった。
相手は写真で見たこころたちなことに気づき穂乃果はあらわれた。

穂乃果 「なにをしてるんですか」

ヒデコ 「あ!?警察のひと。なんで」

穂乃果 「失礼。そこにいるのは矢澤こころさんたちですか」

こころ 「は、はい。警察のひとですか」

事情を聞いた穂乃果たちはアイドル部部室の扉を開けてにこや捜査一課を呼んだ。にこたちは感動の再会を果たした。

にこ 「こころ!ここあ!虎太郎!」

こころ 「お姉さま!」

ここあ 「お姉ちゃん!」

虎太郎 「お姉ちゃ〜ん」!」

にこ 「鼻水出てるでしょう」

伊丹 「どういうことですか警部殿」

海未 「なぜアイドル部の部室にいたのですか」

こころ 「お姉さまが指導しているアイドル部のバックダンサーを見に来たの。そしたら」

穂乃果 「そこから先は私が説明しましょう」

穂乃果は部室に備えつけられていた留守番機能付きの電話を手にしていた。

海未 「留守番電話?」

お茶を出され米沢以外のメンバーが揃い穂乃果は説明する。

穂乃果 「そもそも今回の事件はにこちゃんの見栄もしくは嘘が引き起こした事件のようです」

にこ 「う、嘘だなんて」

真姫 「にこちゃんは嘘をつくような子じゃないわ」

花陽 「高3にはいまいち見えませんけど」

凛 「そうだにゃあ」

穂乃果 「にこちゃんは自分にはバックダンサーが八人いると妹さんたちに伝えていたようです。そうですね」

う、うんと曖昧ながら認めるにこを妹たちはじっと見つめる。
穂乃果の推理はこうである。

穂乃果 「ある日のこと妹さんたちはお姉さんの部室をたずねましたがふこうなすれ違いがありました。にこちゃんは気づかないまま家に帰り妹さんたちは部室に入った」

海未 「入っただけなら問題ないのでは?」

穂乃果 「いえいえにこちゃんは彼女たちに気づかないまま鍵をうっかりかけてしまったのです」

No.59 16/12/10 07:25
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穂乃果の説明によると鍵をかけられた彼女たちは部室から出れないまま一日が過ぎようとしていた。
しかしそこへ部室のおもてを通りかかったのヒフミトリオでした。

穂乃果 「そうですね。ハヒフヘホレンジャーのみなさん」

ヒフミ 「ヒフミトリオ!」

穂乃果 「しかし彼女たちは窓を開けれたもののにこちゃんゆずりの身長の低さがあり窓はわずかに開けれませんでした。ヒフミトリオはこの二日間彼女たちにお菓子やご飯を差し入れていたようです」

こころ 「あらためて礼を言いますねヒデコさんフミコさんミカさん」

こここここ 「ありがとうございました」

ことり 「でもあの誘拐事件の声はなんなの」

真姫 「それは」

穂乃果 「それは私から説明しましょう」

穂乃果は留守番電話のテープを再生した。

電話 「伝説のアイドルDVD『デンデンデン』をよこせ」

穂乃果 「この声に聞きおぼえありませんか。にこちゃん?」

ギクッとしたにこに穂乃果は笑みをしながら言うと驚くべき真相だった。

穂乃果 「これはにこちゃん自身の声なのです。にこちゃんはアイドル志望しかも音ノ木坂ではそこそこ芸達者です。たぶん演技の練習のために留守番電話に吹き込んだのでしょう。それを部室に入ってしまったこの子たちは作動させてしまった。ちなみににこちゃんにとっての貴重品はアイドルDVD『デンデンデン』くらいです」

花陽 「わかります」ウルウル ウルウル

真姫 「な、なんであのテープの声がにこちゃんだってわかったの」

穂乃果はある未提出の報告書を出す。それは鑑識課の真姫の書いたものである。

穂乃果 「これは真姫ちゃんが書いた報告書です」

真姫 「ヴェェ!なんで」

穂乃果 「真姫ちゃんが退勤時刻になったのを見て盗み見しました」

伊丹 「」オイ

そこへ米沢がどすどすと部室に入ってきて真姫に言う。

米沢 「昨日の報告書はまだですか西木野くん」

はい、と報告書を渡す穂乃果に米沢はこれが婚姻届ならと妄想した。

海未 「しかし鍵は職員室の先生方に言えばいいのでは」

穂乃果はふむと頷き言う。

穂乃果 「ヒフミトリオは言い出しにくかったんだよ。にこちゃんとは面識なかったし」

海未は納得しにくい顔をした

No.60 16/12/10 08:57
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「にこちゃんにこちゃん」

なによ、とにこはにらみ返すが穂乃果は意外なことを言う。

「にこちゃん。バックダンサーならここにいるよ」

意外な人物たちの名前を出す穂乃果に誰まが驚いた。

「真姫ちゃん凛ちゃん花陽ちゃん。罪の償いをしている絵里ちゃんに希ちゃん。そしてイタミンズに米沢さん。ヒフミトリオ、ついでに海未ちゃん」

「な、なんで私がバックダンサーなのですか」

「あたしとことりちゃんはバックダンサーじゃないもん!」

しっかり逃げ道を確保している穂乃果だったが、三浦刑事と米沢の頭には真姫と一緒に踊る妄想が部室のなかを飛んでいた。

「なにを考えてるんだ三浦!」

「もう心配かけて」

ごめんなさいと三人の妹や弟たちは抱き合った。
ヒフミトリオは言う。

「ごめんなさい、あたしたちがちゃんと言わなかったから」

「彼女たちはにこちゃんを応援したかったけど不器用なんだよ」

穂乃果の言うことに説得力があり彼女は後押しをする。

「ヒフミトリオは特に悪いことはしてないけどこれからはアイドル部のにこちゃんを応援してあげてね」

ヒフミトリオは頷いた。
こうして今回の事件は解決した。またしても穂乃果が事件を解決したことに海未は納得いかなかった。

「海未ちゃんは凛ちゃん花陽ちゃんと秋葉原を走り回っただけ。以上」

「なにを報告書に書いてるんですか!」

「以下同文」

「ことりまで」

「たいして活躍できなかった」

「秋葉原の美味しいモノを食べました」

凛と花陽の報告書を受け取り穂乃果は満足に微笑んだ。
そして翌日、特命係補佐に新たなメンバーが加わることになる。

「真姫ちゃん!にこちゃん」

「もうあんたのせいで鑑識課を飛ばされたでしょ!」

「ふん。学校は休学してあんたを手伝ってあげるわよ。三度も助けられたんだし」

なぜ?、と特命係補佐に新たにメンバーが加わったことに海未は頭を抱えた。
これでは本当に高校の部活かなにかではないか。
ちなみに真姫は鑑識ができるので役に立つはずだが、にこが何の役に立つかは不明だった。
ぬわんでよ!と特命係補佐の一室はこの二人を加えて騒がしくなるのだった。

No.62 17/01/06 18:48
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今日も今日とて特命係補佐は平和だった。
上司である穂乃果の遅刻をのぞいて……。

ことうみまきりんぱな 「にこ(ちゃん)お茶」

にこ 「いっぺんに言わないでよ」

特命係補佐室には穂乃果以外のメンバーはすでに揃っていたが、海未や真姫は少し苛立っていた。

海未 「上司である穂乃果が遅刻とはなんですか」

真姫 「せっかく医者としての経験を鑑識課で生かそうとしたのに左遷だなんて」

花陽 「米沢さんを相手にしないからですよ」

真姫 「ヴェェ、私にも選び権利はあるわよ」

凛 「もしかして穂乃果ちゃん?」

真姫 「なんでよ」イミワカンナイ

ことり 「穂乃果ちゃんはあたしのもの」

海未 「はいはい」

穂乃果はダッシュで特命係補佐にやって来た。

穂乃果 「セーフ!」

海未 「アウトです!!」

穂乃果 「うるうる、タイムカードを初期設定にしてリセット…」スイッチオン

海未 「なに公僕たる警官が不正を働こうとしてるんですか」

真姫 「にこちゃんタイホして」

にこ 「……」

凛 「タイホするにゃ」

花陽 「タイホするです」

にこ 「まだ警察官採用試験を受けてないからむり!」

ほのことうみまきりんぱな 「」エー

にこ 「すぐにでも受けて穂乃果より偉くなるわよ」

穂乃果 「ほのかよりてほのかを馬鹿にしてるよ」

ことりんぱな 「」ヨシヨシ

庇うのはことりんぱなの三人だけだった。
しかし事件はいつ起こるかわからない。穂乃果に復讐を誓う希と絵里は偶然出会った。

希 「高坂穂乃果許さへんで」

絵里 「まったくよ。認められないわ」

のぞえり 「」ン?

希 「えりち!?」

絵里 「のぞえもん?」

希 「希や。久しぶりの再会でドラえもんちゃうんやから」

ふたりは以前ににこを踏みつけた罪を償ったものの穂乃果への復讐は忘れなかった。

絵里 「特命係補佐の高坂穂乃果をいたい目にあわしたいわ」

希 「せやね。にこっちはどうでもええけど」

年越しそばの屋台のおじさんはふたりのヒソヒソ話があまりに聞こえるので困った。
あやしいふたりを見たのは屋台のおじさんだけだった。

No.63 17/01/06 20:15
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海未 「この報告書に目を通して捺印をしてください」

穂乃果 「こんなに書類多かった?いい?ここは陸の孤島のさらに孤島の部署なのに」

穂乃果の文句は海未と真姫の胸を抉るように刺さる。
海未はさらに書類を山のように置く。

海未 「これらの書類もお願いしますね」

穂乃果 「部下なのに海未ちゃん偉そうだよ」

警察官採用試験を勉強してるにこもわずかに同意しことりたちも頷いた。
夕方になっても穂乃果は書類が終わらない。トイレと食事以外は外出を海未は許さなかった。

ことり 「お先に失礼するね」

穂乃果 「ことりちゃ〜ん」

りんぱな 「お先に失礼します」

穂乃果 「ラーメンライス」

りんぱな 「芸人みたいに呼ばない」

真姫 「じゃあね穂乃果」

穂乃果 「うるうる」

にこ 「あたしも今週には採用試験があるから失礼するわ」

穂乃果 「頑張ってにこちゃん」

にこ 「穂乃果もね」

海未 「(芸人ですか。この人たち)」

もじもじしながら穂乃果は書類をひとつひとつ片付けていた。それに海未は気づいた。

海未 「どうしました穂乃果?」

穂乃果 「トイレ!」

海未 「破廉恥です。とっとと行きなさい!」

書類はかなり少なくなり穂乃果は足早にトイレに向かう途中に見慣れない掃除のおばちゃんを見かけた。

穂乃果 「」ジー

? 「」ソウジチュウ!

穂乃果 「気のせいか」

下半身をおさえながらトイレに消える穂乃果を見て希はそっと隠しマイクに声を当てた。

希 「高坂穂乃果はいまトイレや」

絵里 「ことり、凛に花陽、真姫ににこが警視庁から出たの確認したわ」

希 「穂乃果ちゃんのもとに堅物海未ちゃんがおるな。どうする?」

絵里 「作戦変更よ。いま出ていった誰かを人質にするわよ」

希 「了解」

穂乃果がいまだにトイレにこもっているのを覗き見しながら希はなんともなく警視庁を出ていった。

海未 「まったく手のかかる上司です」

穂乃果 「誰が?」

海未 「穂乃果ですよ」

穂乃果 「書類を片付けるのを頑張るよ」

まるで居残り勉強をさせられている特命係補佐の上司だった。

No.64 17/01/06 21:00
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凛 「お腹空いたにゃ」

花陽 「寮に帰ったらご飯だね」

凛と花陽は一緒に暮らしていた。寮まであと少しというところで凛の目にあるモノが見えた。それはとてつもなく魅力的なラーメンだった。

凛 「あ、あれは幻の北海道コーンバターカニ味噌ラーメンにゃあ」

凛の姿がラーメンの方向に消えた時に彼女の悲鳴が響いた。
にゃああ〜!?
慌て花陽が駆け寄ると割れた割り箸と湯気の立つラーメン、隣に幻の白いご飯。黄金白米ライススペシャルがあった。
割り箸を指で割った時だった。目の前の怪しい影が彼女を襲った。
ダレカタスケテ〜!!
悲鳴を聞いて通りがかった交番勤務の警官が見たのはまさにラーメンライスと割れたふたつの割り箸が二人分あった。
そのほぼ同じ頃、南ことりも家路に着いていた。

ことり 「もう海未ちゃんたら穂乃果ちゃんにいじわるだよ」

ぷんぷん、と珍しく怒りながら歩いているとふと目の前にチーズケーキの丸々のホールケーキがあった。
ジーッとことりははじめ見つめていたが、瞬間的に頬が緩んだ。

ことり 「わ〜♪夢だったの!」

すると目の前に怪しい影が現れ彼女を襲った。
ホノカチャンともハノケチェンとも聞こえる悲鳴が響いた。
通りがかった制服警官の前にはチーズケーキが甘い匂いを漂わしていた。
翌日、特命係補佐に出勤した穂乃果は採用試験を受けるにこがいないのはともかく海未と真姫しかいないことに頭の上に?があった。

穂乃果 「おはよう!じゃなくてことりちゃんたちは」

海未 「そういえばまだ来てませんね」

真姫 「穂乃果が遅刻しない方が奇跡的だけど」

同じ頃、隣の特命係に怪しい電話がかかり杉下右京と彼の相棒は耳にした。

? 「もしもし南ことり星空凛小泉花陽は誘拐したで」

右京 「もしもしどちらにおかけですか。こちらは特命係ですが」

? 「間違えた!失礼します」

ガチャ、と切れる音を立てるのを耳にした右京と相棒は目を合わした。その数分後に特命係補佐に先ほどの電話がかかってきた。

? 「もしもし」

穂乃果 「もしもしこちら特命係補佐ですが」

? 「南ことり星空凛小泉花陽を預かったで」

穂乃果 「ん?世話してくれたの。ありがとう」

? 「ちゃうわ!!」

No.65 17/01/07 08:28
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? 「ちゃうわ!南ことり星空凛小泉花陽を誘拐したんや」

その言葉に三人は驚いた。角田たちも特命係補佐に顔を出した。

角田 「おい、誘拐だって」

さらに捜査一課から伊丹たちも現れた。

伊丹 「特命係補佐の園田〜!」

海未 「特命係補佐はいらないです」

穂乃果 「うるうる、海未ちゃんはここがきらいなの」

真姫 「その前に電話電話」

真姫に言われ呼びかけるてすで切れていた。

海未 「なにやってるんですか。ことりに花陽に凛が誘拐されたんですよ」

三浦 「それなんですが、所轄からこんな報告があったんです。昨夜、秋葉原の二つでラーメンとごはん、そしてチーズケーキが置かれ割り箸ふたつにフォークがありそこから女性の悲鳴が二件いや三件あったようだ、と」

穂乃果 「三人は誘拐されたと」

芹沢 「そのようです」

真姫 「なんであの三人を誘拐したのかしら。世話がたいへんになるくらい犯人はわからないのかしら」

その頃、犯人の希と絵里は秋葉原某所で三人の世話に時間を費やしていた。

ことり 「ケーキケーキ!」

花陽 「ごはんですごはんです!」

凛 「ラーメンラーメン!」

希 「電話が切れてもうたやん!!」

ことぱなりん 「なにか食べさせてよ」

絵里 「みごとに食品サンプルに匂いをつけたただけでひっかかるなんて」

ことぱなりん 「」タスケテ

希 「うるさい!スピリチュアルでいてこますで!」

ことぱなりん 「」シーン

絵里 「それにしても特命係補佐、いえ高坂穂乃果はようやく事態が伝わったかしらね」

たぶん、と希は言う。
捜査一課の面々に連れられまずは凛と花陽の誘拐現場に穂乃果たちはおもむいた。そこに米沢がいた。

米沢 「犯人が残したのはこの食品サンプルのラーメンとごはんです」

穂乃果 「食べられないのに」

海未 「こんなのにひっかかるんですか」

真姫 「イミワカンナイ!」

米沢 「だけど食品の匂いはみごとに再現しています。薄れていますが」

袋に鼻を入れ穂乃果は匂いを嗅いで一言。

穂乃果 「おなか空くよ」

海未 「少しはまじめにしなさい。三人がどんな目に遭っているのか」

真姫 「そうよ」

No.66 17/01/07 09:55
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続いて南ことりの誘拐現場に一同はいた。

米沢 「これは犯人が残したチーズケーキのサンプルです」

穂乃果 「食いしん坊だねことりちゃん」

海未 「あなたが言っても説得力ありません」

真姫 「米沢さん他には」

米沢 「わたくし米沢守は西木野真姫を左遷しましたが、好きであります

真姫 「そういうことじゃなくて」

三浦 「そうだぞ。真姫さんは僕のものだ」

真姫 「もう捜査しないと三人が危ないでしょう」

海未 「やれやれ」

穂乃果はまた袋に鼻を入れ匂いを嗅いでいた。

穂乃果 「おなか空くよ」

海未 「少しはまじめにやってください」グググ

穂乃果 「こわい」

それにしても三人を誘拐するなんて手間のかかることをしたもんだ、と思ったのは犯人グループの希と絵里だった。

希 「ああ!うるさい」

ことり 「チーズケーキは」

凛 「ラーメン」

花陽 「ごはん」

絵里 「いまやってるわよ」

希 「ひとりでよかったんちゃう?」

絵里 「それもそうだけど。ひとりにしたらかわいそうだし」

ことぱなりん 「」ニラメッコジャンケン!アップップ!(≧∇≦)

絵里 「アッハッハ!」

希 「なに笑うとんねん!」

ことり 「」チョロイ

だけど脱出のチャンスはまったくなかった。希と絵里つねにどちらはこのアジトにいるのだから。

穂乃果 「う〜ん、犯人はいったいどこに」

真姫 「居場所がわからないと」

海未 「穂乃果がちゃんと電話を取らないからですよ」

警視庁に戻った三人は話し合いをした。にこは警察官採用試験の勉強でいないのだが顔を出した。

にこ 「どうしたのよ」

穂乃果 「ことりちゃんと他ふたりが誘拐されたの」

にこ 「なんですって」

にこの声に警視庁の建物が揺らいだ。

No.67 17/01/07 14:52
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にこ 「なに能天気にここに戻ってきてんのよ」

穂乃果 「イタミンに事情を聞かれたけど犯人の動機に心当たりないし」(..)(__)

うみまき 「(そのいい加減でおおざっぱな性格のせいでは?)」

にこ 「そのいい加減でおおざっぱな性格をなんとかしなさいよ!!」

うみまき 「言った!?」

穂乃果 「ほ、ほのかは毎日まじめに警官してるよ」

海未 「説得力ありませんよ」

そこへ犯人から特命係補佐に再び電話が入る。

希 「もしもし三人を返してほしいか?高坂穂乃果」

穂乃果 「ほ、ほのかだよ。ことりちゃんたちは無事なの」

絵里 「ことりにはチーズケーキ、凛にはラーメン、花陽にはごはん。食費がかかるんだけど」(*ToT)

ことりんぱな 「(食欲は満たされた)」

希 「ぶ、無事や(えりちのあほ)」

絵里 「(な、なによ)」

真姫 「逆探知よ」

海未 「はい」

角田 「俺たちも協力するぜ」

穂乃果 「目的はなんなの」

希 「ふふふ。高坂穂乃果、おまえにうらみを持つ者や」

穂乃果 「ほのか、なんでもはできないけど和菓子をあげたり今日のお菓子をあげたりファーストフードのフライドポテトくらいならあげるよ」

にこ 「どんだけことりたちの身柄はやすいのよ!!」

希 「」ガチャ!

希 「あ!にこっちの声で電話切ってもうた」

絵里 「なにやってんのよ」

真姫は逆探知をしようとしたが失敗した。

真姫 「なにやってんのよ!」

にこ 「文句なら穂乃果に言いなさい!」

真姫 「」ガミガミ!ガミガミ!

穂乃果 「ご、ごめんなさい」

特命係の杉下右京とその相棒は隣の部署から眺めていた。
その頃、ことりたちはなんとか連絡か脱出はできないか考えていた。

ことり 「ほのかちゃ〜ん」

凛 「力はたくわえたにゃ」

花陽 「まあまあ美味でした」

ことり 「連絡するか脱出をしないと」

凛 「むりだにゃ」

花陽 「犯人は誰なんでしょう?」

目を塞がれた三人は縛られながら手首から先は動かせたようだ。

希 「まったく高坂穂乃果は手強いな」

絵里 「交渉が下手すぎよ」

No.68 17/01/07 17:00
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絵里 「まずは人質にしたこいつらから高坂穂乃果の弱点を聞き出すのよ」

希 「なるほど」

絵里 「南ことり、あなたは穂乃果との付き合いが長いらしいわね。穂乃果の弱点を教えなさい」

ことり 「」💤

希 「寝んな!」

ことり 「」ハッ

ことり 「ママ、トイレは?」

希 「まっすぐ行って左や。右が出入口や」

絵里 「」(゜o゜)\(-_-)ガン!!

希 「いたい」ヒリヒリ

ことり 「どうかしたの犯人さん?」

絵里 「なんでもないから。とにかく高坂穂乃果の弱点を教えなさい」

ことりは考えた。穂乃果ちゃんの弱点。考えたが……ない!
木登りはちいさい時からするし後先を考えないで動き回るしいるとたのしいし。
海未ちゃんは穂乃果ちゃんを理解してないけど。

ことり 「たぶんないんじゃないかな」

のぞえり 「え?」

ことり 「弱点はないんじゃないかと思うよ」

ふたりは驚きのあまりに肩を落とした。希にいたっては叩かれた頭をおさえるくらいにがっかりした。
その頃、穂乃果はというとメンタルが弱っていた。いつものように推理がまったくないのだ。

穂乃果 「三人が犯人に捕まったのはあたしのせいだよ」

真姫 「ここまで落ち込むなんて」

海未 「それだけ落ち込んでいるのです。にこは?」

真姫 「明日も試験があるから帰ったわ」

にこはまだ警官でないため事件に参加できない。しかし犯人のひとり希は外出した際に彼女の姿を見かけた。

希 「にこっちやんか」

にこ 「穂乃果より偉い警官になるわ!」

希 「がんばってんな」

さすがににこには以前悪いことをしたために見逃した希だった。

No.69 17/01/07 18:26
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悩む穂乃果の前に捜査一課の伊丹たちがいままで穂乃果が関わってた事件や容疑者のリストを持ってきた。

伊丹 「警部殿、なにか思い出しましたか」

穂乃果 「むりだよ」

芹沢 「たとえば警部殿に恨みを持つ人間に心当たりはありませんか?」

穂乃果は海未と真姫を見つめた。

海未 「なんで私を見るんですか!?」

真姫 「そうよ。意味わかんない」

伊丹は顎でふたりを事情聴取に連れていった。取り調べ室にそれぞれ連れていかれた。

伊丹 「特命係補佐の園田海未。なにか知らねえのか」

海未 「知りませんよ。恨みますよ穂乃果」

伊丹 「おい。いまの言葉を聞いたか」

別の取り調べ室では。

三浦 「西木野真姫さん。あなたは高坂穂乃果警部に恨みはありますか」

真姫 「ないわよ。事件とは無関係でしょう」

三浦 「しかし前の事件では高坂警部と鑑識の米沢守により左遷された」

左遷という言葉に真姫の胸に矢が深く突き刺さる。

真姫 「か、関係ないわよ」

三浦 「よし!関係なしだ。聞きましたね」

芹沢 「伊丹も三浦も大丈夫か」

マジックミラー越しに見ていた芹沢は頭をかいた。
特命係補佐にひとりいる穂乃果のもとにことりの母親おやどりがやってきた。

おやどり 「穂乃果ちゃん。娘は無事なの」

穂乃果 「申し訳ありません。あたしの不手際です」

特命係補佐に戻った真姫は穂乃果とおやどりがいるのを見て隠れるように見た。すると突然、胸をワシワシされた。

真姫 「」キャー ボウヨミ

穂乃果 「真姫ちゃんっ!」

真姫 「い、いまあやしい掃除のおばさんが……」

穂乃果は彼女の言葉で思い出した。あの時あやしい掃除のおばさんがいたことを。

おやどり 「穂乃果ちゃん?」

穂乃果 「警視庁内の監視カメラのビデオを用意してください」

米沢 「わかりました」

真姫 「いつ来たの?米沢さん」

穂乃果と米沢の間のつながりをふしぎなもののように見つめた。
その頃、海未はまだ伊丹からいやがらせを受けていた。

伊丹 「のどが渇かないか」

海未 「はい」

伊丹 「俺からの差し入れだ。これでも飲め」

海未 「炭酸飲料じゃないですか!!」

No.70 17/01/08 06:41
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穂乃果は警視庁内のビデオにすべてに目を通すと見慣れない掃除のおばちゃんが映っているのに気づいた。
しかも警視庁内というのに、ワシワシをしてるというのだ。

穂乃果 「許せないよ」

真姫 「これ希じゃないかしら」

海未 「はあはあ、破廉恥ですね」

海未が戻ってきたことに穂乃果は抱きついた。穂乃果のぬくもりに海未は安堵するなか伊丹たちは捜査に向かう。
右京たちはそれを見守る。

相棒 「彼女たちだいじょうぶですかね」

右京 「だいじょうぶですよ」

犯人が東條希とわかったが彼女ひとりとは限らない。ことりたちを人質に取るほどだ。
伊丹たちも捜査するが居場所はわからない。

穂乃果 「どこにいるの」

海未 「がんばるのです」

真姫 「私は私で捜査をするわ」

真姫は特命係補佐を出ながら秋葉原界隈を聞き込みした。
それを見つけたのは絵里だった。あやしい笑みを浮かべた。

真姫 「こ、これは!?庶民のカップ麺やおでん缶」

絵里 「ふふふ、あなたも来なさい」

イヤー、と棒読みな悲鳴が秋葉原に響いた。ダイイングメッセージらしいのを鑑識の米沢は見つけた。

米沢 「なにかのメッセージかもしれません」

穂乃果 「ロシア?ポンコツ?ポニーテール?」

海未 「わかりませんね」

伊丹 「警部殿」

考えてるよ、と穂乃果は言う。
まさか犯人は?、とあのふたりかと考えるが考えたくもなかった。

穂乃果 「犯人は絵里ちゃんに希ちゃん……」

身元は確定したが秋葉原のどこにいるのか。
人質に取られた真姫は憮然とした。

真姫 「」( ̄З ̄)

凛 「不機嫌だにゃ」

花陽 「ご飯はありますよ」

ことり 「お腹いっぱい」

希 「人質を増やしてどうすんねん」

絵里 「高坂穂乃果を苦しめるのよ」

なるほど、と真姫は思う。自分たちを人質にしたことで彼女がメンタルが弱かったことに気づかなかったらしい。
ポンコツね。
穂乃果は秋葉原の地図を広げた。

No.71 17/01/09 18:05
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穂乃果は秋葉原の地図を見つめた。
ポンコツ、ロシア、ポニーテール。
海未は穂乃果の推理が冴えることに期待したが、次の瞬間に裏切られた。

穂乃果 「海未ちゃんメイド服を着てアキバを歩いて!」

海未 「はあああ〜!!?」

海未 「ち、ちょっと米沢さんなにするんです!?」

米沢 「はあはあ、メイド服に着替えてもらいます。できました!本当はことりさんや真姫さんにしてもらうはずですが」

メイド服の海未に皆は声をあげた。

ほの伊丹三浦芹沢米沢 「」オオー!?

右京 「なるほど。そう来ましたか」

海未は秋葉原を通る人たちにやたら見られていた。メイド服を着ながらやや恥じらいながらそれが通行人やアキバの住人の心をくすぐった。

海未 「は、はずかしいです……」

ほのよね 「グッジョブ!」( ̄▽ ̄)b( ̄▽ ̄)b

海未 「(おぼえてなさい穂乃果に米沢さん!!)」

穂乃果 「えがおえがお」

海未 「に、にこ……」

にこ 「なにやってんのあんた」

穂乃果 「イタミン!にこちゃんを確保!」

伊丹 「イタミン言うな!矢澤にこ捜査の邪魔になりますから。こちらへ」

にこはなしくずしに仮説の捜査本部に連れてこられた。

にこ 「」ムッ

穂乃果 「まあまあお茶でも」

にこ 「海未はともかく真姫ちゃんはどうしたの」

穂乃果 「そういえばまだ来てないや」

そこ捜査本部に電話がかかり取る穂乃果。

穂乃果 「もしもしほのかだよ」

絵里 「三人に続いて真姫を預かったわ」

ほのにこ 「」エエッ

絵里 「驚いたようね」

にこ 「真姫ちゃんは無事なの!ねえポンコツのあなた!」

絵里 「誰がポンコツよ!あたしはあや……!?」

希 「名前言うてどうすんねん!!」

絵里 「あ」

にこ 「すぐ仲間割れするわね。あんたたち」

穂乃果 「特命係補佐は仲間割れしないよ」

にこのぞえり 「(どの口が言うのか)」

真姫 「聞いて!犯人は絢瀬絵里と東條希よ!場所は……!?」

瞬間、銃声のような音が鳴り響いて一同は愕然とした。
真姫は無事なのか。

No.72 17/01/09 19:31
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パーン……!、と銃声に似たような破裂音にことりたちは目を伏せた。
だが、絵里が希のあたまを叩いた。いやツッコんだ!!

希 「あいた〜……」

絵里 「なに膨らませた袋を破裂させてんのよ!」

真姫 「ヴェェ……」

ことり 「真姫ちゃん!」

絵里 「気を失っただけよ」

凛 「よかったにゃ」

花陽 「あたしたちの状況はなにひとつ良くなってませんけど」

希 「ほんまや。あたまを叩かれるなんて」

絵里 「まぎらわしいことするからでしょう!アキバを海未が歩いているけど捕まえちゃだめよ。あれ?」

こつぜんと希の姿は消えていたの絵里たちは気づいた。
真姫も気絶から意識を取り戻した。

真姫 「希は?」

凛 「いなくなったにゃ」

花陽 「はやいね」

アキバを歩く海未を希は易者になり後をつけていた。

希 「うん。あんたの運勢はええ。アブノーマル線あるからへんたいな彼氏がみつかるで」

海未 「なんでしょう。妙にハレンチな易者さんがいますね」

穂乃果 「見てもらったら?」

海未 「なんでですか。捜査の途中ですよ」

にこ 「いいから」

海未は尾行している希とは知らずにくるりと向きを変えて希が変装している易者に向かった。

希 「(ば、バレた!?)」

海未 「み、見てもらっていいですか」

捜査の途中なのに易者に占ってもらうなど警察官とは思えません、と嘆く海未。
同時にバレたのかと思いながら彼女を占う希。

希 「ふむふむ、あなたはいつも上司に苦労されてんねんな」

海未 「そうなんです!私にいつもムリを押しつけて苦労が絶えないんです!」(ToT)

血の涙を流す海未に希はほんの少し同情と共感をした。
しかし絵里はそれを許さない。絵里から耳にしたイヤホンから声が入る。

絵里 「なにやってんのよ!ほっときなさい」

希 「なんや知らんけどほっとかれんねん」

海未 「どうかしましたか」

希 「なんでもあらへん。ウチの相方はポンコツやさかい」

絵里はムッとした。それを残された四人は怖いなと思った。

真姫 「(人質が増えたらそのぶん逃げる時にはめんどうなのに)」

ことり 「(そうなの?)」

No.73 17/01/10 06:54
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希 「ウチの相方もほんまなにからなにまでポンコツで困ってんねん」

海未 「本当ですよ。穂乃果にいたってはみんなが人質にされただけでメンタルが弱っていつも以上に使い物にならないんですから」

聞きながら穂乃果、絵里それぞれはムッとしたが絵里はあることに気づいて方針転換した。

絵里 「海未をそのまま連れてきなさい」

希 「え?なんで」

絵里 「いいから!はやく!」

希 「メイドさんちょっとこっちに来てえな」

どうやらこのまま希についていけばことりたちのもとに行けそうだった。
穂乃果は「そのままだよ」と伝えた。
伊丹たちは尾行しようとしたが、穂乃果に止められた。
海未が連れてこられたのはロシア風メイドカフェ、名前を……。

海未 「PONCTSU??」

なるほど、とふしぎな納得をした時だった。海未は希にわしわしされて足腰が立たなくなった。

海未 「あ、あなた……」

希 「堪忍やで。海未ちゃん」

穂乃果 「観念するのはそっちだよ。希ちゃん」

にこ 「真姫ちゃんとその他四人を返しなさい」

希 「にこっち!?」

絵里 「な、なんでここがわかったの」

穂乃果は店内に入り明かりをつけると縛られたことりたち四人が椅子に座っていた。

穂乃果 「かんたんな推理だよ。このロシア風メイドカフェ、PONCTSU。つまりポンコツはアキバのメイドカフェでいちばん売り上げがないんだよ。なぜか」

絵里と希は喉を鳴らした。

穂乃果 「絵里ちゃんがポンコツで売り上げがまったく伸びないんだよ」

絵里 「よけいなお世話よ!」

希 「いやそこは同意したいんよ」

にこは真っ先に真姫をほどいて凛たちを助けた。痺れて動けない海未はよろよろだった。

海未 「ゆ、許しませんよ」

希 「高坂穂乃果、まだウチらの復讐は終わらへんよ」

絵里 「そ、そうよ。認められないわ」

にこ 「あんたたち。まだ馬鹿なことをするつもり?犯罪者より警官になるくらいはできるでしょう」

希 「にこっち……」

良心が揺らいだ希だが、絵里はキッと特命係補佐の面々を睨んだ。

絵里 「まだまだこれからよ」

希の手を引いて彼女たちは逃げ出した。

No.74 17/01/10 14:06
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伊丹 「待て!!」

三浦 「真姫さん!今度デートしましょう」

真姫 「イミワカンナイ!」

三浦 「じゃあことりさんで」

ことり 「却下するよ」

芹沢 「なにやってんだ。いくぞ」

伊丹 「待て!」

伊丹たちがふたりを追うなか穂乃果は仲間たちを保護した。

穂乃果 「ことりちゃん花陽ちゃん凛ちゃん、他ふたりだいじょうぶだった」

うみまき 「他ふたり言わないで(ください)!!」

穂乃果 「それにしてもほのかに復讐をするなんてほのかなにかした?」

海未 「自覚がなさすぎます」

ことり 「ううん、世界は穂乃果ちゃんが中心なんだよ」

真姫 「」イミワカンナイ

にこ 「とにかくあたしは採用試験に受かって穂乃果よりえらくなるわ」イバリ

花陽 「穂乃果ちゃんよりえらい人はいくらでもいるよね」

凛 「パン屋さんにお米屋さんにラーメン屋さんにゃ」

にこ 「こいつら」

その頃、希と絵里は逃げていた。しかし希のなかに良心が揺らぎおもわず絵里にワシワシした。

絵里 「キャー」

希 「刑事さん。あたしたちを捕まえてください」

絵里 「う、裏切ったわね」

伊丹 「よし!動くな」

穂乃果たちも後からようやく追いついた。

穂乃果 「希ちゃん。絵里ちゃん」

絵里 「く。あたしは諦めないわよ」

海未 「待ちなさい!」

絵里だけは一目散に胸を抱え逃げてしまった。希はあっさりなくらい捕まり取り調べられた。

伊丹 「高坂警部になんの恨みがあった」

希 「う〜ん」

三浦 「(巨乳だな)」

海未 「さっさと白状しなさい」

凛 「トンカツラーメンをやるから」

花陽 「いえ牛丼を」

真姫 「食べ物で釣らない」

希はなぜ穂乃果に復讐をしようとしたか。なぜか事件後その部分が消えてないのだ。

希 「わ、忘れてもうた!!」

伊丹 「嘘をつくな」

希 「ほ、ほんまや」

三浦 「(む、胸が揺れている!!)」

結局、希は無罪放免になってしまい穂乃果の意向もあり釈放となった。
だけど東條希は今度こそ改心した。
警察官採用試験を一日遅れで受けたのだ。
結果は……。

No.75 17/01/10 15:51
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それから数日後、希は無事に警察官になれた。

希 「スピリチュアルやね」

うみまき 「スピリチュアルすぎます……」

凛 「よかったにゃ」

花陽 「これからは警察官として特命係補佐の一員として共にがんばりましょう」

真姫 「絵里は行方がわからないままだけど」

穂乃果 「いや〜、今日もパンがうまい」

希 「そういや穂乃果ちゃんの弱点てなんやったの」

ことり 「あたしたちが希ちゃんたちに誘拐されてメンタルが弱って推理がまったくできなかったんだって」

穂乃果 「言っちゃだめだよ」

希 「そ、そんなことやったんや」

それから一年間、絵里はともかくにこもなぜかまったく姿をあらわさず平和な時が過ぎていた。

海未 「事件が起きません……」

希 「平和やん」

真姫 「誘拐した犯人が警察官になるなんてあり得ないしぬけぬけというし」

凛 「にこちゃんいないままにゃ」

花陽 「きっと警察官採用試験に落ちたんだよ」

穂乃果 「かわいそう」

にこ 「こらー!!」

ほのことうみまきりんぱなのぞ 「」ビクッ!?

ことり 「に、にこちゃん……?その制服は」

にこが身に付けていた制服はキャリア組の制服であることにことりは気づいた。
ついでに希はにこをよく見た。さらによく見た。スピリチュアルが何か言っている、と。

希 「にこっち身長伸びたん?」

にこ 「」ギクッ!?

凛 「どれどれ……りんより身長あるにゃあ」

花陽 「ほ、本当です!?」

穂乃果 「それより去年の警察官採用試験は落ちたの?」

にこは床に膝まずいてガックリ肩を落とした。海未は穂乃果を小突いた。

穂乃果 「いたいよ」

海未 「ひとがいやがることを言ってはなりません」

にこ 「ふふふ、たしか穂乃果のいう通りよ。実は試験は落ちたの」

海未 「お気の毒です」

にこ 「でもそれは身長が足らなかったの!ためしに警察官採用試験の模試を受けたら……合格ラインだったの!一年経ってようやく採用される身長になったのよ」ドヤ

穂乃果 「ほ、ほのかよりちいさいよ」

にこ 「」ガアア!

にこ 「見なさいこれを!警視正よ警視正!」

No.76 17/01/10 16:05
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にこが出した警察手帳には警視正の階級がたしかにあった。
試験に合格してからさらに試験を受けてキャリア街道を走っていたという。

にこ 「参ったか穂乃果!」

穂乃果 「」

海未 「ショックのあまりに言葉がないようです」

真姫 「あのにこちゃんがこんなに偉くなったんだものね」クルクル

穂乃果はパンをポケットから出して口に入れた。

穂乃果 「パンをどこに入れてたか忘れてたよ」

にこ 「こらー!スルーしないの」

穂乃果 「そ、それで矢澤警視正はなにかご用なの?」

矢澤警視正という階級と名の響きににこは感激した。穂乃果より偉いんだ、と。

にこ 「」コホン!

ほのことうみまきりんぱなのぞ 「」キャッキャッ

にこ 「あたしがここに来たのは」

ほのことうみまきりんぱなのぞ 「」キャッキャッ

にこ 「話を聞きなさい」

にこ 「ガールズトークしないの!」

ほのことうみまきりんぱなのぞ 「」

にこ 「あたしがここに来たのは特命係補佐の解散を命じに上層部から来たのよ」ドヤ

ことり 「ほ、穂乃果ちゃんちゃんと事件を解決してるよ。一年前までは」

真姫 「一年前まではね」

穂乃果 「解散はやだな。にこちゃんのアイドル部みたいになっちゃうし」

にこ 「ひとの過去をほじくり返さないでよ」

とにかく解散、と辞令を特命係補佐に通達が出された。
穂乃果とことり、凛に花陽はショックを隠しきれなかった。

真姫 「あたしは鑑識課に戻れるの?」

にこ 「うん」

海未 「では私は捜査一課に」

にこ 「むりね」

海未 「なんですか!その対応のちがいは!?」

特命係補佐が混乱に陥っている頃、絵里はまだ復讐を虎視眈々としていた。

絵里 「認められないわ。穂乃果に裏切り者の希、それにその他大勢」

絵里が引き起こした事件により穂乃果そして特命係補佐の存在意義が問われることになりなぜ“補佐”なのか謎が解けるかもしれなかった……。

海未 「にこ!私を捜査一課に戻しなさい」

にこ 「ぬわんでよ」

No.77 17/01/10 17:03
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絵里は復讐もあったが、かつての古巣である音ノ木坂学院を訪ねた。
いまも変わらず学院があることにホッとしないでもなかった。

絵里 「廃校にならなかったのね」

感激しながら校内を歩いているとヒフミトリオがアイドル部部室の前にいてため息をついていた。

ヒデコ 「矢澤先輩いなくなっちゃったわね」

フミコ 「スクールアイドルをやると言ってたのに」

ミカ 「いまはどうしてるのかしら」

絵里は思う。
今朝の新聞に史上最低身長の警視正が誕生したとありそれが矢澤にこだった。
これは使える、と絵里は怪しい笑みをした。

絵里 「ちょっとあなたたち」

ヒデコ 「あ!もと生徒会長さん?」

絵里 「その?はなに」

フミコ 「悪気はないですから。お気になさらずに」

ミカ 「うん」

絵里 「にこがいまどこにいるか知らないのね。実は……」

絵里が事情を説明すると、彼女たちは一様に驚いた。

ヒフミトリオ 「」エエー

絵里 「よかったら会ってあげてね」

彼女たちを利用すれば穂乃果は苦しむはずだった。

ヒデコ 「警視庁にいるなんて矢澤先輩スゴいわ」

フミコ 「なにか持っていってあげないと」

ミカ 「そうね」

絵里 「それならこれを持っていってあげてね」

絵里は秘密のカバンからあるモノを入れていた。
これがあれば高坂穂乃果は苦しむはずであり裏切り者の希もろともに痛い目に遭うはずである。
翌日、ヒフミトリオは警視庁をたずねた。

にこ 「なんでキャリアあたしが特命係補佐が解散するまでここにいるのよ」

真姫 「解散までは鑑識課に戻れないなんて」

海未 「捜査一課には」

ないわよ、と冷たい対応をされていると懐かしい顔に海未は気づいた。

海未 「あ、あなたたちは」

穂乃果 「パピコトリオちゃん」

ヒフミ 「ヒフミです!」

凛 「あ!にこちゃんだけのアイドル部を応援してた人たちにゃ」

花陽 「アイドル部を応援してたんだ」

絵里は警視庁の外を眺めていた。そこをナンパする出勤してきた米沢守。

米沢 「そこのロシアンな彼女。ボクとお茶しませんか」

絵里 「けっこうよ」

すたすたと絵里は去っていった。

No.78 17/01/14 08:15
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ヒデコ 「差し入れがあるの。まずはこれ!」

凛 「ら、ラーメンにゃあ。あたたかほくほく。湯気が天に昇るようにゃあ」

海未 「出前ですか」

フミコ 「え……と。次は小泉花陽さんにはこのごはん!」

花陽 「は、はい!?うわあ〜♪できたてのほかほかです」

りんぱな 「いただきます!」バクバク!

にこ 「それにしてもこれはあなたたちが作ったの?」

ヒデコ 「いえたしかもと生徒会長さんの絵里先輩からなんです」

希 「あかん!ふたりとも食べたらあかん」

りんぱな 「え?食べちゃったよ」ゴチソウサマ!

ことり 「な、なんともない……の?」

にこ 「ち、ちょっと待ってよ!凛と花陽の身体が大きくなって唯一の出入り口の扉を塞いでるわよ!?」

ほのことうみまきりんぱなのぞ 「ええ!?」

凛 「ごっつあんにゃ」

花陽 「二倍二倍♪」

にこ 「二倍どころじゃないわよ!!圧迫されているし」

真姫 「た、ただでさえ特命係補佐は……せまいから……」

海未 「室内の酸素がなくなるおそれもありますね」

にこ 「なんとか位置を確保できたわね」

希 「にこっちはこういう時は便利やな」

にこは真姫を側に寄らせてなんとか位置を確保したが、どちらにせよ凛と花陽の身体が巨大になったせいで狭い室内に十一人もいるのだ。

穂乃果 「はあ、息がつけたよ」

ことり 「本当だね」

海未 「あのふたりとも。なぜ私の胸の方に顔があるのですか」

穂乃果 「胸の上より下の方が空間あったんだよ」

ことり 「こういう身体は便利だね」

凛 「ごっつあんにゃ」

花陽 「三倍三倍♪」

海未 「と、とにかくなんとかしませんと」

ヒデコ 「そ、そういえば絵里先輩のカバンにはまだいろいろあるはず」ガサゴソ ガサゴソ

フミコ 「スマホだ」

ミカ 「かかってきたよ!?」

穂乃果がスマホを手に取り呼びかけた。

穂乃果 「も、もしもし?」

絵里 「久しぶりね。高坂穂乃果」

希 「えりち!?」

外部音声にしてみんなに彼女の声が届いた。

No.79 17/01/14 11:53
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穂乃果 「も、もしもし?」

絵里 「私の声が聞こえてるようね」

穂乃果 「え、エリツィン元大統領さん!?」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「」コケッ!

絵里 「絵里!絢瀬絵里よ!」

穂乃果は逆探知を真姫にやらせた。

穂乃果 「自分の名前を言っちゃってるよ」

絵里 「はっ!どうでもいいでしょう!それより花陽と凛は風船のように膨らんだようね」

りんぱな 「ごっつあんです」

ことり 「なにをしたの!」

絵里 「ふふふ、食べたものに太る栄養剤を入れたのよ」

海未 「おそろしい」ジー

穂乃果 「ほ、ほのかは一口も食べてないよ」

真姫 「なにが目的なの」

にこ 「そうよそうよ。キャリアなにこにーまで巻き込んで!」

穂乃果 「真姫婚で?」

絵里 「?」

にこ 「ほのかは流れを止めないで」テレテレ

真姫 「と、とにかくなにが目的なの」

特命係補佐にいる面々にしか穂乃果の表現は伝わらなかったようだ。

真姫 「(ほんと穂乃果のせいで巻き込まれたわよ)」

絵里は目的を語った。
高坂穂乃果に復讐をするために、特命係補佐から出られないようにした、と。

海未 「凛に花陽なんとかなりませんか」

りんぱな 「むり!」

ことり 「ツンツンしてもぷにぷに跳ね返るし」

角田 「大丈夫か、みんな!?」

伊丹 「特命係補佐の園田海未〜!!」

海未 「その肩書きは言わないでください」

絵里 「む、無視しないの!!」

凛と花陽越しに角田や伊丹たちがやって来たが彼らには壁にしか見えなかった。

右京 「困りましたね」

相棒 「なにがです?」

右京 「いまにわかります」

右京の言葉は謎だった。
しかし絵里は勝ったも同然と電話を切った。

希 「切りよった」

真姫 「希!絵里がいそうなところは」

希 「空港かな。ホームシックになりやすいし」

伊丹 「空港だ」

希 「いやいや明るいところかな」

三浦 「明るいところ?たくさんありますね」

希 「あとはロシア料理店かな」

芹沢 「そこだ」

三人バラバラであり角田たちも協力することにした。

No.80 17/01/14 14:18
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絢瀬絵里は双眼鏡で見ていた。特命係補佐の窓に映る困った穂乃果たちを。

絵里 「勝ったわね」

しかしヒフミトリオは凛と花陽の隙間から運よく出れた。

ヒフミ 「出れた」

角田 「民間人を三名保護しました」

捜査本部はすぐに立ちあげ喜びの声が上がった。しかし穂乃果たちは相変わらず補佐室に閉じ込められた。

ことり 「出れないよ」

海未 「絵里のカバンを調べましょう」

真姫 「なぜにこちゃんは出れないのかしら」

にこ 「ぬぬぬ……ぬわんでよ!?」

りんぱな 「」

穂乃果 「まったく絵里ちゃんめ。ほのかたちをこんなところに閉じ込めるなんて」

海未 「自分の職場ですよ」

希 「教科書にノートに筆記用具、色紙、妹の亜里沙ちゃんの写真にお祖母さんのアルバムやん」

海未 「学校にまた通うつもりでしょうか」

絵里は双眼鏡を見て思った。中身を間違えたことに気づいて慌てバイク便に頼んだ。

バイク便 「すみません。特命係補佐の方、その荷物は間違えたたようです。こちらです。届きましたか?」

りんぱな 「はい」

真姫 「じゃあこれはバイク便に返して」

にこ 「伊丹!バイク便を尾行するのよ」

伊丹 「わかってます!」

伊丹たちはバイク便をパトカーで追跡した。

伊丹 「ったくどこまで行きやがるんだ。空港?」

三浦 「明るいところにホームシック!推理通りですね!」

芹沢 「いやいやわからんぞ」

バイク便の荷物はそのままロシア便の飛行機に積まれて空へ飛んでいった。

絵里 「(危なかったわ。ロシアの実家からまた送り返してもらいましょう)」アセアセ

伊丹 「出張費が出ないじゃないか」

三浦 「にこ警視正がいたら荷物でロシアで行けたのに」

芹沢 「補佐室に閉じ込められたからな」

伊丹たちは諦めて本庁の捜査本部にもどった。
あらためて穂乃果たちは絵里からのカバンを開けた。

No.81 17/01/15 06:27
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にこ 「とにかく絵里のカバンから手がかりを探すわよ」

りんぱな 「あたしたちは?」

真姫 「なにもできないでしょう」

りんぱな 「」

ことり 「指令書?一枚目?」

穂乃果 「これは!缶ジュースいただきます!」

海未 「待ってください。これは」

真姫 「なになに?『海未に炭酸を飲ませながら自己紹介をマイクを通してすること』ですって」

海未 「え、炭酸」ガクガク

穂乃果 「はい」

海未 「すんなり渡さないでください。こ、これは炭酸いっぱいのコーラ」

その頃、絵里は特命係補佐内の様子をどこかで見ていた。

絵里 「ウフフ、あの海未が怯えてるわ」

海未 「ひ、一口だけためしに」ゴクッ

海未 「」プシャー!?

ほのことまきにこ 「」(/≧◇≦\)キャー

希 「おのれえりちめ」

真姫 「なにひとりだけ安全なところへいるのよ」

希 「てへ☆」

海未 「じ、自己紹介ですね。ゴクッゴクッ……。私は園田海未。もとは捜査一課に所属してた一刑事。実家は園田道場を経営。ゴクッゴクッ……。ダメですっ!?」プシャー!

穂乃果 「」(/≧◇≦\)キャー

穂乃果 「ほ、ほのかな炭酸をかけていいから!」

ことり 「身を挺して守る穂乃果ちゃん。上司の鑑だよ」

ほのうみ 「」プシャー キャー プシャー キャー

海未 「とんでもない目に遭いました」

穂乃果 「顔が炭酸てべとべとだよ」フキフキ

希 「えりちはみんなの弱点を調べたんかいな」

凛 「こ、こわいにゃ」

にこ 「なんておそろしいことを」

伊丹 「矢澤警視正、だいじょうぶですか」

にこ 「いまのところは。そんなことより絵里を見つけなさい」

伊丹 「わかっていますがなかなか」

絵里の居場所はいまだに不明だったことが捜査の足を鈍らせていた。

右京 「特命係補佐のひと聞こえますか」

穂乃果 「う、右京さん」

右京 「いまは耐える時です」

穂乃果 「ほのかがんばる!」

海未 「」👼

ことり 「海未ちゃんが炭酸で倒れたよ」

危機的状況を迎える特命係補佐は絶体絶命だった。

No.82 17/01/15 06:43
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真姫 「『次は凛ね。いつもにゃあにゃあ言って犬か猫かわからないんだから』そのくだりいる?」

海未 「」ムックリ

ことり 「海未ちゃん起きた」ペシペシ

海未 「起きましたから叩かない」

希 「次はなんやろ」

にこ 「妙に生臭いんだけど」

真姫 「こ、これは生魚!?マグロにシャケにアジにサバ!?」

凛 「」ガクガク ブルブル

花陽 「しまった!?凛ちゃんの生の魚を見ると恐怖で震えるんです」

希 「おそろしい攻撃やな」

海未 「あ、あの調理すればいいのでは」

穂乃果 「サバだけに捌くだね!」

にこ 「なるほど。ことりいくわよ!」

ことりとにこは手にしたサバイバルナイフなどで三枚におろしたり刺身にした。

凛 「美味しそうにゃ」

花陽 「でもこの身体だと食べられないよ」

穂乃果 「いただきます」

海未 「待つのです。絵里のことだからきっとなにかあるはず」

にこ 「とりあえず冷蔵庫にいれとくわ」

ことり 「捌いちゃったから早く食べたいけど事件解決まではがまん!」

穂乃果 「」エー

希 「おそろしいな。いまのえりちは。ただ者やないで」

No.83 17/01/15 10:39
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にこ 「『次はことり。高坂穂乃果と付き合いが長くもっとも信頼が厚いらしい。苦しめてやるわ』だって」

真姫 「こ、これはにんにくっ!?」

ことり 「ぴいっ!?」

穂乃果 「ことりちゃん落ち着いて!」

海未 「そうです。落ち着くのです!」

真姫 「手紙には続きがあるわ。なになに『鑑識課の米沢とかいう人ににんにくを使い餃子をつくってもらいなさい』なんですって!?米沢さんを呼んではダメよ」

米沢 「凛ちゃんと花陽ちゃんの背後にいますが」

真姫 「なんでいるのよ!」

穂乃果 「ほ、ほい。にんにくだよ」

米沢 「たしかにいただきました。少々お待ちください」

海未 「なぜ渡すんですか!?」

穂乃果 「こういう場合は脅迫犯に従うんだよ」

ことり 「そうだけど」ウルウル シクシク

米沢 「できました。どうぞ」

まきにこ 「はやっ!?早くない」

りんぱな 「出番がほしい」

穂乃果 「ことりちゃん頑張って!」

ことり 「にんにくの匂いが……ひ〜ん!?」

穂乃果 「」ギュッ

ことり 「ほ、ほのかちゃん……」

穂乃果 「にんにく入りの餃子をほのかと思って食べて……♪❤」

りんぱな越しに警視庁全体に穂乃果の言葉は伝わった。

伊丹 「しゃくだがさすがに警部殿だ」

三浦 「僕がことりさんの代わりににんにく入りの餃子を食べたかったのに!」

芹沢 「おい」

米沢 「この不肖米沢が脅迫犯に手を貸してしまうとは。ん……?それは」

角田 「犯人の写真だよ」

米沢 「私、今朝方警視庁そばの通りでナンパして見事にフラれました」

伊丹 「それを先に言え!」

穂乃果 「イタミン!頑張って!」

ことり 「ことりは?」

穂乃果 「最初の一口だよ」アーン

にこ 「餃子を食べるだけなのになんかえらい緊張感ね」

真姫 「次の標的は誰かしら」

餃子を咀嚼しゴクッ、とことりは一口をなんとか飲み込んだ!
凛と花陽は居眠りしていた。

りんぱな 「」( ̄q ̄)zzz

海未 「緊張感ないですね」

遠くから見ていた絵里は悔しがった。

絵里 「まだしょせんは一口よ……!」

No.84 17/01/15 11:33
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穂乃果 「最後の一個だよ」

ことり 「が、がんばる……」シクシク

穂乃果 「」ジー

ことり 「ほ、ほのかちゃんに見つめられながら食べると美味しく思えるよ」

海未 「ラブラブになってる時ですか!?」

凛 「嫉妬だにゃ」

花陽 「みっともないです」

海未はむっとしながらも堪えた。穂乃果のような上司のもとにいるから散々です。
しかし、穂乃果にはカリスマ性があるのか。真姫やにこも見守っていた。

ことり 「」ゴクン!

ことり 「やったよ!」ギュッ

穂乃果 「!?に、にんにくくさいことりちゃん!?」ガバッ!

にこ 「穂乃果がことりを離した!?」

ことり 「ほのかちゃん」ウルウル

それを見た絵里はほくそ笑んだ。

絵里 「いままでは伏線だったのよ。仲間割れしなさい」

穂乃果 「水を飲んだりブレスケアをしようね」

ことり 「そうだね」

絵里 「なに!?その手があったの。認められないわ」

絵里はプライドを傷つけられたがまだにこに真姫に花陽、裏切り者の希がいる。

ことり 「」ハア

りんぱな 「にんにくの匂いがちょっとになった」

ことり 「やったね」(^-^)v

続いてカバンから出てきたのはロシアの氷で冷やされたみかんだった。

真姫 「み、みかんっ!?」

希 「次の標的は真姫ちゃんかいな」

海未 「『鑑識課を追い出された西木野真姫。たいした恨みはないけど自分で皮を剥いてみかんを食べなさい』なんとおそろしいことを!?」

にこ 「真姫ちゃん?」

真姫 「みかんを食べる時はいつもスィーツ店のオレンジか缶詰なのに」

にこ 「自慢?」

真姫 「ちがうわよ!」

震える手で真姫はみかんを手に取った。皮に触れ爪を入れゆっくり剥いていく。
ヴェェ、とすでに瞳から水滴が落ちていた。

穂乃果 「が、がんばるんだよ」

ことり 「苦手なものを出してくるなんて」

希 「いまのえりちはおそろしい復讐鬼や」

穂乃果 「オニは海未ちゃんだよ?」

海未 「ほのか!」

絵里 「別な形で仲間割れしてるんだけど」

真姫はみかんをひとつずつ皮を剥いてはなかのみかんを食べていった。

No.85 17/01/15 13:02
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にこ 「な、なに?食べてるじゃない」

真姫は苦手と言いながらぱくぱくと口に入れていた。

絵里 「な、なぜ」

その疑問はすぐに解けた。

真姫 「手がきたなくなるのが苦手なの!中身や味は特になんでもないの!」

穂乃果 「だって!」

米沢 「この米沢守。かつての部下ががんばる姿に感激し感涙のいたりです!」

真姫 「ほら、食べたわよ!」

米沢 「真姫さんが食べたみかんの皮などはこの米沢が鑑識課で保管いたします!」

真姫 「鑑識して絵里がどこで手に入れたか調べなさい!」

りんぱな 「」

凛 「いつまで壁に挟まってるかにゃ」

花陽 「戻らない」

米沢は凛と花陽の隙間からみかんの皮を手に入れ鑑識課に向かっていった。

伊丹 「容疑者はどこにいるんだ」

三浦 「希さん」

芹沢 「かつての共犯者である東條希に事情さえ凛と花陽に阻まれていて聞くに聞けん」

りんぱな 「ごめんなさい」

希 「出てきた!次の指令書や!なになに『にこのために激辛カレー、キムチ、麻婆豆腐、コショウをたっぷり入れたラーメンを食べること』やって」

にこ 「く、あたしに恨みはないんじゃないの」

希 「『P.S 恨みはないけど特命係補佐のなかに入ってるから。ついでよ』やって」

ぬわんでよ!、とにこが叫んでいる間に米沢が書かれていた料理を凛と花陽の隙間から差し入れた。

真姫 「鑑識しなさいよ!」

米沢 「してます」

伊丹 「うむ。矢澤警視正頑張ってください」

三浦 「見守りますから」

にこ 「見守るより捜査に行きなさいよ」

テーブルの前に並べられたのは激辛料理ににこは額に汗を浮かべた。見守る穂乃果たち。

穂乃果 「いままでのなかでは豪華だね」

ことり 「餃子一品だけだったし」

真姫 「あたしはみかんだけ」

にこ 「く。なんていうやり方なの絵里」

希 「葛藤しながら食べないようにしてもえりちはどこからか見てるはずやで」

にこ 「食べるわよ」

激辛カレーにスプーンに入れにこは口に入れた。
辛い〜!?とにこはちいさな身体をじたばたさせた!

海未 「耐えるのです」

にこ 「自分の番が終わったからて」

No.86 17/01/15 16:14
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凛 「ら、ラーメンにゃあ……」ギシギシ

花陽 「り、凛ちゃん動いたら特命係補佐室がこわれるよ?」

穂乃果 「こわれたらふたりの給料から天引きだよ」

ことうみ 「穂乃果(ちゃん)の方が鬼」

にこ 「これだけ辛いものを用意するなんて絵里め」

希 「ああ見えて根に持つからなえりち」

にこ 「か、カレーはクリアーしたわよ」

真姫 「カレーだけでにこちゃんサウナにいるみたいな汗」

凛 「ラーメンが伸びちゃうにゃ」

にこ 「宇宙ナンバー1ポリスアイドルを舐めないでよ」ガツガツ!ギャー!🔥🔥🔥🔥

穂乃果 「醤油、味噌、塩、とんこつラーメンを食べながら火を吐いてるみたいだよ!」

にこ 「怪獣か」

穂乃果 「シン・ニコチャン公開迫る。いや後悔だよ」

希 「緊迫しとる」

なんだかんだでにこは激辛料理を食べまくり顔は汗で疲弊しきっていた。

にこ 「はあはあ」

真姫 「にこちゃんよくやったわ」ギュッ

にこ 「」/////

凛 「ラーメンを食べたかったにゃあ」ギュルルル

花陽 「お腹の音かな?」ギュルルル

米沢 「いまおふたりは空腹感をおぼえています。もうすぐ脱出できるはずです」

りんぱな 「」ワーイ

海未 「そういえばここからかなりの時間閉じ込められてます」

ことり 「」モジモジ

にこ 「ぐ」

真姫 「まずいわね。花を摘みにいきたいのに」

穂乃果 「特命係補佐室だよ?」

ことうみまきにこ 「と、トイレよ!穂乃果はなんともないの!?」

穂乃果 「ほへ?」

そう、長時間もの間特命係補佐室に閉じ込められたため何人かの特命係補佐にいた彼女たちはトイレに行きたくてもいけなかった。
凛と花陽が出入口を塞いでいたから。

凛 「ご、ごめんにゃあ」

花陽 「ごめんなさい」

穂乃果 「それにしても絵里ちゃんはどこに?」

希 「きっと近くで見てるはずや」

真姫 「このふたりはトイレ平気なの?」

No.87 17/01/15 18:59
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右京 「やはり犯人は彼女たちを閉じ込めることで苦しめるのが狙いだったようです」

相棒 「それが狙いか」

海未 「が、我慢です」

ことり 「餃子を食べたせいで消化は遅いはずだけど」

凛 「ラーメンが」

真姫 「おのれ絵里」

希 「なんていう恐ろしい復讐なんや」

穂乃果 「次はあたしか希ちゃん?これは」

カバンから現れたのはオマケ付きのキャラメルだった。

希 「き、キャラメルやんか」

穂乃果 「苦手なの」

希 「ウチの弱点までえりちは知りつくしてたか」

穂乃果 「『裏切り者の希。あなたにはキャラメルの刑がお似合いよ。穂乃果がオマケをすべてフルコンプするまで食べてもらうわ』だって」

海未 「つ、つまりは穂乃果にもすべてが」

ことり 「かかってるんだ」

にこ 「フルコンプですって」

真姫 「ぜんぶで何種類あるのよ」

それぞれ箱を手にして叫んだ。

ことうみまきにこ 「ニ十六種類っ!?」

希はキャラメルを手にした。四角い灰色の形、甘い匂い、口に溶けるあの感触が苦手なのだ。
しかし一口いれた。

希 「」シクシク

にこ 「あの希が泣きながらキャラメルを口にしている」

真姫 「意外だわ」

凛 「お腹空いたにゃ」

花陽 「」

凛 「かよちん?」

花陽 「」キョロキョロ

花陽 「どこかに絵里ちゃんはいるはず。なぜかそう感じるかも……です」

伊丹 「警視庁内にいるかもしれん!三浦芹沢いくぞ」

三浦 「真姫さんとことりさんは助けます」

芹沢 「こいつは」

伊丹たちは警視庁内を探し回った。
米沢はみかんの皮を鑑識していた。
角田たちも絵里の行方を探した。
その頃の絵里は。

絵里 「ふ〜、あぶなかったわ」

トイレにいた。
しかし伊丹たちはまったく気づかなかった。角田たちも。

No.88 17/01/16 06:09
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穂乃果 「わ〜い!オマケが出たよ」

海未 「」ジー

穂乃果 「ほのかマジメにしてるよ!がんばれ希ちゃん!」

にこ 「これで穂乃果は苦しんでいるの?」

真姫 「絵里は何を考えているのよ」

希 「キャラメル苦手や!」

ことり 「甘くて美味しいよ」

希 「えりちめ」

絵里 「うふふ」

凛 「お腹すいたにゃあ」

花陽 「ちょっと天井に隙間が空いたよ」

伊丹 「矢澤警視正!無事ですか」

にこ 「無事よ!捜査にいきなさい」

米沢 「わかりました!これはロシア製のキャラメルです」

右京 「なるほど。絢瀬絵里はロシアから来た。しかし日本にもキャラメルはあるはずなのにふしぎですね」

右京が特命係から出てきたことに伊丹たちは顔をしかめるが、右京の実力は認めないわけにはいかない。

伊丹 「警部殿、それがなにか」

手で制され右京は穂乃果に聞く。

右京 「穂乃果さんオマケは何でしたか」

穂乃果 「キャラメルはロシアのだけどオマケはタイムスリップキャラメルのミゼットだったよ」

なるほど、と右京は頷く。右京は米沢に耳を打つ。

米沢 「なるほど。懐かしの昭和テーマパークですか」

伊丹 「昭和のテーマパークだ!行くぞ」

やれやれ、と右京は相棒と共に再び特命係に戻っていく。

相棒 「米沢さんがバラしてましたよ」

右京 「昭和、つまりは絵里さん本人がいるとは限りません」

右京の言葉は謎だった。
希はキャラメルを口にして穂乃果はオマケをそろえていた。

穂乃果 「五種類そろえたよ」

希 「ウチは五箱食べたんやな」

海未 「太りますね」

希 「ちょっとみんなより胸が大きいだけ」

凛と花陽の身体はだんだん元に戻りはじめていた。

凛 「にゃ?」

花陽 「おお〜!?」

真姫 「も、元に戻ってるわ!?」

にこ 「と、トイレ〜!?どきなさい!」

りんぱな 「」ポヨヨ〜ン!?

にこ 「なんて弾力なの」

花陽 「肌がぷにぷにだから♪」

凛 「こういうかよちんも好きだにゃあ」

絵里 「タイムリミットが近いなんて」

No.89 17/01/16 09:57
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希 「甘いねん。やわらかいねん。四角いねん」シクシク シクシク

穂乃果 「希ちゃん泣くほどうれしいんだね」

ことうみまきにこ 「ちがうし」

凛 「お腹空いたよ」

花陽 「いつまでこのまま」

にこ 「花陽」

花陽 「花陽ですが」

にこ 「あんたと穂乃果だけいまのところなにもないのね」

穂乃果 「ふぅ、オマケは半分になったよ」

海未 「子どもですか」

穂乃果 「ウチは和菓子屋だからオマケに縁がなかったんだよ」

ことり 「そうだよね。和菓子になかなかオマケつかないもん」

そういうものですか、と海未は吐息をついた。ことりが吐息をつくとにんにくの匂いが室内に広がった。

ほのことまきにこりんぱな 「うっ!?」

ことり 「どうしたの!?」

真姫 「あなたのにんにくの匂いよ」

ことり 「はあ、まだ匂いあったんだ」

穂乃果 「にんにくの匂いすることりちゃん」

りんぱな 「か、身体が縮んできてる!?」

ふたりの身体は少しずつだが身体が戻ってきていた。瞬間的ににこはまた逃げようとしていた。

にこ 「いまよ!」💨

真姫 「」

にこ 「!?ぬわんでよ」

りんぱな 「まだ身体がぼよよん♪だよ♪」

絵里 「あぶないあぶない」

伊丹 「絢瀬絵里はどこにいるんだ!?関東中のテーマパークや花屋敷にも行ったのに!」

三浦 「美人なのに」

芹沢 「こいつら」

絵里 「(美人と言われたわ)」

希 「あないなポンコツすぐ見つかるはずなのに」ウルウル ウルウル

絵里 「(がんばるわね)」

穂乃果 「残り六つだよ!!」

希はキャラメルの甘い汗をかいていた。

No.90 17/01/16 15:47
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穂乃果 「最後の一個が出ないよ」パカパカ!

希 「穂乃果ちゃんいっぺんに開けたらあかん」ウルウル ウルウル

海未 「穂乃果なにをやっているのですか」

真姫 「いつもの推理はどうしたのよ!?」

にこ 「ここまで穂乃果が役にたたないなんて」

凛 「か、身体が戻るにゃあ」

花陽 「あ!戻った!?」

ふたりの身体はみるみるうちにもとのサイズに戻った。瞬間、トイレに行きたい海未たちは出入り口を駆け抜けた。

ことり 「トイレ!トイレトイレ!」

絵里 「きゃ」

海未 「トイレです」

絵里 「」クルクル

にこ 「待ちなさい!あたしが先よ」

真姫 「トイレ〜!!」

絵里 「」クルクル クルクル

伊丹 「容疑者はどこにいるんだ」

凛 「トイレトイレ」

花陽 「花を摘みにです」

希 「ヴェェ……キャメル苦手やんか」

穂乃果 「み、みんないなくなっちゃった……」

右京 「犯人の狙いは高坂穂乃果の信頼の失墜かもしれませんね」

相棒 「すると」

右京の推理通りトイレから戻った海未たちは一様に穂乃果に不信の目を向けた。

海未 「穂乃果なぜ希を救えなかったんですか」

ことり 「穂乃果ちゃん」

真姫 「あなたらしくない」フン

にこ 「情けない」

穂乃果 「にこちゃんほどじゃないよ」

にこ 「警視庁から追い出すわよ」ガアア!!

凛 「まったくだにゃ」

花陽 「しかし絵里ちゃんはどこに」

右京 「すでに逃亡しているでしょう」

海未 「杉下さん!?」

右京の言う通りであり絵里は運よく警視庁から出れた。

絵里 「目が回る〜♪あ!出れたわ!」

米沢 「そこのロシアンな美人さん。鑑識課で鑑識されないかい?」

絵里 「けっこうよ」

フン、と髪を靡かせ去ってゆく彼女の顔に米沢はなにかを思い出す。

米沢 「特命係補佐の高坂穂乃果警部を脅した犯人!?まて〜!!」

絵里 「やばっ!?」

一目散に彼女は夜の街に逃げていった。

No.91 17/01/17 07:14
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海未 「もう穂乃果は信用できません!あなたは最低です」

ことり 「あたしも今回のことはお母さんいいえ上司に報告しないと。ごめんね」

にこ 「特命係補佐はこれで解散ね」

真姫 「それもそうよね」

凛 「派出所からまたはじめるにゃ!」

花陽 「食堂勤務はダメだから凛ちゃんといっしょにいるかにゃ」

希 「そういえば花陽ちゃんの苦手なものはなかった」

右京 「簡単なことです。犯人の絢瀬絵里は彼女の苦手なものを用意できなかったのです」

ほのことうみまきりんにこのぞ 「」エッ

右京 「小泉ぱなよさん」

花陽 「は、花陽です」

右京 「あなたは食べ物で苦手なものはありましたか」

花陽 「ないです」

なるほど、それで花陽は今回の危機をまぬがれたか理解した。
しかし穂乃果への不信は募るばかりだ。海未は懐に入れた辞表届を出した。

海未 「辞めさせてもらいます!」

ことり 「あたしは休暇届を」

にこ 「」フン

真姫 「あたしは鑑識課に戻れるみたいだから」

希 「ウチは穂乃果ちゃんの推理に惹かれたんやけどな」

穂乃果 「だ、だって集中できなかったんだよ」ウルウル ウルウル

凛 「派出所勤務から秋葉原を守るにゃあ」

花陽 「穂乃果ちゃん」

ひとりまたひとりと特命係補佐から去っていった。右京と彼の相棒、角田たちは見守るだけだった。
穂乃果は初めての敗北そして仲間たちを失ったことで胸の内に隙間ができたようだ。

穂乃果 「ごめんねみんな……」

そこへ絵里を逃がした米沢守がやってきた。

米沢 「絢瀬絵里を見かけました」

伊丹 「なんだと!?」

三浦 「美人ですね」

伊丹 「すぐに見つけるぞ」

しかし彼女の行方はまたもわからなかった。

No.92 17/01/17 20:49
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穂乃果は泣いていた。
絵里への敗北感か。海未たちを失ったことへの喪失感か……。
オマケ25種類を見つめながらとぼとぼと警視庁を去っていき穂むらでひとり酔っていた。

穂乃果 「雪穂おかわり〜」

雪穂 「ハイハイ。ていう烏龍茶でよく酔えるわよね」

穂乃果 「ほのかはえらいんだよ!」

ハイハイ、と雪穂は烏龍茶やつまみを用意した。聞いたところによると今回の容疑者にはかなり振り回されようやく出来た仲間たちにも裏切られて悲しみに暮れていた。
そこへ伊丹たちから逃げおおせた絢瀬絵里がふらりとやって来た。

雪穂 「いらっしゃいませ」

ハラショー!?、と彼女は店内に天敵高坂穂乃果がいることに驚き慌て髪をポニーテールから下ろした。変装のつもりだった。おそるおそる店内に入り穂乃果と距離を取った。

絵里 「グレープジュースとつまみをテキトーに」

はい、と愛想笑いをしながら雪穂は用意した。グレープジュースの甘さが伊丹たちからの追走で疲れた身体を癒していた。

絵里 「(食べたら勘定を払って逃げましょう)」

そう思った時だ。
穂乃果と目があってしまい彼女は素早く絵里に寄り抱きついた。

穂乃果 「エヘヘ、お姉さん聞いてくれる〜。ほのか失敗しちゃったの。海未ちゃんやことりちゃんたちにも嫌われて」びええ〜!(ToT)

絵里 「そ、そう」

こうもうまくいくとは思わなかったがあまりに穂乃果の泣きじゃくる姿に複雑な気持ちがした。

穂乃果 「聞いてよ!ほのかしっかりオマケを開けたんだよ!25種類だよ」

絵里 「そ、そうなの」

雪穂 「ごめんなさいお客さん。ウチのバカ姉貴ヘマをして荒れてるの」

自分が原因とは言えないしまさか高坂穂乃果の実家の居酒屋に寄ったことに絵里はむしろ言葉がなかった。
ヤバイ、逃げようと思うが酔った穂乃果は離す気配がまったくない。

絵里 「(弱ったわね)」

穂乃果 「なにが?」

絵里 「な、なんでもないから」チラッ

居酒屋でよもや酔った穂乃果につかまるとは思わなかった絵里はなんとか逃げれないか考えた。
その頃、特命係補佐室には隣の特命係から右京と相棒、米田が箱を調べていた。

右京 「絢瀬絵里。彼女はもとから26種類揃えるつもりはなかったでしょう」

No.93 17/01/19 11:59
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右京と彼の相棒、米沢は箱にあるすべてのオマケを開けた。

右京 「やはり25種類しかありません。絢瀬絵里はわざと1種類だけ抜いていたのでしょう」

相棒 「高坂穂乃果からみんなから信頼されないように」

米沢 「とんでもない美人のやり方です。感心します」

右京 「しかし穂乃果さんはいまは失意にあります。はたしてみんなから信頼を取り戻せるか」

相棒 「むずかしいところです」

米沢は鑑識にかけると言いながらしっかり自分のコレクションにしようとしていた。
その頃、海未たち七人はお洒落なバーで愚痴を言い合っていた。

海未 「穂乃果にはがっかりしました」

ことり 「もう海未ちゃんひどいよ。あたしも報告はしないといけないけど」

にこ 「当然ね」

真姫 「いつもの冴え渡る推理が働かないなんて穂乃果らしくない」

凛 「バーだと食べた気がしないにゃ」

花陽 「りんちゃんあとで食堂いこうね」

凛や花陽にはお洒落なバーは不向きであるようだった。味は美味だが量の問題であった。

海未 「帰ります。美和子が待ってますから」

しかし帰ると美和子のもとにかつての憧れの刑事の亀山がいた。

海未 「ただいま、てなぜ亀山さんがいるんですか」

亀山 「お前、先輩についてその口の聞き方はなんだ」

美和子 「久しぶりに帰ってきたんだって」

海未 「は、はあ。申し訳ありません」

しかし亀山と美和子から思わぬことを言われショックを受けた。

亀山 「オレたちケッコンするから」

美和子 「ごめんね海未ちゃん」

同棲してたはずの美和子に言われ海未は再びショックを受けた。

海未 「ひどいですよ美和子さん」ウルウル

美和子 「そんなことより上司を悪く言っちゃダメ!」

いきなりの別れなのに穂乃果を悪く言ってたのを咎められ涙を流した。

亀山 「高坂穂乃果といえばたいした刑事だぞ。ちょっと変人だけどな」

海未 「……」ウルウル

フラレたことで先輩刑事亀山の言うことがほとんど耳に入らない海未だった。

No.94 17/01/19 16:56
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ことりはかつての右京の上司である小野田と隣にいる母であるおやどりに今回の事件の報告書を渡し伝えた。
小野田は言う。

小野田 「杉下右京がオマケが25種類しかなかったことを見抜いたよ」

驚きの顔でことりは顔を上げおやどりが娘であり部下である彼女を励ますように言う。

おやどり 「穂乃果ちゃんいえ高坂警部はなにも間違えてなかったの」

ことりはなんてことをしてしまったのか、と頬に涙が伝った。
その頃、にこは満面の顔で内村警視長と中園警視正を今回の事件についておなじように伝えていた。

内村 「いやいや矢澤くんよくやってくれたよ」

中園 「これで忌々しい特命係補佐はなくなるよ」

二人の上司はにこと同じく満面の笑みで褒め称えたかと思えば彼らはすぐさま手のひらを返すように目つきを変えた。

内村 「だがキミまでが特命係補佐に残るとはなにごとだ!」

中園 「まったくです。キャリアたるものが窓際の部署で人質になるなど」

にこは変わり身が早いなと思いながら複雑な共感をしながらも意見した。

にこ 「しかし自分は高坂警部の信頼を失墜させました。それでわかっていると思いますがわたし矢澤にこと西木野真姫についてですが ……」

わかっている、と内村は手で制した。
特命係補佐を潰せば次はあの特命係である。今回の件はその布石だった。

内村 「キミと西木野真姫についてはよきにはからおう」

にこ 「にこっ!じゃなくてはっ!ありがとうございます!」

にこはにこにー全開でふたりのもとを去っていった。しかし彼女もまた利用されていたのに気づかなかった。
その頃、ようやく絵里は穂むらから逃げれた。

絵里 「な、なんなのよ。高坂穂乃果は」

秋葉原側の公園で彼女は髪をポニーテールに戻すのも忘れるほど疲弊していた。
そこを通りかかったのは唯一、飲み会に加わらなかった東條希である。

希 「えりちやん。ていうか疲れてるみたいやん」

絵里 「よほど苦しんだようね高坂穂乃果。アッハッハ!」

いまなら捕まえられるやん、と希は思いながらしばらく尾行することにした。

No.95 17/01/19 18:12
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希は伊丹たちだと捕まえられないと思い海未にlineしたが返事は思わぬものだった。

海未:フラれました。

希「気の毒やな。にこっちと真姫ちゃんはどうやろ?」

にこ:二次会三次会だからむり!

真姫:イミワカンナイ!

希「あかん、使い物にならん」

やむなく凛と花陽にlineをするとすぐさま返ってきた。

凛:いま大食い中にゃ!ラーメン!

花陽:今日こそは秋葉原に花陽の名前を刻みます!

さすがに希はブチ切れた。

希:明日からワシワシなスピリチュアルな毎日にたくなかったら来なさい!ワシワシすんで!

りんぱな:すぐにいきます(にゃ)!!

ふたりはすぐ近くの大食い専門店からやってきて領収書を希に渡した。

希 「なに?」

りんぱな 「ぜんぶ食べられなかったので後で払ってください」

仕方ない、えりちを尾行するに背に腹は変えられない。

花陽 「」ジー

凛 「背に腹じゃなくて?ムネにゃ」

ワシワシ!、とふたりともされて尾行にふたりを使うことに気づいた希は慌てふたりを起こした。

凛 「ひどいにゃ」

花陽 「助っ人にきてこれとは」

希 「ごめんごめん」

絵里 「ん?」

騒ぐ三人に絵里は気づいたようだが、希たちとはわからなかったようだ。

絵里 「とりあえずアジトに帰りましょう」

希 「どこ行くねん」

花陽 「ロシアのアジト。美味しいものあるかな」

凛 「とりあえずかよちんくっついていいにゃ」

希 「いちゃいちゃしない」

絵里がアジトにしていたのは以前のメイドカフェから三軒隣にアジトがありそこもまたメイドカフェだった。

希 「進歩ないな」

しかもそのメイドカフェは穂むらから五百メートルと離れていなかった。

希 「なにしに公園までいってん」

絵里 「ん?」キョロキョロ

希のツッコミに絵里は反応していたようだが気づかないままアジトに帰っていった。

凛 「穂乃果ちゃんの家の近くにゃ」

花陽 「絵里さんはアホなの?」

希 「言うたらあかん」

絵里はなんと夜はメイドカフェを経営してるようだった。

希 「以前に売り上げが伸びんかったのに凝りへんねんな」

No.96 17/01/19 20:02
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メイドカフェの名前は『A-RIZE MITOMERALENAIWA』だった。

希 「アライズ ミトメラレナイワ?なんちゅうネーミングセンスや」

花陽 「ロシア人のクォーターなのに英語とアルファベットなんだ」

凛 「外人さんはへんにゃ」ジー

凛は店の看板に記載されているメニューに気づいた。
ロシア風麺類多数、ロシア風ごはんメニュー多数あり、とあって瞳を輝かした。
しかも大盛りとあった。

凛 「にゃあ。かよちん見るにゃあ」

花陽 「こ、これはなんとリーズナブルな値段で大盛りですっ!?」

希 「えりちやで?めっちゃまずかったらふたりとも明日から胃袋使えへんなるんちゃう」

りんぱな 「で、ででもロシア風だし大盛り……」

希 「いったらあか……!いないやんか」

凛 「これは潜入捜査にゃ」

花陽 「潜入捜査の名目ですよ」

ふたりはかんたんに変装し店内に入ると、メイド姿の絵里が接客してきた。しかも店内は彼女ひとりであるのに驚く。

絵里 「お帰りなさいませお嬢様」

りんぱな 「(ひとりだけ〜!?)」

絵里 「お二人さまですか」

花陽 「は、はい」

絵里に案内され窓際の眺めのいい席に案内され大盛りのそれぞれ好きなメニューを頼んだ。あとから希も入りふたりのそばの席に着いた。

絵里 「ごゆっくりどうぞ」

希 「(なんで気づかへんね)」

希はいつもの髪型ではなくひとつに束ねた髪にしていただけ。
凛と花陽はそれぞれの服装を入れ換えただけであるが絵里は気づかない。

凛 「(気づいてないにゃ?)」

花陽 「(さあ)」

希 「(穂乃果ちゃんを倒したえりちやから)」

三人はそれぞれ考えたがわかるわけもなかった。ほどなく大盛り麺と大盛りライス、希の紅茶が運ばれた。

りんぱな 「(大きい!?)」

希 「!?」

希 「(なんでただの紅茶がどんぶりに入ってんねん!?ロシアのスケールなん!?)」

なぜか紅茶はどんぶりに入っていて赤々としていたことに希はスピリチュアルすぎなスケールに驚いた。

No.97 17/01/20 13:44
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りんぱな 「」バクバク バクバク!

希 「よう食べれるな。おふたりさん」

凛 「育ち盛りにゃ」

花陽 「ごはんは食の宝ですよ!」

紅茶をちびちび飲む希だったが気づけば眠っていた。凛と花陽は互いに目を合わしているとふたりもまた眠りについていた。
それを見たメイドの絵里はほくそ笑んだ。

絵里 「気づかないわけでしょう。凛に花陽、そして裏切り者の希」

希 「ワシワシ……」ワシワシ ワシワシ

絵里 「寝ててもムネをワシワシするのね。侮れないわ」

絵里は三人をメイドカフェの地下室に閉じ込めた。

りんぱなのぞ 「」💤💤💤

絵里 「うふふ」

? 「よくやった。カシコイカワイイ」

絵里 「エリーチカ!」

?「これで特命係補佐の高坂穂乃果をはじめ残りのやつらを倒し我々の天下だ」

絵里 「ハイ、故郷のロシアであなた様方に会わなければ私はロシアの永久凍土になっていました」

感謝してます、と謎の声に絵里は深々と頭を下げていた。
翌日、特命係補佐は沈んでいた。

真姫 「飲みすぎたわね」

にこ 「祝い酒と思いなさい。どうかしたの海未?」

海未 「オイオイオイオイ」(ToT)

ことり 「なにかあったの?」

海未 「同棲していた美和子と憧れの亀山元刑事がくっついてわたしはフラれました」オイオイ(ToT)

失意の海未はまるで世界の終わりがやってきたように朝から涙を流しぱなっしである。
しかし特命係補佐に穂乃果、凛、花陽、希はまだ来なかった。

No.98 17/01/20 15:26
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その頃、特命係のもとに懐かしい相棒亀山薫が姿を見せたことに右京、角田、鑑識課の米沢は再会していた。

亀山 「おひさしぶりです」

右京 「亀山くん。キミは警視庁を去ったのにどうかしたのですか」

亀山 「いやいや旅をしたり他局で右京さんみたいな刑事をしてましたがたまにはこちらの警視庁にも顔を出さないと」

米沢 「テレビ局の事情を言うのはどうかと」

角田 「オレもNHKに出た時は『相棒』の話題ははずせないからな」アハハ

しかしおもしろくないのはいまの右京の相棒だった。

相棒 「」フン

亀山 「いまの右京さんがコイツですか。よろしくな後輩」

相棒 「よろしく」アクシュ ギリギリ

亀山 「やるか」ギリギリ

互いに握手をしながら握力は並大抵ではなかった。
右京は隣の特命係補佐を気にして言う。

右京 「亀山くん。キミの後輩の園田海未くんが落ち込んでいますが」

亀山 「いやオレと美和子が結婚するんでそれで落ち込ませて……」

右京 「自分たちさえしあわせならそれでいいのですか?キミは刑事魂を持ち他人にやさしくできる刑事ではなかったですか」

オイオイ、と海未の泣き声は彼女らしくないと思った。亀山は軽率だったかと反省し隣の補佐に向かった。

亀山 「園田海未!」

海未 「私から美和子さんを取ったくせにぬけぬけと現れましたね」

亀山 「ひとをオバケみたいに言うんじゃねえ!それよりお前の相棒はどこ行ったんだ」

海未「遅刻ですかね」

ことり 「いまの海未ちゃんは精神的どエスだよ」

海未 「ハレンチです」

亀山 「絢瀬絵里を捕まえて名誉挽回してみろ!そしたらお前にも道は開けるさ!」

真姫 「イミワカンナイ」

にこ 「いつの時代よ」

亀山はいまの若い子達についていけないことに額に汗を浮かべながら考えた。

亀山 「お前たちも一警察官なら捜査しろ!そうしないと犯罪者の思い通りだぞ」

くっ、と海未は穂乃果がいつもいるはずの席を見つめた。
昨日、穂乃果は必死に戦ったのに自分は責めてしまった。それは少なくとも反省すべきことであった。

海未 「あ、穂乃果に辞表を渡したままでした」

亀山は軽くずっこけにこは「バカね」とこぼした。

No.99 17/01/20 15:53
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その頃、穂乃果は居酒屋穂むらで目覚めていた。

雪穂 「もうお姉ちゃん。昨日は飲みすぎだよ。遅刻しちゃうよ?」

毛布を肩に感じ寝ぼけ眼で時計を見るとあわてながら用意した。

穂乃果 「チコク!チコクしちゃうよ!」

あわて穂むらを出ていく穂乃果は雪穂はやさしく見守っていたが、そのさらに背後にはメイド姿の絵里が怪しく笑みをしていた。
穂乃果は警視庁になんとか遅刻寸前にたどり着いた。しかし伊丹たちに出くわした。

伊丹 「警部殿にしては昨夜はさんざんでしたね

穂乃果 「む、たしかに負けたけどほのかは次は勝つよ!」

三浦 「真姫さんとことりさんのメアドをお願いします」

伊丹 「くぉら!いくぞ」

芹沢 「警部殿、ああ見えて伊丹は心配してるんですよ」

うん、と穂乃果は礼をいい特命係補佐に向かうと海未たちと亀山がいたことに驚いた。

穂乃果 「か、かめはめ波刑事さんだ」

亀山 「できるか!?亀山だ!伊丹よりひどいな」

穂乃果 「海未ちゃんよりましだよ!」

海未 「そうです。私より……なんてことを言うのですか!それより辞表を返してください」

辞表?、穂乃果は懐を探りことりの胸をワシワシし真姫の胸を、しかたなくにこの胸を探ったがあるわけない。

ことまきにこ 「」オイ

穂乃果 「あった!辞表か。海未ちゃん次の仕事がんばって探してね」

海未 「ちがいます!返してください。私は刑事が好きなんです!警察の誇りを守りたいのです!」

う〜ん、と穂乃果は考える。

穂乃果 「だったら海未ちゃんが捜査に協力して!打倒!ゴリちゃんだよ!」

にこ 「絵里ね。絵里!ゴリだとガレッジセールになるから」

真姫 「」イミワカンナイ

海未はしかたなく頷いた。

海未 「わかりました。穂乃果に協力しましょう」

穂乃果 「ことりちゃんは?」

ことり 「昨日はごめんね。協力するよ」

ことりは昨日の一件のトリックを伝えた。すると穂乃果は考えた。

穂乃果 「ほのかは悪くなかった!」

にこ 「ふん、そんなことしても特命係補佐は解散よ」

真姫 「背は低いのに言うことはあくどいのよね。にこちゃん」

穂乃果 「捜査するよ」

スルーされるふたりだった。

No.100 17/01/20 18:56
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真姫 「にこちゃんをスルーするのはいいけどあたしをスルーするのはやめてよ」

ほのことうみにこ 「真姫(ちゃん)がだじゃれ!?」

真姫 「」カアッ

亀山 「そんなことより特命係補佐のメンバーはこれだけか」

穂乃果 「凛ちゃんに花陽ちゃんに希ちゃんだよ。あともう一名募集中かな?亀山さん入る?」

亀山 「入らねえし」

にこ 「あ、あたしは真姫ちゃんといたいしキャリアコースだから」

そこへ特命係補佐に電話がかかり穂乃果は気を引き締める。

絵里 「もしもし高坂穂乃果ね」

穂乃果 「絵里ちゃんの罠にかかるなんてほのか今度は捕まえるよ」ガチャ!

海未 「切ってどうするんですか!」

真姫 「逆探知する間さえないなんて」

亀山 「またかかってくるさ」

亀山の瞳はあたたかくも厳しくかつて特命係で経験した貫禄があった。すぐさま電話はかかってきた。

穂乃果 「もしもし」

絵里 「なんで切るのよ!」

ことり 「逆探知」

真姫 「してるわ」

絵里 「星空凛に小泉花陽、そして裏切り者の東條希を預かったわ。ついでに逆探知してもむだよ。携帯からかけてるから」

ことまき 「」ギクッ

絵里 「三人を預かっているわ。無事に返してほしくば高坂穂乃果、私に謝りなさい」

穂乃果 「なんだって!?」

海未 「謝りましょう」

亀山 「バカやろう!犯罪者にあたまを下げてどうする!絢瀬絵里を捕まえて謝らせるんだ!」

隣で聞いていた右京は亀山の熱い刑事魂にかつてを思い出し呟く。

右京 「亀山くん立派になりましたね」

相棒 「」

穂乃果 「絵里ちゃんと三人はどこにいるの」

絵里 「言うわけないでしょう!三人がどうなってもいいのね」

穂乃果 「音ノ木坂と秋葉原を厳重パトロールだよ!」

にこ 「命令は私が下すのよ」

穂乃果 「どうぞ」

にこ 「この事件は『りんぱなのぞ誘拐事件』と名づけるわ。伊丹お願い」

伊丹 「しかたねえな。もと特命係の亀山じゃねえか」

亀山 「もとや特命係はいらねえんだよ。協力してやっから」

三浦 「先輩」

芹沢 「うむ」

こうしてほぼ役に立たない矢澤にこを筆頭に態勢が整った。

No.101 17/01/21 08:58
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にこ 「役に立たないてなによ!穂乃果たちにお茶くみをして好評なのよ」

右京 「どれどれ。いただきますね。うむ、たしかに美味しいです」

にこ 「でしょう!」

亀山 「とにかく海未いくぞ」

海未 「呼び捨てにしないでください!亀山先輩!」

伊丹たちも負けじとふたりに続く。
しかし穂乃果は動かない。なぜなら……。

穂乃果 「にこちゃんのお茶は美味しいね」

にこ 「ほめても特命係補佐はつぶすわよ」

真姫 「オニねにこちゃん」

お茶を飲みながら穂乃果は考えた。
凛、花陽、希はどこにいるのか。秋葉原の地図を眺めながら饅頭を口にしていつもの台詞を口にしようとした時だ。

穂乃果 「あんこ飽き……!?こ、これは」

真姫 「なにがあったの」

にこ 「これは!?」

穂乃果は真姫に鑑識を頼んだ。

真姫 「わかったわ。力を貸してあげる」

にこ 「真姫ちゃん」

真姫 「凛たちに関係あることかもよ」

真姫ちゃんやさしい、と心で呟くにこだった。
内村と中園は捜査の状況をうかがいながらある画策をしようとしていた。
亀山と海未、伊丹たちは秋葉原中を捜査した。

亀山 「どこにいやがるんだ」

海未 「あれは?」

伊丹 「GOHAN屋にラーメン屋のオヤジだな」

穂乃果 「だれかを探してるみたいだね」

海未 「穂乃果っ!?なぜここに」

穂乃果 「絵里ちゃんを捕まえて凛ちゃんたちを助けるんだよ」

伊丹たちはふたりの店長に話を聞くと昨夜、大盛りのごはんやラーメンを持ったまま消えたらしかった。

GOHAN屋 「器もだけどお金を払ってくれ」

ラーメン屋 「いつも食べてくれるのはありがたいけど食い逃げはいかんよ」

穂乃果たちの視線は海未に集中し泣く泣く彼女が払うのだが、五円足らなかった。

亀山 「なら俺が出してやる。四円な」

穂乃果 「じゃあほのかが一円ね」

どこまでもケチな穂乃果だが、この一円がもとで海未は穂乃果に今後こき使われるのを知らない。
穂むらの前まで来たら雪穂が慌てやってきた。

雪穂 「たいへんだよ!饅頭からあんこがないの」

やっぱりと持ってきた饅頭の中身同様に中身はからっぽだった。

No.102 17/01/21 09:29
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穂むらにある饅頭の中身はすべて何者かに抜き取られていた。

ことり 「穂乃果ちゃんのあたまとおんなじだよ」

穂乃果 「ことりちゃんひどい!」

伊丹 「星空たちを監禁した犯人と同一でしょうか」

亀山 「犯人は高坂警部に恨みがあるからな。実家にまで目を向けたか。ん?」

伊丹 「ありゃメイドカフェだ」

海未 「え!?伊丹さんメイドカフェに通ってるんですか」

伊丹 「かかかか通ってねえよ!」

穂乃果 「イタミンひどいよ!ほのかというものがありながら」

伊丹 「高坂警部より美人のメイドさんがいてひとりきりもりしてんだよ」

穂乃果 「雪穂、あんこはきっと取り戻すよ」

雪穂 「これじゃ商売あがったり。頼むよ姉貴」

美しい姉妹愛にことり、亀山、伊丹たちは感動していた。

海未 「感動するところでしょうか」

穂乃果たちは目の前のメイドカフェに入っていき事情を聞いた。

絵里(変装)「どちらさま?」

伊丹 「エリーチカさん」

絵里(変装)「まあ伊丹さんいつもごひいきにありがとうございます」

亀山 「伊丹は警視庁の捜査一課の刑事だ。俺はもとだけどな」

穂乃果 「美人さん」

海未 「だれかに似ているような」

ことり 「美人は誰にも似るんじゃないかな」

絵里(変装)「どうぞ、お店をみても構いませんよ」

穂乃果たちは店内や住居を探したが、凛たちはいなかった。

穂乃果 「特大スイートパフェ。特大チョコパフェ。特大あんみつパフェとかあるんだ」

絵里(変装)「お食べになります?(復讐するチャンスだけど)」

遠慮します、と穂乃果はにこやかに断る姿を見た海未は真面目な穂乃果だと思った。

亀山 「あ、そうそう。そこの穂むらであんこだけ抜き取られた饅頭の話があるんだけど知らないか」

絵里(変装) 「いいえ」

穂乃果 「ちなみにあなたはなに餡が好き?」

海未 「穂乃果」

絵里 「黒餡白餡、どちらも好きよ」

そう、と穂乃果たちは去っていき穂乃果は亀山と目を合わせた。

穂乃果 「あれは絵里ちゃんだ」

亀山 「やっぱりか」

伊丹 「バカな。あれはエリーチカさんだ。メイドだぞ」

伊丹は首を振るように否定した。

No.103 17/01/21 11:21
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亀山 「アイツはすぐにでも凛たちをひどい目に遭わしはしないだろうが」

穂乃果 「穂むらから様子見しよう」

海未 「自分の実家なのに」

ことり 「臨機応変なんだよ!」

伊丹 「俺は信じないぞ。エリーチカさんが絢瀬絵里だなんて」

三浦 「以前もこんな事件ありましたね」

亀山 「こいつが英会話教室に通ってたあの事件か」

芹沢 「うむ」

穂むらの二階の穂乃果の部屋から見張ることにし伊丹たちは報告するために本庁に戻った。

海未 「亀山先輩はなぜいるんですか」

亀山 「もと刑事だし先輩だぞ」

ほのこと 「ふたりして熱い。いやちがう暑い」

海未 「どういう意味ですか」

亀山 「張り込みにはあんパンと牛乳だな」

穂乃果 「海未ちゃんより気が利くね。亀山さん」

海未はムッとしながらも亀山の出したあんパンにかぶりついた。
その頃、メイドカフェの地下室に戻った絵里は三人におそろしいことをしようとしていた。

絵里 「これからあなたたたちには苦しい思いをしてもらうわ」

りんぱなのぞ 「なに」

絵里 「凛、あなたはラーメンが好きよね」

凛 「好きにゃ!」

希 「せめて誤魔化すくらいしいや」

凛 「す、好きでもないにゃ」

もう遅い、と言いながら絵里はカップ麺、袋麺にお湯を注いだ。

花陽 「な、なにをするつもり?」

絵里 「ふふふ、凛。あなたはこれからこのラーメンを一口することもなく麺が伸びるのを見るのよ」

凛 「い、いやにゃ!?ラーメンの麺はあたたかいうちが生きているにゃ!よ、よすにゃあ!?」

驚愕な絵里のやり方に凛は汗を額から流していた。続いては花陽。

絵里 「あなたはご飯が好きよね」

花陽 「う〜ん、凛ちゃんとくらべられないけど」

凛 「か、かよちん」

絵里 「ここに白いご飯があるわ。これに卵と醤油を入れたらどうなるか」

花陽 「ま、まさか!?卵かけご飯!?」

茶碗のご飯に卵と醤油がかかり絵里は箸でかき混ぜた!

花陽 「ピャアアア〜!?白いご飯が黄色に!?黄金に!?」

凛 「かよちんは白いご飯が好きすぎるあまりにご飯がかき混ぜられると白い色から変わるのがいやにや」

希 「おそろしい」

No.104 17/01/21 14:45
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凛 「ああ……。ラーメンが伸びていくにゃあ」

花陽 「ご飯がぐちゃぐちゃ」

ウフフ、と怪しい笑みをしながら絵里は希のそばに寄る。

希 「う、ウチはこの前キャラメルの罰をくらったやんか!?」

絵里 「まだ足りないわ!裏切りもの!」

くっ、と希は口を噛んだ。なんでわかってくれへんねん。

希 「えりちのあほ!」

絵里 「誰があほよ!裏切りもののくせに!」

希 「じゃあ?ぽんこつ!!」

ぽんこつこつこつ……、と絵里の耳からショックが伝わり呆然としたがすぐさま気を取り直す。

絵里 「いまの自分の立場がわかってないのは希の方ね。希は日本だけじゃなく外国や南極まで転校を繰り返したようね」

凛 「す、すごいにゃ」

花陽 「南極?(南極に学校あるの?)」

希 「(日本や外国はホントやけど南極の話は本気にしてたんや……)」

絵里 「いまからたこ焼きをつくるわ!見てなさい!」

希 「南極や外国は関係あらへんやんか!!」

しかし絵里のつくるたこ焼きは恐ろしかった。生地が入りねぎや紅しょうがをいれていくが肝心のモノはいれてないことに気づいた。

希 「た、タコはどないしてん!?たこ焼きちゃうんか」

絵里 「タコなし焼きよ!!希が口にいれてもタコの味や感触はないのよ」

りんぱな 「なんておそろしい」

希 「い、いまからでもタコをいれてえな」

出来上がったタコなし焼きが希の口に入れられた!

希 「!?」ムシャムシャ シクシク シクシク

希 「うわ〜ん!タコがないタコなし焼きやん」

絵里 「まだまだこれからよ。希」

絵里は今度は焼肉セットを用意した。

希 「や、焼肉や」

花陽 「美味しそう」

凛 「食べたいにゃ」

しかし絵里は焼肉セットなのにお肉は牛肉はおろか鶏肉や豚肉さえも用意してない。

絵里 「肉のない焼肉セットよ」

希 「なんやて!?」

絵里は肉のない焼肉セットをゆっくり野菜を焼いていった。

絵里 「どう?肉のない焼肉よ」

希 「た、食べたいのに食べたいと思えへん。食欲あるのに食欲がわかへん」

凛 「おそろしいにゃ」

花陽 「こわい」

No.105 17/01/21 18:27
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絵里 「ウフフ。肉のない焼肉を食べるわよ」パクッ!

りんぱなのぞ 「」オオッ!?

絵里 「ああ、キャベツやとうもろこしやおイモが美味しいわ」

りんぱなのぞ 「(なぜかな?羨ましく思えない)」

絵里 「どう参った希?」パクッ!パクッ!パクッ!

希 「い、いやウチ……(なんかふくざつ)」

絵里 「ウフフ、ぐうの音も出ないようね」

りんぱな 「(ただの野菜焼き?野菜炒め?)」

しかし地下から焼肉の煙りが地上から漂っていた。

亀山 「!?あの煙りはなんだ」

穂乃果 「海未ちゃんのおなら?」

ゴチッ!と拳が穂乃果の頭に叩きつけられた。ことりはあんパンを食べていると鑑識の真姫から連絡があった。

真姫 「聞こえる?餡を抜いたのは絵里よ。絵里の指紋が饅頭の皮から出てきたわ」

穂乃果 「おのれ絵里ちゃん」

海未 「指紋出るなんて素手でやったの」

ことり 「あの煙りはなにかしら」

亀山たちは店先の道路から地下の穴を覗いた。

亀山 「なんなんだ。この煙りは」

穂乃果 「花陽ちゃ〜ん!凛ちゃ〜ん!希ちゃ〜ん!」

希 「ほ、穂乃果ちゃん?」

凛 「煙りでむせるにゃあ」

花陽 「た、タスケテ〜!!」

亀山は鍵を閉められた玄関を蹴り破り侵入した。

右京 「亀山くん。また無茶をして」

相棒 「」

穂乃果 「ほのかたちもいくよ」

にこ 「ハイハイ」

真姫 「にこちゃんは本庁から見てるだけ。さすがキャリアね」

内村中園 「(傷つくな。ツンデレなのに)」

真姫 「あたしも穂乃果たちを助けるわ」

にこ 「ぬわんと!?」

メイドカフェに絵里包囲網が出来た。
伊丹たちもお決まりの文句をぶつけた。

伊丹 「絢瀬絵里!おまえはもう完全に包囲されている。亀はどうした」

右京 「穂乃果くんたちと潜入しています」

相棒 「」

米沢 「真姫くん」

三浦 「ことりちゃん」

相棒 「このふたりも見守るだけですか」

地下では絵里が三人を人質に穂乃果たちとにらみ合いをしていた。

絵里 「なんてこと。焼肉の煙りからバレるなんて」

りんぱなのぞ 「焼肉だけど肉はないし」

No.106 17/01/21 21:17
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亀山 「絢瀬絵里!観念しろ!」

穂乃果 「カッコイイ」

ムッとした海未は穂乃果を気にしてカッコイイことを言ってみようと思った。

海未 「このラブアローウミが悪を許しません」

瞬間、秋葉原いや日本いいや世界、地球全体いやいや全宇宙全体そのものが沈黙したように静まった……。
シーーーーーーーーーーン

海未 「なんなんです!はみんなのその反応は!?」

伊丹 「なにが正義のラブアローウミだ!カメと一緒に海にいろ!海未!」

亀山 「誰がだ伊丹!」

しかし受けている者が約一名いた。絢瀬絵里だった!

絵里 「うふふ……。アッハッハ!わっはっは!!」

希 「あかん。えりちの笑いのつぼにハマったらしいな」

穂乃果 「海未ちゃんの昭和初期のギャグにはまるなんて」

ことり 「いくら昭和生まれでも考えものだよ」

海未 「平成生まれです!!」

絵里 「笑ってる場合じゃなかったわ!この三人がどうなってもいいわけ!」

りんぱなのぞ 「(食べ物の恨み!空腹の恨み!)」ゴゴゴ

穂乃果 「な、なんか三人から黒いオーラがおぞましいくらいに出てるよ」

絵里 「え?」パッ!

亀山 「いまだ!」エイ!

伊丹 「突撃〜!!」

穂乃果 「」エイエイ!

ことり 「」エイエイ!

絵里 「やめて!」

穂乃果 「絵里ちゃんの弱点は?」

希 「梅干しに海苔や!」

穂乃果 「海苔煎餅に梅干し飴あった!」エイ!

絵里 「(→.←)」スッパイワ!!

伊丹 「容疑者を確保!」

右京 「亀山くんと穂乃果くんのおかげで解決しましたね」

相棒 「高坂警部は相手の弱点をついただけですよ?」

米沢 「いや〜見事でした」

にこ 「犯人は!?」

穂乃果亀山 「捕まえました!!」

絵里 「く!なぜこんなのに捕まるのよ」

りんぱなのぞ 「食べ物と空腹の恨み(や)!!」

絵里 「しかしあの方にはあなたたちは負けるわよ!」

瞬間、どこからともなく銃声が聞こえ絵里は地面に倒れていった。

絵里 「な、なぜ」

穂乃果 「絵里ちゃ〜ん!!」

希 「えりち〜!!」

ふたりは絵里を抱き抱えた。

No.107 17/01/21 21:55
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絵里 「スッパイ……!?」ガクッ!

希 「えりち〜!腕利きのスナイパーがいるんや」

穂乃果 「どこからか梅干しを放ったスナイパーがいるんだ」

伊丹 「カメ!いくぞ」

亀山 「行ってやんよ!右京さん今回の事件が終わるまで関わらせてもらいます」

右京 「はい」

相棒 「」エー

米沢 「さすがに人材の墓場で積み上げた経験ですね」

伊丹たち捜一トリオと亀山は狙撃場所を特定したが、犯人はすでに逃走したあとだった。

希 「えりち!しっかりするんや」

花陽 「梅干しを口の中に入れるなんておそろしい射撃」

真姫 「絵里を狙ったのは腕利きのスナイパー。ロシアから?」

にこ 「わかんないわ」

警察病院で絵里は梅干しのタネを口に出して一命を取り止めたようだった。

絵里 「死ぬかと思ったわ……」

凛 「異常な生命力にゃあ」

伊丹 「お前を撃ったのは誰だ」

絵里 「わからないわ……。少し休ませて」

穂乃果 「ほ、ほのかも一緒に寝てあげるよ!」

ことり 「ことりもだよ❤」

凛 「りんも!」

花陽 「花陽も!」

絵里 「ひとりで寝させてよ!!あとでいくらでも話すから」

伊丹 「さすがは高坂警部。一瞬で容疑者の心を溶かすとは……」

亀山 「右京さんに優るとも劣らない」

海未 「感化されてますよね?」

警察病院でひと休みした絵里は翌日から事情聴取に応じた。

絵里 「顔の怖い刑事さんはいやよ〜!!」

伊丹 「?」

三浦 「伊丹さんのことですよ」

芹沢 「自覚しろよ」

にこ 「ならあたしが事情聴取するから」

伊丹 「どういう意味だ!!」

絵里 「にこの声がするけど姿が見えないんだけど?」

にこ 「いるわよ!」

絵里 「あ!いた」

病室の外から聞いていたのは穂乃果と希、海未である。

海未 「伊丹さんが怖いのはわかりますが」

穂乃果 「海未ちゃんもこわいよ」

希 「ここはウチの出番やな」

希は病室に入っていき事情を絵里から聞いた。

希 「えりちを撃ったんは誰?」

絵里 「ストレートに聞きすぎ」

伊丹 「言え」

絵里 「こわい」ウルウル ウルウル

No.108 17/01/22 10:50
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伊丹 「エリーチカさん。あれほどメイドカフェに通った私にやさしくしてくれたではないですか」

絵里 「お、お仕事だからに決まってるでしょう!ホントは怖かったのよ!」

希 「よしよしやで」ヨシヨシ ヨシヨシ

伊丹 「がーん」

亀山 「あとで飲むの付き合ってやるよ」

伊丹 「いらねえよカメ!」

穂乃果 「それより絵里ちゃん」

絵里 「な、なによ!認めないわよ!」

海未 「認めるもなにも穂乃果は穂乃果ですよ」

穂乃果 「今回の事件は絵里ちゃんの背後に誰かいるよね?」

真剣な眼差しの穂乃果に絵里は目や顔を逸らした。

絵里 「」プイッ↑プイッ→プイッ←プイッ↓

希は思わずわしわしマックスを喰らわせた!絵里の悲鳴が警察病院に悲鳴が響いた!

絵里 「誰かたすけて!警察呼んで!」

凛 「警察病院にゃ」

花陽 「警察病院ですよ」

絵里は恥をかいたように布団に頭を隠しいじけた。

絵里 「もう!なんなのよ」

穂乃果は考えた。

穂乃果 「いまは無理に事情を聞いちゃダメだね」

ことり 「でもしゃべるって言ったのに」

絵里 「」シクシク シクシク

希 「」ヨシヨシ ヨシヨシ

穂乃果 「今日のところは引き上げよう。希ちゃんも」

希 「わしわししてまた叫ばれたらあかんしな。またやでえりち」

伊丹たちと亀山を連れ穂乃果たちは警視庁に戻った。

No.109 17/01/24 16:33
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穂乃果 「絵里ちゃんの背後に何者かがいるよ」

花陽 「霊感?」

穂乃果 「刑事の勘ですかね」キリッ

にこ 「格好つけてるけど手には饅頭なのね」

真姫 「イミワカンナイ」

穂乃果 「ひどいよ」

ことり 「背後にということは何か組織かな」

海未 「絵里はロシアから来ましたからね。ロシアには日本に悪さをしようとする組織はかなりいます」

う〜ん、と穂乃果は悩む。みな穂乃果を見つめる。

穂乃果 「」o(__*)Zzz

海未 「寝ない!」(゜o゜)\(-_-)

穂乃果 「」(/≧◇≦\)イタイ

海未 「真面目になさい。まったく」

穂乃果 「ほのかまじめだよ」

どこが、とことり以外はみな思った。

ことり 「ことりは信じてるよ!」

何を信じてるのかと誰もが思った。
伊丹は嘆いていた。あれほど貢いでたエリーチカが犯罪者だったことに。

伊丹 「おいおい」((T_T))

亀山 「なんでコイツが好きになるのは容疑者ばかりかね」

伊丹 「うるせえカメ!」

三浦 「ボクは真姫さんやことりさんをあきらめません!」

芹沢 「コイツは二股宣言をしてるし」

米沢 「穂乃果さん以外の特命係補佐はわたし米沢守のモノです」

右京 「米沢さん。この幻の寄席の限定DVDはいりませんか」

米沢 「いります!」

右京 「なら特命係補佐を誰かひとり限定にしなさい」

米沢 「ことりさんか真姫さんか……ことりさんです!」

ことり 「」ピイッ!?

ことり 「(ことりがメイドカフェでバイトしてるのナイショだよ!)」

ほのうみまきりんぱなにこのぞ 「?」

絵里は警察病院でこんな騒動があったのを知らないまま膝を抱えていた。

絵里 「(なぜあの方は私を殺そうとしたの)」

No.110 17/01/24 19:35
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希 「えりちおる?おるな。膝抱えておるな」

絵里 「なによ。裏切り者のんたん」

希は裏切り者と言われ傷つくがあだ名で呼ばれたことに複雑であることを察した。
彼女は出勤する前に警察病院に気を使い寄ったのだ。しかし穂乃果たちも来ていた。

穂乃果 「やれやれ。始末書を書こうと思ったら希ちゃんたら」

ことうみ 「偶然とはいえ穂乃果(ちゃん)の早起きが奇跡……」

ひどっ、と言う口をふたりに塞がれたまま様子見をした。

穂乃果 「」ハムハム

ことうみ 「指を甘噛みしない」

希 「ウチな。たしかにえりちを裏切ったんは悪く思うてる」

絵里 「だったらなんでよ!?あのアホでボケで間抜けでイヌみたいな高坂穂乃果のどこがいいのよ!!」

穂乃果 「ほのかいぬじゃ……」モガモガ モガモガ

ことうみ 「シーッ」

ふたりにまたも口を塞がれた穂乃果はまるでにこのように顔を赤くした。
希と絵里の話は続く。

絵里 「なにか聞こえなかった?」

希 「ううん(穂乃果ちゃんたちやな)。それよりえりち、今回の事件ひとりでやったん?前の時はメイドカフェ経営できなかったのに」

絵里 「あからさまに言うわね。ふん」

希 「えりち、ウチにだけ言うてくれへんかな」

じ〜ん、と絵里のなかに希の優しくあたたかい瞳や髪、頬、体温が自分を包むようであった。
しかし、あの方の声が絵里を闇のように覆う。

? 『絢瀬絵里、特命係補佐に復讐したくないか……。私が力を貸してやろう……』

絵里 「ごめん!ダメなの!」

穂乃果 「あの絵里ちゃんが震えてるよ!エアコンを利かさないと」ピッ!

とっさに穂乃果は備え付けられたエアコンのリモコンをいじり室内の温度は上がっていった。

絵里 「なんか暑くない?」

希 「ん?たしかに」

絵里 「暑いんだけど」

希 「リモコンは……ない?あれ?ないで」

リモコンは穂乃果の手にしっかり握られていた。
そこへやって来たのはキャリア候補のにこと鑑識課に戻るはずの真姫であった。
穂乃果たちは売店にいく際にリモコンを病室の前に落とした。

にこ 「絵里たら」

真姫 「素直じゃないから」

にこはリモコンを拾いながら中に入っていった。

No.111 17/01/24 20:20
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絵里 「にこ!?あなたが私をエアコンで殺すつもりだったの!?」

真姫 「ヴェェ!?にこちゃんなら」

希 「あついねん!?にこっち!」

にこ 「ちがうわよ!さっき入り口でリモコンは拾っただけ!真姫ちゃんは見たでしょ」

そうだった、とつぶやく真姫。絵里と希はあやうく肌着になる寸前だった。そこへ売店から戻ってきた穂乃果たち。

穂乃果 「希ちゃん絵里ちゃん?」

ことり 「ふたりとも病室で汗まみれ。まさか」ドキドキ

海未 「希を公然ワイセツワシワシ罪でタイホです!破廉恥です!」

希 「なんでそうなんねん!エアコンのせいで暑かってん!」

エアコン?と聞いて額から汗が滝のように落ちる穂乃果に皆が気づく。

ことうみまきにこのぞえり 「穂乃果(ちゃん)!?」

ごめん!、とうるうるさせる穂乃果を絵里は睨む睨み付けた。

絵里 「高坂穂乃果……」ゴゴゴ

海未 「殺さない程度なら見なかったことにします」

にこ 「同じく」

真姫 「鑑識の方でもごまかすから」

ことり 「小野田さんやお母さんにうまく伝えておくよ」

希以外に見捨てられた穂乃果はうるうるうるうると涙を流した。

希 「どないしたらええねん」

絵里 「……認められないわ。あなたみたいなのか特命係補佐の上司なんて!」ビシッ

ことうみまきにこのぞ 「そっち!?」

にこ 「と、とにかく絵里。あなたの背後にいるのは何者なの!」

絵里 「いきなり尋問!?」

真姫 「キャリアだからにこちゃん。悪いくせね」

穂乃果 「そうだよ!絵里ちゃんしゃべってよ」

切り替えが早い穂乃果であった。

絵里 「言うわけないでしょう!」

希 「えりち。あのなウチ特命係補佐に入ってみんなで一年間ちいさくて庶民的な事件を解決してん」

絵里 「みんなで?」

希 「犬や猫探しをしたり下着ドロの被害者に下着を届けたりみんなにワシワシして」

ほのことうみまきにこ 「公然ワイセツワシワシ罪だよ?」

希 「ウチの生き甲斐やねん!」

海未 「やはりタイホですか」

希 「と、とにかくみんなでこの一年間みんなで特命係補佐でほのぼのしててん」

絵里 「」ムッ

No.112 17/01/24 20:35
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希 「えりち、罪を償って特命係補佐でたのしくやらへん」

希の言葉はしみじみと絵里の胸に溶け込むようであった……。

穂乃果 「海未ちゃんと絵里ちゃんのムネ。絵里ちゃんの勝ち!」(^^)/

絵里 「え?」

海未 「なんですか。その判定は」

穂乃果 「絵里ちゃん。穂乃果に復讐したいならしていいよ。さあ……」

絵里の前に立つ穂乃果は無防備だった。まったくと言っていいくらいに気迫がなかった。
絵里の中に迷いが生じた。なぜ穂乃果のまわりには希たちがいるのか……。
凛と花陽は寮でイチャイチャしていた。

凛 「かよちん。ごはんア〜ン」

花陽 「りんちゃん。ラーメンあ〜ん」

ふたりはイチャイチャしすぎて絵里の存在を忘れていた。

絵里 「(凛と花陽はいいわね)」

りんぱな 「」ヒドイ!!

穂乃果は絵里に復讐の機会を与えたのだ。
絵里は凛と花陽より目の前の穂乃果を見つめた。

絵里 「くっ……」

瞬間、絵里たちがいる病室が突然爆発した!

右京 「しまった!穂乃果くん!」

亀山 「ちっくしょう!何者だ!」

相棒 「」ウワー

はたして彼女たちは無事なのか!?
伊丹たち捜査一課トリオも慌て来た。

No.113 17/01/25 06:36
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警察病院の一室が何者かの手により破壊された。
絵里!?
絵里ちゃん!?
穂乃果!
穂乃果ちゃん!?
叫び声が病院内に飛び交い右京たちも飛び込むように向かった。
穂乃果や絵里たちはどうなったのか……。

右京 「穂乃果くん」

亀山 「無事か」

穂乃果 「!?の、希ちゃんと絵里ちゃんが……」

海未 「穂乃果っ!?」

ことり 「穂乃果ちゃん!」

穂乃果は希と絵里に庇われていた。

穂乃果 「ふたりがあたしを庇ったんだ……」

希 「ウチには穂乃果ちゃんが必要なんや」

絵里 「な、なんであの方はここまで。私もいるのに……」

絵里は穂乃果を庇いながら病室には戦車の砲弾らしき鉄の塊が突き刺さっていたが爆発は意外なくらい小規模であった。
ニュースを見た凛と花陽も駆けつけた。

伊丹 「遅いぞ!お前ら」

凛 「みんなして絵里ちゃんのところにいくなんて聞いてないにゃ」

花陽 「絵里ちゃんたちは」

三浦 「さいわい警部たちは軽傷です」

真姫 「あたしたちも軽傷だったわ」

にこ 「この矢澤にこに挑むなんて一千万年早いわよ!!」

伊丹 「はっ」

穂乃果たちは別の警察病室に移されていて凛たちはまた駆けつけた。

凛 「穂乃果ちゃん」

穂乃果 「あ!凛ちゃん」

花陽 「心配したよ」

穂乃果 「希ちゃんと絵里ちゃんの海未ちゃんよりあるムネで助かったよ」

海未 「どういう意味ですか!さっきから何度も同じ話をして」

ことり 「ことりもあるよ」

海未 「なんの話ですか。真姫とにこは」

凛 「にこちゃんは捜査本部の立ち上げにゃ!真姫ちゃんは米沢さんと砲弾が無事かどうかわかるまでは病室内の鑑識。砲弾は一時自衛隊がみてるにゃ」

花陽 「いまの凛ちゃんカッコいい。塩おむすびなみだよ」

にこは捜査本部を立ち上げた。

にこ 「警察病院に砲弾が打ち込まれるなんてあってはならないこと。至急、捜査をお願いします」

伊丹 「わかってます警視正」

内村 「勝手なことを」

中園 「まあまあ、矢澤警視正のお手並み拝見です」

右京 「亀山くん。どう思います?」

亀山 「砲弾の出所をあらうべきですかね」

右京は頷いた。

No.114 17/01/26 06:38
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伊丹たちは捜査をした。しかしてっきり自衛隊か米軍から流れてきたと思ったらまたも破片の行き着いた先は音ノ木坂学院だった。
そして……。

伊丹 「カメ!なんでお前がいるんだ」

亀山 「右京さんと米沢さんの鑑識からだよ」

右京 「やはりここにたどり着きますか」

相棒 「」

実は砲弾は先端部分だけは金属で他はすべて張りぼて、火薬類は意外にもごく少量だった。

右京 「出所はやはりここアイドル部のようですかね」

伊丹 「矢澤警視正がもといたアイドル部か」

学院内で火薬を使う部は限られるはずだが、アイドル部からというのも少々意外だった。

海未 「右京さん亀山さん早いです」

伊丹 「オレたちもいるぞ」

海未 「なにかわかりましたか」

伊丹 「矢澤警視正みたくスルーすんじゃねえ」

矢澤 「」☆≡(>。<)

真姫 「にこちゃん風邪?」

捜査本部にいるにこは豪華な弁当にありついていた。あとでこころたちにも分けてあげようとすでに三つ手に入れていた。

真姫 「優しいんだけどセコい……」

にこ 「ぬわんでよ」

右京たちは部室を捜索した。しかしにこがいないアイドル部はいささかカビが生えたようにすさんでいた。

亀山 「ここに矢澤警視正、いやちびっこがいたのか」

伊丹 「ちびっこいうな」

海未 「なにもありませんね」

ことり 「使いふるされた衣装とかセットとか」

たいした手がかりがあるようにも思えなかった。

No.115 17/01/31 15:37
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右京や亀山、伊丹に海未たちが部室を手当たりしだいに捜査をしていた頃、絵里は警察病院の部屋を変えてもらったが安心はできなかった。

絵里 「なぜあの方は私を殺そうとしたのかしら」

穂乃果 「ふむふむ、あの方とはいつどこで出会ったのかな」

絵里 「そうね。ロシアでおばあさまの肩をようやく肩叩きをした頃くらい……て高坂穂乃果!なぜここに?」

凛 「りんもいるにゃ」

花陽 「おなじく小泉花陽もいます」

ほのりんぱな 「我らパンラーメンライス!」

絵里 「ふん」

希 「またえりちがすねてもうたやん」

穂乃果 「とにかくわかったのはロシアで罪を償い終えた後にあの方なる人物と接触したと」メモメモ

絵里 「なぜそれを!?知ってるの」

希 「えりち、自分でしゃべってたやん」

カア、と顔を真っ赤にする絢瀬絵里だった。希が彼女を慰める。
ワシワシMAX、と!!

絵里 「警察につき出すわよ!!」

凛 「だから警察病院だにゃ」

花陽 「何回おなじことをやればいいんだか」

絵里 「黙りなさいラーメンライス!」

りんぱな 「芸人じゃないです。これでも警官です」

穂乃果 「絵里ちゃん絵里ちゃん」

絵里 「気安く名前で呼ばないで」

穂乃果 「じゃあ……!ついてないポンコツ?」

ゴチン!、と絵里が拳を振り上げ慌て希が止めた。

希 「落ち着きやえりち!」

絵里「誰がついてないポンコツ女よ!!」

穂乃果 「いたいよ!女は言ってないし」

絵里 「ハアハア!復讐してやるわよ」

穂乃果 「それはともかくあの方は誰なの?」

拳骨をしたにも関わらず穂乃果はマイペースだった。凛たちは思う。穂乃果ちゃんは打たれ強い、と。

穂乃果 「やっぱりいたいよ」(/≧◇≦\)

絵里 「あとから効くの?」

希 「それはともかくあの方は誰?教えてえな」

絵里 「だから知らないわよ!押収されたケータイに連絡が一方的に入ってきたんだし」

穂乃果 「たしかに着信履歴はあった。だけど時間はまちまちだった」

絵里 「いちおう捜査をしたのね」

穂乃果は米沢、右京と共に押収したケータイを調べたが、着信履歴だけでは特定はむずかしかった。

No.116 17/02/01 12:50
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穂乃果 「さあ絵里ちゃん。あの方というのは誰なの?」

希 「えりち」

絵里 「……」

凛 「ち、……遅刻」

花陽 「くじ引き」

希 「金星」

穂乃果 「胃薬」

絵里 「なにしりとりしてんのよ!」ムカムカ!

穂乃果 「絵里ちゃんの番だよ」キョトン

絵里 「空腹」グウウ〜!!

ほのりんぱなのぞ 「!?」

絵里 「」カアア

海未 「」ゴチン!ゴチン!ゴチン!ゴチン!

ほのりんぱなのぞ 「」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)イタイ!!!!

海未 「なにやってるんですか!!」

ことり 「お昼時だから来てみればだよ」

穂乃果 「いたい」

海未 「いたく叩いたから当然です」

ことり 「」ヨシヨシ

穂乃果 「//////」テレテレ

絵里 「しゃべらないわよ」

海未 「え〜と、絢瀬・ポンコッチ・絵里さんだったかしら」

絵里 「そんなミドルネームはやめて!絢瀬絵里!えり!!」

海未 「なら話してください」

しかたなく絵里は話した。
ロシアで実の祖母の肩叩きを終えた頃には絵里はロシアの極寒の大地で途方に暮れていた……。
絵里はそばにある携帯に気づいた。

絵里(回想) 「(忘れ物かしら)」

そう思った時に携帯から着信音が鳴り思わず取り答えたのだった。

絵里 「もしもし?」

? 「フフフ、高坂穂乃果により罪人になった気分はどうだね。絢瀬絵里」

絵里 「あ、あなたは誰よ」

? 「私のことより高坂穂乃果に復讐をしてみないか。日本にくれば復讐の機会を与えよう」

それから絵里は再び日本に戻り秋葉原で新たなアジトを構えて穂乃果への復讐の機会を求めていまに至ったという。

希 「つまりはなんもわからん相手の言いなりになったんやな」

絵里 「メイドカフェの売り上げはあがったのよ」

ことり 「でも相手があの伊丹刑事が常連とは」

穂乃果 「ほのかかからイタミンを取るのも復讐だったんだ!!」

絵里 「そこは偶然よ!!」

花陽 「むしろ穂乃果ちゃんから伊丹刑事を取ればよかったのに」

凛 「伊丹刑事か。捜一の鑑だにゃ」

海未 「」ムッ

No.117 17/02/01 13:55
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絵里 「とにかくあたしが知ってるのは携帯と秋葉原のメイドカフェを与えられたことよ」

穂乃果 「あのね絵里ちゃん」

絵里 「なに」

穂乃果 「知らないひとについていっちゃダメだよ?」

絵里 「」キョトン

海未 「小学生ではありませんよ絵里は。むしろ凛に花陽ついでにこは小学生に見えてもふしぎではありませんが」

にこ 「くおら!!誰が小学生よ!!」

りんぱな 「そんなに若作りはしてません!!」

ことり 「否定するのそこ!?」

穂乃果 「」ペチペチ ニコ

にこ 「?」

穂乃果 「警視正が小学生とは失礼しました」

にこ 「そこ!?」

真姫 「見に来てみればなにをやってるのよ」

絵里 「高坂穂乃果とゆかいな仲間たちがそろったわね」

穂乃果 「小人はにこちゃんくらいだよ」

にこ 「白雪姫と七人の小人じゃないの」

真姫 「まあまあ。海未、なにかわかった?」

海未 「いえアイドル部部室にはたいした手がかりはありませんでした。杉下さんたちはいまも手がかりを探しています」

穂乃果 「にこちゃんたちの学校か……」

穂乃果は神妙な表情をしていた。

にこ 「穂乃果のことだからなにかボケると思えば」

凛 「目の前ににこちゃん警視正がいるからにゃ?」

花陽 「絵里ちゃんがゴハンを食べたがっているから?」

絵里 「なんでよ」

そこへ看護師がやってきて絵里に病院食を配膳した。

看護師 「絢瀬さん今日のお昼です」

絵里 「ありがとうございます」ペコリ

看護師 「失礼します」

穂乃果 「凛ちゃんたちみんな味見して」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「いただきます!」ガチャガチャ!ムシャムシャ!

にこ 「なかなか」

真姫 「これが警察病院の食事ね」

絵里 「こら〜!」

凛 「美味にゃ」

花陽 「ゴハンは玄米ですか」

ことり 「穂乃果ちゃん?」

海未 「うっ……!?」

希 「あかんで。これは!?」

途端に海未たちの顔が真っ青になった。みな一斉に叫んだ。

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「トイレ〜!!!」

絵里 「な、なに?」

穂乃果 「ワナだったんだ」

No.118 17/02/01 16:21
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穂乃果はひらめいた!
ヒラメがいたわけではない!

穂乃果 「いまの看護師さんが絵里ちゃんのいうあの方だったかも!海未ちゃんたち!」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「むり!」

絵里 「食べられなくてよかったのか悪かったのか」

穂乃果 「追うよ!絵里ちゃん」

絵里 「え?あたし容疑者なのに」

穂乃果 「いくよ」テツナギ!

絵里 「//////」カアッ

穂乃果 「看護師さん待て!」

絵里 「あ、あなたがあの方なの!?」

看護師 「ヤバイ!」

看護師は白衣を脱ぎ捨て警察病院から抜け出した。しかしその前にやってきたのは名(迷)コンビの亀山と伊丹だった!

亀山 「どうした!」

穂乃果 「絵里ちゃんの言う黒幕ぽいんだよ!そいつ!捕まえてイタミン!亀山さん!」

伊丹 「イタミン言うな!」

ふたりは看護師の前に立ちはだかった!ふたりは捜査一課では名を馳せるくらい運動能力があった!

伊丹 「亀山!逃がすなよ」

亀山 「お前こそな!」

? 「コイツら!しかし我らを甘く見るな!」

瞬間、ふたりの前にいきなりなにかが爆発し穂乃果たち共に煙が覆った!!

穂乃果 「なに!?」

? 「アハハ!我々の名はA-RIZEとでも名乗っておこう!」

亀山 「なに?ヘリコプター」

伊丹 「至急、航空警察だ!!」

右京 「連絡はしましたがまずむりでしょう」

三浦 「しかしヘリコプターだから飛べる距離は限られます」

相棒 「」

芹沢 「あ!あれは」

A-RIZEと名乗る人物に絵里は捕らえられていた。

絵里 「え?」

A-RIZE 「コイツは人質にもらってゆく!」

ヘリコプターは海未たちがトイレにこもっているなか音を立てて空の彼方に消えていった。

穂乃果 「絵里ちゃ〜ん!!」

右京 「人質を取るなんて卑怯な」

亀山 「くそ」

伊丹 「オレの絵里さんが……」

三浦 「懲りませんね。伊丹さん」

海未たちはトイレに座りながら悔しがっていました。

No.119 17/02/01 19:15
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ほどなくして特命係補佐に海未から一報が届いた。

海未 「たいへんです!奥多摩たま……タマタマいえ奥多摩の方でヘリが墜落した模様です!絵里を誘拐した一味のようです」

穂乃果 「なんだって!?海未ちゃんもう七回くらい!」

海未 「なんで七回も言うんですか。タマタマ……はいい間違いです!ハレンチです//////」

結局、七回もタマタマ言うのを繰り返された。

海未 「/////」カアッ

海未 「すぐに検問を開始したようですが」

穂乃果 「むりだよ。犯人は絵里ちゃんを連れて逃げたよ」

穂乃果の表情には珍しく真剣味が見られた。ことりは真剣な彼女に見とれた。凛はカップ麺を口にした。花陽はご飯を口にした。

凛 「熱いにゃ」

花陽 「ほくほく」

にこと真姫は顔を見合わせながら吐息をついた。

まきにこ 「」ハア

希はスピリチュアルで絵里の居場所を特定しようとしたがわからなかった。

希 「あかん。わからへん」

その頃、絵里はあるトラックのコンテナに閉じ込められていた。目隠しをされ縛られていた。

絵里 「いったいあたしをどうするつもり」

?A 「人質だと言っただろう」

?B 「役にたたないわけではないからな」

?C 「人質としての役割は果たしてもらうわ」

絵里 「あなたたち!?あの方なの?さ、三人?」

ツバサ 「我々はA-RIZEだ」

英玲奈 「貴様にメイドカフェと高坂穂乃果への復讐の機会を与えてやったのに」

あんじゅ 「失敗するとはね。うふふ」

絵里はガクッと首を垂れた。自分は利用されたのだ。
しかし彼女たちの目的はわからない。
希……、と数少ないいまだに心の内では信じていた彼女の名を呼んだ。
掌には穂乃果に握られた感触がわずかに残っていた。

No.120 17/02/02 17:21
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絵里が閉じ込められた一室は電気を消され真っ暗になった。

絵里 「いやあ〜!?暗いの!せまいの!こわいの!!」

A-RIZE 「めんどくさい人質だな」ポチッ

絵里 「」ウルウル シクシク

その頃、穂乃果たちは絵里を連れ去ったA-RIZEと名乗る組織かグループを捜査していた。
今回の捜査にはあの杉下右京と亀山薫、そして現在の相棒と頼もしい面々が加わり海未は憧れの瞳で見ていた。

穂乃果 「海未ちゃんたら、ほのかに惚れたらいけないよ」テレテレ

海未 「ちがいますよ!なんで私があなたに惚れるんですか」ムカッ

ことり 「捜査一課の落ちこぼれには負けないよ!」

うみかめ 「誰が落ちこぼれです(だ)!!」

凛 「だけどA-RIZEという犯罪組織はないにゃ」

花陽 「新たにつくられた組織かグループと思うよ」

にこ 「あんなぽんこつな絵里を人質に取るなんて」

真姫 「A-RIZEと絵里が乗ってたヘリコプターの残骸からはなんの痕跡もなかったわ」

希 「えりち」

穂乃果 「希ちゃんごめんね。絵里ちゃんのこと」

希 「しかたないねん。穂乃果ちゃんに恨みを持ってたからな。そこをつけこまれたんや」

希を見てるとまるで関西の女刑事のようである。とてもかつて穂乃果を嵌めようとした以前の様子はなかった。

右京 「A-RIZE、手がかりがありませんね」

亀山 「A-RIZE。どこかで見たような」

にこ 「」ドキッ!

亀山 「そこのちびっこ警視正がいたアイドル部の部室にA-RIZEというアイドルグループの名前があったような」

にこ 「な!?なに言ってるのあなた!!」

ほの右京 「それだよ(です)」

穂乃果と右京を先頭に警視庁を出る面々を追うにこは慌てた。
にこのいつにない焦りを見せた真姫は言う。

真姫 「なにがあったのにこちゃん」

にこ 「あわあわ」

再び音ノ木坂学院にやってきた一同はアイドル関係の資料を探した。

凛 「これはちがうにゃ」

花陽 「ご当地アイドルのお米キャンペーンまであるです」

真姫 「このふたりがいままで役に立ったのが見たことないような」

りんぱな 「ひどい」

No.121 17/02/03 07:34
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再びアイドル部部室を捜索する特命係補佐と右京たち。
するとA-RIZEのグッズがあちこちから出てきた。

亀山 「くおら!警視正、お前は犯罪組織と関係あるのか」

にこ 「ないわよ!A-RIZEはスクールアイドルだし決めつけはよくないわよ」

亀山 「スクールアイドルだと?」

伊丹 「スクールアイドルを知らねえのか。バカ亀」
亀山 「おめえはしってんのかよ」

伊丹 「スクールアイドルはスクールアイドルだ」

にこ 「スクールアイドルというのは学校から派生したアイドルよ。学校や地元を盛り上げたりして入学希望者やファンを増やすの」

凛 「でもにこちゃんがいたときは誰も来ず」

花陽 「いまでは部室は誰もいない」

真姫 「言葉がないわ」

にこ 「しかたないでしょう!警察官採用試験あったし警視正になるまで時間かかったし」

ことり 「スピード出世しすぎだよ」

海未 「きっとなにかよくないことありますよ」

希 「海未ちゃんそれあたしのせりふ」

にこ 「A-RIZEは綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅの三人で構成されてUTX学園にいるはずよ」

穂乃果 「なるほど」

右京 「ここから先は特命係補佐にまかしますか。亀山くんたちはボクについてきてください」

亀山 「なんでですか?」

相棒 「」

右京 「彼女たちに任せましょう」

微笑みながら右京は亀山や相棒を引き連れ部室からでていった。
穂乃果はA-RIZEグッズの三人を見つめた。

穂乃果 「にこちゃん、凛ちゃん、海未ちゃんよりスタイルいいね

うみりんにこ 「なんですか!それ!ひどい」

No.122 17/02/04 07:27
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穂乃果たちはA-RIZEがいると思われるUTX学園の前にいた。

凛 「大きい校舎にゃ」

花陽 「ごはん何繕分でしょう」

真姫 「ごはんの匂いする?」

穂乃果たちは警察手帳を見せて中に入った。

穂乃果 「失礼するよ」

海未 「広いです」

ことり 「どうみても犯罪者がいるようには見えないよ?」

にこ 「あたりまえでしょう!スクールアイドルが犯罪をするわけないでしょう!!」

そこへ現れたのはUTX学園のスクールアイドルのA-RIZEそのひとたちである。
ツバサ 「警察の方がなにかご用ですか」

穂乃果 「特命係補佐の高坂穂乃果とその他大勢です」

七人 「大勢呼ばわりしないで!」

英玲奈 「ここではなんだからカフェテリアにでもどうぞ」

カフェテリアに招かれ凛と花陽は食べ放題を満喫していた。

りんぱな 「美味しい!」バクバク バクバク

穂乃果 「このふたりのことは気にしないでいいから」

A-RIZE 「気になる」

凛 「魚は苦手にゃ」

花陽 「凛ちゃんは魚そのものは苦手だけど中身は食べれると言いたいそうです」

穂乃果 「ところでこの人、絢瀬絵里をご存じでしょうか」

あんじゅ 「さあ?」

英玲奈 「同じく」

ツバサ 「その人がどうかしましたか」

穂乃果 「実はある犯罪グループに誘拐されいま人質になっています。そのグループの名がA-RIZEというのです」

にこ 「偶然ですよね!」

A-RIZE 「ええ、偶然と思います」

花陽 「まあスクールアイドルですからね。ただの」

A-RIZE 「」ムッ

ぱなにこ 「とりあえずサインはいただけますか」

A-RIZE 「ええ。いいわよ(さらっとムカつく)」

サインをいただき花陽とにこはしあわせだった。
穂乃果は言う。

穂乃果 「校内をみせてもらっていいかな」

ツバサ 「ええ、どうぞ。ご自由に」

希 「えりち」

不安に襲われる希はいつものスピリチュアルが働かず顔が青かった。
校内を見回る穂乃果たち。

No.123 17/02/04 12:22
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穂乃果 「えりちゃ〜ん」

海未 「絵里」

ことり 「えりちゃ〜ん」

凛 「えりちゃ〜ん」

花陽 「えりちゃ〜ん」

にこ 「でてきなさい絵里」

真姫 「絵里。……ていうか人質に取られてたし無理なんじゃない」

希 「えりち〜!えりち〜!」

絵里は自分を呼ぶ声にしくしく涙を流しながら気づいた。

絵里 「希っ!?それに高坂穂乃果……!」

絵里 「」タスケテ!

凛 「かよちん?」

花陽 「花陽はここにいます凛ちゃん」

凛 「気のせいかにゃ」

絵里は思った。
希以外はまともな集まりではないことに。しかしいまを逃すと助からないないもしれない。

絵里 「」タスケテ!

穂乃果 「ん?どこかからか絵里ちゃんの声がしたような」

海未 「そうでしょうか」

ことり 「でもいるとしてもどこに?」

八人は校内中を探したがまったく絵里はいなかった。

ツバサ 「満足なさいましたか?」

英玲奈 「やれやれ。我々は忙しいんだ」

あんじゅ 「これからPVの撮影だし」

穂乃果 「え?」

ツバサ 「PVの撮影」

穂乃果 「え……ええ、AVの撮影っ!?」

海未 「はれんちです!」(゜o゜)\(-_-)

穂乃果 「」(/≧◇≦\)

絵里「なにか音がしたような?」

穂乃果 「では我々はこれで失礼します」

穂乃果たちは絵里が近くにいたのにさえ気づかず去っていった。
ツバサたちは妖しい笑みを浮かべた。

ツバサ 「危なかった」

英玲奈 「あれが噂の特命係補佐か」

あんじゅ 「侮れないわ」

三人は絵里のもとに向かった。絵里はクマの着ぐるみをつけられて頭がようやく外された。

絵里 「なにするのよ!クマの着ぐるみを着せるなんて」

ツバサ 「なに、ちょっとしたごまかしだ」

英玲奈 「特命係補佐はキミの代わりに私たちが倒そう」

あんじゅ 「だけどその時はあなたの命がなくなるかもよ」

A-RIZEの笑みに海未はうるうるしくしくと涙を流した。
なぜ希たちは気づかなかったのか。

穂乃果 「クマの着ぐるみあったね」

希 「う〜ん」

No.124 17/02/04 17:21
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三人が出ていくなか絵里は口に猿ぐつわをされたがよく見ると窓は頭ひとつ空いていてそこに頭を突っ込んだ。

絵里 「」ンーンー タスケテ!

絵里 「(ダメだわ。口に猿ぐつわをさせられているし。あれは希に高坂穂乃果たち!!なんとかしないと)」

穂乃果たちは玄関を出るとこらしかった。

穂乃果 「いなかったね絵里ちゃん」

希 「ウチのスピリチュアルもなにか伝えたいらしいんやけど。ん?雨のカード?」

花陽 「晴れてますよ」

凛 「雨なんて降るわけないにゃ」

絵里は頭を捻り思いついた!声は出せないが鼻水を落とせばあの高坂穂乃でも気づくはずだと。

絵里 「(格好悪いけど背に腹は変えられないわ)」

絵里は鼻水をゆっくり早くあせりながらもゆっくり下に垂らした。
この間おおよそ三分。三分経ち鼻水が八人のなかの誰かに落ちた。

凛 「にゃ?雨にゃ。けどベトベトにゃあ。なにこれ?」

真姫 「どれ見せてみなさい。粘液かしら?鼻水?まさかね。あとで鑑識で見てあげるわ」

絵里 「(よし!真姫えらいわ。鼻水が……)」

絵里の鼻水が雨のように穂乃果たち限定にぼたぼたと落ちてきた。

穂乃果 「うわ!?雨だよ」

希 「ウチのスピリチュアルがあたったんかいな」

海未 「帰りますよ」

A-RIZEは特命係補佐が帰ったことに怪しい笑みを浮かべた。
真姫は鑑識に絵里の鼻水とは知らないままかつての上司米沢と共に調べた。

米沢 「なるほど。星空さんたちの頭の上にこれが」

真姫 「とにかく調べるわ」

穂乃果たちは特命係補佐に戻り手がかりを得られないことに落胆した。

ことり 「いなかったね絵里ちゃん」

ぱなにこ 「A-RIZEのサイン♪♪」

海未 「ミーハーですね」

真姫が鑑識から戻ってきた。

真姫 「聞いて!さっきの粘液は女性の鼻水だとわかったわ!」

ほのことうみりんぱなのぞ 「」イヤー!?

真姫 「だけどもしこの鼻水が絵里のと仮定したら」

希 「えりちはUTX学園におるんや」

花陽 「鼻水を落とさなくてもいいのに」

にこ 「他にSOSを送れないわけ」

穂乃果 「今ごろは絵里ちゃんは鼻水を垂らしている。いくよ」

No.125 17/02/05 09:58
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ツバサ 「おとなしくしてたか」

英玲奈 「窓が開いてるぞ!」

あんじゅ 「まさか仲間に連絡したのか」サルグツワ トル!

絵里 「ぷはっ!!」

ツバサ 「よだれだらけだな」フキフキ

英玲奈 「鼻をかめ」ティッシュ

絵里 「(どこか抜けてるみたいね。あたしみたいに)」

あんじゅ 「しかしコイツがなにか連絡をしたとすると危ないわね」

そこに再び受付から連絡が入る。

受付 『特命係補佐という方たちが再びお会いしたいと』

ツバサ 「わかった」

絵里 「(希、高坂穂乃果……)」

ツバサたちは去り絵里はホッとするかどうかは希やあの穂乃果しだいだ。
穂乃果は再びA-RIZEに面会した。

穂乃果 「よろしいでしょうか」

ツバサ 「ええ」ニコッ

希 「えりちを返せ!真姫ちゃんに似た棒読み!!」

まきえれ 「」オイ

英玲奈 「誰が棒読みだ!!」

凛 「かよちん!おいかけっこするにゃあ

花陽 「うん」

海未 「待ちなさい!!」

あんじゅ 「あ!待ちなさいてば!」

絵里は希たちが来るが不安になった。

凛 「」マツニャ!

花陽 「」リンチャン オニ!

海未 「」マチナサイ

りんぱな 「」ホンモノノオニ!!

海未 「誰がですが!!」

あんじゅ 「(まずいわ!?このままでは)」

絵里 「」タスケテ!

りんぱな 「」ン?

海未 「捕まえましたよ!」

花陽 「待つです!ここからなにか声がします」

凛 「聞こえないよ?」

絵里 「助けて!」

海未 「絵里の声が!?けど開かないわ!押しても引いても!!」

凛 「海未ちゃんのバカ力でも?」

花陽 「これ横開きですね。カギは?」

あんじゅ 「これよ。どうぞ」

花陽はカギを開けると中には絵里がいた。
しまった、と思うあんじゅは逃げ出した。

絵里 「脳筋ふたりに堅物に助けられるなんて!?」

海未 「誰が堅物ですか!!」

海未の叫ぶ声に穂乃果たちは駆けつけた!

穂乃果 「絵里ちゃん」

希 「えりち!」

絵里 「こわかった!」

絵里ははじめて希や穂乃果の存在に涙を流した。

No.126 17/02/05 13:47
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A-RIZE 「バレてしまったようだな」

絵里 「希!穂乃果、アイツらがあの方だったのよ!」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ 「」エエー

穂乃果 「あの方というのに三人だったとは」

絵里 「驚くのはそこ!?」

海未 「同感ですね」

ツバサ 「そこにいるポンコツを人質に取り我々の目的を遂行しようとしたが」

英玲奈 「失態だな」

あんじゅ 「いったい誰のせい!?」

ツバえれ 「お前だ!カギを渡したから!」

花陽 「なんかようやく役に立てました」

凛 「えらいにゃ!」

ツバサ 「逃げるが勝ちだ!勝ちだ」

煙幕を目の前にやられ穂乃果たちは逃げる三人を追いかけるが行方を見失ったかに見えた。

穂乃果 「この音は」

真姫 「ヘリコプター」

にこ 「もしもし航空警察!UTX学園の上空にいるヘリコプターを追って!」📱

にこは携帯で素早く連絡した。

穂乃果 「おお!?にこちゃんにしてはスゴい」

穂乃果たちは屋上に向かった。ヘリコプターのローターが彼女たちを襲う。

ことり 「」キャー

ツバサ 「さらばだ!特命係補佐の愉快な諸君たち」

英玲奈 「だが我々は高坂穂乃果と特命係補佐を倒してみせる」

あんじゅ 「それまでお元気でね」(^з^)-☆

穂乃果 「く。酔っぱらった海未ちゃんみたいに投げキッスを!?」

A-RIZE 「」エエッ!?

海未 「してませんよ!」

瞬間、A-RIZEの三人は飛び立つ瞬間のヘリコプターから落ちてしまった。

にこ 「確保!!」

ことうみまきりんぱな 「」オオー!!

A-RIZE 「」イタイイタイ

穂乃果 「絵里ちゃん監禁罪、絵里ちゃん着ぐるみ着せた可愛い罪その他諸々の容疑でタイホだよ!」

海未 「もっといろいろな罪があるはずですが」

こうしてA-RIZEは逮捕された。彼女たちはこれから裁判を行い罪を裁かれ刑務所に向かうのだった。

ツバサ 「おぼえていろ高坂穂乃果」

穂乃果 「ほ、ほのかなにか悪いことした?」

後に捜査一課がA-RIZEを調べたが彼女たちは動機からなにまですべて黙秘した。
謎が深まるだけだった。

No.127 17/02/06 11:37
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こうして事件はいちおうの解決を見せた。
伊丹は絵里に手錠をかけることに涙し彼女に思いを伝えた。

伊丹 「絵里さんが罪を償うのを待っています」

絵里 「(顔がコワイのよ)」

希 「えりち、ウチはいつまでも待ってるさかい」

絵里 「希……」

穂乃果 「ほのかは?」

絵里 「……いちおう礼は言っておくわ。鼻水を垂らした甲斐はあったしありがとう……」プイ

穂乃果 「絵里ちゃん。もう悪いことしちゃダメだよ。いつでも特命係補佐にきてね」

海未は思う。
穂乃果が何故かすべての原因に思えてならない、と。

凛 「今回は鬼ごっこのおかげで活躍したにゃ」

花陽 「面目躍如です」

真姫 「鼻水を鑑識するなんて……イミワカンナイ」

にこ 「まあまあこれであたしと真姫ちゃんはエリートコースよ」

ことり 「内村さんたちがそんな都合いいことするかな」ポツリ

ことりの言葉は当たっていなくもなかった。
警視庁から連行される絵里にA-RIZEの面々。しかし、A-RIZEは刑務所に到着する前になんと脱走したのだった!

穂乃果 「なんだって!!脱走」

海未 「なにやってるんですか。現場は」

現場はてんやわんやしていた。穂乃果たちも脱走現場付近を捜索したが手がかりはなかった。

米沢 「なにひとつ足跡はありません」

凛 「目撃者もいないにゃんて」

絵里は刑務所を見上げた。

絵里 「希、穂乃果……」

少しだけ涙が出そうになるが堪えた。
穂乃果たちはA-RIZEを探したがやはり見つからなかった。
その頃、にこと真姫は内村と中園の前に呼ばれた。そこでにこは裏切られるのだった。

内村 「A-RIZEを逮捕したことは功績に値するが、逃げられたのはいたい」

中園 「とんだ失態だな」

にこ 「それは現場の責任では!!」

内村 「申し訳ないが矢澤くんと西木野くんの話はなかったことにする」

中園 「これが辞令だ」

辞令を見てふたりは驚くくらいに目を開けた。

辞令

矢澤にこ警視正、西木野真姫両二名は特命係補佐に転属を命じる。

にこ 「な!?ぬわんでよ!!」

真姫 「はあ」

真姫はどことなく諦めの嘆息が出ていた。

No.128 17/02/06 12:22
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伊丹たちや角田は矢澤警視正の辞令に驚いた。

伊丹 「なぜ警視正が特命係補佐に」

三浦 「聞いたところによるとA-RIZEの逃亡が原因のようです」

芹澤 「うむ」

角田 「ちょっとのぞいてくるわ」

特命係補佐は特命係の隣にあり角田は時々、特命係や補佐に顔を出しているのだ。

角田 「おお!?警視正と西木野くんがいる」

真姫 「(これはこれで居心地いいのよね)」ズズ…

にこ 「ぬわんでよ!あたしがなにをしたのよ」

ことり 「まあまあ落ち着いて」

凛 「穂むらの和菓子もあるよ」

花陽 「米煎餅も」

にこ 「キャリアコースを最短でたどり着くはずだったのに!警視総監になるにこにーなのに」

海未 「にこにー?」

穂乃果 「警視総監になってどうするつもりだったの?」

にこ 「この特命係補佐をつぶすのよ!あ……」

海未 「少し同意はしますがそれは職権乱用。権力の暴力では?」

にこ 「」

凛 「ひどいにゃ」

花陽 「まったくです」

穂乃果 「にこちゃんはここがたのしくない?」

にこ 「子どもみたいに聞かないでよ!」ジタバタ

にこがじたばたする姿を角田たちは面白そうに見つめていた。
こうして特命係補佐に八人と揃い後に絵里が加わるがそれは別のお話。

海未 「そういえば特命係補佐の謎が解けるはずではなかったですか?」

穂乃果 「わすれてた」

ことり 「補佐。この言葉の意味はいったい」

真姫 「イミワカンナイ。わかるけど。言葉の意味としては」

凛 「はたして」

花陽 「どうするどうなる」

穂乃果 「特命係補佐」

A-RIZEは闇に隠れていた。いつか復活の機会をうかがい高坂穂乃果と特命係補佐を壊滅させるのだ、と。

ツバサ 「あまくみるなよ我々を」

英玲奈 「高坂穂乃果」

あんじゅ 「引っ越し祝いを持っていくわね」

あんじゅが向かったのは穂むらだった。

あんじゅ 「すみません。引っ越し祝いにきました」

雪穂 「は〜い」

雪穂はまた新しいメイドカフェが出来たの気づいた。ちなみにあんこを抜いていたのはA-RIZEであるが気づかなかった。

No.129 17/02/07 12:56
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そこへ亀山が特命係補佐に顔を出した。

亀山 「おお!?ちびっこの警視正がなんてここにいるんだ」

にこ 「左遷されたのよ!!文句ある」

ほのことうみりんぱなのぞ 「」マア イロイロ アッテ

亀山 「すまねえな。高坂警部、あまり役に立てなくて」

穂乃果 「そんなことないよ!さすが海未ちゃんの先輩だよ!」

海未 「美和子さんとしあわせになってクダサイ……」

亀山 「後半が心こもっていないがまあいいか」

海未 「」グサッ!

真姫 「これからどちらに」

亀山 「右京さんたちに挨拶して美和子とぶらりするわ」

穂乃果 「御幸せに」

ことり 「穂乃果ちゃんが漢字を使ってる!?」チュン!?

穂乃果 「つかえるよ!」

亀山 「アハハ、くれぐれも特命係補佐をつぶされないようにしろよ。またな」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ 「格好いい」
海未 「私も亀山先輩を見習わないと!」

にこ 「」ムッ

真姫 「はたしてこれからどうなるのかしら」

凛 「特命係補佐になにか危機があるかにゃ?」

花陽 「内村さんや中園さんはなにかと権力をかざしますから」

ことり 「いざという時は小野田さんやお母さんが守るよ」

ネタバレをする南ことりである。かわいい顔と声を備え持つヒロインである。がおそろしい。

にこ 「はあ」

穂乃果 「にこちゃんひとついい?」

にこ 「なによ」

穂乃果 「いずれ絵里ちゃんも仲間になるよ。だからたのしく秋葉原と音ノ木坂の平和を守ろう」

にこ 「意味わかんない」

真姫 「あたしの真似しないで!」

穂乃果 「とにかくこれだけ穂乃果の相棒がいたら向かうところ敵なしだよ!」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「(すごい自信)」

しかしこれが新たなる章のはじまりであった。
特命係補佐を新たに襲う危機!?
密かに特命係補を守る杉下右京、対立するのか小野田!?
走る海未!飛ぶことり!
秋葉原を疾走する凛!
秋葉原の食堂をはしごしながら捜査する花陽!
過去の資料を見たにこの驚愕!?
真姫は三浦と米沢にモテる毎日!
スピリチュアル希!
特命係補佐に配属された絵里!
がんばる穂乃果!
次回より新章突入!!

No.130 17/02/08 20:54
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あれから一年、絵里は故郷に近い網走刑務所で罪を償いようやく出所した。
しかしA-RIZEの行方は未だ行方知れずであり特命係補佐はふたたび暇をしていた。

絵里 「やっと東京に帰ってきたわ」

米沢 「へい!そこのお姉ちゃん。オレと鑑識しない」

絵里 「しないわよ!あ!」

米沢 「あ!え……と以前にナンパしようとした柳瀬川絵里!?」

絵里 「絢瀬絵里ね」

米沢 「高坂警部の復讐で捕まり助けられ刑務所から出てきたんですね。ご苦労さまです」

絵里 「遠回しにポンコツ呼ばわり?ていうかなんであたしが網走なのよ!」

まあまあ、と米沢守になだめられ彼に特命係補佐に案内された。
特命係補佐はいつものように平和な朝を迎えていた。

にこ 「こら〜!仕事しなさい」

穂乃果 「お茶」

海未 「はいはい」

ことり 「今日はチーズケーキだよ」

りんぱな 「わ〜い」

真姫 「憩いの場になり果ててるわね」

希 「キターッ!」

ほのことうみまきりんぱなにこ 「な、なに?」

希 「ウチのスピリチュアルが伝えとる!いまから特命係補佐をたずねる人がくる!」

絵里 「」

米沢 「皆さん。皆さんのお知り合いの方が来ましたよ」

ほのことうみまきりんぱなにこ 「米沢さん!?」

絵里 「あたしよ!!」

穂乃果 「え……と綾瀬市絵里ちゃん?」

希 「エリツィン!」

海未 「」

希 「じゃなくてえりち!」

穂乃果と希はワシワシしながら彼女に抱きついた!

ほののぞ 「えりちゃん!えりち!!」ワシワシ ワシワシ ワシワシ ワシワシ

絵里 「」キャー

海未 「」ゴチンゴチン!!

ほののぞ 「」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)

絵里 「はあはあ。希はともかく穂乃果までなにやってるのよ。警察呼ぶわよ」

ことり 「ここは警視庁だよ?」

特命係補佐の面々そして特命係からのぞく右京、角田たち組織犯罪対策課までが一瞬静まり返った。

にこ 「誰かなんか言いなさいよ」

真姫 「」シーン

凛 「にこちゃんが滑ったみたいにゃ」

花陽 「」アハハ!

全員 「」ワハハ!

にこ 「ぬわんでよ!!」

No.131 17/02/08 21:52
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絵里は怒鳴った!

絵里 「それより誰があたしを網走刑務所に行かせたのよ!!」

瞬間、場が静まり返るなか捜査一課から伊丹たちもやってきた。
伊丹は愛しい絢瀬絵里が帰ってきたことに感無量だった。

伊丹 「絵里さん」

穂乃果 「」キョトン

絵里 「穂乃果でしょう!!」

穂乃果 「ほ、ほのかだけどあたしが申請した時はすでに誰かがしてたんだよ!あたしは絵里ちゃんがお祖母さんのいるロシアに近い方がいいかなと思って」

ことり 「いい話だよ」

海未 「しかし穂乃果でないとすると誰が?」

凛 「北海道は美味しいものあるにゃ。札幌ラーメン」

花陽 「カニさん」

にこ 「それより誰が絵里を網走に送ったのよ」

真姫 「ん?伊丹さんたち」

伊丹 「およばせながら絢瀬絵里さんを網走刑務所に送るように申請したのはこの伊丹であります。好きです!」

絵里 「」( ̄□ ̄;)!!

希 「えりち!えりち」

穂乃果 「イタミンが絵里ちゃんを網走に送ったの!?考えることいっしょだよ!」//////

絵里 「」ハッ

絵里 「なにあたしを寒く冷たいところに送ってるのよ!ふたりして!」ムカムカ!

希 「あかん!また復讐しかねへん」

真姫 「懲りないわね」

穂乃果 「ほのかは申請したけど通らなかったら悪いのはイタミン」

伊丹 「警部殿……絵里さん……」

絵里は怒りが沸騰するかに見えた。

絵里 「穂乃果!不本意だけどここで働かせなさい!」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ 「」エエッ!

絵里 「認めたくはないけど一年前の事件でA-RIZEに利用された自分を恥じて反省したわ」

希 「えりち」ウルウル

穂乃果 「わかったよ!絵里ちゃん。だけど警察官採用試験を受けてね!」

海未 「警察官採用試験はすぐですね」

にこ 「キャリアかノンキャリアか」

ことり 「いちおうあたしもにこちゃんと同じキャリアだよ」

にこ 「いちおう言わない」

ワイワイガヤガヤする特命係補佐の噂を聞きつけた小野田とおやどりはふたりで話をしていた。

小野田 「杉下が補佐を気にかけているようだ」

おやどり 「あの人は一年間、資料を探しているようでした」

No.132 17/02/09 06:50
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希はワシワシしながら絵里の身長やその他を計った。

希 「」ワシワシ ワシワシ

絵里 「ワシワシしながらなにやってんのよ」

希 「気にしない」

伊丹 「(うらやましい)」

にこ 「それより絵里が受けるのはキャリア?ノンキャリア?」

絵里 「」キョトン

真姫 「考えてなかったのね」

絵里 「だ、だって一年もの間さむい網走刑務所にいたもの!」

伊丹 「(かわいい)」

穂乃果 「イタミンが絵里ちゃんばかりを見てるよ!!」

伊丹 「仕事に戻るぞ」

伊丹たちは捜査一課に戻りながら彼は絵里に惚れていた。

穂乃果 「おのれ絵里ちゃんめ」

海未 「伊丹さんのどこがいいんですか。わかりません」

ことり 「ことりは穂乃果ちゃんが好きだよ」

にこ 「はい。絵里は勉強」ドサッ

絵里の前に積み上げられたのはどっさりある警察官採用試験の教科書。

絵里 「あら?刑務所のなかで勉強したわよ」

ほのことうみまきりんぱなにこのぞ 「なんと」

凛 「なら問題にゃ」

絵里 「来なさい」

凛 「希ちゃんはわいせつぶつちんれつ罪である。○か×か!?」

希 「ウチ人間」

絵里 「ふつうの時は○!ワシワシした時は×!」

凛 「正解にゃ」

穂乃果 「おお」

花陽 「続いての問題。にこちゃんが幼稚園に潜入捜査しました。しかしにこちゃんにワシワシしたひとがひとりいました。犯人は誰?」

絵里 「むずかしいわね。……希ね」

希 「」コラ

花陽 「正解です」

穂乃果 「次は穂乃果だよ」

絵里 「うん」

穂乃果 「海未ちゃんが美和子さんにフラれました。なにが原因でしょう」

海未 「」

絵里 「かたぶつだから」

穂乃果 「正解だよ!」

海未 「凛や花陽はともかく警察官採用試験に関係ないではありませんか!!」

怒る海未にどっと笑う一同。
特命係から笑みする右京。

右京 「この一年で成長しましたね」

相棒 「」

No.133 17/02/09 12:49
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希 「ウチは猥褻物陳列やないで」

ほのりんにこ 「漢字はちょっと……」ニガテ

真姫 「東西南北」

ほのりんにこ 「東南西東」

真姫 「マージャンか」

絵里 「うふふ」

希 「えりちが笑うとる」

海未 「穂乃果がふだんからアホのかだから」

穂乃果 「ひどいよ」

ことり 「亀山さんと美和子さんはしあわせだろうな」ウットリ

海未 「」ムッ

にこ 「しかしあれから一年なんの手柄を得られないまま警視正でこの面子のなかでいちばんえらいあたしはいまや真姫ちゃん……」ジッ

真姫 「あたしは鑑識課に戻りたい気持ちもあり複雑」

凛 「あきらめるという言葉を知ってる?」

まきにこ 「知ってるわよ!」

希 「でもここは居心地ええて。秋葉原や音ノ木坂で事件が起きない限りは平和や」

花陽 「ごはん♪ごはん♪」

絵里 「そうかもね」

穂乃果 「絵里ちゃん!どうやったらイタミンを振り向かせられるの!」

絵里 「わからないわ」

あっさり絵里に言われ穂乃果はいじけた。
その頃、特命係と特命係補佐が目障りな内村と中園もまた話をしていた。

内村 「特命係だけでも厄介なのに補佐とは」

中園 「なんでも絢瀬絵里なる者も警察官採用試験を受けるとか」

内村 「杉下にも困ったが高坂にも困ったものだ」

ふたりはいつものようにむずかしい顔をしていた。
同じ頃、穂むらにほど近いメイドカフェ『UTX』でもある企みが進行していた。

ツバサ 「潜伏しながら資金が貯まった」

英玲奈 「憎っき高坂穂乃果」

あんじゅ 「わたしたちを舐めてもらっては困るわ」

A-RIZEの三人はお客様に見られながら不敵な微笑みをしていた。

お客様 「(なにこのメイドカフェ)」

A-RIZE 「おかえりなさいませ!」

しかし事件は特命係補佐に休息の時を与えない。

No.134 17/02/09 17:12
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事件の通報が入った!
事件の場所は特命係補佐の誰にとっても因縁の地である音ノ木坂学院高校だった。
絵里はじんわり涙を流した。

絵里 「まだあったのね。廃校にならなかったんだ」

にこ 「なんでもあたしがいなくなった代わりにスクールアイドルが誕生したとか」

花陽 「はなよ調べによると、ヒフミトリオがスクールアイドルになったようです」

穂乃果 「いたね。ハヒフヘホトリオ」

海未 「ヒフミです。しかしまたこの学校で事件とはいったいなにが」

現場に駆けつけると懐かしいアイドル部部室にはスクールアイドルになったヒフミトリオが涙を流していた。

にこ 「なにがあったの」

ヒデコ 「あ!ウサギ先輩!」

フミコ 「もと部長」

ミカ 「あいかわらずちいさい」

にこ 「ガアアア!」

ヒフミ 「キャー」

真姫 「落ち着いてにこちゃん!」

穂乃果 「お久しぶりですね。ハヒフヘホトリオのみなさん」

ヒフミ 「ヒフミ」

海未 「それでなにがありましたか」

彼女たちから聞いたのはなんでもステージで使うはずの下着一式が三人分まとめて室内から無くなっていたのだという。

ことり 「ひどい」

絵里 「アイドルにとって大切な下着を盗むなんて」

穂乃果 「犯人はわかったよ」

ことうみまきりんぱなにこのぞえり 「」エッ

穂乃果 「犯人は希ちゃんだよ!」ビシッ👆

希 「ウチちゃう!」

にこ 「まったくいつかやるかと思ったけど確保」

りんぱな 「タイホ」

穂乃果 「さあ希ちゃん、動機はなに?うみりんにこのムネがちいさいから?絵里ちゃんが一年間いなかっから?」

希 「ウチちゃう!ウチが興味あるのはナマであって下着ちゃう!」

一瞬、室内の空気が止まるように固まった。
コホン、と穂乃果は言う。

穂乃果 「ま、まままままそんなことだと思ったよ」

凛 「手錠を外すにゃ」

花陽 「誤解されるようなことを毎回するからです」

ワシワシを口にしないみな口を閉ざすのであるが、そこへ伊丹たちや鑑識の米沢がやってきた。

伊丹 「警部殿またですか」

穂乃果 「イタミン!」

穂乃果は伊丹の怖い顔をじっと見つめていた。

No.135 17/02/10 12:05
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穂乃果 「イタミン……」

伊丹 「警部殿、ここは我々が捜査しますから」

海未 「」ムッ

伊丹 「特命係補佐の矢澤警視正以下とその他海未も出ていくんだ」

海未 「園田です」

穂乃果 「米沢さんまたあとでね」

米沢 「わかりました」

穂乃果と米沢の呟きに伊丹は眉をひそめながら特命係補佐の面々が出ていくのを見つめた。

絵里 「さてあたしは警察官採用試験を受けないと」

希 「がんばって。合格したらワシワシするから」

絵里 「いらないわよ」

真姫 「とにかく本庁に戻りましょう」

本庁に戻り特命係補佐には絵里以外の八人が戻った。

穂乃果 「ほのかの推理が冴えないなんて」

海未 「一年間だらけすぎです」

ことり 「穂乃果ちゃんの将来はあたしがみるから」

穂乃果 「」パアッ

海未 「甘やかしはいけません!」

にこ 「穂乃果より偉いのに」

花陽 「警視正なのに特命係補佐に左遷」

凛 「にこちゃんの通るあとに草が生えないにゃ」

にこ 「生えるわよ」

真姫 「(にこちゃんかわいい)」

伊丹たち一課と米沢たち鑑識は捜査をしていた。

米沢 「ふむ」

伊丹 「なにかわかったか」

米沢 「いえぜんぜんを」

三浦 「真姫さんかことりさんかどちらか迷う」

芹澤 「仕事」

米沢 「いやいや絵里さんがいいですね」

芹澤 「お前たちは高校生か」

ヒフミ 「」

伊丹 「犯人は一課のこの私が捕まえますから」

伊丹の声がむなしく聞こえるヒフミトリオである。

No.136 17/02/10 17:54
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海未 「穂乃果にお聞きしますがいいですか」

穂乃果 「?」

海未 「この一年間わたしたちが仕事したことを言ってください」

穂乃果 「えとね……。秋葉原での迷子探しが三百回くらい、特命係のお手伝いで右京さんの資料探しや食堂の試食をおもに凛ちゃんと花陽ちゃん。あとは海未ちゃんの実家の道場とのコラボで地域イベント。真姫ちゃんによる青少年更正イベント。にこちゃんによる幼稚園や小校のイベント。あとはなんだっけ」

海未 「それがお仕事ですか〜!!」(`□´)

ことり 「おちついておちついて海未ちゃん」

海未 「はあはあ」

穂乃果 「し、しかたないよ。特命係補佐だよ?」ウルウル

真姫 「そうだけどもう少し内容というものがあるでしょう」

穂乃果 「にこちゃんがパトロールマンニコになった時には子どもたちにウケてたよ」

にこ 「受けてたけどあれはノリで……」

希 「にこっちは子どもみたいやからな」

にこ 「ガアア!」

希 「ワシワシ!」

にこ 「」👼

真姫 「勝てないのにムキになるから」

穂乃果 「うむ。穂乃果の勘がこの一年で鈍ったね」

ことり 「いちおう射撃訓練や体力訓練には出てたからね」

穂乃果 「海未ちゃんみたいに脳が筋肉はちょっと……」

海未 「ちゃんと頭を働かせています」

穂乃果 「いやいや」

海未 「ほ〜の〜か〜!!」

その頃、隣の特命係。

右京 「高坂くんを助けるべきでしょうね」

相棒 「なぜに」

右京 「特命係補佐は私にとって必要不可欠なのです」

右京の言葉は相変わらず理解がむずかしかった。

No.137 17/02/11 07:27
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絵里以外は穂むらで飲んでいた。捜査から外されからだ。
もとから加わってないのだが。

穂乃果 「ゴクゴク」

海未 「飲みすぎですよ」

雪穂 「牛乳だけどね」

にこ 「子どもか」

凛 「雪穂ちゃんの料理は毎回美味だにゃ」

花陽 「いつも美味しいものが食べられてしあわせ」

雪穂 「ありがとう」

希 「なあなあ雪穂ちゃん。焼肉屋にせえへん」

雪穂 「いちおう居酒屋なので」

希 「断られてもうた」

ことり 「焼肉の匂いはブレスケア」

いつものように飲む面々だが真姫だけはひとり飲んでいた。

穂乃果 「真姫ちゃんひとりで飲んでる」

真姫 「」ツン

にこ 「ま〜きちゃん」ギュッ

真姫 「絡まないでよ」

穂乃果 「よし」ギュッ

真姫 「くっつかないでよ」

希 「ワシワシMAX」

真姫 「キャー」

ほのことうみりんぱなのぞ 「棒読み」

真姫 「ふつうにしゃべってるわよ」

真姫 「そんなことより穂乃果がいまのままだと特命係補佐があぶなくなるわよ」

穂乃果 「うみにこりんのムネの成長の方が」

うみにこりん 「コラー」

ことり 「だけど一年間たいした手柄立ててないよ」

穂乃果 「平和がいちばんだよ」

しかし穂乃果のそんな心につけ入る者たちがいた。

A-RIZE 「」(( ̄_|

No.138 17/02/11 12:34
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A-RIZE 「いまなら特命係補佐をつぶせるチャンスだな」

A-RIZEたちは企みをしていた。
海未はみんなを奮起させようてあるアイデアを出した。

海未 「こうなったらみんなで富士山に山頂アタックしましょう。山に登れば気合い一発で穂乃果のスランプは直るでしょう」

穂乃果 「あのねンミチャ」

海未 「海未です」

穂乃果は海未とにこを見つめて言う。

穂乃果 「世の中には海未ちゃんみたいな史上最強の霊長類みたいな女性とにこちゃんみたいになにがあっても神経が図太い女の子とフツウにか弱い女の子がいるんだよ」ポンポン

うみにこ 「どういう意味ですか」

にこ 「あたしまで巻き込まないでよ!こう見えても弱いところはあるし」

穂乃果 「え〜?」

にこ 「こいつは」

海未 「誰が霊長類史上最強の女性ですか!!」

ことり 「夏はランニング10キロに遠泳10キロ」

凛 「秋はなにかと山に登りたがる」

花陽 「世の中は海未ちゃんみたいな女性ばかりではないです」

ガクッ、と膝を折る彼女であった。

穂乃果 「ふう、あやうく海未ちゃんに山に連れていかれるとこだったよ」

希 「海未ちゃんだけは『太陽にほえろ』みたいやから」

海未 「そこまで古くありません!!」

穂乃果 「いやいや」

花陽 「とにかく穂乃果ちゃんには勘を取り戻してほしいです」

凛 「にゃ」

ことり 「どうしたらいいかな」

真姫 「そもそも事件現場でなんの資料もないまま推理したからでしょ?」

希 「うんうん」

穂乃果 「よし!がんばるよ」

翌日から音ノ木坂学院アイドル部部室下着盗難事件の捜査が始まった。

雪穂 「またツケにされたよ」

A-RIZE 「高坂穂乃果のい妹は気の毒だな」

No.139 17/02/11 20:34
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そこへ鑑識課から米沢が調査した書類を手に持ってくる。

米沢 「高坂警部」

穂乃果 「米ちゃん」

花陽 「あ、なんだ。おコメかと思ったら米沢さんか」

米沢 「私の名前は米沢です」

米沢からの捜査資料によると、アイドル部の下着ドロの指紋や痕跡はなかったという。

穂乃果 「これはプロの手口かも」

海未 「ハレンチです」

ことり 「女の敵だよ」

穂乃果 「ちなみに米沢さんはこの八人のなかだと誰の下着がほしい?」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「なんて質問するの」

米沢 「むずかしいところですが。ことりさん真姫さんここにはいない絵里さんでしょうか」

ほのうみりんぱなにこのぞ「呼ばれないことがいいのかわるいのか」

米沢 「もちろん高坂警部にはいつもお仕事では世話になってますので尊敬してます」キリッ

穂乃果 「」( ̄^ ̄)

海未 「急に威張らないでください」

穂乃果 「これはお礼の海未ちゃんの寝言カセットテープだよ」

海未 「え」

米沢 「浅草の落語にも劣らないたのしさがあるんですよね。この一年間で三百くらいテープがコレクションができました。では」

海未 「待ちなさい!」

米沢はすたこらさっさと特命係補佐から逃げ出した。海未は穂乃果を睨んだ。

海未 「なんで私の寝言カセットテープを米沢さんにあげるんですか」

穂乃果 「な、なんとなくだよ」ウルウル

凛 「ここにまだ一本カセットテープあるにゃ」

花陽 「準備はできてます」スイッチオン!📻

海未(カセット)『……う〜んう〜ん。山頂アタックを統べる者!その名は園田海未。……その名はと園田をかけています……。💤💤💤』

真姫 「」プッ

にこ 「よく笑えたわね」

真姫 「わ、笑ってないわよ」プッ

海未 「な、なんでこんなのがあるんですか!」

希 「えらいはっきりした寝言やね」

真姫 「」プッ

海未 「真姫」

真姫 「あたしじゃなくて穂乃果でしょ」

穂乃果は米沢から借りた捜査資料を見つめ無視していた。

ことり 「(やっとまともな報告書が書けるかな)」ドキドキ

No.140 17/02/12 09:48
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八人の特命係補佐は再び現場に向かおうとした時だった。
穂乃果は誰かにぶつかった。

穂乃果 「いた」

? 「失礼。だいじょうぶですか」

ことり 「お兄ちゃん!」

神戸 「久しぶりだねことりくん。特命係補佐にいると聞いていたが」

ことり 「うん」

穂乃果 「だれ?」

ことり 「むかしからお世話になっていた神戸尊さんだよ」

神戸 「神戸尊です」

うみまきりんぱなにこのぞ 「」イケメン

神戸 「」ハ キラリ

海未 「(いやいや亀山先輩にくらべたら優男ですか)」

神戸 「僕は右京さんに用事があってここに来たんだ」

ことり 「あたしたちはこれからまた事件の捜査だから。またね」

ことりは久しぶりの再会に嬉しそうに笑みをしながら現場に向かう。
現場にはヒフミトリオがいた。

穂乃果 「少しいいですか」

ヒデコ 「ええ」

フミコ 「お願いです!下着泥棒を捕まえてください」

ミカ 「こわいです」

海未 「この私におまかせください」

にこ 「いやあたしに」

真姫 「米沢さんの資料によると指紋は出なかったわね」

希 「ワシワシしたら指紋は誰にでもつくし」

海未 「希は犯人ではないと」

ことり 「うむ」

ことりたちは現場を隅から隅へと見つめた。
穂乃果はなにかに気づいた。

穂乃果 「オニちゃんにパピプペポトリオ」

にこ 「誰がオニよ。オニは頑固な海未だけで充分でしょう」

ヒフミ 「ヒフミ」

穂乃果 「部室になにか変化はなかった」

にこ 「ヒフミたちが使ってるからあたしはなんとも」

ヒデコ 「特に変化はなかったような」

フミコ 「ただ下着だけがこつぜんとなかったから」

ミカ 「うん」

にこ 「たしかにあたしがいた頃にくらべたら配置は変わったかな」

穂乃果はふむと頷く。
犯人は指紋のないまま窃盗をした。穂乃果は海未を見た。

海未 「はい?」

穂乃果 「海未ちゃんは弓道をする時に手袋みたいなのをつけるよね」

海未 「ええ」

穂乃果は考えた。

穂乃果 「犯人は海未ちゃんだよ」

海未 「ちがいます!」

部室に叫びが響いた。

No.141 17/02/12 21:29
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穂乃果 「なんで犯人が海未ちゃんじゃないの!」o(T□T)o

海未 「なんで私を犯人に仕立てようとするんですか!」(`□´)

穂乃果 「こわい」(/≧◇≦\)

しかたなく穂乃果たちは校内を見て回りました。にこや真姫たちは懐かしい学校にうっとりしていた。

凛 「食堂でラーメンでも」

花陽 「ここはごはんもので」

まきにこ 「雰囲気こわさないでよ」

毎回食べることしかあたまにない凛と花陽である。穂乃果たちは屋上にたどり着いた。
風が吹いていた。

穂乃果 「」(--;)

海未 「なにたそがれているんですか」

ことり 「穂乃果ちゃん」

穂乃果 「いったい犯人は誰なのか」

希 「ウチのスピリチュアルも警視庁内では恋愛事にしか使えへんからな」

ことまきりんぱなにこ 「」エッ

ことり 「ほ、ほのかちゃんとはどうかな」ドキドキ

真姫 「に、にこちゃんとは?」

凛 「かよちんちんちん……とは?」

花陽 「緊張しすぎてあたしの名前が」

海未 「破廉恥です」

にこ 「まきちゃん」ウルウル

希 「凛ちゃんと花陽ちゃんはうまくいくで」

真姫 「あたしは?」

希はなぜか真姫とにこについては口に出さなかった。

真姫 「希?」

にこ 「希?」

まきにこ 「のんたん?」

希 「なに?」

まきにこ 「一回で返事しなさいよ」(゜o゜)\(-_-)

希 「」(/≧◇≦\)

希 「ちょっとふたりについては答えられんねんな」

穂乃果 「」(--;)ハア

穂乃果はスランプ気味になったことに落ち込んでいた。

ことり 「ほのかちゃん」

No.142 17/02/13 08:10
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すると穂乃果は屋上から怪しい男を見つけ叫んだ。

穂乃果 「あれは!?」

ことり 「怪しいよ」

海未 「追いかけましょう!!」

八人は屋上から怪しい男ん追いかけた。

? 「な、なんだ!?」

穂乃果 「待て」

海未 「こういう者です!」

? 「け、警察!?」

凛 「せっかくかよちんと食堂でデートするはずなのに」

花陽 「待つです」

? 「ヤバイ」

穂乃果 「イタミン!そいつを捕まえて!」

校門から伊丹たちが現れて身構えた。

伊丹 「コイツが犯人かよ」

三浦 「ことりさんや真姫さんにいいとこをみせます!」

ことまき 「(モテるのはいいんだけど)」

芹澤 「たーっ!」

三刑事は怪しい男に飛びかかる。ついでに海未も。

海未 「ついでとはなんですか!」イッポンゼオイ!

? 「ぐはっ!?」

怪しい男は海未に一本背負いをされ目を白くさせた。

伊丹 「警部殿、我々が来てみればなんですか」

穂乃果 「怪しい男だよ」

海未 「あなたはなにをしてたんですか」

怪しい男の鞄から女子生徒の下着や体操着、制服がわらわら出てきた。

海未 「は、破廉恥です!逮捕します」

伊丹 「それは俺たちの仕事だ。特命係補佐の園田海未」

海未はむっとしながらもあえて引き下がった。

伊丹 「事情は警視庁で聞かせてもらう」

三浦 「ふう」

ことまき 「(いやいやふつうだから)」

穂乃果 「よし。勘が戻ったかな」

にこ 「偶然見つけただけ」

穂乃果 「でもほのかのおかげだよ」

伊丹 「高坂警部」

穂乃果 「イタミン!デートしてくれるの?」

伊丹 「ば、馬鹿ちがいます。とにかく勘を取り戻してください」//////

伊丹たちは容疑者らしい男を引っ立てながら去っていく。
穂乃果は伊丹の刑事らしい背中に見とれた。
海未はまたむっとした。

No.143 17/02/13 19:53
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再び特命係補佐に戻った穂乃果は悩んでいた。

穂乃果 「う〜ん」

にこ 「あの穂乃果が悩んでいる」

真姫 「明日は雨か雪かしら」

穂乃果 「ひどい!」

穂乃果は過去の事件の捜査資料を出して見つめた。

穂乃果 「」📖(--;)

海未 「そもそも特命係補佐の補佐とはなんでしょう?」

ことり 「なぞだね」

凛 「補佐……」ボン!💣

花陽 「凛ちゃんが爆発したにゃ」ヨシヨシ

希 「なんちゅう思考回路の容量の凛ちゃん」

穂乃果 「」📖(--;)

海未 「穂乃果が動じてません」

ことり 「すごい集中力だよ」

にこは何かを思いついたように警視庁内の売店に行ってパンやお菓子を持ってきた。

凛 「(☆∀☆)」イタダクニャア!(`□´)

にこ 「コラコラ!凛のためじゃないわよ」

凛 「はむはむ」

花陽 「いただきます」

にこ 「こら」

真姫 「おそるべし」

にこ 「こうなったらあたしたちも食べるわよ」

真姫 「え」マキコマナイデ!

しかし穂乃果はまったく動じることはなかった。

海未 「補佐とは」

ことり 「なぞだね」

しかし隣室にいる特命係の右京はふたりの会話からめずらしく顔色が変わっていた。
それは上層部である内村や中園にも伝わる。

内村 「いかんいかん」

中園 「園田海未と南ことりがなにかに勘づくのでは」

ふたりは焦っていた。

No.144 17/02/14 07:54
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その頃、右京は神戸とある話をしていた。

右京 「さて神戸くんキミは何しにここに来たのですか」

神戸 「世間話もそこそこですか。言いにくいのですが小野田さんと大河内さんから特命係補佐の内偵をするように、と……承りました」

右京 「はっきり言いますね。ただし正確には私と補佐の高坂穂乃果くんについての関係でしょうね」

右京の推理に神戸はぐうの音が出なかった。数年振りというのにこの人は人を見抜く洞察力は衰えていない。

神戸 「とにかくしばらくこちらで内偵調査をさせていただきます」

右京 「敵か味方になるかは」

神戸 「調査しだいです!」

相棒 「そこ俺の席!」

神戸はしかたなく角田に断り机と椅子を運んでもらいたいして広くない特命係の一部を間借りした。
右京は壁の向こうに目をやり紅茶を口に入れた。
穂乃果はというと。

穂乃果 「犯人は赤阪さんだ!」

ことり 「正解だよ!」

海未 「なに推理小説でクイズしてるんですか!」

凛 「犯人は隣の犬のワンノスケだよ!」

花陽 「ぶー!犯人は向かいの家のネコのヤザワだよ」

にこ 「こら」

真姫 「片方は推理小説で犯人当て、片方は誰が夕食をとったペット当て」イミワカンナイ

希 「むむむ」

希はカードを前に瞑想していた。

No.145 17/02/14 12:48
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穂乃果は多少は勘を取り戻したのか下着ドロに事情聴取をしているマジックミラーがある隣室にいき様子を見ていた。

下着ドロ 「だからオレはあの三人の下着以外は盗ってねえよ」

伊丹 「いつ盗ったんだ」

下着ドロ 「○月×日の午後○○時から○○時くらいかな」

三浦 「他には?」

下着ドロはおぼえている限り伊丹たちに話をし始めた。
疑問に穂乃果は思う。

穂乃果 「にこちゃんなんでいるの?」

にこ 「あたしがもといたところだから他人事じゃないのよ」

穂乃果 「ことりちゃんに寛平のお兄さんも」

ことり 「かんべだよ」

神戸 「コホン、神戸です。神戸と書いてかんべです」

イケメンなのは認めるがある人から見れば仮面ライダー3号でありある人から見れば赤シャツだった。もしくは『とと姉ちゃん』というだろう。
穂乃果は?

穂乃果 「あたまも顔もいいからて。補佐のなかであたまも顔もいいのは真姫ちゃんに……あとから入る絵里ちゃんくらいだよ」

海未 「あの私は」

穂乃果 「海未ちゃんは……」イエナイ

海未 「なんでですか!!」

そこへ取り調べ室から伊丹がやってくる。

伊丹 「うるさいぞ!お前ら。これは杉下右京の部下であった神戸尊ではないですか」

神戸 「お久しぶりです。相変わらずですね。ご無沙汰しております」

伊丹 「高坂警部に言っておきます。事件は解決したんですからあら探しはやめてください」

扉の外側に消えた伊丹は忌々しいと思いながら表情が苦かった。
そこへ凛と花陽が通りかかる。

凛 「にゃ?」

花陽 「伊丹刑事」

伊丹 「なんだ」

りんぱな 「あわわわ、義理チョコです!」

伊丹 「くれるのはありがたいが口にだすな!まったく」

どうやら凛と花陽は義理チョコを警視庁内に配り歩いているようだった。
穂乃果たちは再び音ノ木坂学院にいた。メモを見る彼女を神戸とことりは見つめる。
にこは校内のセキュリティを海未と共に確かめていた。

No.146 17/02/14 16:07
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にこ 「ちゃんとセキュリティは働いてるはずなのに」

海未 「警備の人たちもいましたしね」

それにしてはいささか警備が薄く思えた。するとアイドル部部室からはしゃぐ声が聞こえふたりは向かった。

ことり 「ミニスカポリスだよ♪」

穂乃果 「かわいい♪」

神戸 「むむ」

海未 「なにしてるんですか!?」

穂乃果 「ヒフミヨウイツツトリオから衣装を見せてもらってたの」

ことりはミニスカポリスの衣装を着てはしゃいでいた。

ヒデコ 「衣装を見せてほしいと言われましたので」

にこ 「あたしだってコスプレはしたことないのに」ブツブツ

穂乃果 「にこちゃんにもあるよ」ハイ

穂乃果はにこにある衣装を渡して別室に移動させ着替えるように命じた。

にこ 「あたし警視正なのに」ブツブツ

にこ 「着替えたわよ」

穂乃果 「じゃ〜ん」

ことうみヒフミ神戸 「!?」

にこ 「ぬわんで幼稚園児なのよ」イミワカンナイ!

にこのコスプレは幼稚園児だった。しかしあまりに似合いすぎていた。
その頃、特命係補佐に残った真姫たちは。

真姫 「」クシャミ!

希 「風邪?」

凛 「チョコ食べるにゃあ」

花陽 「真姫ちゃんウワサされてるの?」

真姫 「ば、馬鹿言わないでよ」

真姫たちはのんびりお茶タイムだった。
穂乃果たちはコスプレ衣装に目をつけた。

穂乃果 「衣装がいっぱいあるか」

神戸 「それがどうかしたか?アイドルなんだから衣装は多くあるだろう」

ことり 「うんうん」

海未 「そうですよ」

にこ 「なんか生徒がいっぱいきた……」

生徒A 「かわいい」

生徒B 「どこの子どもかな」

生徒C 「春日部幼稚園かな」

にこ 「クレヨンしんちゃんに間違えられてない。あたし」

穂乃果は衣装にこだわりがあるようだった。
この時ことりは思う。穂乃果のためにいつか衣装をつくろう、と。

No.147 17/02/15 17:41
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穂乃果 「そういえば海未ちゃんは一年前に潜入捜査をしたんだよね」

海未 「あなたがやらせたのでしょう」ゴゴゴ💢

穂乃果 「そうだっけ」

ことり 「(都合悪いことは忘れる穂乃果ちゃん)」φ(..)

神戸 「潜入捜査をしたのか」

海未 「ええ」

にこ 「まあ海未くらいの堅物女子高生くらいは全国あたり一校にひとりふたりはいると思うわ」

海未 「いませんよ」

怒る海未をほっておいてそのまま穂乃果は再び校内を歩き購買部でパンを買う。

穂乃果 「あんパンにタマゴサンド、焼きそばパンにコンビください」

オバチャン 「はいよ。1200円」

穂乃果 「200円足らない!?え……とイケメンの神戸のお兄さん」(ToT)

神戸 「な!?なぜボクなんだ」

穂乃果 「あたしたちを含めいちばんお給料もらってそうだから!」

にこ 「こら!」

たしかに神戸尊はエリート街道を進むイケメンである。悪い気はしない。

神戸 「みんなも買いたいものあったら構わないよ」イケメン

ことり 「コーヒー牛乳!」

にこ 「コンビ!」

海未 「あなたたちは……」💢

穂乃果 「パンぜんぶ!」

海未 「」(゜o゜)\(-_-)

穂乃果 「」(/≧◇≦\)イタイヨ

とりあえず中庭で四人はパンや牛乳、ジュースで休憩した。

穂乃果 「パンはおいしいけど海未ちゃんにたたかれたよ」

ことり 「よしよし」

にこ 「」フン

神戸 「高坂くんキミはちゃんと捜査をしてるのか」

穂乃果 「してるよ」

穂乃果はその都度メモを取ったり事件現場の隅々まで見ているのだ。

穂乃果 「神戸さん」

神戸 「なんだい」

穂乃果 「彼女とうまくいってる?」

神戸 「なぜそれを」

希 「」ドドド ドドド ……

にこ 「牛が暴れてるのかしら」

希 「誰が牛やねん!」ラリアット!

にこ 「」(/´△`\)イタイ!?

にこは突然現れた希にラリアットされ気絶した。

にこ 「」👼

希 「ああ!?にこっち!誰がこんな目に」

にこ 「あんんんたよ!!」

起きたにこの声が校内に響いた。

No.148 17/02/16 17:15
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にこ 「」(゜ロ゜)

穂乃果 「もとアイドル部部長の矢澤にこ警視正だよ」

ことうみにこのぞ神戸 「なぜ言う」

穂乃果 「にこちゃんはあの部室でひとりでむかしいたんだよね」

希 「せやね。誰も来ない部室でひとり練習や稽古したり」

にこ 「ぬわんで希が答えるのよ」

ふむ、と穂乃果は考える。

穂乃果 「にこちゃんがひとりであそこにいた時に痴漢や下着ドロの被害に遭わなかった?」

にこ 「ひとりを強調しない。だけど被害は遭わなかったと思う。あたしは戸締まりをしっかりしてたもの」

希 「せやね。こんなちんちくりんの下着を取る物好きはおらんよ」

にこはグググっと希の襟首を締め上げていた。

希 「ギブギブ!堪忍や!」

にこ 「ひとにラリアットしときながら勝手に事実を変えるようなこと言うからでしょう」

海未とことりはにこをなんとか希から離し希は呼吸をさせた。
ふと穂乃果は気づく。

穂乃果 「なんで希ちゃんがいるの」

いまさらか、と思いながら希は言う。

希 「警視庁内の恋愛といえばウチやん!」キラリ!

穂乃果 「さて捜査に戻るかな。パンも食べたし」

希 「スルーは堪忍やで」

にこ 「ふん」

穂乃果は考えた。
にこが部室だった当時は安全だったらしい。しかしヒフミトリオがいる現在は下着ドロがいてすでに逮捕された。
ひらめく穂乃果。

穂乃果 「」ンミチャンミチャ

海未 「海未です。なにか」

穂乃果 「」ヒソヒソ ヒソヒソ

海未 「え〜!?いやです」

穂乃果 「」ヒソヒソ ヒソヒソ コトリチャント

ことり 「わかった!やるよ!」

海未 「なんであたしにないしょ話をしてるのにわかるんですか」

にこのぞ神戸 「?」

穂乃果は警視庁特命係補佐室に戻り皆にある指示をした。

ことうみまきりんぱなにこのぞ 「」エー

神戸 「なぜボクにヒミツにするんだ」

神戸はイケメンなくせに官僚のような難しい顔をした。
翌日、穂乃果発案によるある捜査をおこなうことにした。

No.149 17/02/16 19:32
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穂乃果 「ふふふ神戸さん。穂乃果の捜査を甘く見ないでよ」

神戸 「フッ」

穂乃果が発案したのはまたも潜入捜査であった。まずはことり。音ノ木坂学院の制服を着ている。

ことり 「ウフ❤」

神戸 「なんだと。ことりくんまで潜入させるのか」

穂乃果 「ことりちゃんたっての希望でね。続いては海未ちゃん」

海未 「なんでまた潜入させるんですか」

穂乃果 「まあまあ似合うよ?」

海未 「」ポッ

穂乃果 「続いてははもと生徒のまきりんぱなトリオ!」

真姫 「ヴェェ」

凛 「まだ似合うにゃ」

花陽 「かわいい」

穂乃果 「続いては子連れおおかみの希ちゃんとにこちゃん!」

希 「にこ五郎泣くんじゃあらへんよ」ゴロゴロ

にこ 「ちゃん!」

にこのぞ 「なにやらせんのよ!!」

穂乃果 「?」

にこのぞ 「あたしたちももと音ノ木坂学院の生徒!なんで時代劇のコスプレなのよ」

穂乃果 「ふつうの制服がいいの」

にこのぞ 「あたりまえでしょう」

時代劇の扮装をしたふたりの姿はあまりにも似合いすぎていた。

真姫 「にこちゃんは時代劇の乳母車に乗っても似合うなんて」

花陽 「おにぎりあげます」

にこ 「おにぎり」

凛 「江戸時代でらーめんを食べたのは水戸光國。だけど今日の凛はラーメンないにゃ

にこ 「あったらラーメンくれたの?」

凛 「シナチク」

にこ 「(`□´)」

神戸が眉間に指をやって考え悩む間にふたりも音ノ木坂学院の制服に着替えた。

神戸 「理解に苦しむ」

海未 「同感です」

穂乃果 「七人には潜入捜査をしてもらうよ!」

ことり 「穂乃果ちゃんは?」

穂乃果 「あたしはあの下着ドロさんに確かめることがあるから。頼んだよ!」

ことり 「わかったよ」

海未 「わからないでほしいです」

こうして七人は音ノ木坂学院高校に潜入捜査をした。ちなみに耳には穂乃果から連絡が伝わるようにイヤホンがある。

海未 「また潜入捜査」

ことり 「学校だ」

その頃、穂乃果と神戸は下着ドロが留置されている留置場にいた。

No.150 17/02/17 09:08
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穂乃果 「ちょっといいかな」

穂乃果は留置場を管轄する職員に挨拶し下着ドロの顔を見る。

下着ドロ 「なんだよ」

穂乃果 「いえキミがなぜ音ノ木坂学院に潜入できたか聞きたくなりまして」

神戸 「(右京さんのようなしゃべりだな)」

下着ドロ 「言わねえよ」

穂乃果 「まあまあイイものをあげるよ」

神戸 「高坂くんキミは容疑者を買収しようというのか」

下着ドロ 「な、なんだ!?」

穂乃果 「海未ちゃんのお!」

かんべドロ 「お!?」

穂乃果 「海未ちゃんの匂いつきおハンカチ!」

かんべドロ 「」コケッ

神戸 「な、なんだハンカチか。まぎらわしい」

下着ドロ 「は、ハンカチで俺がしゃべるとも?」

穂乃果 「いい匂いだよ」

その頃、海未たちはみな潜入捜査をしていた。
しかし海未はトイレにいき用を足したがハンカチがないことに気づいた。

海未 「おかしいですね。ハンカチがありません」

ことり 「もう海未ちゃんたらしかたないな。はい」

海未 「ありがとうございます」

ことりからハンカチを借りながらたしかに制服に着替えた時にはあったのにと思う。
再び穂乃果たち。

下着ドロ 「そ、そんなにそのハンカチはいいのか」

穂乃果 「いいよ。ほしい?」

下着ドロ 「くれ」

穂乃果 「その代わりになぜ潜入できたかしゃべってよ」

穂乃果がハンカチを手渡すと下着ドロは告白した。実は音ノ木坂の生徒や警備員に潜入したことを。

穂乃果 「やはり変装でしたか」

神戸 「ということは誰かが手引きした可能性があるのかも」

穂乃果は至急無線に連絡した。

海未 『なんですか穂乃果』

穂乃果 「」ンミチャ

海未 『海未』

穂乃果 「あのね海未ちゃんあの下着ドロさんが言うには海未ちゃんのハンカチはいい匂いだって」

海未 『』カアッ//////

海未 『あなたが犯人ですか!?私のハンカチを取ったのは』

穂乃果 「それより学校内部に手引きした者たちがいるよ。生徒か警備員に」

ことうみまきりんぱなにこのぞ 『なに』

無線を聞いた七人に緊張感が走った。

No.151 17/02/17 19:31
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七人は危険だが囮捜査をすることにした。
しかし話し合いは遅々として進まなかった。

にこ 「おとりになるにはもとアイドル部部長の矢澤にこ警視正しかいないでしょう」( ̄^ ̄)

ことうみまきりんぱなのぞ 「」エー

にこ 「なによ!宇宙No.1の警視正自らがおとりになるのよ」

凛 「警視正を危険な目に遭わせるわけにはいかないにゃ!」

花陽 「凛ちゃんがまともなことを発言したよ」

にこ 「な、なんと!?凛があたしの心配を……」

凛 「いやいやにこちゃんのおパンツを盗った犯人がきっと気絶する可能性があるにゃ」

にこ 「あたしのパンツは武器か」

花陽 「し、しかたありません。ここは特命係補佐の隠れたお色気のあたしが……」

凛 「かよちんがやるならあたしがやるにゃあ」

花陽 「凛ちゃん」ヒシッ

真姫 「じゃあこのふたりがおとりで決定ということで」

りんぱな 「断ります」

ことうみまきにこのぞ 「断るんかい」

りんぱな 「あたしたちは真姫ちゃんを推薦します」

真姫 「え」

凛 「かつては鑑識課に属しいまだに米沢さんから恋慕され」

花陽 「特命係補佐の美人さん」

真姫 「!?」

りんぱな 「どうぞ。おとりになってください」

真姫 「持ち上げといておろさないで!」

途中まで照れていた真姫は照れながら怒った。
海未はちらりと希を見た。

希 「なに?」

海未 「希なら大人ぽい下着かと思いまして」

希 「せやね。にこっちは幼児用下着やけど」

にこ 「幼児じゃないし」

ことり 「じゃあ希ちゃんで賛成のひと!」ハイ

うみまきりんぱなにこ 「」ハイ!

希 「いやいや」

にこ 「反対なの?」

希 「ウチが囮だなんて」

真姫 「ワシワシするのはよくておとりはいやなの?

希 「ぐ」

海未 「多数決の結果、東條希がおとりになりました」

ことまきりんぱなにこ 「」ワー パチパチ👏

希 「なんで」

No.152 17/02/18 08:40
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海未 「ということで囮は希に」

にこ 「真姫ちゃんが危険な目に遭うよりましかな。ホルスタインな希なら」

希 「ワシワシMAX!!」ワシワシ ワシワシ

にこ 「」👼

真姫 「にこちゃん!」

凛 「口は災いのもとにゃ」

花陽 「まったくです」

すると海未はなぜかその場を離れようとするのをことりは気づいた。

ことり 「どこいくの」

海未 「私は少し校内見学をしたいのですが」

にこ 「どこに行くのよ!」ガバッ

海未 「き、弓道部に少し」

凛 「牛胴部?おいしそうにゃ」(¬_¬)

希 「ウチちゃう」

花陽 「焼き肉はごはんが必要」

真姫 「海未がいないわよ」

希 「待て」

一足先に海未は弓道部にいて道場の匂いに浸っていました。
すると弓道部部員がいました。

部員A 「あらあなた」

部員B 「まえに見学に来た生徒かしら」

海未 「い、いえ」カオソラシ

その様子を見つめることりたち。

ことり 「」ガンバッテ

にこ 「弓道がやりたいならそう言いなさい、宴会担当」

真姫 「宴会担当?」

にこ 「海未の顔芸」

りんぱな 「なるほど」

海未の顔芸は警視庁内でも定評があり彼女のライバルである伊丹でさえもいちおう認めていた。

部員B 「弓と矢を持ってやってみる?」

海未 「いいんですか」

部員A 「かまわないわ」

希 「胸当てはなしかいな」

凛 「制服でやるみたいにゃ」

花陽 「木に囲まれた道場でおにぎりを食べたらいい気持ちだろうな」

花陽の頭には剣道や弓道などをしておにぎりを食べる人たちの姿でよだれが自然と出てました。

花陽 「」(´ρ`)

凛 「食欲でいっぱいにゃあ」

希 「しゃあないな。真姫ちゃんのお弁当から取ったウインナーで我慢しとき」ホラ

花陽 「」ハムハム

真姫 「あたしのウインナー」

海未は弓と矢をを持ち矢を的に放ちました🎯。

ことまきりんぱなにこのぞ 「」オオ

海未 「穂乃果といると鈍ってしまいますから」

No.153 17/02/18 11:30
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穂乃果は海未たちに連絡を取るが誰からも返事はなかった。

穂乃果 「ンミチャ、コトリチャ、リンチャン、ハナヨチャ、マキチャ、ニコチャ、ノゾミチャ」

神戸 「どうした」

穂乃果 「みんな無線を切ってるみたいだよ。あぶないことをしてないといいけど。神戸さんクルマを出して!」

神戸 「キミは免許はないのか」

穂乃果 「ないよ」ウルウル

仕方なく神戸は車を持ってきて音ノ木坂学院高校に走らせた。

神戸 「やれやれ。右京さんとはえらいちがいだ」

その頃、海未たちは囮捜査をしようとしていた。

海未 「希、頼みました」

希 「いくらウチが大人ぽいからて」テレテレ

にこ 「色ボケ魔人に頼るとは」

希 「」ムッ

作戦はこうだ。
希がアイドル部に入部したことにしてわざと着替えをして下着を忘れたことにして犯人が来たところを皆で捕らえるのだ。

凛 「やるにゃ」

花陽 「こわいよ」

ことり 「ヒフミトリオには伝えてあります」

希 「ウチ犯人に襲われたらどうしよう」

にこ 「焼き肉の材料」

希 「」ワシワシ ワシワシ!

にこ 「」👼チーン♪

真姫 「にこちゃん学習しなさいよ」

希はアイドル部部室に向かいわざとらしく独り言を呟く。

希 「新入部員の東條希やで!て誰もおらへん。新入と侵入をかけてまんがな」

? 「」シーン

ことうみまきりんぱなにこ 「」シーン

真姫 「一瞬、空気の流れが止まるなんて」

ことり 「スピリチュアル?」

希 「ふんふ〜ん、練習着に着替えて」プルルン♪

?A 「巨乳だ」

?B 「新入部員らしいな」

怪しい男たちはカメラを使い希を見ていた。

No.154 17/02/18 15:16
小説大好き 

希は下着を取り替えた。

希 「ムネが大きいのも困りもんやで」

にこ 「(そのうちステーキ味のスナック菓子になるわよ)」

凛 「(美味しそうにゃ)」

花陽 「(じゅるり)」

希は瞑想をした途端に三人に雷が落ちた。

りんぱなにこ 「」ラクライ!⚡⚡⚡

ことり 「!?」

海未 「なにがあったのでしょう。ことり真姫保健室へお願いします」

ことまき 「はい」

凛と花姫はおんぶされにこだけはずりずりと廊下に引きずられた。

にこ 「」イタイイタイ

真姫 「がまんなさい」

海未はひとり希の様子を見張っていた。

希 「ブラも変えよ」

?C 「」オオ

?D 「」ヤメラレナイ

海未はどこからか邪な気配を感じた。希は替えのブラを部室に置きながら出た。

希 「汗かいたわ」

海未 「ご苦労様です」

希 「他のみんなは?」

海未 「希のスピリチュアルですよね?」

希 「さあ?」

雷を落とせるスピリチュアルな希がなぜもと悪人だったか理解できなかった。
その頃、穂乃果と神戸はパトランプを走らせていた。

穂乃果 「不安だよ」

神戸 「なぜ無線が通じないんだ」

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