注目の話題: 初デートなのに「どこでも良いよ」; 誕生日のお祝いについて; 恋人の返信が来ないのが気になる

おもしろかった昔の話を訳＋α

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ライター
16/10/31 23:01(更新日時)

一本目は「絵仏師・良秀　住宅火災時に雀躍して喜ぶ男」
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　「よじり不動」というのをご存じだろうか？　
　これは、日本屈指の絵仏師・良秀による、まるで「ほんもののような」不動明王の絵である。
　
　今に伝わる話によると、不動明王本体はあくまで暗く、画面において穴のようになっているが、かわりに背景の火炎が、赤々と、糸の束が絶え間なくねじれ、揺れ動くように、躍動感あふれる筆致で描かれており、煩悩を焼き尽くす不動明王の武神としての性格を、見事に代弁していた。この「よじり不動」のある寺には人がごった返し、他寺の僧侶から貴族、皇族、さらには禽獣の類(前世は功徳の低い人間だったので、畜生に生まれ変わったのだろう)までが争って詣り、おのれの煩悩をこの炎によってすっかり払ってしまおうとしたという。

　この独特な火炎の絵のおかげで良秀は、「不動尊の火炎を描かせるなら、良秀の右に出るものは無い」と称せられるまでになったのであった。

　とはいうものの、この良秀も、初めからこのような神憑りの絵を描けたわけではない。きっかけというものがあったのである。