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婚活を振り返って

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主婦( ♀ )
16/10/31 15:23(更新日時)

長かった婚活…。何度も泣きたくなった。
でもその何年か後に、すごくすごく好きな人と結婚♡自分でもびっくり!な人生f^_^;

自分の思い出日記として、また少しでも悩める婚活中の方の参考になればと思い、つぶやいていきたいと思います。

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No.2382638 16/09/29 06:20(スレ作成日時)

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No.1 16/09/29 06:56
主婦0 ( ♀ )

29歳。初めて結婚について真剣に考えた。
周りがパタパタ結婚し始めて、内心焦っていた。

当時の私には彼氏が居た。

彼氏 34歳
会社経営
おおからでとても真面目なひと。
顔はブチャイクだけど、器の大きなところと仕事に対する姿勢を尊敬していた。

なんとなく3年位付き合っていたけど、結婚について真剣に考えたことがなかった。
彼からは何度か家庭を持ちたいという憧れの話は聞いていた。でも仕事に勤しむ日々で、それについて深く話し合ったことはない。

「彼と結婚するのかなぁ…??」
上手くイメージが湧かない。

仕事に入り浸っている彼を支えていけるのかしら…(従業員の方々とも上手くやっていかなきゃ)、
仕事で家を空けることが多い夫になるだろうが、ひとりで家庭を守れるかしら……


人としては超が付くくらい尊敬しているけれど、
男性としては…。。。



一年以上話し合いを重ねて、彼とはお別れした。
男のひとが泣くところ、初めて見た。罪悪感でいっぱいだった。
ごめんなさい。

自分自身も不安しかなかった。居心地のいいぬるま湯から出て、一人立ち。しかも三十路で。

でも、この先に結婚がないなら離れなきゃ。

最後は背中を押してくれた彼。
ありがとう、前へ進まなきゃ。

No.2 16/09/29 07:03
主婦 ( ♀ )

いきなり一人になって、戸惑っていた。
心にポッカリ穴が空くって、こんな感じなのか?

とりあえず、始めようか、婚活を。

…といっても、何から??

ネットでググってみたら、婚活パーティーがhitした。
ほんとうに便利な世の中だ。

友達でも誘いたかったが、婚活パーティーなんて何だかちょっと恥ずかしくて言えなかった。

ウジウジしてても始まんないし、ひとりで行ってみるか!
すぐに登録&申し込みをした。

No.3 16/09/29 07:17
主婦 ( ♀ )

初めての婚活パーティー。

小さな会議室。受付で本人確認。
会費は無料のものだった。

椅子がたくさん並んでいる。
番号札とプロフィールカードを渡されて指定された椅子に着席する。

プロフィールを記入し、開始時刻を待つ。
続々と入ってくる男性陣に目を向けると意外とイケメンも居る!…でも、若そう…。

全員揃うと、司会者からの説明があり、その後の合図で男性と一対一で話をする。その時に先に記入したプロフィールカードを交換するのだ。

男女ともに20人くらいずつ居た。
一人につき2分位ずつの会話。

自己紹介もゆっくりできず、相手の顔を覚える余裕もなかった。
逆に中には沈黙がほとんどのひとも居た。

結局、誰が誰だかよくわからなくなり、最後は疲労感だけだった。誰の番号も書けなかったので、カップルになれるわけもなく。。。

初めての婚活パーティーは要領がつかめないまま終了。

No.4 16/09/29 07:27
主婦 ( ♀ )

いい経験をした。
うん、そうだ、これも経験だ。

そう思いながら、帰りがけのコンビニで珈琲を買っていた。
店を出ようとした時、「すいません〜」と女性の声。
忘れ物でもしたかな?と振り返ると、そこには先ほどの婚活パーティーで隣に座っていた女性が。

「もし良ければ、お友達になってもらえませんか?」

!?すごく驚いた!

彼女の名前は智美。年齢は33歳。
大人ぽい雰囲気で、スタイルもいい美人さんだ。
こんなに美人さんでも婚活してるんだ…。

自分が住んでいる町の隣町に住んでいる事もあり、そのまま会話しながら一緒に帰った。


婚活で女友達が出来た。

No.5 16/09/29 07:31
主婦 ( ♀ )

智美とはたまに食事をしながら話す仲になった。
智美の理想の相手は、いわゆる三高?というやつらしく、なかなか相手が見つからないのも納得できた。
それでも明るく婚活に励む智美を見ていると、自分も頑張らなきゃと思えた。

だから、智美には感謝している。



そのうち智美は「合コン」に呼んでくれるようになる。

No.6 16/09/29 07:36
主婦 ( ♀ )

30代初めての合コン。

20代前半で何度か参加した程度の合コン。騒がしくてタバコ臭くて居心地悪いイメージ。

でも、そんな事いってらんない、
声がかかるうちは行っとかなきゃ!

3対3の合コン。

うーん、やっぱり何もピンとこない。
その場だけ楽しんで、おしまい。
疲れた。。。

No.7 16/09/29 07:41
主婦 ( ♀ )

何度か合コンを経て、さすがに疲れてきた。

智美はタフだ。何度も合コンを主催している。お店決めや人数揃えも大変だろうのに、当日も楽しんでいるし、すごいなぁ…。

そんなある日「街コン」のチラシを発見。

合コンみたいに密室じゃないし、人数も多いし、いいかも!!

早速智美に連絡した。
チラシの写真を添付して「街コン参加してみない?」と。

すぐにOKの返事が来た。

No.8 16/09/29 07:47
主婦 ( ♀ )

初めての街コン。

めっちゃめちゃ大人数だった。
いろんな人とトークしながら、公園を散策するものだった。
どの人と話したいかとか、そんな事考える暇もなく、たくさんの方々が声をかけてくれた。

「どこから来たの?」
「何歳なの?」
「ほんとに彼氏いないの〜?」

しばかく恋愛から遠ざかっているので、あたふたしてしまった。

そんな中でバツイチでダンス講師をしているという男性がずっと後をついてくる。
「食事に誘いたい。連絡先を教えてほしい。」
何度もしつこいのだ。

気持ちは嬉しいが、全くタイプでもないし、子どもが居ると聞いて、軽々しく食事なんて行けない!と思い、
街コン終了とともに逃げるように帰った。

No.9 16/09/29 07:48
主婦 ( ♀ )

婚活パーティー、合コン、街コン…、、、
すごい!私、婚活頑張ってる!!

結果は0だけど、経験値は上がっているはず!!
前向きに行こうと思った。

No.10 16/09/29 08:02
主婦 ( ♀ )

「料理婚活」…というものを母が勧めてくれた。
自分も料理は嫌いじゃないので、行ってみよう!と思った。

最近高校時代からの付き合いの「由美先輩」から「彼氏と別れちゃった。いい話があれば教えて。」というメールがあったので、今回は先輩と一緒に参加する事に。


由美先輩 35歳
顔はクールそうな印象で性格も落ち着いているが、料理上手で気の利くとても女性らしい人。


料理婚活は男女6人の班に分かれてピザを作るというもの。
ちょっと驚いたが、今回は男性陣が年齢層も高めであまり恋愛対象に見られない方ばかり。。。由美先輩ごめんなさい!

苦笑いしながらも先輩は「ピザ楽しみだね。」って。


ピザ作りも終盤に差し掛かり、焼けるのを待っていた。
女性陣は班とか関係なく、かたまって男性陣に対する愚痴大会になっている。
男性陣はというと、携帯いじっていたり、下を向いていたり、隅っこでボーッとしていたり…。。。

婚活なのに、男女が完全に分裂している。そして空気がピリピリだ。

なんだこの地獄絵図は…。

とりあえず、失礼過ぎても後味悪いし、自分の班の男性と世間話をして過ごした。

空気を読んでか、読まずか、司会者が笑顔で話しかけてくる。「誰かいい人いましたか〜?、あなたは結構人気ありましたよ〜!」なんて。

美味しいピザを頂いて、解散。
カップルは0だと司会者が肩を落としていた。

こんな事もあるんだね。
由美先輩とケーキ食べて帰った。

No.11 16/09/29 09:30
主婦 ( ♀ )

また婚活パーティーに戻ってみる。
婚活パーティーを主催する会社は、調べてみるとたくさんあり、それぞれに売りにしている個性があった。
例えば、カップル成立率の高さをアピールしていたり、連絡先交換が手軽に行える、アフターフォローが充実しているなど様々。

とりあえず2つの会社に登録して、二度目の婚活パーティーに挑んだ。

No.12 16/09/29 09:37
主婦 ( ♀ )

綺麗めなワンピースにハイヒール、美容室に行ったばかりの髪の毛をセットして会場に出向いた。
会場入りする直前に化粧室で、エルメスの勝負香水を腰部分に控えめにつけた。


一度目のパーティーに行った時、第一印象の大切さを実感した。
あの少ない時間の中で口と耳をつかっての情報のみでアピールするのは難しい。ならば、視覚と嗅覚もフルに使わなければ。

お目当の人が現れた時に、後悔しないように。

No.13 16/09/29 09:48
主婦 ( ♀ )

二度目のパーティーでカップルに選ばれた。


中山さん 38歳
大手企業勤務のエンジニア
出身は遠方だが転勤で私の住む県にきているらしい。

音楽鑑賞や美術館巡りが好きということで意気投合し、じゃあ今度一緒に美術館にいきましょうと話していた。

顔は知的な大人の印象で、背も高かった。
イケメンかどうかと言われると、、、とにかく普通な感じだった。
でも、それが逆によかった。

パーティーの後、喫茶店でお茶を飲んだ。
あの美術館に連れて行きたい、あの人の音楽を聞かせてあげたい…彼は未来の夢?をたくさん語ってくれた。

No.14 16/09/29 10:01
主婦 ( ♀ )

中山さんのアピールは積極的だった。
毎日長文メールがあり、三日に一度は電話がかかってきた。
お互いの都合もあり、三週間後くらいにデートの約束をした。

中山さんとカップルになったパーティーに参加していた智美からは近況を聞かせて欲しいとの連絡が入っていた。

智美とはすぐに会える距離だったので、仕事帰りに近所のカフェで食事の約束をした。

「いいじゃん!彼!!あの年収なら専業主婦になれるね!」
カフェに入ってきた智美は開口一番にそう言った。

…確かに、彼の年収は800万と書いてあった。平均がどの位かわかんないけど、自分の年収は300万程度だ…。
そう思うと、高い方だろうな。

智美はマシンガントークだった。
お兄さんがいるって言ってたから、後継しなくていいんだよね?
転勤だから、大変かもね〜、でも都会の方の勤務になれば楽しいんじゃないの〜とか、、、


あの、まだデートもしてない段階なんですが。。。。


智美と話して、「条件」もきちんと把握して将来のイメージをすることも大切だなと改めて感じさせられた。

No.15 16/09/29 10:21
主婦 ( ♀ )

中山さんとのデート

お昼の約束だったが、急に彼が休日出勤になったようだ。
約束はキャンセルかと思ったが、
彼がどうしても会いたいと言ってくれ結果、
夜の時間帯に彼の家の近くでの待ち合わせに変更した。

改めて約束をした夕方6時から、30分ほど遅れて彼は現れた。

時間にルーズな人はちょっとなぁ…

そう思いながらも、「仕事お疲れさまでした。」と笑顔で言った。

彼は頭を掻きながら、「ごめんね、急に色々あって…」とバツが悪そうな顔をしていた。

一瞬モヤっとしたけど、まあいいや、とりあえず一緒に過ごしてみてからだ。

「こちらは大丈夫ですよ。」とさらに笑顔で返した。

その日は彼のおすすめだという店に連れて行ってもらった。

No.16 16/09/29 10:49
主婦 ( ♀ )

中山さんはとにかく家庭を持ちたいと話していた。みんなでユニホーム着てサッカー観戦とか行きたいだの、年に一度は必ず旅行したいだの…。

すごいイメージ膨らんでますね。。。と思いながら、聞いていた。

そういえば、自分はどんな家庭を持ちたいのか、あまり具体的にイメージしてないかも。

中山さんを見習って、私も妄想してみよう〜!と思った。

No.17 16/09/29 11:39
主婦17 

私にも覚えがあります(^^;
面白いので続きお待ちしています♪

No.18 16/09/29 12:27
主婦 ( ♀ )

>> 17 ありがとうございます(^^)
今となっては、いい思い出ですよね。整理しながら、書いていきますのでよろしくお願いします。

No.19 16/09/29 12:51
主婦 ( ♀ )

当時の私には妄想上手な先輩が居た。笑

藤田先輩 35歳
会社員


妄想上手と言っても変な意味じゃなく、想像力が豊かで、常にポジティブな人だ。
男友達だから、そこまで親しいわけじゃないがたまに雑談で盛り上がる仲だ。

「先輩、私実は婚活中です。でも、全然上手くいきません。どんな家庭を持ちたいのかもわかりません。」

恋だの結婚だのの話は初めてだったので、藤田先輩は少し驚いていた。

…が、すぐにこう言われた。
「へぇ、どんな家庭かは相手によるでしょ。まずは、相手!どんな人がいいの?」



「そうですね、真面目な人がいいです。あと、ちゃんと働いてて、顔は普通くらいで…」
そう言いながら、想像を膨らませた。

先輩は「曖昧だな。絶対譲れない所とか、絶対嫌なタイプとかないの?」
続けて
「言葉にすることで、自分と向かい合ういい機会になるんだから、ゆっくり考えてノートなんかに具体的に書き出してみたら?きっと何か見えてくるから。」
そう言いながら、ニコッと笑った。

No.20 16/09/29 13:02
主婦 ( ♀ )

雑貨屋さんでノートを買って帰り、早速想像しながら書き出した。

◯譲れないところ
①真面目にお仕事している
②家庭を大切に思う気持ちがある
③誠実
④年収が自分より多い
⑤笑顔がかわいい
⑥心身ともに健康

◯絶対嫌なタイプ
①極端に太っていたり、痩せすぎの人
②遊び人の人
③軽い人、嘘つきの人
④ギャンブル好きの人
⑤好き嫌いが多い人
⑥暴力的な人


…こんな感じどったと思います。
とにかく具体的に考えれば考えるほど、出てこない。
若い頃は、年上の大人で〜、背が高くて〜、趣味が一緒で〜、面白くて
〜、リードしてくれる人〜!とか思っていたけれど、
いざ婚活となると、そんな事どーーーでもいいじゃん!f^_^;と思えていた。

No.21 16/09/29 13:09
主婦 ( ♀ )

そういえば、最近中山さんからのメールが届いていない。
あんなにいい雰囲気だったのに…。ちょっと寂しく感じた。

気になるなら、自分から連絡をとってみよう!


「お久しぶりです。お元気ですか?
この間はありがとうございました。
◯◯美術館に行くの、とても楽しみです。次の週末にでもいかがでしょうか?」

メール送信。


でも、返ってこない。。。あれれ??

No.22 16/09/29 13:15
主婦 ( ♀ )

智美は「気にしなくていいじゃん!またパーティーいこうよ!」と励ましてくれた。

でも、まだどこかで待っていたいという気持ちもある。
自分が書き出した「譲れない条件」に近いんじゃないかと感じていたから。

そうこうしているうちに、中山さんからメールが届いた。
出張続きで忙しく、ゆっくりメール文章を考える時間もなく、本当にすまない…という旨の事が長々と綴られていた。

言い訳にも見えたが、まだ彼の事もよく知らないので言葉のまま受け止めるしかなかった。

中山さんは来週末にはまとめて休みが取れるので、どこか行きたいところをリクエストしてくださいと言ってきた。


私は迷わず、彼が勧めてくれた美術館をリクエストした。

No.23 16/09/29 13:18
主婦 ( ♀ )

それ以降は、中山さんからメールが返ってくる事は無かった。

少し落ち込んだ。自分のどこが悪かったんだろう。。。

でも、次の日には、口ばっかり大きい事言って、全然実行しないハッタリ男じゃん!って、心の中でツッコミを入れていた。

出来ない約束をしない男がいい。

ノートの「絶対嫌なタイプ」に「口だけの男」と書き足した。

No.24 16/09/29 13:27
主婦 ( ♀ )

気を取り直して婚活パーティーに参加した。
智美は相変わらず綺麗だ。
私も頑張らなきゃ。

いろんな人に出会った

35歳 イベントスタッフ
とにかくみんなで賑やかに過ごしたい人
関西弁でツッコミキツすぎてついていけない。。。


29歳 製造業
年収は低めだけど真面目にコツコツ頑張ります〜と言ってるけど、
おとなしすぎて、会話に困っちゃう。。。

38歳 公務員
各地に転勤ありますが、黙って付いてきてくれて、尚且つ支えてくれる女の子探してます〜って、
なんか身勝手な雰囲気がプンプンする。。。


連絡先を交換しても、違うと思ったらフェードアウト。お互い様ですけどね。

No.25 16/09/29 13:33
主婦 ( ♀ )

いつも通り婚活パーティーを終え、コンビニで珈琲を買っていた。
約一年前に智美が声をかけてくれたコンビニだ。

レジを済ませ、出て行こうとすると肩を叩かれる。
まさか、智美!?

No.26 16/09/29 13:41
主婦 ( ♀ )

んなわけもなく、後ろを振り向くと知らない男性が立っていた。

「俺、お前の事選んだのに。」

いじけた顔で彼は言った。

そういえば、この男、先ほどのパーティーにいた人だわ。

「飯だけ付き合ってよ。奢るからさ。」

強引に手を引っ張られた。

ゴツゴツして硬い手だった。
彼は現場仕事をしている人だった。
今まであまり関わった事のない職種でもあり、男らしさがかっこよく見えたのもあり、引っ張られるままついて行ってしまった。


居酒屋の個室に通され、メニューを渡される。
「飲みもん選べよ。」
「好き嫌いは?」
と聞かれたので、
「ウーロン茶がいい、好き嫌いはない。」と答えた。

彼はビールにウーロン茶、あと唐揚げとかサラダとかを適当に注文してくれた。


ここで初めてハッとして、
「あの、明日朝早いから、21時には帰るからね。」と嘘をついた。
彼は「おう。」と言ってタバコに火をつけた。

No.27 16/09/29 13:47
主婦 ( ♀ )

食事しながら、取り調べのような質問を受けた。
「家は?」
「家族は?」
「年は?」


この人、とても不器用なんだな…と思った。
なんだか憎めない。


そして、意外だったのが、両親を早くに亡くし祖母に育てられ、今も祖母と二人で生活しているという。

見た目は遊び人みたいだけど、意外といいヤツじゃん!…と思った。

彼の名前はタケシ 34歳


あっという間に21時がきて、私は店を出た。

No.28 16/09/29 13:53
主婦 ( ♀ )

タケシはテーブルの上に残っていた焼きそばを口いっぱいに入れて後を追ってきた。


「なんだよ、ゆっくり食べて帰ればいいじゃん。私は大丈夫だよ!」と突き放した言い方をしてしまった。

タケシはモゴモゴしながら、追いかけてくる。
ごくりと飲み込み、
「女一人で帰らせれるかよ!食いモンだって粗末にできねーだろうが!」と言った。


不器用な優しさにドキッとしてしまった。

それに、食べ物を大切にする人、いいなぁ…と思った。

結婚条件の「譲れないところ」に
「食べ物を粗末にしない人」を追加した。

No.29 16/09/29 14:02
主婦 ( ♀ )

それからタケシからメールがくるようになる。

仕事を終え帰ろうとすると
「今近くまで来てるから、飯いくぞ。」などと突然メールがくる。


ある日は
「ラーメン食べたくなったから、いくぞ。」と。

いつも言い方が偉そうなので、私は敢えて「ラーメンなんて嫌だ、パスタがいい!」などとワガママを言ってみたのだが、

「しょーがねーな!んじゃ今日はパスタだ!」と聞いてくれるのだ。


俺様な男なんて、あり得ないと思っていたが、ちょっとハマりつつあった。

No.30 16/09/29 14:21
主婦 ( ♀ )

久しぶりに由美先輩から連絡が来た。

「彼にプロポーズされたの。幸せ!!」て。

すごい!すごい!!すごい素敵♡


先輩とは料理婚活以来だった。

早速お茶の約束をして会いに行く。


「どんな人なのー?いつから付き合っていたの〜〜??」
テンションが上がってしょうがない。


由美先輩は、料理婚活のあと、すぐに引越しをしたそう。前の失恋の辛さもあり、地元を離れたかったんだって。

正社員の仕事も辞めて、違う会社で契約社員になり、そこで知り合った同僚から紹介されたのが旦那さんになる今の彼。

先輩は得意の料理で毎日お弁当を作ってあげたそう。
胃袋つかまれちゃったんだね、旦那さん。

なんだか由美先輩、お肌つるつるだなぁ。

No.31 16/09/29 14:29
主婦 ( ♀ )

「そのタケシくんとは付き合ってるの?」由美先輩に聞かれた。
「ううん、まだ食事いくだけの関係。まだ付き合ってないよ。」


更に先輩は「優しい人なの?」と心配そうな目で聞く。


私はタケシのぶっきらぼうで俺様な性格からチラチラ見える優しさを思い出しながら「まぁ、うん、まあまあ優しいかな。」と言った。

由美先輩は、彼が出来たらいつでも連れておいで。私がチェックしてあげるから!と笑いながら言った。

幸せいっぱいなのに、私の事まで気を遣ってくれる由美先輩に感謝だ。

No.32 16/09/29 14:34
主婦 ( ♀ )

ある日、いつものようにタケシと食事を済ませ、帰ろうとした時に腕を掴まれた?

「お前、付き合いたくねーの?」

相変わらず上から目線だなぁ。

「タケシはどうしたいわけ?」

質問返ししてやった。


「付き合う…。付き合おう!」と柄になく大きな声で言った。


「いいよ。」
お返しにちょっと上から言ってやった。


やっぱりこういう事は男の人から言って欲しいもんね。

No.33 16/09/29 14:44
主婦 ( ♀ )

付き合いが始まり、何ヶ月か経った。
タケシは手を繋いでくるようになった。
でもそれ以上はしようとしなかった。

大切にしてくれているのかな。
なんか、嬉しい…。

食事も毎回ご馳走してくれていたが、彼の負担を減らしたくて、割り勘にしようと提案した。


彼の収入は多くはなかったが、共働きすればやっていける程度だと思ったし、少しずつ将来の事を考えていた。


智美は「現場仕事でしょ!?私は無理。やっぱホワイトカラーがいいな!」なんて言っていたなぁ。

No.34 16/09/29 14:51
主婦 ( ♀ )

智美は常に複数人の男性とやり取りをしていた。
「メールもすぐに返信しちゃ、簡単な女だと思われるから時間差で返すの。
デートは一人2〜3時間まで。休日は時間差で3人くらいとデートするよ!」なんて。


ものすごくタフだね!
…てか、恨み買わないようにね…と心配したが、

智美は「本気で妥協したくないから、こうでもしないと無理!」とメラメラしていた。


そこまでしないと理想の相手に出逢えないなら、私は到底無理だ。
タケシは優しいし、今のところ上手くいっているし、不満はないけど、、、これって妥協しているのかな???

他人と比べてしまうと、やっぱり悩んでしまう。

No.35 16/09/29 15:04
主婦 ( ♀ )

順調かと思われたタケシとの付き合い。

最近、休日に会ってくれなくなった。仕事で疲れていて寝ているらしい。

平日の夜、レストランで食事をしていた。
タケシはいつものように俺様な態度。
本当に些細な事だったのに私は激怒してレストランを出てしまった。

自分でもどうしていいのか分からなかった。

一度は受け入れたタケシの俺様的な態度が、とうとうカンに障るようになってしまったのだ。


タケシは仲直りしようと追いかけてきて、強引に抱き寄せ「ゴメン」と呟きキスをしてきた。
なんとも言えないささくれた心になっていた。
とりあえず、走って帰った。
後ろから
「また電話する!」とタケシの声が聞こえた。

No.36 16/09/29 18:18
主婦 ( ♀ )

しばらくはタケシからの着信はとらなかった。
…というか、考えがまとまらず、とれなかった。


最初は向こうからの好意が嬉しくて、付き合った事のないタイプで新鮮で、
深く考えずに付き合っていたけど、
結局のところ彼の性分が受け入れられなくて、、、

ぶっきらぼうで俺様的な彼は、つまりお子ちゃまなわけで、自分に余裕がなくなると一緒に過ごすのはストレスだということだ。


彼との将来をイメージしてみたが、決して心地いいものじゃなかった。

優しくて柔らかい人がいいな。


タケシには何度か優しくしてほしいことは伝えてきたが、あの性格は直らないのだと既に分かっていた。


…もう別れよう。

No.37 16/09/29 18:29
主婦 ( ♀ )

婚活の中で迷子になっている感じだった。

智美が言うように、結婚に妥協をするのは良くないのかもしれない。



もしも妥協して結婚したら、喧嘩した時とかでもそこを思い出してイラっとするんだろうな。


でも妥協せずに…て、完璧な男性が居るわけがないし、居たところで自分を選んでくれるわけがない。。。


どうすればいいのか…。


そうだ!

相手のマイナスの部分も許せる器が自分にあれば、妥協せずとも受け入れることができるんだ。


相手を探すより前に、まずは自分が成長しなければ!

No.38 16/09/29 18:39
主婦 ( ♀ )

「もしも自分が男だとしたら、今の自分を見て結婚したいと思いますか?」

自分に問いかけた。

うーん、思わないかな。もっと若い子選んじゃうかも。笑


若さとか容姿とか、努力ではどうにもならない事は仕方がない。
じゃあ、他でどうカバーしていこうか?


由美先輩を思い出した!
料理だ!胃袋を掴めるようにお料理を習おう。

あとは、、、顔は変わんないけど、体型はもっとキレイになれるよね?
運動なんてしばらくしてないけど、近所のジムに入会しようかな。

仕事だってまだまだ頑張れる。経済的自立と、社会性をより身につけておこう。


そして一番は心の持ちよう。
明るく優しく強い女性でありたい。
毎日の生活の中で、感謝すること、挨拶すること、優しくすること。
1日1日大切に生きよう。

No.39 16/09/29 18:46
主婦 ( ♀ )

智美から合コンの誘いがあった。

今度は5対5らしい。

気が乗らなかったのでやんわりと断ってしまった。

ところが当日「ひとりドタキャンがいて、人数合わせでいいからお願い!!来て!!」と。


今日は料理教室もスポーツジムの予定もないし、気軽に行ってみるかな。


会場がそう遠くはなかったので、行く事にした。

No.40 16/09/29 19:00
主婦 ( ♀ )

合コンは相変わらずだった。

今回は智美主催にしては地味目の男性が多かった。またお仕事も契約社員の方とか、現場仕事の方など。

テーブルの下で智美がLINEを送ってきた。

「今日はハズレだね!せっかく来てもらったのにごめん!」




みるみるうちに女性側のテンションが低くなり、一時間程で解散しようという雰囲気になってきた。

連絡先交換時もあからさまで「携帯、なくしちゃって!」なんて言うのだから、智美には度肝を抜かれた。



それでも嫌な顔をせず、男性達は空気を読んで引き下がった。


女性側からは嫌な奴だと思われるだろうが、私は男性達に近づき、「今日はありがとうございました。ご馳走様でした。」と深々と頭を下げた。



あとから知ったのだが、女性側は智美が婚活パーティーで知り合った婚活友だちばっかりだったらしい。わたしを含めて。

No.41 16/09/29 19:08
主婦 ( ♀ )

あなたには気がないですよ、という意思表示は優しさでもあるが、
時にあまりにも痛々しく感じることがある。

結婚を真剣に考えているからこその態度なのかもしれないけど、
男女である前に
人と人なんだから、
もう少しソフトにいきたいと思う。

No.42 16/09/29 19:37
主婦 ( ♀ )

しばらく婚活は控えめにしていた。


その間、ずいぶん手際よく料理もできるようになった。
肉じゃがや魚の煮付けをはじめ、麻婆豆腐や青椒肉絲など中華にもチャレンジしていた。


ジム通いの末、体重は変わらないが、Gパンがワンサイズ小さくなった。胸の高さはキープできている。


仕事でもひとつ昇進し、部下ができた。
指導する側の難しさや気持ちが分かるようになり、未熟な自分を指導してくださった先輩や上司に対する尊敬の気持ちが大きくなった。

以前に増して沢山の人間と関わることになって考えも少しずつ柔らかくなっていた。

人間は欠点があって当たり前であって、そこには人間らしさが溢れていて、愛すべき点でもある…という事を思うようになっていた。


この頃、職場で「綺麗になったね。」と声をかけられることが増えた。

前より、自分のことをちょっとだけ「いいな。」と思えるようになっていた。

No.43 16/10/01 07:04
主婦 ( ♀ )

婚活パーティー会社は定期的にパーティーの案内メールを送ってくれる。

この日も何通か届いた。


「優待メール
一部の会員様のみのご案内です 【年収500万以上 安定職の男性限定のパーティー】にご招待します。いかがでしょうか?
※男性側の情報は、源泉徴収と社員証にて確認済みなのでご安心ください。」

ひとつのメールに目が止まった。

お仕事って大切だよね。

今までパーティーなどでも「自営業」などと誤魔化して、よくよく話をしてみると仕事をしていない人も居た。

誰でも参加できるものよりも、こういう限定ものに参加しよう。


参加費は女性でも5000円と少し高めだ。
でも将来のためなら、決して高くはない。

No.44 16/10/01 07:21
主婦 ( ♀ )

「分相応」

この言葉は、結婚相手を探すときに私の中で基本となっている。

年収、中身、外見、家柄などなど、広い範囲において、ある程度釣り合いのとれた相手が相応しいであろうと考えている。



婚活パーティーを始めた時点では、自分はワンランク上の「◯◯限定パーティー」に参加する自信がなかった。

分相応じゃないと感じていたのかもしれない。


でも、今の自分は前よりも少し自信がついていて、
「◯◯限定パーティー」に胸を張って参加できるようになっていた。


逆に誰でも参加できる無料のパーティーに参加する事は、時間が勿体無いとさえ思っていた。


同時に、戒めの気持ちも出てきた。

自信を持つことは良いことだけど、調子に乗らないで。謙虚さを忘れないで。

自分に言い聞かせた。

No.45 16/10/02 11:48
主婦 ( ♀ )

初めての有料婚活パーティー。

同じく会員になっている智美と一緒に参加することになった。

気合が入る。

白地にピンク系の花柄のワンピースにベージュのハイヒールとバッグ、一粒ダイヤのネックレス。

髪はコテで軽く巻いて、下ろした。

ブランド物のバッグやアクセサリーは避けた。

雑誌で「婚活スタイル」をお勉強したのだ。




智美はというと、真っ白のワンピースにハイヒール、大きなプラダのバッグを持って現れた。

「綺麗だね!」

思わず声に出してしまった。
女性から見ても綺麗だ!!

智美くらい美人だと様になる格好だ。


行きの電車の中であれこれと婚活についての抱負や希望を小声で語り合った。




「話は変わるけどさ、雑誌の受け売りだけど、ブランド物って、お金かかるイメージであまり婚活ではウケけないんだってよ!」
話そうか迷ったが、今後のためにも切り出してみた。

智美はバッグについた大きなプラダのロゴを確認するように見た。
「あぁ、これ?
いいの、いいの!!
だってさ、ブランド物も買えない男性もどうかと思うのよね。
多少のお金は掛かるけど、それだけ価値のある女になればいいわけでしょ。」
と言い放った。

なんだか、妙に格好よかった。

出会った時から、智美は自分磨きを怠らない子だった。それだけの自信があっての「婚活スタイル」なのだ。理想もブレない訳だ。

自分には真似できないけど、智美らしいな、と思った。


十人十色。
婚活についても、全然違うんだなぁ。

策を練り、考えを巡らせて、みんな自分なりに婚活に挑んでいるんだ。

No.46 16/10/02 15:13
主婦 ( ♀ )

会場の雰囲気がいつもと違った。

男性はほとんどがスーツを着ている。
女性も気合が感じられる。

今回は安定職の男性ということだが、年齢制限がなかったので、幅広い年齢層だ。

女性で30代以上というと、微妙な表情をされることもある。


照明が暗めなので、年齢がわからないのか、プロフィールをマジマジと見て、「あ、32歳なんですか!?」なんて言い、よそよそしい態度に豹変する人もいた。。。


年齢だけはどうにもできないんだよぉ〜!!泣


なんだか一気に自信が無くなる。



こうなったら、好意を持ってくれているであろう人から選ぶしかないのか…!?

No.47 16/10/02 15:36
主婦 ( ♀ )

今回のパーティーは気になった人に連絡先を書いたカードを渡す事ができる。

男性の中には、手当たり次第に渡している人も居た。

誰が誰だか分からなくなりながらも、何枚かのカードをいただいた。


思い返してみると、32年間恋愛に対してはずーっと受け身だ。
勿論、あの人カッコいいな…なんて片想いしたことはある。でもどうしていいのか、わからなかったのだ。


その点、今回の婚活パーティーは単純だ。
カードを渡せばいいのだから…。



ごちゃごちゃと考えているうちに、パーティーは終了。

あーあ、結局何も出来ずじまい…。。。



高い会費を払って来たんだ。何かキッカケを作って帰りたい!



あ、そういえば、あの人、住まいも近いし、優しそうだったな。顔も嫌いじゃ無いや…。

それだけの理由で退場したひとりの男性を追いかけた。

「あの!すいません!!」


彼は驚いた顔で振り向いた。

「これ!渡しそびれちゃって。よければ、貰ってくれませんか?」

連絡先を書いたカードを差し出した。

土屋さん 32歳
会社員

笑顔が少年のように可愛くて、とても優しそうな印象。
洋服のセンスも好きなので、なんとなく好感を持っていた。


土屋さんはクスッと笑ってカードを受け取りながら言った。
「ありがとう。…帰りにお茶でもしますか?」

「あ、友達と一緒なので…。」

「じゃあ、後日に食事でも。俺の連絡先も渡していい?」

土屋さんはポケットから手帳を取り出して、フルネーム、電話番号、メールアドレスを書いて渡してくれた。

No.48 16/10/02 15:47
主婦 ( ♀ )

むふふふ…と智美が笑っていた。
「すごい積極的じゃん。私なんかに構わず、お茶行っても良かったんだよー!」

恥ずかしくなった。

「夜は判断力が鈍るから、いいの!今度ランチでもするよ。そういう智美は?」

「私!?全然タイプの人居なかった!今回はハズレ!」


恒例の婚活反省会。ふたりでハンバーグ食べて帰った。

No.49 16/10/02 15:52
主婦 ( ♀ )

土屋さんはマメな人だった。

ほぼlineでの連絡だ。
「今日のランチ美味しかった。このカフェ、今度一緒にいきませんか?」とか、「うちのペット。可愛いでしょ!?動物は好きですか?」とか、写真も交えて送ってくれた。

近かったこともあり、パーティーから一週間後、ランチの約束をした。


土屋さんは車を持っていて、近所のコンビニまで迎えに来てくれた。白くて大きな車。

ランチはオシャレなカフェに連れて行ってくれた。

No.50 16/10/02 15:58
主婦 ( ♀ )

一緒に過ごしてみて、嫌な事や不快な事は何一つない。

控えめだが、時々男性らしさを見せてくれる。
例えば、送り迎えは必ずしてくれるし、街中のセールスに捕まっても上手く断って引っ張ってくれる。

ほんのちょっとした事だけど、嬉しかった。

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