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機動戦士ほのガンダム 〜宇宙に舞う9人の歌姫〜

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自由人
17/07/08 15:08(更新日時)

あらすじ

人類が、その増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀以上が経過していた。
地球の回りに浮かぶ巨大な人工の大地、スペースコロニーは、人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を生み、育て、そして死んでいった。

宇宙世紀七十九。
地球から最も遠いスペースコロニー群、A-RISE3は、UTX国民こそ宇宙の最先端を名乗り歌と歌姫による軍事国家と化し、A-RISE歌公国の名を掲げ独立戦争を挑んで来た。
開戦後、わずかにひと月とたたずして、人類はその総人口を死に至らしめまたA-RISE歌公国に寝返る者もいた。
人々は、その、自らの行為に恐怖しまたA-RISEの歌声に惹かれていた。

しかし、後にu’s(ミューズ)と名乗る9人の少女が歌姫となりひとりまたひとりと終結していた。“ほのガンダム”という希望の名の下に……。

注 世界観設定は基本的に宇宙世紀シリーズに沿いますが、アナザーガンダムなど他ガンダムシリーズの機体や世界観も入ってくると思います。
オリジナル作品とは多々、異なる点はご了承ください。

16/10/31 15:28 追記
絢瀬絵里と亜里沙の登場はたぶん遅めの予定。
u’s 結成までには時間かかる可能性あり。
今後、にこは過去とサーシェスと向き合いソレスタルビーイングとして戦いに身を置く。ただしこころたちは忘れずまた穂乃果たちを影ながら支援。
ことりはトロワと行動を共にし平和を考えた連合指導者親族へ贖罪の旅。その後はゼクスによって修復されたウイングを見る、が後にホワイトベースと合流するかは未定。

No.2376760 16/09/13 07:59(スレ作成日時)

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No.51 16/09/30 07:58
自由人 

穂乃果がホワイトベースに戻ると、海未たちは駆け寄った。

海未 「穂乃果!」

穂乃果 「はあはあ、強いよ。ソレスタルビーイング」

HONOガンダムは遠目には装甲は美しく見えたが、実際には傷だらけだった。ルナ・マキニウム合金が傷をつけられるということは破壊させられる危険を物語っていた。

凛 「穂乃果ちゃんを傷つけるなんてひどいにゃ」

カイ 「傷ついたのはガンダムだろ」

リュウ 「ソレスタルビーイング、だけど狙ったのはガンダムだ。ホワイトベースには一切、手を出していない」

花陽 「目的はガンダム?」

ああ、とリュウはうなずく。
希は傷ついたガンダムを見上げる。このガンダムはなんやろうな、と。
その頃、ことりはOZ基地に他の三機のガンダムと共に襲撃していた。
五飛がこの戦いに参加してないのを知ったのは後からだった。

ことり 「デュオくんに他のガンダム!」

レーダーには自分のウイング以外は基地までの進路をリーオーなどのOZのモビルスーツで阻まれ進めない。ウイングガンダムはバードモードで飛行するが、そこへ大型のビームが夜の闇から向かってきた。

ことり 「」ピイッ!

ゼクス 「ガンダム01、私たちにビームは必要ないだろう!」

ことり 「プロトタイプリーオー!?なんで!?」

ゼクスのプロトタイプリーオーことトールギスの純白の機体がドーバーガンを捨てビームサーベルを抜いた。
一対一の決闘の姿勢が見て取れた。

ことり 「ふざけないでよ!決闘だなんて」

ことりはそう叫ぶもののアイドルにかける情熱と似た何かを感じてしまい、バードモードからモビルスーツモードに戻りバスターライフルを捨てビームサーベルを構えた。

トロワ 「目的はOZが宇宙への進出を阻止することだ。悪いがいかせてもらう」

ことりとゼクスがビームサーベルで戦いあうなか、トロワの赤いヘビーアームズはゆっくり確実にOZ基地に進んだ。
デュオとカトルもまた苦戦していた。

デュオ 「ちっくしょお!」

カトル 「まだです!まだやれます」

No.52 16/10/04 09:40
自由人 

その頃、月を出たアルビオンは評価試験のために真姫とガンダム二体を載せて地球に降下し始めた。

シナプス艦長 「降下シークエンスに入る!」

真姫 「これが地球、そしてあのガンダムがいるところ……」

アナハイムの制服に身を包んだ真姫はつり目な瞳のなかに熱い眼差しがあった。
そしてことりは、

ゼクス 「さすがガンダム!決闘の精神を心得ている!だが勝つのは私だ」

ことり 「ピイッ!やらせないよ」

ゼクスのトールギスとビームサーベルを交えていた。互いに譲らない戦いがあった。

ことり 「穂乃果ちゃんや海未ちゃんのもとに戻るんだから!」

ウイングガンダムのスラスターやバーニアを全開にしてゼクスのトールギスに体当たりなみに仕掛けた!
瞬間、ゼクスのトールギスは避けきれず左腕を切られた!

ゼクス 「なんだと!?」

ことり 「じゃまをしないでよ!」

しかし、その決闘の最中に基地からレディ・アンの声がガンダムとゼクスに伝わる。

レディ・アン 「ガンダムに告ぐ!我々はコロニーを連合のミサイルにより攻撃する意思がある。連合のミサイルは我々が掌握した。繰り返す」

デュオ 「コロニーが!?」

カトル 「狙われた」

トロワ 「……」

ことり 「」ピイッ!

ゼクス 「無粋なことをしてくれる!ノイン、レディ・アンに通信をまわせ!」

ノイン 「わかりました」

ゼクスはガンダムにビームサーベルを向けながら憤る思いがあった。
目の前のガンダム01に迷いがある気がした。

No.53 16/10/06 07:55
自由人 

その頃、にこは再び脱走を試みようとしていた。

にこ 「」カチャカチャ カチャッ!

にこ 「なんで開くのよ」。。。。゛(ノ‥)ノ

こころ 「お姉さま」

にこ 「」ビクッ!?

にこ 「こ、こころ。それに……」

ここあ 「いつでも戻ってきていいですから」

虎太郎 「がんだむ〜」

こころ 「いってらっしゃいませお姉さま」ウルウル

にこ 「あ、あんたたち。馬鹿でしょう。穂乃果以上に!」

穂乃果 「」クシャミ!

海未 「」(/≧◇≦\) テヲ ツカイナサイ!

穂乃果 「」ゴメン カゼカナ

にこはこころたちに見送られて再び脱走した。たぶん、あの子達が自分をひそかに脱走させてくれていたのだ。
だが、どこへいくのか。
UTX歌公国へ復帰かあるいはふつうの生活へ戻るのか。
にこは再び沙慈たちの住むマンションの前で可愛さアピールをした。

にこ 「にこにこに〜♪にこにこに〜♪」

沙慈 「ガンダム、姉さんが調べてるんだけど危ない目に遭わないといいけど」

ルイス 「沙慈のお姉さんだもん。だいじょうぶよ」

にこ 「にこにこに〜♪にこにこに〜♪」

ルイス 「ケロロ軍曹を見ましょう」

沙慈 「そうだね」

にこ 「ラブライブでしょう!」ガアア!

沙慈ルイス 「」ニゲロ!

にこ 「はあはあ。このにこさまの可愛さがわからないなんて」

刹那 「……」

にこ 「」ムッ

刹那 「」ピグモン?

にこ 「誰が友好珍獣よ!」

刹那はにこの姿に目をやると、そのまま山中に隠したガンダムのもとに向かった。
しかし、何かを感じたにこに迂闊にも尾行されていたことに気づかなかった。

刹那 「エクシア」

にこ 「エクシア?あれがあのガンダムの名前」(( ̄_|

刹那 「誰だ?」

にこ 「」エイッ!

刹那 「」キゼツ👼

にこ 「ふつうの生活に戻りなさい、知らない少年」

刹那 「」ロリ

にこは刹那からガンダムエクシアを奪い飛び立った。ガンダムエクシアと同じ識別信号を発しているらしい機体がありそのまま南海の孤島にたどり着いた。

にこ 「ソレスタルビーイングの隠れ家のひとつかしら」

No.54 16/10/06 15:11
自由人 

にこは識別信号を発信する信号のもとへエクシアを降ろしていった。

にこ 「」ドキドキ

にこ 「これてまずくないかしら。さっきの刹那て子を気絶させたまま置いてきたし」

とはいえモニターを見るとひとりはおっさん、もうひとりはかなりのイケメンともう一体のガンダム、そして謎のコンテナがあった。

? 「刹那、お前のおまちかねのモノが届いたぞ。早く降りてこい」

にこ 「」ヤバッ

? 「刹那!早くしろて!」

イケメンの方に声をかけられ一瞬、浮かれたにこはコクピットハッチを開けてしまった。

ロックオン 「刹那!?お前」

ラッセ 「刹那か」

にこ 「」バレタ!?ドウシヨ ドウシヨ

ロックオン 「刹那、女装で任務してたのか」

ラッセ 「可愛いな」

にこ 「へ?」

にこ 「じゃなくてあたしは女の子よ!!」

ロックオンとラッセ 「なんだと!?」

持ち前の強きな性格が出てにこは本物の刹那とちがうことをバラしてしまい本気で焦った。

にこ 「」アセアセ アセアセ

にこにはふたりの静寂が恐ろしくこわいモノに思えた。

ロックオン、ラッセ 「……」

ロックオン 「なんだ!刹那、お前女の子だったか」アハハ!

ラッセ 「知らなかったぞ。刹那が女の子だったなんて」

ロックオン 「それよりデュナメスはGNシールドを装備してこれでパーフェクトだ!お前のガンダムの装備はこれだ」

ロックオンの言葉にラッセはコンテナを開いて説明する。

ラッセ 「セブンスソードだ。これでお前のエクシアも完全になるぞだ」

にこ 「へ」

にこ 「」ナゼ オドロカナイ

刹那を気絶させたにこはそのまま刹那・F・セイエイとしてソレスタルビーイングに入ったことになった。

ロックオン 「いったん宇宙に戻るぞ。スメラギさんとヴェーダから何かあったらしい」

ラッセ 「早く装備させろ。刹那」

にこ 「……」

ロックオン 「刹那はガンダムを心から愛してるからな」

にこ 「……」ソレスタルビーイング ハイッチャッタ アセアセ アセアセ

ロックオンとラッセは気づかないままにこを刹那と呼んでいた。

No.55 16/10/10 09:56
自由人 

にこはロックオン、ラッセと共にソレスタルビーイングに通じる内通者によって軌道エレベーターの中にいて宇宙を目指していた。

にこ 「」ドキドキ

動悸が激しくなるにこだったが、ロックオンとラッセはまったく疑っている様子はなかった。エクシアとデュナメスは完全な装備がされ別ルートで向かっていた。

ロックオン 「ついたぜ」

にこ 「」ドキドキ

ロックオン 「刹那、嬉しくねえのか?」

にこ 「……」ドキドキ ドキドキ

ロックオン 「やれやれ。無口なお前さんにも困ったもんだ」

ラッセ 「嬉しいんだよ。ガンダムがようやく完全になったんだからな」

にこ 「(うかつにしゃべれないだけなの!なんなの、ソレスタルビーイング!)」

軌道エレベーターを出たにことロックオン、ラッセは完全な装備になったガンダムと共にプトレマイオスにひそかに合流した。

にこ 「(これがソレスタルビーイングの母艦)」ドキドキ シャベリタイ!

ソレスタルビーイングの母艦プトレマイオスには他に二機のガンダムがありどちらもメディアを通して目にしたものだった。にこはロックオン、ラッセと共にプトレマイオスのブリッジに向かった。

スメラギ 「ごくろうだったわねラッセ。ロックオン、刹那」

にこ 「……」ナゼ バレナイ

フェルト 「刹那?あなた……」

にこ 「」ドキドキ

フェルト 「女の子だったのね。知らなかった、ごめんね」

にこ 「(なぜ謝られるのか。わからない……)」ドキドキ

スメラギ 「次の作戦になるわ。ユニオン、人革連、AEUは必ず動くはずよ」

ティエリア 「ヴェーダからも指令がきている」

にこ 「(う゛ぇーだ?)」ナニソレ?

にこはソレスタルビーイングの誰にも怪しまれないまま刹那・F・セイエイになった。
だけど、ホワイトベースに残してきたこころたちとまたどこかで逢うのだろうかと思った。

にこ 「(木馬のこともわかるかしら……)」

No.56 16/10/10 12:59
自由人 

再びことりとデュオたちはレディ・アンによりコロニーにミサイルを向けられ攻撃ができないままだった。

レディ・アン「繰り返す!我々は連合のミサイルを掌握した。ガンダムを引き渡せ、繰り返す……」

兵士 「各ガンダムともに動きを止めましたが反応はありません」

ゼクス 「レディ・アン少佐、何をやっているんだ!これはトレーズの望むところではない!」

レディ・アン 「わかっていないのはゼクス。お前だ!ええい!どこでもいいコロニーにミサイルを放て!」

ゼクス 「待て……!」

そこにL1コロニーのとあるところからOZ基地に通信が入り眼鏡と義手のドクターJの姿が基地やゼクスの機体に映る。

ドクターJ 「OZの諸君、キミたちが愚かなことはよく存じておる。だが、コロニーに直接手を出すほど愚かだったとはな。コロニーは戦いを望んでおらん。ワシがキミたちに戦いを挑んでおるんじゃ」

ゼクス 「ガンダムの開発者のひとりか……」

ことり 「」パパ? イヤイヤ チガウヨ!

レディ・アン 「そうきたか。ならばガンダムを引き渡し降伏しろ」

ドクターJ 「そうはいかん。ガンダムは渡せん、ヒイロ……?ことり?」

ことり 「!?」

瞬間、ことりはドクターJに自分の名前を言われたことに動揺しつい自爆スイッチを押したが運よく機体から爆風で弾き飛ばされ背中につけたグライダーで飛んでいった。

ゼクス 「なに!?」

トロワ 「……」

トロワはヘビーアームズでことりを追いかけ、カトルとデュオは互いに通信し退いた。

デュオ 「いまのうちに退くぞ」

カトル 「あ、ああデュオ……。胸がいたい」

ゼクス 「ええい!レディ・アンめ」

苦い戦いにゼクスが憤る頃、基地ではレディ・アンとノインが互いを睨んでいた。

ノイン 「トレーズ様からの通信です」

レディ・アン 「貸せ!」

ノイン 「トレーズ様からの伝言です。エレガントに、です」

レディ・アン 「くっ、ノイン特尉。……おぼえておれ」

グライダーで逃げることりをトロワはヘビーアームズの手で捕獲した。ことりは少し怪我をしているようだった。

ことり 「」ピイッ!

トロワ 「逃げるぞ……」

No.57 16/10/11 15:19
自由人 

OZとコロニー側ガンダムの戦いはマスコミを通して政略的に放送されその報道はホワイトベースにいる穂乃果たちにも届いた。

アナウンサー 「OZとの戦いによりガンダム01と呼称される機体は自爆したとありました。これによりライトニング・バロン(男爵)の爵位にあったゼクス・マーキス特尉は特佐へと昇進しライトニング・カウントとなりました。OZ傘下の国々は軍需産業へさらなる高みをめざすと思われます」

テレビ映像にはことりのが瞬間グライダーで飛び立つ姿が映りウイングガンダムが自爆する映像が繰り返し流されトレーズやゼクスの姿もプロパガンダ的に流しているのは明らかだった。

海未 「ことりが……」

穂乃果 「自爆しちゃうなんて帰ってこれないよ」

りんぱな 「そっち!?」

希 「ウチのスピリチュアルによるとことりちゃんはしばらくはホワイトベースに帰ってこないかもな」カード ピッ!

おやどり 「ことり…」

海未 「おやどり艦長代行、ことりはなぜコロニーのために戦うんですか」

おやどり 「いまはまだ言えないわ。わかってちょうだい……」

目を伏せるおやどりに海未は見つめ返すだけだった……。
ことりが行方不明なことはしかたないが、ホワイトベースもいつまでも日本にいるわけにはいかない。ジャブローにたどり着くためには地球を一周してもたどり着かないとならない。

おやどり 「日本での休息はおわりにします」

穂乃果 「秋葉原に行きたかったのに」

凛 「ラーメンを買い込んだにゃ」

花陽 「ごはんも!」

希 「食料や燃料、一部の弾薬は仕入れたさかい。まあよしとしよう」

海未 「ことり」

穂乃果 「ことりちゃんはかならず帰ってくるよ」

ホワイトベースは日本を飛び立つなか一機のガンダムとすれちがった。

海未 「あれはネオジャパン代表のシャイニングガンダムでは……」

穂乃果 「海未ちゃんはガンタンク乗りだよ?」パンガ ウマイ!

海未 「ガンタンクはいやなのです」ガミガミ!

穂乃果 「」(/≧◇≦\) カンベンシテヨ

果たしていつになればことりと再び合流できるのか……。
そしてにこの脱走にいつ彼女たちは気づくのか。

No.58 16/10/15 05:00
自由人 

しかしホワイトベースの行く手を阻むUTX軍により進路を変えざる得なかった……。

おやどり 「このままではオーストラリアの連邦軍かオーブに保護を求めないとならないわね……」

希 「そやね」

穂乃果 「オーストラリアなら海未ちゃんのガンタンクが活躍するかも!」

海未 「ガンタンク言わないでください」

凛 「穂乃果ちゃんばかりずるいにゃ。凛も乗りたい乗りたい!」

花陽 「まあまあ落ち着いて」

ホワイトベースはやむなく南下せざる得なかった。なぜならUTX歌公国軍は必要以上にホワイトベースを攻撃していたからだ。
UTX歌公国軍を仕切るA-RISEもまた宇宙で懸念していたのだ。

ツバサ 「ガルマ・ザビを倒した木馬」

英玲奈 「侮れないな」

あんじゅ 「ランバ・ラルの部隊を地球に下ろしましょう」

ツバえれサ「ああ」

ホワイトベースは海中や空中から爆撃を受けて南下していた。

穂乃果 「しつこいよ!もう」

カイ 「まったくだ」

穂乃果のガンダム、カイのガンキャノンでは性能がよくても空中と海中からの攻撃に苦戦していた。
海未はガンタンクに乗るのは拒否していた。

海未 「穂乃果やことりばかりに負けられません」

機銃座に座る海未は熱くなっていた。
苦戦するホワイトベースに突如、強力な光亡が援護するように入った。

おやどり 「あれは……!」

希 「アーク・エンジェルや!?」

オーストラリアやオーブに近い近海で再び両艦は出会いを果たした。
アーク・エンジェルの白い艦体に懐かしさをおぼえた。

No.59 16/10/15 11:50
自由人 

アーク・エンジェルの甲板には見慣れた白いストライクそして見慣れない小型戦闘機の姿がありホワイトベースを援護した。

穂乃果 「キラちゃんだ!」

海未 「キラ……」

ムゥ 「こちらアーク・エンジェル所属のムゥだ。援護する!」

ムゥのスカイグラスパーがホワイトベースのまわりにいるUTX軍のドップを撃破し水中にいる潜水艦やモビルスーツにダメージを与える。
キラのストライクはランチャーストライクになっておりアーク・エンジェルと共に援護した。

海未 「すごい……」

戦いは瞬く間に終わり青い空と海は平穏を取り戻した……。
ホワイトベースとアーク・エンジェルは再び双子のようにならび進んでいた。

マリュー 「おやどり艦長代行、また会えました」

おやどり 「……いえ」

マリュー 「どうしましたか」

おやどり 「娘のことりが……」シクシク シクシク

ナタル 「ガンダムの一機が自爆したとありましたのは耳にしました」

ムゥ 「おい」

ムゥはナタルの空気の読まなさにあきれ少し小突いた。

ナタル 「失礼しました」

おやどり 「いえ……」

希 「ワシワシしたい」

ムゥ 「俺にか!?」

希マリュー 「ちがうわ(ちがいます!)」

大人たちが話をしてる頃、穂乃果やキラたちも再会に笑みをみせていた。

キラ 「ことりがか……」

トール 「大丈夫だよ。このカガリてのもMIA(戦闘中行方不明)になってたけどキラと少佐が見つけたんだから」

カガリ 「なんだと!?」

穂乃果 「かわいい……」ツンデレ?

初めて見るカガリ・ユラと名乗る少女に穂乃果たちは見とれた。

カガリ 「な、なにを言うんだ。お前たち」

凛 「ラーメンならオーブラーメンみたいにゃ」

花陽 「いやいやオーブの熱焼きライスだよ」

カガリ 「なんてたとえ方をするんだ!」

海未 「失礼ですよ」

穂乃果 「でもお互いたいへんだったね」

キラ 「……まだまだだよ。なんのために戦うのか」

海未 「キラ……」

キラの表情が以前より暗いことに察しがいい海未は何かに気づいたようだった。

No.60 16/10/16 13:24
自由人 

アーク・エンジェルはザフトの“砂漠の虎”ことアンドリュー・バルトフェルトを倒しホワイトベースはガルマ・ザビを倒したことからそれぞれの敵から注視される存在になっていた。

キラ 「バルトフェルトさんが言っていたんだ。スポーツにはルールがあって勝ち負けがある。だけど戦争はどこで終わらせるのか。相手を滅ぼすまでなのか……」

穂乃果 「で、でも相手が狙ってくるんだし……」

海未 「ですがそれではいつまでも私たちは狙われますよ」

凛 「むずかしいにゃ」

花陽 「ゴハンは食べたらお片付けですけどね。にこちゃんゴハンだよ〜」

シーンとする留置場に走る穂乃果たちは驚いた。にこがいないのだ。

花陽 「にこちゃんがいません!」

凛 「海に飛び込んだかにゃ?」

海未 「いくらにこでも魚のエサですよ」

穂乃果 「これは脱走?いやいやまさか」

こころ 「」ドキドキ

穂乃果 「こころちゃん?」

キラ 「……」カワイイ

ほのうみりんぱな 「」エッ ロリコン?

こころ 「」ニゲタ!

穂乃果 「むぅ」

凛 「あやしい」

結局、にこが脱走した事実をおやどり艦長代行は黙認した。

おやどり 「本部の扱いでさえ不明瞭だったからしかたないわ」

希 「こんど見つけたら超わしわしマックスやね」

にこ 「」クシャミ!

にこ 「風邪?」

ホワイトベースとアーク・エンジェルは青い海と空を進んでいた。

No.61 16/10/17 06:44
自由人 

こころここあ虎太郎 「」キャア

ホワイトベースとアーク・エンジェルはUTX軍とザフトから攻撃をされていた。

希 「ほんましつこいで!」

おやどり 「穂乃果ちゃんはガンダムでカイくんはガンキャノンで攻撃!」

ほのカイ 「了解!」

海未 「また機銃座ですか」

リュウ 「ガンタンクは海の上では活躍できないからな」ワハハ

海未 「わたしの上にガンタンクは乗りませんよ!」

リュウ 「海な」

海未 「」//////

機銃座に乗る海未とリュウは援護した。

海未 「穂乃果はやらせまんが!」

ガンダムに乗りたいという思いが彼女を焦らせていた。額には汗が浮き出ながら戦いになにかを思っていた。
HONOガンダムのビームが機銃座から見えた。
アーク・エンジェルのキラの乗るストライクは赤いガンダムと交戦していた。

アスラン 「キラ!それに足つき!木馬か!」

キラ 「アスラン!じゃまをしないでくれよ」

穂乃果 「ヅラちゃんなの!?」

三人の思いが戦場に交錯するが、鋼鉄の機体を駆け巡る戦場に個人の気持ちが入る余地はない。
また爆発が広がった。

ディアッカ 「グレイト!」

イザーク 「ディアッカ、よろこぶヒマはない!」

ニコル 「足つきも木馬もこれだけ抵抗するなんて。なんて力だ!」

ザフトのクルーゼ隊も苦戦していた。

キラ 「じゃまをするな!」

アスラン 「キラ!」

穂乃果 「キラちゃん!ヅラちゃん」

アスラン 「ヅラじゃない!」

穂乃果はホワイトベースを守りながらキラたちも守っていた。
ビームがクルーゼ隊の行く手を阻む。イザークは舌を打つ。

イザーク 「ち!なんなんだ!?」

穂乃果 「やらせないだけだもん」

No.62 16/10/17 07:28
自由人 

おやどり 「凄い……」

希 「穂乃果ちゃんとガンダムのせいか……」

ブリッジから見つめるふたりは穂乃果の動きがよすぎるのに呟いた。

穂乃果 「ヅラちゃん!」

アスラン 「ヅラではない!ザラだ!」

穂乃果は赤いイージスガンダムからの呼びかけに驚きながら牽制した。

穂乃果 「きゃ!なんでお友だちだったのに」

アスラン 「くっ!やるしかないんだ」

イージスガンダムのMA形態のスキュラがホワイトベースの甲板にいるHONOガンダムを襲う!

キラ 「穂乃果!」

イザーク 「お前の相手は俺だ!」

キラ 「!」

キラはストライクを跳躍させイザークのデュエルが乗るサブフライトシステムを奪った。

ニコル 「イザーク!」

ディアッカ 「ストライク!!」

キラ 「!」

キラはニ体のGATシリーズを相手にしながらモニターに映る穂乃果とアスランの機体を気にしていた。

穂乃果 「ヅラちゃん」

アスラン 「ザラだ!ほ、穂乃果?やはり穂乃果か。なぜキラと共に!」

穂乃果 「……!」

だが海中からのUTX軍とザフトのミサイル攻撃が互いの声をかき消すように爆発が広がる。
この爆発が再びアーク・エンジェルとホワイトベースを引き裂くように広がった。

穂乃果 「ヅラちゃん……」

アスラン 「やはり穂乃果が……」

ホワイトベースの先に見えたのはかつての大戦で大陸の形が変わったオーストラリア大陸がわずかに見えた。

おやどり 「オーストラリアに南下してしまった」

希 「しかたないやん。だけどオーストラリアには連邦の基地あるんちゃう」

おやどりは希の言葉に曖昧に頷いた。
穂乃果はまた息を切らしてコクピットから下りた。

穂乃果 「ハアハア、ヅラちゃん……」

海未 「穂乃果……」

凛 「カレーパン作ったにゃ」

花陽 「メロンパンも」

穂乃果 「」(≧∇≦)タベルヨ!!

海未 「心配したあたしがバカでしたか」

穂乃果 「海未ちゃんも食べよう?」

海未はメロンパンを口にしながらジャブローに着く頃にダイエットかもと複雑に思った。

穂乃果 「?」

海未 「甘いです」

No.63 16/10/18 05:53
自由人 

穂乃果 「オーストラリアだ……」

穂乃果は見える大陸に呟いていると、海未が説明するように付け加えた。

海未 「いいえ、この海もかつてはオーストラリア大陸でした」

ほのりん 「?」

きょとんとする穂乃果と凛に海未は説明する。

海未 「かつてルウム戦役という大艦隊戦があり戦いはUTX軍の勝利。そして彼らはブリティッシュ作戦という大規模なコロニー落としをしたのです。しかし、コロニーは目的のジャブローを前に大気圏で四散、そしてコロニーはオーストラリア大陸に落ちたのです」

花陽 「こわいです」

海未 「コロニー落としを見たひとは空が落ちてくると言ったそうです」

穂乃果 「空が」

凛 「落ちてくる……」

海未の説明を聞いた一同はオーストラリア大陸を眺めながら恐怖に震えていたのだが。

花陽 「で、でもルウム戦役でたしかA-RISEはファーストコンサートしたです。ザビ家の次男、ドズル・ザビがA-RISEのファンになったです!」

ほのりん 「」オオッ!

海未 「」ムッ

オーストラリア大陸の広大な大地が目の前に広がっていました。
そしてそこには新型のガンダム二機と新たな出会いが待っているのをまだ知らなかった。
そこに新たな戦の火種があるのを……。

? 「あれは木馬ではないか」

オービル 「どうやらオーストラリアくんだりまで来たようです」

? 「フ、まあいい。我々は星の屑を成功させる」

岩肌に隠れているこの会話が新たな戦の火種ということを穂乃果たちはまだ知らないまま、トリントン基地に入港した。

No.64 16/10/18 08:15
自由人 

ここオーストラリアでは連邦のモビルスーツ評価試験基地があり今日もモビルスーツの試験があった。

キース 「ち、このザクじゃおいつけないぜ」

ウラキ 「やるしかないだろう!」

連邦カラーに塗装されたザクF2型が若いパイロットを乗せかつてのアボリジニのように野を駆けていた。

バニング 「うだうだいう前に動かんか!」

ウラキ キース 「了解!」

指揮車からの上官の声にウラキとキースは声を張り上げ目の前の改良型のジムを目指しマシンガンを放つ。
が、避けられた!
ジムのマシンガンから衝撃を受けるキースのザクF2は後ろに倒れ土砂をまきあげた。

キース 「うそぉ……」

ウラキ 「キース!」

キース 「あ、あとは頼んだぜコウ……」

ジムから放たれた弾丸はペイント弾でザクの機体には人間の血で塗られたように赤く染められていた。
ウラキのザクは先輩パイロットの乗るザクF2とともに改良されたパワードジムを目指すが、性能の差はひらきがあった。
それを遠くから見てたのはホワイトベースの穂乃果たちだった。コロニーの残骸や野を駆けるモビルスーツが光点のように見えていた。

おやどり 「いまは評価試験中なのね」

希 「艦長代行はあまりオーストラリアに来たくない顔やね」

おやどり 「たしかスケジュールによると月から新型の機体が評価試験のために降りたとあるわ」

希 「ウチらは補給やさかい。じゃまにならんようにしたらええ」

日本で補給はしたがオーストラリアにまで南下したことは予想外の事態だった。

穂乃果 「ザクと」

凛 「ジムかにゃ」

海未 「ふたりとも見えるのですか!?」

ほのりん 「なんとなく」

海未 「アフリカのひとみたいですね……」

ほのりん 「失礼だよ(にゃ)!」

凛 「モビルスーツに乗りたいにゃ」

花陽 「凛ちゃんに戦ってほしくないよ」

ホワイトベースはトリントン基地に降り隣にはおなじホワイトベース級のアルビオンがあった。

真姫 「ホワイトベース……。なぜここに」

モーラ 「UTX軍は執拗に狙ってるウワサがあるな」

真姫 「これからガンダム二機の評価試験なのに」

No.65 16/10/18 09:33
自由人 

おやどり艦長代行と希は基地司令とアルビオン艦長エイパー・シナプス大佐に会った。

おやどり 「申し訳ありません。ジャブローに向かうはずが」

基地司令 「いや、仕方ないことだ。だが、明日からは我々は新型ガンダムの評価試験に入るから最低限のことしかできないのはわかってくれ」

おやどり 「わかりました」

シナプス 「それにしてもホワイトベース級がふたつもならぶとはな」

希 「(ワシワシする相手がおらへんやん!)」

穂乃果たちはホワイトベースを降りてトリントン基地での補給の傍ら遊んでいた。

穂乃果 「暑いよ」

海未 「オーストラリアですから」

凛 「カンガルーにコアラはいないかにゃ」

花陽 「基地のそばにはいないにゃ」

真姫 「これがホワイトベースの乗組員なの?ちんちくりんね」

海未 「穂乃果と凛はちんちくりんですが、私たちは戦いを生き抜いてきました」

ほのりん 「」ヒドイ!

モーラ 「真姫、ケンカはよしなさい」

穂乃果 「ん?希ちゃんにそっくり」

希 「誰がや〜!」💨

ミライ 「なんなの?」

穂乃果 「わ!?三人の希ちゃんだよ」

希モーラミライ 「何でよ!!」

穂乃果 「あ!よく見たらちがうよ」

凛 「トリプル希ちゃんかと思うにゃ」

海未 「(笑いが吹き出そうですよ)」Oo

希 「東條希はウチ」

モーラ 「あたしは連邦の整備兵のモーラ。アナハイム・マキエレクトロニクスの真姫ちゃんの友だち」

ミライ 「」

真姫 「西木野真姫よ」

ほのりん 「錦と薪?」

真姫 「西木野真姫!」

ほのりん 「二紙と木と田中真紀子?」

真姫 「西木野真姫よ!!」

穂乃果 「西木野真姫ちゃん。はじめからそう言えばいいのに」

凛 「そうにゃ!」

真姫 「言ってるわよ。ん?これがホワイトベースのガンダム……」

アナハイム・マキエレクトロニクスのガンダム開発に携わった真姫はガンダムを目にした。

No.66 16/10/18 10:56
自由人 

真姫はまじまじと穂乃果のガンダムを見つめた。

穂乃果 「惚れちゃだめだよ」

真姫 「あんたじゃないわよ」

彼女は整備用クレーンを使いHONOガンダムの額に近づけた。

凛 「高いにゃ」

花陽 「」ドキドキ

真姫 「なぜいるのよ。もう」

これは、と彼女は驚きを含み呟いた。

穂乃果 「ほのかだよ」

真姫 「じゃましないで」

穂乃果 「」ツンツン マキチャン

真姫は手にした布で額の“HONO”を拭った。するとある文字が浮き出てきたことに気づく。

真姫 「AHONOKA、アホノカ……やっぱり!」

穂乃果 「アホ乃果じゃないよ!」

真姫 「少しは黙ってて!」

ほのうみりんぱな 「」ビクッ!!

真姫の表情はなにか思い詰めている顔だった。彼女はつぶやく。

真姫 「これはあたしが開発したガンダム……」

ほのうみりんぱな 「」エッ!?

真姫 「パイロットは誰なの」

穂乃果 「ほのかだよ」

真姫はまじまじと穂乃果を見つめて一言。

真姫 「AHONOKAガンダムのパイロットがこんな子なんて……」

穂乃果 「だからなに?アホのかじゃないよ」

真姫は穂乃果の顔を見つめながらなにも語らなかった。しかたなく穂乃果はガンダムの額の刻印を“HONO”に戻した。海未といっしょに。

海未 「雑用あつかいですか」フキフキ

穂乃果 「ガンタンクも磨くよ」

真姫 「」ジー

凛 「ツンデレにゃ」

花陽 「アナハイム・マキエレクトロニクスにはツンデレがいるのかな」

真姫 「」ナニヨ!

No.67 16/10/18 14:56
自由人 

穂乃果たちはアルビオンの格納庫を見学していた。するとまだ若い仕官ふたりが明るい声を出していた。

ウラキ 「二機のガンダムか!」

キース 「俺は真姫ちゃん狙いでいいか」

ウラキ 「キース!」

ふたりの前を見ると、二機のガンダムがデッキにもたれていた。
ガンダムGP01、そして重厚な装甲なのがガンダムGP02であった。

穂乃果 「HONOガンダムがいちばんだよ」

海未 「どうしたらガンダムに乗れるのでしょうか……」

凛 「りんも乗るならガンダムにゃ」

花陽 「こわいですよ。この悪役面したガンダム」ガクガク ブルブル

真姫 「これはあたしがニナといっしょに開発したガンダム。バカにしないでよ」

希 「」ワシワシ!ワシワシ!

真姫 「キャア!」

希 「ストレスがスッキリしたで」(;^_^A

真姫 「モーラに本当似てるわね」

希 「」ムッ

そこへオービルと別れた謎の士官が格納庫内にやってきた。

? 「ごくろう」

ウラキ 「?」ケイレイ

キース 「?」ケイレイ

キースは怪訝に思った。髪を束ねた長身の士官には見覚えがなかったからだ。この大尉どのは誰だ?アルビオンからの士官でもないしと思った。

? 「いい機体のようだな」

ウラキ 「ハイ、自分もそう思います」

? 「なら試させてもらおうか」

長身の士官はヘルメットを片手にクレーンに乗りガンダム試作2号機のコクピットハッチを開け長身を中に入れた。
その様子は真姫とモーラの目にも入った。
まさかガンダム試作2号機を動かすつもり!?格弾頭の装填をしたばかりじゃない!?
危機感のようなものが真姫の背中が感じた。

真姫 「そこのあなた!ガンダム試作2号機から降りなさい!」

? 「もう遅い……」

ガンダムGP02の瞳が眠りから覚めるように輝きが戻り両腕が動きそなえつけられた大型のシールドを手にした。

ウラキ 「なんだ!?」

キース 「あの大尉、なんだ!」

穂乃果 「いやな予感しかしないよ」

海未 「が、ガンダムを奪うつもりでは!?」

海未の言葉に答えるようにGP02はビームサーベルでアルビオンのハッチを切り裂き闇に出た。
警報が闇に飛んだ。

No.68 16/10/18 15:29
自由人 

ガンダムGP02Aの姿がトリントン基地の闇に映り照明が照らし警報が響く。

ウラキ 「こうなったら!」

真姫 「ウラキ少尉なにをするつもり」

ウラキはガンダムGP01のコクピットに乗り移ったのが見えたが、いまはこちらからどうすることもできないと悟る。

穂乃果 「あたしもガンダムに乗るよ!」

穂乃果はホワイトベースの愛機に向かった。海未たちも続いた。が、凛はふとトリントン基地にあるジム改に気づいた。

凛 「これにゃ!」

花陽 「凛ちゃん!?」

凛は整備されたジム改のコクピットに入り起動させた。その時、ウラキのガンダムGP01が奪われたガンダムGP02Aの前に立ち塞がった!

ウラキ 「!」

? 「ほう、1号機まで失いたいか!」

GP02Aはビームサーベルを抜いてウラキの1号機に向かった。

ウラキ 「くっ!」

ウラキはまだまだ士官候補生なために乗った機体はトリントン基地のジムやザクタイプの経験しかなく実戦はこれが初めてだった。
GP02Aのビームサーベルをかわしていると、基地内に爆発が広がった。それはアルビオンにいるシナプス大佐にもわかった。

シナプス 「この攻撃は遠距離砲撃型モビルスーツの攻撃か……」

同時にブリッジから陸戦型のドムらしい姿が二機駆け抜けているらしかった。
砲撃型か、と苦々しく思った。基地の外からとは……。

ウラキ 「僕は連邦の士官だ!」

? 「若造が!!」

ガンダムGP02Aはビームサーベルを交錯させながらGP01にバルカンを放つ。瞬間、ウラキは驚き背中からつんのめてしまった。

ウラキ 「しまった!?」

? 「ふ、この機体はいただく」

謎のパイロットの笑みを含んだ声が通信を通して聞こえGP02Aは闇と爆発のなかに消えていった。
穂乃果もHONOガンダムに乗り込んだ。

穂乃果 「やるよ」

海未 「むちゃですよ」

穂乃果 「もう、海未ちゃんじゃま!」

ハッチを閉じて穂乃果の機体が動くのを海未は黙って見つめていた。
花陽がホワイトベースに戻り叫んだ。

花陽 「り、りんちゃんがトリントン基地のモビルスーツで出撃しちゃったよ!!」

海未 「なんですって」

No.69 16/10/18 17:24
自由人 

謎のパイロットを乗せたガンダム試作2号機は一機になってしまったドムと合流したその時だった。コクピットに獣に似た声が伝わった。

凛 「待つにゃ!!」

? 「なんだと!?」

凛 「この星空凛が相手にゃ!ガンダムを奪ったわるいひと!」

? 「なんだと」

長髪を束ねたパイロットは厳しい目で相手の機体をモニター越しに見つめた。ジム改である。
連邦のどこの基地でも見かける量産型の機体だ。
そこへウラキたちもバニング大尉と共にやってきた。

ウラキ 「ガンダム2号機を返せ!」

? 「うるさい!貴様ごとき若造が私に口を聞くな!私は崇高な意思のもとで動いているのだ!」

バルカン砲で斉射されウラキはまたも後ろにこけそうになったが踏ん張った。

凛 「ひとからモノを取っちゃいけないにゃ!」

ウラキ 「そ、そうだ!」

? 「黙れ!私、ソロモンの悪夢アナベル・ガトーが悪しき連邦に鉄槌を喰らわすのだ!」

ガトー!?
その名前にウラキはおぼえがあった。戦時中の教科書に名前が連ねてあった。シャア・アズナブル、ランバ・ラル、黒い三連星、そしてドズル・ザビ指揮下の要塞ソロモンを統べるアナベル・ガトー!?

ガトー 「貴様も軍人なら大局的に物事を見ろ!」

ウラキ 「は、はい!」

ウラキはまだ若く経験も浅くつい敵の言うことを教練のままに返事してしまったが、凛はちがった。

凛 「アナと雪の女王にゃ?」

ガトー 「貴様ァ!!」

そこへ穂乃果のガンダムも炎のなか跳躍しやってきた。

穂乃果 「ガンダムを返しなさい!」

ガトー 「ちっ、退くぞ!」

ガトーは僚機のドム・トローペンと共に爆発のなか退いた。
遠距離から援護しているザメルの砲撃が見えたたからだ。

穂乃果 「待て!」

凛 「アナゴさん!」

ウラキ 「アナベル・ガトーだ!」

バニング 「逃がしたか」

キース 「ソロモンの悪夢、アナベル・ガトー……」

デッキ内では2号機を奪われた真姫の表情はなくなっていたかと思っていたが。

真姫 「モーラ、いくわよ!」

モーラ 「どこに行くつもり!?」

真姫 「ガンダムを取り返しにいくのよ」

バギーに乗りモーラを乗せて走っていった。

No.70 16/10/18 20:00
自由人 

穂乃果たちはHONOガンダム、ガンダム1号機、バニングと凛の乗るジム改、キースのザクF2でダイヤの形の編隊を取っていた。

ウラキ 「ソロモンの悪夢、アナベル・ガトー……」

キース 「じ、実戦だってな。ま、まいったな……」

キースの乗るザクF2のモノアイは落ち着きなく震えているように見えモニターに映る彼の表情は苦笑ともつかない顔をしていた。

穂乃果 「凛ちゃんむちゃしないでよ」

凛 「わかってるにゃ」

バニング 「まったくホワイトベースの娘たちまで来ないでいいんだぞ」

穂乃果 「だってほっておけないよ」

凛 「わるいやつにゃ!」

バニングは呆れながらも基地周辺の地図を出した時だった。ウラキから通信が飛ぶように来たのだ。

ウラキ 「基地周辺の上空より熱源反応!これは……」

バニング 「ガンダムをかっさらうシャトルだ!いくぞ」

ほのりんウラキキース 「了解!」

その頃、ガトーは岩影に隠れながら地上からの星空を見ていた。

ガトー 「ふ、地上からの眺めもいいものだ」

ドムパイロット 「少佐なにかおっしゃいましたか?」

ガトー 「いや……」

呟いた時に星空からシャトルが大気圏を突入する熱源が見えた。
星の屑を完遂させる、と決意した武士(もののふ)の顔があった。
だが、シャトルが着陸しガンダムを内部に格納しようとした時に近距離で爆発があった。

ガトー 「連邦か!?いそげ」

ザメルパイロット 「コイツら!」

ドムパイロット 「俺たちがコイツらを引き受けます!少佐」

ガトー 「すまん」

だが爆発は広がってゆく。見慣れないガンダムが一機、若造が乗る1号機、ザク、ジムタイプが駆けていた。

ウラキ 「いかせるか!」

穂乃果 「いかせないよ!!」

ガンダム1号機とHONOガンダムはシャトルを目指す!だがザメルの巨体が塞ぐ!

ほのウラキ 「なに!?」

バニング 「俺が相手する!ふたりは跳べ!」

ほのウラキ 「そうか!!」

二体のガンダムはジャンプした!ザメルのパイロットは驚きの表情をした。

ザメルパイロット 「踏み台にしただと!?」

No.71 16/10/19 05:22
自由人 

ザメルパイロット 「踏み台にした!?」

バニング 「お前の相手はこっちだ!」

バニングはジム改のビームサーベルを抜いてザメルの巨体に刺した。瞬間、爆発が起きた!

ウラキ 「バニング大尉!?くそ!」

穂乃果 「いくよ」

そして凛とキースもドムトローペン相手に奮闘していた。

凛 「はやいにゃ」

キース 「あわてるな!奴にだって隙はある」

キースは訓練の時より落ち着いてたのは凛を見たからだったかもしれない。

ドムパイロット 「まだまだ!」

ドムのヒートサーベルがふたりを襲う。

凛 「きゃ!」

瞬間的にバルカンを発射し砂塵を巻いた。

キース 「バカ!?うわ」

キースのザクの頭部をヒートサーベルが突き刺し爆破が起きた。
凛はキースのザクの頭部が爆破したのを見た。

凛 「くそ!」

キース 「まだまだ!」

キースは慌て機体をしゃがませることで回避していた。ヒートホークを抜いてドムの機体に刺した。

ドムパイロット 「ぐわ。ジオン公国に、栄光あれ……」

ドムパイロットの叫びがキースと凛に届いたかわからない。
凛ははじめての実戦に身体がちいさく震えていた。

凛 「こ、こわいにゃ」

だが穂乃果とウラキの戦いは続いていた。

穂乃果 「うわぁ」

ウラキ 「いかせるか!」

マシンガンを放ちながらオーストラリアの大地を駆けようとするシャトルに弾丸が容赦なくあたる。
シャトルは飛び立とうとした瞬間、突如として速度を失いシャトルの先から大地に激突した。
炎がオーストラリアの大地に舞い上がった。

ウラキ 「や、やったのか……」

穂乃果 「わからないよ」

炎のなかから巨大な影が現れた。ガンダムGP02が鬼のように立っていた。
もともと核攻撃のためのモビルスーツであり装甲は通常の機体より厚い。また冷却装置が機体を冷やしていた。

ガトー 「貴様らなぜ邪魔をする!」

ガトーの言葉が穂乃果とウラキを討つように伝わる。

ウラキ 「くそ!」

穂乃果 「あぶない!」

ガトーはビームサーベルを抜いて抜刀しビームが交錯するが、すぐさま撤退した。

ウラキ 「逃げた……?」

穂乃果 「ちがうと思うよ」

No.72 16/10/19 21:12
自由人 

ガンダム2号機を追おうとするが、半壊したジム改からバニングの声が入った。

バニング 「奴等はシャトルはもうないはずだ。……おそらく川の入り江に潜水艦が待ち構えているはず。奴等は逃げるのに必死だからな……」

ウラキ 「大尉!」

バニング 「俺のことはいい!奴を追撃しろ」

キース 「大尉は俺が見てるから。いけコウ!」

ウラキは迷っていた。そこへようやく追いついた真姫とモーラが追いついた。

真姫 「ウラキ中尉!」

穂乃果 「ツンデレちゃん!」

真姫 「」ムッ

真姫 「ウラキ中尉、ガンダム2号機を頼みます。それと……」

ウラキは真姫からガンダム2号機対策を聞かされ頷いた。その通信は穂乃果にも届いた。

穂乃果 「凛ちゃんはここにいてバニング大尉とキースさんを守ってあげて」

凛 「凛もいくにゃ」

穂乃果 「ダメだよ。UTX軍がまだいるかもしれないのに」

凛 「……わかったにゃ」

口を尖らしながら渋々、凛は頷いた。穂乃果とウラキのガンダムは朝焼けが近い闇の中を進んでいった。
真姫の目にはふたりがひどく頼りないように見えたが、どこか真剣な眼差しで見つめた。

真姫 「ウラキ中尉はともかく穂乃果、あなたがなぜガンダムのパイロットなの……」

呟きが消えていった。
そしてガトーは川の入り江で待ち構えて別動隊の追撃のモビルスーツをビームサーベルで一機また一機と撃破していった。

トライゼ艦長 「やれやれ、赤い彗星は降格されたようだがソロモンの悪夢は健在だな」

部下 「そろそろガトー少佐を載せないと」

そこへ追いついた穂乃果とウラキのガンダムが駆けていく。

穂乃果 「こんなところにいた!」

ウラキ 「いかせるか!」
ふたりの叫びが朝焼けが近い入り江に響いた。
ガトーは怒りに瞳を向けてビームサーベルを構えた。

ガトー 「ええい!邪魔だ!」

ウラキ 「なぜだ!?なぜガンダムを奪う!」

穂乃果 「真姫ちゃんのガンダムを返せ!」

ガトーは二機のガンダムを相手にしながらユーコン級潜水艦に近づいていった。サーベルが闇から光りのなか交錯してはビームが弾けたようだ。

No.73 16/10/20 06:29
自由人 

ガトー 「ええい!邪魔をしおって!」

ウラキ 「それでも僕はパイロットだ!」

ガトー 「一人前の口を利くな!」

ウラキとガトーは互いにつばぜり合いをしていた。穂乃果のガンダムは潜水艦からの攻撃に耐えていた。

穂乃果 「きゃあ!?」

穂乃果はウラキに真姫から聞いた助言を伝えた。

穂乃果 「ウラキ中尉、真姫ちゃんが言ってたよね。盾!盾を狙うんだよ!」

そうか、とウラキは真姫からの助言が頭によみがえった。ガンダム2号機の盾は核弾頭攻撃のための機体を含む巨大な冷却装置であり砲身が収納されているのだ。

ウラキ 「!」

穂乃果 「あたしも!」

ウラキと穂乃果のガンダムがガンダム2号機の盾を狙いビームサーベルが盾を傷つける。
ガトーは苦い顔をしてバルカンを放った。すると穂乃果のガンダムから額の刻印の塗装が一部剥げた。

ガトー 「AHO、だと!?愚弄しおって!」

穂乃果 「アホじゃないもん」

ガトー 「我々デラーズ・フリートはいずれ腐った連邦に鉄槌を下す!」

ガトーの2号機は跳躍しユーコン級潜水艦の甲板に着地しそのまま格納され海に消えていった。
ガトーはコクピットのなかでウラキを気にしながら穂乃果のガンダムを気にしていた。

ガトー 「AHO、だと……」

ガンダム2号機を逃したウラキと穂乃果の身体を敗北と追撃の疲労感を襲っていた。

ウラキ 「……」

穂乃果 「なにもできなかった。逃がしちゃった……」

真姫はモーラと共にウラキと穂乃果の苦い表情を見つめていた。
朝焼けが大地とともに照らしていた。

No.74 16/10/20 09:44
自由人 

一夜明けたトリントン基地は廃墟のようだった。まともに形を整えてる建物は少なくホワイトベースやアルビオンが無事なのはさいわいだった。

海未 「穂乃果……無茶をして」

ウラキや穂乃果はようやく戻ってきた。バニング大尉はキースや凛と先に共に戻っている。
そこへアルビオンのシナプス大佐からウラキに通信が入る。

シナプス 「ウラキ少尉ご苦労だった」

ウラキ 「はい」

本来ガンダム1号機は評価試験のための機体であり軍事機密に値する。いかなる処分も受けるつもりだった。

シナプス 「どうだったかね。1号機は?」

ウラキ 「あ、はい。反応速度や処理速度、稼働性などどれをとってもジムと比較になりません」

シナプス 「そうか。機体を艦に戻して休んでくれたまえ。ホワイトベースの穂乃果くんもな」

ウラキ 「了解……」

穂乃果 「はい……」

ふたりはそれぞれ機体を艦に戻した。
基地では補修や瓦礫の撤去、残務処理など少しずつではあるが活気は戻っていく様子だった。犠牲者への弔いを含みながら。

コーウェン 「一刻も早くガンダム2号機を取り戻さなくてはな」

シナプス 「はい。基地については基地所属の者たちの協力で行っておりますから。アルビオンの出発は早いかと」

コーウェン 「あれは、核はつかってはならんのだ。いまが戦時下でもな……」

シナプス 「わかっております」

コーウェン 「補給部隊をジャブローから出した。もうすぐ着くはずだ

シナプス 「ありがとうございます」

コーウェン 「やってることが矛盾してるかもしれんが……」

シナプス 「ガンダム追撃任務を遂行します」

コーウェン 「頼む……。ガンダム1号機を実戦でつかってくれて構わんからな」

はい、とシナプスは頷いた。
その頃、ホワイトベースの穂乃果たちも落ち込んでいた。

穂乃果 「なにもできなかった」

凛 「りんもにゃ」

花陽 「なに言ってるんです!相手はソロモンの悪夢だったですよ!」

穂乃果 「だって……」ン?ンミチャ

海未 「花陽のいうとおりです!無茶をすればいいものではありません」

ほのりん 「」ハイ

海未 「(ガンダムを奪う。なんていい考えでしょうか……)」

No.75 16/10/20 11:31
自由人 

海未 「」ハッ

海未 「(穂乃果のガンダムを奪おうと私は考えていたのでしょうか?)」

穂乃果 「」ン? ンミチャ ンミチャ

海未 「やましいことは考えてませんから!」

穂乃果 「」(/≧◇≦\)ムキ ナッテルヨ

その頃、ことりはトロワが所属しているサーカス団に共にいた。

トロワ 「自爆して無事とはな……」

ことり 「」ダッシュツ シタモン!チュン!

トロワ 「しかしコロニーからは指令がきていない。どうしたらいいか」

ことり 「考えようよ」

そこへトロワのトレーラーハウスにキャスリンが食事を手にしてやってきた。

キャスリン 「この前は無口な男の子を連れて今度は脳トロボイスな女の子」ウワキモノ!

トロワ 「すまないな。彼女はなんでもない……」

ことり 「ことりだよ」

キャスリン 「ゆっくりしていってね。なんならサーカスを見せてあげるから」

ことり 「」サーカス!

そしてにこたちソレスタルビーイングは世界各地の争いに懸念を示していた。

スメラギ 「オーストラリアではUTX軍がガンダム試作2号機を強奪したらしいわ」

ティエリア 「ヴェーダからの情報によるとアナベル・ガトーのようだ」

アレルヤ 「まったく次から次へ争いだね。刹那」

にこ 「(ぬわんでホワイトベースまでオーストラリアにいるのよ!あんたらジャブローを目指してなかった!)」

アレルヤ 「刹那?」

にこ 「」ア

にこ 「ほ、ホワイトベースがあんなところにいるなんて。あたしにあれはまかせてもらえないかしら」

ロックオン 「おいおい、俺たちの敵はAEU、ユニオン、人革連だぜ。木馬なんざほっとけよ」

にこ 「……あたしにまかせて」

姿形がまるでちがうはずの刹那の表情にスメラギは何かを感じたようだ。

スメラギ 「作戦に支障をきたさない程度なら」

ティエリア 「スメラギ!」

にこ 「わかってるわ」

にこはソレスタルビーイングにいつの間にか馴染みながらもティエリアとは通じている雰囲気はなかった。
しかし、にこは地球に降り立ち自らがなぜ戦闘に身を宿す理由知ることになる運命をまだ知らない。

にこ 「」ココロ ココア コタロウ ホノカ

No.76 16/10/20 15:58
自由人 

シナプス 「おやどり艦長代行、ガンダム2号機の追撃任務は我々が引き受ける。あなた方はジャブローに一刻も早く向かってください」

おやどり 「わかりました……」

ホワイトベースとアルビオンは互いに通信しながらなすべきことがあった。

ウラキ 「俺はアルビオンに乗ってガンダムを追う。ガトーを」

穂乃果 「……うん」

真姫 「(あたしがいないとガンダム1号機は性能を発揮できない。だけど穂乃果が気になる。どうしたら……)」

迷う真姫の前に宇宙からシャトルが一機、トリントン基地に降り立った。

モーラ 「ニナ!」

ウラキ 「?」

ニナ 「まったくあたしを置いていくなんてあとでシナプス艦長の抗議にいくわ。真姫、あなたあたしの代わりにアルビオンに乗るなんて!」ガミガミ!

真姫 「ご、ゴメンナサイ!」デモ チャンス!

真姫 「に、ニナ!あたしの代わりにアルビオンに乗って!」

ニナ 「え?」

事情を聞いたニナ・パープルトンはあっさり真姫の頼みを承諾した。そして真姫から受け取ったガンダム1号機の稼働データに驚いた。性能が規定以上にウラキが引き出したからだ。

ニナ 「ウラキ中尉」

ウラキ 「なにか」

ニナ 「あなたはガンダム1号機の性能を引き出しています!」

モーラ 「こうなったらニナはアルビオン乗りに決定だ。真姫は心おきなくホワイトベースにいってらっしゃい」

モーラの笑みに真姫は気まずいながら笑みを返した。
そしてジャブローからはバニング大尉とかつて戦いを生き抜いたパイロットたちが補充モビルスーツと共にやってきた。

モンシア 「やれやれ、俺はデート中だったのによ。こんなところまで来るとは」

ベイト 「バニング大尉の見舞いが先だ」

アデル 「元気ですかね。大尉は」

凛 「お酒くさいにゃ」

花陽 「お米のもとだけどくさいです」

モンシア 「なんだと!?」

りんぱな 「逃げろ!!」

ホワイトベースとアルビオンには互いに厳しい任務になることはたしかだった。

No.77 16/10/21 08:19
自由人 

補給と整備を終えたホワイトベースはアルビオンやトリントン基地と別れオーストラリア大陸を出た……はずだったが。

こころここあ虎太郎 「」キャア

オーストラリア大陸を出たにも関わらず容赦ない射撃や砲撃がホワイトベースを襲った。

海未 「どれだけしつこいんですか!?」

希 「容赦ないな。ほんまに」

空から海からと彼らはホワイトベースの進路を阻んでいた。

穂乃果 「もう!邪魔しないでよ」

穂乃果のガンダムは海中に空中にと他のモビルスーツの追随を許さないくらいの性能を発揮していた。通常のモビルスーツの概念を超えていたかもしれない。
真姫はつぶやく。

真姫 「ガンダムの性能、いえ穂乃果の……」

だがホワイトベースの進路は皮肉にも再びオーストラリア大陸の北に位置するオーブ近海まで戻された。

凛 「また戻ったにゃ」

花陽 「ジャブローにいけませんね」

希 「スピリチュアルでも迷走と出てるし!」ピッ!
ホワイトベースはオーブ近海まで来ていた。それをオーブのアスハ代表たちはモニターを通して見つめていた。

ウズミ 「あの艦だけでなく連邦の艦まで」

オーブ高官 「弱りましたが、これ以上やっかいなことは控えませんと」

同じ頃、プトレマイオスから出撃したにこのガンダムエクシアもまたホワイトベースの近くにいた。GN粒子によりエクシアの機体はホワイトベースやオーブ、UTX軍、ザフトなども捕捉されなかった。
にこのガンダムエクシアはホワイトベースを見つめる。

にこ 「バカなの。あの子たちは!」

ジャブローに行きなさい。なのにオーブ近海とはあきれもあれば怒りに似た気持ちがあった。

No.78 16/10/21 20:18
自由人 

イザーク 「木馬か。なんの恨みもないが鬱憤を晴らすにはちょうどいいかもな」

ディアッカ 「だな」

潜水艦の中で退屈していたクルーゼ隊のふたりは部屋を出ようとするのをアスランとニコルは止める。

アスラン 「待て!俺たちの狙いは足つきだろう」

ニコル 「そうですよ。足つきが出てくるまで待ちましょう」

イザーク 「UTX軍に借りをつくっておくのも悪くないだろう」

イザークはストライクに与えられた顔の傷のまま凄味ある表情をした。砂漠ではろくに活躍さえままならなかった思いもある。

アスラン 「……わかった。俺も出よう」

ニコル 「アスラン」

アスランなりに政治という言葉が頭をよぎった。もちろん自分はパイロットだからという気持ちもあった。が、木馬には穂乃果たちもまた乗っているのだ。
彼女たちを危険にさらしたくはないが自分は軍人なのだ。

希 「ザフトのGATシリーズや!」

再びオーストラリア北部オーブ近海に戻ったホワイトベースをアスランたちを襲った。

穂乃果 「もう!」

カイ 「ザフトは関係ないだろうに!」

だがザフトに奪われたGATシリーズは容赦なく攻撃してきた。
爆撃が海面や空中から襲う。水しぶきが上がる。

凛 「あたしも援護くらいするにゃ」

凛はトリントン基地からそのまま貰ったジム改に搭乗しカタパルトから援護した。

凛 「にゃにゃにゃ!」

イザーク 「ち!ザコが!」

凛 「あたらないにゃ」

花陽 「凛ちゃん」

穂乃果 「凛ちゃん出てきちゃ危ない!」

穂乃果はガンダムを操りながらイージスを狙ったが可変システムを持つアスランは避けていた。

アスラン 「穂乃果!」

その様子をオーブのウズミたちは見ていた。

ウズミ 「ホワイトベースはジャブローに向かったはずでは……」

なぜ戻ってきたのだ、と政を司る国のトップとして迷いがある表情をした。
そしてエクシアに乗るにこははじめは介入するつもりはなかったがこころたちの顔がよぎり自然と機体を動かしていた。

アスラン 「穂乃果!なんだ!?」

ディアッカ 「ソレスタルビーイングだと」

にこ 「刹那・F・セイエイ、またの名を矢澤にこ。介入する!」

No.79 16/10/22 06:23
自由人 

見覚えのあるガンダムは背中の粒子を空中にまきながらホワイトベースを援護していた。

穂乃果 「なんで……?」

凛 「なんなんにゃ」

ニコル 「ソレスタルビーイングがなぜ介入するんだ」

イザーク 「ええい!」

デュエルガンダムはホワイトベースよりにこのエクシアに向かうが、返り討ちにされてしまう。

にこ 「あの子たちはあたしが守る!」

イザーク 「ぐわっ!ストライクだけでなくこんなヤツに」

エクシアのGNブレードがデュエルを襲いまたもイザークは海面に落とされた。

ディアッカ 「イザーク!?」

アスラン 「くっ!この砲撃は。オーブ艦隊!?」

アーク・エンジェルを襲った時と同様にオーブ艦隊の砲撃がアスランたちを襲う。そこへオーブ艦隊の司令から音声通信が戦場に伝わる。

艦隊司令 「連邦およびザフト、そ…ソレスタルビーイングに告ぐ!貴君らはオーブ領域に入っている」

アスラン 「またか…」

穂乃果 「来たくて来てるんじゃないよ」

希 「そやそや」

にこ 「……」

にこはGATシリーズに目をやりながらもすぐさま姿を消した。
アスランたちも撤退した。

アスラン 「退くぞ!これ以上は意味がない」

ニコル 「了解」

ディアッカ 「ち、イザークの鬱憤にさえならないぜ」

イザークはすでに回収されたらしいが彼もまた潜水艦のなかで舌打ちをしていた。
ホワイトベースのおやどり艦長代行は覚悟を決めてオーブに進路を向けた。

希 「だいじょうぶやろか」

こころ 「あのガンダムは……」

艦隊司令 「ウズミさまからはあの艦に砲を向けるなと言われている」

希 「あたらへんな」スピリチュアル?

オーブ艦隊の砲撃はホワイトベースを守るように周囲に爆発をしていた。

アスラン 「足つきの時とおなじようにか」

オーブにおそらくキラはいるはずだ、と確信が彼にあった。

穂乃果 「オーブ……」

真姫 「この国もモビルスーツ開発をしてたはず……」

凛 「ラーメン」

花陽 「オーブのごはんです」

No.80 16/10/23 15:33
自由人 

ウズミはアーク・エンジェルに似たホワイトベースの船体をデッキから見つめていた。

オーブ高官 「アーク・エンジェルだけでも厄介なのに連邦の艦とは」

ウズミ 「わかっている。みなまで言うな」

ホワイトベースの凛と花陽、こころここあ虎太郎は安堵した。
リュウは少し渋い顔をしていた。

リュウ 「オーブまで来るとはな。ジャブローまで遠いな」

りんぱな 「」オイシイモノガ イッパイ!

こころ 「あのガンダムはなぜ助けたのでしょう」

虎太郎 「助けた〜」

ここあ 「艦をおりれるかな。だけど……」

ホワイトベースの乗組員は全員オーブの名の下に一時的に保護という処置がなされた。アーク・エンジェルと同様に。
アーク・エンジェルは見えない隣のデッキにいた。

キラ 「なにか動きがあったのか」

フレイ 「キラ……」

おやどり 「ウズミさま我々が連邦の者なのに保護していただきありがとうございます」

ウズミ 「たんに我が領海内での争いを避けたがった思いもあるが、アーク・エンジェルの者たちからそちらの事情も聞いている」

希 「マリューさん?」

ウズミ 「ああ、彼女たちもたいへん疲れている。会いたいなら許可を出そう。だが外出は無理と思ってくれたまえ」

アーク・エンジェルとホワイトベースのメンバーは再び出会いを果たした。

穂乃果 「いや〜!オーブのパンは熱い!」

凛 「オーブの鍋焼きラーメン!」

花陽 「いやいやオーブの釜飯です!」

海未 「食べてばかりですか!」

ほのりんぱな 「」(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)(/≧◇≦\)

真姫 「まったく脳が筋肉じゃないの。穂乃果や凛は」

ほのりん 「ちゃんとあたまに入ってるよ」

ことり不在のなかなんとか互いに仲を取り持っていた。
キラたちも顔を出した。

キラ 「穂乃果!」

フレイ 「」ギュ

穂乃果 「キラちゃん。会いたかったよ」

海未 「なんでしょう、この因果関係は」

トール 「ほんとだな」

ミリアリア 「もう」

No.81 16/10/26 09:55
自由人 

穂乃果たちが再会していた頃、海未はストライクの機体を見にアーク・エンジェルに来ていた。

海未 「あれがモルゲンレーテが開発したストライク……」

ガンダムですね、というつぶやきを胸にしながら乗りたい乗ってはダメですと脳内に天使と悪魔が彼女のなかで戦っていた。
このままではサイやカズィのように存在感がなくなってしまいます……、そんな焦りがあった。

サイ 「園田海未さん?」

海未 「うわぁぁ〜!?」

カズィ 「ホワイトベースの」

海未 「あ、は…ハイ」

マードック 「おい!わかってんだろうな!二度とストライクを動かそうなんて考えんなよ」

わかってますよ、と整備のマードック曹長の声がアーク・エンジェルのデッキに伝わりサイは苦笑し事情を説明する。
なんでも砂漠でバルトフェルト隊の戦いを控えているなかサイはキラとの仲違いをしていまも少し尾を引いているという。
ストライクを動かせたら、という焦りがあったらしい。

海未 「そんなことがあったんですか」

サイ 「ああ、だけどアイツに死んでほしくはないしな」

カズィ 「だけど戦いはいやなもんだよ。何人も子どもも死んだのを見たし……」

はじめて会ったにも関わらずサイとカズィは海未に本音を言ったようだ。
ちなみにキラやフレイ以外は両親に会えたとも言った。
海未は思う。
自分や穂乃果たちの家族だけでもオーブが保護してくれないか、と。
ストライクの機体はまるで自分を見つめているようでもあった。彼女はアーク・エンジェルをあとにした。
その頃、穂乃果はキラたちからオーブの事情を聞いていた。

穂乃果 「M1あすとれい?」

キラ 「ああ、ナチュラルにも扱えるようにデータをつくったり機体の調整をしてたんだ」

凛 「ガンダムにゃ」

キラ 「ガンダム。そうかもしれないしちがうかも」

苦笑しながらもキラの表情はまだ陰りがあった。花陽はナイーブだなと思う。
凛を戦いに出したくはないが、彼女は実戦にいつの間にか出ているようになっている。

花陽 「」ギュッ

凛 「かよちんいたいにゃ」

フレイ 「(この子……)」

花陽の幼い表情にフレイは知らずに自分を重ねていた。

No.82 16/10/26 11:50
自由人 

その頃、希はというと戦時中にも関わらず食糧がやたら増えていく艦内に呆れていた。

希 「誰が食べんの?凛ちゃん花陽ちゃん穂乃果ちゃんかな」

海未 「希でしょう」

希 「うわ〜!海未ちゃん。なにしとんの」

海未 「考えごとですよ」

希はとにかくワシワシマックスを海未にやった。

海未 「」キャー ハレンチデス!

希 「なんかスッキリした」ツヤツヤ!

希はワシワシマックスをしたことでここのところのストレスを解消したようだった。

海未 「破廉恥です」

希 「そう、それよりアイドルする云々はどうなってんの?」

海未 「忘れてました!」

海未だけでなく書き手もしばらく忘れていた📝。

穂乃果 「あ、アイドル〜!!」

キラ 「アイドル?なにかするのキミたち」

フレイ 「(ガンダムSEEDのアイドルはラクスじゃなくてあたしよ!)」

凛 「なんかこわいにゃ」

ミリアリア 「」ヨシヨシ

凛 「男運がよくなさそうだにゃ」

トール 「どういう意味だ!」

ディアッカ 「」クシャミ!

イザーク 「風邪を伝染すな、バカめ」

ニコル 「気をつけてください」

ミリアリア 「トールはスカイグラスパーに乗ってるんだから」

トール 「」ぶい!

花陽 「だいじょうぶです?こわくないです?」

トール 「怖いさ。だけどキラだけを戦わせたくないさ」

その会話を希や海未も聞いていた。

希 「戦いはつらいのはどこもおなじや」

海未 「ええ」

その頃、ことりはトロワがいるサーカス団で傷を治しながらサーカスを見ていた。

ことり 「すご〜い!」トロワサン クルクル!

キャスリン 「」ナイフナゲ!!

ことり 「すご〜い」ハノケチェン!ンミチャ ミセテアゲタイ!

トロワ 「……」

トロワはこの時にすでに次に自分の任務はOZの基地をひとつでも多く壊すべきと決意していた。
自爆しても……。
アスラン達はオーブに潜入する手筈を整え、にこもまた人知れずオーブに入ろうとしていた。

アスラン 「キラ、穂乃果……」

にこ 「むあったく、あの子達は!!」

No.83 16/10/26 15:12
自由人 

穂乃果は海未と希を見つけて走り寄ってきました。

穂乃果 「海未ちゃ〜ん」ギュ

希 「」イヤン♪

海未 「それは希です。なんですか?」

穂乃果はキラ達の案内でモルゲンレーテにあるM1アストレイを見に行くと以前出会ったカガリの正体に驚くのだった。

凛 「あ!カガリちゃんにゃ!?」

飛びつこうとした凛を払いのけたのはカガリの乳母である侍女だった。

凛 「にゃ!?なにをするにゃ!」

カガリ 「すまない、星空凛だったか。侍女が申し訳ないことをした」

妙に礼儀正しいカガリの態度に穂乃果たちはキョトンとしながらキラはやれやれと思いながら説明する。

キラ 「彼女は、カガリ・ユラ・アスハはこの国の王女なんだ」

ほのうみりんぱなのぞ 「」エーッ!!!

真姫 「(カガリ・ユラ・アスハ……)」

凛 「真姫ちゃんは驚いてないにゃ」

真姫 「し、初対面だし……」

モルゲンレーテのデッキで動く三機のM1アストレイを見て驚く。

穂乃果 「ナチュラルが動かしているのにふつう以上になめらか」ホムマンミタイ

凛 「すごいにゃあ」

海未 「(ガンタンクよりはいいようです!)」

希 「(スピリチュアルちゃうかなキラくん……)」

カガリ 「キラの協力でようやく動かせるくらいになったが実戦じゃわからないもんだ」

凛 「一機ちょうだいカガリ王女さま!」

…………。
ストレートな凛のほしい発言にモルゲンレーテの格納庫は一瞬、静まり返り誰もが呆れた。
海未にいたっては私が言えないことをぬけぬけとと腹立たしい気持ちが少しあった。
カガリの反応は国家元首の娘としては当然な反応を示した。

カガリ 「兵器をかんたんに他人に個人にあげられるわけないだろう!」

凛 「にゃ!?ごめんなさいにゃあ」

花陽 「凛ちゃんを許してあげて。オーブのラーメンを愛してるし」

カガリ 「ん、わかった……」

キラはやれやれと思いながらもカガリが以前よりやさしい一面を見せることに安堵した。
自分たちのためにいろいろと彼女は奔走してるのを口には出さないが理解はしていた。フレイとは相変わらず仲はよくないが。

穂乃果 「あれ?それはトリィ」

キラ 「ああ」

No.84 16/10/27 06:34
自由人 

その頃、アスラン達はオーブに潜入していたスパイに合流していた。

スパイ 「クルーゼ隊か」

アスラン 「ああ」

イザーク 「ザラ隊でもかまわんがな」

ニコル 「イザーク」

スパイ 「とにかく眠れる獅子を起こさないようにしてくれ」

アスラン 「獅子……?」

アスラン達が顔を見合わせていた頃、にこはエクシアを置いて別ルートから入っていた。

税関職員 「次のひとどうぞ」

にこ 「」ドキドキ

税関職員 「子どもか」

にこ 「大人よ!」

税関職員 「小学生?オーブにいる親戚に会いにきたの」

にこ 「大人!はじめてのおつかいじゃないし」

税関職員 「中学生かな。修学旅行?」

にこ 「大人だってば」

税関職員 「名前はチュートリアル・トクイ」

にこ 「ソラ・トクイ。芸人じゃないし」

税関職員 「え……と目的は労働かな」

にこ 「観光!見たらわかるでしょう!」

にこがようやくオーブに入れた。いろいろ厳しいようだが、国内が戦争とは無縁に思える雰囲気は日本に似ていた。
ここにあの子たちがいるかもしれない。

イザーク 「ニコルはうるさいぞ」

にこ 「あたし?」キョトン

ディアッカ 「迷子かな。お嬢ちゃん?」

にこ 「ちがうわよ」

ニコル 「まあまあ。悪気はなかったので許してね」

アスラン 「いくぞ」

にこ 「にこのことじゃなかったのね」

キョトンとしながらもにこはホワイトベースがいそうな場を探し始めた。

No.85 16/10/28 17:17
自由人 

にこにはオーブの人たちは平和のなかに生きているように感じられた。アスハ元代表には平和への意思が感じられた、また日本のようにテロは起きてないようでもあった。手にしたハンバーガーはあたたかく美味しかった。

にこ 「けどここがいつまでも平和とは限らないわ」

皮肉めいた呟きをサングラスをかけたにこは街並みを見ながらホワイトベースがいそうな場所を探していた。
にこには苦い過去があった。その頃はまだとある国で平和に暮らしていたがある男の口車に乗せられ国を戦争に巻き込み結果的には親も居場所をなくした。
UTX軍に入ったのは宇宙に出てからのことだ。復讐心もあったしA-RISEが心に輝きを灯してくれたから戦ったのだ。
いまはソレスタルビーイングにあの刹那という少年の代わりに入りまるで怪しまれることなく活動していた。それでいいのだ。

ニコル 「平和な国ですね」

ディアッカ 「ああ」

イザーク 「なんなんだ。この国は桃源郷か。どの国も戦争やガンダムファイトに巻き込まれてるのに」

アスラン 「イザーク、静かにしろ。次の港にいくぞ」

ち、とイザークは舌打ちをしながらついていく。アスランはなんとなく気づいていた。
あのサングラスをつけたちいさな少女が偶然かどうかはわからないが自分たちと似たような道を歩いているのを。
そしてキラと穂乃果たちは。

キラ 「トリィはアスランがボクのためにつくってくれたんだ」

穂乃果 「おぼえてるよ、ヅラちゃん」

海未 「ザラです。パトリック・ザラの息子さんですね。プラント評議会長の」

ああ、とキラが呟いた時にトリィがことりのように鳴き出し格納庫から出てしまい追いかけた。

キラ 「トリィ!」

穂乃果 「待ってよ」

トリィは格納庫を出てしまいフェンス越しにアスランたちと少し距離を置いてにこがいた。

にこ 「穂乃果っ!?」

ヤバッ、と思いながら姿を隠した。
アスランたちはトリィを見つけていた。

ニコル 「うわぁ、よくできてますね」

アスラン 「キラ!?」

彼の声はさいわいに仲間たちに気づかれなかったが、建物からキラたちが現れたのに驚きは隠せなかった。

アスラン 「(トリィ……)」

ディアッカ 「なんだそりゃ」

キラも驚いていた。

No.86 16/10/28 19:24
自由人 

穂乃果 「」ヅラチャン ヅラチャン

海未 「(黙りなさい。キラくんたちや私たちまで危険に晒されすよ)」

穂乃果 「」エー

キラとアスランがフェンス越しの邂逅を果たしている頃、真姫たちも後からやって来た。

凛 「」ン?ドコカデミタヨウナ アレアレ

花陽 「にこちゃん!?」

にこ 「げっ!?」

こころ 「お姉さま!」

この時すでにキラたちは互いにそれぞれ別れていた。真姫は「?」とした表情をしていた。
海未は凛に言う。

海未 「凛!にこを捕まえなさい!」

凛 「わかったにゃあ!」ジャンプ!クルクル!スタッ!ガシッ!ニャア!

それはトロワを彷彿させるような回転であったが彼女たちは知る由もない。にこは逃げられないことに驚いた。

にこ 「げっ!?」

凛 「」フェンスドンニャ!!

海未 「捕まえましたよにこ」

フェンス越しに捕まえられにこはサングラスを落とした。

凛 「似合うかにゃ」

花陽 「凛ちゃんカッコいい!」グラサン!リンチャン!

にこは穂乃果たちホワイトベースの者たちに連れられ脱走した後の経緯を聞いた。

穂乃果 「海に落ちてサメの餌食になったかと思ったよ」

にこ 「」フン!

海未 「それでいまもあなたはUTX軍に所属してるんですか」

にこ 「さ、さあ」(;¬_¬)

こころ 「お姉さま」

虎太郎 「がんだむ〜」

真姫 「誰なのよ」

にこ 「それはこっちのセリフよ。あたしはソレスタル……じゃなくて矢澤にこよ!」

真姫 「あたしはアナハイム・マキエレクトロニクスガンダム開発担当チームの西木野真姫よ」

にこはアナハイム・マキエレクトロニクスを思い返す。モビルスーツ開発では連邦UTX軍などありとあらゆる勢力に製造している。
ソレスタルビーイングのガンダムたちにも西木野真姫の名前がデータにあったはずだ。

にこ 「」ムッ

真姫 「小学生?」

にこ 「オトナよ!大人!」

海未 「あなたはいま何を目的にオーブにいたのですか」

にこ 「」アセアセ

汗を流すにこだけがいた。それを見た希は一言。

希 「サウナダイエットかいな?」

にこ 「海未がこわいのよ」

No.87 16/10/29 14:55
自由人 

海未 「どういう意味ですか?そんなにあたしがこわいですか」

ほのまきりんぱなにこのぞ 「」ジカクナシ

海未 「とにかくにこは再び留置します」

にこ 「あ、アルパカの隣に!?」

海未 「あたりまえです。一度脱走したんですから」

実は何度も脱走されてるのだが気づかない穂乃果たちであった。
にこは再びアルパカの隣の留置場に閉じ込められた。

にこ 「アルパカ……」

こころ 「お姉さまは優しいひとです」

虎太郎 「がんだむ〜」

にこ 「」ギクッ

ここあ 「きっと将来、いえいまに宇宙No.1になりますよ!」

にこ 「そ、そう」アセアセ

エクシアに乗りホワイトベースや穂乃果たちを助けたことを気づかれるわけにはいかなかった。
穂乃果はきょとんとしている。

穂乃果 「にこちゃんはいいひと?」

にこ 「」フン!

海未 「いいひとなわけないです。脱走したんですから」

にこ 「それよりアイドルの名前は決まったの?」

穂乃果 「まだだよ。ことりちゃんが自爆して帰ってこないし」

にこ 「コロニーのガンダムが一機、自爆したあの件。OZは地球が終わったら宇宙コロニーね」

にこはソレスタルビーイングの情報網により穂乃果たちより詳しかった。

凛 「なんで知ってるにゃ?」

にこ 「ちょっとマスコミの情報操作を見てたらわかるの」

花陽 「見た目に違わずあたまいいんですね」

にこ 「どういう意味よ」

海未 「しばらくアルパカと一緒にいてください」

海未は言いたいことだけを言うと穂乃果たちを連れて留置場から出ていった。

にこ 「堅物ね」

こころ 「いろいろあったんです。許してください」

にこ 「ん……わかったわ」

にこはホワイトベースがオーブを出る直前までは捕まったままでいようと思う。
こころたちのために。

No.88 16/10/30 05:46
自由人 

アーク・エンジェルはほどなくしてオーブを離れた。後にキラが行方不明になりトール、ニコルの戦死を穂乃果たちは知ることになる。
そして穂乃果たちホワイトベースもオーブを出る。さいわいなことにザフトはアーク・エンジェルに向いておりUTX軍はなぜかユーラシア大陸に上陸するまで攻撃はわずかだった。
これにはUTX軍の事情があった。

ランバ・ラル 「わしが地球まできたのに木馬はまだオーブだと」

ハモン 「まあまあ地球をしばらく楽しみましょう」

ランバ・ラルの部隊はホワイトベースの待ちぼうけをくらっていたのを穂乃果たちは知らない。

にこ 「やばっ、エクシアを置きぱなっし」

海未 「どうかしましたかにこ」

にこ 「なんでもないわよ」

ホワイトベースもほどなくしてオーブを離れることになりエクシアの存在をにこは忘れるとこだった。

凛 「海の上で脱走したらサメのえじきにゃね」

花陽 「オーブからはしばらくは海ですし。お魚さん」

にこ 「やなこというわね」ダッソウシテヤル

穂乃果 「」ジー

にこ 「なによ穂乃果のくせに」

穂乃果 「にこちゃんツンデレ」

にこ 「」

その頃、真姫はホワイトベースの格納庫内にあるモビルスーツを見ていた。

真姫 「HONOガンダム、ガンキャノン、ジム改、海未のガンタンク。……てこれファーストガンダムじゃないの!?ヴェェ」

希 「」ワシワシマックス!

真姫 「」キャー

希 「なにしとんの」

真姫 「ていうかこれ!連邦のV作戦のファーストガンダムじゃない!?なんで使わないの」

テム・レイ博士の下で作られたV作戦下の機体であるのにまるで使われてなく傷ひとつないことに驚いた。

希 「穂乃果ちゃんのガンダムあるしまあええかなとおもうて」

真姫 「あのガンダムを使いなさいよ」

希 「パイロットがリュウさんがガンタンク、カイくんがガンキャノン、他はハヤトくんにアムロくんかな」

真姫 「順番がおかしくないかしら」

ホワイトベースが海上を進むのを見てにこは慌てた。

にこ 「エクシアを置いてきちゃうし」

こころ 「」🔓

にこ 「お姉さまがんばってください」

にこは海に飛び込んだ!バシャン!!

No.89 16/10/30 06:21
自由人 

にこはなんとかエクシアのある島にたどり着いて身なりを整えた。コクピットに入るとプトレマイオスから作戦指令のメッセージがあった。

にこ 「アザディスタン、マリナか……」

彼女のちいさな胸に故郷への思いが宿りながらオーブで手に入れた食料で胃を満たしエクシアを動かした。
ホワイトベースの白い船体が見えた。

にこ 「……」フン

穂乃果 「あ!ガンダムヘルシア!」

海未 「エクシアですよ!緑茶ですよ」

こころ 「お姉さま……」

ホワイトベースはユーラシア大陸に上陸し山の陰で休息にはいった。

希 「さあさあみな食べなはれ!」

リュウ 「うむ、美味だ」

セイラ 「バカンス気分ね」

ミライ 「ほんとね」

オーブで手に入れた食材でバーベキューをしていた。

凛 「美味しいにゃあ」

花陽 「ごはんですよ!」

海未 「いま戦争中ですよね」

穂乃果 「にこちゃんにも分けてあげないと。あれは?」

真姫 「アムロ・レイよ。彼の故郷がこの辺らしいの。コアファイターでいくみたいね」

穂乃果 「だれ?それ」

ホワイトベースからコアファイターが発進する姿が見えた。

カイ 「ち、ヤツはエリートか」

穂乃果 「わ、和菓子屋の娘だよ」

カイ 「おまえじゃないよ」

雪穂 「あほ姉貴」

だがUTX軍はどこにでもいるのだ。
にこは中東アザディスタンに向かっていた。

にこ 「マリナ……」

中東の熱気溢れる暑さが過去を思い出させていた。ユニオン、人革連、AEUの思惑が国を左右しているのだ。
マリナ皇女がいかにカリスマであろうと世界の動きは変えられない。

? 「いやがったな!クルジスの小僧!」

AEUのイナクトから嫌な過去を想起させる中年の声がエクシアのコクピットに伝わりにこは一瞬、かたまった。

にこ 「この声は!?」

? 「舐めたまねしやがって!」

にこ 「キャッ」

エクシアのGNブレードでイナクトの攻撃を受け止める。
にこは嫌な過去を思い出しながら震えていた。怒りと恐怖から。

にこ 「アリー・アル・サーシェス……。いいえ、またの名をヒロシ!」

サーシェス 「なぜ俺の本名を!?」

サーシェスは驚いた!

No.90 16/10/30 06:39
自由人 

叫ぶにこ!

にこ 「あんたは足が鼻がひん曲がるくらいクサイのよ!」

サーシェス 「うっせえ!クルジスの小僧じゃねえのか」

思い出すにこ。
あの頃はまだ両親がいた。貧しかったけどしあわせだった。
しかしある日、サーシェスという男が現れ両親を洗脳し戦いへと走らせ自分はメイドとして仕えていた。いや仕えさせられていた。
回想である。

サーシェス(回想)『おらおら、美味しいごはんを作れよ!』

にこ(回想) 『あ、足がくさいのよ。あんた』

サーシェス(回想)『てめえ!雇い主に言う言葉かよ!』オラオラ

にこ(回想) 『く、クサイ……』

再び現実の戦いへ戻る。

にこ 「いつまで足がクサイのよ埼玉県民!」

サーシェス 「うっせえ!俺だけがクサイんじゃねえんだよ。なんだと!?」

イナクトの腕を切り飛ばされ以前とはちがう動きを見せていた。

にこ 「……」

サーシェス 「ち、また生身でやろうというのかよ」

地上に降り立ち生身で向き合うにことサーシェスは互いに睨みあっていた。

サーシェス 「少し様子がちがうような?」

銃を構えながら睨むサーシェスの前でヘルメットを外すにこ。

サーシェス 「……?誰だ、おまえ」

にこ 「あたしよあたし!ヤザワ・ニコ!あんたの足の臭いを嗅がされた!」

サーシェス 「知らねえな。が誰であろうと俺の邪魔はさせねえ」

忘れられていた。
銃を構えるサーシェスから身をかばうようにエクシアのコクピットににこは入った。
起動するエクシアは宙に浮いた。

にこ 「おぼえておきなさいよ!」

サーシェス 「知らねえって言ってんだろ!」

中東の上空で互いの機体はぶつかりあっていた。

No.91 16/10/30 12:48
自由人 

穂乃果父 「」ワガシウレテル コドモヤオトナ ヨロコブ

穂乃果母 「」シアワセ

海未 「穂乃果のご両親が和菓子を売って喜んでいます。穂乃果は?」

穂乃果 「」モグモグ

海未 「リュウさんみたいになりますよ」

穂乃果 「」ハッ

穂乃果 「ならないよ!」

海未 「わかりませんよ。将来ガンタンクみたいな穂乃果になったらアイドル以前の問題です」

穂乃果 「」ハッ

さすがにショックを受ける穂乃果だがすぐに正気を戻して海未の肩を叩く。

穂乃果 「」ポンポン

海未 「なんですか」

穂乃果 「陸に上がれてやっとガンタンクと海未ちゃんの出番だよ」

海未 「さらっと言わないでください」

その頃、アムロはというと故郷に戻っていた。が、その地もUTX軍に支配されていた。

アムロ 「母さん……」

村人A 「わるいがのう。その戦闘機を隠してくれんか」

村人B 「あっちにUTX軍がおるでのう」

アムロ 「」ナゼ シュジンコウ ボクノハズ

再び穂乃果たちは和菓子売りをしていた。

凛 「いらっしゃいいらっしゃいにゃあ」

花陽 「お米でつくった穂むまんだよ!」

穂乃果 「」ポンポン

海未 「声に出さない慰めほどみじめではないですか!!」

真姫 「よほどガンダムに乗りたいのね。穂むまんというのは美味しいは。にこちゃんにわけてあげましょう」

真姫はホワイトベース艦内を歩いてにこがいるはずの留置場に向かうがすでに彼女はいなかった。

真姫 「ヴェェ!?いないじゃない」

こころ 「バレちゃった」

No.92 16/10/30 20:08
自由人 

真姫 「た、たいへんよ。にこちゃんが脱走してるわよ!」

ほのりんぱなのぞ 「」ッ!?

海未 「みんな水です!水ですよ」

ほのりんぱなのぞ 「」ゴクゴク!!プハッ!

真姫 「なにしてたの?」

海未 「私以外は和菓子を食べてたのでみんな詰まらせたようです」

真姫 「よく食べるわね」

海未 「それで何です」

真姫 「に、にこちゃんがいないの!留置場に!」

海未 「またですか」

凛 「お腹が空いたら帰ってくるにゃ」

花陽 「オーブの海に落ちてなければ」

希 「ウチのスピリチュアルが言うとる!にこっちは地球のどこかにおる!」

真姫 「」ワカッテルワヨ!

にこ 「だから足が臭いのよ!サーシェス!いえヒロシ!」

サーシェス 「うっせえ!」

にことサーシェスはいまだ中東の上空で戦っていた!希のスピリチュアルは間違えてはいない。
その頃、アムロは母親カマリアと再会していた。

カマリア 「そう。お父さんは行方不明なの」

アムロ 「うん」

カマリア 「あなたも軍人なの?」

アムロ 「ち、ちがうさ……」

実はまったく活躍していないままコアファイターに乗って故郷を訪ねたために本人には先のことはわからない。
しかしUTX軍の兵士たちが村に見回りにやってきた。

兵士A 「英玲奈さまはモビルスーツという都市伝説がサイド3にあるらしいぜ」

兵士B 「そうなのか」

そこへホワイトベースからアムロに通信が入りベッドから音がする。

アムロ 「!?」コンナトキニ!?

兵士A 「なんだ。この音は」

兵士B 「着メロか」

アムロ 「」ダッテカノウセイ〜♪カンジタンダ〜♪

アムロ 「(おい!やめろよ)」

その頃、穂乃果たちはというとまだ名前は未定ながら曲作りを海未に実は依頼していた。

穂乃果 「海未ちゃんこの前頼んだ作詞はできた?」

海未 「ええ、アムロさんに試聴を頼みました。戻ってきたら聞いて見ましょう」

アムロ 「」オイ!

迫るアムロの危機を穂乃果たちは救えるのか。危機をアムロが襲う。

No.93 16/10/31 11:34
自由人 

兵士A 「おまえ何の着メロだ」

兵士B 「見せてみろ」

少年A 「オラの着メロ聞く?」

兵士A 「じゃまだ!」

老人 「なにすんだ!わしは串田アキラじゃぞ。フジ!サファリパーク〜♪」

アムロは身の危険を感じた!その時に懐に隠していた銃に触れて引き金を引こうとした時だ!

凛 「キャラメルにお茶はいらんかにゃ〜♪」

花陽 「ごはん♪ごはん♪おにぎりにせんべいもありますよ」

アムロ 「」オイ

そこに現れたのは慰問に扮した凛や花陽たちだった。アムロの故郷にUTX軍がいると聞いて変装して村に入ったのだ。

真姫 「なぜ?あたしまで」イミワカンナイ!

兵士A 「ツバサさまに似たつり目だぜ」

真姫 「」ヴェェ

兵士B 「ほらよ!せんべい買ってやるから」

凛 「毎度ありがとうにゃ!」

兵士A 「またな少年」

アムロ 「キミたちなんで来たんだ!」

花陽 「せんべい食べます?お母さんもみんなも」

少年A 「オラ好きだぞ」

その頃、カイとハヤトはガンペリーにファーストガンダムを分離させさらに穂乃果のガンダムも乗せて向かっていた。海未は希と留守番である。

海未 「ガンタンクは?」

リュウ 「ガンペリーに載せられないんだ」

希 「うんうん」

海未 「」ホノカ!

穂乃果 「寒気がしたよ」

カイ 「風邪か」

ハヤト 「機体に乗ってください」

兵士A 「あれは!?」

兵士B 「連邦のヤツじゃないか。総員、出撃!出撃だ!」

量産型のツバザクや戦車型のエレナアタックなどが動きだし村人は山や森に逃げ出した。

アムロ 「ムチャをする」

カマリア 「アムロ!?」

花陽 「ナミエ・アムロ?」

凛 「安室奈美恵にゃ」

真姫 「はやく村人を避難させなさい!」

りんぱな 「わかった!」

ガンペリーに向けて射撃の火線が向かう。穂乃果のガンダムはガンペリーから姿を見せた。

兵士A 「HONO !?」

兵士B 「構うな!なんだあれは」

森に隠したアムロのコアファイターを兵士たちは見つけた!

No.94 16/10/31 13:32
自由人 

兵士A 「連邦の」

兵士B 「白い穂むまんだと!?」

UTX軍はもちろん穂むまんが何かは知らないがいつの間にか穂乃果のガンダムは“白い穂むまん”としてUTX軍をはじめ各国家や軍隊に知れていた。

穂乃果 「アムロさん、ガンダムに合体して」

アムロ 「」オイ

コアファイターに乗ったアムロはいきなり実戦に参加させられ憤りはあったがやるしかないと思った。

凛 「みんな逃げるにゃ」

花陽 「早く早く」

真姫 「ファーストガンダム……」

カイ 「いきなりだがドッキングやるぜ」

アムロ 「むちゃくちゃだ」

ハヤト 「ガンダムBパーツ、投下!」

ガンペリーからガンダムの下半身が投下され穂乃果のガンダムはガンペリーから離れ援護する。

アムロ 「ドッキングはこうか!コアブロックオン」

コアファイターがコアブロックに変形しBパーツと距離を取りドッキングしてゆく。

穂乃果 「凄い!感心してる場合じゃないよ」

兵士B 「連邦の白い穂むまんは一機ではないのか」

兵士A 「わからん。だがこんななんでもないところを狙うとは」

ホワイトベースも山の中腹から姿を現しその白い姿は威容な存在感があった。

おやどり 「こんな基地をつぶしても戦略的に意味をなさないのに」

希 「でも穂乃果ちゃんがアムロくんを心配やからてな」

おやどり 「適当に追っ払うのよ」

了解、と希はホワイトベースを操艦した。海未はブリッジから戦闘を見ていた。

海未 「穂乃果……」

その頃、にこはまだサーシェスと戦っていた。

にこ 「サーシェス!」

サーシェス 「うっせえ!チビガキが」

GNソードでなんとか攻撃を払うがにこの精神や体力は限界だった。サーシェスもまた怒りに満ちながら疲れはあった。

にこ 「また戦いを引き起こしてるの!」

サーシェス 「悪いか」

にこ 「悪いわよ!」

エクシアの脚で蹴りを入れるとイナクトは吹き飛ばされながら去っていった。

サーシェス 「ち、おぼえてやがれ」

にこ 「ヒロシ……」

サーシェスの親父な顔を思い出すと鼻がひん曲がるような表情を彼女はしていた。

No.95 16/10/31 17:00
自由人 

ハヤト 「ガンダムAパーツ、投下!」

アムロ 「実戦にも出てないしシミュレーションさえしてないのに!」

アムロはほんの少しだけ穂乃果たちの身勝手さをちいさく罵りながらもコアブロックとBパーツをコントロールしてAパーツとなんとかドッキングを果たした。地上に着陸する際にわずかによろめいた。

アムロ 「UTX軍……。母さんのいる土地まで」

バルカン砲でとりあえず攻撃した。実はサイド7でファーストガンダムに乗りかけたのだが、穂乃果たちが別のガンダムを動かし断念した。それから今日まではガンダムのコクピットにあったV作戦のマニュアルを見て密かに学習していた。

? 『アムロ…アムロ・レイ……』

アムロ 「だ、誰だ!?」

脳内にどこかで聞いたような声が伝わるが正体はわからない。
しかし闇に誘(いざな)うような不快な声であるようでもあった。

穂乃果 「アムロくん!」

アムロ 「ハッ!?なんだ!」

穂乃果 「追っ払うだけでいいて!」

そんなことか、と思った。敵は防戦一方で敗退を喫してるようであった。
だが、脳内に伝わる声はまだ頭や耳に残っているようだ。

真姫 「あれではファーストガンダムは性能を引き出してないわね」

凛 「りんのジム改は?」

真姫 「問題外ね」

凛 「ひどいにゃあ」

花陽 「よしよし、凛ちゃん」

戦いはほどなく終わりホワイトベースは物資のいくつかを村に残した。
アムロは母カマリアに別れを告げた。

アムロ 「ごめん、母さん」

カマリア 「うう……」

穂乃果 「故郷にいてもいいんだよ?」

海未 「そうです」

アムロ 「戦いたいわけじゃないけど君たちだけでは不安だよ」

真姫 「ニュータイプかしら」

花陽 「新米のお米ならありますよ」

真姫 「」コケッ!

真姫はファーストガンダムのデータを解析し誰がパイロットに相応しいかおやどり艦長代行や希と話し合うことに決めた。
ホワイトベースは夕闇のなかアムロの故郷をあとにした。

No.96 16/11/02 05:38
自由人 

ランバ・ラル 「ようやく木馬が山の向こうに現れたか。地球は不便だな」

ハモン 「雷というのをはじめて見ました」

ランバ・ラル隊はようやく木馬の姿を捉えたことに安堵と戦意の高揚感があるのを感じた。
ホワイトベースではファーストガンダムと穂乃果のガンダムについて真姫は技術者としてひとり解析していた。

真姫 「ファーストガンダムはほぼ基本データのままね。この前の戦いがようやく初めて……。それにしても穂乃果のガンダムはなに?わたしは知っているのかしら」

真姫はオーストラリアで穂乃果のガンダムを初めて見たときに違和感があった。
自分は“ガンダム”という機体に勢力を問わず開発や整備などに関わってきた。しかし自分が戦争に関わりその都度、真姫は自分が開発した記憶除去装置で記憶を消していた。
だが、穂乃果が操るガンダム。……“HONO”とはいったい何か。ひっかかっていた。

凛 「ジム改にゃ」

花陽 「凛ちゃん無茶をしないでね」

海未 「凛」

凛 「」ビクッ!

デッキで背後から海未に話しかけられた凛は猫のように背中を震わせた。

凛 「断ります」

海未 「まだ何も言ってませんが」

凛 「ことわります」

海未 「私にジム改を譲ってください」

凛 「いやにゃあ」

花陽 「海未ちゃんこわいよ」

凛と花陽はデッキから逃げるように消えていった。

海未 「なぜ私にガンタンクを……」

真姫 「」

海未の真剣な表情を真姫はあきれながら見ていた。

No.97 16/11/02 13:16
自由人 

穂乃果たちが山を越えようとしている頃、ことりはトロワがサーカス団をOZの慰問に誘い最後の作戦に出撃するのを知る。

トロワ 「コロニーから指令が来ない。だが、俺はひとりでもOZと戦う」

ことり 「気持ちはわかるよ。だけど、自爆すると焼き鳥になるくらい痛いかもよ」

沈黙を守るトロワは団長が次の慰問先に困っており彼はアイデアを出した。

トロワ 「近くのOZ基地へ慰問はどうだ」

団長 「OZへか」

キャスリン 「ふだんは無口なトロワが言うことですもん。だいじょうぶ、あたしが保証するわ」

キャスリン 「(あのことりというお嬢さんには近づけさせたくないけど)」

ことり 「」ハイ!

団長 「キミは?」

ことり 「そこにいるトロワさんの知り合いの南ことりです。お世話になったお礼にピエロくらいやります!」チュン

団長はトロワとキャスリン、ことりの熱意を買いOZ基地への慰問を決意した。そこでどんな状況が待っているかも知らずに……。
その頃、にこもアザディスタン皇国にいまは統合されたかつての故郷を訪ねた。邂逅の念はあったが、むかしのことだ。

にこ 「あれはマリナ……さま……!」

エクシアを近辺に置きながらすぐさまミニバイクを手にしてマリナの車の側まで来ると道端に止めてしばらく待った。

マリナ 「止めてください」

彼女は車の先にいるちいさな少女にこの存在に気づいて駆け寄った。近くでエクシアの存在をニュースで耳にしたからかもしれない。

マリナ 「あなた……」

にこ 「(相変わらず皇女さまなのね)」

マリナ 「あなた、かつてアザディスタンでテロに加担した……」

にこは好きで加担したわけではない。サーシェスに何も世界や世間を知らないまま加担されられ人を殺した。大人や子ども、老人も男も女も。
静かににこは振り向いた。ツインテールが揺れた……。

マリナ 「あなたいくつ?」

にこ 「18よ」

マリナ 「エエーッ、嘘でしょう?栄養はだいじょうぶなの。ええ……とランチの残り食べる?」

にこ 「このままだとガンダムはアザディスタンを襲う可能性があるわ」

マリナ 「あ、あなたカマルくん……。いえ刹那なの……」

再び刹那に勘違いされるにこであった。

No.98 16/11/03 11:29
自由人 

マリナはにこの肩に手をやり頭を撫でた。

マリナ「」ナデナデ

にこ 「撫でないの!いい?気をつけなさい、ガンダムは戦いあるところに現れる。そのときあなたの判断を考えて……」

マリナ 「刹那……」

ほんの少し幼くなったようだがアザディスタンを思っての言葉と彼女は思った。
にこはバイクを走らせてエクシアに戻りマリナの内に母の面影を見た。通信が入り瞳から伝う涙をわずかに拭った。

ロックオン 「よお刹那。ママのおっぱいが恋しくなったか」

にこ 「ば、バカ言わないでよ。それよりAEU、ユニオン、人革連はあたしたちを警戒してるはず」

ニヤリとロックオン、いやニールは笑う。

ロックオン 「おそらくアザディスタンの後は俺たちが狙われるはずだ、とヴェーダとミススメラギの解答だ」

にこは思う。
戦いをなくすために戦争に介入するソレスタルビーイング、なりゆきから本物の刹那と入れ替わり戦いに参加しているが彼らの目的はなんなのかわからなかった。

にこ 「三大勢力しだいてことね」

そうだ、とロックオンの瞳はうなずいたようだ。
彼らが地球連邦に加入する可能性がある。そうなれば穂乃果たちは結果的には勢力は増えるだろう。
だが、それもまた争いをうむ火種となるかもしれない。
とりあえずはガンダムを隠して動向をうかがうしかない……。
ロックオンとともに中東の人気ない山に彼らを身を隠した。

にこ 「ママ……」

No.99 16/11/03 18:59
自由人 

団長 「それでは我がサーカスのトロワ・バートンのメインイベント!」

団長のマイクによりピエロのトロワと赤いヘビーアームズの姿が映し出される。その偉容な姿に観客づあるOZ兵士たちは観客を歓声を上げる。

観客 「あれガンダム03だぜ」

観客 「よく出来てるな」
歓声が起きたのも束の間だったトロワはヘビーアームズに乗り込み腕に装備されたガトリングガンを撃ち出した。
歓声が悲鳴に変わる。
ことり、キャスリン、団長は一瞬、唖然とする。

キャスリン 「トロワ!?」

ことり 「トロワくん」

ヘビーアームズはゆっくりと動きながらテントから姿を現しOZ基地に向かう。トロワはこの時、自爆を胸の内に決めていた。

トロワ 「俺の最後の任務はOZ基地の破壊、そして宇宙への進出を防ぐことだ」

キャスリン 「トロワ、死ぬつもりなの」

彼女はトロワがいつも無表情な瞳や顔の奥に死を求めているのに気づいた。
それに気づいたことりがパラグライダーで彼女の手を掴ん。

キャスリン 「ことりさん!?」

ことり 「自爆はいけないよ」

自爆スイッチのトリガーを出したトロワのコクピットの前に二人の少女が姿を見せた。思わず彼はコクピットのハッチを開けてしまい少女の柔らかい身体が触れた。

ことり 「きゃ」

キャスリン 「トロワ何をするつもりなの」

トロワ 「俺はこれから自爆する。OZ基地の破壊をする。それが任務だ」

瞬間、トロワの頬をキャスリンの掌が叩いた。ことりは瞬間的に無意識に胸と掌をあてた。

トロワ 「」/////

ことり 「自爆はダメだよ!キャスリンさんたちがかなしむから」

トロワ 「あ、ああ……」

キャスリン 「(この子には負けたくないわ)」

OZ基地の破壊は成された。一夜にしてガンダムヘビーアームズとトロワによってひとつの基地はなきものにされた。
しかし、団長たちサーカス団は行き場をなくした。

トロワ 「どこへいくつもりだ。自爆さえできないとはな」

ことり 「キャスリンさんが悲しむよ。ひとを悲しませてはいけないよ」

キャスリン 「この子のいう通りよ!トロワ、また面倒をみてあげるから」

二人はサーカス団を離れていった。

No.100 16/11/04 07:16
自由人 

セイラ 「ミノフスキー粒子展開!UTX軍の反応あり」

希 「山を越えてもおんなじや」

おやどり 「穂乃果ちゃん、アムロくん出撃用意」

穂乃果 「ほいさ」

アムロ 「二度目だぞ、ボクは!」

穂乃果とアムロのガンダムはカタパルトに出て射出されそこにはツバザク以外に見慣れない青い機体が一機あった。

ランバ・ラル 「ハモンは下がっていろ」

ハモン 「お気をつけください」

わかっている、とランバ・ラルは通信を切った。

ランバ・ラル 「あれが連邦の白い穂むまん。二機か。ふふふ、アコーズ、コズン迂闊に前に出るなよ」

アコーズコズン 「了解」

穂むまん 「えい!当たらない!」

アムロ 「ならば」

ランバ・ラル 「所詮はコンピューターによる制御だ。迂闊に動かなければ当たらない」

ランバ・ラル 「こちらから行かせてもらう」

ランバ・ラルの青い機体は左手のマシンガンを速射しふたりの連携を分断した。

穂乃果 「しまったよ」

アムロ 「うわあああ」

青い機体からのヒートロッドによりアムロは電撃により悶絶した。しかし穂乃果はライフルを放った!

アムロ 「ほ、穂乃果……」

穂乃果 「強い、あの新型もパイロットも」

アムロ 「なに!?退くのか」

青い機体とツバザクはそのままガウに収納され雲のなかへ消えていった。

海未 「あの穂乃果が苦戦するなんて」

凛 「りんも出たかったにゃあ」

花陽 「何者でしょう」

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