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重戦機エルガイム 〜ヤーマンの血のもとに〜

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あらすじ

カモン・マイロードのもとに反乱軍が集い、ポセイダルを倒してから数年後のこと。
ようやく各惑星自治体はまとまり、争いの渦であったペンタゴナワールドは静かな銀河になりつつあった。
かつて反乱軍を率いたダバ・マイロード、本名カモン・マイロードは義妹クワサン・オリビーと共に何処かへ姿を消した。
ダバと共にいたキャオ、リリス、アムもまた歴史の内へ消えていった。
唯一人、歴史の表舞台に残ったのはガウ・ハ・レッシィであり彼女は新政府のなかで政治を民衆のより良き現在、未来のためにいた。

平穏な時はいつまでも続くと思われた。
しかし、新政府の政(まつりごと)を嘲笑うかのように謎の新型HM(ヘビーメタル)がペンタゴナワールドの銀河の闇にいた。
彼女はまだ、それを知る由もなかった。

16/08/29 21:38(スレ作成日時) [RSS]

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  • No: 1小説家0(匿名)スレ主更新時刻16/08/29 22:03

    光り輝くセイバーが空を斬った。あやうくセイバーを構えていた若い新兵は、セイバーがじりじりと空気を焼く音に腰を地面に落とした。

    「馬鹿者!なにを腰を落としている。貴様は民衆を守るためにここにいるのであろう!ランニング五十周、それがすんだら休んでよい。ただし明日からこの木刀で素振りを毎日、五十いや百は繰り返せ!」

    女性仕官の張りのある声に、まだ二十歳になるかならないかの新兵は震えながらなんとか運動場に出て走り出した。
    それを見て女性仕官は、ヘルメットを外し柔らかい唇から重い吐息を漏らした吐き捨てるように言う。

    「まったく使えん奴等だ。これではポセイダルのようにこの銀河を支配するような者が現れたら、五分いや三分も持たんぞ!」

    休む、と軍事教官に伝えヘルメットを預けると女性仕官が政府庁舎の方に戻るのを見て教官の方が今度は溜め息をついた。
    やれやれ、あの方は……と呟くが惑星ミズンの大地を照りつける二重太陽が輝いていた。
    彼女はかつては短かった髪が、今では腰まできてる髪を揺らしながら自らにあてがわれた政府庁舎の自室に向かう。

    「レッシィさま!」

    なんだ、と振り向くと先ほどの新兵と同じくらいの年端もいかない女性が息を切らせ駆け寄った。

    「レッシィさま!また新兵訓練の方に行かれましたね。あなたには政をなさるというお仕事が……」

    「わかっている。わかっているからそれ以上言うな、ラズ」

    ラズと呼ばれた女性は、ガウ・ハ・レッシィの秘書兼ボディガードを任された若い女性であった。
    彼女は、レッシィの厳しい瞳のなかにかつての仲間への邂逅と口に出さぬ平和への想いがあることに気づき口をつぐんだ。
    どの程度、口を閉ざしていたのだろうか。

    「……それより仕事をしろとお前は言うのだろう?今度の案件はなんだ」

    「あ、ハイ。惑星トライデトアルから新型HMがロールアウトをしましたからこちらで試験をお願いしたいと」

    「あ、はいらん。これだから若い者たちは。新型HMがあっても扱える者が少ないのではな……」

    新政府の各惑星の自治体は連合としてまとまりつつはあったが、なかなか各惑星や各自治体の事情を踏まえながら遅々としてではあったが平穏ではあった。
    困ったものだ、と感じながら口に出すのは控えるくらいの分はあった。

  • No: 2小説家(匿名)スレ主更新時刻16/08/30 15:01

    レッシィを新政府に入れたのはかつての同志であり仲間でもあったダバの配慮であった。
    かつてレッシィがポセイダル軍13人候補のひとりであったことから、新政府のなかにわずかながらの反発はあったという。
    しかし、新政府に属する反乱軍にいる者は革命や改革に根強い信条や熱意はあるものの政(まつりごと)、つまり政治を行うには不馴れな者たちばかりであった。そうなれば新政府は民衆をまとまりきれず崩壊するのは明らかだった。
    だが、レッシィはポセイダル軍にいたことから政府についてはダバたちも含め彼らより知っていた。
    ただレッシィは立法については反乱軍の若き者にまかせあくまでサポートにまわり司法や行政においてもあくまで主軸となる老若男女の議員たちにまかせていた。もちろん各惑星や各自治体などに不平不満はちいさいながらあった。
    彼女は新政府にありながらそのような雑務に身を投じ時に議員たちに助言することであった。
    時に今日のような新政府の軍で臨時的に教官を(自ら)つとめることもある。
    ラズという少女は、新政府が就けた秘書兼ボディガードであった。

    もしかして監視されているかもな……。

    信頼の置ける彼女に直接、言えたものではない。新政府に参加してる若者たちはよきにつけあしきにつけ純粋なのだ。

    「レッシィさま、そろそろこの書類に捺印をいただきたいのですが」

    「わかっている。が、書類ひとつといえど誤字脱字があってはいかんだろう」

    結局、捺印をするまでにガンコなまでに時間のかかるひとでもあった。
    ラズは思う。
    かつての仲間たちが姿を消し、彼女は新政府を支えるのが精一杯なのだと思う。
    新政府のなかでは、レッシィを女傑、鬼将軍などと陰口を叩く者がいないわけではない。

    「やれやれだな。政をするとは椅子からそうそう離れられないものだ」

    「はあ。軍の教官が先ほどの件で嘆いてましたよ。新兵にスパルタをして故郷に帰ったらどうしましょう、と」

    「ならそれでいいではないか。彼が戦争で死ぬことはなくなる」

    なるほど、とラズは顎に人差し指を触れながら思った。実戦を生き抜いた人の言葉は重たいと感じた。
    ダバたち反乱軍の指導者やリーダー格の者たちはいまでも“英雄”として扱われている。
    だけど、彼女も含め去った者たちは英雄としての扱いは嫌だったようだ。

  • No: 3小説家(匿名)スレ主更新時刻16/09/01 14:46

    「ふ、今日の書類仕事はこれくらいだな。私にデスクワークは似合わんのにな」

    「ご苦労さまです」

    レッシィが時々、軍教練に飛び入り参加し若人を鍛えながらも書類仕事はそつがない。
    もとポセイダル軍13人候補だったことやかつての反乱軍の指揮官のひとりであれば当然過ぎるくらいの能力だ。新政府の中にも頼る者や派閥があるのもまた当然だった。

    「今夜は星空が綺麗だな。反乱軍として戦っていた時は戦いのなかに星を見ることはなかったからな」

    意外に我が上司はあだ名に似ず、ロマンチストなのはごくわずかな者しか知られていない。
    このひとは平和を愛している、とラズはあどけない顔でそう思った。
    平和か、与えられた平和の重みは彼女にはいささか実感に欠けていた。毎日が忙しいあまり平和というものの重みがわからないのかもしれない。
    もしも、新政府につけ入る隙があるならばそういった平和という甘い汁に毒を仕込むようなものだった。

    「これからもなにごともなければいいがな」

    はい、とラズは上司の声に答える。
    レッシィが自室を出ると、彼女も後についた。
    窓にはいつものように銀河の星々が瞬いていた。そして、流れる星がひとすじ落ちるように流れていった。

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