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漆黒の

レス8 HIT数 807 あ+ あ-

シノァ( ♀ INTknb )
16/05/09 07:18(更新日時)

漆黒の髪
ただ
触れたいと
思ったんだ


No.2330160 16/05/07 15:38(スレ作成日時)

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No.1 16/05/07 15:42
シノァ ( ♀ INTknb )

何度も何度も練り直している
彼らの物語が
私の体からでたがっているのに
文才がなく、前回は断念しました。
読みたいのは私です。
どこまでかけるか分からないけど、
付き合っていただけると有難いです。

No.3 16/05/07 15:46
シノァ ( ♀ INTknb )

街は暗闇に沈み、月明かりだけだぼんやりと彼らを照らす。

二人は、小さな酒場で紅いグラスを傾け辺りを伺っていた。

小さな灯りが、時折、金色の髪をキラキラと輝かせる。

古めかしいドレスの女性たちが、扇子の端から二人を覗き、熱いため息を漏らした

茶褐色の髪の男が、気にした様子もなく、古めかしい本を机上に置き、その表紙を眺める。

影を背負った金の竜の装飾が飾る表紙には、騎士の心得と書かれている。

「くだらない…」

シノァは憎らしげに呟くと、席を立つ。

フワリと靡く金色の髪が、美しい容姿をさらに際立たせた

No.4 16/05/07 15:49
シノァ ( ♀ INTknb )

ウォーゼンは苦笑いをして、グラスを傾けた。

眼鏡の奥で、紅い光を放っていた瞳の色が、ゆっくりと髪と同じ茶褐色に変わる。

「今夜は長い、シノァも飲むといい」

差し出したグラスを冷ややかに見つめると、シノァは女性たちに微笑む。

「お前は、ドブネズミの血でも啜るがいい」

継ぎのある古いマントを翻し、人々の並に消えていく様子を、ウォーゼンはため息交じりに見送る。


「新鮮な鶏の血液なんだけどなぁ」

彼を責められる立場ではない。

そんな思いから、なにもできないでいる自分を悔しく思う。

グラスの紅を全て飲み干すと、ウォーゼンは本を開く。

開かれた羊皮紙の上には、所々穴のある家系図が残されていた。

彼は、その中の1人の名前を優しく指でなぞる。

「教えてください。オーギュスト公、私に何ができる。」

No.5 16/05/07 16:32
シノァ ( ♀ INTknb )

冷たい夜風が、彼の背中をかすめる。

答えは見つからない。

「いつか、きっと」

窓の外を眺めていた男の姿は、まるでそこにはもとから何もなかったかのようにフワリと消え、
先程の風だけが微かな香りを残した。

シノァは、町外れをぽてぽて歩いていた。

月は満月に近く灯りが辺りを照らす為、シノァにはうっとおしくて仕方がなかった。

暗闇でも目が効くのに

叶わずてに入れてしまったその力を、彼は煩わしく思う。

見つけたくないものばかり見えて、肝心なものは何もみつからない

今もほら、くだらない生き物を見つけてしまった

先程から、後をつけられていることは知っている

それが何者であるかも

No.6 16/05/08 07:29
シノァ ( ♀ INTknb )

「あまり、後をつけられるのは、好きじゃない」

シノァは瞬時に少年の後ろに現れ、鼻先を合わせる。

音を立てずに移動することも、自然と身についた

紅い瞳に悲しげな色が混ざる

それを察したのか定かではないが、少年はにこりと微笑む

「僕はあなたのこと、知ってルヨ」

独特の発音の残る声は、彼の出生の後を残す

「お前の種族に、いい思い出はない」

「僕もだ!あっ、今の内緒!」

くちもとに当てた手が幼く見えて、シノァは少年から少し距離を置く。

No.7 16/05/08 07:30
シノァ ( ♀ INTknb )

「僕、リックスって言うんダ。
お察しの通り、純血の狼男
希少でショ。
わけあって、帰る家がナイんだ
ねぇ
僕をひろってよ。
お城にすむ、お金持ちのバンパィアさん」

「金持ちは俺ではない。
茶髪の方さ。
こっちは、仮住まいだ。」

他に帰る場所がある。と言わんばかりに、シノァは口を尖らせた。

No.8 16/05/09 07:18
シノァ ( ♀ INTknb )

「そっかぁ」
リックスはくるりんとうねる緑の細い髪を指先で巻き上げると、
暫く空を見つめていたが、
急に何かを思いついたように
パチンと指をならした。

「狼男の血液は、バンパィアにとって、その身を蘇らせるほどの
効果がある…みたいダヨ。」


「くだらない、俺は、この生に飽き飽きしているのに」

苦々しく吐き捨て、立ち去ろうとするシノァの後ろで、和やかな声がした

「いやぁ、狼男なんてめずらしいなぁ」

「でしょ でしょ」

振り返ると、ウォーゼンとリックスが和やかに会話を交わす

「わぁ、貴方が茶髪さんだネ
僕、リックスっていいマス
おうちをなくして困ってマス
お願いです
お城の隅っこにおいてくだサイ。」

「そうかぁ、それはお困りでしょう。うちは広いから構いませんよ。なぁシノァ。」


呼びかけに答えず、シノァはフワリと空を舞う。

「どこに行くんだ。あんまり遠くに行くなよ〜」

声は虚しく空を響き、彼の姿はもう見えない

はぁ

ウォーゼンは軽くため息をつくと、彼が心配でね。とポツリと呟いた

「じゃあ、僕が彼の近くにいる。
それじゃ、ダメ?」

上目遣いに顔をのぞく、小さな姿に、ウォーゼンの表情が和らぐ

「いいとも、少年よ。
我が城へようこそ」

冗談目かして、深々と礼をし、ウィンクをすると、リックスは嬉しそうに笑った

「私が城に住んでいるのを知っていた、ということは、私たちのことをよく知っていたのだろう。
シノァを頼むよ」

緑色の瞳が暗くなるのを察して、ウォーゼンはぐしゃりとリックスの頭を撫でる。

頭を上げられず、リックスは小さくこくりと頷いた。

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