注目の話題
付き合い始めると余裕がなくなる。
評価してください こんな僕は人生負け組でしょうか?
インターネットがない昭和時代の会社員はどう働いたの?

花火16話

レス0 HIT数 935 あ+ あ-

作家
16/03/25 23:26(更新日時)

俺たちが、所属することになった事務所には、俺たちの他に、事務所一の稼ぎ頭の
ホライズンという四人組のバンドと、もう一人、ソロシンガーの人がいる。

ホライゾンは、もう、今年でデビュー15年というベテランで、ヒット曲を連発している。ファン層も男女問わずに幅広い人気がある。

俺も、ホライズンのシングルもアルバムも、ファンの一人として買って聴いている
姉の柚子は、邦楽はあまり聴かない。洋楽を好んで聴いていた。オリオンズという四人組だった。

俺たちは、社長に、同じ事務所のホライズンを紹介して頂いた。

3人で、ホライゾンに紹介された後に、俺だけが引き止められた。
その時の、柳之助の顔といったらなかった。もう、顔全体に"なんで!お前だけ?"と書いてあった。そんな、超不機嫌な柳之助をひたすらになだめて、部屋の外へと裕太が連れ出して行った。

「ちょっと、屋上へ行かないか?」

という、ホライズンのボーカル、ギターの
柊木健太さんに誘われて、俺は、屋上へとついて行った。

「ここ、どうぞ。それと、ここ、喫煙オッケーなんだよ。」

先に、ちょっとだけ錆びたベンチに座り、健太は、タバコに火を着けた。

俺も、真似をして、ベンチに座ってタバコに火を着けた。

「飲む?先輩からの歓迎のコーヒーだけど!良かったら。俺ね。このコーヒーのコマーシャルに流れている曲、作ったの。
ちょっと、宣伝と自慢してみたりしてね。」

健太は、ちょっと、間をおいて隣に座った圭介を見た。

「コーヒーは好きですので、遠慮なく頂きます。俺たちも、いつの日か、俺たちの音楽が日常的に流れるようになればいいなと思っています。」

「そうか。俺は、マンディロンのデビュー曲を聴かせてもらったけど、普通に良い曲だと思うしマンディロンらしいって感じた。」

「そうですか。ありがとうございます。俺、ホライズンは、ずっと聴いていて、
柊木健太さんを、リスペクトしています。」

「そうか。それは、ありがたいし、嬉しいかな。そうだ。マンディロンって、君が作詞作曲するんだ?」

「そうですね。でも、まだまだ、日が浅いので、模索中です。俺は、デビューがゴールではないと思っています。今後、イバラの道のりだと思うので、まだまだ、気が抜けないですし。」

俺が、そういうと、健太さんは、細い目をさらに細めて言った。

「そうか。俺は、流れる水のごとくが座右の銘だけどなぁ。なるようにしかならない。なんとかなるときは、なんとかなる。
模索中も結構。評価も自信も後から付いてくる。」

俺が、うなずくと、健太は、ニッコリ笑うと立ち上がった。

俺は、健太さんに感謝した。そして、自分の音楽をいろんな人に聴かせていきたいという想いを、強くした。

「圭介くん。酒を呑む?」

「はい。好きです」

「そうか。それじゃ、連絡先の交換しよう。」

俺は、健太さんと連絡先を交換した。

ちょっとだけ、柳之助の顔が脳裏によぎった。
あとで、ホライズンのサインでも、もらおう。



No.2316011 16/03/25 23:26(スレ作成日時)

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
付箋
該当のレスが一つもありません。
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧