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花火14話

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作家
16/03/12 01:43(更新日時)

「もしもし、裕太?」

「・・・・。圭介か?どうした?何年ぶりだろう。」

「裕太・・・・。俺たち、3人いて・・・・。はじめて、マンディロンだったのに・・・・。
柳之助と、志は・・・・。一緒だったはずなのに・・・・・・。」

俺は、いつものように、宿直の当番のために、深夜の大学病院にいた。
宿直室内で、つかの間の仮眠をとろうと横になろうとしていた時、圭介から電話がかかってきた。

しかし、どうも、様子がおかしかった。
圭介は、酒好きで強い。呑んでも、そんなに乱れることはなかったのに。

「どうした?圭介、柳之助と何かあったのか?今は、柳之助の友人の所にいるのか?」

「うん。俺と柳之助と、志は一緒なのに、
音楽性の・・・・違いで、何もかも・・・・最近、どうでも良くなってきた」

「おい、おい。酔っているのか?上京して、3ヶ月、もう、夢が現実に成る、一歩手前かと思っていたけれどなぁ」

「・・・・・・・・#%。」

俺の何気なく言った言葉が、どうやら、
圭介にとっては、グーの音も出ないほどの
衝撃だったみたいだ。

「裕太・・・・。俺、俺、しつこいけど。
むちゃくちゃなことを、言って・・・・いるかもしれないけど、俺たち二人とマンディロンを、やって欲しいんだ。もう少しで、夢が現実に成るかもしれないんだ。その時に。裕太がいて・・・・・・くれないと困る。」

ほとんど、泣き言に近いようなことを言ってくる圭介に俺は、以前から決めていたことを言った。

「実は、柳之助からも二,、三日前に電話がかかってきた。圭介の作った詞も曲も良くて、どうやら、ここにきてお前が必要になってきたって。それで、俺、医者になるの辞めるわ。例え、勘当されてもな」

「えっ・・・・・・・%#?」

「マンディロンに、入れてもらってもいいかな?もともと、スリーピースで始めたんだからな。そしたら、今の俺のアパートで3人で暮らさないか?」

「本当か?本当にいいのか?」

「あぁ。本当に良いよ。決断が遅くなってすまない。落ち着いて、全てがきちんと片付いたら、その時は連絡するから。待っていてくれないか?」

「分かった。」

「それと、柳之助が言っていた、圭介の作
った曲。デビュー曲にする予定の"未来への扉"を聴かせてくれよ!」

「それは、もちろん。」

「俺、今日は宿直だから、仮眠をとるから。」

俺は、しばらく、興奮していた。

長い長いトンネルを抜けたら、そこには、青い空と、青い海が目の前に広がっているような、そんな感じがした。

爽快感というのか、解放感というのか。

とりあえず、俺は、その後、直ぐにドクターコールで現実に引き戻された。

No.2311298 16/03/12 01:43(スレ作成日時)

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