注目の話題
「夫が家事を手伝うのは当たり前」
おばさんイジリされる職場
誰からも愛されない

花火8

レス0 HIT数 959 あ+ あ-

小説家
16/02/05 00:08(更新日時)

俺には、一緒に音楽を愛し、2月音楽を作っていってくれる、そんな大事なパートナーの他に、もう一人、大事な人がいる。

1つ歳上の交際中の女性だ。

彼女とは、たまたま入院中の病院で知り合って、たまたま、その流れで付き合うことになった。俺の片想いということかもしれない。

彼女には、もしかしたら、幻で終わってしまうかもしれない夢を、俺が今でも追い続けていることは話しをした。
それを、諦めたら、今後の人生は生きながら死んでいるようだって。

彼女とは、近くにいるのに遠距離恋愛のように、遠く離れた恋人同士の付き合いしかできないけれど、それを承知で付き合ってもらって頂いている。

勝手な男と言われようが、それはそうと仕方がない。全てにおいて、今は音楽が優先されるからだ。

俺は、以前、送ったデモテープが納得がいかないモノなのに、先方から一度、自分達の音楽を実際に聴いてみたいと言って貰えて、複雑な心境でいる。

だから、俺は、自分達の音楽として、大学の頃に、九美と花火大会に行ったときに作った歌詞に曲をつけて見ようと思っていた。

花火

星空の下 月と同化した花火を見上げ
君は浮かない顔をする
ねぇ、これは現実の世界よね?
一瞬だけで終わらないのよね?
僕の答えが花火の音に打ち消される
天の川を隔てて、離れ離れになった二人が
僕たちの方を見下ろしている
今日だけは、僕の全てを信じてほしい
目の前の君だけを愛しているから

「圭介。俺さ。製薬会社を辞めてきたから。それでもって、俺達、一緒に暮らして、音楽だけに専念していかないか?」

柳之助は、俺が柳之助のアパートの部屋に入って、早々にこう、話しを切り出した。

「待て。俺は、今のように、一緒に音楽を作っていって、生活のベースは別々でいいよ。それに、まだ、どうなるかも分からないのに、なにも製薬会社を辞めることないんじゃないかな。」

「バカ野郎。この大バカ野郎。長谷川圭介。
お前は、退路を絶つという言葉を知らないのか?もう、先方は、俺達の音楽に関心をもって下さっている。だとすれば、あとは何が必要だ。俺達の覚悟だよなぁ。」

なぁって言われても。
俺は、返答が出来なかった。

その代わり、柳之助に新たな曲の歌詞を見せた。

「圭介。これは良いよ。ミディアムバラードでいくのか?曲、つけて出来たら俺に聴かせてくれ。それから、今後は、二人で納得した音楽と方向性でいこう。」

「分かった。」

柳之助は、今夜は、いやに上機嫌だった。
外に呑みに行こなんて、ひさしぶりに言い出したりして。

俺は、立ち上がり、窓辺に立って、今夜もオレンジ色の月を見上げていた。

裕太、お前は、退路を絶つという柳之助をどう思うんだろう。
俺は、今は、正直、こわい。

追いかけてる

No.2299431 16/02/05 00:08(スレ作成日時)

投稿制限
スレ作成ユーザーのみ投稿可
投稿順
新着順
付箋
該当のレスが一つもありません。
このスレに返信する

小説・エッセイ掲示板のスレ一覧

ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。

  • レス新
  • 人気
  • スレ新
  • レス少
新しくスレを作成する

サブ掲示板

注目の話題

カテゴリ一覧