夫が死ぬまで…
夫を愛していた
世界で一番愛しい人だった
今ではそんな夫を殺したくてたまらない
どうすれば夫を殺せるのか…
16/01/27 03:11 追記
こちらは一応小説になります。
文才はありませんが、実話ではないので誤解をしないようにしてください。
なお、不愉快な方はレスいりません。
スルーでお願いいたします。
「あなたー、そろそろ出掛けないと、起きてくださいね」
「あー、うるせーなーわかってるよ!」
「寒いので暖かい珈琲淹れて待ってますね」
しばらくして主人がのそのそと起きて無言で珈琲に口をつけた
その間にやるべきことがある。
携帯電話を出して
あえて主人の前で電話をした
「もしもし、仮名さん?おはようございます。もう少ししたら主人と待ち合わせ場所へ向かいますね~。はい、わかりました、ではまたあとで…」
主人「どこで待ち合わせてるんだ?」
私「丸々山の近くよ」
主人「そ。」
私「楽しみだわ~✨あなたとお出かけするのは本当に嬉しくて…。じゃあ私は出掛ける用意してきますね」
主人「…」
そして主人と準備を済ませ出発した。
車で1時間ほどの山。
近くの待ち合わせ場所へ車を止めて待っていた。
しかし、仮名さんが来ない。
だんだん主人がイライラし始めた。
「おい、あっちから誘っておいて何分待たせるんだ?」
「すみません、本当にどうしたんでしょう」
「お前の知り合いはろくな人間いねーな!」
「すみません…今電話してみますね」
もしもし、仮名さん?わたしたちもう着いているんだけど、仮名さんはどのあたりですか?
え?事故?大丈夫なの?
ええ、もちろんよこちらは構わないわ。主人と二人でも大丈夫だから、また帰ったら連絡しますね
主人「事故?どういうこと?」
私「こちらに来るときに事故したらしくて…せっかくだから二人で楽しんできてって…」
主人「いやいや、楽しめるわけないだろ?すぐに行ってやったほうがいいんじゃねーの?」
私「私もそう思ったんですが、すでにこの山の所有者の方に頼んでくれているみたいだから、キャンセルはしないでほしいって…」
そうして二人は山へ入っていった
夫「おい!いつまで歩かせる気だよ!どこにキノコなんかあるんだ?!」
「あなたもうすぐよ!その奥にいろんなキノコが生えているはずよ」
かれこれ1時間は登っただろうか
確かにこのあたり
赤いキノコだと言っていた
夫「お!おい!これは?」
夫が指差したキノコはただのありきたりなキノコだった
「あなたすごいじゃない!これなら食べられるわよ」
そう本を見せながら夫を喜ばせた
夫はこういう所が単純だからこちらもやりやすい
「さあ、あなた!次も探してね」
「おー!沢山見つけてキノコ鍋だ‼」
うふふ。その調子、その調子。
どんどん見つけてちょうだい。
そしてあなたは今日ここで死ぬの。
キノコに殺されてね。
そして私は辛く悲しい未亡人を演じるの。
楽しみだわ。早くあなたの死に顔が見たい…
「あら、あなた生がお嫌いでした?なら香りだけでも…」
そう言って勿論軍手のままキノコを旦那に差し出した
なんの疑いもなく旦那はキノコを手に取り、鼻に近づけた
「別に松茸ほど特別な匂いはしないぞ?本当に奇跡のキノコなのか?」
「当たり前じゃない!これを見つけるために私たち来たのよ!あなたにも食べてもらいたかったから…」
「ふーん、まぁとりあえずロッジに戻って酒のツマミにでもするか」
「そうですね、じゃあおりましょうか(^_^)」
私たちは山から下りたあと、ロッジを借りていたのでしばらくそこで休憩を入れた
もうすぐ下準備に取りかかろう…
すると物凄く胸がはち切れそうなほど緊張感と興奮が頭の中で爆発したようなワクワクした気持ちがいりまじって、手がガタガタと震えていた
あと10分、あと10分…
もうすぐロッジに戻らなければ…
その時
ピーポーピーポー
救急車のサイレンが近づいてきた
ん?まさかこっちに来るわけではないよね…
慌ててロッジに向かった
ガチャ
ドアを開けると老人が夫の側にいた
「あの…どちら様ですか?」
「…」
「あの…?」
「今救急車の手配は済みました。もうすぐこちらに到着するでしょう。あなたは奥さまかい?」
「はい、今助けを求めに外に出ていて…怖くてどうしたら良いのか…うぅ涙」
「大丈夫。ワシは以前医者をしておりましてね。この近くに暮らしておりましたが、まぁたまたま山に来てたわけだ。」
「どうして夫が倒れていたことをご存知なのですか?こんなにグッタリしているのに自分で助けなんか…」
「おや?助けを呼ばれてはいけない理由でもおありだったのかね?」
「いえ、そういうわけでは…」
「そろそろ救急車が来る。その前にワシにできる処置はしておいたからもうあとは医者に任して置けば大丈夫だ。」
「ありがとうございます…助かりました…」
「ではワシはこれで…」
老人が帰って行くと同時に救急車も到着した
そして病院で処置を行い、念のためその日は入院となった
あの老人…
いったい何者だ…
とにかくこの方法はもう使えない
だが、それよりもあの老人が引っ掛かっていた
そんな毎日を過ごしてから1ヶ月経とうとしていた
そろそろ…
「貴方?貴方独身の時に趣味がおありでしたよね?確か…海釣りでしたっけ?」
「あー、あれはいつからか、親父が良く海釣りに連れていってもらったのがきっかけだったかな」
「私と結婚してからはあまりやらなくなったのはなぜ?」
「まぁ結婚してからこの家も買ったしな、ローンもまだまだあるしな、海釣りはかねがかかるんだよ」
「まぁ、貴方本当にお優しい方だわ。でもたまには海釣りもいきたいでしょう?今度の休みに一緒にいかがですか?」
「お前が海釣り?できるわけねーだろ、ただでさえ不器用な奴が」
「そう言わず一度経験してみたいの、お願いします」
「わかった、その代わり夜中に出発しなくてはいけないし、海釣りは忍耐力がいるぞ」
「貴方とならそれも楽しいわ」
「じゃあ海釣りする準備はしておくよ」
「ありがとうございます」
山の次は海。
海と決まればあとはどうやって海で殺すかだ
またこのワクワクしたなんとも言えない気持ちが込み上げてきた
「あなた?海釣りは今月末の土曜日でよろしいかしら?」
「あー、土曜日だ。もう準備はできてある」
「そう、ありがとうございます」
「あ、そうだ、うちの部下の匿名さんいるだろ?」
「はい」
「あいつも釣りが趣味でな。誘ってやるか?」
「あなた!な、なにを仰ってるの?匿名さんはこの間お子様が生まれたばかりじゃありませんか。そんな時に釣りだなんて奥さんに叱られちゃいますよ」
「なに言ってんだよ、まだ生まれたガキなんか父親がいなくたって何とも思わねーよ」
「そんな…悪いわよ」
「悪いかどうかなんて誘ってみねーとわからねーよ」
「…」
「なんだよ?」
「いえ…出来たら私は貴方とゆっくり二人で行きたかったなと…」
「お前と二人だと釣りが自由にできないだろう、お前やったことねーんだから。お前に教えてるうちに終わっちまうよ」
「…」
「ま、1回誘ってみるわ」
心の声(余計な事すんじゃねーよ!クズ!)
土曜日まであと1週間…
匿名さんにはもう誘ったのか…
そろそろ聞いておかないと…
その夜
「あなた?そういえば匿名さんにはお誘いしたんですか?」
「あー、したよ」
「どうされるのですか?」
「行きたいとは言ってたな」
心の声(ちっ!気持ちなんてどーでもいいんだよ!行くのか行かないのかはっきりしろよ!)
「あら、そうなんですね、なら参加するおつもりでしょうか?」
「明日辺りまた聞いてみるわ。つーか早く飯作れよ」
「あら、ごめんなさい。すぐに作るから待ってて下さいね」
明日か…
もし参加する事になっても、殺す方法はあるかもしれない
例えば…
匿名さんには悪いけど、匿名さんが殺したことにするか…もしくは…匿名さんも死んでもらうか…
いや、それでは私の目的とは外れてしまう
夫を殺すことが私の目的。
他人は巻き沿いにはできない。
ならどうやって…
何か良い方法はないだろうか
そんなことを考えながら、塩分たっぷりの食事を作っていた
夫が会社にいったあと
私が向かったのは
土曜日に行く予定の
海釣りの場所
そう、現場を確認しにきたのだ
海の深さ
もしも突き落としても這い上がってこられては困る
近くに助けられる浮き輪や道具がないか
回りを見ながらゆっくりゆっくり頭の中でもはシミュレーションしていく
次こそ確実に…
海の近くに小さな小屋らしきものもあった
中を覗くと、古びた網やバケツ、海釣りに必要らしき道具が錆びて置いてある
ここに来る海釣り客が置いてあるのか
だとすれば恐らくこんな小屋があるくらいだから
海釣り客の人数ももしかしたら週末だから多いのかもしれない
だったら下手に殺害はできないと言うこと…
やっぱり無理なのか…
「あなた?私の隣から離れないでくださいね、初めてだから…怖いの」
「とりあえず餌をつけたら海にはなせ。あのルアーをよく見ろよ」
「わかったわ」
「久しぶりだから俺もあんまり覚えてねーな」
「うふふ、でも楽しいわよ」
釣れるまでの間もお酒を飲ませていた
早くこい
私の竿に引っ掛かれ魚!
その時
ルアーが微妙に動いた
もしかしたら、、、
きた!
このまま、
このまま、
巻いて巻いて
釣り上げるときが勝負よ‼
旦那はすぐ隣にいる
明らかに深い海
よし!いまだ!
「あなた!きたわよ!連れそうよ‼あなた手伝って‼」
「おっ!はえーな!よし!」
夫が私の竿に手をかけたその時
「きゃー!怖い!」
そう言って逃げる素振りをして夫を突き飛ばした
「あ!うわ!」
バッシャーン
冷たい海に夫は落ちていく
「きゃー!あなた!大変!あなた!」
海の中でもがきながら暴れている夫に
もちろん私は助けない
「あなた!だれか…だれか助けて…」
となるべく小さな声でうずくまりながら…
心の声(はーやく死ね、はーやく死ね)
気がついたら消防隊や救急車が集まっていて
気がついたら大騒ぎになっていて
私はその光景をただただぼーっと見ていた
「すみません、丸々署の者ですが奧さまで?」
「は、い。妻です」
「現在旦那さん病院に行ってますが、少しお時間よろしいですか?」
「はい…」
そうしてパトカーに乗せられた
「あの、おまわりさん?夫は…」
「まだわかりません。それよりお酒はいつから?」
「ここへ来るときに助手席で…」
「それは良くないね」
「夫が好きなお酒が手にはいったので…つい」
「それで釣りの時にも?」
「はい、釣りの合間に…」
「いつ海に落ちたの?」
「あれは…あれは…あれは事故なんです…うぅ涙」
「事故?」
「私が初めての釣りで…餌をつけてからわりと早くに魚がかかって…それを手伝ってってお願いしたんです…でもものすごく竿が重たくて…怖くなって夫に寄りかかって逃げてしまい…その時の衝撃で夫が…うぅ涙」
「その時の衝撃で…なるほど。奥さんが突き飛ばしたのではないと?」
「そんなことするはずがありません!!夫とは長年仲良く暮らしてきたんです!そんな…突き飛ばしたなんて…ありえるはずがありません!」
「そう。とりあえず奥さん、寒いから署で詳しく聞かせてください。」
「わかりました…」
「さぁこちらへどうぞ」
そこはテレビで見るような取調室。
ではなく、それを真似たような机に椅子
そこに座らされた
「今ね、病院から連絡ありましたよ」
「夫は‼夫は生きてるんでしょうか!」
「どっちなら嬉しい?」
「な、なんてことを!生きていたらいいに決まってるじゃないですか!」
「こりゃ失礼。奥さんの願いは叶いましたよ。旦那さん、助かりました」
「うわ~あー涙」号泣
「良かったですね」
心の声(よくねーよ!この涙は悔し泣きだ!失敗したことの悔し泣きだ!)
「ありがとうございます…」
「所で奥さん…旦那さん助けた男性いましたよね?」
「たしか、二人いたような…」
「そう、二人」
「夫を助けて頂いて感謝しています」
「うん、まぁそうだね。あの二人ね、あなた方二人が到着する前から夜釣りをしていたらしくてね」
「なにがおっしゃりたいの?」
「いやね、あの二人があなた方の事を遠くから見ていたらしくて」
「どうして?」
「あなた方二人からはこの男性二人は見えないんですがね、ちょうど岩が死角になりましてね。でも男性からはあなた方が見れるわけなんですよ、すこーしばかりね」
「だから?なんですか?」
「男性二人が言うには、あなたが旦那さんを突き飛ばしたように見えたと…だからすぐに駆けつけたと」
「だから、それは…私は突き飛ばしたわけではありません、何度言えばわかって頂けるのかしら?」
病院についた
受付の事務の女性に
夫の部屋番号を聞いた
2度ノックをしたあと部屋に入る
「あなた!」
呼び声と共に夫のベットにかけつけた
すると夫は私の顔をゆっくり見つめながら
「お前…」
「あ、あなた?あの、大丈夫ですか?」
「あー、まだ少し頭が痛いが…なんとか命には別状ないから安心しろ」
「良かった‼あなた…ごめんなさい…うぅ涙」
「お前は釣りが向いてねーな」
「はい、もう釣りは辞めておきます…うぅ涙」
「なぁ、助けてくれた方は?」
「いえ、あのあと丸々署に行ったのでお会いできなかったの」
「そうか…」
そうしてまた失敗した私は
次なる作戦を考えないといけない、頭の中がそればかりだった
「あなた?ばつばつ海の近くにある大きな崖の上から眺める景色が絶景だってテレビでやっていたの」
「…」
「あなた?」
「…あのさ」
「はい」
「なんだか最近俺を良く連れ出そうとするけど何なんだ?」
「え?」
「それに、行く度に俺は何か事故に巻き込まれてるだろ?今回も崖の上って…」
「やだわ、あなた、たまたまじゃあありませんか、今回の崖の上には素晴らしい景色が待ってるのよ、あなたの癒しになればと思っていただけよ。嫌ならやめておきましょう」
「嫌なわけではないんだが…ただ、今回は遠慮しておくよ」
「そう、わかりました」
心の声(こいつ、そろそろ怪しんできてるのか)
「あー、そうだ、お前明日は家にいるのか?」
「えー、まぁ特に予定はありませんけど」
「そうか」
「なんですか?」
「いや、俺は明日少し遅くなる」
「そうなんですか、わかりました。夕飯は?」
「いらない」
「そぅ」
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