注目の話題: 彼氏と分かり合えない。納得できない; がんばっても何も言ってもらえない会社; 高熱だと知り長時間放置

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仙人掌（ ♂ F5rVnb ）
14/12/23 02:27(更新日時)

芦原郁郎(あしはらいくお)35歳。独身彼女なし。
っていうか彼女なんていた事ないし。
よく言う自然な流れってやつで、いずれは俺にも彼女が出来て、結婚も出来るもんだと思っていた。
自然な流れ？あれは嘘だ。不自然で無理なことをしなければ彼女なんて出来っこない。
それは学界の発表を待たずして、俺の人生が証明している。
そんな俺がまた懲りずに恋をした。相手は推定24歳色白茶髪のメガネっ娘だ。彼女の笑顔にやられた。
アドレスを書いたメモをポケットに忍ばせ、渡すタイミングを計るが、なかなか二人きりになれるチャンスが無い。
やっとチャンス到来！でもやっぱり勇気が足りない。
俺の人生なんてこんなもんだ。そんな事だから今の俺がある。
分かっちゃいるけど変えられない。このまま独り死を待つだけの人生か。
また、こうやって不幸でダメな自分に酔う。
他人に指摘されると腹が立つのに、自分で言うと心地よいのは何故なんだろう？などと、どうでもいいような事をふと考えてみたりする。

こんな俺でもこれまで幾つかのチャンスはあった。それこそアドレスを書いたメモを貰ったり、食事や飲みに誘われたり。
でもそれらのチャンスも自ら不意にしてしまった。有体に言うとタイプじゃなかったからだ。
今では後悔している。たとえタイプじゃなかったとしても付き合ってみるべきだったんじゃないかと。
それも今となっては後の祭り。俺も着実におっさんとなり、そんなチャンスももう訪れる事はない。
あとはダメ元でなりふり構わず、女の子の尻を追いかけるしかないのだが、どうにも吹っ切れないでいる。

もう少しでXmas。今年も仕事をして終わるだけのlonelyXmasだ。
Xmasの想い出なんて何も無い。子供の頃に親から貰ったプレゼントももう憶えてないし、ケーキ食べたんだろうなくらいのことでしかない。
街中でカップルを見かけると、意識的に目を逸らす。
独り身の切なさと、惨めさに耐えられなくなりそうだからだ。
行き交う人々のと繋がれた手が眩しく、自分の空っぽの掌が余計に寒く感じた。
もう生きてるのしんどいなぁ。別に死ぬ気もないくせにそんな言葉を吐いてしまう。
何かいい事ないかな。ため息とともに吐き出した言葉は、白い息となって消えた。

時を巻き戻せたら、あの時に戻れたら。無意味な妄想を繰り返す。
例え戻れたとしても、何も知らない俺はまた同じ過ちを繰り返すのだろうけど。
ほんのすこしで良い。今の自分を変えたい。今が過去になった時、後悔しない未来を迎えたい。
そう思った。明日こそこのメモを渡そう。そう決意する。