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がんばっても何も言ってもらえない会社
親が会社に挨拶、、
高熱だと知り長時間放置

Jeta’imea’IafoIie

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ナルシスト( 84wJh )
15/04/01 23:51(更新日時)

知っているわ、でも私達の運命は赤い糸で結ばれてるのょ。

…★感想はナリシルト部屋★…

お待ちしております。(^ー^)

14/12/28 19:31 追記
テーマ「皮肉」です。
完結まで宜しくお願い致します。



……★ナルシスト★……

No.2163022 14/11/30 09:22(スレ作成日時)

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No.1 14/11/30 09:36
ナルシスト ( 84wJh )

第一章**

真鈴は両親との関係はとても良い。

特に母親に何事も相談出来る相手。

勤務先が遠い為、1人暮らしを始めてる。

身長163センチ。体重は内緒。

仲良しの母親にも沢山の仲良しにも言えない2人の関係。

隼人と出逢ったのも、人が呼吸する位の出逢い方。

途中から知ったのょ、

でも赤い糸で結ばれてるんだから。

私達は……

No.2 14/11/30 10:21
ナルシスト ( 84wJh )

真鈴は総合病院でも比較的小さな地元密着型に勤務している。

初心者の対応、カルテを探す、先生の診断書、他病院からの紹介状を持って来る人もいる。

午前中は年配者で混み合う、真鈴の病院。

入院は年配者が多く、50床くらい病室がある比較的個人まりしている病院。

近くのワンLDKに住んでいる。

台所には、家財道具にこだわり真鈴のお気に入りのイタリア製の真っ黒い、円いダイニングテーブルがある。

彼を愛し過ぎて誰にも言えない思い。

2人だけの秘密を真鈴の部屋で過ごす。

今日も来てくれるかしら?

彼と初めて会った季節は、紫陽花の花が綺麗な季節だった。

色とりどりを癒やしてくれる紫陽花。

大好きょ。

紫陽花の花は。

私達は。

出逢った事が悲しい運命だったの。

知らなかったゎ。

知りたくもなかったの。

でも知ってしまったから、仕方ないよね。

知らない顔をしてるゎ。

彼にも、私にも…

彼が来たゎ。

真鈴の大好きな彼が…

No.3 14/11/30 14:42
ナルシスト ( 84wJh )

合い鍵で部屋に入って来た隼人。

必ず背後からぎゅーっと私を抱きしめてくれる。

耳元で必ず囁く言葉

「愛してる」

お気に入りの円いテーブルに背中をそり、私達はお互いの愛を確かめる様に、熱い口づけを交わす。

ほとんどお互いにディープキス(^.^)

隼人の手は私の胸へと移動した。

洋服の中に手を入れて、隼人は興奮Macsなの?

荒い息づかいになり、あのテーブルに私を乗せた。

「隼人、」

「真鈴?」

「あいしてるょ」

その愛してるょ、それが、さよなら、より辛くなるなんて思いもよらなかった。

隼人の愛してるょ。

その時は素直に受け止めていたのよ、わたしは。

No.4 14/11/30 15:12
ナルシスト ( 84wJh )

隼人はネクタイを緩めスーツのジャケットを脱ぎ、私の腰を両手で持ち、おでことおでこをひっつけて。

「昼間の真鈴の可愛いぃが、2人の時の真鈴はもっと可愛いぃ」

「うん」

あまり見られると恥ずかしいょ。

そんなに見ないでょ。

私のピンクのブラウスのボタンを1個、1個、外す隼人。

みるみるうちにブラにされちゃったゎ!

隼人のズボンはモッコリテント張ってる。

お互いの呼吸が合うのかなぁ?

隼人はツインのベットに誘導する。

社交ダンスを踊るかのように。

隼人の好きにして良いのょ♪♪

隼人の事死ぬ程好きなんだもん♬

2人は永遠なんだもん。

身体が熱くなってきた、隼人は焦り過ぎ!

夜はまだまだ私達の時間を作ってくれるわょ。

可愛いぃ、隼人。


熱くなり、我慢出来ない、私の声が…

「あぁ、隼人、ダメ、」

「真鈴、愛してるょ、真鈴、…」

ツインベットがギシギシ音をたてていた。

2人はその音に興奮しゃうの。

2人だけの秘密の部屋と時間。

今は結婚は考えていない、でも隼人なら、とは思っている。

私の身体はベットで上下しだした。

少し可笑しい、仕事の時の隼人とは、別人なんだょ。

私の上で必死に動かしている隼人の顔は。

汗流しながら…

喘ぎ声で必死に探す、クーラーのリモコン。

テーブルに落ちちゃった。

隼人、お願い、リモコン、取らせて、

「あぁ、隼人、熱く、なぃ?」

隼人は必死に私の中に入ってる。

隼人の汗が私の身体と顔に直撃 (^^)

嫌ではなぃけど、蒸し暑いのが嫌。

「真鈴、イッチやうぞ!」

「イツテいぃょ!」

ツインベットの横で

「はぁ、気持ちよかった~」

天井見て気持ち良さそうな隼人。

「可愛いぃ、隼人。」

No.5 14/11/30 15:39
ナルシスト ( 84wJh )

「隼人、食事どうする?」

「夕食は? 食事は? 真鈴をもう一回食べるか!」

こちょこちょしてくる隼人。

「やだやだ、マジで、お腹空かなぃ?」

「ピザ、取る?」

「うーん、ピザとラザニア、これ、どう?」

「ピザ、ラザニア、と真鈴、これ、どう?」

キャミの肩ひもが落ちてる私。

「またぁー、疲れたょ、真鈴は、」

「ラザニア、止め、ピザも、止め、」

ベランダの窓を開けてスネる隼人。

「この紫陽花、綺麗だね、色んな色あるんだ、紫陽花って」

「でしょう、紫陽花の花は素敵よ」

「真鈴、スキ、あり、」

そのままベランダの窓を空けたまま隼人は私に襲いかかった。

「スキ、ありの真鈴が可愛いぃ、愛してるょ、」

2人はまた重なりあった、ただ窓が開いているから、微かな風がさっきより、少し快適な気持ちにさせてくれた。

もっと、もっと、

一生知らずに居たかった。

自然にお互いが嫌いになれば良かった…

隼人はどんな気持ちだったの?

隼人は罪な人じゃない…

私達は罪人ではない…

本当にお互い…

知らなかった…

出逢った事が…

悲しい…

運命だなんて…

そして…

恋をすれば…

幸せだと…

思ってた…

こんなに苦しいなんて…

今の私には…

分からなかった…

No.6 14/11/30 18:38
ナルシスト ( 84wJh )

「宅配でも、うめーょな!」

「ラザニア頂き~」

隼人は上を向き大きな口を広げてピザと右手にはラザニアを持っていた。

汗ばむ梅雨に咲く紫陽花の花、大好きなのょ、

色鮮やかな紫陽花は、悲しくも雨に打たれ為に何故咲くのかなぁ?

「隼人、雨きつくなってきたね」

真鈴はドアを閉めに窓に向かった。

可哀想な紫陽花。

「綺麗なのに……」

「真鈴、早く来いよ、ここに座って、ね」

隼人が自分の座っている膝を指差しした。

幸せってこの時はずーっと続くと思ってた。

私と隼人は同じ色を見て、同じ方向向いていると…思ってた。

脱いで散らかったスーツを拾う隼人。

私が良く見る隼人の姿、2人の秘密の時間とのキャップが私の興奮をそそる。

私達の出逢いは隼人からのメモを素早く手にした事からの始まり。

月に何回か私の勤務地に薬品会社勤務の隼人が来る事からの出逢い。

大きな背中は、学生時代のラグビーで鍛えたわたしの大好な背中。

必ず隼人は私を後ろ姿をその広い身体で包んでくれる。

私が離れられない理由かも知れない。

No.7 14/11/30 19:31
ナルシスト ( 84wJh )

知ってるのょ、受け付けの、なっち、よっちゃんも、隼人の事狙ってる事。

今スーツに着替えている隼人は私の彼!

「だめ、だめ、隼人、ネクタイ曲がってるょ」

隼人とはう~ん、と私にネクタイ結び直して~あまえるのょ。

身体はデカいけど、可愛いぃんだよね。

その2人の姿なんて誰も知らないだよね。

会社では、こんにちは、交わす程度。

付き合って一番気持ち盛り上がる期間は1ヵ月位がMacS に幸せの時期。

隼人と付き合ってもうすぐ1ヵ月になる。

なっち、よっちゃん、ごめんね。

皆の隼人私がgetしちゃった!o(^▽^)o

隼人の後ろから抱きしめられ、耳元で私に囁く


「愛してる」

これが私の大好きな隼人の言葉。

愛してる人から愛されている私にはたまらない言葉。

大きな体格に優しいマスクの隼人。

羨ましいはずだし、皆に話したいくらい。


ばらしたいよ。

隼人の彼女なんだから。

大きな身体のスーツは特注かも知れない。

隼人の胸は広く、私なんか小さく見える。

隼人に抱かれるときに掴めないょ。


隼人の両腕が…

1ヵ月前まで憧れで見ていた隼人は今は私の者。

ずーっと付き合う前から思ってた。

隼人は私の者であると…

疑うと言う言葉なんて忘れてた。


「いつもお世話に有ります…」

なっちが聞いた。

「あれ?いつもの宮田さんは?」

見た事のない担当者


「宮田、狙いでしょう! 残念だなぁ! 宮田は既婚者ですょ、残念!」


聞こえない。

宮田隼人は既婚者?

嘘ばっか!

「宮田隼人さんですょ?」

「既婚者ですょ、あっ狙ってた?」


ここから私と隼人は不倫関係に変わった。

No.8 14/11/30 20:26
ナルシスト ( 84wJh )

「宮田さん、結婚、して、何年ですか、」

なっちが横やり入れてきた。

「結婚してる奴は除外!」

「もぅ、う~ん、1年半くらいかなぁ~」

「子供さん、は、?」

「いない、らしいょ、出来ないのかなぁ?」


全く知らなかった隼人が結婚していたなんて。

この1ヵ月は何なの?

あの優しく「愛してる」の言葉。

全ての力が抜けてしまった。

違う担当者が来なければ、騙されていたって事?

あの私達の秘密の時間。

多分隼人は何食わぬ顔で私に会いに来る。

どんな顔して会えばいいの?

もしかしてら、会社であの女いっちゃった、なんて言われて、笑い物なのかなぁ?

だって隼人結婚指輪していないんだもん!

顔に既婚者なんて書いてないもん。

既婚者の匂いも、奥さんの匂いもしないょ。

茫然とした私になっちが。

「手が止まってるよ!どうしたの?」

はっと、我に返った。

「ごめんね」

私は決めたの隼人と出逢える事の時期が選べなかっただけ。

だから別れる時も私は選ばないって。

隼人からの言葉がない限り、私から別れる道は歩かない。

誰にも言えない2人だけの時間。

もしかしたら、隼人の結婚生活も、破綻しているかも知れない。

レスなら子供いなくて、当然だよね?


あんなに激しい濃厚なsexは私だけだょ、ね。

私から別れない。

さようなら言われるまで隼人の嘘に付き合ってあげる。

だって…

だって…

隼人の事狂う程大好きなんだから。

No.9 14/11/30 21:17
ナルシスト ( 84wJh )

第二章。

隼人が病院にやってきた。

「いつもお世話になります」

通り過ぎる時私の顔をみて、にっこり交わした。

複雑な気持ちだった。

素直に笑い返せない、作り笑いして心で泣いてた。

隼人は病院に来ると、必ず合い鍵で開け、私に会いに来る。

今日は怖い。

隼人が開ける合い鍵が。

どんな顔をすればいいの?

素直に泣いていいの?

作り笑いがいいの?

あの知るまでの笑顔は出来ないよ。

だって知ってしまったんだもん。

抱くの? その広い胸で私を抱くの?

気持ちの隅からきえない貴方の現実。

甘い過去の記憶なんか、私は惜しくない。

分かっている、形のある未来なんかに、しがみつきたくないゎ。

でも愛しているから、さようならは言わない。

ごめんね、今日から隼人と愛してる、辛くなって来た。


言わないで、抱きついて、愛してる、なんて言わないで。

「真鈴、お~ぃ、帰ったぞ!」

隼人が合い鍵で入って来た。

隼人は私を背後からギュッと抱きしめた。

「真鈴、愛してるょ、」

真鈴の髪の毛に軽くキスをする隼人。

「隼人、おかえりー」

両手を隼人の首に回す真鈴。

「お前の手は、温かいょ」

そのまま真鈴を抱きしめベットに倒す隼人。

「今日は、カレー作ったの、食べようょ」

「本当に! さぁ食うぞ!」

ラグビーで鍛えた身体の隼人のたべっぷりを、頬つえ付き眺める真鈴。

辛くてしかなぃ、隼人は何故、真鈴に嘘をつくの?

愛情なの?

ただの浮気心?

「真鈴、食べないの?」

その普通に不思議そうな顔が出来る隼人が羨ましい。

No.10 14/11/30 21:40
ナルシスト ( 84wJh )

「腹もパンパン、さて、と、真鈴を頂きますか!」

「蒸し暑いの、窓開けてくれるかなぁ」

得意そうにサッシを開ける隼人。

「紫陽花の花増えたね」

「だって一年に一度の綺麗なお花なんだから、秋はコスモスを植えるわ」

隼人の背は高く、全ての部屋のへいは、少しかがんでいる。

隼人のお家でもそうなの?

「真鈴、真鈴、愛してる」

近寄る隼人。

「だめ、だめ、隼人は今日はだめ、だょ」

ガバッと真鈴に襲いかかる隼人。

抵抗出来ないょ。

「あぁ、隼人、あぁ…」

隼人の力は強くベットの横にある、真鈴のお気に入りのフランス製のライト置きがゆらゆらと音をたてていた。

「あぁ、はぁ、むり、痛い、うぅ」

隼人のシンボルが巨大で毎日真鈴は痛いのを我慢していた。

「真鈴、真鈴、イ、イク、はぁ」

真鈴に覆い被さる隼人。

真鈴は毎回潰れそうになる。

隼人が不思議そうに聞いてきた。

「真鈴? 気持ち良くなかった?」

知るまでは絶好な気分だったが、聞いてしまうと複雑な気持ちが隠しきれない。

「いつもと一緒ょ、疲れてるのかなぁ?」

「なら、良かった」

この隼人は何故そんなに自然体でいれるの?

奥さんに悪いと思わないの?

奥さんと、も、sex、して、るの、?

やるせない気持ち。

隼人の顔を見ていると、私だけの隼人じゃないのが辛いのょ。

ごめんね、
 
言えば隼人は消えてしまいそう。

隼人が言わないから、私からは言えない。

さようならは私からは言わないょ。

No.11 14/12/01 11:02
ナルシスト ( 84wJh )

「隼人?隼人には家族いるの?」

洋服を着だした隼人

「居るよ、親父、お袋、婆ちゃん、兄貴、」

「一緒に暮らしてるの?」

カッターのボタンをかけながら下向き加減の隼人。

「どうしたの? そうだょ」

顔色1つ変わらない隼人。

私に嘘ついてるの?

それって私が大好きなの?

ごめんなさい、初めから不倫と聞いていたら、隼人と付き合っていなかった。

愛してる、って言葉は、さよなら、より悲しい。

さよなら、言われる方が辛くない恋、隼人はどんな気持ちなの?

何食わぬ顔顔で奥さんの元に帰るの?

それとも出逢いの時を選べなかった、私達のこれからの運命を、2人で作りたいの?

聞けないの、隼人?

既婚者なの?

この1ヵ月の楽しく、疑いもしなかった、幸せを壊したくないの。

今別れない、別れられない。

奥さんには悪いけど、隼人と私は運命の関係なの。

初めて狂うほど好きになった人、隼人。

「やっぱり、ネクタイ、曲がってるわょ」

隼人は私に催促するかの様に、首を差し出した。

涙がこぼれそう。

泣いちゃうと必ず聞かれる

「真鈴? 何故泣いてるの?」

だから泣けない、口紅や香水、奥さんに私の存在は隠し通す。

バレれば悲しい運命が待っている。

隼人は何もなかったように、背後から抱きついて

「真鈴、愛してるょ、またね」

強く握りしめる隼人の大きな身体。

握り殺して欲しいくらい。

「またね、隼人。」

「じゃあ、行くわ……」

まだ付き合う前に隼人の大きな後ろ姿を見てときめいていた頃の方が幸せだった?

分からない、過去なのか、今なのか。

No.12 14/12/01 12:16
ナルシスト ( 84wJh )

隼人の大きな背中見ているだけで幸せだった。

いつも勤務先に来る隼人の広く大きな背中。

まさか私に連絡のメモくれるなんて、少しだけ、ほんの少しだけ、期待していたの。

でも本当になるなんて思わなかった。

願いが叶ったって思ってたんだよ。

なっちもよっちゃんも、多分看護師さんも、隼人の事に好意を持っていたの。

でも、隼人は私を選んでくれた。

それが余計私を興奮させたのかなぁ?

何故私だったの?

軽く見えたの?

玄関で靴を履く隼人。


後ろから隼人に抱きついた。

「真鈴、また来るから」

私の合い鍵をちらちら見せる隼人。

「気をつけてね」

今までも、何故言えなかったの?

「隼人、泊まって行ってよ」

何故その言葉言わなかったのか?

言えば泊まってくれていた?

今の私は見えない境界線が心の中で引いている。

聞かなければ、知らなければ、何かと比較なんてしなかった。

素直な気持ちから、隼人の影の存在と比較してる。

隼人からの、ごめん、さよなら、言われるまで、言われても隼人から離れない。

隼人からきっかけ作って来たんだょ。

隼人から離れていくなんて許せない。

隼人がドアから出て行った。

あの合い鍵をちらちら見せて、隼人の笑顔に弱いの。

だって大好きなんだから。

彼が居なくなった広い私の部屋で、隼人の事を思い沢山泣いています。

何故、泣いてるの?

聞かれないから。

不倫ってこんなに辛いなんて思わなかったょ。

No.13 14/12/01 13:16
ナルシスト ( 84wJh )

診察箱に診察券を入れる患者さん。

カルテを探していた。

なっちが私に声を掛けて来た。

「宮田さん、残念、奥さん、居たんだ、狙ってたのに…格好いぃから、仕方ないか!」

何も言えない私。

病院でも少し噂になってた。

「結婚指輪くらいしといてよね、紛らわしい、私なら、付いて言ってたょ、宮田さんなら…」

よっちゃんはその後なっちの言葉をかぶする様に話していた。


「ねぇ、そう思わない? 真鈴は?」

カルテを持ち。

「そうね、でも私には関係ないし…」

なっちやよっちゃんが羨ましい。

こんな事誰にも相談出来ない。

隼人と私の秘密の関係。

「なっち、カルテ、お願い、」

辛いょ、何故私なの?

辞めようかなぁ?

こんなに苦しい恋は産まれて初めて。

隼人との関係にピリオドなど打てない。

辞めれば、仕事でも、会えなくなる。

自然に離れてくれるなんて思わない。

職場を離れれば余計沢山疑う事は多くなる、隼人の合い鍵のちらちらの笑顔。

大好きな広い大きな背中。

忘れられない、失いたくない。

都合良い女でいいから、そばにいて欲しい。

やっぱり不倫との関係は影に嫉妬が湧く。

でも終わらせたくない、隼人との関係を。

隼人からさよなら、言われても離れない。

離婚してくれるかも知れないから。

奥さんに私の存在は絶対にバレて欲しくなぃ。

大好きなんだから。

隼人と誰にも秘密の関係を続けて行くわ。

たまたま出逢う時期が悪戯しただけ。

紙切れ一枚にどれだけの愛情があるの?

私との愛情は隼人が通う私の部屋。

隼人の心の休憩は本当に私の部屋なんだから。

泣きたいくらい大好きな隼人。

合い鍵が私達の愛情の架け橋をしてくれてる。

信じてる。

隼人の事を。

No.14 14/12/01 19:30
ナルシスト ( 84wJh )

午前中の診察が終わると終了で電気が消える。

隣にコンビニがあるから助かるんだょ。

なっちはハッシュドオムライス。
私はきのこたっぷりクリームスパを手にした。

レジで通され、レシートは箱に入れた。

「なっち、不倫って、どう思う?」

財布を胸に抱いていたなっち。

「やばくなぃ? 不倫してるの!」

「違うよ! 友達から相談受たの!」

なっちの肩が少し落ちた。

「真鈴かと思ったょ、真鈴には勇気ないわ!」

「出来ないょ…不倫なんて…」

なっちは先々歩いて行った。

「やっぱ不倫なんだよね、私達って」

会えない時は寂しくて、会えば無性に涙が出る。

会えない時間は長くて、会ってる時間は短い。

辛いのょ。

隼人に会いたい。

あの広い胸に包まれたい。

ぼーっとしていたらなっちが話しかけて来た。

「ねぇ、さつきの不倫の話し、誰なの? あっ、あの副委員長と、あの看護師怪しいらしいょ」

私はその看護師に目がいった。

普通に何食わぬ顔して仕事してる。

本当は辛くて、辛くて、泣きたい気持ちなの?

自分と重ねてた。

私なら毎日、同じ場所なんて耐えれない。

隼人が既婚者だって知っていたら、絶対に避けてたょ。

何故男性は平気で嘘つけるの?

私を愛しているって言葉も嘘なの?

怖い、怖くて、隼人の事嫌いになりたぃ。

どれだけ辛いか?

この気持ち。

ものさしで計れるなら計りたい、愛情なのか愛なのか?

一番助けて欲しい人が、泣きたい胸は、隼人と言う既婚者なんだよね。

No.15 14/12/01 20:15
ナルシスト ( 84wJh )

相変わらず梅雨の雨は続く。
隼人が来ない夜はベットが広い。

彼がいない時に流す涙。

私のベットのシーンは隼人の汗か私の涙。

終わりにしたいなら隼人からのサインを待つだけ。


私ってこんなに嫉妬深い性格だったの?
イライラしてくる、隼人の現実の生活に。

やるせない気持ちが梅雨の雨が慰めてくれる。

テレビのリモコンをどれもこれも面白くない。

全ての力が私の身体から消えて行くの。

何故隠していたのか?

本当は狂うほど責めてみたい、隼人の広い胸に。

離れて行く隼人の姿なんて想像出来ない。

それほど愛してる。

愛に条件は理由なんてない。

寂しい週末を過ごす私。

早く週末が終わればいいのに。

いたずらして困らせてあげようかなあ?

例えば……

妊娠なんて…

そうすれば隼人の気持ち分かるかも…

すーっと眠りにはいる、真鈴…

No.16 14/12/02 17:37
ナルシスト ( 84wJh )

隼人の製薬会社はどこも大変、ジェネリックが普及してから、沢山の新薬の開発しなくちゃいけない。

新薬を求める患者さんも多いの。
今までインターフェロン治療が中心だった肝炎治療も今は飲み薬に変わってる。

その代わり新薬は高額、リスクも伴うけど、楽な治療と効果は患者さんには必要。

隼人は病院周りも薬局周りもこなさないと行けない。

だから隼人に会えるのは、彼の合い鍵だけが私達の見方。

合い鍵を開けてくれた瞬間が私の全て。

恋と愛の違いが分かって来た、恋だけの気持ちと愛してしまった気持ち。

恋だけで終われば良かった。
恋ならこんなに苦しい気持ちにならなかった。

理屈なんてない、ただ愛してしまったの。

その相手がたまたま、本当にたまたま、結婚していただけ。

不倫なんて無縁だと思っていた……

反対に不倫を軽蔑していた……

まさか、私が不倫するなんて…

人の旦那さんを取ってるなんて…

不倫がこんなに…

辛いなんて…

隼人の馬鹿! 呼吸するみたいに渡された紙。

何にも疑わずに舞い上がってた私。

ベットのシーツも涙で汚すなんて思わなかった。

全てのお気に入りの家具も見れば寂しくなる。

合い鍵を渡した時の隼人の笑顔を思い出す。

何を求めて居るのかなあ?

ベランダに出て、雨に打たれる紫陽花を見て呟く私。

何故こんなに綺麗な花が梅雨に花ひらくのか?

まだ可愛いぃ、つぼみをそっと手に取り、ため息ばかり。

合い鍵の開く音を私は待つしかないのね。

彼が私にあの広い胸に包んでくれるのを待つしかなぃ。

会いたいょ。

会いたくてたまらなぃ。

隼人の広くてはデカいあの背中が大好き。

女は損なのかなぁ?

ただ、ただ、合い鍵の音を待つしかなぃ。

No.17 14/12/02 19:38
ナルシスト ( 84wJh )

真鈴の勤務している病院は沢山のスタッフがいる。

リハビリのスタッフの丸山君
皆んなは丸ちゃんって呼んでる男性。

「真鈴ちゃん、ライブのチケット貰ったんだ、行かない?」

少し驚いた真鈴。

「えっ? ライブ?」

丸ちゃん、真鈴を誘った。

「うん、いつ?」

リハビリの看護服を来て笑う丸ちゃん。

「平日なんだょ、夕方からダッシュすれば間に合うょ」

真鈴の気持ちは複雑だった。

平日なら合い鍵で来てくれる隼人の事を考えていた。

「平日なんだぁ~」

「先客居たのかなぁ?」

戸惑う真鈴。

「一応空けておくね」

丸ちゃんの気持ちすら考える余裕すらない。

恋と愛の違いなのか?

丸ちゃんがお誘いしてくれる気持ちが真鈴には分からなかった。

正直過ぎる真鈴。

丸ちゃんのお誘いの意味?

隼人の事ばかりで全く気持ちが前に行かない。

ずーっと合い鍵の音を考えている真鈴。

愛の深さに酔いしれて、大切な存在を忘れている。

だから不倫は怖い生き物。

「今日は来てくれるかなぁ~」

ずっと時間が経過するのを待つ真鈴。

診療時間が終わると真っ先に病院を飛び出した。

いつ訪れるか、分からない隼人の影を。

合い鍵の音がした。

「真鈴、会いたかったょ、愛してるょ。」

背中がぼんやり熱くなった。

「隼人、待ってたの!」

隼人の両手を思いっきり握りしめる真鈴。

「隼人の顔、見れないょ、愛しすぎて…」

両手を握りしめられる隼人。

「だろぅ? 俺も愛してる…」

隼人の愛してるは、さよならより、哀しい。

それ以上何も言わなくていぃょ。

今のこの時を止めて欲しい。

隼人の温もりをずっと感じていたぃ。

帰らないで、私の隣りに居てくれるだけでいぃ。

我がままなのかなぁ?

真鈴をくるっと回し微笑む隼人。


辛いけど忘れてあげる、今は私の隼人なんだから。

No.18 14/12/02 21:38
ナルシスト ( 84wJh )

隼人のジャケットをハンガリーに掛けた真鈴。

「隼人…あのね、」

言いたかった…
私に隠し事していなぃって…

「どうしたの?」

「あっ、そうなの、リハビリの丸ちゃんにライブ誘われたの…」

「で?…」

「あの…」

「行きたいなら、行けょ…俺…帰ろうかなぁ」

両手を広げ隼人をドアから出さない振りをした。

「怒ってる?」

「別に…気分悪いだけ…」

「ごめんね、嘘、嘘だょ」

隼人は私を抱き上げて。

「お前は、俺の、お・ん・な・」

嘘でも嬉しい…
隼人のやきもちが…

「俺の彼女さん、愛してるょ」

私をベットに運び私の上に乗り、ネクタイを外した。

隼人の甘い香のアラミスが私の鼻を癒やしてくれた。

「真鈴、愛してる…」

私は隼人のシャツのボタンを1個、1個、外しながら彼の息に興奮していた。

離れたくない、離さないで、嘘でいいから、愛してるを連発して。

隼人の唇が耳から首筋を伝う。

「うん?」

て聞くような隼人の顔は絶対に嘘じゃないと思いたかった。

首筋から胸を愛撫する隼人に私は彼の髪の毛をかき分けた。

隼人の広い胸の全て、私の者なの。

「あぁ……」

隼人が私に入る瞬間の幸せ。

私が小さく見えるょ。

腰を少しずつ動かす隼人。

もぅ、どうでも、いぃ、今のこの時を止めて欲しい。

「隼人……」


「うん、真鈴…」

「私は誰の…あぁ…もの?」

腰の動きが早くなりだした。

「はぁ、はぁ、真鈴は、俺、の、もの、」

「こ、こ、壊れても、いい、から、強く、抱き、閉めて…」

「お前、最高、だょ、」

まだ、いっちゃ、嫌だょ。

この時間が止まればいいのに…

小さな私に大きい隼人。

「痛い、痛い、」

「真鈴、最高、だょ、」

私達は特別なんだょ。

ただ、出逢う、時期が、少しだけ、ほんの少しだけ、ズレた、だけ。

不倫なんて呼ばせない…
私達の2人の秘密。

No.19 14/12/03 00:01
ナルシスト ( 84wJh )

隼人は自分の事が終わると私に全身の身体を重ねる。
重くて仕方ない。

1ヵ月前まで疑わなかった事が私の目が追っていた。

シャワーを浴びても絶対にボディソープは使わない。

隼人とお揃いの歯ブラシ使う時間も隼人彼自身使う気持ちもない。

必ず11時には私の家のドアから姿を消す。

分かっているの、あなたには帰る場所がある。

男性ってずるいよね?

私にやきもちやくなら私に振り向いてよ。

勝手なんだから。

大きな手で私の顔を撫でる隼人。

こんなに好きにさせといて、あなたと私はフェアーじゃない。

愛してるってそんなに簡単に言わないでょ。

私は不器用なの?

遊びで済ます性格なら悩んだりしなぃ。


「真鈴?」

今どんな気持ちで私を呼ぶの?

「行かないよね?」

「何が?」

「ライブ…」

「行かないょ…」

その笑顔に騙され続けるの?

隼人との時間を大切にしたぃ。

やっぱり嫌われたくなぃ。

好きなんだもん。

隼人の事が…

「真鈴は、可愛いょ、愛してる」

人の旦那さんに言われても、自分の旦那さんじゃなくても、好きになっちゃったんだから。

惚れた弱みなのかなぁ?

「隼人……」

「どうしたの? 真鈴…」

テーブルの近くにいる隼人が振り向いた、その笑顔に演技を続けるの私。

「今度、いつ会える?」

数秒間の沈黙。

腕時計をはめる隼人。

帰る時間なんだね。

この瞬間が胸にナイフが刺さる位痛くなる。

「また、連絡するょ」

いつも隼人からの連絡待ち。

大きな私の大好きな姿を消さないでょ。

全てのドアに鍵をかけたい。

ドアなんて要らない。

2人だけの時間に…

No.20 14/12/03 00:23
ナルシスト ( 84wJh )

隼人がハンガリーに掛けていた、ジャケットを着だした。

「じゃあ、そろそろ、行くな…」

辛くて、辛くて、仕方ない。

私が背中向けている間に姿を消してょ。

さようなら、言ってくれればまだ引き返せる。

でも、無理なの。

愛してるって隼人の言葉は、さようならより、哀しい。

飽きれば、さようなら、言われるの?

なら、今言ってよ。

私から、さようなら、は言わない。

愛してるから。

「俺、行くわ…」

行くんじゃないんでしょう?

帰るんだよね?

隼人の大きな手が私を包んでくれる。

優しくされると辛くてなるょ。

優しく包まれた私の身体は隼人をもっと必要にさせる。

抱きしめられれば、抱きしめられるほど。

私は地獄に落ちて行くの。

決断も勇気すらない。

温かい隼人の身体に包まれている瞬間はとても幸せな気持ちになる。

彼が玄関の扉から見えなくなると、自然に涙が溢れ出す。

私が泣いているなんて知らないよね?

帰る場所に、待っている人の元に帰るんだね?

また、奥さんと肌を重ねるの?

私の温もりを持って帰った隼人のその身体で。

全ての愛は楽しいものだと思ってた。

こんな苦しい愛なら、出逢わなければ良かった。

隼人が帰れば私の反省会。

全て涙をこぼす反省会。

後悔しても仕方ない、愛してるんだもん。

あの梅雨の雨のように、私の涙も止まらないょ。

馬鹿なのは全て承知してる、私達の未来に形がある事くらい。

いつか来るその未来を見たくない。

考えたくなぃ。

愛してるから…

止めれないの…

諦められないの…

辛くても我慢するの……

ただ、愛してる…

No.21 14/12/03 20:11
ナルシスト ( 84wJh )

隼人が帰ったらまた会くなった。

彼の温もりを感じベットに頬を寄せシーツを撫で2人だけの秘密の温もりを感じる。

テーブルに合い鍵を置いて、さようなら、じゃあ、って言われたら、目を閉じて、あなたを見ないで、忘れてあげるのに。

いつまで待てばいぃの?
どれだけ泣けば彼は私の所に戻って来てくれる?

会いたい気持ちが募り、裸足で隼人を探していた。

私の大好きなあの広くて温かい隼人の背中。
泣きながら、必死に必死に探した。

見つかる訳ない事分かっていても。
自然に足が走ってた。

もぅ、止めれないの…

知らなければ良かった。
出逢わなければ良かった。

隼人に教えて貰ったょ。
私がこんな泣き虫だったなんて…

強くないんだ。
私は…

彼の背中が私の脳裏から消えないの。

恋なら許してあげたのに……
愛しているから、許してあげなぃ。

梅雨の水溜まりにスカートの裾まずぶ濡れ。

それでも,それでも,諦めない、私のこの足は。
だから、私は器用な性格じゃない。

涙と雨が分からない。
右手で涙を拭きながら、彼を探す私。

会いたぃ、ただ、それだけ。

走るだけで幸せを感じてる。

罪な人だょ、隼人は。

私の心を奪った罪人だょ、隼人は。

何も考えれない。

今は彼を信じるしかない。
信じないと、壊れちゃうょ。

No.22 14/12/03 22:34
ナルシスト ( 84wJh )

辛くて、辛くて、道の真ん中で、叫んでしまった。

  「会いたくて、辛いょ!」

通り過ぎる人達は多分私を不審な目で通り過ぎただろぅ。

変な女だと皆、私を睨んでいただろう!
捌け口がないの…

2人だけの秘密なのに…
この辛い気持ちを吐きたかっただけ。

裸足で服はずぶ濡れでスカートなんて雫が落ちていた私に。

ふらふら1人寂しく帰り、玄関のドアが冷たかった。

ふらりと帰る私のリビング。
もう隼人の温もりは消えていた。

「馬鹿だょ、ね、私、」

全て無くなればどれだけ楽なんだろぅ。

記憶なんて邪魔なだけ。

もし、もし、戻れるなら、隼人との出逢う前に戻りたい。

命が縮んでも構わない。
戻れるなら、もし、戻れるなら。

私はリビングの丸いテーブルを何回も叩き。

「何故なの? 私が辛いのょ!」

泣いていても私の隣りで慰めてくれる人はいない。

それが不倫なんだから。

謝っても、謝っても、昔には戻れない。

後悔しても、後悔しても、過去へは戻れない。

隼人と2人だけの秘密のベットにもたれかかり、1人で泣いていた。

「愛した人を選んだのは、私なんだから」

自分に言い聞かせるしかないよね。
馬鹿な私。

泣いちゃ駄目だょ。
後悔しちゃ駄目だょ。

愛してるんでしょう?
隼人の事、好きじゃなく、愛してるんでしょう?

自分に言い聞かせるのでなく自分に理由と付けている私。

蛇口いっぱいに回し、シャワーの滝を浴びながら。

「無香料のボディソープ買わないと、ね」

シャワーがボディソープの容器に降りかかりながら。

「明日、買っとくね」

後は滝に打たれて涙と一緒に排水口に流れた、シャワーの水と私の涙。

No.23 14/12/03 23:35
ナルシスト ( 84wJh )

次に逢える日が楽しみな私。
泣けば少しだけ気持ちが楽になった。

隼人と確認しあったベットに入り彼の匂いが付いた枕を抱きしめ眠る私。


アラミスはキツい匂いの香水、黒人さん向けの香水なの。

明日が来る事を楽しみにしたい、隼人が合い鍵で来てくれるかも知れないから。

「隼人…お休みなさい…」

隼人のアラミスがまた私の涙に変わっちゃった。

朝の病院は本当に大変、年配者さんって、何故そんなに早起きさんなの?

沢山の患者さんの診察券がボックスに入り出す。

カルテ自体機械で賄えるが、色々な患者さんの保険証確認もしないといけない。

沢山の個人情報は緊張する。

私の病院は院内処方箋なので、薬の番号は酷い時、1時間待ちなんてざら。

目まぐるしく仕事の時間だけが私の見方。

怒鳴られる事を良くある。

仕方ないだけどね?

午前中の診察は目まぐるしく、特に休み明けなんて、たまったもんじゃない。

少し落ち着いた。

「真鈴さん、あの……」

リハビリの丸山君が私に話しかけてきた。

「ライブの……チケット…」

下を向いていた丸ちゃん。

「ごめんなさい、せっかく誘って貰って…母親の体調が悪くて…」

丸ちゃんはブルーの看護服を着ている。

「ごめん、知らなくて…お母さん…大丈夫なの?」

嘘をついている私の心は罪悪感だらけ。

「大した事は、ないの、でも、ごめんね」

丸ちゃんはカウンターに両手を広げ下向き加減に。
「また、誘うよ、じゃあ」

カウンターに乗り出した私。

「丸ちゃん、ありがとう」

それを横で見ていたなっちに冷やかされた。

「真鈴も、隅に置けないね~丸ちゃん、真鈴が好きなんだよ、きっと…」

「えっ?」

肘で私の二の腕をつつくなっち。

「丸ちゃん、かっこいいし、患者さんからも好かれてから、いいんじゃない?」

「たまたま、暇人見つけたんだょ…」

「おぃ、おぃ、暇人なら私も居るよ…」

なっちはその言葉を残し、後処理していった。

No.24 14/12/04 12:36
ナルシスト ( 84wJh )

たまたま、暇人の私を誘っただけ…

暇人にメモを渡した、だけ?

私の恋愛経緯は間違っているの?

だから未来予想図は見えないの?

違う、違う、丸ちゃんはたまたま。

「なっち? 丸ちゃんはたまたま、だよね?」

書類を固めて中腰のなっち。

「真鈴は、恋愛経験ぐらい、あるよね、誰がライブチケット、貰えるの、よ!」


「貰ったって……」

「そんな配慮が、丸ちゃんらしいの、よ!鈍感にもほどがあるょ、真鈴は…」

ライブチケットを買い私を誘ってくれたって事なんだぁ。

隼人のあの会話を思い出した。

丸ちゃんの話をした途端機嫌が悪くなった隼人。

まだ念押しで、行かないよね、確認された隼人の言葉。

丸ちゃんの話しより、隼人が答えてくれた、会話が嬉しい。

愛されてるんだ。

お前は、俺の、女。

思い出せば気持ちが高鳴った。

隼人が居れば何も要らない。

「真鈴!何ぼーっとしてんのょ!」

「あっ!ごめん、」

「丸ちゃんはお年寄りに親切な人だょ、だから、彼は人気あんだから、さ、もし、get出来るなら、離しちゃ駄目だょ!」


「私なんて、相手に、しないょ、丸ちゃんは…」どうでも良かった、丸ちゃんの話しなんて。

隼人のお前は、俺の、女。

その言葉の意味を何種類にも取れるか、自分の脳に確認していた。

何度確認しても。

隼人は私を愛してる。

しか線が繋がれない。

少し不安が解けている。

でもその安心と言う名前のお薬と一緒で、効果が無くなれば効かなくなる。

安心には副作用が付いている。

そんな言葉の奥底まで考える余裕もない真鈴だった。

笑顔になった真鈴は。

「なっち! コンビニ、行く?」

走り出した。

No.25 14/12/04 13:25
ナルシスト ( 84wJh )

なっちを追いかけて行く私。
あの昨日を思い出した…

ただ藪から棒に走り出した私。

相手が違っていたなら、走る事もなかった。

なっちは大切な友達。

「早くおいでょ!」

振り向いて立ち止まってくれる、なっち。

彼女は活発で仕切ってくれる、リーダー的存在。

なっちや、よっちゃんに、甘える事しか、出来ない私。


沢山の行列で賑わうコンビニ。

丸ちゃんがサンドイッチと肉弁当を持ち待っていた。

「真鈴ちゃん、真鈴ちゃんは、誰のファン?」

私の手には7品目のサラダとおにぎり一個。

「古いアーティストの玉置浩二好きです!」

「次は玉置浩二、手に入れます…」

なっちが丸ちゃんに話しかけた。

「私なら、空いてるょ~」

申し訳なさそうに丸ちゃんは。

「オークションに行きました、か!」

と行って先にレジを通し出て行った。

「真鈴、だから、言ったじゃん!、罪な女だょ、真鈴は…」

なっちが言ってた事本当だったんだ!

申し訳ない事したよね。

丸ちゃん、ごめんなさぃ。

でも彼が行くなと言われれば行かないょ。

大好きな人を裏切りたくないの。

誰にも言えないけど。

2人だけの秘密。

人を傷つけても、愛する人は、傷つけたくなぃ。

我がままだけど、それが本当の愛。

大切なの、私には、隼人が。

レジの順番を済ませて。

なっちが待っていてくれる場所に走る私。

待って居てくれる人がいて幸せ。

だからいない人を待てるのかなぁ?

いつか必ず待ってくれる隼人に走りたい。

時間と私の愛で隼人の足を止めてみせる。

呼吸するみたいに出逢えたメモが私達の見方だよね?

必ず必要としてくれているから、合い鍵もメモも私達を応援してくれた。

泣き虫卒業して、隼人には心の笑顔見せるね。

No.26 14/12/04 18:29
ナルシスト ( 84wJh )

帰り道で薬局に入り無香料のボディーソープを手に持ちながらため息をつく私。

「使ってくれるかなぁ?」

香料付きのソープは疑われ私との関係が壊れない為の優しさなの?

奥さんを大切に思う優しさなの?

お金を払い、自分が惨めに感じる。
隼人に嫌われたくないの…

離れる事が…
何より怖いの…

1人暮らしがこんなに寂しい気持ちなんて。
思わなかった…

沢山のカップが私の視線に入ってくる。
楽しそうなカップ…

彼女とくっ付く彼の笑顔…
羨ましい…

鍵を開けるとロックになった。

私は隼人の胸に飛び込める嬉しさ!

リビングの扉を開けた。

飛び上がるくらいの嬉しさ!

「隼人?」

彼はリビングの椅子に合い鍵を使い座ってた。

買って来たボディーソープの袋がガサッと鳴った。

いつもなら、私の背後から温かい温もりを感じていたのに。

今日は私が隼人に温もりを感じて欲しい。

あの大きく広い隼人の背中に小さな私の手を回した。

「真鈴……来ちゃったょ…」

言葉なんて要らない。
あなたがいてくれるだけで幸せ。

隼人に届いた?
私の愛の温もりが…

「俺…腹ペコ…」

隼人の胸にしがみついて首にキスする私。


「すぐに、支度するね…」

まるで隼人の奥さんの気持ちに変わる私。

隼人の息だけで、材料をあさり、料理を作る、楽しく、幸せな一時。

「真鈴?…」

エプソン姿で振り向いた。

「愛してるょ…」

言わないで、お願い、その言葉が、今は辛いの。

まな板の包丁に力が入らない。

小刻みに震えるまな板の音。

肩で泣いているの。

泣いちゃったら、居なくねるよね?

私の料理を待ちながら、テレビを観てる隼人。

お願い!
この時とこの瞬間を止めてょ。

なにも要らない、お願い、この私達の、2人の秘密の、時間を、止めてょ。

No.27 14/12/04 19:01
ナルシスト ( 84wJh )

「隼人…ごめんね、あり合わせで…」

「旨そうじゃんか!」

牛肉と野菜を炒め、私お手製の、キュウリのQちゃん、ワカメとかぶのお味噌汁。

隼人が好きな私のQちゃん。

美味しそうに、大学生の、部活終わりみたいに、食べてくれる、隼人の顔。

「美味しい?」

お箸が止まらない隼人。

「真鈴のQちゃん、馬鹿うま!」

隼人の好物なら何でも作るょ。

無邪気な顔で。

「お代わり!」

「沢山、食べてね、愛情いっぱいなんだから」

お箸やお茶碗すら小さく見える隼人の手。

「誰も、取らないょ」

笑う隼人。

本当は全て奪いたい、隼人の全てを取りたい。

贅沢なの?

私は欲張りなの?

あの追いかけて走った気持ちが忘れちゃうんだよね。
あなたの存在だけで。

ネクタイを緩めて食事に夢中の隼人。

私は隼人の存在だけで、お腹がいっぱいになる。

肘をつきながら、隼人が口にしてくれる、姿をずっと見ていた。

取らないのは、食事だけ。

全て取りたい、何もかも。

2人が傷つかないなら、他に傷つけても構わない。

「隼人…? 連日にびっくりしたょ!」

お茶碗を持ち笑顔で答えてくれた。

「真鈴に、会いたかったから…」

「本当に?」

「まじだょ…!」

やっぱり私の者なんだょ、隼人は。

本当に私が大切に思われてるんだ!

「私のどこが、好きなの?」

「う~ん。俺達は、ビビっと来たのかも♪」

「ビビっと…**」 (^.^)

嬉しかった。

「真鈴は、食べないの?」

「隼人を見ていたら、お腹いっぱい…」

「なら、後は、真鈴、頂きます!」

私は身体を重ねなくても愛情だけで十分なの。

一晩中隼人と隣りに眠るだけでいぃの。

「今日も、帰っちゃうの?」

私の初めての隼人へのイタズラだった。

「……一度…時間作るょ…」

思いも描けなかった隼人の言葉に涙が溢れ出た。

「真鈴…? どうしたの?」

私の涙を大きな手で拭いでくれた隼人。

「うん? どうしたの?」

優しくしないでょ、その優しさが、辛いのょ。

No.28 14/12/04 19:36
ナルシスト ( 84wJh )

時間を作ってくれるって一晩中、隼人は一緒にいれるの?

生返事や期待だけなら辛くなる。

「時間、作ってくれるって?」

「ご馳走さま。」

「ねぇねぇ、時間って?」

「一度、泊まらせてくれる? 真鈴と寝たいょ」

私は思わず隼人に抱きついた!

「だから、隼人の事、大好きで、愛してる」

「真鈴、ちょっと、待てょ、苦しいよ!」

「いつ、いつ、いつ、泊まれるの!」

「はぃ、はぃ、近日中に…」

隼人が苦しくなっても嬉しいの…

2人の手はしっかり握りしめ合う。

彼の手は私の好きな彼の背中と同じくらいの温もり。

これだけで幸せ。( ^^)

隼人より、ずっと、ずっと、愛情は負けてないょ。

自信があった。

テレビを観ている隼人にずっとしがみついて、トイレ以外離れない。

心の奥底に残っている、不倫関係の厄介な言葉。

理由も何もなぃ。

今握っている私の手は、戸籍上は私の者じゃない。

「さぁ!」

隼人は私を抱っこし始めた。

時間があれば彼はベットに連れて行かない。

分かってる、確実に、また隼人が、帰る事。

愛情には身体が必要なの?

お互いに大切なら、手を握るだけでも、いいと思う。

でも、その疑問は、彼に聞けない。

私から消えちゃいそうで。

嬉しい涙なら、たくさん泣ける、悲しい涙は、流したくない。

ベットに近づく隼人。

ベットが怖いの…

何故だか分かる?

帰る時間が近づく合図だから。

お決まりのパターン。

お決まりのセリフ。

隼人?

遊びのような愛には、向いていない私。

「真鈴……」

隼人が段々近づいて来た…

冷静になってしまうの。

あの会社の人から聞いてから…

愛してるから、私からは言わないょ。

言えない、不倫なんて。

さっきまで嬉しい涙が、今から悲しい涙に変わる瞬間。

No.29 14/12/04 21:22
ナルシスト ( 84wJh )

隼人の愛してると連発され、彼の思いのままに、身体を与える私。

得意げに私の身体の上に重なり腰を動かす隼人に悲しくなって来ちゃった。

そんなに愛してるって簡単に言えるの?
合い鍵渡さなければ、違う女性に重なってた?

「真鈴、真鈴、最高…」

最高って言葉はそれ以上の上の表現言葉が、あるのかなぁ?

プレミアムなの?

隼人の気持ちが分からない。
ベットの行為が終わると、私のかきむしられる気持ち分かってるのかなぁ?

「あぁ、隼人、あぁ、」

正直少し演技が入ってる気持ち。

知らなければ、最高の言葉に酔いしれてた。

隼人の目的は何?
ただで抱ける都合良い女なの?

どこかでそんな冷静な気持ちが過ぎる。

その冷静な気持ちを持たないと、隼人とお付き合い出来ないょ。

今でも潰れてしまいそうな気持ちの継続は私には出来ない。

ごめんね。
不器用な性格で。

愛してるからそれは1人の秘密。

隼人は何も知らず私の身体を愛撫しまくる。

あなたが居れば居るほど、嬉しい気持ちと、壊れる気持ちの狭間に立たされているの。

「真鈴…どうしたの?…泣いてる?」

「隼人に抱かれてる、から、嬉しいの…」

不倫は段々私を嘘つきにさせてく…

嘘つきでないと、続かないょね。

でも、でも、このでもは否定的な言葉。

そうなんだけど、でもね、それは認めてないから、でもね、がつくんだょ。

隼人を信用してる反面、裏切られてる気持ちも。

だって隼人から結婚してるなんて聞いてないょ。

隼人は独身を演じてる。

ずるくなぃ?

ずるいょね?

私が罪人なら、隼人はもっと罪人、悪人かもね。

少し冷静に見てるから、少しの信用と沢山の疑惑。

そして1つ、確認させて。

今夜の確認を。

でもその確認を見るのが怖いゎ。

「真鈴、可愛いぃょ…」

不倫に罰があるなら、隼人だけじゃなく、私もその罪を背負ってあげる。

No.30 14/12/04 22:59
ナルシスト ( 84wJh )

隼人の最高の時が終わり、悲しいけれど、私の身体に乗って来た。

「はぁ…」

大きく疲れた声と共に。

「真鈴、気持ち、良かった~」

隼人の腕に身体を代えた。
だって重くて…

仕方ない…

隼人はすぐにリビングの円いテーブルに行く。
円いテーブルには隼人の腕時計が置いてある。

時間を確認してるんだよね?

「隼人…無香料の…ボディーソープ…置いておくね」

素っ裸の隼人が振り向き。

「真鈴…ありがとう…」

笑顔で返してくれた。

ごめんね、私は疑ってるの。
無香料のボディーソープに。

お願い、お願い、既婚者だなんて、思わせないで。

怖いの…
本当に怖いの…

だって愛している人から聞いてないんだょ。
知らない別の人からの言葉だけなんだょ。

隼人を信じたぃ。
隼人は嘘つかなぃ。

間違いだって思いたぃ。
大好きなんだもん。
狂うほど愛してるだもん。

私は静かに隼人がシャワー浴びる事を待った。
何も言わず…

ただひたすら…
信じたぃの…

軽い洋服に着替えて、彼の後に路上で、抱きつきたぃの。

隼人を見失いたくないの…

シャワーの音が消えた。

「あぁ、気持ち良かった!」

バスタオルを肩に乗せて微笑む隼人。

「隼人なら、バスタオルでも、ハンドタオルみたい、」

微笑み返した。

「そうかなぁ?」

濡れた髪をタオルで拭く隼人。

何もかも止まって欲しい。
この瞬間だけ、時間を止めて!

No.31 14/12/06 13:58
ナルシスト ( 84wJh )

髪をタオルでかき回しながら、見てるよね?
テーブルの時計を…

馬鹿みたぃ。

隼人を怪しく思えば、思うほど、確認したくなっちゃった。

あれも、これも。

確認すれば傷つくだけなのに。
分かっているのに…

でも、まだ私には愛されている事は揺るがない。

だって私を選んでくれた隼人。

なっちや、よっちゃんでも良かったよね?

でも私を選んでくれた隼人。

カッターを着て、スーツのジャケットを着だした隼人。


扉が開く時間だけが違うだけ。

「しゃあ、行くね」と「行ってらっしゃぃ」

この言葉だけが、違うだけ。

「さようなら」

言えたらいいのにね。

隼人に抱きつき。

「また、合い鍵で…」

「じゃあ、行くね…」

ドアが閉まる音と共に私は扉に座り込んだ。

涙が自然にこぼれてた。

今日も隼人との時間は止まらなかった。

両手いっぱいに涙を吹き、じゃあ、行くね、を行ってきます、に変えたい。

2人で食べた夕食のお茶碗、お箸、お皿、1人で片づけるんだょ。

普通なら隼人はテレビ見て笑ってるよね?


不倫関係だから?

隼人がそこにいないのは。

怖いけど、見たくないけど、確認するね?

お風呂の無香料のボディソープ。

泣けない、泣けないけど、笑いが出たゎ。

ボディソープの洩れ防止のキャップ、付いたままだょ。

使ってない。

嘘でも使ったふりしてくれなきゃ、私はまた確認したくなるょ。

隼人の全てに。

嘘付きなのに、ごまかせない、罪人だょね、

滝に打たれ何もかも忘れたい。

本当に時間作ってくれるの?

嘘なの?

本当なの?

不器用な私はそれを見抜けないょ。

だって、不倫なんて出来ない女なのょ。

私は…

No.32 14/12/06 14:39
ナルシスト ( 84wJh )

隼人…

隼人が使ってくれるなら、私との大切な時間をつくるなら、私も買うね。

あなたのつけてる香水、アラミス、ボディソープに数滴入れれば分からないよね。

私もつけるわ、アラミスを。
同じ香りならバレないょ。

私からの愛情。

私はね、隼人と、ずっと居たいの。
だからその女性にバレないように努力する。

バレれば別れの未来の形が待っているから。

私達は永遠で、運命なんだから。

愛する人を守りたい、愛する人の時間が欲しぃ、ただ、ただ、それだけ。

気づいてた?

お茶碗も、お箸も、お皿も、全てお揃い。

まるで新婚夫婦みたいでしょう?

可愛いぃ、妻には、時間制限があるなんて、皮肉な言葉。

そんな言葉、大嫌い!

素直になれなくて、ごめんなさい。

可愛いぃ、女になれなくて、ごめんなさい。

自分の拘りの家具は全て、隼人との思い出ばかり。

その思い出の家具を幸せの家具に変えてみせる。

丸いテーブルに置く隼人の時計。

出逢いが選べられないなら、せめて時間だけは私に頂戴。

今日も隼人との温もりを感じた枕が隼人の代わりをしてくれる。

枕さん、最近泣き虫でごめんなさい。

枕は私達2人の秘密を知ってくれている見方だょ。

出逢いを選べなかったら、隼人との時間を止めてょ。

No.33 14/12/06 18:40
ナルシスト ( 84wJh )

目まぐるしい朝の診察開始。

年配者はいち早く診察券を入れに入って来た。

なっちや、よっちゃんと話す余裕すらない。

「真鈴…あのさぁ…疲れるくらい…ため息、ついてるょ…」

なっちが声を掛けてくれた。

「えっ?、疲れる、くらい?」

「息するより、ため息、多くなぃ?」

自分でも気付かなかった…

息より、ため息、ついて、いたなんて、

「悩み事、あるなか、聞くょ、」

なっちはいつも相談を聞いてくれる。


言えないょ。

言いたいょ。

隼人の事、全てなっちに、話したぃ。

出来るなら、全て話して、楽になりたぃ。


「大丈夫だょ、ありがとう、」

全て話す事は、隼人との、別れになる、だから言えなぃ。

独身男性なんて、この病院にも、沢山いるのに、

レントゲン技術、リハビリ、あっ、CTの技師も確か独身だったょね?

人気のある男性は、患者さんから、好かれてる。


孫と結婚してあげて、なんて言われてる。

ダントツなのが、リハビリの丸山君。

年配者には大変な人気者。

優しくて、顔も甘く、性格が抜群。

丸ちゃんの出逢いを選べなかった私。

相変わらず丸ちゃんの周りはお年寄りファンが殺到してる。


嫌な顔もせずに、丸ちゃんは、お年寄りの目線に下がり、語りかけてる。

レントゲン技術の本田君も2番手。

クールそうに見えるけど、彼の笑顔は彼の印象を変える。


患者さんは、病院に通うだけじゃなく、人間関係も見ている。

受け付けしていたら、カウンター越しに、全てのやり取りが見えてくる。


「はぁ……」

「ほら、真鈴、ため息、ほら、」


その言葉で我によって返った。

「ごめん、だょね?」


「大丈夫なの? マジで悩み事、なぃ?」


「大丈夫、大丈夫、」

嘘が下手な私には向いていない恋愛だから。

無理、無理なの、別れなぃ。

悪魔になってもいぃの。

彼のために、2人の合い鍵に。

No.34 14/12/06 19:07
ナルシスト ( 84wJh )

少し時間の余裕が出て来た。

「ねぇ、ねぇ、真鈴、私彼氏出来たの!」

なっちが車付きの椅子で私に近付いて来た。

「なっち! 誰、どのスタッフ?」


「違うょ、この前、高校の同窓会があって、さ、久しぶりに、盛り上がっちゃって、その同級生に、告られたの、」


嬉しそうに出逢いを語るなっち。

選べる出逢いをしてた。


「良かったじゃん…」


「まぁ、ね、」


彼は同窓会で、なっちに、前から好きだった、言ったみたぃ。

なっちも真面目な性格なので、彼の自慢話を聞いていた。

本当は全く興味もなかったし、聞いてるふりが、正しい日本語かも知れない。


良いなぁ、同窓会なんて、私は高校は、女子高だから、同窓会のお知らせは、なかった。


大学のサークルの仲間くらいかなぁ?

男女共学の学校を選択すれば良かった。


どうしてるのかなぁ?

高校の同級生は…


「ほら、また、ため息、おかしいよ!」


「真鈴の仲もち、してあげようか?」


「私の? 誰と? 」

「真鈴には、丸ちゃんしか、いないでしょう!」


「丸ちゃん? 私と?」


「ほら、丸ちゃん、ジャニーズみたいに囲まれてるょ、彼は真鈴に、一押しだょ、」


沢山のお婆さんに囲まれてる丸ちゃん。


優しいだょね、丸ちゃんは。

年配者さんは、性格を見てるょ、丸ちゃん狙いの年配者さん。


お婆さん、あなた達の目は、正しいと思う。

丸ちゃんの魅力に吸い込まれるお婆さん達。


それを笑顔で返す丸ちゃん。


出逢いを選べるなら、過去に戻れるなら、丸ちゃんを選びたかった。


「こんにちは、いつもお世話になります」

皮肉なの?

宮田隼人のネームプレートを下げた、私の愛する彼が、私の前を通過した。


私に合い鍵のサインなのか?

微笑む隼人。

あの広い大好きな背中は丸ちゃんの存在を一気に消してしまった。

No.35 14/12/06 19:39
ナルシスト ( 84wJh )

ほのぼの見ていた丸ちゃんの目は隼人の目を釘付けで目を追ってた。

隼人…来てくれたの?

ごめんなさい、やっぱ私には、隼人の存在が、大きい。

隼人の大きな背中に酔いしれる私。

薬品会社の人は、患者さんの、邪魔にならない、配慮しながら、すっと入っ来る。

隼人の行動は早かった、その数秒に、釘付けの私。


いつも2人の時間と違う、隼人の後ろ姿に。

ギャップが良いのかなぁ?

丸ちゃんなんて、私の目線から、消えている。


この数秒の隼人との時間が大切なの。


数秒に幸せを感じてる、数秒が私の胸を、愛情と変わる。


バッチリ着こなしたスーツ姿。

あのジケットは私の部屋に来るのょ。

あのカッターは、私が脱がせてる。


誰も知らないょね。


隼人は私の隼人なの、誰にもあげなぃ。

隼人!おはよう!昨日は、ありがとう!

夕べの夕食美味しかった?

私とお揃いの食器に、私の愛情の手料理。


誰も知らなぃ、隼人は、合い鍵を持ってるの、私に会いに来てくれる。


口に出せない関係かも知れなぃけど、羨ましいでしょう?

「真鈴、丸ちゃん、やっぱ、真鈴と、お似合いだゎ」

なっちの言葉なんて、耳に入らなぃ。


黙っていてくれなぃかなぁ?

私は今隼人に夢中なのょ。

「そうね、ありがとう」

空返事を返すのが、私の精一杯なの。

数秒の隼人の姿に胸が熱くなる。

いつ来てくれる?

あっ、アラミス、買って置くね!


今度はどんな料理作ろかなぁ?

隼人の美味しそうに食べてくれる顔を私は知ってるのょ。

次の通過待ちが今の私の楽しみ。


どんな顔して通過してくれるの?

真面目で不器用な私は、どんどん嘘つき、色んな人を傷つけても、構わない女に変わるの。


私と隼人が幸せなら、嘘なんて平気、人を傷つけても、私は平気。

友達なんて、裏切れる、なっちも、よっちゃんも、丸ちゃんも、全て裏切れる。

No.36 14/12/06 21:14
ナルシスト ( 84wJh )

私の隼人は、昔常盤貴子さんが、胃腸薬のCMで、共演していた、藤本隆宏さん、みたいな、大柄な隼人。

私は誰かなぁ?

良く患者さんに。

「お姉さんは、あの、あの、誰だったかなぁ?」

今のアイドルみたぃ事のお世辞を掛けて貰う。

隼人から見れば全て小さく見えるょ。

そんな身体のデカい隼人。


「真鈴、丸ちゃんが、来たょ、真鈴、」


丸ちゃんは患者さんとの交流が終わると、受け付けの私達のカウンターに近付いて来た。


「真鈴、チャーンス! 行け! 真鈴、」


背中押されても困るょ。 (>_<)


「おはよう、」


「丸ちゃんは、人気者、ですょね」


笑顔の丸山君。

「患者さんに、元気、貰ってる、から、」


困る…

何を話せば…

良いのか…

丸山君は。

「玉置浩二のコンサートなら、行ってくれる?」


冷やかすように、背中をツンツンとつつく、なっち。


「はい、  時間が、あれば……」

「これ、僕の、携帯番号、」

丸山君に貰ったメモには丸山君の番号が書いてあった。


私は丸山君のメモを受け取る瞬間、隼人が出て来た。


私と丸山君の一瞬を見て、睨んだ目の隼人。


これも皮肉なの?

慌ててポケットにメモを突っ込んだ。


丸山君の後ろを一瞬に通り過ぎた隼人。


確実に見てたょね?
隼人は…

そんな空気すら、周りは気づいていなぃ。

「真鈴も、ほら、丸ちゃんに、番号渡しなょ」

丸山君に渡す事より、隼人の目が、気になった。


怒ってる?

気分悪くさせた?

やきもち妬いてくれた?


「真鈴! 真鈴! 何してんのょ!」

丸山君にメモを勧めるなっち。


「あぁ、分かった…」

受け付けのメモ用紙に無意識に指だけ、指だけ、動いていた。

気持ちと目だけは、隼人の後ろ姿を、追ってた。

No.37 14/12/06 22:12
ナルシスト ( 84wJh )

隼人のあの大きな背中はドアの外に消えて行った。

あの後ろ姿に少しは私の事、何か感じてくれた?


「真鈴! 何してんのょ! 早く、早く、」


なっちに急かされながら、私のメモを渡した。


「また、連絡して、いぃ?」


丸山君が聞いて来た。


「あぁ、はぃ、お願い、します、」


丸山君は嬉しそうに私達から離れて行った。


「真鈴? なのね? あの、宮田さん、見てた?」


なっちは誤魔化せないのか?

「彼のスーツ、大きいなぁ? って」


誰にも見られない配慮のなっち。


「あの人は、既婚者だから、気をつけなょ。」


「あのスーツ、特注なのかなぁ?」


「あんなにデカい人なら、特注だょ、真鈴? 恋は叶う恋にしなょ!真鈴には、丸ちゃんがお似合いだょ。」


分かってるよ、そんな事、言われなくでも、でも恋じゃないの、愛なの、今の私は…


隼人、連絡して、今日会いに来てくれる?


少しの期待だけで、今日1日過ごせるょ。


恋なんかじゃなぃ、愛なんだから、もう止まらなぃの。


幸せな恋なら、悩まない、辛い愛なの。


隼人が合い鍵を使い、会いに来てくれる事、待ってるね。


今日は有り合わせじゃないょ。

沢山、隼人の好きな料理作って待ってるから。


アラミスをボディーソープに数滴入れて、待ってるからね。


今日は下着もお洒落して待ってる。


全て隼人に合わせる、何もかも隼人に。


だって愛してるから。


「真鈴? 聞いてる?」

「ごめん、ぼーっとしてた」

ぼーっとしてなんかいない、ただ隼人の事考えてただけ。

No.38 14/12/06 23:17
ナルシスト ( 84wJh )

お昼休みに迷う私の指先。

隼人からの連絡を待ってたのに、隼人は連絡してくれない。


スマホの手は素直なんだ、隼人の携帯に指が後押ししてくれた。


隼人を呼び出す音。


「宮田です……」


「隼人……私…」


「あれ、何なんだ? あの男なの?」


初めの隼人の口調は想像以上にきつかった。


「違うょ、…感…違がぃ…だょ…」


「ライブの男だろ?」

黙るしかなぃ。


「行って来いょ、あの男と…」


「隼人…」

私は沈黙の隼人に投げかけた。


「今日、来て、くれる? 」


「今日は接待だから、行けなぃよ。」


「ごめんなさい、待ってる、今日、待ってる」


「明日、行くよ、明日、  愛してるょ、真鈴、」


愛してるなんて言わないでょ。

あの強く叱る隼人の言葉に胸が痛くなるの。

愛されてるって、感違いしてる。


でも、信じたぃの、隼人の事。


最近!でも、違うの、多くなっちゃった。

否定語。


今日は我慢するね。

明日来てくれる楽しみ増えたから。


でも、ほら、また使ってる。

隼人を好きになれば、なる程確認しなくなる。


確認じゃなぃ、隼人の全てが知りたいだけ。


こんな言い訳の電話してる、隼人が私をどんな名前で登録してるか、知りたくなった。


隼人の全てを知れば、また、泣くんだょね。


知りたぃ、私が隼人のどんな存在なのか?


やきもちやくなら、真鈴、と登録してるょね?

もう、裸足で隼人を追いかけたくなぃの。


今でも十分傷ついてるんだから。


携帯のロックしないでね。


明日待ってる。


馬鹿な…私。

No.39 14/12/07 11:57
ナルシスト ( 84wJh )

隼人ときつい言葉に酔いしれていた。

明日が楽しみ。

いつもと違う愛情表現で隼人の胸に抱きついてあげる。


会いたい…

ただ逢いたくて…


コンビニでお弁当を買い食べていた私。


なっちが近付いて来た。

「真鈴、丸ちゃんに、今夜、電話してあげなょ、絶対丸ちゃんは、最高で真鈴には、ぴったりだょ」


「私からは…やだょ、恥ずかしいょ、勇気、ないかも、」



「真鈴はそれだから、駄目なんだょ、今の女子は、アピール、アピールだょ、真鈴は少し、アピールが足らないの!」



私を一番理解して心配してくれるなっち。


「勇気なの? アピール?」


口いっぱいに昼ご飯を頬張るなっち。


「丸山君からの、連絡待ってみるょ」


お箸で得意そうに私に話すなっち。


「私のカンだけど、必ず丸ちゃんは、真鈴に近々、連絡してくるょ、間違いなぃね!」


そうなの?

ごめんね、なっち。

待つことになれちゃったの。

丸山君の連絡より、隼人の連絡が欲しぃの。


丸山君なんてどうでもいぃの。


明日隼人に会えるの。


2人だけの秘密。

2人だけの時間。

私が狂う程好きな人は、丸山君ではないの、あの既婚者は気をつけなょ、その既婚者の隼人なの。


何もかも捨てれるの。


なっちを裏切ってるの。


こんなに、大切に思ってくれる、なっちを。


私は裏切ってるの。



「真鈴? 変な顔して、どうしたの?」


「なっち、いつもありがとう」


なっちの顔が私の胸を辛くさせた。


こんなに心配かけてるけど、なっちを裏切っても、彼を守りたぃ。


全ての人間がこの世から居なくなって欲しぃよ。


隼人と私だけ残して。

誰も傷つける事もなく、誰も傷つけなぃ。


2人だけの秘密が2人だけの時間に変わるから。

No.40 14/12/07 12:26
ナルシスト ( 84wJh )

「2人は仲いぃねぇ~」

よっちゃんが私達に近付いて来た。

よっちゃんはサンドイッチの口を空けて。


「聞いたょ、このやろう、丸ちゃんに、告られたか!幸せ者が!」


なっちは笑ってた。

やだ、なっち話したの! 違うょ、ただ番号聞かれただけだょ、なっち、お喋りなんだから!」


2人は私に顔を近づけて。

「幸せは、皆で分け合うの、わかる?」

2人の純粋な笑顔が羨ましいぃ。


もう、戻れなぃの、その純粋な笑顔に。


「で、真鈴は、どうなの! 丸ちゃん、好きになってるの?」


どちらかと言うと、よっちゃんは、興味本位。


「分からない…」

本当は分かってる…

何とも思ってなぃ事…


「よっち、真鈴には、丸ちゃんが、合ってるょね」


「私も欲しかった、丸ちゃんなら~、丸ちゃん、カッコいいもん!」

丸山君は丸ちゃんて呼ばれているけど、タレントなら、TOKIOの山口君に似てるかなぁ?

整った顔に綺麗な瞳。

笑うとあどけない顔が年輩者さんの気持ちを乙女に変える、魔法の顔をしてる。


「だから、真鈴には、丸ちゃんなんだょ、初デート、一緒に行く?」


「えっ? 初デート?」

なっちが突然話しかけた。


「うちの彼も、丸ちゃんには、負けないくらい、イケメンだし…」


「私も参加したぃょ!彼自慢のデート、悪くなぃかも…」


よっちゃんも乗る気なんだ!


「あの…待ってょ、連絡交換だけで、そんなに先の話し普通する?」


先に話を進められる事がこんなに嫌な気分は初めて。

丸山君の事…

好きじゃないのに…

デートなんてしなぃ…

私には、隼人がいる、から。


2人は微かに聞こえる私の耳で、2人だけで、盛り上がってる。


馬鹿みたぃ…

トリプルデート?

私は合い鍵デートが好きなの…

たまに2人の盛り上がってる会話に肩を叩かれた。


「うん、だょね!、そうなんだ!」

相打ちだけ合わせていた。

楽しみ、明日が…

No.41 14/12/07 14:42
ナルシスト ( 84wJh )

自慢げに彼氏の話をしている2人の会話に入れない私。


羨ましいょ。

私は入れないの、2人の自慢話に。


入りたぃ、私の隼人は、こんなに優しいんだょ。


彼の好きな食べ物はこれで、私
の好きな広い背中は私の物だって。


2人は美味しそうに食べるお昼ご飯は、私が口にする味は違ってた。


「あっ、真鈴、丸ちゃんから、連絡来たら、教えてょ~このやろう~」


「そうだね…」



「嬉しくないの?」


「丸山君の気持ちは、嬉しぃょ。」

それ以上はなぃ以下はある、複雑な気持ち。

丸山君は沢山狙ってるスタッフがいる事知ってる。



人気あるのょね、丸山君は。


毎日見る丸山君と違い、隼人は遠慮しながら、病院を素通りする。


そんな配慮する、一瞬の隼人に、愛してしまった私。


2人の仲良い会話に、冷静な私がいた。


夕方の1時間前から患者さんが診察券ボックスを我先に待機している。

季節によれば子供の数がちらほら。


電気とカーテンを開けば一斉に診察券ボックスが吸い込まれていく。


事務的にそれをこなしながら、黙々と仕事にかかる。

仕事の忙しさだけが、今の私の見えない見方。


病院にも沢山の物語がある。


出会いがあれば、悲しい別れもある。

悲しぃ別れの瞬間も沢山見て来た、私の形のある未来なんて、しがみつきたくはなぃ。

今はその形をかんがえなぃょ。


明日待てば隼人に会える。

毎日見る丸山君より、遠慮して通過する、隼人に舞い上がってる。

隼人…

合い鍵をテーブルに置き、あなたから離れて行くまで私は離れなぃ。


離れられなぃのょ、私は…

No.42 14/12/07 16:14
ナルシスト ( 84wJh )

丸山君から貰った携帯番号の紙。

分からないように、登録した。


丸山君なんて入れない、「丸ちゃん」


これも私からの愛情なんだょ。


丸山君じゃなくて、丸ちゃん、なら男性だと分からなぃょね。

丸山君なんてどうでも良かった。


「すいません、保険証お願いします~」

患者さんから受け取る手の温もりを感じた。



あのけたたましく降り続けた梅雨もあけ、あの綺麗に私を癒やしてくれた、紫陽花の花の命も終わっちゃった。


今は微かに聞こえる蝉の声に、益々私の情熱は、夏の季節に似合って来た。


汗の季節に、本当なら、毎年ChoIoe’の香水を少し香にしてたけど、今年から、ARAMISに変えちゃう。


隼人と同じ香りのARAMIS。


ARAMISが隼人をいつも一緒だょって感じさせてくれるから。


男性香水なんて興味なかったわ。


隼人のお陰でARAMISを知ったの。


大好きな隼人のARAMIS。


匂いがキツいから、ほんの少しだけ、毎日会えるょ、隼人に。


帰り道に少し離れたデパートに隼人の匂いを買いに行くね。


今日はそれだけで幸せな気分。

益々混み合って来た、病院内、季節の変わり目は、お年寄りや子供達の体調を崩す時期。


子供が待合室で泣き出した。


「だぃじょうですか?」


さり気なく声を掛けている丸山君。


子供の目線まで下がり、子供に優しく話す丸山君。


人気がある事は私も知ってる。


丸山君が隼人と重なるのは何故?


お昼休みに隼人が妬いてくれたから?


丸山君の姿も少し胸が痛かった。


好きなんじゃなぃの、丸山君の存在が嫌なのかなぁ?

No.43 14/12/07 17:16
ナルシスト ( 84wJh )

「お先に~」

私は直ぐに着替えて社員専用扉を開き一気に駆け出した。


隼人に逢いたくて…

今から行くから…

隼人の匂いの…

早く会いたい、隼人の香りの、ARAMISに。

何もかんがえなぃ、ただ彼の匂いが好きなだけ。

デパートに向かう足は速かった。


「すいません、ARAMIS、ありますか?」

手渡されたARAMISの箱は金色に光りARAMISと書いてあった。

私のつけていた香水より遥かに高い。


こんな香水なんだ…

お洒落な隼人…

「すいません、この香水って、人気あるんですか?」

そう、隼人の全てを知りたくて、定員さんに訪ねてみた。


「ARAMISファンは多いですょ、もう、古い香水ですが、お洒落な方は、今も沢山いますょ」


やっぱり私の隼人はお洒落なんだ!


「ありがとうございました!」

たかが香水だけなのに…

隼人とまた近づけた気分になれた。

商品を受け取れた私の胸は隼人と逢ってる気分になれた。


胸にしっかり包んだ香水の箱、隼人に抱きしめられる気持ちにさせてくれた。


広く大きな背中に私は包まれている。

嬉し過ぎて涙がこぼれた。

携帯のlineの音がした。


「♪♪♪」


「丸山君?」

「僕、丸山、仕事お疲れ (^_-)-☆」

スタンプ入りで。


「お疲れ!」


登録した。

「今、空いてる? (^.^)」

少し戸惑った…

さっきの興奮が一気に冷めた…

既読されているから、返事しないと、いけたいのか?

どうしょう?

私は立ち止まり、デパートの、ショーウィンドウの、硝子の前で、立ち止まってた。

綺麗なマネキンが今年の流行なファッションを着ている、ショーウィンドウの前で。


丸山君のlineの返事に困り、1人立ち止まってた。

No.44 14/12/07 20:02
ナルシスト ( 84wJh )

ショーウィンドウに私の姿、両手でARAMISの小さな紙袋を持ち、スマホをつ姿。


「今◯◯デパートにいます」


lineに送った。

すぐ既読になった。

「30分したら、行ける、待ってて、!(^^)!」


それって、会いに来るの? 丸山君…

男性香水の紙袋なんてバレバレ。


でもバレれば隼人だと言わなきゃいぃんだ!


可愛い洋服のショーウィンドウが私と隼人がデートしている妄想を描いていた。


今は1人で映ってるけど、私の隣りに隼人がいる。


真鈴には、この服が似合うょ。

隼人お洒落だから、隼人のお勧めにするね。


硝子越に妄想デートをしていた。


「ごめんね、真鈴ちゃん!」


駆け足で必死に走って来たのか?

丸山君の息は夏の暑さと、走って疲れた息が荒かった。

「びっくりさせた? 突然のline?」

さっきまで妄想デートしてた相手が変わってた。


「大丈夫だょ、丸山君、凄い汗だょ」


汗を手で拭く丸山君。

「待たせたね、ごめんね、」

本当は待ってなんていない、ただ妄想に浸ってた。

荷物を見た丸山君は私に問いかける事もなかった。

どう見ても男性用の紙袋なのに。


「今日は、真鈴ちゃんと、初めてのデートかなぁ?」


私の前を円を描くように、回る丸山君。

デートなんて思えない、デートの相手は、隼人なの。

「真鈴ちゃんと、会えるのは、運命だね!」


患者さんに優しく接するその笑顔は、疲れていても、私に労ってくれてる、笑顔なんだょね、だから丸山君は人気者なんだょ。



「真鈴お嬢様、どこ行く?」

笑顔の丸山君の問いかけに、ときめかない私の心がそこにいた。

No.45 14/12/07 20:26
ナルシスト ( 84wJh )

丸山君と歩く私。


丸山君は私に沢山話しかけてくれた。

「真鈴ちゃんは、何が好き?」

「最近どんな事に興味ある?」

「あっ、そうだ!映画か~カラオケ、どっちが好き?」


丸山君の言葉や行動を見ていたら、無性に隼人に逢いたくなる。

丸山君は隼人なら…

少しは、もっと密着して、ラブラブに街を歩いてた。


丸山君の後ろを歩くだけの私。


丸ちゃん、ごめんね、私の好きな後ろ姿は、丸ちゃんじゃないの!


あの広くて私より、ずっと、ずっと、大きな隼人の後ろ姿なの。


「真鈴ちゃん! ここのお店、入ろうか!」


疲れてる筈の丸山君は元気いっぱいで、なんでもある居酒屋に指を指した。


「 好き嫌いなる?」


「何でも食べられるょ」

作り笑いで返した。

最近作り笑いが出来るの。


隼人と知り合ってから。


「よっしゃ! じゃあ、ここに入ろうか!」

丸山君と私は吸い込まれて行くように居酒屋さんの入り口に入った。


「真鈴ちゃん!足元気をつけてよ!」

年輩者さんに人気あるだけ、人にも配慮出来る丸山君。


周りから見れば、今風のカップルなんだろうね。


私が道で大声上げた、カップルみたいに。


店員さんに誘導され、2人は席についた。


「真鈴ちゃんの好きな物、注文して!」


先にメニューを渡してくれた丸山君。


私は何でもいぃの。

本当は帰りたかった。

帰って隼人が付けているARAMISを見たかった。


どうしたの?

不思議そうに私を心配して見る丸山君。


お願い!

1人になりたい…

今はそれだけ…

line無視すれば良かった…


ごめんね、丸山君。


私やっぱり隼人がいぃの…

No.46 14/12/07 23:53
ナルシスト ( 84wJh )

「真鈴ちゃん、何飲む?」 

優しい笑顔の丸山君。

「丸山君と、同じ…」

「明日は仕事だから、今日はセーブ!」(^_-)-☆

何故そんなに楽しそうなの?

何故丸山君はそんなに優しいの?


私は敢えて…ARAMISの紙袋を横に置いた。


「懐かしいなぁ!今は女子も使うらしぃね。」


「本当に?」

知らなかった…珍しく…なぃんだょ?」


「真鈴ちゃんがARAMISなんて以外かも?」

「……」

「あっ、ごめんね、すいません、まずは生ビールだね、いい?」

隼人と比べてしまう…

出逢いが選べるなら…

なっちの言葉…

真鈴には、丸ちゃんが、お似合いだょ。


その言葉が脳裏を走った。

定員さんに適当に注文する丸山君。

「でさぁ、真鈴ちゃんに、好きな人居るの?」

その丸山君の優しい笑顔にまた嘘つきになる私がいた。


丸山君の笑顔に負けたのか?


「居ないって…言うか…片思い中、なの」

「あら、僕は、待った!入れれる隙間get出来るんだ!」

1人で盛り上がってる丸山君



生ビールが運ばれて来た。

「真鈴ちゃんと初めての運命に乾杯!」

運命の人と出逢う事が出来なかった。

ただ丸山君の明るさは癒やしてくれた。

「あのさぁ、この間、あの薬品会社の男、真鈴ちゃんの事、見てたょ、あの既婚者には、気をつけなょ、」

「どう言う意味なの?」

「看護師の花田さん、お持ち帰りの噂」

私のジョツキの手に力が入ってた。


「本当に?」

「噂、噂、あくまでの、噂話し、気にしないで、のもうょ!」

気になるょ、お願い! その話し詳しく聞きたい。

それから丸山君は、その話しの話題を変えた。

「丸山君、暇だから、真鈴さんと、これから、沢山思い出作りしなぃ?」

「そう、2人の思い出作り、旅行したり、楽しい事を増やせない?」

旅行なんて隼人と行った事もない。

丸山君は私をどういう関係になりたいの?

私は合い鍵の生活しか、分からない自分。


「たべようぜ!真鈴ちゃん、沢山食べてね、」

(*^^*)

丸山君の笑顔に作り笑いするだけの私。

No.47 14/12/08 09:18
ナルシスト ( 84wJh )

「真鈴ちゃん、これ、どうぞ!」 (o´∀`)b

小皿に私の食べれるように取り分けてくれた丸山君。

一生懸命に私の為に、嬉しい顔で、お皿に入れてくれた。

「真鈴ちゃん、沢山たべろょ!」

私は丸山君に女性らしく出来なかった。

「夏は食欲低下するけどね、生野菜は身体を冷やすんだょ、温かい物がいぃんだょ」

必死に身体の事を話題にする丸山君。


「うん、ありがとう…」

「真鈴ちゃんは何か好物?」


とっさに聞かれた質問に。

「私ね、自分で作るキューリのQちゃんが好きなの…」


私の好物じゃなぃ。

隼人の好物…

花田さんの話が聞きたかった。


本当なの?

なんで!

お持ち帰りって、どう言う意味なの?


丸山君との今の言葉で、もっと冷めてしまった。


「さっきの…話し…」

丸山君は黙々と注文した料理を口にしていた。


「えっ? さっきの話しって、何だったかなぁ?」


私が一番聞きたい話を意識して話していないのか?

もう忘れている。

再度聞こうか、聞いては疑われないか?

少し迷った。


「その花田って、今もそんな男性と、付き合ってるの?だらしなぃ男性だね」

こう切り返せば疑われないか?


「噂話しだけ、僕もはっきり知らないし、興味ないからさ!」

丸山君の情報は期待出来なかった。



「真鈴ちゃん、またたまに、デートしてくれる?」


今日だけでも隼人を裏切ってると罪悪感だらけなのに…

「またね…」


「よっしゃ!ありがとう」(^∇^)

嬉しそうに笑う丸山君


ごめんなさい。

隼人に逢いたい。

花田って誰なの?

ムカつく。

私の隼人なんだから…

空気読めない丸山君は。

「真鈴ちゃん、これ、馬鹿うま!」

帰りたい…

花田…

丸山君に会わなきゃよかった。

また落ち込む…

辛い…

No.48 14/12/08 13:55
ナルシスト ( 84wJh )

「真鈴ちゃんの手作りのQちゃん、食べたぃなぁ?」(^.^)

丸山君、勘違いしなぃでよ!

Qちゃんは隼人が好きだから作るの!

隼人以外作ってあげなぃ!

「また…機会が、あれば、だけど、」


「僕は市販のQちゃん、好きだょ、作れるんだ…真鈴ちゃん、Qちゃん、食べたぃなぁ?」


「凄く、すごく、簡単だょ、今度レシピ、書いてくるね」

私の顔をじっと見つめて笑う丸山君


「真鈴ちゃんの手作りが食べたぃよ」

それは、無理、隼人しか、作らなぃの。

隼人がいつも「真鈴のQちゃん、馬鹿うま!」

隼人の口に入る物は他の人には作らなぃ。

余計な話ししちゃった…

2人だけの時間の話を丸山君に話してしまった。

隼人に叱られるょ。


他の男性とあって、2人の時間の話までしてしまった。

あの電話のキツい口調の隼人の声。

会ってるなんて言ったら、必ず合い鍵はテーブルに置き、さよなら、無言で私から離れる隼人の姿を想像していた。


「真鈴ちゃん、どうしたの? 食べなぃの?」

心配そうに私を見る丸山君。

でも笑顔だけは心配の裏でかくれんぼ。


「すいませ~ん!酎ハイライム多め!真鈴ちゃんは?」

ジョッキをあげながらさりげなく笑う丸山君。


(^ー^) 「真鈴ちゃん、飲まなぃ?」


丸山君は何故そんなに優しいの?


笑顔もいっぱいで私を包んでくれてる。


楽しい筈の丸山君との食事、楽しい筈が悲しぃの、全く楽しくなぃの。

だって丸山君の笑顔や優しいさに時めかなぃの

私のハートに…

No.49 14/12/08 17:52
ナルシスト ( 84wJh )

「あっ、もうこんな、時間だょ、早く帰らなぃと…」

少し丸山君を急かしてみた。

「大丈夫だから、僕が真鈴ちゃんちまで、必ず送るよ」

(^∇^)(^∇^)

要らない、私は1人で帰るから。

「ん~じゃあ、この1杯でお開きにしょうか?」


「明日、仕事だしね、今日はありがとう」

半分くらい呑んだ丸山君のジョッキ。

私はビール後2口。

「真鈴ちゃんの自宅まで送るょ、心配だから」


手を横に振った。

「大丈夫だょ、1人で帰れるから」

時計が気になった。

もしかしたら、接待の帰り、居ないか?

自分がいかに悪い事をしているみたぃ、既婚者なのに別の男性と密会している気分。


隼人の時計を見るのはそれなのかなぁ?


早く帰りたい…

「じゃあ、行こうか!」

丸山君が会計の伝票を持ち立ち上がった。


私の焦りが丸山君に通じたのか?

「私も、お金出させて…」


丸山君が私にくるりと振り向いた。


「真鈴ちゃん、僕、ポッピングシャワーが好きなんだょ、ご馳走してくれる?」


「アイスクリーム?」

「あれ、好きなんだょ、オゴチになります」

とくるりと周り会計を済ませた。


TOKIOの山口君に似たイケメンの丸山君は、居酒屋で少し女の子がチラ見するくらいの存在。


彼女なら、ほら、私の彼氏男前でしょう!


羨ましいでしょう!

自慢出来るんだけど、私の彼は大きく、甘い顔じゃなぃ。

あの隼人に似た俳優さんも、昔はオリンピックの選手だったくらい、隼人と似ている体格。

何もかも全て丸山君とは正反対


丸山君は今のイケメン。

隼人は渋い顔立ち。

隼人の背中と丸山君の背中の広さは全く違ってた。


優しい後ろ姿の丸山君。


ごめんね、


その後ろ姿に時めかない。

No.50 14/12/08 19:03
ナルシスト ( 84wJh )

少しだけ丸山君の後を歩いた。

丸山君が別の世界でこんなに女性にチラ見されるなんて思わなかった。


「暑い時期は、アイスだね!」o(^▽^)o

少しほろ酔いの明るい丸山君。


「真鈴ちゃん、約束したょ、おゴチ」

左の小指を立て明るい丸山君。


「真鈴ちゃんは僕が家まで送るから~」


「大丈夫だから、では、またね~」

私はARAMISの紙袋を抱えながら走った。

付いて来ないで…

少し早めに走った。

ごめんね、丸山君


隼人が来ているかも知れない。

隼人に逢いたい、あまり掛けない夜の連絡。

走りながら、携帯のボタンは、隼人の先に向かってた。


電源が…

切れている…

隼人は、接待だから、連絡取れない。

早く帰って彼の匂いを私の部屋に残していきたい。

私と隼人しかしらない、私達の秘密の部屋と、隼人しか入れなぃ、私の部屋の合い鍵。


丸山君と会えば何故隼人が恋しくなるのか?


私は何故不安にあるのか?


期待と不安で帰る部屋の鍵は皮肉な事に全て悲しみに変わった。


「期待して、馬鹿みたぃ。」

紙袋をテーブルに置き、泣き笑い、しか出来なかったょ。

「隼人……」

部屋には現実の私が立っていた。


1人暮らしの殺風景な私の部屋。


そーっと紙袋を開けて!隼人の匂いの箱を空けた。

ゴールドに光る香水のフタ。

ワンプッシュしただけなのに。

隼人がそこにいるような香水の香りが私の心を癒やしてくれた。

「隼人…なんだ…」

その香水だけで嬉しかった。


今は来れなぃけど、明日来てくれる、隼人。

香水を抱きしめ今夜は寝よう。

「あっ、ボデーソープだった!」

無香料のボデーソープに2滴落とし、ボトルをシャカシャカ振ってみた。

「隼人の出来上がりっと!」

少し幸せだった。

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