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短編小説

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秋子( yuBCh )
13/11/14 09:45(更新日時)

短編小説です

13/10/13 23:30 追記
秋子です…
懲りもせずまたゆっくり更新していきたいと思います

ひまつぶしに読んでいただけると嬉しいです

m(__)m

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No.2012958 13/10/13 22:07(スレ作成日時)

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No.1 13/10/13 22:14
秋子 ( yuBCh )

午後1時10分


予定の時刻をわざと遅らせて、指定のS駅に着いた


小さい駅のわりに、多くの人達で入り口は混雑していたが

自販機の横に一人の女がぽつんと立っている


女は駅の中を見ていたが、赤い傘をくるんと回して正面を向いた


その顔は昨日のライン写メの女に間違いないと男は確信し

緊張しながら、ロータリーを一周して有料駐車場へ入り車を止めた


そして隣の車の窓硝子越しから小さく映る女を少し眺めて

意を決して、電話をかけた…

No.2 13/10/13 22:19
秋子 ( yuBCh )

やがて、赤い傘がゆっくり近付いてきた


カールの長い髪が左右に揺れ、服の上から華奢な肩のラインが見える

趣味じゃない女なら、知らない振りをして帰ろう

そう思っていたのだが

雨に濡れた助手席の窓を開けて女の顔が現れた時は

予想以上にいい女だった事に驚いてしまった

「…静香さんですか?」

「…はい、圭一さん?」

「そうです、とうぞ…」

女は傘を萎めて乗り込んだ

「雨の中を待たせてしまって…」

「いえ…私も今来たばかりでしたので」


「何処かで…お茶でも飲みます?…」

そう話しかけ女と目をあわせようとするが

「……」

静香はなにも言わず視線を避けるように下を向いた

No.3 13/10/13 22:24
秋子 ( yuBCh )

「…なにか食べます?」


「…いえ…ホテルへ行って下さい」

静香は、まるでタクシーの運転手に指示するかのごとく

余計なことは言わず平然とそう言った

男は車を走らせた…


男の名前は
白井圭一…30歳、独身

No.4 13/10/13 22:27
秋子 ( yuBCh )


いきなりホテルとはさすがに驚いた…

それは昨日の夜…

絵や文字の描けるアプリで、ほんの悪ふざけて書き込みをした

丸文字の若い女が殆どだったが、どこの誰ともわからない女との会話は

理性の欠片もなく、本性まるだしだった


圭一が下心見え見えだと知ると

カス!

ヘンタイ!

等と殴り書きして女たちは消えていった


当たり前だ、こんな所で男と女の純粋な関係を求める方がどうかしてるだろ…

そんな中で、一人の女がこう書き込んだ


「お金が欲しい…」と…

No.5 13/10/13 22:31
秋子 ( yuBCh )

女の年齢は28歳、名前は静香といった

それが、本当か嘘かなんて、どうでもいい事だった

ただ、こんな場所で、金で身を売ろうなどと言う女の顔が見たいと圭一は思った

「…で?いくら欲しいの?」

我ながらおぞましいと思いながらも異様な興奮が止まらず書き込んだ

「…3万…いえ、2万でもいいです」

値段の基準などは知らなかったが、意外に安いと思ったのは

高校生ならともかく、28歳に高値はつけられないと

女がそう自分に値段をつけたのだろうか?

話しは、商談のように他人事のように淡々と決まり

ラインで写メまで交換するに至った…

No.6 13/10/13 22:38
秋子 ( yuBCh )

朝になった

目が覚めると、いつもの平静で少し臆病な自分に戻っていた

まさか、嘘だろう、冗談だよな


そう思い始めていた…


だが…

予定通り静香と名乗る女は現れ

今こうして圭一の隣で息づかいさえ聞こえてきそうな至近距離に座っている

雨は激しくなっていた



静香は終始無言だが


どこの馬の骨とも分からない男にこれから抱かれようとしていることを

どう思っているのだろう

金で身を売ることに慣れているのか、その態度は落ち着いていて

いい度胸だと圭一は思った


車はホテルへついた

No.7 13/10/13 22:41
秋子 ( yuBCh )

フロントへ行き無難な部屋を選ぶと鍵を持って部屋へ向かった

中へ入ると、静香は白鳥が羽を広げているような

ゴージャスなソファーにバックを置き


「先にシャワーへ入りますか?」

まるで、秘書が社長にスケジュールを尋ねるように圭一に聞いた

No.8 13/10/13 22:44
秋子 ( yuBCh )

だが圭一はそれにはなにもこたえず


静香を上から下までゆっくり眺めた

薄いオレンジ系のチュニックから盛り上がる胸

細く白いジーンズに高めのパンプス…

きめ細かい肌と吸い込まれそうな大きい瞳


冗談半分のはずだったが…


圭一は、静香を思わず抱き締めていた

No.9 13/10/13 22:52
秋子 ( yuBCh )

「…いいの?」

圭一は静香の耳にそう呟いた


「なにが?」


「…こんな綺麗な人を俺なんかが、抱いてもいいのかと、思ってさ…」

「……」

静香の体は人形のように細く、髪の毛は少し湿って、雨の匂いがした

静香は、両手を圭一の首に回しいきなり唇を重ねてきた

舌がねっとり絡みついてくる

久しぶりに女と情を交わす圭一を夢中にさせるには

それだけで充分すぎた…

「…たっぷり、酔わせてあげる…」

女神のような静香の言葉が耳元に響き

圭一は恍惚の世界へ引き込まれて行った

No.10 13/10/13 23:06
秋子 ( yuBCh )





すべてが、終わった




「……」

方針状態の圭一に静香が言う

「…圭一さん、また逢ってくれない?…いいの、お金なんか要らないわ…圭一さん…」


「…もう、今日で終わりにしよう…」


「……どうして?…私のどこが悪かったの?言って!…教えて…お願い」


「…だって…キミは…」


「…なに?」


「…だってキミは…」


「…?」




「…男だろ!!」



No.11 13/10/21 01:20
秋子 ( yuBCh )

完璧な女

No.12 13/10/21 01:23
秋子 ( yuBCh )

岡田久美子 35歳 主婦

結婚して10年

平凡だが、ごく幸せな毎日を過ごしていた


「ママ、昨日さぁ…トモっちの家で食べたエクレア…美味しかったよねー」

助手席に座る小学5年生の娘が意味ありげに言う

「…え?あぁ…そうね、皮がパリパリで中に生クリームたっぷりだったよね………だからなに?」


「…あのエクレアが待ってたら、スイミング頑張れそうなんだけどなぁー」


「…美紀さぁ…水泳教室行きたいって言ったのはあなたでしょ?ママが頼んだ訳じゃないわよ…行きたくないなら止めたら?…月、5000円浮くわね…」


「…止めたいなんて言ってないわよ!…ママのケチ」


「…ケチじゃないわよ、必要ないものにお金をかけたくないだけよ」


「…ちゃんとスイミング頑張るから…エクレアお願い…美人でしっかり者のママー」


「…また上手い事言って」

「…みんな言うよ、ママは美人でスタイルもいいし、女優みたいだって…まじ、羨ましがられてるよー」


「…まったく、しょうがない子ね、いいわパパは出張でいないから、今夜のオカズは有るもので済ませて…エクレア買って来てあげる」


「…パパ?…出張?」


「…ええ…そうよ…言ってなかったかしら?…あそこのケーキ屋さん、遠いけど、スイミング終わるまでには戻るから」


「…うん」

美紀は水泳教室の前で降り、久美子に手を振っている

No.13 13/10/21 01:26
秋子 ( yuBCh )

まだ6時だが、日暮れがめっきり早くなったようだ

普段は滅多に行く事もない隣町のケーキ屋へ久美子は向かった


そのお店は和菓子の老舗で代替わりしてからは、ケーキも売るようになったらしい

店の奥には新しくカフェもできたとかで、今度行ってみようとママ友とも話していた

そんな興味津々なケーキ屋に到着し、駐車場に車を止めると

灯りのついたお洒落なカフェは、会社帰りの若い女達やカップルで賑わっている様子が

ほんやり浮かび上がって見えていた

No.14 13/10/21 01:30
秋子 ( yuBCh )

中はどんなだろう、ウキウキしながら

その横を何気なく通りすぎ、お店の入口へ行こうとした時

久美子はハッとして立ち止まった

カップルの男の背広が、今朝着て出たかけた夫康夫の背広と似ていたからだ

同じような背広は何処にでもあるだろうが

思わず振りかえって見た


え?


似ている…


もう一度回り込み車に戻り

その男の横顔をよく見た…

No.15 13/10/21 01:32
秋子 ( yuBCh )

ァッ…

嘘!

康夫だ…


10年以上もそばにいた夫を見間違えるはずはない


だが、いつもとは違う康夫がここにいて知らない女と逢っている…

目を疑った…


茫然として、訳がわからないまま見続けた


何故?

どうして?

なにをしているの?

出張へ行くと言ったのは嘘だったの?

誰?

その人は誰?


体がワナワナと震え出し、車に乗り込みハンドルにしがみついた

何故?何故?何故?

嘘でしょ?嘘でしょ?

気が遠くなって行く…

No.16 13/10/21 01:35
秋子 ( yuBCh )

不倫?

頭の中をひび割るように、汚らわしいその文字が駆け巡った



嘘ついて…!

出張だなんて嘘ついて…!

酷い!

私を裏切っていたの?

酷すぎる!

涙が流れ落ちた


夢でもみているのだろうか?

だがこれは現実だった…

No.17 13/10/21 01:40
秋子 ( yuBCh )

ゆっくりもう一度顔をあげると、窓際で向き合っていたはずの二人が居ない

客の居ないテーブルを片付けているのだろうかウェイトの姿だけが動いている


どこ?

どこへ行ったの?



ハッ

二人は久美子の車の前を腕を組み平然と通りすぎて行く


私の車にも気づかないほど、この女に夢中だというのだろうか?

夫のあの優しい笑顔…

イヤよ!

私以外の人にそんな微笑みを向けないで!!

No.18 13/10/21 01:42
秋子 ( yuBCh )

私になんの不満があるの?

家事も育児もキチンとこなしてきたし

そうよ、家を新築するんでしよ?

頭金をせっせと貯めて頑張ってるのよ!

私たちこれからでしよう?

こんなに頑張ってきたのに

なんで?

女は、長い髪で顔がよく見えない


気が狂いそうだ…

外へ飛び出して、その醜態を暴いてやりたかった

だが

まだ、何かのまちがいであって欲しいと

心のなかの壊れそうな宝物を必死に抱えていた

No.19 13/10/21 01:48
秋子 ( yuBCh )

震えながら、涙で滲む目を凝らして二人を追った

ある車の前で立ち止まり、運転席に女が乗りこんだ

女の車なのだろうか?

康夫は助手席に乗り、慣れた手つきでシートベルトを締め顔の角度は女から離れない

涙がまた一筋流れた…

ヘッドライトが点灯し車は動き出した…


駐車場からエンジンの音を立て左折して行った

No.20 13/10/21 01:52
秋子 ( yuBCh )


震える手でハンドルを固く握りながら、久美子は夢中で車のあとを追った

何処へ行くの?…

あなた

行かないで

戻って来て

いい夫、いい父親でいて

お願いだから

喉の奥から唸るような泣き声がやがて大きくなってくる

また左折

ずっと進む


やがて、右折…

何処をどう走っているのだろう

私は何をしているのだろう

涙が乾いた頃

ある家の前で車は止まった

No.21 13/10/21 01:58
秋子 ( yuBCh )

気づかれないように、その車のずっと出前で止まり

ライトとエンジンも切った

二人は手を繋ぎ家の中へ入って行った

女の家だろうか?


暗い部屋に灯りがついた


女は独身者か?


それとも、既婚者で夫は留守なのだろうか?


子供はいないのだろうか?


これから何をするの?!


嫌!!

止めて止めて!

お願いだから…

久美子は車から降りて

無意識にその家のインターホンを押していた!


「はーい」

女の声だ…

ドキン!ドキン!

謝るなら、許そう

たった一度の過ちなら美紀のために許そう…

そう思っていた



ドキン!ドキン!

No.22 13/10/21 02:07
秋子 ( yuBCh )

ガチャ…

「…どちら様ですか?」

女の顔があった

見覚えはない

どちらかというと地味な感じの顔立ちだった

「…私、康夫の…岡田康夫の妻です!」

強い口調になっていた


「…え?…」

女は驚いたようだ、当たり前だ不倫相手の妻がいきなり現れたのだから

「…人の旦那と不倫して、どういうつもりなの?!…あなた!あなた!出て来て!」

大声を張上げていた

もう嫉妬に狂い罵声を浴びせる醜い女に成り下がろうが、かまわない


自分と美紀の所に戻ってほしい、康夫はそれほど大事な人なのだ


目の前に康夫が現れ

「…く…久美子ッ…」

驚き固まる顔があった…

No.23 13/10/21 02:12
秋子 ( yuBCh )

その時

「ママー」

後ろから久美子を呼ぶ美紀の声がする

振り返ると美紀と母が立っている

「…ママ、帰ろう」

「……」

美紀は、ぼんやり立ち尽くす久美子の手を引いた


「…康夫さん、いつもすまないね…まだ離婚したことが受け入れられないみたいで…病院に行って薬も飲んでいるんだけど…美紀が、またママが変だって言うから来てみたのよ」


「…いえ、いいです気にしないで下さい」


康夫は項垂れて久美子を見守っている

No.24 13/10/21 02:23
秋子 ( yuBCh )

「…ママ、ここはパパの家なの、この人はパパのお嫁さんなの、分かるよね」


「…あ、そう…」

「…ママ、もうここへ来たらダメだよわかった?」


「…わかった…」


「…まったくどっちが母親なんだか…じゃ失礼します」


久美子の母が申し訳なさそうに二人に頭を下げ玄関を閉めると

カチャリと内鍵がかかった…


久美子と美紀が手を繋いで歩く…


「…ねぇ美紀」

「…なにママ」

「パパの奥さんとママ、どっちが美人?」

「…ママに決まってるじゃない…」


「…やっぱりねぇ、でも…どうしてパパはあの女の人の所へいっちゃったのかな?」


「…さぁどうしてだろうね…美紀にはわかんないよ…」

「…ふーん…」




No.25 13/10/22 23:58
秋子 ( yuBCh )

猿を飼う女

No.26 13/10/23 00:02
秋子 ( yuBCh )

夜…

三番目の娘(8ヶ月)に添い寝をしていると、その可愛い口から乳首がツルンと離れた

ああ、やっと寝てくれた

その隣に長男5歳、次男3歳もすでに夢の中にいてピクリとも動かない

やれやれこれで自分も眠れる…

家事や育児から解放され、優子にとって一番ほっとする時間だった


鈴木 優子 33歳 主婦

No.27 13/10/23 00:06
秋子 ( yuBCh )

………

「おい、寝たか?」



後ろから夫の孝介が囁く…

優子の肩に顎を乗せ、子供たちが寝たのを

覗き込んで確認している


一番厄介な奴が起きていたと優子は思った…


「…ねぇ今日はやめようよ、もう眠くて」

だが孝介は優子の布団を捲し上げると

容赦なくパジャマのズボンとパンツを一気に脱がせた


「目がさめるような気持ちいい事してあげるからー♪」

孝介はヤル気満々にそう言った

…昨日もしたのにまた?優子は半泣きだった

No.28 13/10/23 00:09
秋子 ( yuBCh )

孝介のエッチはとにかく時間がかかる


キスから始まり、首、胸、腹、太もも、足の先まで舐め回し

やっと目標地点のあの部分に到達する頃には

優子は完全に寝りこけていた


やがて孝介は優子の両足を広げて肩にかける

揺さぶられるその振動で優子は嫌でも目が覚める

そして局部を両指で広げると

「…おぉーオレの観音さま~~」


などと訳のわからないセリフを小声で言い…

また舐め始める…

No.29 13/10/23 00:13
秋子 ( yuBCh )

ヌルヌル感はあるが、セックスより今は睡魔の方がはるかに魅力的だ


挿入が始まった

優子は流石に目を覚まし

「…パパ、ゴムつけて!」

そう小さい声で叫ぶ


「…おう」

孝介はそびえ立つ天狗の鼻を恥じらいもなく揺らしタンスの引き出しを開けた

「あれ?お前買ってねぇの?もうないよ1個も…」

暗闇の中で孝介は落ち込みながらそう言った

「…生は嫌よ…子供は四人もいらないわ…」


「…じゃなんで買っといてくんねぇの?ネットでいくらでも買えるだろうが…」

…あんたが使うもんでしょ?なんで私が買わなきゃならないのよ.!

喉まで出かかった言葉だがグッと飲み込んだ…

No.30 13/10/23 00:24
秋子 ( yuBCh )

「…まぁいいや!生でするしかないっしョ、中で出さないからねッ!」

そう勝手に決めると孝介はまた挿入し始めた

とにかくどうでもいいから早く終わって欲しかった


孝介は腰を振り始めた

イチ・二・サン・優子は数え始めた

4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15・・…25…

数え切れなくなった…


「あーッ、あーッ、いくうッうッうッうッ」


「…パパ、抜いて!抜いて!…」


「…あっ…はーーーーッ」


孝介は右手でモノを押さえながら優子に左手でしがみついた

No.31 13/10/23 00:31
秋子 ( yuBCh )

やっと終わった


だけど…

なにこのお腹の生ぬるい感覚は?

起き上がると

「…ごめん、はみ出したみたい」

未知の生物が優子の腹の上で泳いでいる


…この下手くそッ!!



イラッとしながらあわてて風呂場へ駆け込む

シャワーで流し終えて布団に戻ると孝介はグーグーイビキをかいて

すでに爆睡していた…

時計は午前一時になろうとしていた

No.32 13/10/24 23:09
秋子 ( yuBCh )

やれやれ、とにかく寝よう

目を閉じるとスーっと吸い込まれるように眠りに落ちた


夢を見ていた

…砂浜で子供達と遊んでいた

いい天気だ

波を追いかけ、追いかけられ

裸足ではしゃぐ子供達


そこに突然 猿が表れた

猿は赤いお尻をパンパン叩き キッキッキッ、キッキッと鳴きながら

子供達を追いかける

その猿の顔が孝介にそっくりだ

猿に驚いて二男が転んで、泣き出した

No.33 13/10/24 23:11
秋子 ( yuBCh )

「ママーママー」

夢のわりに随分リアルな泣き声だなぁと思った

気がつくと、夢じゃなくてほんとに二男が泣いていた

「…どしたの?」

眠い目を薄く開けながら聞くと


「お尻が濡れて、つめたいよ ウッウッ…」


どうやら洩らしたらしい

「…泣かなくていいから、オネショシート敷いてるから大丈夫、大丈夫」

そう言うと

開けたくない目を無理やり開けて起き上がり、新しいパンツを履かせた

「…おいで」

二男を抱いて布団に入った…

少し窮屈だったが、そのあとは記憶がない

No.34 13/10/24 23:15
秋子 ( yuBCh )

ピピ ピピ

目覚ましがなっている

寝たばかりのような気がするが、朝がきた

もう少し寝たいが、子供達が起きたらもう戦争だ

目を覚ます前に孝介の弁当だけでも作ってしまおう

みんながでかけて、娘と二人になったら一眠りできる

少しでも早く家事を終わらせてしまおう

優子はそっと布団を、這い出た

No.35 13/10/24 23:20
秋子 ( yuBCh )

夫の孝介は、30歳

父親の営む工務店で、大工をしている


孝介は優子の弟と同級生で、顔だけはお互い昔から知ってはいたが

まさか結婚する事になるなんて、運命とは摩可不思議なものだ


弁当を作り終えると長男二男が次々起きてきた

トイレは満員になり、用を足した息子達はパンツも履かずにワーワー走り出した

身の危険を感じて三番目の娘は、ベビーベットへ避難させる

この騒ぎのなかでも寝起きの悪い孝介はまだ寝室から出て来ない

ここは、2LDKの小さいアパートだ

ふすまが開いたまま孝介の寝る布団が見える

「…パパ起こしてー」

二人の息子達は孝介の布団の上に乗り

「パパーおきなさーい」

と叫ぶ…

すると

「…キャー」

息子達が逃げ出してきた

台所から振り替えると

孝介がフルチンで子供達を追いかけ回している

「チンチン顔につけるぞー」

「…キヤーキヤー」

笑い転げながら逃げ惑う子供達…

「パパやめて!」

そういいながらも、優子も笑う

そんな孝介の姿は、あの夢の中の猿だった

No.36 13/10/24 23:25
秋子 ( yuBCh )

孝介が出勤し、息子達も保育園へ出かけると

部屋の中は気が抜けたように静まり返った

末っ子の娘をおんぶしながら

洗い物を済ませ、掃除機をかけると二回回の洗濯を終了するブザーがなった

ベランダへ出て、洗濯物を干しながら空を見ると、なんだか雲行きが怪しい

やっと家事も一段落して娘を
ソファに下ろすと、解放された肩をトントン叩いた

オムツを交換し、オッパイを飲ませると、おかないっぱいになったのか娘はこっくり居眠りを始めた

時計を見ると11時

優子も横になり 目を閉じた

「…極楽、極楽…」と呟きながら

気持ちのいい眠りに引きずりこまれた

No.37 13/10/24 23:36
秋子 ( yuBCh )

どれくらい眠っていたのだろう






下半身に違和感があり目がさめた、履いていたはずのジーンズがいつの間にか脱げている

いや脱がされていたのだ

そこには孝介が不気味な笑いを浮かべて優子の無防備な股の間に座っている


「なッ!…なにしてるの??!!」

あわててタオルケットで下半身を隠す


「…雨で仕事中断して帰ってきたんだよ」

気がつくと外は雨、ひどい土砂降りだった

「いやらしいことしないでよ!」


「…そんなに怒んなよ、機嫌わるいなぁ」

「…こんな事するからでしょ昼前から!なに考えてんのよ!」

No.38 13/10/24 23:42
秋子 ( yuBCh )

「…だって俺、優子に悪いことしたと思ってさぁ、」


「…は?なにが?」

「…だって優子が、イライラしてるのは、昨日いってないからだろ?俺だけいっちゃったもんな、マジ悪かったと思ってるよ…」

「…はぁ?なに言ってるの??」

「だから俺優子にいいもの買ってきてあげたんだ…」

孝介は紙袋を勿体ぶるように目の前に出した


No.39 13/10/24 23:44
秋子 ( yuBCh )

取り出したそのモノは

ロータにバイブ、ローションまである

「………」

呆れて口が聞けない優子に

「…優子、これでいっぱいいかせてあげるよ、亜弥(娘)も寝てるし今のうちにやってあげる、部屋へ行こう」

「…………」

あきれて固まる優子

「…優子、恥ずかしがらなくていいってば、俺はいかなくていいよゴムないだろ?」

「…………?!」

No.40 13/10/25 00:48
秋子 ( yuBCh )

優子の両腕を掴み起こそうとする孝介の手を振り払い

「やめて!」

怒る優子

「…誰でも最初は抵抗あるらしいよ、でも気持ちいいって、俺 優子のいく時のあの顔が見たい」

そう言うと優子の両足を持ち部屋まで引きずる孝介

「止めて!」

抵抗して足をバタバタする優子


「オギャーオギャー」

娘が泣き出した

孝介は仕方なく手を離した

「孝ちゃん!そんなにエッチがしたいの?私は家事や育児に終われて、気持ちにそんなゆとりなんてないのよ!とにかく眠いの、疲れてるのよ!」

「…眠い?なに言ってんだよ、いまだってこうして昼寝してただろ?」

優子は娘を抱きながら、なんでこんな事で言い争わなきゃならないのだろうと

情けなさでいっぱいになった

「…孝ちゃんの頭の中は、エッチでいっぱいなの?それしかないの?」

「なにそれ?俺の事 エッチの代表選手みたいに言うなや!俺は、五年も我慢したんやで、妊娠出産!妊娠出産!妊娠出産!その間一度も浮気したことあらへん!亜弥が生まれて子作り終了したら、思いっきり出来るって、ずっと我慢しとったんや!」


「もう嫌よ!違うの私と、孝ちゃんは変態よ気持ち悪すぎるよ!」

「…はぁ?気持ち悪すぎるて?」

「…そんなにエッチしたいなら、風俗でも行ったらええ!!不倫してどこぞの若い女の子に相手してもらい!!」

優子は泣き出した

「…………………。」

No.41 13/10/25 00:51
秋子 ( yuBCh )

誤字だらけで、申し訳ありません

オヤスミナサイませ(^_^;)))

No.42 13/10/25 23:44
秋子 ( yuBCh )

優子の暴言に孝介の顔色が変わっていく

優子を睨んでいる

…怒ってるよね…

…孝介ちゃんのこと変態扱いしたんだもの…

…怒っていいよ



やがて孝介は思い詰めたように口を開けた


「風俗?若い女の子って?まじでいうてんのか?」

「………」

黙ったまま優子は目をそむけた


「…ほんまに、それでええんか?」


「………」

ふざけてはいない、久しぶりに見た真剣な孝介の顔だった

…『ほんまにそれでええんか?』

そう…

前もこれと同じセリフ 孝ちゃん言った事あったよね

あの時もこんな目付だった…

No.43 13/10/25 23:48
秋子 ( yuBCh )

もう6年も前の事だ

当時優子には、好きな男がいた

別れようって言われても

好きで 忘れられなくて

大阪まで夜逃げ同然で男を追いかけて行った

だが男には結婚相手もいて、優子とは軽い浮気だった

そう気づいたのは、大阪で暮らしはじめて1年近くもたってからだった

それでもまだ諦めきれず、愛しているのか、意地なのかもわからないまま

優子は男にしがみついていた…

その頃勤めていた小さくて暗いバーに孝ちゃんが

ふらっと飲みにきたんだったよね…

孝ちゃんも、高校卒業して大阪で思い通りの仕事に就けず少しやけになっていたっけ

No.44 13/10/25 23:59
秋子 ( yuBCh )

「優子!」

孝介の呼ぶ声で、優子は過去から引き戻された

「俺の事嫌いになったんか?あきたんか?」

「…………」

…孝ちゃんの事嫌いになんかならないよ…

…あの時、あの男と別れさせようと孝ちゃん必死だったんだよね

『…俺と結婚しよう!絶対忘れさせたる』

そう言ってくれた

…でも、弟の友達で三つも年下の孝ちゃんに甘えられなかった

はっきりしない私に

『ほんまにそれでええんか?』

そう言ったんだよね…

No.45 13/10/26 00:16
秋子 ( yuBCh )

「…俺は、優子が好きだ、きっと死ぬまで好きだと思う…」

「…………」

孝ちゃん、ありがと

こんな女を、そんなに想ってくれてありがとう

ひどい事言ってしまった

ごめん…

「…子供達で忙しくて、疲れてるのもわかるさ、でも俺だって1日働いて……金がかかるから酒も止めた、子供達の健康の為に煙草も止めた、俺の楽しみってなんだよ?たった一時間でも、優子と愛し合いたい、それが悪い事なのか?」


なにも言えないよ…

…ごめんよ孝ちゃん

孝介は外へ出ていった

台所のテーブルに、朝持たせた赤いバンダナで包んだ弁当がポツンと置かれていた

No.46 13/10/26 15:43
秋子 ( yuBCh )

夜になっても孝介は帰って来なかった…

布団で遊んでいた長男二男も静かになり、小さい娘も 眠りについた

いつもならこのタミングで、孝介が背後から襲ってくるのに

いつだって孝ちゃんは私を愛してくれていると思っていた

完全に愛情の上にふんずりかえっていた…



孝ちゃんほんとに風俗へいっちゃったの?

お金持ってたのかな?

お金さえ払ったら女の子に、気持ちいい事してもらえるんだよね

私は、毎月 孝ちゃんが働いてくれた給料 丸々貰って

それでエッチ拒否?

私って風俗のお姉ちゃんより酷い女だね

悲しく笑った

No.47 13/10/26 15:47
秋子 ( yuBCh )

リビングに行き携帯電話を開いたが、孝介は電話に出てくれるだろうか?

何度目かの電話をした

……………

……………

出ない…


これからどうしよう

もう許してもらえないのかな?

涙が溢れた…



「ママー」

開けっぱなしの寝室から長男が心配そうに出てきた

慌てて涙を隠した

「どうしたの?オシッコ?」

「パパはまだお仕事終わらないのぉ?」

そう言う長男の後ろに二男もひょっこり顔を出した

いつもはやんちゃだが、今夜は格別に愛しい二つの顔が並んでいた

No.48 13/10/26 15:51
秋子 ( yuBCh )

「うん、パパは忙しいらしいのママがパパを待ってるから、二人とももう寝なさい」

優子は明るく言った

二男が優子の握る携帯を見て

「パパに電話しよッ…」

と言った

「…うん、お兄ちゃんがするよ」

長男が携帯を持ち優子がリダイヤルを押す

多分出ないだろう

「出ないよ」

「兄ちゃんかして」

「ダメだよ!」

喧嘩がはじまり優子が携帯を取り上げると

留守電になっていた

「留守電よ、パパにメッセージ入れてあげて」

長男が語りかける
「パパ、お仕事まだ終わらないの?早く帰ってきてね」

二男が躍起になって長男から携帯を奪い

「…パパ!帰ってきたら、手をうがいして、のどを洗ってね、」


「それ違うだろ!キャハハハ」

「あ、まちがえた、キャハハハ」

優子も思わず吹き出していた

No.49 13/10/26 19:09
秋子 ( yuBCh )

それから間もなく孝介が帰ってきた

息子達は孝介に飛び付く

両腕に1人づつぶら下がる

それをグルーっと回す

「やめなさい、パパ疲れてるんだから」

そう言って孝介を見る

笑う目が赤い、泣いていたんだろうか?

優子も目頭が痛くなる

「あー腹減った」

孝介が優子を見ずにそう言った

「カレーあるよ」

今夜は孝介の好きなカレーにした

いつでもすぐ満腹になるからカレーが好きだって、孝ちゃんいつも言ってたよね

「僕もカレーたべるー」

「僕もー」

「んじゃパパと一緒に食べよう!…おいおい!食べる前に手をうがいして、のどをあらうんだぞー」

…ギヤハハハハハハ

…キャハハハハハハハ

笑いが渦巻く

…孝ちゃん帰ってきてくれてありがとう…

かきまぜるカレーに涙がこぼれて落ちた

No.50 13/10/26 19:20
秋子 ( yuBCh )

「子供達、寝た?」

「うん…孝ちゃん」

「なに?…」

「ごめんね…」

「いいよもう…風俗行きたくても金ねぇし、…貧乏は家族を救うね…ハハハハハ」

「…孝ちゃん」

「なに?…」

「明日も雨でしょ?」

「うん…らしいね、また休みかぁー納期まで間に合うのかなぁ?」

「明日…亜弥を実家にあずけようか?」

「どうして?…」

「…ほら…」

「なんだ?…」

「エッチしようか?」

「マジ?!マジ?!マジーーー?!やったやったやったーーねぇあれどこやった?」

「押し入れ…」

「つかっちゃおっかーーこの際」

「いいよ…」

「あー嬉しくて俺、眠れねーよおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉー」





朝になった

快晴だった





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