親戚

【小学校3年生】

私が産まれる前に母親側の祖母は亡くなり直後に私が産まれた。
私には母親側の祖父しかいない。

毎年正月になると家族3人で朝ご飯を食べて、お昼頃に祖父の家にいく。

祖父の家にいくと必ず自分の部屋にいて、部屋の外にいることを見ることは少なかった。
会いに行っても大体祖父の部屋でいろいろな話をする感じ。

私の記憶上では、お昼ご飯など以外は基本部屋の中にいたと思う。
今にして思えば何か変な感じだと思う。

元気な姿を見たのも、ちゃんと会話が成り立っていたも、この時が最後。

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【小学校4年生】

祖父が入院することになって急遽祖父のいる家へ。

私は一人で留守番をすることになった。
当時は夏休みだったこともあり、宿題は終わっているので、
眠くなるまで（12時までには必ず寝ることを前提に）ゲームをしててもいいよ。
ということでゲームをして帰ってくるのを待っていた。

思っていたよりも早く帰ってきたのでゲームをやめて二階へ上がり横になる。

少しして、一階から父の怒る声が聞こえた。

私がかすかに聞こえた声は「あいつらはお爺さんを殺す気か！」という内容だった。
当時の私は殺すとか意味がわかっていなかった。
後は寝てしまったのかよく覚えていない。

ただ･･･それから半年後には祖父は入院していた。

会いに行ったときには鼻にチューブがささっていて、喉に金属がついていた。
そこから何かを吸いだす為にチューブを入れたり、会話をする為に金属のついた部分の穴を塞ぐ必要性があった。

子供だけによくわかってはいなかったものの、父の友人が医者だったこともあり私は医者に見てもらえば絶対に治ると思っていた。

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【小学校5年生】

祖父が入院してから祖父の家にいくことが無くなった。

お墓参りも近くの祖父の家に寄っていたのに全く寄らずに行く。
どうしたのか聞いてみるも、今日は寄らないんだよで終わらされた。
今まで一緒にきていた父もこなくなっていた･･･。

正月になると長女の方から家にくるようになった。

この年は風邪を引いてしまったので正月も寝て過ごしていた。
従姉妹が寝ている部屋にきて面倒をみてくれた。
一階から何かの話し声が聞こえていたけど穏やかではなかった。

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【小学校6年生】

この頃になり両親が私にも分かりやすいように色々と話すようになった。
どんなに辛い内容であろうとも隠さないように。

祖父が入院することになった時に、親戚と盛大にもめたらしい。

祖父と同じ病気になった人が県外の大きな病院で治り、今も元気に暮らしているという情報。
それを知った父が入院させるなら県外であろうとも治る可能性が少しでもあるほうがいいと言ったらしい。

長男と嫁は猛反対をしたそうだ。
治る可能性よりも、近くで頻繁にお見舞いなど行けるほうが大事だと。

後に長女が語った真相は、県外だとお金がかかるからダメだといったらしい。
その内容を長女なら理解してくれるだろうと話したそうだ。

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【中学校1年生】

休みの度に祖父の病院へと向かう。
行く度に、祖父の変わり果てた姿を見て悲しさに襲われる。

誰かの手を借りないと話をすることさえ出来ない。

体格のよかった体は骨が見えるほどになり、
まるで食べ物などを与えられていないかのように見えもした。

会うたびに同じ体制。
私たちが来て初めて体制を変えたいと話す。

誰か来た？と聞くと私たちだけだと言う。

長女夫婦は共働きなので滅多に来れないのは理解しているが、
長男夫婦は土日休みな上、共働きではないので、子供たちだけでも来ていると思っていたのだが･･･入院後来たのは指折りで数えられる程度だと言ってた。

この時、長男夫婦に初めて憎悪を抱いた。

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