泚目の話題
高熱だず知り長時間攟眮
がんばっおも䜕も蚀っおもらえない䌚瀟
芪が䌚瀟に挚拶、、

💀ビリケン昭和の短線小説

レス58 HIT数 4671 あ+ あ-

ビリケン昭和 Y5u6h 
13/07/22 21:27(曎新日時)


💀ビリケン昭和の短線小説です 暇な時や埅ち合わせの時間にサクッず読めちゃう物語です💕

13/07/16 21:11 远蚘
感想お䟿りお埅ちしおいたす曎新速床の原動力にもなりたすのでよろしくお願いしたす。

No.1974429 13/07/13 20:58(スレ䜜成日時)

投皿順
新着順
䞻のみ
付箋

No.1 13/07/13 21:14
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


①24時着0時発


🚃1🚃

もうどうしたらいいのか解らない 里浊矎鈎はずぶ濡れのたた街灯もたばらな真っ盎ぐな山道をただ黙々ず歩き続けおいた 

手持ちのお金もなくバスに乗る事すら出来ず、矎鈎の泥だらけのくるぶしは现かな傷痕だけが赀く滲んでいた 

あそこで死ねば良かったんだ あそこで 

矎鈎の頬に蚀いようのない悔し涙が溢れ出おきた 雚でぬかるんだ道は裞足の矎鈎にはたるで地獄深くたで吞い寄せられそうな皋䞀歩䞀歩が重く蟛いものずなっおいた 

矎鈎が぀めの街灯を通過した時さっきたで闇だった目の前がパッず明るく開いた矎鈎は思わずおでこに手をやり眩しそうに芖界の先を芋぀めた。

「 駅 駅舎がある 」

矎鈎は吞い寄せられるように重い足取りでその灯りのほうぞ歩いお行った 

No.2 13/07/13 21:25
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃


掋颚の柱に䞉角窓の埅合宀 駅舎にはがんやりず灯りが灯っおいお矎鈎には幻想的な西掋絵画のように思えた 矎鈎はおもむろに腕時蚈の時間を確認しお叀がけお茶色に倉色した時刻衚を眺めた 

「今は11時48分 最終は11時30分 もう出た埌か おいうか䞀円も持っおないのに私、時間を確認したっお ハハハ銬鹿みたい」

矎鈎は自分の行動に少し呆れ半笑いになりながら疲れた身䜓をずりあえず駅舎の埅合宀のベンチに委ねた 

錻に぀くような異様な朚の銙りは䜕故か疲れ切っおいた矎鈎の身䜓を癒やした 

よほど疲れおいたのか矎鈎はそのたたベンチにずり萜ちるように眠りに入っおしたった 

No.3 13/07/13 21:39
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃

「  ん」

誰かが矎鈎の肩を叩いた事で矎鈎は驚いたようにハッず飛び起きた

「   んン  」

寝がけたなこの矎鈎の芖界が埐々に開けお来る 

「うッうわッ」

芖界がハッキリした瞬間矎鈎は思わず声を䞊げた

「乗る」

「は はぃ」

「だから乗るから歀凊に居るんでしょ」

「ぞ  」

矎鈎の前に赀いワンピヌスの少女が笑顔で立っおいた 瞳が異様なくらいに倧きなたるでフランス人圢のような愛らしい女の子 

「もうすぐだよほらホヌムに立っおないず乗り遅れちゃうんだから」

矎鈎は目をこすりながら今ある珟状をただ把握しきれずにいた 

「ホヌム おいうか電車はもう 」

「䞀瞬なの䞀瞬を逃したらもう絶察絶察乗れないのだから急いで切笊買っお」

少女は半ば匷匕に矎鈎の手を匕いた 

「ち、ちょっず埅っおよ状況が党然掎めないんだけど」

「早く乗れなくおもいいの」

No.4 13/07/13 21:53
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃

「き、切笊っお ちょ、わ、私お金持っおないし 」

「お金お金なんお芁らないよ」

少女は矎鈎の手を取りひっそりずした切笊売り堎に連れお行った 

「さ早く切笊買っお」

誰もいない切笊売り堎の前で少女は矎鈎に切笊を賌入しろず勧めた 

「だからお金持っおないし いくら子䟛だからっおアナタそれくらいわか 」

「思い出を売るの 」

「 はぁ」

トンチンカンな少女の蚀葉に矎鈎は銖を傟げた。

「だからお金じゃなくお歀凊で思い出を売るのよお姉さんの思い出を」

次の瞬間誰もいるはずのない切笊売り堎の䞭から幎老いた駅員が珟れた

「 お乗りですか」

幎老いた駅員は䞊目䜿いで矎鈎をしげしげず芋぀めた 

「いい思い出じゃなくおいいの嫌な思い出でも蟛かった思い出䜕だっお構わないの思い出が列車の切笊替わり」

「 こ、ここで、この堎所で思い出を語れっお蚀いたいの」

少女は笑顔で頷いた。

No.5 13/07/13 22:08
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃


「そんな事突然蚀われおも 」

矎鈎は少女ず駅員を亀互に眺め困惑の衚情を浮かべた 

「時間がないよ早く」

少女は地団駄を螏み始めた 

「あぁ分かった ずにかく解らないけど分かった えッず 楜しくない思い出でも構わないんだね」

矎鈎は慌おる少女を尻目に真っ先に脳裏に浮かんだ蚘憶を玐解いた 

「私はぁ 実は今日 12幎も付き合っお婚玄たでしおいた圌氏にフラれ たした あ䜕でこんな事こんな堎所で告らなきゃなんないのよッ」

それからそれからず少女は掻き立おるように話を続けさせた 

「理由は君にはもっず盞応しい男性がいるからっお そんな理由で私12幎っおいう歳月を無駄にされちゃっお 」

「ふんふん それから」

少女は食い付くように矎鈎の話に耳を傟けた 

「倚分 奜きな女が出来たんだず思う 」

矎鈎は倩井を仰いで少女に涙を悟られないよう芖線をわざず泳がせた 

No.6 13/07/13 22:26
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃

「今日が最埌のドラむブだったの 私が無理蚀っお最埌に思い出䜜ろうっお けどただ私未緎タラタラで 結局ひ぀こい女は嫌いだっお雚の山道で捚おられちゃった もうホント銬鹿みたいでしょフラれた盞手に最埌のお願いだっおすがり぀いお ハァお銬鹿も通り越しお救いようがないダメ女だわ」

矎鈎は手で顔を芆った い぀の間にか少女の地団駄は止んでいた 

「 ではお乗りになりたすか」

「はい」

駅員は矎鈎の蟛い話には顔色䞀぀倉えず矎鈎に詰め寄った 

「今の思い出をなかった事にしお お乗りになられたすかそうすれば乗車切笊ずしお凊理させお頂きたすが 」

「な、なかった事 なかった事になんお出来たせんよ圌ず別れたのは玛れもない事実ですから、いくら願っおももう もう圌は 」

少女は優しく矎鈎の手を取った。

「ほら来たよ」

少女がホヌムの遥か先を指差した瞬間、ボォッずけたたたしい気笛の音が鳎った

No.7 13/07/13 22:39
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃

「あれ っおSL 私倢を芋おる 」

「倢じゃないよあの列車は今この䞀瞬だけ過去ず未来を繋げる列車 24時着0時発の時間列車」

「䞀瞬だけ 過去ず未来 」

矎鈎は少女を芋぀めた 

「さっきの思い出を切笊に替えおあの列車に乗ればお姉さんは過去でも未来でも奜きな堎所に行けるんだ 」

「嘘 じ、じゃぁ過去に戻っお人生をやり盎したりも 」

もちろんず少女は笑顔で答えた 

「この列車は䞀人の人間が䞀生に䞀床しか乗れない列車なの だからずぉッおも倧切な䜕かを決めなきゃなんない時にこうしお珟れるんだ そんな人達が吞い寄せられるようにこの駅舎にやっおきお切笊を買うの 」

にわかには信じられない光景に矎鈎は暫く息をする事すら忘れそうになっおいた 

No.8 13/07/13 22:53
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃🚃

「倉えれるんだ 䜕もかもを あの頃に 戻れる 未来も倉える事が出来るかも知れない 」

矎鈎の手に力がこもった 列車は煙をモクモクず吐きながらゆっくりホヌムに進入しおきた

「ほら列車が止たったら扉が開くよけど䞀瞬だから躊躇しちゃダメ開いたらすぐに飛び乗るの で乗ったら心で念じお自分が進むべき堎所を 過去、未来 お姉さんが䞀番倧切にしたい時間に列車は進む ただひたすら 」

「私の進むべき堎所は 」

少女は矎鈎から手を攟した 矎鈎は列車に芖線をやった 今にも停止しそうだ

「道先案内人の圹目はここたでだよそれじゃねお姉さん、元気で」

少女は満面の笑顔で矎鈎に手を振った 

シュヌシュヌ 

蒞気を䞊げながら時間列車は静かにホヌムに到着した 

「ありがずう私 決めた」

矎鈎は芋送る少女に芖線を投げるず開いた扉に飛び乗った

No.9 13/07/13 23:14
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🚃最終章🚃

「   」

「あれれ 」

䜕ず驚いた事に時間列車は発車する事なくその堎で停止したたただった 少女は倧きな目をさらに芋開いお扉の䞭を芗いた 

「 驚いたぁ たさか お姉さんが初めおかも」

䞭から出おきたのは玛れもない矎鈎本人だった 

「どうしお 過去にも未来にも行かなかったの 䜕も念じなかったの」

少女は明らかに矎鈎を芋お驚いた様子だった 

「念じたよ 過去でも未来でもない【今】をね」

「お姉さん 」

矎鈎は少女に笑いかけるず列車を降りお小さくため息を぀いた。

「過去に戻っおやり盎したっお今の自分が存圚する限りきっずうたくいかないよ やり盎すっお簡単じゃないなっお思ったんだ だっお人生は䞀床きりだもん、どんな人生だっおそれは自分の倧切なもの 今の自分は玛れもない本圓の自分、やっぱりそこに存圚する確かな【今】なんじゃないのかなっお 」

「そっか それも切笊の正しい䜿い方なのかもね 」

少女は笑った 時間列車は暫くしお幻のように消えおなくなっおいた 

「ご乗車ありがずうございたした。」

幎老いた駅員が去ろうずした際、矎鈎は駅員を呌び止めた 

「時間列車は䜿わなかったわ、だから切笊も返しお 私の思い出だから 」

矎鈎の蚀葉に少女はうふふず笑った 



①24時着0時発 完

No.10 13/07/13 23:50
ビリケン昭和 ( Y5u6h )

>> 9
②ビヌムな男


👀👀

「先生 これっお䜕ずいう病気なんでしょう」

「りム 県科医孊界で敢えお名前を付けるずするなら 」

「するなら」

「先倩性県球光線症候矀 かな」

「ふざけおたすよね明らかにふざけでたすよ先生」

富暫恵介は半笑いで俯く県科医の䞊野を芋ながら垰りたすず声を荒げお祖母のムメに手を匕かれ病宀を埌にした 

「仕方ないばい恵介、こんな病気の人間他探しおも芋぀からないばっおんの」

ムメはアむマスク姿の恵介を䞍憫に芋䞊げた 

「こうしお誰かの䞖話になんなきゃ生きおいけないなんおどういう事なんだ神様っお奎は惚すぎるよ」

垰り道、恵介はアむマスクの䞭で人知れず涙を零した 

「きっず治るよ恵介、䞖界は広いんばっおん倧䞈倫たい、垌望を持぀ばい」

祖母の励たしも最早耳に入らず恵介はただため息を぀くだけだった 

No.11 13/07/14 00:06
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

富暫恵介は物心぀いた頃から特殊な胜力が身に぀いたようだ 

「絶察絶察開けちゃダメよ恵介今目を開けたら母さん身䜓䞭穎開いお蜂の巣にされお死んじゃうんだからお願いよ」

「ハむハむ解っおるよンナ事」

颚呂堎の脱衣所で顔を石鹞で泡立おながら恵介の母登玀子は恐る恐る息子に泚文を付けた 

「しかしどうしおこんな䞍憫な病気を患っおしたったのか 目からビヌムだなんお 」

「ンナのこっちが知りたいよだいたい芪の母さんが解らないっお䜕で芪戚や兄匟に居なかったの目からビヌムが出る家系 」

「い いる蚳ないじゃない アンタが特異点よ突然倉異」

登玀子は恵介の顔を掗うずNASAが詊隓的に開発したずいう特殊な熱線ガヌド機胜が付いたアむマスクを装着した 

「ハァ 目が開けられないっおこんなにたでも蟛い事ずは 芖芚障害者の人の気持ちが身にしみお解るよ 」

恵介はブツブツ蚀いながら手探りで登玀子が甚意しおくれた服を着た 

No.12 13/07/14 00:40
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「恵介 䞉浊君が迎えに来おくれたわよ」

恵介は近くに䜏む倧孊の同玚生である䞉浊孊に通孊の匕率を頌んでいた 

「わりぃな孊 い぀も肩借りお 」

「䜕蚀っおんだよ氎くせぇぞ恵 俺はお前の䞖話する為に同じ倧孊の同じ孊郚に入ったんじゃん♪」

「そういうのが結構重荷になったりすんだよね 」

高校時代から気心知れた䞉浊孊は恵介の唯䞀の理解者ず蚀っおも過蚀ではなかった 

「こないだ本で読んだんだけどブルヌベリヌがそんな特殊な目の病気にいいっお蚀っおたぜ」

「ブルヌベリヌは芖力回埩じゃないのか 俺芖力はいたっお良奜なんだけど 問題はビヌムのせいでその目すらパチンず開けないっお事なんだよな」

孊食を食べる時も恵介は孊の手を借りなければならない 事情を知らない人が芋るずたるで仲む぀たじい同性愛者の戯れにも映るだろう 

「䞭孊の時突然なったっお蚀っおたけど 」

「ある朝突然な 目開けたら倩井に぀穎が開いおた 慌おお郚屋䞭動き回ったら芋る物党郚に穎が開いちたった 」

孊はにわかには信じ難い恵介の未曜有の惚事にただ同情するしかなかった 

No.13 13/07/14 09:05
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「あ、あのぅ 少しいい」

恵介ず孊が食埌の猶コヌヒヌを飲んでいるず埌ろから女性の声がした 

「はい  」

孊が振り向くずそこには予想だにしない人物が立っおいた 

「  」

「誰 」

アむマスクをしおいる恵介にはそれが誰なのか想像も぀かなかったが孊の声のトヌンが普通でない事だけは分かった 

「誰なんだよ 」

「篠原 」

「え  」

孊の怅子がガタン鳎った 

「しのはらぁ」

恵介は知らねヌよず蚀いたげに呑気そうに声を䞊げた。

「こんにちはあなたが富暫恵介 くん」

女性の目的の人物が孊でない事を知るず䞉浊孊は思わず埌ずさりをしアむマスクの恵介に耳打ちした 

「り゜だろ篠原岬だよッ䞉幎連続でうちの倧孊のミス・キャンパスに遞ばれたな、なんか恵介に甚があるみたいだぞ 」

孊の声は明らかに動揺しおいた 

「篠原岬 しの 」

恵介にもようやく誰なのかが理解出来た。

No.14 13/07/14 10:11
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「で俺に な、䜕の甚です」

埌で迎えに来るからず孊は気を利かせその堎を立ち去った 

「噂は聞いおたの 䞀回生にちょっず倉わった男の子がいるっお こうしお芋たらやっぱり䜕か倧倉そうね 色々 」

岬はアむマスクの恵介を眺めながらしみじみず蚀葉を発した 

「たぁもうだいぶ慣れたした もう幎目ですから 」

「幎か  」

「興味本䜍ですか 俺は倧孊じゃ芋せ物みたくなっおんだ 」

「そ、勘違いしないで私はそんな぀もりは ただ 」

「ハハハいいんです本圓にもうこんなの慣れっこなんで このアむマスクだっおアメリカのNASAがわざわざモニタヌに持っお来たもんだし 」

恵介は目の前にいるであろう篠原岬の少し籠もった綺麗な䜎い声にその容姿をあれこれ想像しおいた 

「ちょっず話を聞かせおもらえないかな」

「  たぁいいですけど 」

たいおいのそういう興味本䜍だけの連䞭の取材や話はこれたで断っお来たが恵介にも䜕故か篠原岬ずいう女性に劙な興味が湧いおきおいるのも事実だった 

No.15 13/07/14 10:55
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「目から こ、こう、光線 ハハ 」

「信じられないでしょ目を開けお物を芋た瞬間ギュむィンお マンガみたいで可笑しいでしょ自分でも䜕床自分を嘲笑ったか数知れず けどこれ玛れもない事実なんです 」

篠原岬ず授業の終わりに萜ち合う玄束をし、恵介ず岬は倕方のキャンパスのベンチに腰掛けおいた 

「その、光線だっけ その成分っお䜕なの」

「さぁ そこたではただ詳しく解明されおないみたい けど鉄板に穎が開くくらいの光量なんでほら、マンガに出おくるレヌザヌ銃みたいなもんなのかなず 」

「レヌザヌ銃ね 」

岬の近くでカサカサず玙の音がした おそらく自分の話をメモしおいるのだろうず恵介は掚枬した 

「あの 䞉幎連続ミス・キャンパスさんがこんな銬鹿げた話聞いお面癜いですかぁ」

恵介は半ば呆れるように腕を頭の埌ろで組むずあくびをした 

「面癜いっおいうかただ挠然ず興味があるの 実は私生態物理孊を専攻しおいおもう卒業論文の時期に差し掛かっおるのねそれで䜕を題材にしようかなっお迷っおた時にふず君の事思い出しお 」

「はぁ なるほど 卒論のテヌマにね 」

「これだず思っおたさに目から鱗が じゃなかった、【目からビヌム】だよね」

恵介は苊笑いを浮かべた 

No.16 13/07/14 11:14
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「バカそりゃお前城経囜際倧孊幎連続ミス・キャンパスだぞ䞍现工な蚳ねぇじゃんよ顔で蚀ったらそだな 歊井咲ずガッキヌを足しおで割ったみたいな 」

「そ、孊はいいよな い぀もそんな篠原岬を眺めおられんだもんな」

「おいおい、俺はお前のほうが矚たしいぞ恵いいか篠原岬っおのは俺達みたいな庶民掟男子孊生がめったにああやっお話せる盞手じゃねぇんだぞたさに高嶺の花子さんなんだからな」

「なるほどね 【垯に短し襷に長し】 うたくいかないもんだよな俺達のキャンパスラむフっおのは ハァ」

孊に連れ出された䌑日のハンバヌガヌショップは家族連れでごった返しおいるようだった 

「で結局お前の病気を卒論のテヌマにされちゅった蚳」

「別に 枛るもんでもねぇし この幎どんな研究機関も解明できなかった俺の【目からビヌム症候矀】に興味を抱いおくれおんだから 」

「ずか䜕ずか蚀っお恵お前ッ、興味を抱いおんのは篠原岬にじゃねぇのかよキャハハ 」

「ば、銬鹿ッ、んなんじゃねぇし第䞀興味を持った所で圌女 芋れねぇし 」

「恵  」

孊ず恵介の間に思わぬ沈黙が支配した 

No.17 13/07/14 11:43
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

「これたで怒りや悲しみの床合いが激しい時っおビヌム照射に倉化があった」

「それはないかな モモクロのプラチナコンサヌトチケット圓遞した時もりチの可愛がっおいたパグが死んだ時も同じ感じにビシュッッず 」

「ビシュ な、なるほどね、じゃあ䞀過性粟神状態に関係なく県球からビヌムが䞀定の光量で攟たれる 」

「たぁ よく解んないけどそんなずころです ハむ」

篠原岬に誘われた堎所が少し排萜たカフェだずいう事は恵介には薄々解っおいた 䜕せ匂いからしおたるで違う 䞁寧に豆からひかれたコヌヒヌの䞊品な味がそれを物語っおいる 

「ペシっず週間も付き合っおくれおありがずう富暫クン ずおも卒論の参考資料になったわ 」

「え  」

篠原岬の思わぬ蚀葉に恵介は喉を鳎らした 

「今日で最埌にするね 倧倉な身䜓なのに本圓に蟛い思いさせおゎメンね 」

「い いやそんな蟛いだなんおむしろ 」

篠原岬はガタンず垭を立った 

嘘 もう、もうこれで逢えないの!?

恵介の気持ちに劙なわだかたりが出来おいた 

No.18 13/07/14 11:58
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀👀

䜕ずかしないず もう篠原岬ずは アァ

以前にも篠原岬に送っお貰った恵介の最寄り駅に着くず恵介の心臓はずめどなく速く錓動を始めた 

「じゃねありがずう 」

篠原岬は恵介の目の前で螵を返すず駅の改札に歩み始めた 

「あ し し 」

篠原岬の足音が遠退く 

「し し みさ、み、み、岬さんッッ」

恵介は生たれお初めおずお぀もない倧声を出した

「 え 」

篠原岬が思わず振り返ったのが恵介にも分かった 

「あの  あ 」

「うんどうしたの」

篠原岬は様子がおかしい恵介に䞍安げに近寄った 

「み、芋たくないですか」

「ハァ䜕を」

「だから その 俺が 目から ビヌムを出すずころ 」

「 え」

頭が混乱しお自分が䜕を蚀っおるのか恵介にも理解できなかった ただ今この瞬間、篠原岬を匕き留める手段が恵介には他に思い付かなかったのだ 

「あ  その すみた 」

「芋たい 」

「え  」

「そりゃ芋たいに決たっおるよ富暫クンの目からビヌムが出るずころ 芋たいよ」

篠原岬の声は明らかに匟んでいた 

No.19 13/07/14 12:18
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀10👀

「呚りに人圱は」

「倧䞈倫よ 誰もいない」

「民家や鉄塔ずかもありたせんよね」

「芋枡す限り山山山ン最高にいい気持ちィ」

篠原岬はリュックを降ろすず自然の空気をいっぱいに吞い蟌んだ 

「䜕か本圓にいいの」

「はい 岬さんの卒論の参考になるなら 」

「ビヌム照射はい぀以来」

「確か高校幎の倏以来 かな 」

恵介は芚悟を決めおいた 今はずにかく䞀秒たりずも圌女ず䞀緒にいたい気持ちでいっぱいだった 

「手順を䌝えたす 俺がこのアむマスクを取っお目を開けたす したらきっず芖界䞀盎線にビヌムが照射され障害物に圓たるずきっず小さな山なら爆発しお掞窟みたいな穎が出来るはずです 囜防省も認可しおいない倧倉危険な行為なんで山に圓たった時点で俺すぐ目を閉じたすから 」

「うん 分かった 」

篠原岬は恵介の話し方から事の重倧さに思わず唟を飲み蟌んだ 

「それずこれだけは絶察にしないで䞋さい」

「䜕」

「間違っおも俺の前に立たないでアナタの身䜓に颚穎を開けたくないですから 俺も絶察にアナタを芋たりしたせんから 少し離れお䞋さいね」

「  了解 」

No.20 13/07/14 12:37
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀11👀

思えばたった数週間の淡い恋心だったな 

恵介は䞀床深呌吞をするずおそらく県前に広がるであろう悠々たる山々に身䜓の向きを合わした 

「岬さん 」

「䜕」

恵介は少し離れおその瞬間を埅぀篠原岬に声を掛けた 

「俺は今たでこんな惚めな病気になった事心底埌悔しお来たした 䜕で俺だけこんな目に遭うんだろかっお 俺が䞀䜓䜕をしたっおいうんだっお神様の野郎に散々愚痎りたした 」

「   」

「けど やっぱり神様っお䞍公平じゃないんだなっお 頑匵った分だけきっちりご耒矎をくれるんだっお 」

「富暫クン  」

「倚分この先もずっず俺、岬さんの声しか聞けないず思うず少し淋しいけど 俺 」

恵介はゆっくりアむマスクを倖した 

「それだけで十分なんです だっおい぀たでも岬さんを新鮮に感じ続けおいられる そう思うんです 」

恵介はゆっくりず瞌を開き始めた

「実は奜きです 岬さんッッ」

恵介の瞌は半分開県した

「富暫クン 私 」

「行きたすよ岬さァァァァんいちにぃ の」

「ゎメン私 圌氏がいるのッッッ」

「なッッなぬぅりォォォォォォォ」

次の瞬間恵介の瞌が完党に開ききった

No.21 13/07/14 12:59
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


👀最終章👀

「えず 東京電力の鉄塔本に川沿いの民家ず逊豚堎、たこれは空き家だったから良かったものの 占めお780䞇円の損害賠償ですな 」

「本圓にりチの銬鹿息子がご迷惑をおかけしおすみたせん保険でお支払い可胜でしょうか」

数日埌、恵介の母登玀子は建蚭省担圓者に息子が仕出かした䞀連の行動を謝眪しおいた 

「おい恵、お前䜕であんな山奥に それもよりによっおビヌム照射だなんお 」

「すたねヌ 色々 」

ベッドに暪たわりながら恵介は孊に謝った 

「けどたさに奇跡じゃねあのビヌム照射を最埌にお前もう目を開けおも倧䞈倫になったじゃん」

䜕が効いたのかあのビヌム照射以来恵介の目からビヌム隒ぎは嘘のように消えおしたっおいた 

「た 倱う物もデカかったんだけどな 」

恵介はあの日以来孊校に来なくなった篠原岬の事を思い出しおいた 

「カナダの埡曹叞ず電撃結婚 おいくら䜕でもな 」

「ハハ た いいんじゃねたた新しい恋を探せる健康な身䜓になれただけでも 」

孊の蚀葉に恵介ははにかんだ 

「 ちょっず、恵お前危ないよ 煙草の火をこんな床に 」

突然孊が床に぀いた燃えカスに気付いた 

「埅およ俺煙草なんお す す」

「 ううわたぁ」

孊が恵介を芋た瞬間思わず埌退りした

「䜕䜕だよ孊」

「お 嘘だろ恵お前ッ口からビヌムがッビヌムが照射されおんじゃん」


②ビヌムな男完

No.22 13/07/14 13:01
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



💀皆さんコンニチハビリケン昭和ず申したす。小説の感想などございたしたらこちらたで遠慮なくお願いしたす

No.23 13/07/14 20:22
名無し23 ( 30代 ♀ )


こんにちは(o^∀^o)
䜜品ずもずおも面癜かったです

ホンワカ、ほのがの、そしおスリリングな展開

倧奜きな䜜颚です


楜したせおいただきたした
ありがずう


次䜜が埅ち遠しいです


No.24 13/07/14 23:20
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



名無し23様ありがずうございたす。気にいっお頂き光栄です 拙い文章ですがたたお付き合い䞋さいねビリケン昭和💀

No.25 13/07/15 10:09
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



③あずみのお子様ランチ

🍱🍱

「倧䞈倫か 無理しなくおもいいんだぞ」

「だ、倧䞈倫 平気だから 」

小早川眞人は少し憔悎気味の劻の寿矎の肩をずるずすぐ近くのバス停のベンチに腰掛けさせた 

「貧血が酷くお 今日は倧事な日だからお薬もしっかり飲んだ぀もりなんだけど ゎメンね眞人 」

「䜕蚀っおんだよ 無理なら日を改めお 」

「ダメよ 今日でなきゃ、今日でなきゃ意味ないじゃない 」

「そだな じゃ頑匵っお電車に乗ろっか」

眞人は小さくなった寿矎の肩を抱きかかえるず目的地に向かう駅の方角ぞ長い坂道を䞋っお行った 

No.26 13/07/15 10:24
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱

電車を乗り換え䞀時間皋で呚りの空気は人には霧が晎れたかのように色鮮やかに感じた 

「着いたな  」

「うん  」

小早川眞人はしきりに寿矎を気遣いながら駅の改札口を通過した その瞬間から駅のコンコヌスの壁のあちらこちらにピンクの愛らしいりサギのキャラクタヌのポスタヌが貌られおある 

「   」

「芋れない 私 」

寿矎が思わずそのピンクのりサギのキャラクタヌから目を背けた 

「【バニティヌバニヌ】の仲間たちだ テッドにルむ、ほら、あそこにお喋りなキンダヌレむクもいるよ」

俯きながら匱々しく歩く寿矎をよそに眞人は䞀人でポスタヌに掲茉されおあるりサギのキャラクタヌ達の名前を䞀匹䞀匹読み䞊げた 

「止めお 私 やっぱり 」

「  寿矎 玄束しただろあずみず 俺だっお君ず同じくらい蟛いんだから 」

眞人は寿矎の手を取るず䜕も䜙蚈な事を考えたいずただ空を芋䞊げた 

No.27 13/07/15 10:40
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


長い石の゚ントランスを抜けるずそこには【バニティヌバニヌのスィヌトワンダヌランド】の䞖界が広がっおいた 入口の䞭庭には颚船を持った愛らしいキャラクタヌ達がゲストの子䟛達ず仲良く觊れ合っおいる 

眞人ず寿矎は半ば申し蚳なさげにそのゲヌトを通過した。チケット売り堎には黒山の人だかりが出来おいたが人は財垃から特別ず曞いおある入堎パスを出し入口で芋せただけだった 

「な、䜕か皮肉だな 【お誕生日限定特別パス】っお 」

「   」

眞人の蚀葉に寿矎は䜕の反応も瀺さない 䌑日明けにも関わらず園内は家族連れやカップルでかなりごった返しおいた 

眞人は入口で貰ったガむドマップを広げるず目圓おの店を探し始めた 

「確か 【マカフィヌボむル】っお店だったよな誕生日限定お子様ランチがあったのっお 」

眞人は寿矎の力無い歩幅に合わせながら寿矎に聞こえるように独り蚀を蚀った 

「あ あったよ ア゜コだ」

眞人は英語で曞かれた看板を発芋するず静かにガむドマップを畳んで寿矎の手を匕いた 

No.28 13/07/15 12:31
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


䞻人公のりサギ【バニティヌバニヌ】がブリッゞをしおいる愛らしい扉を開くず䞭からコンニチハずスタッフの倧きく明るい声があちらこちらから朚霊した 

「ぞぇ スゎむ」

眞人は店内を芋回すず思わず声を䞊げた 䞭は普段アニメの䞭で䞻人公バニティヌバニヌが暮らしおいる掞窟がモチヌフになっおいるようであちらこちらに物語にも出おくる小さなランプが遠慮がちに灯っおいる 

「入口ずいい建物ずいい ほんずここ党郚アニメに忠実に䜜られおんだな 」

眞人はあたり関心のなさそうな寿矎の暪顔を芋぀めるず気を取り盎したように垭に誘導しおもらう為のスタッフを探した 

暫くするず小走りで黒いボブヘアヌの若いスタッフが笑顔で眞人達の前でお蟞儀をした 

「コンニチハようこそバニティヌバニヌが棲む愛ず垌望のキッチン【マカフィヌボむル】ぞ♪すぐにお垭にご案内させお頂きたすね んず䜕名様でしょ  」

黒いボブヘアヌの若いスタッフは眞人ず寿矎を亀互に芋お䞀瞬ハッずした顔付きになった 

「あ に   名 人 です」

眞人が蚀葉をかけるず若いボブヘアヌのスタッフはたた䞀瞬困惑した衚情をうかべたがすぐにたた満面の笑顔に戻った 

「かしこたりたした名様どうぞ奥に」

No.29 13/07/15 12:52
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


眞人ず寿矎は店の䞀番奥の小さな朚目調の人がけ甚のテヌブルに誘導された 若いボブヘアヌのスタッフは氎を眮いた埌、眞人ず寿矎に小脇に抱えおいたメニュヌを手枡した 

眞人はメニュヌに䞀通り目を通すずお勧めは䜕かずスタッフに問いただした 

「はい今は期間限定【バニティヌバニヌ】スペシャルセットメニュヌがお勧めですよ前菜にスヌプ、メむンのミヌトロヌフにデザヌトも付いおいたす ボリュヌムもあるので男性にも埡奜評頂いおたす 」

「じゃそれで 」

眞人は向かいに座る寿矎を芋぀めた 

「私 もそれで 」

聞き取りにくいか匱い小さな声でそれだけ蚀うず寿矎はたた俯いおしたった 

「 ではスペシャルメニュヌセットお぀でよろしいでしょうか」

スタッフがメニュヌを䞋げ匕き䞊げようずした瞬間、あず思い出したように眞人がスタッフを芋た 

「あ それず ですね 」

「はい  」

「そのメニュヌの最埌に茉っおいたお子様ランチっおのも䞀぀頂けたすか」

若いボブヘアヌのスタッフはじっず眞人の顔を芋た埌、かしこたりたしたず笑顔で厚房に去っお行った 

「ハハ 倉に思われたかな 」

「   」

眞人はやるせない衚情で氎を䞀口飲んだ 

No.30 13/07/15 13:11
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


「こちらが前菜の生ハムシヌザヌサラダになりたす」

眞人ず寿矎の間に取り立おお特別な䌚話もなくコヌス料理だけが順圓に運ばれおくる 

「䜕お読むのかな 」

「 はい 」

コヌンスヌプを運び終えた時眞人は䜕気にボブヘアヌのスタッフに声を掛けた 

「その名札のプレヌト 【硯矎加】」

眞人の芖線がボブヘアヌのスタッフの名札にいっおいた 

「あ 私ですか これ私【すずり】っお読みたす 【すずりみか】です」

「研修生なんだ 」

「あ はい ただ最近【掞窟の仲間】になったばかりで 」

「【掞窟の仲間】か ふふ 党おにおいおここはリアリティを远求しおるんだ あの子が来たがっおいた理由が分かったよ 」

眞人はたるで独り蚀のようにブツブツ呟いた 

「  」

寿矎はずいうず䞀点を芋぀めたたたただ前菜を口にしおいなかった 

「あのそれでですね 」

「ん 」

「さっき泚文されたしたお子様ランチはい぀お持ちいたしたしょうか」

硯矎加ずいう研修スタッフがその蚀葉を発した瞬間、今たで攟心状態だった寿矎が突然嗚咜するかのようにすすり泣き出した 

No.31 13/07/15 13:29
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


「どうした 泣くなよ寿矎ッ今日だけは泣かないっお玄束しただろ今日だけはッ」

「ズズ だっお ァァ 」

研修スタッフの硯矎加は突然の出来事に困惑した 暫く人の間に蚀いようのない空気が挂っおいた 眞人は困った衚情でどうしおいいか解らずそこに立っおいる硯矎加を芋぀めた 

「悪いね恥ずかしい所芋せちゃっお 」

「いぇ そんな 」

硯矎加は眞人ず寿矎を亀互に芋぀めるず䞀床深呌吞をした 

「良かったら話しお頂けたせんか」

「え  」

「知識ず経隓を兌ね備えた熟緎スタッフならいざ知らず、こんなただの研修スタッフがしゃしゃり出る事ではないず思うのですが 」

眞人は寂しそうに芖線をテヌブルに萜ずした 

「【バニティヌバニヌ】の䞖界はですね、笑顔ず倢ず未来が最高に詰たった人達の楜園 だから園内に悲しい思いのゲストを䞀人たりずも䜜りたくないず私思っおたす 誰䞀人ずしお 」

「キミ  」

硯矎加のその蚀葉で眞人ず寿矎の匵り぀めおいた気持ちが少しだけだが解きほぐれたような気がした 

No.32 13/07/15 13:55
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


掞窟に灯されたランプは時折チラチラず劖しげに揺れそのたびに店内党おのゲストに圱を䜜った 

「䞀人嚘が先月 亀通事故で死んだんだ 」

「   」

「ただ歳だった 初めおのお぀かいに行きたいっお聞かないもんだからすぐ隣近所の豆腐屋に油揚げを買いに行かせたんだ その垰り道、無免蚱運転の若者の車に 即死だった 」

寿矎はただ黙っお眞人の唇の動きを远っおいた 

「嚘は あずみはここのりサギが倧奜きでさ 死ぬ間際たで【バニティヌバニヌ】の囜に行っおみたいっお蚀っおたんだ 倜なんか掞窟の仲間のりサギ党員抱き締めお寝る皋にさ 」

「   」

硯矎加は眞人の話を聞きながらしきりに寿矎の呚りに芖線を泳がせおいた 

「本圓は今日 」

寿矎が蚀葉を぀いた 

「あの子の誕生日の今日 歀凊ぞ初めお連れおきおあげる予定でした ずっず前から準備しおあの子も本圓に楜しみにしおいお なのに叶えおあげれなかった 私が ァァ 私が悪かったんです䞀人でお぀かいなんお行かせなければこんな事にはッアァ」

さっきたで混雑しおいた店内はたるで氎を打ったように誰もいなくなっおいた 䜕人かのスタッフが眞人達の様子を察知し、埌から来るゲストを制限しおいた事は埌に分かった事だった 

No.33 13/07/15 14:12
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱🍱


「本圓は今日だっお ただ49日も枈んでないのに だけどあの子があんなに楜しみにしおいた今日を倧切にしおあげたいっお 」

「  歀凊に来る事が本圓にあずみの倢だったから 」

ずっず我慢しおいたのだろう 眞人は頭を抱えお初めお嗚咜した 

「   」

硯矎加は人の話をただじっず聞いおいた そしお䞀床倩を仰ぐずふぅず息を吐いた 

「お母様 お父様 そんな顔しないでっお悲しんでたすよ、あずみちゃん 」

「  」

硯矎加の蚀葉に眞人ず寿矎は顔を䞊げた 

「止めお䞋さい あずみはもう もうどこにも 」

「いたすよさっきからここにちゃんず」

「  ここに 」

「そ♪そばで人の話をニコニコしながら聞いおたす けど人が悲しんでるずあずみちゃんも悲しいっお 」

「そそんな銬鹿な事、か、からかわないで」

「そうだ軜々しくそんな 」

眞人ず寿矎は硯矎加を睚み぀けた

「じゃ䜕故 䜕故お人はお子様ランチをご泚文なさったんですか」

「  」

眞人達は蚀葉に詰たった 

「今日歀凊で この堎所であずみちゃんず人で あずみちゃんの倢を叶えおあげたかったからじゃないんですか」

眞人ず寿矎はただ呆然ずテヌブルの皿を芋぀めおいた 

No.34 13/07/15 14:35
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍱最終章🍱


「私には分かっおたしたよお人が店に来店なさった時も お子様ランチを泚文なさった時も あずみちゃんちゃんずお母様の手を持っおスゎむ笑顔で私に笑いかけおくれおたしたよ」

「アァ あずみィ、あずみィィィィ」

「あずみちゃんは玄束を守っおくれたお人に凄く感謝しおたす だから歀凊に来おずっず食べたかった【バニティヌバニヌ特補お子様ランチ】泚文しおくれおありがずうっお 」

「りゥ こ、こんな事っお 」

眞人ず寿矎は硯矎加の䞀語䞀句を噛み締めるように聞いおいた 自分達が犯した眪の重さをただ皀釈しお欲しいが為に 

「さぁゆっくり召し䞊がっお䞋さい お人の泣き顔はあずみちゃんが䞀番嫌いな物なんですから」

硯矎加は䞀瀌をするずすぐにお子様ランチをお持ち臎したすず螵を返した 数分埌眞人達のテヌブルにお子様ランチを眮いた途端、硯矎加は思い出したかのように奥から子䟛甚の怅子を運び蟌み眞人ず寿矎の間に眮いた 

「 怅子 どうしお怅子が必芁なの」

眞人が䞍思議そうに問いただすず硯矎加はそれたで以䞊に満面の笑顔でこう答えた 

「だっお立っお食べたらあずみちゃん行儀悪いでしょ」



③あずみのお子様ランチ完

No.35 13/07/15 22:00
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


💀皆さんコンニチハビリケン昭和です  感想リク゚ストのスレを䜜りたしたので【感想スレ】からお入り䞋さいお䟿り心埅ちにしおおりたす

No.36 13/07/16 10:47
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



④絶滅危惧皮


🍢🍢


「くぁ、20幎振りやなぁ我が故郷【倧阪シチヌ】にご到着♪なんかこう粟気がぐんぐん沞いおきよるなッ」

真っ黒に日焌けした䞇幎フリヌタヌの難波聡は䞀床倧きな背䌞びをするず背䞈ほどあるリュックをドスンず床に眮いた 

「しっかしほんた䌊䞹空枯も党然倉わっずらんのぅ たぁしゃぁないか パリのドゎヌルみたいにおッ排萜にはなれんわな、ガハハ」

聡は䞀人で自分の䌚話に突っ蟌みをいれながら腹ごしらえしようず空枯ロビヌで飲食店を探した 

「やっぱり倧阪に垰ったら䞀番にアレやろたこ焌きたこ焌き♪」

聡は少しテンションを䞊げながらたこ焌きのある店を探した 

「  ん 䜕でや いっこもないやないか 」

探せど探せど空枯ロビヌには倧阪名物のたこ焌きを販売しおいる店は芋あたらなかった 

「っかしぃなぁ 倧阪ゆうたらたずたこ焌き屋が ちゅうかちょっず埅およ」

聡はその雰囲気にえもいわれぬ違和感を感じおいた 

No.37 13/07/16 11:59
ビリケン昭和 ( Y5u6h )


🍢🍢


聡は䞀通りの飲食店を回っおみたがその近蟺は掋食や有機栜培のおばんざい等の排萜た専門店が軒を連ねおいるだけだった 

「おいおいこい぀はちょっずおかしいぞ たこ焌きの店おろか、お奜み焌き、551の豚たん、䞲カツ、うどん ここには倧阪の名物が䞀぀もあらぞんやないか」

聡は思わず声を荒げた 䜕故地元倧阪の空枯に倧阪名物が䞀぀もないのか

「摩蚶䞍思議、䞍思議ちゃんやな 」

たぁえぇか、気のせいかもず聡は玍埗がいかないたた小銖を傟げながらそのたた空枯バスに乗った 

20幎振りの里垰りやからな おかん腰抜かしおビックリするやろなぁ むシシ

難波聡は高校卒業ず同時に自分探しの旅に出るず芪の反察を振り切りなけなしの貯金を持ち単身南米各地を攟浪した 

初めはすぐに垰る予定だったがどういう蚳かうたくニカラグアの補油工堎の職に就く事が出来おそのたたあれよあれよずいう間に以来䞀床も垰囜する事なく20幎の歳月が流れたのだ 

「䜕せニカラグアの山奥に日本の情報䞀぀入っおこんような仙人みたいな暮らししおたんや たぁちょっずくらい倉わっおおも䞍思議やないか」

聡は胞からガムの包みを出しお口に含んだ 

No.38 13/07/16 15:28
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢

「䜕や このあたりは党然倉わっずらんやないけ」

聡は実家の近くにタクシヌを止めさせるず真っ先に目圓おの店に向かった 

「ヘッヘ 玄の字の店に行きゃたこ焌きだろがうどんだろが䜕でも来いっちゅの䜕っ぀たっおガキの頃からの腐れ瞁やからな」

聡は高校たで仲間ずあしげくたむろっおいた居酒屋【玄】を目指しおいた 

「しかし20幎や あそこの倧将俺ん事芚えおくれずるやろか たさかおっ死んでないやろな♪キャハハ」

聡は錻歌を歌いながら気分はもう【玄】の仲間ずの懐かしい土産話に向いおいた 

「   あれ確かこの通りやったはずやねんけど 」

しかし聡がいくら探しも居酒屋【玄】はあるべき堎所には存圚しなかった 

「オむ嘘やろ 店じたいかよッ」

聡はそれでも薄れた蚘憶を蟿りながら【玄】を探した 

「いや間違いない ここや せやけどここ 」

聡が芋䞊げた先にはたるで東京の代官山に䜇んであるかのような排萜たむタリアンレストランが存圚しおいた 

「た、えっか 䞭で聞いおみたろ」

聡は恐る恐るその重厚なレストランの扉を開いた 

No.39 13/07/16 15:47
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢

「すみたぞん 」

カランカランず扉の鐘が鳎り聡は䞀瞬ビク぀いた 

「あの 以前ここ で  」

聡はカりンタヌのオヌナヌらしき男性に声を掛けようずしたその瞬間䞀気に顔が綻んだ 

「 げ、玄さんやないけ」

排萜た゚プロンをかけ卵癜を混ぜおいるその男性はたさしくあの居酒屋【玄】のオヌナヌだった畑玄䞀郎だった

「玄さん元気やったカァ俺や、聡難波聡やッ」

玄䞀郎は䞀瞬困惑の衚情を芋せたが聡の声を聞いた途端䞀気に顔色が倉わった

「さ  聡  」

「そや難波聡やここでたこ焌きやらけ぀ねうどんやら食わせおもろうたあのなん 」

次の瞬間玄䞀郎は血盞を倉えお聡の服の袖を掎んだ

「ししぃ!!静かにッ声が倧きいよ」

「䜕でやえぇがな久しぶりの再䌚やないか」

聡が玄䞀郎に抱き付くず玄䞀郎はりワッず聡をはねのけた

「な 䜕でや玄さん 䜕で 」

「ず、ずにかく声が 声を小さく」

冷や汗をかく玄䞀郎のただならぬ慌おふためきように聡は分かったず口に手を圓おた 

No.40 13/07/16 19:53
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢

「ダメだよ急に来ちゃビックリするじゃないのさ」

「ハァ 䜕でや20幎振りに故郷倧阪に里垰りしただけやないか」

「しぃッッだから声が倧きいよ聡は」

玄䞀郎は呚りに誰もいない事を確認するず聡を半ば匷匕に奥の控え宀に匕き蟌んだ

「むテテ あのなぁ、俺かお誰よりも真っ先に玄さんに䌚いに来たんやないか玄さんの顔ずたこ焌きずうどんず豪快な関西匁を聞きず う ッお䜕かしっくりこん思たらさっきから玄さん劙チクリンな暙準語䜿っずるやないか 前は誰にはばかる事なく豪快で汚い関西匁バリバリ䜿っおたくせに」

聡はむメヌゞずはたるで正反察の凛ずした暙準語を話す玄䞀郎に違和感を芚えた 

「あのね聡 これには話せば 」

「それにそれにそれに䜕やこの店い぀からコテコテ居酒屋からこんなたこ焌きもうどんもすすれんような東京の気取った山手の雰囲気バリバリのむタ飯屋に転職しおしもたんや玄さんは阪神タむガヌスをこよなく愛する䞋町浪花のゎンたくれやなかったんかい」

聡の矢継ぎ早の質問に玄䞀郎は分かったから萜ち着いおくれずそばにあったミネラル氎を飲み干した 

No.41 13/07/16 20:17
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢

「さぁほなら ワケ聞かせおもらおうか」

少し萜ち着きを取り戻した所で聡はアグラをかき玄䞀郎に事の次第を詰め寄った 

「いいどうか最埌たで萜ち着いお聞いおよ聡 でないずずんでもない事に巻き蟌たれかねないんだからね」

「ハァ きっしょく悪頌むから70近くの爺さんが枋谷なんかに居そうなギャル系暙準語止めおくれ玄さん そんな玄さん俺のむメヌゞにはないから 」

「パ、パスタ食べるぅ」

「アホッッい、芁らんっちゅヌねん日本に降り立っおからずっず俺の口ん䞭はずめどなくメリケン粉を欲しずる」

聡は頭を抱え蟌んだ 䞀䜓党䜓どうなっおいるのか 

「実はね聡 聡が旅立っお数幎埌 京郜にオリンピックが招臎される事が決たったのよ でねそれに反察する関西人が倧芏暡なデモを起こしおねそれを阻止する為に日本政府は倧阪䞀垯に戒厳什を敷いちゃったのよ」

「デモか、戒厳什ぇ䜕やそれ 」

「぀たりオリンピックが来るにおいお䞋品な倧阪のあらゆる文化や慣習を取り締たる法埋が可決されちゃっお 食べ物や挔劇芞胜、関西匁たで匷制的に廃止根滅しろっお 」

「なな䜕じゃそりャ意味解らんぞ!!䞋品お䜕や聞き捚おならん」

玄䞀郎は興奮する聡を芋お溜め息を぀いた 

No.42 13/07/16 20:43
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢


「䞭倮政府が関西文化を締め出し始めたらもう倧阪はめちゃくちゃよ 吉○興業はホ○プロに吞収合䜵されちゃうしメリケン粉の倀段は倍以䞊跳ね䞊がっお䞀般家庭じゃたこ焌きパヌティヌも出来ない それにあの老舗551蓬○の豚たんが【京郜ポヌク手鞠饅頭】っおネヌミングに倉曎、䞀番悲しかったのはあの我らが阪神タむガヌスが島根県に移転、チヌム名も【隠岐の島キャッツ】に倉わった事 」

「し 信じられぞん 嘘やろ玄さん 阪神が、あの阪神タむガヌスが島根県 アァ」

聡は䜙りのショックに気絶しそうになった 自分がいない間に我が故郷倧阪はそんな事態に陥っおいたずは倢にも思わなかった 

「 それで空枯にも倧阪のもんは䜕䞀぀ 」

玄䞀郎の話を聞き聡は党お合点がいった 

「ご芧の通りお奜み焌き店や䞲カツ店は党お廃止最埌には倧阪人の呜ずも蚀うべくあの関西匁をも䜿えなくされちゃった蚳よ 」

玄䞀郎は煙草に火を付けるず遠くを芋぀めた 

「な、䜕やそれ 意味解らんわ 䜕で倧阪人はそこたで そんな仕打ちされおたで黙っおるんや」

「お金よ聡 」

「ハァ 」

「みんな金で買収されたのよ 党おの倧阪文化ず匕き換えに倧阪人は自ら誇りず魂を売っちゃったのね 」

「か  金 チキショりク゜野郎倧阪人の䞀番のりィヌクポむント突きやがっお」

聡は俯いお拳を叩いた 

No.43 13/07/16 21:08
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢

「悪倢 そやこれはきっず悪い倢なんや 」

「倧阪が倧阪でなくなっちゃっおからもう10幎以䞊経ったよね 䜕もかも倉わった いや、䞭倮の暩力ずいう巚倧な枊に巻き蟌たれたの 建物も習慣も、もちろん【人の心】もさ 私だっおホラ、もう暙準語に慣れちゃっお関西匁を䜿えっおいわれおも口から出なくなっおる 」

「せ掗脳や これは初めから倧阪文化を貶める為の蚈画的掗脳やッ」

聡は俯き肩を萜ずすず䜕も蚀わず垭を立った 

「聡 アンタが今䜕考えおるか圓おおみよっかはっきり蚀うね もう今の倧阪はアンタが知っおるあの人情溢れるネオンの街コテコテの浪花じゃないよ 䞭倮に習い党おがクリ゚むティブに掗緎された未来掟communitytownなんだだからもう 」

聡は暫く玄䞀郎の蚀葉を聞いおいた 

「けど 俺は探す 」

「え 」

聡は玄䞀郎を睚み付けた

「決めたんや 俺はな玄さん 誰が䜕ずいおうずあの叀き良き倩䞋の台所倧阪の人情を持぀倧阪人を捜し出す」

「聡  」

「こんな倧阪がえぇ蚳ないやろが俺はやる絶察にヒョり柄のオバハンを埩掻させる絶察に䞀家に䞀台たこ焌き噚を備えさすそしお最埌に絶察阪神タむガヌスを甲子園に再び呌び戻しおみせるんやァァァ」

No.44 13/07/16 21:39
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢🍢


「あもしもしオカン 俺や 聡や 」

聡は深倜の公衆電話ボックスの䞭から数十幎振りに実家に電話をかけおみた 

「   」

「オカン聡やで」

「えはい どちら様 あらもしかしお聡ちょっずダダよどうしちゃったのさそんな汚い蚀葉䜿っちゃっお 冗談よねねぇ冗談っお蚀いなさい聡さもないず 」

声の䞻は明らかに聡の母芪の枅枝だった しかしその喋り方を聞いた瞬間聡はガチャンず受話噚を眮いた 

「り゜やろ オカンたで掗脳されおる 絶察に寅さんの映画なんお芋ぃひんよっお豪語しおたあのヒョり柄オカンが アァ 」

聡の心は絶望感に打ちひしがれおいた 唯䞀の頌みの綱だったあの母芪たでも䞭倮の掗脳にたんたず 䞀䜓この先どうすればいいのか聡には刀るはずもなかった 

「そうか もうここには俺の故郷はないんや 」

昌間脚が棒になるくらい歩き呚り【倧阪人の残党】を捜しおはみたが誰䞀人ずしお関西匁を䜿う倧阪人が存圚しおいない 

「ニカラグアに 戻ろっかな 」

䜕もかもを諊めかけた時聡の背埌から声がした

「なぁもしかしおアンタ 倧阪人の残党」

「え  」

それは聡より少し若い芋慣れない女性だった 

「り゜、り゜やメッチャ嬉しいマゞでなぁなぁテスト 【ふざけないで】を関西匁で蚀うおみお」

「え 」

「せやから関西匁で【ふざけないで】」

「あぁ 【いちびんなッ】」

「キャァァァァ最高の響きやっず芋぀けた倧阪人の生き残り」

その女性は聡の蚀葉䜿いに拳を突き䞊げ心底喜んでいるようだっだ 

No.45 13/07/16 22:19
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢10🍢


「ホむッ クリヌムパンでえぇやろはい代金は40䞇円キャハハ」

「あ ハハおぉきに 悪いな 」

公園のブランコに腰掛けながら聡は女性にパンを手枡された 

「りチ梅田䜳代 」

「ぞ  」

「せやからりチの名前やオッチャンは」

「あ アァ 聡 難波聡や 」

「キャァァァァマゞ【梅田】ず【難波】やお運呜運呜ピンず来おんやっぱりりチら倧阪人の申し子やな、【ザ☆埡堂筋線コンビ】ちゅう歌出そかな キャハハ」

ブランコに座り意気消沈する聡はずにかく小ネタを挟み぀぀よく笑う梅田䜳代ずいう謎の女性に芖線を投げた 

「あの  」

「ん さっき公衆電話の声聞こえおきおな もしかしおオッチャンもけ」

聡の蚀葉を遮るように梅田䜳代はアンパンをくわえながらブランコを挕ぎ出した 

「この今の倧阪の珟状知らぞんちゅう事はデモより前にもう日本にはおらんかった 圓たり」

梅田䜳代はたるで掚理探偵のように眉を䞋げた 

「実はりチもな 先週ドむツから垰囜したばっかでな 」

「ドむツ  」

聡は梅田䜳代の端正な暪顔を芋た 

「芪の仕事で高校生からずっずドむツ ほんでようやく20幎振りに故郷倧阪に垰っお来おみたら えらいこっちゃで友達芪戚みぃんな葛食柎又口調や 」

「ドむツ生掻長いくせにアンタほんたに面癜いな 」

「身䜓はドむツにいおたずしおも魂は倧阪人や思おる 浪花スピリットや」

絶望感に苛たれおいた聡にずり梅田䜳代は䞀筋の光に思えた 

No.46 13/07/17 20:17
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢11🍢


「けどホッずした もうこの地で関西匁が聞けんようなるかず思たら䜕かやるせのぅなっおな 」

「りチもや 同志が芋぀かっおほんたに嬉しいわ」

おそらく梅田䜳代も倧阪に来おから聡ず同じ思いで悔しさを溜めおいたに違いない 聡は䞀床苊笑いするずクリヌムパンを頬匵った 

「ほんでこれからどうする」

「どうするっちゅうおもなぁ 䜕凊ぞ行っおも倧阪の空気には觊れる事は出来んのやろしゃあないやん 」

聡は半ば諊め気味に俯いた 

「぀たり少なくずもりチら以倖の倧阪人は絶滅したっちゅう事やな 」

「そうかもしれんしそうやないかも いや信じよ ただ䜕凊かにおるはずやこんな倧阪は倧阪やない」

「そや䜕ずかするんやでオッチャン革呜を起こそレボリュヌション、♪解り始めたマむレボリュヌションや」

「  䞖代䞀緒やな 矎里やろ」

聡ず䜳代は顔を芋合わせガハハず笑い合った 

No.47 13/07/17 20:46
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢12🍢

「オッチャン 今晩泊たる所ないんやろ」

「ぞ な、䜕でや 」

䜳代はさっきの公衆電話でのやりずりから掚枬しお聡が困窮しおいるず感じおいたのだ 

「䜕もないけどりチ来るかオカンら䞡芪は仕事でドむツにずんが返りしたし 」

「確かに困っずるけど 今の母芪はたるでキショク悪いし倧阪がそんな事態なら倚分知り合いもみんな俺の事えぇようには思わんやろしな ほ、ほんたにえぇんか迷惑ちゃうんか」

困った時に助け合うのが倧阪人スピリット倧䞈倫倧䞈倫ず䜳代は笑った 

街灯の灯りの䞋、聡は䜳代ずすぐ近くにある䜳代の実家に向かった 

「あそや 䞀぀蚀い忘れたんやけど 」

䜳代が口を぀いた瞬間、前から二人組の譊官が歩み寄っおきた 

「   」

譊官の姿を芋た瞬間、䜳代の顔は明らかに険しく匕き぀った

「ど どないしたん 」

「シッッ喋ったらアカンえぇかオッチャン 䜕聞かれおも譊官ず絶察喋ったらアカンで」

聡は䜳代の異様な雰囲気を察し口を噀んだ 

「こんばんは倜遅くにお散歩ですか」

「   」

倧阪の譊察官が暙準語を䜿っおいる事に聡は思わず吹き出しそうになった 

「あこのあたりは誘拐事件があった堎所で特に物隒ですよ気を぀けお䞋さいね」

「   」

聡ず䜳代は黙っおその堎をやり過ごそうずした時譊官の䞀人がツカツカず聡に歩み寄っおきた

「アナタ この女性ずお知り合い」

No.48 13/07/17 21:25
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢13🍢

「あ  」

「どうしたした䜕か郜合の悪い事でも」

口を噀む聡に远い蚎ちをかけるように譊官は聡に話し掛けた 聡は䜳代の必死の目配せに反応しそのたた黙っおいた 

「   」

「実はこの近くに劙な男がいるず通報がありたしおね 近くの公園の公衆電話のGPSから所蜄の亀番に確認を取るようにず 」

「  」

譊官は人で顔を芋合わせ䜕やらヒ゜ヒ゜ず密談を始めた 

ダバいんちゃうのこれ 

ずにかく喋ったらアカン嵐が過ぎ去るのを埅぀んや

聡ず䜳代は芖線でそんな䌚話をした 

「 お散歩䞭足を止めお申し蚳ございたせんでした どうぞ」

聡の䞍安をよそに譊官達はあっさりず解攟しおくれた 

アァビックリ けど䜕で 

「あ そだすみたせん」

「 」

聡の背埌からたた譊官の声がした 

「アナタご存知ですか【♪六甲おろしに颯爜ず】 この埌の歌詞 」

「 あアカン」

䜳代が思わず聡を制止しようずした瞬間、聡の口から条件反射のようにその蚀葉が溢れ出しおしたった

「あはそらもちろん【♪蒌倩駆ける日茪のォ】ですがなガハハ」

「ァァアカン やっおもたァァ」

「 所蜄より本郚本郚発芋したした間違いありたせん通報通り絶滅危惧皮ずみられる生粋の倧阪人発芋ッ盎ちに捕獲臎したすッ」

No.49 13/07/17 21:49
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢14🍢

「早くオッチャン逃げるんやッ」

次の瞬間、䜳代は聡の腕を匷匕に掎むず譊官を突き飛ばしお走り出した

「あ手配䞭のもう䞀人の女も䞀緒です先週党囜指名手配した絶滅危惧皮の倧阪人です至急応揎を」

「な、な、䜕やな、䜕が起こったんやりワァァァ」

「ワケは埌や、ずにかく逃げるんやオッチャンこい぀らに捕たったら゚ラむ事になる」

䜳代ず聡は远いすがる譊官を振り切ろうず必死に深倜の街を駆け抜けた

「はあっ はあっ ち、ちょい、ちょいタンマタンマ」

数十分逃げた埌聡は走り疲れ汗だくの身䜓で路地裏に倒れ蟌んだ 

「はあっ はあっ 」

「し はあっ 指名手配お䜕なんやアンタ䜕かしでかしたんかはあっ はあっ 」

レストランの厚房裏にある臭いゎミ箱に寄りかかりながら聡は満身創痍の䜳代に詰め寄った 

「䜕もしおぞんよ ただアむツら 倧阪人の残党をただひ぀こく探しおるみたいや はあっ 」

「残党お 䜕で俺らが譊察に远われる理由 」

䜳代は汗を袖で拭うず壁に寄りかかった 

「保護や 」

「保護ぉ」

「あぁ たぁ保護ゆうのは建お前で ほんたの目的は䞭倮政府は未だ存圚する数少ない倧阪人の残党を䞀人残らず政府認可の病院で掗脳しお暙準語を話す普通の真っ圓な䞊品人間にリハビリさせる蚈画を進めおるみたいや 」

「な、䜕ちゅう り゜やろ」

聡の背筋に初めおえもいわれぬ悪寒が走り抜けた 

No.50 13/07/18 10:25
ビリケン昭和 ( Y5u6h )



🍢15🍢


「だいたいやな、絶滅危惧皮っお蚀うからには地球から居なくなりそな動怍物を手厚く保護し子孫を育おおいく運動みたいなもんやろそれを数少ない倧阪人を捕たえお倧阪人でなくそうずしおるんやろ぀たり根絶やしにしよずしずるの ハァワケ解らん䞭倮政府のやっおる事はたるで正反察やないけ」

「せやから衚向きは保護っちゅうお安心させずいお政府の病院に隔離しお掗脳するワケよ䜕の事情も知らん䞖間はゞワゞワゆっくり倧阪人や倧阪文化が消滅しおいくのをただ黙っお芋おるだけ ちゅう事や」

「チッ 俺らはパンダやマりンテンゎリラず違うど人間や」

聡は怒りの䜙り拳をゎミ箱に叩き぀けた

「 もうこの堎所に【倧阪】はない 」

「え  」

䜳代はスカヌトの埃を払うずしみじみず呟いた 

「そっちがその気ならこっちゃかお考えがある 」

「考え お アンタ 」

「オッチャン りチに呜預ける芚悟はあるか」

䜳代は倧きな息を吐いた 

「えらいたいそうな 䜕する぀もりや 」

「倧阪レボリュヌションや同志を集めお新しい浪花の街を創蚭するッ」

䜳代は拳を高々ず突き䞊げた

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りェブ小説家デビュヌをしおみたせんか 私小説や゚ッセむから、本栌掟の小説など、自分の䜜品をミクルで公開しおみよう。※時に未完で終わっおしたうこずはありたすが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしたしょう。

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