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純情

レス4 HIT数 2357 あ+ あ-

自由人( 20代 ♀ )
13/05/24 12:15(更新日時)



目の前には、私に覆い被さり、微笑みながら私を見つめる男の顔。


もう、慣れてしまった。
好きでもない男に抱かれるのは。


慣れてしまったというのに、情事の最中いつも頭を過るのは、君の事。


『お前、変わったな。』


そう言って、絡ませた腕をはらった君。
軽蔑するような目。


そうだよ。
私は変わったの。


いつまでも、純情じゃ居られない。


何もかも忘れてしまった。


一目惚れをした時ような胸のときめきも、

苦しいほど人を恋い焦がれる感覚も、


全て。



変わったなんて言わないでよ。


そんな目で、私を見ないで。


もう二度とは戻れない色褪せてしまった時を、ただ、悔いながら、


今日も私は空っぽの心で、目の前の男に『愛している』、と嘘をつくのだろう。




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No.1951602 13/05/19 20:25(スレ作成日時)

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No.1 13/05/19 20:44
自由人0 ( 20代 ♀ )





『痛ッ!!』


“初めて”を経験したのは、16歳の夏だった。


顔を赤く染め、照れながら、


『さくらの全部が欲しい。』


そう言った2人目の彼氏が、私の初めての相手だった。


“初めての相手は忘れられない”“特別”、だなんて良く聞くけれど、


私の場合全然そんな事はなくて。


むしろ、もっと大切にしていれば良かった、と後悔している。


埃っぽい倉庫でふたりきり。


sexが何なのかすら、経験するまで知らなかった。


体の全てを男の人に見られる事のこの上無い恥ずかしさ。


緊張している彼の表情、指先。


決して上手くないキス。

そして、貫かれた瞬間の激痛。


全てを鮮明に覚えている。

No.2 13/05/23 18:15
自由人0 ( 20代 ♀ )

>> 1

“初めて”を経験すると、女の子は誰しも、少し気が大きくなってしまう。


クラスの女子が一気に幼く見える、なんて事もある。


私もそうだった。


当時、sexの良さなんてこれっぽっちも分からなかったけれど、


自分が周りより少し大人びて見える気がして、どこかでその事が言い表せぬ根拠の無い自信になっていた。

No.3 13/05/24 11:51
自由人0 ( 20代 ♀ )

>> 2


どうして気付かなかったのだろう?


ここから、私の人生の歯車は狂いだしたというのに。


でも、気付いていたからといって止められたのだろうか?


今となっては、そう考える事も無意味なのだろう。


子供の頃、



“物語の主人公のような人生を生きたい”と思った。



何処にでも転がっている小石のような、そんなちっぽけな人間にはなりたくない。


脇役では居たくない。

幼いながらにして、そんなませた事を考えていたなんて少し笑えちゃうけれど、


私はある意味では、物語の主人公なのかも知れない。



No.4 13/05/24 12:15
自由人0 ( 20代 ♀ )

>> 3


中学生の頃の私は、今よりずっと大人しく、毎日にこにこ笑顔を絶やさない人間だったと思う。


『さくらちゃんはいつもにこにこしているね。』


『さくらちゃんには悩みなんてなさそうだね。』


そう言われる事は良くあった。


しかし、胸の内に秘めている思いや意地は人一倍強かった。


何より負けず嫌いだった。


人が褒められるのは嫌いで、人より高く評価して貰うということにこの上無い快感を得た。


“人の上に立ちたい”という潜在的な欲望は、自分では気付いていなくとも、何よりも優先すべき、中心となる最も強い欲望だったのだ。

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