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匿名( ♀ )
13/06/02 21:13(更新日時)


くらやみのなか
ひっしにさけぶけれど
あなたはもうふりむいてくれない
おねがい
たすけて
きらいにならないで


次のレスに設定及び注意書があります。
感想お待ちしてますm(__)m


13/05/26 20:32 追記
追記です。
投稿者名を「舞花」に変更します♪

No.1948526 13/05/12 01:31(スレ作成日時)

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No.1 13/05/12 01:43
匿名0 ( ♀ )

attention
話の都合上18禁ですが、えろいのが主体ではないです
下手です
主人公が病んでます
暴力描写が激しいです


設定
舞台・パラレルワールドのとある帝国。言語は日    本語。通貨は円。価値も一緒ぐらい
人物・千歳 ちとせ
茜 あかね
榊 さかき
サツキ
芽里娃 めりあ
その他諸々

No.2 13/05/14 20:36
桂治 ( 30代 ♂ kKMSnb )

スレッドのタイトルに、惚れました!

No.3 13/05/14 22:02
匿名0 ( ♀ )

>> 2 えー(゜ロ゜)ありがとうございます~!!嬉しいです~!!亀更新ですが読んで頂けたらもっと喜びます(笑)

No.4 13/05/15 01:17
匿名0 ( ♀ )


そこは明るい部屋の中だった。
妙に明るい、LEDの電灯に、彼女の体が照らされる。
その首筋は裂け、血溜まりができている。
彼女の表情は苦悶に歪んでいた。その相貌は真上を向いて見開かれていた。
最早決して、その瞳が何かを見ることはない。
永遠に光は戻らない。

「私」は絶叫した。
彼女にすがりついて更に泣き叫んだ。
景色が固定される。自分の周りの全てが動かなくなる。
「私」の体が、彼女の血で汚れていくのも構わず、「私」は必死に彼女を目覚めさせようとした。





No.5 13/05/15 01:28
匿名0 ( ♀ )

>> 4 「うッ……!!ッ、ハァ……」
千歳は飛び起きた。
喉がカラカラで、寝汗も酷い。
また、怖い夢を見た。もしかして寝ながら叫んでいたかもしれない。

枕元のデジタル時計に目を向ける。
現在6時42分。
榊との待ち合わせは此処からバイクで20分行ったところにあるレストランに8時半。レストランとは言ったものの、榊のチームのシマの中だ。

千歳はトイレに行ったあと洗顔と歯磨きを済ませ、服を着替えた。

No.6 13/05/18 12:00
匿名0 ( ♀ )

>> 5 簡単に朝食を済ませ、ショルダーバッグに数少ない貴重品を入れて、上着を羽織る。
今の季節に着るものではないが、仕事柄どうしても必要なのだ。
千歳は部屋を出た。
千歳の家は小さなアパートの二階の一室で、部屋は所謂2DKで狭いが、ちゃんと雨露も防げる風呂もある、この街では最高級のものだ。
因みにアパートは二階建てだ。
千歳はアパートの前のバイクに乗って、待ち合わせ場所まで行った。

No.7 13/05/19 01:12
匿名0 ( ♀ )

開店前のレストランと扉を四回叩く。
中からくぐもった男性の声がする。
『黒曜石の鍵はどこにやった?』
「白兎の腹の中に」
合言葉を交わすと、扉が開いて小男が顔を出した。
彼は榊ではない。
レストランのオーナーだ。
レストランの安全性を保証される代わりに金を渡している。
榊と千歳が属している組織とは特に関係はない。

No.8 13/05/19 01:19
匿名0 ( ♀ )

>> 7 榊はこの街を実質的に支配しているマフィア組織の幹部だ。
現在28歳と若く、命を狙われることも多い。
そこで雇われているのが千歳だ。
千歳は榊直属の便利屋だ。
その名前の通り、潜入や暗殺、麻薬の仲人など、便利屋の仕事は実に多様だ。
汚く、危険な仕事が多いだけあって、収入は高い。

No.9 13/05/20 00:17
匿名0 ( ♀ )

千歳は小男に連れられてレストランに入る。
テーブルの椅子には榊が腰かけていた。
千歳に、幹部の榊が直接命令することは珍しい。
大体は榊のチームの誰かが命令することが多い。
つまり、今回の任務は危険度が高いということだ。
「よお」
榊が軽い調子で言って手をあげる。
「おはようございます」
千歳はそう言って、榊の前の椅子に腰掛けた。
「今回の命令は、暗殺だ」
榊の表情が真面目になり、目が据わる。
小男はいつの間にかいなくなっていた。

No.10 13/05/20 00:26
匿名0 ( ♀ )

「俺らの組織の名前を騙って、この辺一帯のクラブやカジノを仕切ってる奴等がいるらしい。前に其処をシマにしていたウチのチームは、そいつらによって壊滅させられている」
榊は机上に出したこの街の地図に、赤いペンで囲って印をつけた。
「今回の命令は、そいつらを皆殺しにすること。多分アジトはここにある廃墟が怪しい」
「それ、かなり危険ですよね」
「わかってる。報酬は弾むぜ」
そう言って榊が値段を告げると、千歳は満足げに頷いた。
「よし、じゃあ下調べが済み次第、行かせてもらいます」

No.11 13/05/24 15:44
匿名0 ( ♀ )

>> 10 榊は続けた。
「任務が完了したら、いつもみたいに書類を書いて、証拠写真をUSBメモリに入れて渡せ。少なくとも今日の真夜中には出発していてほしい。可能か?」
「ええ、大丈夫です」
千歳はそう言って立ち上がった。
「それでは」
一言残して千歳は店から出ていった。
その後ろ姿を凝視していた榊に、小男が呟いた。
「変わった奴ですねぇ……ちびっこくて女みたいな奴なのに……」
小男は千歳のことは殆ど知らない。しかし、千歳の仕事の鮮やかさは知っていた。
どこまでも無慈悲に、完璧に遂行する。

No.12 13/05/24 15:50
匿名0 ( ♀ )

勿論、それができなければとっくに千歳は死んでいるのだが。
榊は、榊がこの仕事で頭角を表し始めた頃に千歳を雇っているので、五年ほどの付き合いになる。
それでもお互いがお互いのことを殆ど、もしかしたら小男と同じくらい知らない。
榊にとっては、千歳は大事な人手で戦力な訳だが、あくまでもそれだけだ。
それ以上も、それ以下もないし、
そうなろうとも思っていなかった。

No.13 13/05/24 22:19
匿名0 ( ♀ )

その日の真夜中。
充分に下調べを済ました千歳は、任務に出かける準備をしていた。
殺しという任務に行く以上は、見た目にも気を使う必要がある。動きやすく、目立たず、しかし威圧的に。
千歳の髪は悲しき天然パーマだ。この髪をいくら弄っても変わらない。
少し近眼な千歳が主に遠くの文字を見るときに使っている眼鏡をかける。
服装は薄手の黒いシャツに、縦縞が入ったズボン。
その上にいつも着ているジャケットを羽織る。

No.14 13/05/24 22:30
匿名0 ( ♀ )

このジャケットの用途は、とある事情で、いくら鍛えてもえらく貧弱に見えてしまう千歳の肉体をカモフラージュすることである。
そして、舌と左頬に一つずつ、右耳に二つ空いたピアス穴にピアスを刺す。
最後にジャケットに弾を充分に込めた銃を、ズボンのポケットにナイフを入れた。
軽く深呼吸をして、千歳はアパートをあとにした。
「さあ、人殺しの時間だよ……」
誰にともなく、そう呟いて。

No.15 13/05/24 23:43
匿名0 ( ♀ )

>> 14 作者から
ちょっとした矛盾に気がつきました。
No.9で小男がいなくなったいたと書きましたが、No.11で登場してましたね(--;)
すみません
その辺にいた、と解釈してください(>_<)
次から戦闘シーンの後に、ちょっとheavyな拷問シーンがあります……
何か要望等ありましたら話の流れが変わらない程度でしたら可能な限り受け付けますので、どんどんおっしゃって下さいね~
拷問の内容とかでもいいですよ~
ただ殺さないでね(笑)
引き続き読んでくださると嬉しいです♪

No.16 13/05/25 15:40
匿名0 ( ♀ )

午前1時29分。
千歳は、アジトの窓の隙間から、中の様子を窺っていた。
千歳の作戦は、
1、アジトの頭領を撃ち殺す
2、アジトに出鼻を挫かれ焦っている仲間をナイフでの接近戦で倒す
以上である。
調べによると、敵のチームの構成人数は四人。
戦闘能力が高いのは禿げ頭の男と、シルクハットみたいな洒落た帽子を被った伊達男であるリーダー、の二名。後の二名のうち一人がヤク中の男で、もう一人が千歳より年下だと思われる若い女。
戦闘能力はなさそうだ。
一時間弱見張っているが、一向にリーダーは姿を現さない。

No.17 13/05/25 15:51
匿名0 ( ♀ )

今千歳が見張っている部屋以外からの襲撃は不可能だ。この部屋にリーダーが姿を現すまでバレずに見張り続けるしかない。
今までこの部屋に来たのは禿げ頭の男、ヤク中の男。読唇術で読んだ話の内容から推測するに、女は眠っているそうだ。
だが、肝心のリーダーの存在がわからない。
おそらく奴等には、こちらが人を送ったのを勘づいているのだろう。
作戦を変更する。
先に禿げ頭を殺って、ヤク中を拷問してリーダーの居場所を突き止める。
女は最後に殺す。
銃を構えた。
照準を男の頭に合わせ、引き金を引く。

No.18 13/05/25 16:04
匿名0 ( ♀ )

轟音が響いて、禿げ頭がものも言わずに倒れる。
案外チョロいもんだ。
油断していれば、どんな凶悪な男だって倒せる。
ひきつったヤク中の悲鳴が響き渡る。
ちっ、と舌打ちをしてガラスを叩き割り、部屋に飛び込んだ。
「ぎゃーぎゃー騒ぐなよ。ご近所から苦情がくるぜ」
自分より一回りは体格も年齢も小さそうな千歳に、ヤク中は情けない叫びをあげて逃げようとするが、腰を抜かしたらしく、地面にへたりこむ。
「ひ、ひぃぃいぃ!!殺さないでくれーっ!!」
「グダグダうっせー、ボゲ!!」
千歳は隠し持ったナイフで男の手を払う。
鮮血が迸り、男は更に悲鳴をあげた。

No.19 13/05/25 16:15
匿名0 ( ♀ )

「お前に質問する」
千歳は男に馬乗りになり、喉笛にナイフをあてがった。
「お前らのリーダーはどこにいる?もし本当の事を言えば命だけは助けてやる」
「ひっ……ひ、……リッ、リーダー……は……ア……ひぃぃ……」
「聞こえねえ」
ぐいっ、とナイフをめり込ませる。僅かに肉が切れ、血が流れる。
その時だった。
男の足がおもむろに動き、千歳の鳩尾にめり込んだ。
千歳は目を見開いて踞る。
朦朧とする意識の中、ヤク中が千歳の手を振り切って立ち上がった。
そう、本当に怖いのは、キレたヤク中。

No.20 13/05/25 16:45
匿名0 ( ♀ )

ヤク中は何やら叫びながら、千歳をめちゃくちゃに蹴った。腹と言わず胸と言わず脚と言わず顔と言わず、蹴りまくる。
強烈な吐き気が襲い、千歳はその場で戻していた。
「う……げほ、おえッ……」
ヤク中が更に千歳の顔を殴る。
鼻から口から、血なのかよくわからない液体が流れだし、千歳は意識を手放した。
しばらくして、リーダーらしき伊達男が部屋に入ってきた。
「浄然よぉ、お前はキレるとホント見境ねーよな」
呻き声をあげながらまだ倒れた千歳の体を蹴り続けるヤク中の男、浄然にリーダーが声をかける。
「こいつは明後日位に殺せ。相当な厄介者だからな。それまでお前が拷問して、組織の情報をできるだけ引き出せ」
拷問という言葉に、浄然は反応した。
ニタァ、と下品に笑う。
「さあ、お楽しみの始まりだな、クソガキ」
リーダーは千歳の腕を持って、どこかへ引きずって行った。

No.21 13/05/25 22:03
匿名0 ( ♀ )

以下15歳未満閲覧禁止




翌日、午前10時頃。
敵チームの少女、芽里娃は、アジトの一番奥の部屋のドアに耳をくっつけていた。
中に入れないのだ。内側から鍵がかけられている。
それに、鍵をかけた張本人の浄然は、それどころではない。
「中に入って、直接見たいのに、浄然ったら……
しょうがないから声と妄想で我慢しよーっと」
中からは、浄然の罵声とベルトで肉を打つ音、くぐもった呻き声と時折響く悲鳴が聞こえてくる。
それだけで充分に芽里娃は満足していた。芽里娃は呟いた。
「あの子……確か千歳とかいう名前だったよね……リーダーが言ってた、幹部のお手付きの便利屋だって……とっても好みのタイプだわぁ……あぁっ、千歳先輩が叫んでる。かわいそう……でも可愛い……」

No.22 13/05/25 22:22
匿名0 ( ♀ )

以下、15歳未満閲覧禁止







部屋の中。
千歳は手足をロープで縛られて床に転がっていた。
部屋には血と、吐瀉物の臭いが充満していた。
「何とか言え、このガキ!!」
浄然は再びベルトを振り上げ、千歳の背中に降り下ろした。
何度も何度も背を打ちすえる。
千歳は呻き、それでも懸命に口を閉ざした。
拷問はかれこれ二時間は続いているが、一向に千歳は口を割らない。
組織の構成人数や、ボスについて、収入や麻薬ルートについてなど、以前壊滅させた奴等では知り得ない情報も、幹部のお手付きの便利屋たる千歳は知っているはず……

No.23 13/05/26 16:42
匿名0 ( ♀ )

千歳はどうせ殺すのだから、何としてもその前に情報を手にいれたい、というのがリーダーの考えだ。
ただ、浄然にとってはそれよりも千歳に行う拷問の方が楽しかった。
彼の目の前で血塗れになった背を向け、踞って小刻みに震えている千歳の姿は、浄然の嗜虐欲を掻き立てた。
浄然はビリビリに破れた千歳のシャツを掴んで剥ぎ取った。
そのとたんに、千歳が悲鳴をあげて更に体を小さく丸めた。
怪訝な顔をして、浄然は千歳の肩に手をかけて引き起こそうとした。
「やめろッ!!」
千歳が悲痛な叫び声をあげて抵抗する。
「何だぁ?別に男同士なんだから恥ずかしがること……」

No.24 13/05/26 16:52
匿名0 ( ♀ )

千歳はなおも抵抗し続けた。
しかし、
「何でこんなに力がないんだ?」
ヤク中で筋肉が衰えた浄然と比べても、その差は圧倒的だった。
千歳はあっさりと仰向けに組敷かれた。
その体に違和感を感じる。
男にしては、やけに骨格が細い。
筋肉はそれなりについているが、肩幅は狭く、全体的に細い。
女か?
いや、そうではない。
女にあって男にない、胸の膨らみや腰の括れもない。
それらの特徴が現れる以前の子供には見えない。
こいつの年齢は18だそうだ。
どういうことだ……?
「やめろ……見るな、あっち行けッ……!!」
千歳は抵抗を繰り返す。
先程とは別人のように、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。

No.25 13/05/26 21:06
匿名0 ( ♀ )

「やだっ、嫌だぁ……っ、見ないで、見ないで……」
その口調まで変わって、千歳は体を力なく捩る。
「お前男か?女か?」
「……やめて、来ないで…やめて、やめてぇ……」
会話が成立しない。
苛ついた浄然は拳を千歳の腹に叩きつけた。
程よく引き締まった肉に拳がめり込み、千歳は激しく咳き込む。
「やめて、苦しいよお……」
咳き込みながら哀願する。
こいつ、どうしちまったんだ……?
これでは只の子供だ。
それも、まだ本当に小さい。
「外して、これ、外してよ……」
千歳がもがく。ガチャガチャと鎖が耳障りな音を立てて、男の神経を逆撫でした。

No.26 13/05/26 21:11
匿名0 ( ♀ )

hit888ww
クソワロタw

No.27 13/05/26 22:02
舞花 ( ♀ w1VSnb )

「うるせぇぞ!!ガキ!!」
千歳の頬を思い切り張り飛ばす。
千歳の顔が真横を向き、涙と鮮血が飛び散った。千歳はか細い声で震えながら詫びる。
「ごめんなさいっ!!ごめんなさい、許して下さい」
「じゃあ、とっとと吐きな」
「それは……できません……言えません……」
「じゃあ、もっと痛めつけるしかないなあ」
浄然は千歳の縦縞のズボンに手をかけた。
「嫌だ……!!」
一気にズボンはパンツごと下まで引きずり下ろされた。
その股間を見て、浄然は言う。
「女か」
千歳は必死に脚をばたつかせる。
それがかえって扇情的に移った。
「お前が女なら、こういうやり方もあるよな」
「やめて、助けっ……」
「……ふぅ、やっと開いた」

No.28 13/05/27 23:51
舞花 ( ♀ w1VSnb )

hit数1000超えてたびっくりー!!読んでくれてる人居たんだ(゜ロ゜)
皆さんありがとうございます!!
残酷&微エロ展開は次回、次々回で終わります。
際どいのとグロいのばっかで辟易とされてた方すいません。
話を正常な流れに戻します(笑)

No.29 13/05/31 22:32
舞花 ( ♀ w1VSnb )

浄然が振り向くと、そこには芽里娃が嬉々とした表情で立っていた。
「浄然たら、やりすぎだよ~。先輩泣いてるじゃん」
「芽里娃ぁ……お前どうやって入ってきた」
浄然は芽里娃を睨み付けるが、芽里娃は全く気にも止めずに千歳の体をなで回す。
それは、単にペットをなでるかのように。
「先輩どうしちゃったの?壊したの?それとも元々壊れてんの?」
「さあな、早く出てけよ」
「いやあよ」
芽里娃は千歳の背中を撫でながら言った。
「これ以上やっても無駄だって。リーダーが明日殺せって、あんたに」
「ちっ、つまんねーの」

No.30 13/05/31 22:45
舞花 ( ♀ w1VSnb )

「おいガキ、明日でお前は終わりだな。まあ精々思い出にでも浸ってんだな」
浄然は乱暴に部屋を出ていった。

静かになった部屋の中。
「身ぐるみ剥がれて、先輩かわいそう。手え外してあげるから、お洋服着て?
芽里娃は優しい表情でかがみこみ、千歳の背後にまわって拘束された手足を自由にした。芽里娃の露出が多い服から、柔らかそうな胸が見える。
千歳は動かなかった。
ひたすら放心状態で、何かをぶつぶつ呟いていた。
芽里娃は千歳に服を着せながら笑った。
「これは元々壊れちゃってるみたいだね。浄然が何か抉っちゃったから、先輩こんなになっちゃったよ」
千歳は肩を小さく震わせ、また涙を浮かべた。さっきの辱しめに対する涙ではない、涙が流れる。千歳は嗚咽を漏らして泣き出した。
「先輩に何があったのか知りたいけど、もう明日で先輩は死んじゃうんだもん。無理ね」
芽里娃は冷たく笑って部屋を出た。
部屋の中は真っ暗になる。
「待って……行かないで……たすけて……母さん……」
暗闇に、嗚咽混じりの千歳の声が、そして後には悲痛に満ちた絶叫が響いた。

No.31 13/05/31 23:14
舞花 ( ♀ w1VSnb )



母さん、どこにいますか

なにしてますか

ぼくは、また、あなたに会えなくってしまいました

会いたいです

あなたに会いたい……

でもぼくは、二度と、あなたに顔向けできません

ぼくは、穢いから

醜いから

人殺しだから

でも、もう一度だけでいい

あなたに会いたい

あなたに抱き締めてもらいたい

その時

ぼくはやっと……

もう誰にも怒りたくないです

わすれたいんです

ひとりでいたくはないんです

さびしい

くるしい

いたい

ああ、あなたに会いたい

でも、やっと会えますね

明日、あなたの所にいけます

しかし

ぼくは地獄に堕ちるでしょう

死んでもぼくは

きっと

ひとり

死んでも価値がない

生きていても価値がない

おねがいです母さん

どうか、どうか

助けて……

No.32 13/06/02 20:35
舞花 ( ♀ w1VSnb )

翌朝、昼過ぎ。
浄然が部屋を開けると、其処には泣き腫らした顔の千歳がいた。
だがその相貌は暗く据わり、浄然達を襲った殺し屋の顔に戻っているようだった。
「さよならだな、ガキ。最後に一つだけお前の願いを聞いてやる」
これは別に浄然の情ではなく、あくまでもリーダーと芽里娃の一存だった。
「どこで、どんな方法で死にたい?」
いつも、このチームは殺す相手に対し、この質問を欠かさなかった。殺す瞬間だけは、その相手は一人の人間として扱えというのが、リーダーの考えだった。
芽里娃の場合はただ、千歳が好みのタイプだから、というだけだろうが。
こんなガキのどこがタイプなのかと、実を言うと芽里娃に想いを寄せていた浄然は舌打ちした。

No.33 13/06/02 20:45
舞花 ( ♀ w1VSnb )

>> 32 「いいのか……?」
千歳は僅かに顔を明るくした。
「ああ。出来る限りのことなら叶えてやる」
千歳は暫く沈黙して、そして言った。
「外で……空が見えるところで死にたい」
「わかった。それで、方法は?」
「なるべく時間をかけて殺してくれ」
浄然は絶句した。
今までに、苦しませず殺してくれという奴は数多くいたが、その逆はいなかった。
「なんだてめえは。まだ苦しみたいのか」
「焼き付けておきたいんだ。死ぬまでに時間がかかった方が、たくさん焼き付けられる」
「へえ……何かよくわからんが、まあ良いだろう。行くぞ」
千歳は案外素直に立ち上がった。
一体、昨日の豹変ぶりは何だったのか。
浄然はいぶかしみつつ、千歳を連行した。

No.34 13/06/02 21:00
舞花 ( ♀ w1VSnb )

>> 33 それから約20分後。
アジトの裏側にある切り立った崖の下で、千歳の私刑が執行される。
崖の上にはこの街の中心部があり、喧騒が此処まで響いてくる。
浄然が、目の前で縛られ、座っている千歳の細い首に手をかけた。
時間をかける為、なるべく弱い力で。
しかしその指は頸動脈をなぞり、確実に、次第に力がこもっていった。
千歳の体は痙攣しだし、喉がヒュウヒュウと音をたてた。
千歳は抵抗こそしないものの、顔は苦しそうに歪む
「あっ……がっ、ぐ……ッ!……ッ!」
浄然は苦しむ千歳を見て、何故だか昨日のような嗜虐欲を感じられずにいた。
「なあ、もういいだろ!?」
浄然は千歳の首から手を話す。千歳は咳き込みつつ、浄然を訝しげに見つめた。
「頼むから普通に、普通に殺させてくれよ…!」
「……わかっ、た……ッ、銃で、やってくれ……もう充分焼きつけた」
浄然は大きな溜め息をついて、千歳から少し離れた所で銃を構えた。
その指が引き金を引く瞬間……
「うわあああああ!?」
空から、青年が落ちてきた。

No.35 13/06/02 21:13
舞花 ( ♀ w1VSnb )

http://mikle.jp/viewthread/1956957/
感想その他諸々スレッド始めました。
レス下さったらとっても嬉しいです。
詳しくはスレッドの最初のレスに書いてありますので読んでください。

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