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唯の恋愛物語

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名無し
13/06/22 02:21(更新日時)

5歳の春。。。



私はいつものように団地内の公園で遊んでいた。



天気のいい日曜日だった。




「唯ちゃ~ん、ちょっと来て」




母が私を呼んでいる。




私は家に戻った。

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No.1945105 13/05/03 02:21(スレ作成日時)

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No.1 13/05/03 02:39
名無し0 

私の家は4階だ。


高層団地だからエレベーターもある。


でも一人の時はエレベーターに乗らないという約束を守り、私は階段をかけ上がった。



5歳の私には長い長い階段だった。



家の前に着くと、母が誰かと話している。



母が私に気付き、「唯ちゃん早くこっち」



「こんにちは」


知らないおじさんとおばさん。



そして私と同じくらいの男の子が立っていた。



母「唯ちゃん、こちら黒木さん。お隣に引っ越してきたのよ。」


黒木さん「初めまして。この子は裕也。明日から同じ幼稚園に行くの。唯ちゃん仲良くしてあげてね。」



母「あ、良かったら何かお手伝いしましょうか?」


裕也母「あ、いーえ、そんな申し訳ない。。。」


母「遠慮なんかしないでくださいね、じゃあ片付くまで裕也くん預かりましょうか?」


裕也母「いいんですか?ではすみませんが、よろしくお願いします。」



母は裕也を家に入れた。



母「唯ちゃん、裕也くんと仲良く遊ぶのよ」



裕也「ねぇ幼稚園楽しい?」



裕也が私に話しかけてきた。



私「楽しいよ。」



裕也「俺保育園だったから幼稚園行った事ないんだ」



私「ふ~ん。。。保育園のお友達と離れて寂しくない?」



裕也「全然!!新しい友達作るからいーの」



裕也は人見知りとかしない。



社交的な性格。



きっとすぐに馴染む自信があったんだよね。




No.2 13/05/03 02:58
名無し0 

翌日、私と母は団地の前で幼稚園バスを待っていた。


そこに、裕也と裕也母。



私「幼稚園に着いたら幼稚園探検しよ!」



裕也「うん」




ちょっと緊張気味の裕也。



バスが来た。




私の隣には誰もいない。



何故なら以前は、裕也が引っ越して来た家に住んでた女の子が私の隣に座っていたから。


当然裕也が私の隣になった。



クラスも同じ。



私は靴箱の場所を教える。



トイレの場所を教える。



中庭のお気に入りの場所を教える。



先生が案内する前に幼稚園の事を色々と教えてあげた。



裕也は新しいお友達という事もあり、人気者になり、すぐに馴染んだ。


幼稚園ではあまり一緒には遊ばない。



裕也は男の子達と遊んでるから。



でも帰宅後は毎日団地の公園で遊んでいた。



母と裕也母も仲良くなり、一緒に近所のスーパーに行くのも日課だった。


とても仲良くなった。



居て当たり前の存在になってたんだよね。



その頃、幼稚園ではお友達に手紙を書くのが流行っていた。



私も時々お友達に手紙を渡していた。



裕也にも初めて書いてみた。



内容は。。。




ゆうやだいすき。あしたもいっしょにあそぼうね。



覚えたての平仮名で恥ずかしげもなく、大好きなんて書いちゃう幼稚園児。



小さい子どもってやっぱり素直だよね。



自分の気持ちを素直に伝えていたあの頃。。。


それが出来ていれば、大人の恋愛だって皆うまくいくんじゃないかと思う。


素直に気持ちを伝えるって、簡単なようで簡単じゃない。



でも、大切な事なんだよね。






No.3 13/05/03 03:02
名無し0 

裕也も覚えたての平仮名で、返事を書いてくれる。



でも「だいすき」って書いてはくれない。



「きょうもいっしょにあそぼうね。」



その一言と絵が書いてある。



いつもこんな感じ。



でも私は懲りずにまた大好きと書く(笑)



何の悩みもない5歳児。



毎日楽しくて仕方なかった。



No.4 13/05/03 03:17
名無し0 

春が過ぎ、夏になり、あっという間に一学期が終わる。


一学期最後の日にはお泊まり保育という大イベントがあった。



終業式を終えると一度家に帰り、昼食を食べて、お風呂に入り、準備をして、また夕方幼稚園に行く。



私は待ち遠しかった。



裕也と一緒に寝る!!って、母に何度も言っていた。



幼稚園ですから勿論下心なんてありませんよ(笑)



やっと夕方、幼稚園に行く時間。



事前に決められていた班で夕食のカレー作りをする。



私は裕也とは違う班。



私はこの日のために母に野菜の切り方を教えてもらっていた。



他の子達も同じ。皆上手だった。



裕也の班は隣の机で作業していた。



裕也は実は不器用。



美紀ちゃんが裕也に切り方を教えている。



普段、裕也は男の子達と遊んでいるから女の子と絡む機会はあまりない。仲良くしてるように見えてなんとなくモヤモヤ。。。


ご飯を食べる時も班ごとに食べる。



そのあとの後片付けや花火も班ごと。



更には寝る時も班ごと。



裕也の隣には美紀ちゃんが。。。



私はこの日、初めてやきもち妬いたのかな。


兄弟も兄しかいなくて、下の弟妹がいないから、ママを取られたくない!!なんて感覚味わった事もなかったし、3歳から幼稚園に行ってたけど、特別な感情を抱いた男の子もいなかったから。



これが私の初恋だった。




No.5 13/05/03 03:44
名無し0 

翌日は早朝から全員で散歩に行った。



背の順で並んで歩く。



私は前から3番目。



裕也は前から4番目。



斜め後ろから裕也が話しかけてくる。



裕也「昨日の花火、楽しかったね!」


裕也「あ、そうだ!お母さんに言って、花火買ってもらって、今日の夜もやろうよ!」


裕也「唯もお母さんに言ってね!」



朝からテンションが高い裕也。



私は「うん」としか言わず、必要以上に話さなかった。



まだモヤモヤが残っていたからだ。




その後、また班ごとに朝食を食べて、後片付けをし、今度はスイカ割りをやった。



背の順で次々とスイカ割りに挑戦。



最後は自由にお友達と一緒に食べる。



私は仲良しの泉ちゃん(いっちゃん)と食べる。



裕也の隣には、、、また美紀ちゃんだ。




楽しかった?お泊まり保育も終わり。



荷物をまとめて、お遊戯室に集まり、お母さんが迎えに来た順に帰る。



いっちゃんが帰り、裕也が私の隣に来た。



裕也「花火の事、忘れてないよね?帰りに買いに行こうって言おう」



私は無視した。




裕也「ねー唯、聞いてる?」



私の母と裕也母が迎えに来た。



先生にさよならして幼稚園を出た。



母と裕也母は話ながら先を歩いてる。



その後に裕也が歩き、少し遅れて私が歩いている。



裕也「唯早く~」


私「。。。。」



裕也「それ重いの?」



手提げの事だ。



私「。。。。」



裕也「持ってあげるよ!」



裕也が私の手提げを持ってくれようとして、引っ張った。



私「いい!!自分で持てるから!!」



母と裕也母「どうしたの?」



私は母の横に行った。



裕也母「唯ちゃん大丈夫?裕也が何か嫌な事した?」


私は首を横にふる。



母「どうしたの?言わなきゃわからないじゃない。」



私「。。。。」



母「も~何でもないなら、ほら!ちゃんと歩いて!」



母「ごめんね~裕也くん。唯ちゃん赤ちゃんみたいね~」




このまま家に帰った。



いつもなら家に帰るとすぐに裕也と一緒に団地の公園に行く。



裕也が誘いに来たが、私は寝たふりをした。



翌日も母は裕也母と買い物に行くと言う。



でも私は2つ上の兄と留守番すると母に言った。


あれだけ素直に大好きと手紙に書いてたのに、美紀ちゃんと仲良くしてるのが嫌だったとは何故か言えなくて。


数日間、私は裕也を避けていた。



No.6 13/05/03 03:59
名無し0 

夏休みのある日。



地元でお祭りがあった。



母は私に浴衣を着せてくれた。



毎年楽しみにしているお祭り。



今年も家族でと思ってた。



お祭り会場の神社に着いた。



神社の鳥居のところで両親は止まった。



私「早く行こうよ~」



母「もうちょっと待ってて。」



母「ここだよ~」



母は人混みに手を振っている。



こっちに来たのは裕也家族。



母と裕也母が私と裕也が喧嘩しているんだと思い、仲直りのために一緒にお祭りを楽しむ事にしたようだった。



一通り見て回り、くじをやり、食べものを買い、出店の裏側の芝生に座り、食べる事に。。。



裕也「これあげる」



裕也が私に手紙をくれた。



裕也「唯怒ってるよね?何で怒ってるの?」



私「。。。。」



裕也「言ってよ。」



私はしばらく黙りこんだ。



二人とも無言でたこ焼きを食べている。




私「裕也が美紀ちゃんと仲良くしてたから」



小声で言った。



裕也「ん?なに?」



私「裕也が美紀ちゃんと仲良くしてたから!!ただそれだけ!!」



裕也「えっそんな事?」



私はうなずく。



裕也「じゃあもう仲良くしない。許してくれる?」



私「うん。」




仲直り。




この日からは元通り。




残りの夏休みも楽しく過ごした。


No.7 13/05/03 04:03
名無し0 

お祭りの日に裕也からもらった手紙。



ゆいだいすき。前みたいにいっしょに遊べないとつまんないよ



そう書いてあった。



初めて書いてくれた「だいすき」



この手紙は私の宝物になったんだ。



No.8 13/05/03 04:07
名無し0 

夏が終わり、秋が来て、なんとなーく寂しい季節。



冬を迎え、あっという間に一年が過ぎ去ろうとしている。



春には小学校入学を控えていた。




私は卒園するのが嫌だった。



三年間通った幼稚園にもう行けないのが寂しかった。



それと。。。三年間仲良くしてくれた親友のいっちゃんと小学校は離れてしまう。



この時初めて大切な人との別れを経験したんだ。



6歳の春。



卒園式はいっぱい泣いた。

No.9 13/05/03 04:10
名無し0 

別れがあれば、出会いもある


春はそういう季節なんだよ



母がそう言った。




母の言葉を信じ、新しい出会いがあるであろう小学校に入学した。







小学校は一学年4クラス。




私は1組。裕也は2組。





離れてしまった。




No.10 13/05/03 04:24
名無し0 

小学校になると、新しい世界が出来るんだよね。



今までは毎日裕也と遊んでたけど、それぞれ同性の友達と遊ぶ約束をしたりもして、毎日は遊ばなくなっていた。



日曜日。



私と裕也は団地の公園で遊んでいた。



裕也「ねー唯、1組ってどう?先生こわい?友達いっぱいできた?」



私「先生怒ると怖いよ(笑)唯は怒られた事ないけど。友達できたよ~裕也は?」



裕也「うーん。俺もできたよ。でも幼稚園のほうが良かったな。戻りたい!」



裕也「幼稚園の時さ、唯お泊まり保育の時怒ってたでしょ?だから唯も男の子と仲良くしないでね」


私「仲良くなろうと思わないし、なれないよきっと。自分から話しかけれないしね」



実は唯はかなりの人見知りなのだ。



すぐに誰とでも仲良くなれる裕也とは正反対。



裕也が羨ましかったんだよね。




この変な約束?は成立(笑)



一応両思い的な。。。



お互い習い事も始めたし、遊ぶのは日曜日くらい。



日曜日は毎週この公園で遊んでたね。



No.11 13/05/03 04:44
名無し0 

大人から見れば単なる恋愛ごっこ。



でも子供も恋愛するんだよね。



バレンタインも手作りチョコ渡したし(笑)



特に変わった事もなく、あっという間に二年生になり、三年生を目前に控えた2月末。大事件が起きた。



母「唯ちゃん、ちょっと来て。大事な話があるの。」




宿題をやっていた私は「後にしてよ~」



母「いいからちょっと来て!!本当に大事な話なの!!」



母がいつもと違う。



その空気を感じ取った私はリビングへ。




母は座っていた。




母「ちょっと座って」




母が何を言うのか全く想像も出来ない。




母「いい?びっくりすると思うけど、もう言わなきゃいけない事だから。。。」




私「なに。。。?」











母「あのね、、、裕也くん家、お父さんのお仕事の関係で、引っ越すんだって。。。」




私「え??は??ウソでしょ?」





母「本当。ウソなら良かったのにね。。。」




私「え?いつ?」




母「3学期が終わったらすぐだって。」




私「どこに引っ越すの?」




母「千葉県。ディズニーランドがあるところ」






私は慌てて裕也の家へ。





チャイムを鳴らすと裕也が出た。




裕也「あ、唯、どした?」




私「引っ越すの?本当に?ウソだよね?」




私は泣きそうになりながら言った。




裕也「。。。。」




私「ほんとなの?」




裕也「うん。。。」



私「そっか。。。ディズニーランドがあるところだっけ?」



裕也「うん。。。」




私「いいね。。。!!私もディズニーランド行きたいな!!毎日行けるね!!楽しそうだね!!」



裕也「。。。」



私は自分の家に入った。










No.12 13/05/03 04:56
名無し0 

あと一ヶ月もない。。。


貴重な日々。



日曜日、私はまた公園にいた。



何をするわけでもなく、ただ一人、ブランコに座っていた。



裕也が来た。



裕也「唯は寂しくない?」




私「。。。。」



裕也「俺は引っ越したくないよ、ほんとはね。でもお父さんの仕事で、どうしても引っ越さなきゃダメなんだって。。。行きたくないよ。。。」



私「唯だってやだよ。裕也がいなくなるなんて。」


私は泣くのを我慢していた。



涙は見せたくなかった。



でも。。。




我慢しきれずに泣き出した。





裕也「手紙いっぱい書くよ!!寂しくないように!!電話もするね!!」



私「。。。」



裕也「もう少し大きくなったら遊びにも来るから!!唯、忘れないでね!!」




そう言って裕也は遠くに行ってしまった。。。

No.13 13/05/03 05:14
名無し0 

3年生になった。



裕也がいなくなって数日間、ずっと裕也の事ばかり考える。



いなくなったなんて信じられない。



信じたくない。



小さな心にぽっかり穴が開いていた。




また隣の家には同い年の男の子ひ引っ越してきていた。



彼の名前は高橋翔太。



仲良くなる気がしない。。。



なりたくもない。。。



でも翔太は何故かやたらと絡んでくる。



翔太「唯ちゃんってあんま笑わない?」



翔太「なんかいっつも悲しそうじゃない?」



翔太「何かあったのー?」



私「別に何でもないよ。」




翔太とは遊ばない。



ただ同じクラスのクラスメイト。



朝、家を出る時間が同じで、話しかけてくる。





4月も終わろうとしていたある日、いつものように学校から帰ってきた時、集合ポストを確認する。



一通の手紙が届いていた。






裕也だ!!




翔太「ん?誰から?」



私は急いでエレベーターに乗り、家に急いだ。



家に入り、封を切る。





ゆいへ。


クラスがえどうだった?

だれと一しょになった?

友達出来た?

おれは友達できたよ!

へんじちょうだいね。





短文でも嬉しかった。



すぐに返事を書いて母に切手をもらってポストに向かった。



ポストに行く途中、翔太に遭遇。



翔太「それ、さっきの手紙の返事?もう書いたの?」


私「うん。」


翔太「早っ!!誰?ばあちゃんとか?」


私「違うよ~でも内緒!」




私はポストに出して、家に帰った。






No.14 13/05/03 05:22
名無し0 

翌朝


翔太「昨日俊介に聞いたよ!あの手紙、引っ越した奴にだろ?俺の家に前住んでた奴。千葉行ったんだってな。遠いな。」


私「うん。でもいいの。手紙くれたしね。」



翔太「ふーん、でも千葉なんて遠いからもう会えないね」



私「わかんないけど、きっとまた会えるよ」



翔太「何で?」



私「何となく」



翔太「何だっけ、裕也だっけ?好きなの?」



私「翔太に関係ないよ!(笑)」




私は裕也から手紙が来た事が嬉しくて嬉しくて。



絶対にまた会えると信じてたんだ。

No.15 13/05/03 11:09
名無し0 

裕也がいなくなって4ヶ月。。。


手紙は月に2~3通。


電話は月に1度。



この頃は携帯なんてまだ全然普及してなくて。



家電か手紙しかなかったんだよね。



私の誕生日、7月22日。



裕也からの電話をずっと待っていた。



来ない。。。




いくら待っても来ない。。。




まだ9歳になったばかりの私、日付が変わっても夜中まで電話の前で待っていた。



でも電話がくる事はなかった。




朝、母に起こされ、「電話鳴った?」と聞く。



母「鳴ってないよ~」




そっか、、、忘れちゃってるのかな、、、



去年も一昨年も3年前も一緒に誕生日やってくれたのにな。。。



朝、真っ先にポストを確認するも、何も届いてはいない。。。



外で郵便のおじちゃんが来るのを待つ。




翔太「何してんの?」




私「郵便待ってる」




翔太「そんなとこずっと座って暑くない?アイス買いに行くんだけど一緒に行かない?」



私「行かない」




翔太「暑くて倒れる前に家入ったほうがいいよ」





郵便のおじちゃんが来た!!




集合ポストに順に郵便を入れていく。




407号室。。。




うちには何もなかった。。。




曾祖母が元気だった頃、宅急便でプレゼントをよく送ってくれてた事を思い出した。




もしかしたら宅急便が届くかも!!




次は宅急便を待つ。






可能性を信じたかったんだよね。




覚えていてくれてると思いたかった。





昼食も食べずに夕方まで待っていた。






翔太「いい加減家に入れよ」




私「宅急便来てないよね?」




翔太「宅急便?来てないけど。何か届くの?」





私「ううん、多分何も。。。」




翔太「変なの。。。あ、ちょっと待ってて」





翔太はそういって上に戻った。




数分後、、、





翔太「はいこれ。」




翔太はコップに入れた麦茶を私に差し出した。




私「ありがとう」




喉がカラカラだった私は一気に飲み干した。





何も言わずに翔太も座った。




翔太「ねーおまえって何考えてんのかよくわからないよね。」



私「そうかな?」



私達は暗くなるまで座っていた。



ただじっと待ってた。




届くはずもない裕也からのプレゼントを。。。





No.16 13/05/03 11:31
名無し0 

翌日、ラジオ体操に行く。



団地の公園でやっていた。




エレベーターを待ってると、翔太も来た。




私「おはよう。昨日はありがとう」




翔太「え?何が?あー麦茶?」




私「麦茶もそうだけど、一緒に待っててくれたから。」




翔太「いーよ、どうせ暇だったしね」







それから数日待っても裕也からは音沙汰なし。




こっちから電話するのも怖くて出来なかった。




私は手紙を書く事にした。





誕生日の事もさらっと書いた。







地元のあのお祭り、、、



毎年楽しみにしていたが、今年は複雑だ。。。




裕也と初めて喧嘩?して、仲直りした場所。




兄は友達と行き、私は母に行かないと言った。




団地の公園で一人ブランコを思いきりこいでた。




この公園、裕也とよく遊んだな。。。




3年前はすごく大きく見えていた滑り台も今見るとそうでもない。



「ゆーいー!!」




遠くから誰かが呼んでる。




裕也??




じゃないよね。。。




翔太だ。。。





翔太「何してんのさー祭り行かないの?」



私「うん。」




翔太「楽しいのに。勿体無いなぁ。」




私「翔太はもう行ってきたの?」




翔太「うん。すげー混んでた!!」




翔太はいちご飴を持っていた。




裕也も好きだったな、、、いちご飴。





翔太「これあげる」




いちご飴を私に渡してきた。




私「えっ何で?いいの?」




翔太「欲しそうにじっと見てるから(笑)」




私「ありがとう」




翔太もブランコに乗る。




翔太「宿題やってる?」




私「あー全然やってないや。。。翔太は?」




翔太「俺もやってない!!唯やってたら見せてもらおうと思ったのに(笑)」




私「やってても見せないよ!!(笑)」




翔太「あ、明日一緒にうちで宿題やろーよ!」




私「んー…」




私は裕也と約束したことを思い出した。




男の子と仲良くしないって。




でもまぁ別に翔太の事何とも思ってないし、ただのクラスメイトだし、家が隣ってだけだし。



いいよね。。。?




私「んじゃー明日行くわ!!」




一緒に宿題をやる事にした。

No.17 13/05/03 12:31
名無し0 

翌日、宿題を持って翔太の家に行く。


ここに入るの4ヶ月ぶりかな。。。




裕也がここを出る日に入ったっきりだ。



翔太の部屋に入った。



翔太「ごめん、汚いけどそこ座って」



ここ、裕也も使ってた部屋。



翔太はお兄ちゃんと一緒に使ってる。



部屋の隅の押し入れの壁に、、、昔、落書きしたんだよね。



ハートを書いて、その中に唯と裕也って書いた。



まだあるかな。。。




翔太「ちょっと待ってて!ジュースもらってくる!」



翔太が部屋を出た時に少しだけ開いてた押し入れの扉から覗いた。




あの落書きはまだあった。。




裕也がいなくなってまだ半年もたってない。



でも裕也がいなくなったのは、もっともっと前のような気がする。。。



あの落書き以外、ここには裕也が住んでいた痕跡がない。。。



もう翔太の家なんだね。。。




そんな事を考えていると何となく悲しくなる。




自然に涙が出てきちゃうんだよね、、、



翔太「はいこれ」




ジュースをくれた。




翔太「えっ?あれ?泣いてる?ごめん、俺なんかしたっけ??」




私「違うの、何でもないよ!!ごめんね、宿題やろ!!」




私達は真剣に宿題をやり続けた。




翔太母「しょーた!!宿題終わった?牛乳買い忘れたから買ってきてほしいんだけど」




翔太「えー!!めんどくさ!!」




翔太母「唯ちゃんと好きなお菓子1個ずつ買っていいからさ~」




翔太「行く?」



私「いいよ」




買い物に行く事になった。




スーパーまでは歩いて5分くらい。



よく裕也と一緒に行ったなぁ。。。



スーパーに着いたら、私と裕也はいつも二人でお菓子売り場に行っていた。




牛乳をかごに入れ、お菓子を選びに行く。



翔太「どれにする?」




私「私はいいよ、勝手に買ってもらったりしたらお母さんに怒られるから。」




翔太「そっか、じゃあこれにしよ!」



翔太はポテトチップスをチョイス。



お金を払い、翔太の家に戻った。




宿題の残りをやる。




翔太はポテチを開けた。



翔太「一緒に食べよ!!これなら怒られないでしょ?」




私「うん、ありがと!!」





宿題がある程度終わり、帰った。




母が誰かと電話している。




怪我?入院?




え?


母が受話器を置いた。

No.18 13/05/03 12:49
名無し0 

母「あ、唯ちゃん!ちょうど良かった!!」



私「誰か怪我したの?入院したの?」



母「そうなの!裕也くんが交通事故にあって、入院してるんだって。」


私「えっ!大丈夫なの?」



母「もう大丈夫だって。ひろちゃん(裕也母)が唯の手紙に気付いて電話してくれたの。裕也くんが唯の誕生日に電話出来なくてごめんねって」




良かった。。。無事で。。。



そして忘れられたわけじゃないとわかり、ホッとした。。。



No.19 13/05/03 13:02
名無し0 

夏休みも終わりを迎えた頃、裕也から電話が来た。



裕也「誕生日、ごめんね。」



私「いいよそんなの。それよりもう大丈夫なの?」



裕也「もう全然元気だよ!!夏休み楽しくなかったからもう一回やり直したいわ(笑)唯は楽しかった?どっか行った?」



私「んー…家族でプール行ったくらいかな。」



裕也「いいな~!!あ、祭りも行った?」



私「祭りは行ってないよ~裕也から電話も手紙もなくて寂しくて(笑)でも友達からいちご飴貰ったよ」



裕也「いちご飴かぁ~友達って真希ちゃん(唯の親友)?」



私「違うよ~、隣の家の子。裕也が引っ越した後に引っ越してきた子で、翔太っていうの。同じクラスなんだよね。」



裕也「そうなんだぁ。仲良くはしないでね(笑)あ、そうそう!冬休みそっちに行けるかもしれない!」



私「ほんとに!!」



裕也「叔父さんとこに行くかもしれないんだ!お父さんの仕事が忙しかったら無理かもしれないんだけどね、」



私「忙しくないといいね!!楽しみにしてる\(^^)/」





すっごく嬉しかった。



裕也と久々に会えるかもしれない。。。



話したい事がいっぱいあった。



冬休みまでまだまだだけど、待ち遠しくて仕方なかった。



冬休みまで電話と手紙で連絡を取る日々。



毎日毎日カレンダーを見ながらあと何日か数える。



あと5日!!!



楽しみ!!



裕也から電話が来て、近くのスーパーの前で待ち合わせする事にした。



ワクワクしてなかなか寝付けない日が続いた。








No.20 13/05/03 13:28
名無し0 

待ち合わせ当日。


13時に待ち合わせ。


私は昼食を急いで食べて、お洒落をして出掛ける。



あとちょっとで裕也に会える!!


久々だからか、緊張もする。。。



スーパーまで徒歩5分なのに12時30分には家を出た。



エレベーターで翔太と遭遇した。



翔太「どこ行くの?」



私「裕也が来るの!!」



嬉しくて嬉しくて裕也が来る事を言いたかった(笑)



翔太「ふーん、良かったね」



私はスーパーに向かった。



時計を見てもまだ12時40分。



裕也はまだ来ない。



10分、、、20分、、、



13時を過ぎても裕也は現れなかった。




13時半。。。



裕也はまだ来てくれない。。。



真冬の外で1時間待っていた。



手足が冷たい。。。顔も冷たい。。。



ずっとスーパーの前のベンチで裕也を待った。



もう手足の感覚もない。。。


寒くて凍え死にそう。。。



スーパーの中は暖かい。



でも中に入ったらその間に裕也が来てしまうかもしれない。。。


そう思ったら中には入れなくて、裕也を信じてひたすら待ち続けた。



「唯!!」



誰かが呼んでる。。。



裕也?




違う。。。



翔太だ。。。




翔太「何やってんの!裕也は?」



私「来ない。。。でもきっと来てくれるよ。。。だから待ってる。。。



翔太「今もう3時過ぎてるんだよ!?お前家出たの12時半くらいだろ?あれからずっとここで待ってんの?」


私「うん。裕也は絶対来るはずだから。。。」



翔太「もう来ないよ!!一緒に家帰ろ」



私「裕也は来るよ!!約束したんだもん!!絶対来る!!唯は裕也が来るまで待つよ。」



翔太「風邪引いても知らないからな」



翔太は帰って行った。




それからも待ち続けた。。。



母は私は裕也と一緒にいると思っている。



だからまだ帰らなくても不審に思わない。



寒気がして意識ももうろうとしてくる。。。



「唯、もう帰るぞ!!!」



翔太がまた見に来てくれていた。



翔太「もう裕也は来ないよ!諦めろ!!」



翔太は私の手を引いて歩き出した。



翔太「ねぇ、何でこんなんなるまでアイツ待つの?」



私「好きだから。裕也が好きだから。」



翔太「約束も守らない、おまえの誕生日も忘れてる奴のどこがいいわけ?」



私「違う。誕生日も入院してたから連絡なかっただけ。今回も何かあるんだよ、きっと。」


私は家に帰った。。。



No.21 13/05/03 13:38
名無し0 

母「裕也くん元気だった?楽しかった??」


私「裕也。。。来なかった。。。」



母「え?何で?じゃあ今まで何してたの!?」



私「ずっと待ってた。。。」



母「外で!?」



母は私の手を触る。



母「冷たっ!!早く暖まりなさい」



母が毛布を持ってきてくれた。



毛布にくるまり、温かいココアを飲む。



母は私に何も聞かなかった。



この日を境に、裕也からの連絡はなくなった。。。



No.22 13/05/03 14:03
名無し0 

新年を迎え、冬休みが終わった。



もうすぐ四年生。



裕也とは連絡も取ってない。



手紙もない。




何してるのかな。。。




前までは隣に裕也がいた。



会いたい時にいつでも会えた。



今は会いたくても会えない。



声も聞けない。






いつものように学校に行く。




翔太「おはよ」



私「おはよ」





私「ねぇ、友達って、離れたらもう友達じゃなくなるのかな?」



翔太「さぁ。でも俺も前の学校の奴とはもう友達じゃないかも。転校してから一回も会ってないし、電話とかもしてないし。」



私「会いたいとか思わない?寂しくない?」



翔太「いや、別に。どっちでもいい。新しい友達いっぱいいるしね。あの裕也って奴の事、まだ気にしてんの?」



私「。。。。」



翔太「もう忘れろよ。あっちももう唯の事忘れたんだよ。唯は裕也いなくたって友達いるじゃん。」



私「。。。。」



翔太「元気だしなよ!!俺もいるしさ!!(笑)」




私「えっ(笑)」



翔太「俺はもうどこにも転校しないからさ!!」




その頃、団地の近くで宅地用の土地が販売されていた。



うちは春から兄が小6、私が小4。



3DKの団地は手狭になり、兄と私の同室も限界だと感じていた両親は、マイホームを建てた。



この団地に住んでいる世帯ばかりが、その土地を購入し、家を建てた。


翔太の家も同じだった。




No.23 13/05/03 14:10
名無し0 

私達は4年生になっていた。



裕也が引っ越してから1年以上たっていた。




夏の終わり、とうとう団地出る日が来た。




団地は狭かった。



でも沢山の思い出がある。




私は生まれた時から10年間、ずっとこの団地にいた。



この団地の公園にも沢山の思い出がある。



とはいえ、新しい家は団地から徒歩5分くらい。


家からも団地が見える。



学区も変わらないから転校もしない。



新しい家は、ちゃんと私と兄、それぞれ個室がある。


新築で綺麗だ。



でも裕也と過ごした団地。



思い出がなくなってしまうようで、寂しくて、複雑だった。。。




No.24 13/05/03 14:17
名無し0 

新しい家はやはり住めば都。



私もすぐに気に入った。




裕也とは連絡を取らないまま。




月日だけが過ぎて行った。




一年前の冬休み、裕也が来なかった日から一年。



この住宅街の数世帯でクリスマスパーティーをする事になった。



皆、小学生がいる世帯ばかりだ。



うちも翔太の家も参加する。



母は準備に追われている。



私も手伝う。



持ちよりパーティーだから、うちはチキンとサンドイッチを作った。


No.25 13/05/03 14:50
名無し0 

この住宅街の中でも一番の豪邸、雅樹くんの家でパーティーをやる。



雅樹くんはクラスは違うけど同級生。



雅樹くんは頭も良くて、お金持ち。


前は団地にいたわけではなく、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでいたんだ。



翔太は雅樹くんが苦手だと言う。



金持ち自慢が凄いからだ。



私も幼稚園から一緒だった雅樹くん。



苦手だからあまり関わって来なかった。



パーティーが始まり、大人達はお酒を楽しんでいる。



子供達は子供達で楽しんでいた。



雅樹くんはまた自慢を始める。



新しいゲームをいくつも持っている。



プレステ時代ですねw



まだPS2すらなかった頃。。。


スーファミ、プレステ、セガサターン、ゲームボーイ、、、


雅樹くんは何でも持っていた。


雅樹くんは計算高い女の子からはモテる



ゲーム貸してほしいからw



一人の同級生が雅樹くんに言った。



同級生A「雅樹はB子のこと好きなんだよなw」



雅樹「は?んなわけねーだろ!!」



B子とは、計算高い女の子で背が高く、美人でスタイル抜群



B子「やだーありえないー気持ち悪い!!」



B子は雅樹には興味がないw


雅樹の所持品目当てなだけw



そう、雅樹くんはお世辞にもカッコいいとは言えない。。。


雅樹とAが揉め始める。


B子は怒ってお母さんのところに行ってしまった。



翔太が喧嘩を止めようとする。



雅樹「おまえは入ってくんな!!元団地住まいの貧乏人が!!あ、お前は唯の事好きなんだろ?見てりゃ誰だってわかるわw」


翔太「は?何言ってんの?ただの友達だし!!」



雅樹「まぁ友達以上にはなれないよなw唯は幼稚園のころからずっと裕也だからなw」



もう滅茶苦茶になっていた。。。


私も耐えきれず部屋を出た。。。



翔太が唯を好き??



んなわけないだろ。。。


ただの友達って言ってたし。。。



私も頭が混乱。



両親を置いて先に自分の家に帰った。



No.26 13/05/03 15:42
名無し0 

また新築を迎え、新しい一年が始まる。



春にはもう5年生になる。



冬休みも終わり、学校に行く。



翔太「おはよ」



私「おはよ」



何となく空気が重い





何も話さないまま学校へ。


学校でも私は無意識に翔太を避けていた。


帰りもさっさと帰る。。。




早歩きして帰る。




「ゆーい!!待ってよ!!」




あ、、、翔太だ、、、




翔太「クリスマスの時の事気にしてんの?」




私「いや、、、そんな事ないけど、、、」




翔太「じゃあ何で避ける?」



私「避けてないよ。唯習い事あるから急がないと。。。」



翔太「今日は何もない日でしょ」




バレてたw




2年間一緒にいたら、わかるんだね。。。



翔太「あれ、気にしないでよ。好きなのは本当だよ。でも唯が裕也好きなの知ってるし、別にあれ忘れていいから」



私「。。。」



翔太「ねーだからいつも通りにして!!唯ちゃん!!」



翔太の笑顔を見てたらなんか自分が色々悩んでるの馬鹿らしくなった。



裕也は裕也、別の道を歩いてるんだよね。



遠くで頑張ってる。



またいつか会えると信じて。。。



私も私で、毎日頑張ろうと思った。




私「あーなんかもういいや!!ありがと!!」



翔太「は?何が?わけわかんねwまぁいっか!唯も元気になってくれたみたいだし。」




この日からまた翔太とは普段通りに接してた。




全てが吹っ切れ、前向きになれた。





ありがとう。。。

No.27 13/05/03 16:07
名無し0 

春を迎え、桜が咲いてる。



唯ももう5年生。



5年生はみんな楽しみにしてる行事がある。



宿泊研修だ!!



6年生の修学旅行の予行練習としてのキャンプ。



翔太とはまた同じクラスだった。



私達のクラスには転校生が来た。




担任が転校生を中に呼ぶ。




担任「黒木くん、入って」





ん?





黒木?





裕也??







転校生がドアを開ける。






裕也。。。!?











。。。じゃないね。。。





でもどことなく裕也に似ていた。





担任「黒木優人くんです。皆さん仲良くしてください。」





黒木優人w



漢字は違うけど、名前は一文字違い。




しかも顔も似てるしw






まぎらわしいw






黒木くんはあの団地に住んでいるそう。





思い出の団地。





帰り道、黒木くんが私の前を歩いていた。




「ねー唯ちゃん!!」





また翔太w





翔太「みんな裕也ににてるとか言ってたけど、似てるの?」



私「さぁ。。。名前と顔は似てるかもね。でもあれは裕也ではないから。全くの別人!!」




翔太「ふーん。。。唯ちゃんが心配だわw」




私「は?何がー?」



私は帰宅してからスーパーに行った。



母に頼まれたものを買いに。




0歳から来てるスーパー。



どこに何があるかは熟知しているw



買い物はすぐに終わった。



スーパーから出る時、転校してきた黒木くんに遭遇した。



黒木くん「あれ、同じクラスだよね?」



私「うん!西野唯だよ!よろしくね」



「こんにちはー」



下を見ると小さな女の子。



黒木くん「これ、俺の妹の瞳。もうすぐ3歳」



私「可愛い~瞳ちゃんっていうんだね、よろしくね」



黒木くん「母ちゃんに買い物頼まれたんだけど、このスーパー初めてで。瞳もうろちょろするし、買い物付き合ってくれない?」



私「いいけど。。。?」



スーパーに入った瞬間、瞳ちゃん走り回る走り回る!!


びっくり!!


追いかけるの必死w



やっとの思いで買い物を終わらせた。


買い物を終えても瞳ちゃん、うろちょろw



そしてとうとう転んでしまった

No.28 13/05/04 00:14
名無し0 

瞳ちゃんはぎゃーぎゃー泣き出した。


黒木くんは瞳ちゃんをおんぶし、荷物を持って歩く。


私「荷物持とうか??」


黒木くん「うん、ごめん、お願い」



私は黒木くんの家まで荷物を持つことにした。



黒木くんの家は団地。


懐かしいなぁ。。。



黒木くんの家の前に着いた。



買い物した荷物を置いてまた外へ。



瞳「もう帰る~おうち帰る~」



黒木くん「ママに怒られるから。暗くなるまでお外で遊ぶよ」



私「瞳ちゃん、公園に行こうよ!!一緒に遊ぼ!!」


瞳「唯ちゃん行くー?ブランコするー」



私も一緒に公園へ。



黒木くん「母ちゃん夜働いてるから昼間寝てて。瞳が家にいたら寝れないから外に連れ出すしかないんだ。。。」


私「そうなんだぁ。。。」



黒木くんは自分の家庭の事を話し始めた。



複雑な家庭。



去年お母さんが瞳ちゃんの父親と離婚し、それから母子家庭らしい。



黒木くんの実のお父さんとは会った事すらないとか。。。



瞳「唯ちゃ、またケーキ作って!!」



私「ん??」




黒木くん「この唯ちゃんは、ケーキの唯ちゃんじゃないよ。」



瞳「んー?」



転校前のクラスメイトに唯香ちゃんという子がいて、唯香ちゃんは瞳ちゃんの面倒をよくみてくれていたらしい。


どうやら瞳ちゃんは混乱してるようだ。



No.29 13/05/04 00:45
名無し0 

翔太「おはよー」



私「おはよー」



翔太「昨日団地の公園にいた?ちっちゃい子と遊んでなかった?」



私「あーあの子、黒木くんの妹ちゃん」



翔太「へー。って、何で遊んでたわけ!?」



私「スーパーで偶然会って、荷物持つの手伝ったら流れでw」



黒木くんは学校が終わったらすぐに家に帰る。



瞳ちゃんが待ってるからね。。。






ある朝



黒木くん「今日また瞳と遊んでやってくれない?瞳が唯ちゃんと遊びたい遊びたいうるさくてw」



私「いいけど、また公園に行けばいい?」



黒木くん「うん!」



翔太「俺もいい?」



黒木くん「もちろん!!」




私と翔太は帰宅後に団地の公園に行った。



翔太はブランコに乗った。


翔太「懐かしいねー。団地出てからまだ一年もたってないのにね!」



私「だねー。」



そこに瞳ちゃんを連れた黒木くんが来た。



瞳ちゃんが駆け寄ってくる。




瞳「ゆいちゃ…」



瞳ちゃんは突然走るのをやめ、その場に座り込んだ。



黒木くん「なした?」



瞳「唯ちゃじゃない!!ちがう~!!唯ちゃんどこ~」



泣き出してしまった。



唯ちゃんは唯ちゃんでも、瞳ちゃんが遊びたかったのは私ではなく、引っ越し前の料理上手で優しい唯香ちゃん。


黒木くん「唯ちゃんだよ、瞳。せっかく来てくれたんだから遊んでもらお」



瞳「やーだー唯ちゃじゃなきゃやーだー」



事情を知らない翔太は状況が飲み込めない。



黒木くんは瞳ちゃんを抱っこし、翔太にも事情を話した。



黒木くん「せっかく来てくれたのにごめん。ありがとね。」



黒木くんは帰って行った。




翔太「色々大変なんだな、、、あいつ。」



私「うん。。。」



翔太「でもさ、俺達にできる事はないんだし、あまり深く関わるのもね。唯は唯でも、瞳ちゃんが遊びたいのは引っ越し前の唯ちゃんだろ?唯見ると前の唯ちゃんの事を思い出させる事になるし、瞳ちゃんも黒木も辛いんでない?」



私「そうだねー。。。」




あまり深く関わらない方がいいのかな。。。


世の中には色々な家庭がある。


母子家庭も父子家庭もあるし、両親がいない子もいる。


両親揃ってても不仲な家庭、円満な家庭。



きっと同じ立場に立たなきゃわからない事がある。


瞳ちゃんも幼いながらに心に傷を負ってるのかな。。。



当然黒木くん本人も。



裕也に似てると思ってたけど、全然違った。



黒木くんは苦労してるんだな。。。







No.30 13/05/04 01:02
名無し0 

黒木くんは相変わらず毎日早く帰る。



瞳ちゃん、気になるけど仕方ないね。。。



宿泊研修が近付いていた。







学活で、宿泊研修の計画。



黒木くんは担任に何やら話している。



担任「お母さんからも聞いてるけど、宿泊研修は授業と同じだから。何とか都合つけられないのかな?お母さんともう一度話し合ってみて」




黒木くん「俺多分行けないから俺抜きで決めていいよ」



Aくん「は?何で行けない?」


黒木くん「まぁ色々。。。」



Bくん「わかった!!おまえんち貧乏だから金払えないんだろ!!」


Cちゃん「えーそうなの?あ、でも言われてみればいつも同じ服着てるしねー。お父さんいないんだっけ?いつも妹の面倒みさせられてかわいそうだねってうちのママ言ってた!」


Aくん「まじかよ。シスコン?w」



みんなが黒木くんをからかいだす



翔太「やめろよ。父さんいないとか、妹といつも一緒とか関係ねーじゃん。」



Aくん「お前こそ関係ねーじゃん。他人がどう思おうと勝手だろw」



担任「うるさーい!!静かにしなさい!!」



学校が終わり、黒木くんはまたさっさと帰る。


Aくん「シスコン、いや、ロリコン?ばいばーい」



あはははー



皆が笑ってる




翌日、黒木くんは学校を休んだ。






No.31 13/05/04 01:40
名無し0 

翌日も、その翌日も来なかった。


私は気になり、一人で行ってみた。



慣れたエレベーターに乗り、黒木くんの家の前まで来た。



チャイムを鳴らそうとしたその時。



「あんたが学校行かないからまた先生から電話きたよ!!ママが悪いみたいじゃない!!やることやれよ!!このダメ息子が!!だから嫌だったのよ。あんたみたいな息子いらなかったわ!!ほんと父親そっくりね!!」



今のお母さん。。。?



チャイムを鳴らさなくてもドアが開いた。



黒木くん「え、、、何してるの?」



私「学校休んでるから心配になって。。。」



黒木「。。。。」



黒木くんはエレベーターに乗った。



私も着いていく。



私「ごめん。。。聞いちゃった。。。」



黒木くんは何も言わない。



私「大丈夫。。。?」




沈黙が続いた。



私「ね、ここじゃあれだし、うち来る?」



黒木「うん。。。」



私は黒木くんをうちに入れた。



私「私で良かったら話聞くよ?」



黒木「。。。俺なんかいない方が良かったんだ。。。」



私「そんな事ないでしょ。」



黒木「俺は誰にも必要とされない。家でも学校でも。」



私「お母さんだって、本気で言ってるわけじゃないと思うよ?」



黒木「。。。。唯ちゃんは?」



私「ん?」



黒木「唯ちゃんは、人を好きになった事ある?」



私「あるよ。」



黒木「翔太?」



私「違うよ。黒木くんは知らない人。もうここにはいないんだ。遠いところに引っ越しちゃった。




黒木「俺もあるよ。でも裏切られた。唯香に。」



私「え。。。?」



黒木「唯は俺の事好き?」



私「え??好きだけど?友達だもん」



黒木「じゃあキスして」



私「は??」



黒木「キスして。」



私「何言ってんの!?w冗談やめてw」



黒木「冗談じゃない。」



黒木くんは私をぎゅーっと抱き締めた。



私「やめて!!」



黒木くんは構わず私を抱き締め続けた。



私「やめてってば!!」



黒木「やだ」



黒木くんは私の首にキスをした。

No.32 13/05/04 01:45
名無し0 

私は思いきり黒木くんを突き飛ばした。



黒木「ほらね。唯は俺の事なんか好きじゃねんだよ!!都合いいウソついてんじゃねーよ!同情で近づいてくんな!迷惑なんだよ!!」



そう言って黒木くんはうちを出て行った。。。




私は震えていた。



黒木くんが怖かった。。。



首、ぞくぞくした。



気持ち悪かった。。。



私は必死に何度も何度も首を洗った。。。



No.33 13/05/04 01:56
名無し0 

学校に行きたくない。。。



本気でそう思った。。。



でも。。。



この頃のうちは、兄の反抗期で母が困っていた。



悩んでるの知っていた。。。



私が学校に行きたくないなんて言ったら、母はまた心配するし、悩むだろう。。。



言えなかった。



「ゆーいっ!!」



ランドセルを叩かれた。



その瞬間、ビクッとした。



翔太「うわっw何その反応w逆にこっちがビビったわw」



私「ごめんごめん」



翔太が私の服に触れようとした。



私は無意識に思いきり避けた。



翔太「何っ!?ここになんかついてるって!」



私の服にゴミがついてて、取ってくれようとしただけだった。



翔太「なに?どうしたの?なんか変だよ」



私「何でもないよ、ごめんね」




言えなかった。。。



話したくもなかった。。。



言えるはずがなかった。。。

No.34 13/05/04 02:11
名無し0 

今日もやっぱり黒木くんは休みだった。


A「唯、昨日、黒木と一緒にいなかった?俺、黒木が唯の家から出てくるの見たけど」



私「。。。。あ、妹!!黒木くんの妹預かってたの。うちのお母さんがね!!」



A「ふーん。。。学校来ないであいつ何してんの?」



私「さぁ。。。あまり話してないから。。。」








必死にごまかした。



みんなに知られたくない。



その一心で。。。




翔太「ねぇ、昨日黒木と会ったの?」



帰り道、やはり突っ込まれた。



私「。。。うん。。。でもほら、さっきも言ったじゃん。瞳ちゃん預かってただけだよ。」



翔太「お前の母さん、瞳ちゃんの事知ってたっけ?」



私「。。。。」



翔太「朝からお前なんか変なんだよ。何かあったんだろ!?言えよ!!」



私「何もないよ。」



翔太「ウソだ。絶対ウソついてる。」



翔太は引き下がらない。



私「何もないってば!!」



翔太は私の腕を思いきり掴んだ。



翔太「言うまで離さない。全部話せよ。」



私「。。。。」



思い出しただけで涙が出てきて、震えも止まらなくなる。。。



翔太「大丈夫。大丈夫だよ。全部話してみてよ。誰にも言わない。約束。」



私は泣きながら全てを話した。



No.35 13/05/04 02:17
名無し0 

翔太「。。。はっ???ウソだろ??ほんとに??」



私かうなずく。



翔太「唯は家に帰っとけ」



私「???翔太は??」



翔太「あいつ許せねぇ。」



私「!!行かないで!!やめて!!」



翔太は黒木くんの家に行こうとしてるんだと気付き、必死に止めた。



翔太「だってこのままにはしておけないって!!腹立つわ!!許せねぇ!!」



私「でも。。。」



翔太は一人で行ってしまった。。。










No.36 13/05/04 02:24
名無し0 

私は取り敢えず家に帰った。


でも気になる。。。


すっごく気になる。。。



ずっと窓から外を見ていた。



翔太が帰ってきたら、ここを通るはずだから。



ずっと待ってた。



誰か歩いてくる。




翔太だ!!



私は急いで外に出た。



私「翔太!!」



翔太「あいつダメ。もう絶対近付くな!!」



私「え。。。??」



翔太「ダメ。絶対ダメ。関わるな。」



翔太はそう言って、自分の家に帰った。



鼻血、出てた。



殴られた?




殴ったの?




わからない。。。



No.37 13/05/04 02:54
名無し0 

学校に行くのが怖い。



黒木くんが怖い。



会いたくない。




宿泊研修当日。



黒木くんは休むだろうと思いこんでた。



遅刻ギリギリ。




黒木くんだ。。。




怖かった。



黒木くんを見るだけで拒絶反応が起こる。。。



黒木くんの動きが気になる。。。



何故かというと、そばに来てほしくないから。。。



翔太「唯、大丈夫?」



私「正直怖い。。。」



自由時間が一番怖い。



いつ来るかわからない。



カレー作り。



黒木くんとは違う班。



気を抜ける時間だった。


カレーを食べ、私は同じ班の子と後片付けをしに行った。



プラスチックの食器を洗う。



班の子が、先生に呼ばれ、私一人。。。



「唯ちゃん」



後ろから誰かが呼んでる。。。



翔太じゃない。。。



黒木「この間はごめん。本当ごめん。もう絶対あんな事しないから。許して。」



私「。。。お互いにあれはもう忘れよう。。」



黒木「本当にごめん」






怖かった。




でも少しホッとした。




夜、テントに入る。


女の子同士、語り合う。



話題は勿論、恋愛について!!


みんな、それぞれ、好きな人がいる。


5年生にもなればそれが普通。


マセガキw



私は聞き役に徹していた。



「ね~唯は?」



きたよきたよw



話ふられないようにしてたのにw



「裕也とまだ連絡取ってんの?」


私「取ってないよ。もう2年近く連絡取ってない。」



「えー何で??あんなに好きだったのに?」



私は親友以外には裕也との事、話してなかった。



私は二年前のクリスマスの事を話した。



「えーー!!裕也ひでー!!裏切るとか有り得ないし!!」



意外にも普通に話せた裕也との事。



「じゃあさ、もう翔太と付き合っちゃえばいいじゃん!!」



「そうそう!!翔太めっちゃ唯の事好きじゃん!!バレバレw唯も気付いてるっしょ!?」


私「どうかなー。」


私ははぐらかすw



知ってるよ。


翔太が唯を好きでいてくれてる事は。


でも、、、まだ気持ちの整理がつかないんだよ。。。


裕也の事はもう吹っ切れてるとは思う。



でも、怖いんだよね。



裏切られるのが。。。

No.38 13/05/04 12:02
名無し0 

キャンプも終わり、もうすぐ夏休み。



そして私の誕生日。




お祭りもあるね。




時々ふと考える。




裕也との事。




でもね、もう辛くはないんだよ。




いい思い出。




二度と会えなかったとしても、忘れる事はない。




大好きだった人。



でもね、最後だけはまだ引っ掛かってる。




何で来なかったのかな。。。



何も言わずに来ないなんてずるい。




突然、いなくなるなんて反則。





これからまた恋愛したとしても、またいつか捨てられる。



本気で好きになればなるほど、別れは辛い。




いい思い出にするには時間が必要なんだよね。







No.39 13/05/04 12:20
名無し0 

私の誕生日。



両親からのプレゼントを貰い、レストランに食事に行った。



兄の反抗期で、最近は家族団らんなんてなかったけど、久々に皆で仲良くご飯を食べた。



帰宅後、何故か黒木くんがうちの前で待ってた。




母「お友達?」




私「同じクラスの子」




母「あら、こんばんは。汚いけど中入って」




黒木「いや、ここで大丈夫です」




母「そう?じゃあお母さん先に入るね」




私「うん」







黒木「今日、誕生日なんだよね?」




私「何で知ってるの?」




黒木「学校で話してるの聞いたから」




私「そっか。。。」




黒木「これ。。。」




黒木くんは手に持ってた袋を私に差し出した。




私「なに?これ?」




黒木「いらないと思うけど、誕生日プレゼント」




私「。。。え。。。いいよ?気をつかわないで。。。」



黒木「いいから。たいしたもんじゃないけど受け取って。」




そう言って、黒木くんは私に袋を渡して帰って行った。





家の中に入り、袋を開けてみた。




綺麗にラッピングされたクッキーだった。



手作りっぽい。。。




手紙も入ってる。








この間は本当にごめん。
何もかもうまくいかなくて、自棄になってた。
許してもらえるとは思ってないけど、謝る事しかできなくて。
もう絶対にしないから。いつか許してくれると嬉しい。
誕生日おめでとう。いい一年になるといいね。







複雑。。。




もう忘れようとしてるけど。。。




でも私にとっては大事件で、忘れる事は出来ないかもしれない。




謝られれば、謝られるほど、許さなきゃ許さなきゃと追い詰められてる。



もう関わらないで。。。




お願い。。。





No.40 13/05/04 12:40
名無し0 

「ピンポーン」



翌朝、早朝からチャイムが鳴る。




両親と兄は寝ていて、私がドアを開ける。




「おはよ!!」



早朝からテンション高い翔太だw




私「こんな早くなーに?」



翔太「来て!!!」



私「???」



早朝から散歩w




すぐ近くの大きい公園に行った。



翔太「昨日唯様の誕生日だったよね!!



私「そうだよw覚えてたんだ?w」



翔太「勿論!!wでもね、昨日唯出掛けてたでしょ?帰ってきたら行こうと思ってたけど、夕方変な時間に寝ちゃってw起きたら朝3時w」



私「だから私も早く起こされたわけ?w」



私「あ、プレゼントは?w」



翔太「ないよーw」



私「だろうねw貰った事ないしw」




翔太「うそうそ♪これあげる」



翔太はポケットの中からキーホルダーを出した。



キティちゃんの小さいぬいぐるみの。



ラッピングもされてないそのままの状態w



値札付いてるしw




私「ありがとwでも綺麗にラッピングしてほしかったなーw誕生日だしw」



翔太「ラッピングの仕方とかわかんないしw」




いいよ、ラッピングなんかしてくれなくても。



物より心だよね。



ありがとう。





翔太「誕生日。。。おめでと♪今年も仲良くしてやるよw」



私「唯が仲良くしてあげてるんだよw」



公園で遊び、その辺ブラブラ歩き、楽しかった。





翔太といると楽。




居心地いい。




気をつかわないで素でいられる。




最初はそっけなくしてもしつこく絡んできてウザイ奴だと思ってたけど。。。



こんなにも仲良くなるとはね。



大切な友達。




ずっとこんな関係でいられたらいいな。。。







No.41 13/05/04 12:57
名無し0 

「ゆいちゃーん!!お祭り行こうよ!!」



お祭りは学区外。


でも5年生からは友達同士で行ってもいい事になってる。



翔太に誘われ、お祭りに行った。



すごい人混み。



翔太「こっち来て!!」



翔太は私の手を引っ張る。



私はジュースを買った。



翔太「ちょっとちょうだい!!」



私からジュースを奪い取るw




私「えwそれ、唯飲んでたやつだけどw」




翔太「だから?いいじゃんwちょっとくらいくれてもw」




私「そうじゃなくて。。。口つけたやつだよってw」




翔太「あーそっかwいいよ、唯ちゃんだもんw俺らそういう事気にする仲?w」



私「いや、いいよ、もうそれあげるw」




そんなやり取りをしてる間に黒木くんに会った。




黒木「あ、、、ねぇ!!瞳見なかった!?」




翔太「見てないけど。。。まさか迷子?」




黒木「うん。。。ちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって。。。」



私「大変じゃん!!探さないと!!」



みんなで探した。




1時間後、迷子放送が流れ、やっと見付かった。



瞳ちゃんは泣きながら黒木くんの元に。。。



瞳「あ!!まま~」



瞳ちゃんが向こうへ走っていく。



黒木「あ、、、母さんだ、、、」



黒木くんのお母さんを見てびっくり。。。




若っ!!!











No.42 13/05/04 14:54
名無し0 

黒木母「お友達?



黒木「うん。」



黒木母「もう瞳連れて帰るから、あんたもたまには友達と遊んできなさい」



そう言って、黒木くんのお母さんは瞳ちゃんを連れて帰って行った。



黒木母、25歳だそう。



15歳で出産て!!



当時は未婚の母。。。



だよね。結婚出来ない年齢だもんね。



翔太「遊べって言われてもねw俺と唯デート中だからwじゃあまたねw」





私「いいのかな。。。なんかちょっと可哀想な気もするけど。。。」



翔太「え!!おまえ甘過ぎ!!あんな事までされてあいつに気遣う必要ある!?」



私「そうだけど、実は宿泊研修の日も謝られたし、誕生日もわざわざプレゼントくれて、手紙でまた謝られたんだよね。。。」



翔太「謝られたからって許せるわけ?」



私「わかんない。。。」



翔太「無理に許さなくてもいいんだからさ。無理すんなって。」



私「うん。。。」




瞳ちゃんが迷子になって必死に探したけど、見付かって冷静になったら、やっぱり黒木くんと一緒に遊ぶのは気が進まないんだよね。。。


何だろう。



一生このままかも。。。









No.43 13/05/04 15:01
名無し0 

黒木くんとはほとんど関わらないまま、時間だけが過ぎた。



特に変わりなく、相変わらず裕也からも音沙汰なく、私達は6年生になろうとしていた。


春は桜の季節。



裕也と初めて出会った時も桜が咲いていた。



団地の公園にも桜がある。




桜が散る頃には既に仲良しで、落ちてくる桜の花びらを一緒に拾い集めた。



裕也も今、桜を見ているかな?



唯の事を思い出す事はあるんだろうか。。。



小学校生活最後の年。



どんな一年になるんだろう。。。








No.44 13/05/04 15:17
名無し0 

一年生を見てると思い出す。。。



大きいピカピカのランドセル背負って二人仲良く歩いてる。



唯と裕也もそうだったな。



この二人、ずっと仲良しでいられるといいね。



一年生を見て勝手にそう思う。



翔太「唯ちゃんおはよー」



そしていつからか、裕也ではなく、、、



私の隣には翔太がいた。。。



私「おはよー」



翔太「一年生ちっちゃ!!俺らもあんなちっちゃかったのかなw」



私「じゃないの?自分ででかくなった自覚がないだけでw」






夜、父から重大発表があるというw



さぁ、、、何なんだろう。




父「GW、ディズニーランドに行くぞ!!」



兄の反抗期も落ち着いてきて、前から父が行きたかったディズニーランドに行くと言う。



もう予約済みw




ディズニーランドかぁ。。。




裕也がいる千葉県。。。













No.45 13/05/04 15:23
名無し0 

ディズニーランドに向かう途中、、、



裕也の事ばかりを考える。



今、近くにいるよ。。。



同い年くらいの男の子を見ると、もしかしたら裕也じゃないかと見てしまう。。。



最後に会ったの3年前。



裕也だって成長してるよね。





もしかしたらわからないかも。



なんて考える。




ディズニーランドでは両親めちゃくちゃはしゃいでたw



私も楽しんだ。



さすが夢の国。



悩みなんてふっとんじゃうね。







No.46 13/05/04 15:41
名無し0 

一日目終了。



本当はディズニーランド内のホテルに泊まりたかったらしいw




でも高いから断念したらしいw




ツアーのホテルに泊まる。




ホテルのお風呂。



母が太ったと大騒ぎw



夜の散歩に行くと言うw



怖いからついてきてと私を誘う母w



30代も半ばにもなって怖いってw



仕方ないからついていく事に。





母「やっぱり夜は涼しいね~」



私「だね~」



話ながら歩く。



「あーちゃん?」




あーちゃんとは母のあだ名だw




母の名は明子と言う。




私と母は振り返る。




車の窓から顔を出してるおばさん。




ん?どこかで見たような。。。



母「もしかしてひろちゃん??」



ひろちゃん??



おばさん「やっぱりあーちゃん!!久し振り~!!何でこんなところに?」



母「ほんとー!!久し振りだねー!!ディズニーランドw旦那が行く行くうるさくてw」



おばさん「そうなんだぁ~唯ちゃんもすっかりお姉ちゃんになって!!あーちゃんに似てきたね。」





私も思い出した。。。裕也のお母さん。。。




車には他に誰も乗ってない。



ほっとする。。。




裕也母「お茶でもどう?すぐそこに美味しい喫茶店あるのよ~」



母「じゃあちょっとだけ」




私もついていく




母と裕也母のお喋りは止まらないw



三年ぶりだもんね。



私は母の横でパフェを食べていた。








No.47 13/05/04 16:00
名無し0 

裕也母「そうそう、あーちゃん引っ越した?電話も変わった?」


母「あれ?言わなかったっけ?引っ越したのよ~と言ってもすぐそばなんだけどねw電話も勧誘が多くて変えたのよ~」



裕也母「やっぱり~裕也がね、唯ちゃんに手紙出したんだけど、宛先不明で返送されてくるって言ってて。私が電話したら使われてないってアナウンス流れるし。。。」



母「教えたと思ってたけど教えたなかったんだね~ごめんね~」



裕也が手紙??


私に??



私「裕也のお母さん、手紙っていつ?」



裕也母「えーと。。。4年生の時だったかな。。。去年もまた出してたけど、やっぱり戻ってきてて。。。」



私「三年生の時、冬休みに叔父さんの家に行くって言ってたけど、、、行った??」



裕也母「うん。なんかその時も唯ちゃんと会うって言ってたからあのスーパーの前まで送って行ったんだけど、唯ちゃん急に遊べなくなったからって歩いて帰ってきて。。。」



私「裕也来てたの!?唯もずっと待ってた。裕也来ると思って。。。」


裕也母「え?遊べなくなったんじゃなかったの??」



母「そうそう、あの時、唯暗くなるまでずっと待ってたんだよね。。。てっきり裕也くんと遊んでると思ってたら、ずっと外で待ってたって。。。」



裕也母「じゃあ入れ違いだったって事???」



母「そうかも。。。」



裕也母「明日時間ある?」



母「うん。」



裕也母「唯ちゃん、明日裕也も連れて来るね。お互い誤解があるみたいだからちゃんと話した方がいい。」





翌日、裕也と会う事になった。




急展開。。。






No.48 13/05/04 16:02
名無し0 

裕也。。。



手紙くれてたんだね。。。



あの時も来てくれてたんだ。。。


でも何で帰っちゃったの??


ずっと待ってたのに。。。


理由が気になる。



知りたい。



でも。。。



三年ぶり。。。



その夜は寝れなかった。



No.49 13/05/04 16:48
名無し0 

喫茶店で待ち合わせ。



「あーちゃん」



裕也母の声。。。


母と裕也母は店内の違う席へ。



裕也母の後から店に入ってきた男の子。



裕也だ。。。




こっちへ来る。



心臓が張り裂けそうだ。。。



裕也「久し振り。。。」



私「久し振りだね。。。元気だった?」



裕也「まぁ。。。唯は?」



私「まぁまぁかな。。。」



沈黙が続く。



裕也「母さんから聞いたよ。引っ越したんだってね。」


私「うん。すぐ近くだけどね」



裕也「手紙出してたんだ。謝りたくて。」



私「謝る?」



裕也「三年生の時、待ち合わせしたのに俺帰っちゃったから。。。」



私「何で帰っちゃったの?裕也来るって信じてずっと待ってたのに。。。」



裕也「俺、待ちきれなくて12時から待ってたんだ。待ち合わせは13時だったのにね。」



裕也「待ってる時、雅樹(金持ち自慢の性格悪い同級生w4年生のクリスマスパーティーに登場してる人物w)に会って。話しかけられて唯待ってるって言ったら、、、」



「唯?あーー知らないの?あいつ、裕也がいなくなってすぐ転校してきた奴とラブラブだからwいっつも一緒ですっごい仲いいよw唯、裕也に言ってなかったんだなーwだよなー言えないよなーwあ、今日言うのかもなw」




裕也「そう言われて、どうしたらいいかわからなくなって。。。唯はもう他に好きな人いるんだって思ったら、いつの間にか歩き出してた。」



私「雅樹くんそんな事言ったの?」



裕也「でも唯から直接聞いたわけじゃないし、ちゃんと聞いてみようって思った。勝手に先に帰った事も謝りたかった。本当ごめん。」



私「。。。。裕也、雅樹くんが言った人、翔太っていうの。翔太は裕也が住んでた部屋に引っ越してきた人で、同じクラスで。確かに途中からは仲良くなっちゃったけど。。。ラブラブって事はない。ただの友達。」



裕也「だよね。よく考えたら雅樹って性格悪いからわざと言ったのかもしれないって思えてきて。。。その時はそんな深く考えられなかったけど、後々考えたらね。」




裕也母「誤解解けたみたいねw」


裕也母「あんたも一緒にディズニーランド行ってきなさいw唯ちゃんちは元々ディズニーランドに来たわけだし」



私の家族と一緒に裕也もディズニーランドへ。



変わらない。



三年前と変わらないね。




大好きだった裕也。



ディズニーランド、裕也がいると一日目より楽しかった。


学校の事、同級生の事、新しい家の事、地元の変わった事、思い出話。



いっぱい話した。



まだまだ時間が足りなかった。











No.50 13/05/04 16:53
名無し0 

でもいつまでもGWが続くわけはなく。。。




終わりが来る。。。




裕也と会って、誤解が解けて、気持ちが戻っていた。。。




帰りたくない。




離れたくない。




裕也といたい。



バイバイの時間。。。





裕也「唯、俺、来年そっちに戻れるかもしれないんだ。家庭の事情と父さんの仕事の都合で」



私「そうなの!!?戻って来れるといいよね!!」





私は地元に帰る。





夢の国から現実に戻される。





さよなら、千葉県。。。

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