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西から東

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匿名
13/04/04 12:42(更新日時)

季節はもうすぐ冬になろうとしている。

僕はベランダでタバコを吸いながら空を見上げた。夜の空にはシリウスとベテルギウスがとてもよく輝いていた。

僕がこの家にやって来たのは、とある夏の日だ。かき氷と扇風機がよく似合う、とても暑い日だった。それから4ヶ月がたつのだから、この家の家族にも馴染みつつあるし、馴染まれつつもある。

「ささやかな出会いと穏やかな日々・・か。」

僕はつぶやいた。この数ヶ月にぴったりの台詞だ。
ありふれた日常。今はまだそれで十分だ。けれど・・・・

「もうすぐだな。」

僕はもう一度つぶやいた。

これから迎えようとしている季節。それは僕にとって忘れられない季節だ。けれど彼等にとっては、忘れ去る事の出来るありふれた季節であるべきなのだ。

そうなる為に、僕はここへ来たのだろう。