シートン動物記
シートン動物記の中で、あなたの好きな物語は何?
13/04/14 11:33 追記
☆は主のおすすめ度
☆ (^-^)
☆☆ o(^-^)o
☆☆☆ o(^-^)(^-^)o
☆無し (-_-)…
13/07/10 11:30 追記
★ o(^-^ )o( ー_ー)
☆☆☆☆
d( ^o゚)^O^('-^ )b
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『カンガルーネズミ』
☆
コランポー河のほとりにあるシートンが住む小屋の周辺には、夜になると様々な動物が行き交う。
朝になると地面には動物たちの足跡が残り、シートンはそれを興味深く観察する。
そこからどんな動物が通っていったのか、どんな状況だったのかをシートンには知る事が出来た。
しかし、そのなかには見当のつかない奇妙な足跡もあった。
まるで、妖精でも通っていったかのような…。
シートンはこの不思議な妖精に興味を抱き、調べてゆくうちに、妖精の正体が小さくて可愛い生き物なのだと知る。
『銀ギツネの伝記』
☆☆☆
ゴールダーの町に住む少年アブナーは幸運に巡りあった。
キツネの家族の団欒を目の当たりにしたのである。
アブナーはその中の、色の黒いアライグマみたいな顔の子ギツネに惹かれる。
黒い子ギツネ(ドミノ)の成長はめざましく、真っ黒な毛皮を纏ってゆく。
母ギツネから離れ、1人の生活を始めたドミノは、しばらく経つと艶を帯びた見事な漆黒になっていた。
やがて、人々の間では貴重な毛皮を持つ銀ギツネの存在が噂されるようになってゆく。
『ビンゴ』
シートンが飼っていた犬のお話。
知り合いが飼っている勇ましい犬に惚れ込んだシートン。
飼い主に交渉してその子犬を譲ってもらいビンゴと名付けて育てるが、この犬がまたとってもクレイジー。
狼のような暮らしを好み、珍騒動を起こしてはシートンを悩ます。
罠にかかってしまったビンゴをシートンが助けたり、既に飼い主ではなくなったシートンのピンチをビンゴが救ったりする絆場面もあるが…
話の半分はギャグ。
『だく足の野生馬』
☆☆
だく足とは馬が走る時の足の運び方で、同じ側の前後の足を同時に動かして走る駆け方。
ニューメキシコでのある日
カウボーイのジョー・キャロンは、野生馬(マスタング)の群れの中に生まれつきだく足で走る黒いマスタングを見つける。
ジョーはその黒馬を気に入り、捕らえようと躍起になる。
しかし、普通のカウボーイならば捕らえようなどと考える者はなく、害獣として見る者が多い。
マスタングは飼い馴らす事ができず、捕らえるのも難しい。飼い馬を誘い出して一緒に姿をくらます事もある。
中でも黒馬は特に厄介者であった。
黒いマスタングが害獣として人目を引く存在になった頃、その噂は通りすがりのシートンの耳にも入る。
『スプリングフィールドのキツネ』
☆☆☆
スプリングフィールドの家々からニワトリが次々と姿を消してゆく。
その原因を探るように頼まれたシートン。
犯人と、その巣穴の場所までつきとめたシートンだが、手を出さず黙って犯人の一家を観察する。
犯人はキツネの夫婦、スカーフェイスとビクセン。
子供もいた。
盗まれるニワトリの事などお構いなしに観察を続けるシートンだったが、業を煮やした他の者がキツネ一家を追い詰めてゆく。
残された命の運命は…?
『ワリー』
☆☆
あらゆる犬仲間の祖先はジャッカルだが、たまに自然が先祖返りのような犬を生み出す。ワリーはそんな犬だった。
- イングランド北部 -
牧羊犬として育てられたワリーは誇り高く賢い犬だった。
飼い主が変わっても、羊の番犬として忠実に休むこともなく羊の見張りをしていた。
ワリーは飼い主には非常に可愛がられたが、家族以外の人や世間に対しては敵意をむき出す気性の荒い性格だった。
飼い主が変わり、ワリーが新天地に移った頃、その地帯にある谷間に夜な夜な家畜を殺して回るという古ギツネが現れる。
『サンドヒル雄ジカの足跡』
☆
夏のある日
青年ヤンはサンドヒル丘陵地を歩き回っていた際に、泉のほとりで雄ジカの足跡を見つけた。
それから雪が降り始める季節になった頃、ヤンは銃を持って狩猟に出かける。夏に泉のほとりで見つけたあの足跡の主、サンドヒルの雄ジカをもとめて。
追ってゆくうちにヤンは二度、雄ジカを見つけるが、いずれも逃してしまう。
二度目に至っては引き金を引くのを躊躇してしまった。
ヤンはそんな自分を恥じて、更に狩猟本能を燃やし、執拗な追っ手となってゆく。
三度目、仲間と共に雄ジカを追うヤンだったが、その結果に心は揺れ始める。
「これが本当に自分が求めているものなのだろうか?」
クラッグ
☆☆☆
北米大陸
クートネー地方にいるロッキー羊は、つがいになる時期以外は雄と雌が別々に群れを成して生活する。
敵から逃れ、新しい仲間の群れへと向かう二匹のロッキー羊、母羊のスパイカーと子羊のたんこぶ坊や。
たんこぶ坊やの頭には、生後数日にして既に小さな角のこぶがあった。
スパイカー母子は、行き着いた十数頭の群れの中で優れた力を発揮する。
群れのリーダーは非常に賢い雌の老羊であったが、言うことを聞かない子羊を抱えていた。
このことが、ある日、群れに危険を呼び込み、老リーダーは倒れ、スパイカーを新リーダーへと押し上げさせた。
息子のたんこぶ坊やの成長はめざましく、立派な角を持つようになると、たんこぶ坊やには新しい名前が付いた。
その名はクラッグ
のちに猟師の間で語られてゆく、素晴らしい角を持った雄羊の名である。
『町の吟遊詩人』
☆☆
ニューヨーク六番街に小鳥好きの床屋が住んでいた。
床屋は、ランディという名前の雄スズメを飼っている。
このスズメがそこらのスズメとは色々と違っていた。
まず、人々を驚かせたのは、カナリアのように歌を歌うことだった。
その歌声は、スズメが発してるとはとても思えないほど素晴らしいもので、ランディは床屋の人気者になっていた。
今はこんな籠の中の鳥にも、その昔、外の世界を飛び回っていた時代がある。
『チンク』
☆
ビリー爺さんが飼っている子犬のチンクは、やたら騒がしいだけのお馬鹿さんだった。
- イエローストーン国立公園 -
この公園内では、動物に危害を加えることは禁止されており、パトロールや見張りもされている。
ビリー爺さんとシートンは、この公園のガーネット岳の下にキャンプをはっていた。
寂しい場所ではあったが、チンクの失敗の数々が見れた。
いつからか、キャンプの周りを一匹のコヨーテがうろつくようになり、チンクは飼い主に追い払えとけしかけられて向かって行くが、逆にコヨーテに追い払われてしまう。
子犬のチンクには荷が重かった。
これに気をよくしたコヨーテは、その日からチンクをいじめの標的にしてしまう。
『ティトー』
☆☆☆
米国ダコタ州バッドランド地方
人間の手によって、ある日突然、みなしごになってしまったコヨーテのティトー。
その後、仇である人間に飼われる生活が待っていた。
食物の心配はいらなかったが、その日々は辛いもので、飼い主のリンカン少年にはしばしば狩猟の真似事の実験台にされていた。
そんな生活から、ティトーは様々な知識と、危険から逃れるための方法を学んでゆく。
やがて人間の手から逃れ、自由な暮らしを手に入れたティトーは、初めて自分で自分の生活を支えなくてはならなくなった。
しかし、ティトーは本能と経験で急速に狩りの腕前を上げてゆく。
特に危険が迫った時には、人間に飼われていた頃の経験が大いに役立っていた。
『あぶく坊や』
☆☆
アメリカの南バージニアにはレザー・バックと呼ばれる種のイノシシがいた。
足と鼻が長く、肩が強くてカミソリのような白い牙を持っている。
ある日、一匹の雌イノシシのもとに数頭の子供が生まれた。
子供たちが動き回れる程に成長した頃、子供たちの中でも特に元気の良いやつがハチに刺されて口から泡をふく。背中の毛は逆立ち、口はあぶくだらけ。
こんな事があってから、このおチビさんは怒ったりして興奮すると口から泡をふくようになった。
農場主の娘リゼット・プランティが初めてあぶく坊やに出会った時にも、口から泡が出ていた。
その後も様々な場面であぶく坊やは泡をふく。
子犬やガラガラヘビと対峙した時も、仇敵との決戦の時にも。
『ウェイ・アッチャ』
☆
子供のアライグマ、ウェイ・アッチャは、母親の言いつけに従わなかったために、罠にかかって捕らわれてしまう。
ウェイ・アッチャは人間に飼われることになった。
いたずら好きのウェイ・アッチャにとって、それは楽しい生活だった。
しかし、そんな楽しい生活が突然に終わる。
ウェイ・アッチャは家を追い出されたのだ。
『ビリー』
☆
プロの猟師ボブ・ヤンシーが飼っている猟犬の群れは、
ブラッドハウンド
(鋭敏な鼻を持つ追跡犬)
グレイハウンド
(足の速い犬)
ブルドッグ
(勇敢な戦闘犬)
で主に成り立っていた。
そして、混血の犬が数頭と。
群れのリーダーはオールド・サンダーという年寄りの犬だった。
ブル・テリアのチビ助ビリーは、猟犬の群れにはまだ加えられていない。
人々から"おばかさん"と呼ばれていたからだ。
恥ずかしながら、子供の頃から今まで『シートン動物記』を読んだことがなく(でも「狼王ロボ」の話は知っていた)、このスレを見て『シートン動物記』を読もう と思い、少しずつ読み始めています。
有名な「狼王ロボ」の話もよかったですが、「灰色グマの伝記」も哀切な感じで心惹かれました。
主さんのオススメ度を参考に今後も読み進めていきますね😊
私が現在読んでる『シートン動物記』のテキスト(?)は、2008年に刊行された新装版『シートン動物記』(集英社文庫)全3巻です(1976年に一度刊行されていたらしいのですが、収録話を一部変更しての改訂版のようです)。
全3巻ということで、多分全体の話のごくごく一部のみ収録されているのだと思うのですが、一応大人向けに書かれた本なので。
(児童書版のを読むのはなんだか気がひけて💧)
読み進めていって、胸打たれた作品があればまたレスさせていただきますね。
>> 22
はい!お待ちしております😄
スレを立てた甲斐がありました😄
最初は雑談のつもりでしたが、思いのほかレスが伸びず…😅
いや、予想はしてたけどね…😓
(1さん、その節はレスありがとうございました😄)
千夜一夜物語もそうだと思うんですが、全部とはいかないまでも大部分を読んだ人ってあまりいないんでしょうね。
(-_-)
主は分不相応な本を選んでしまいました(汗)
全8巻みたいです(汗)集英社?
まだ、半分もいってません!(汗)
先はまだ長い…
(^-^;)
あっ
紹介文には書きませんでしたが、ウェイ・アッチャ(アライグマ)の挿し絵がかなり可愛いんです😄
鍋の中で手をジャブジャブしてる挿し絵がもう…(笑)
コホン…。
それでは、また
>> 23
『千一夜物語』も何年も前から少しずつ読み進めていますが、訳本として有名なマルドリュス版とバートン版では微妙に収録話が違っていたりするので、そういう意味では道遠し って感じもありますなあ。
作家・阿刀田高さんは、昔にバートン版を完読されたそうですが、それもスゴい。
ちなみに私はマルドリュス版を愛読。
(千一夜物語の結末についても一応知ってます)
シートン動物記の話に戻りますが、集英社文庫に収められている話は全体のごくごく一部でおそらく超有名な話のみしか収録されていないはず。
それにしても、シートンが画家でもあったことは私個人的には新事実だった😱
挿絵の素晴らしく上手いことといったら!
- << 26 最初のレスの 「恥ずかしながら」って言葉が霞むようなレスですね?
そうなの?
でも本当に恥ずかしながら『シートン動物記』読んだことなかったんですよ
『千一夜物語』は以前から興味があったので
しかし『千一夜物語』は読みにくくてなかなか難しいんで少しずつと言ってもそれほど読めてないんです
『アタラファ』
☆☆
翼をもった妖精(ブラウニー)
それは、アメリカ・ニューヨーク州マーシイ山の東にある池のほとりに、日暮れとともに現れる。
妖精は黄昏の世界の住人。
妖精は、優れた感覚器官と強靭な翼を備えていた。
妖精が空を舞えば誰も追いつけない。タカもミミズクもフクロウも。
妖精は人間のように赤子を生み、秋になると越冬のために南下する。
アタラファが属する妖精の王族とは
白毛コウモリ(ホーリー・バット)という名のオオコウモリ。
『ジニー』
☆
ある移動動物園に鉄格子付きの檻箱が届いた。
その箱には危険と書いたラベルが貼ってある。
中に居るのは、ハヌマンラングールと呼ばれるインド産の雌ザルだった。
体が大きく、力も強い種だ。
サルは飼育係が檻に近付くだけで中で暴れ回るので、みな手をやいていた。
だが、飼育係長のジョン・ボナミーだけは扱い方を心得ていた。
ボナミーは静かに観察するうちに、ジニーと名付けたこのサルについて様々な事がわかり、サルの方も次第にボナミーに心を許すようになってゆく。
『裏町の野良ネコ』
★
ニューヨークの裏町、スクリンパー通りには手押し車の肉屋が現れる。
その肉屋からおこぼれをもらおうと様々な飼い猫や野良猫が集まってくる。
保証人となる飼い主が居る猫には、肉屋から肉の塊が貰えた。
飼い主からお代をもらっているからだ。
肉屋の肉をいつも遠くから眺めるだけの、痩せこけた雌ネコには保証人などいなかった。
巣には腹を空かせた子猫たちが待っている。
そのうちの一匹に、ある日突然、貴族に生まれ変わる運命が与えられた…。
『アルノー』
☆
ある伝書鳩の生涯
(2590C)
ニューヨーク西19番街
その日は五十羽の若鳩が長距離飛翔競技をやる日で、シートンは競技の審判役を頼まれた。
放鳩地のニュージャージー州エリザベスから、一番に帰ってきて鳩小屋の中へ入った鳩が優勝となる。
この競技は鳩の飛翔スピードと知力を試し、鳩に順位を付ける他に、ダメな鳩をふるい落とす目的があった。
レースが始まろうとしている。
スタートから30分程で決着がつくらしい。
皆、南西の地平線をうかがった。
『バッドランドのビリー』
☆☆
シートンと狼猟師のキング・ライダーは、馬でバッドランド丘陵地帯を進んでいた。
仲間と一緒に黒いたてがみの大オオカミを追っていたのである。
日が沈み、辺りが闇に包まれると、長く尾をひいた狼の吠え声が響き渡る。
それを聞いてキングはぼそりと言う。
「バッドランドのビリーだ。」
その夜、他の者が眠る中、キングとシートンは焚き火を囲んで色んな話をした。
やがて、キングはバッドランドのビリーについての体験談を語り始めた。
『少年とオオヤマネコ』
☆☆
15歳になったばかりのソーバーン少年は都会育ちだったが、親たちの意向でカナダの山奥にあるフェンボンクの森の丸太小屋に暮らすことになった。
小屋の主人はコーニーという青年で、2人の妹と共に住んでいた。
ソーバーン少年はそこに客として訪ねて来たのだ。
こうして、原始林に囲まれた丸太小屋での生活が始まった。
その頃、森の中には子供を産んで間もないオオヤマネコが住んでいた。
オオヤマネコは飢えていた。
ソーバーン少年は森の中でこのオオヤマネコに三度出会う。
三度ともオオヤマネコは口に獲物をくわえていたが、二度目は自分たちが飼っているニワトリをくわえていた。
そんなある日、丸太小屋の一家は次々と熱病に襲われる。
『小さな軍馬』
☆☆☆☆
アメリカ西部カスケード地方のニューチューゼン駅近くに、野菜を作る村があった。
そこから少し離れた所で、平原の淘汰を生き延びた勢いの良いジャックウサギが増え始めていた。
その中に、足が速くてコヨーテの追跡をかわすのが特に上手い、パッチリとした目の雌ウサギがいた。
雌ウサギから産まれたチビ助は、農家で飼われている犬やコヨーテなどを相手に、危うい時も何度かあったが常に逃げきっていた。
ある夏、ウサギが増え過ぎたため、農夫たちによるウサギ狩りが大々的に行われる。
追い込みによって捕まったウサギのうち、足が速くて頭の良いウサギは都会の競争場へと送られた。
運ばれてきたウサギは五百匹いたが、日に日に人々の注目を集めてゆくウサギが一匹だけいた。
『ウイニペグのオオカミ』
☆☆☆
カナダ・マニトバ州
シートンは汽車に乗ってウイニペグを目指していたが、猛吹雪のために到着がひどく遅れていた。
やっと順調に走り出した頃、汽車は深い森林へと入ってゆく。
森の小さな空き地を通り過ぎる時、シートンは犬の群れに囲まれた一頭の灰色オオカミを見る。
犬たちが吠えながら跳ね回る中、オオカミは決然たる態度で身構えていた。
近くには犬が一頭倒れている。
この光景はすぐに彼方へと過ぎ去ったが、シートンの心はそのオオカミに奪われていた。
『白いトナカイの伝説』
ノルウェーの運命を握ったトナカイ
スベッガム爺さんにストルバックと名付けられた白いトナカイは、年に一度だけ行われる氷上レースで次々と勝利をおさめていった。
それから二年の内に、ストルバックの名はノルウェー全土に知れ渡り、人々の間ではストルバックの色んな手柄話が語られた。
その頃、スカンジナビア諸国の間では動乱が絶えず、ノルウェーとスウェーデンの仲には不和の種が蒔かれていた。
『ホッキョクギツネの伝記』
☆
北極、オーラク山
5月初頭
雪のように真白い雄ギツネのカタグは独りだった。
一晩中さまよいながら、本能に従って寂しさに満ちた鳴き声を発していた。
やがて7日目の夜が明ける頃、カタグは遠くから応答の鳴き声を聞いた。
カタグはその相手のところに向かって走り出す。
その鳴き声の主は雌ギツネのリアグ
リアグと初めて出逢ったこの瞬間から、カタグにとって銀世界での孤独な生活は、昨日までの話になった。
『旗尾リス』
☆☆
農家の少年は迷っていた。
自分の手の中でもじもじ動いているハイイロリスの子供を見ながら深く後悔していた。
そのまま家に帰った少年は、ある思いにかられて、その子リスを家で飼っている雌ネコと子ネコの前に投げ出す。
三十分程してから少年がもう一度行ってみると、子リスは子ネコと一緒に母ネコの乳房に吸い付いていた。
拾い子のリスは母ネコに驚くほど可愛がられ、野生のものよりもずっと大きく育っていった。
『ウォスカと勇敢な子オオカミ』
☆
アメリカ西部にあるバッドランド山塊は、異様な雰囲気に包まれた場所であった。
そこは、おとぎの国を思わせる眺めや、人を寄せ付けぬ大絶壁、地獄のような恐ろしい穴や洞窟、小渓谷などが混ぜ合わさったような所だった。
そして、噂では地下で燃える不思議な火があるという。
その噂を聞いたオオカミ猟師のダルハウジーは、自分の目で確かめようとバッドランドの奥に入り込む。
その途中で偶然に、ダルハウジーは賞金をかけられている有名な灰色オオカミの姿を見かける。
『小さなマリーとオオカミたち』
★
フランスの西端
フィニステール山脈の中央部に、ウェルグワットの森がある。
その森のはずれには小さな村があり、そこで農場をかまえている夫婦の間にマリーという6歳のひとり娘がいた。
子羊をウェルグワットの森に連れて行き、草を食べさせるのがマリーの日課になっていた。
ウェルグワットの森にはオオカミがたくさんいたが、両親は心配などしなかった。
ウェルグワットの森のオオカミたちは人間を襲わなかったからである。
だが、ある日突然、マリーが行方不明になった。
『パードリックと最後のアイルランド狼』
☆☆
北アイルランドのボリゴーリー低地では、2頭の大きなオオカミが暴威をふるっていた。
オオカミ1頭ずつにかけられた賞金は、当時で百姓1人が一生楽に暮らしていける程の額だったが、オオカミ退治は誰も成功せず犠牲ばかりが増えていた。
領主のフィッツウィリアムは、オオカミ猟師のローリー・カラーを呼び寄せ、オオカミ退治を依頼する。
ローリーは酒場で酒を飲みながら、村人から情報を集めると言った。
「1人では勝てる見込みが無い。誰か相棒になってくれ。」
鳴りを潜める村人たち
すると、酒場の隅のほうで子供が1人、名乗りを上げる。
『裁かれたオオカミ』
☆☆
ヤン・ファイローという青年は、動物に関する知識を持っており、動物に対して驚くほどの同情心を持っていた。
ヤンは動物を狩ったり殺したり、罠にかけたりすることを好まず、ただ動物たちに接して、かれらの生活を知るのが願いだった。
シートンは、ヤンが野生のシカに近づいて餌を食べさせる光景を見たことがある。他の人間ではこうはいかない。
シートンはそんなヤンと共に、西部への長い旅に出かけた。
『猟犬キャロッツ』
☆☆
人々はその犬のことをキャロッツと呼んだ。
体が赤い毛で覆われていたからだ。
キャロッツはエアデール種の犬だった。
キャロッツは家に住む6歳の男の子と仲が良く、いつも一緒に家の周りに沢山いるリスたちを追い回していた。
ある日、男の子が家のライフル銃を勝手に持ち出そうとしたところを母親が見つける。
母親は念のため、ライフル銃から弾を抜き、男の子の手の届かない場所に置いた。
父親はそのことを知らずに銃を持って出かけてしまう。
『ネズミとガラガラヘビ』
★
罠師と猟師に憧れていたシートン少年の家の薪小屋には、たくさんのネズミがいた。
ある日、シートン少年は空き樽に細工をしてネズミ用の罠を作った。
翌朝、罠には一匹のネズミが捕らわれていた。
シートン少年は捕らえたネズミをどうしようかと思案した。
そして、少年は薬屋の男を思い出した。
その薬屋の男はガラガラヘビを飼っているのだ。
『ハンクとジェフ』
☆☆
猟師たちと焚き火を囲んでいたシートンは、何年か前に自分が聞いた話を皆に話し始めた。
当時は、オハイオ河が森林地帯を流れ、ケンタッキー州全体が巨大な猟場だった。
下ケンタッキー河のほとりにある小さな小屋に、白髪の猟師ジェフ・ガービンと、大きなベアハウンド(熊狩り用の猟犬)のハンクが住んでいた。
ジェフとハンクはとても仲が良く、同じ食べ物を分け合い、同じ危険を冒し、いつも一緒にいて、別々に暮らしたことなど無かった。
そんなある日、小屋から食糧の一部が消えてなくなる。
ジェフは泥棒探しを始めるが…
『ジェイボウダーンの鬼オオカミ』
★
凶暴なオオカミの名前ならば20ぐらい数え上げられるが、歴史に名を残す程の恐ろしいオオカミともなれば少なくとも2頭に絞られる。
いずれも人食いとして人々を恐怖に陥れたオオカミである。
そのうちの1頭は1764年の南フランスに現れた。
その巨大なオオカミは、体格や人々から人狼や悪魔、鬼オオカミなどと呼ばれ、人間と3年にわたる血なまぐさい戦いを繰り広げた。
『フランスの狼王、クルトー』
☆☆
もう1頭は、1430年、フランス中部一帯を支配したオオカミ王クルトーである。
このオオカミが現れるとパリ全体が包囲状態になり、シャルル王は震え上がった。
当時、フランスはイギリス軍に攻め込まれ、治安は乱れ、飢饉と疫病が蔓延していた。
そんな時にオオカミの群れは姿を現した。
オオカミの群れは村や町を襲い、牛や羊、人も食べてその数を増やしていった。
そのオオカミの群れのリーダーであるクルトーは子馬くらいの体格を持ち、すぐに有名になっていった。
↑
と、ここまでがシートン動物記の中の、全55編中の35編です。
残りの19編は主の偏見でスレには書いてません。
本はまだ2・3巻続きがあるのですが、既に動物の物語ではなく、論文であったり生態記録のような話になっているので紹介するのはここまでにしようと思います。
ただ、続きを読んでいる途中で面白い話があったらまた書き込みますよ。
それと
35+19=54
足りない最後の1編は?
それはまだ先のお話のようですね。
- << 62 『フランスの名犬サンターナ』 ☆☆ ソール県のアミヤンに住むピエール・ショーバルは、中産階級に属する家柄で"動物人間"だった。 "動物人間"とは動物の知識や理解とともに、動物への心理的な力を持つ者のことをいう。 そう呼ばれる人間は、口にせずとも自分の思いを動物に伝えることが出来た。 サンターナはショーバルの家の犬小屋で生まれた。真っ黒な体で、えり首には白い毛が生えている。 サンターナは母犬であるフォベットの血を立派に受け継ぎ、ショーバルから確実な訓練が施されてゆく。 その頃、世界は大きな戦争が起きるという噂におびえていた。
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10レス 247HIT 匿名さん -
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9レス 316HIT 匿名さん
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