二回目の恋

人口もそう多くない小さな街で私は育った

一学年60人にみたない児童のなかで、その人は私にとって誰よりも輝いていた。

やさしくて、明るくて、頭もよくて、喋ったことなんかほとんどないけど、当時の私の心は彼でいっぱいだった。

そんな淡い恋を抱きながら私は中学にあがった。


中学に入ると部活の入部は必須で、私は兄弟もやっていたテニス部にはいった


仮入部で通っていると、そこには彼がいた。同じテニス部だったのだ


以前よりも確実に近くなったと思った私は胸を踊らせて喜んだ

• 共感0
• レスに返信

中学に入学してからも、彼はやっぱり頭脳明晰で、やさしくて、おまけにテニスもうまかった。


たいして成績もよくなく運動もできない私は、彼と接触する機会もなく、同じテニス部に入部した友達をかいして、話すことができた程度。


入学してしばらくすると、ようやくなれて、私も彼を呼び捨てでよび、また彼も私を呼び捨てで呼ぶくらいの中になった。


かれは周囲からはやはりモテた。外見よし、頭もよし、性格よし、そんな強敵がたくさんいるなかで、特だったのは、同じ部活だったこと、遠征も一緒に行けたし、彼の家でバーベキューしたり…


そんな生活を三年間つづけいよいよ卒業

彼は学区外の高校へ

頭のよくない私は普通の近所の高校へ


三年間楽しかった。もうあなたを思うのはやめよう。この気持ちも卒業だ…

これから先あなたにはきっとあうことないだろな…



高校に入学して私は家庭も苦しかったので、バイトを始めた。もうあの気持ちは卒業したんだ…何とも思ってない

頭ではそう思ってた。

• 共感0
• レスに返信

ある日アルバイト先の近くで夏祭りがあった


私はその日ちょうど出勤日で、みんなが楽しんでるなか、働いていた。そんな時だった



『ドキンッ』心臓の鼓動が高鳴った。



「おぅ！」私の名前を呼び歩み寄る彼がいた…


平然を装い、『おぅ！元気』なんていいながら少し話彼は帰った。


その後の私の鼓動は暫くおさまることはなかった…

バカバカバカッ！なんでこの心臓言うこと聞かないの？早く止まって！


もうなんとも思ってないんでしょ！動揺するな！

自分に言い聞かせた…


頭と心はまったく違う方をむいていた。


私は自分の思いをたちきるため、彼に思いきってメールをした。この気持ちを…

好き『でした』と…返信はいらないと…


それを伝えてから、彼からメールをくれることはなかった。

• 共感0
• レスに返信

それから十数年

私は大切なパートナーと出会い、二人の子供にも恵まれ、裕福ではないけど、幸せに暮らせていました

そんなある日同窓会のメールがきた。年に数回メールでプチ同窓会の案内はきていたが、参加したことがなかった。でもその時は参加してみようかという気持ちになり、参加しました。

いつも地元に残っている人達の同窓会、絶対来ないと思ってた


でも


彼があらわれた

• 共感0
• レスに返信

彼は皆の人気者

一気に囲まれた


そのタイミングに乗り遅れた私は端の方で彼の事を見ないふりで通した


本当にドラマの一コマのような状況


暫くして彼はこちらを向いて歩いてきた

『ドクッ、ドクッ』心臓の鼓動がなりはじめた


「◯◯～久しぶりだな！」あの日の告白がなにもなかったように彼は私に声をかけた。

きっと彼は私の気持ちをくみとってくれたんだろな…


私は平常心を装った『すっごい久しぶりじゃん！元気？』


たわいのない話をしながら、お互いの近況を報告した。


彼は最近結婚をしたらしい

もちろん私も既婚者

十数年ぶりにあった彼はあの時となんらかわりなく、やさしくて、あったかくて、現実とは裏腹に鼓動だけが高鳴った

• 共感0
• レスに返信