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きっと神様がくれた…

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日向愛( AajCnb )
12/11/11 16:42(更新日時)


これはきっと
神様がくれた最後の恋…





彼と東京駅で待ち合わせ。

ドキドキが止まらない。
緊張で少し足が震えているのが、自分でもわかる。

実は、彼と会うのは今日が初めて。

ゲームサイトで出会って、仲良くなって…
こんなふうに二人で会う時が来るなんて、思わなかった。


No.1874992 12/11/11 13:18(スレ作成日時)

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No.1 12/11/11 13:42
日向愛 ( AajCnb )


待ち合わせ場所に、メガネをかけた男の人が一人。
柱に寄り掛かって携帯を弄っている。
もらった写メよりは髪が伸びてるけど、彼に間違いない。

心臓がバクバク。
手も震えて来た。

でも、勇気を出して、彼に電話をかける。
もう、後戻りは出来ない。

「もしもし、翔(ショウ)?」
「ミホ?」

お互い、携帯を耳に当てたまま、至近距離で目が合った。

「…あ」
「…うん」

「…やっと会えたね」
「うん、会えたね」

「行こうか」
「うん」

照れくさくて、緊張して、ドキドキして、バクバクして、きっと可愛くない顔してるよね、私。
笑顔、笑顔…。

写メより可愛くないって思われてないかな。
笑顔、笑顔…。

初デートで行こうって約束していた水族館に向かう電車の中の記憶は、ほとんどない。

No.2 12/11/11 13:58
日向愛 ( AajCnb )


そのゲームサイトでは、出会いを求めてたわけじゃなかった。



子供の頃から病弱で、入退院を繰り返してる私。

お見舞いでもらったぬいぐるみやマンガやCDに囲まれて、入院中の寂しさを紛らわしていた。

そのゲームサイトも、携帯で気軽に出来るからと、入院中の退屈しのぎに登録してみただけだった。

登録した途端、男の人からの友達申請のサイトメールが何通も来た。
無視無視。

私はゲームがしたいだけだし。

普段からゲームもあまりせず、オンラインゲームもしたことがなく、興味もなかった私は、携帯ゲームで人とかかわるのが面倒臭いと思って、最初は一人で出来るゲームばかりやって、楽しんでいた。

No.3 12/11/11 15:45
日向愛 ( AajCnb )


でも、CMで宣伝しているゲームが気になって始めてみると、仲間と協力して次々にクリアして行くそのゲームに、いつの間にか夢中になっている自分がいた。

彼も、その仲間の一人だった。

最初はゲームを協力し合って、ゲームの話題だけだったのが、ゲームのコメントでも、伝言板でも、サイトメールでも、仕事の愚痴や好きなマンガやアニメの話など、毎日いろんなことを話すようになっていった。

そんなある日、サイトメールで、彼が
「俺、ミホのこと好きになっちゃった。会ったこともないのに、好きって、正直ミホは引くかもしれないけど、俺は真剣だよ。よかったら携帯に直メールして。」
と、暗号文にした携帯アドレスを送って来た。

No.4 12/11/11 16:01
日向愛 ( AajCnb )


そのゲームサイトでは、携帯番号やアドレスの交換、直に会う約束などは禁止されている。

ルール違反が見つかれば、ペナルティでコメントやサイトメールが数日間利用停止になったり、強制退会になったりもする。

でも、携帯番号やアドレスを暗号化してサイトメールで送って、直にメールや電話をしたり、会ったり、それで付き合い始めたりした人も少なくない。

もちろん、危険と隣り合わせで、新聞やニュースで流れるような、殺人事件に発展することもある。
そこまで行かなくても、会ったら体だけが目的で、その後連絡が取れなくなるケースは、数え切れないだろう。

No.5 12/11/11 16:20
日向愛 ( AajCnb )


「彼は大丈夫だろうか?」
今まで一ヶ月以上、毎日のようにサイトメールでいろんな話しをして、私も彼には好意を持っている。
私も彼のこと、好きかもしれない…。
でも…

「ゴメン。私も翔のこと好きだけど、まだ、直メールする勇気なくて…。」
悩んだ結果、正直な気持ちをサイトメールで返した。

「わかった。俺が急ぎ過ぎたね。ゴメン。俺はミホが好きだから、ミホが俺の携帯にメールしてくれる気になるまで、いつまでも待つよ」

彼とは、それからも、以前と変わらず、サイトメールでおしゃべりする毎日。

私は、彼の携帯アドレスを携帯に登録したまま、メールをする勇気はなかなか出なかった。

No.6 12/11/11 16:42
日向愛 ( AajCnb )


そんな時、彼にアタックをかける女の子が現れた。

一人は彼の前の会社の女の子。
もう一人は、同じゲームサイトの彼の仲間の女の子。

前の会社の女の子からは、デートに誘われたけど、好きな子いるからって、断ったらしい。
ゲーム仲間の女の子はかなり積極的で、サイトメールでいろいろおしゃべりしたり相談して来て、自分から携帯アドレス教えて来て、彼も携帯からメールして、写メも交換して、電話で話しもしたらしい。

待ってるって言ってくれたのに…
裏切られた気がして、悲しくなった。

「友達としてメールしたり電話してるだけだよ」
って彼は言うけど、私にはわかる。
彼女は、絶対、彼を狙ってる。

「今度彼女と会う約束したけど、友達としてだから」

彼の言葉に、どんどん彼が遠くなって行く気がした。

彼が好きなのに、出会いがゲームサイトだからって、ずっと勇気が出なかった。

でも、ここで一歩踏み出さなかったから、きっと彼を失う…。
彼は彼女のものになってしまう。

私は勇気を出して、携帯メールを送信した。
もちろん、宛先は彼。

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