繰り返した不倫
なぜあんなん人と、不倫をしたのか・・・・・・・
結婚していて、顔は悪く、背も低い、性格も悪く、嘘つき。
若い時の過ち。
今でも、胸が苦しく吐き気がする。
二人の男。
思い出しながら、ゆっくり書いて行きたいと思います。
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サービスは、整備士さん達との関わりが多く、車検や整備関係で来客したお客様の受付や事務、車の引き取り、納車などが仕事内容だった。
そこには、小谷さん(29歳)と田口さん(25歳)という女性が働いていた。
二人に紹介され・・・・
「今日から入社しました。よろしくお願いします。」と挨拶をした。
仕事バリバリ、意地悪そうでちょっと怖そうな小谷さん。
小谷:「へぇ~、よろしく~・・・・ってか髪スゴいね~」
私:「あっ・・・スミマセン」
と言うと、営業の木村さん
木村:「ちょっと、新人イジメるなよ~。可愛いじゃん」
小谷:「全然、可愛くない!若いだけじゃん」
私は、小谷さんにムッとし、営業の木村さんにはドキッとしてしまった。
地味で優しそうな田口さん。
田口:「よろしくね。わからない事あったら、何でも聞いてね」
印象通り、やさしい口調だった。
二人とは、今でも付き合いがあるくらい、仲良くなるのです。
いろんな波乱を乗り越えた後に・・・・・・・
仕事は、思った以上に難しく、なかなか覚えられず、周りにも迷惑をかけていた。
社会人としての自覚が薄く、失敗だらけの私は、簡単な仕事しか出来ず、みんなが忙しくても、私だけ暇だった。
今思えば、私のいたポディションは、いわゆる仕事が出来ない人がいる場所だった。
給湯室でコーヒーを飲んでいると、木村さんが入ってきた。
木村 : 「どう?仕事は慣れた??」
私 : 「いえ。なかなか仕事も覚えられないし、先輩怖いし・・・・・」
木村 : 「あ~小谷???アイツ、口は悪いけどいい奴だよ。澤田さんの事、真剣だから怒ってくれるんだよ」
私 : 「もう・・・辞めたい」
木村 : 「何言ってるの。まだ入社して3ヶ月だろ。もうちょって頑張れよ」
私は、木村さんの言葉が嬉しかった。
仕事より木村さんと、もっと仲良くなりたくて、会社を続けた。
小谷さんと田口さんの指導のおかげで、少しずつ仕事が出来るようになって来た。
小谷:「澤田、そろそろ引き取り行ってみる?」
引き取りとは、お客様の所へ車を取りに行く整備の送りや迎えをする事。
私:「はい。行ってみま す」
小谷:「じゃあ、整備士来るまで待ってて」
入社してから、営業さん事務員の女の子とは、話していたが、整備士さんとは初めての接触になる。
工場の方から、つなぎを着た、男の人。
藤田さん(30歳)
小谷:「今日から澤田さん外に出すからよろしくね」
藤田:「そう、じゃあ澤田さん、行くかぁ~」
車に乗り二人で、お客様の家に向かう。
その時、??????
お客様の所???喫茶店???
私:「あの、ここは?」
藤田:「あ~、結衣ちゃん引き取り始めてかぁ!朝、引き取り出る時みんなモーニングしてくんだぁ。もちろん、会社には内緒ねっ」
ラッキー!休憩出来る!
お店に入り、慣れたように、私のコーヒーも一緒に頼む藤田さん。
藤田:「仕事どう?慣れた?うちの会社、上の奴ら最悪だろ?みんな辞めたがってるよ」
私:「まだ、よくわかりません。でも、社内でいろいろ対立がありますね」
藤田:「あっ気づいてた?結衣ちゃんも慣れてきたねぇ」
そう、社内は誰かと誰かが仲が悪かったり、社員が社員の要望すべて無視だったり、営業とサービスで対立していたり、グチャグチャだった。社員の多くが辞めたいと思っていて、辞めるタイミングを見計らっていた。
小谷:「結衣、今日も飲みいく?」
私:「いいね~、行く行く」
小谷:「今日は木村も誘おっか~」
私:「えっ?いいよ」
木村さんが来る?やった~!!!仕事以外で会う事なんてなかった。
嬉しく、嬉しくてすぐに友達に連絡した。
中学からの先輩で、中村綾さん。
妹のように可愛がってくれて、ディスコ、クラブなど、始めての場所に連れて行ってくれたのも、綾さんだった。
私→『綾さん、どうしよう・・・・今日、木村さんと飲めるよ~』
綾→『マジ!チャンスだよ!!!気持ち伝えてみな』
私→『無理~!怖いよ』
綾→『入社してから、一年以上片思いしてたじゃん。そろそろ気持ち伝えなよ。木村さん居たから、仕事頑張れたでしょ』
私→『うん…』
気持ちを伝えてみようと、ドキドキしたがら飲みに出かけた。
薄暗く、大人な感じのバー。
カクテルを飲みながら、会社の愚痴で盛り上がった。
「澤田は、好きな人いるの?」
急に小谷さんから聞かれた。
「うん・・・・いるけど片思い・・・・・・」
「へぇ~、誰~????知ってる人?」
木村さんに聞かれ、動揺してると、小谷さんが照れくさそうに話し始めた。
「実は、私、付き合ってる人いてね。
会社で噂になるの嫌で隠してたんだけど、澤田には話しておこうと思って。」
私:「えっ?誰ですか?」
小谷:「木村だよ」
私:「・・・・・・・・・・・・・」
木村:「ビックリしただろ~」
小谷:「はぁ、スッキリしたわぁ、前から言いたかったけど、なかなかキッカケないしね」
それ以降は、ほとんど何を話したのか覚えていないが、適当に話しを合わせていた。
早く帰りたかった。
ぼ~としたまま時は過ぎ、ショックを受けている事が、バレないようにするので必死だった。
ようやく家へたどり着いた。
しばらく身動き取れずに、座っていた?
何があったのか受け入れられず、時が止まっていた。
すると、着信が・・・・・・・
綾さんからだ。
「もしもし・・・・・」
「あっ、結衣?今日どうだった?」
「あっ・・・・・・」
我に返った。
急に泣けてきた。
「綾さ~ん、わぁ~ん」
「結衣、どうした?何があった??????」
「きっ・・・きむっ・・らさん・・・・彼女・・・・・いた」
「そうなの!!!!気持ち伝えたの???」
「つたえて・・・・・・ない」
「とにかく、今から行くわ」
綾さんの家は、車で3分と近かった。
すぐに来てくれた。
「大丈夫?????」
泣いた事で、少し落ち着いていた。
「木村さん、彼女いた」
「うん」
「相手が・・・・・会社の先輩で、かなりお世話になってる人」
「マジ?????それじゃ・・・・・・・」
「そう・・・・・諦めるしかない」
「気づかなかったの???」
「うん…」
2人は、誰にも気づかれず付き合っていたのだ。
仕事が出来る2人。
隠し事も上手だ。
「私、木村さん居たから、仕事頑張れた。いつか付き合いたいなんて、夢みながら・・・・これから、どうしよう。2人一緒の所見たくないし、やる気無くなった。もう、どうでもいい!!!!!」
「何言ってるの!!!!そりゃショックなのはわかる!!けど、結衣はもう社会人でしょ!
学生とは違う!もっと責任もって仕事しな!!!!」
綾さんは、いつも間違った事すると、叱ってくれた。
ウジウジしてると、さらっと大した事ない。なんとかなる!って励ましてくれた。
「うん・・・・努力してみる」
この後、綾さんも止められないほど、間違った事に突っ走ってしまう。
それからも、小久保さんとの引き取りが増えて行った。
段々と、打ち解け合って行った。
車好き。
うどん好き。
会社嫌い。
釣り好き。
共通の話題も増え、整備士の中で、一番仲良くなった。
何年も先輩のはずなのに、友達みたいだった。
会社でも、私達は仲がいいと思われてからは、居心地が良く小久保さんのお陰で、みんなから優しくされた。
変な会社・・・・・・・・・・
お昼休み。
小久保:「結衣、昼飯行くか?おごるよ!」
「行く、行く~」
大好きなうどん屋。
小久保さんと、始めてのお昼ご飯だった。
お店に入ると
藤田さんと新人の整備士Aがいた。
藤田:「お~、珍しいな~、2人で昼飯???」
小久保:「おぅ、どうしてもうどん食いたくて、結衣誘った~」
「おごりだもんね~!」
と言いながら、同じ席に着いた。
少しずつ、木村さんを見ても何とも思わなくなっていた。
小谷:「今日も引き取りよろしく」
よっし!サボリ!!!!!
今日は、店が忙しく整備士はバタバタしていたので、工場長とだった。
もちろん、モーニングはなし・・・・・・・・
車の中で、話しながらお客様の所へ。
「最近、小久保と仲いいなぁ~。結衣ちゃん可愛いから焼いちゃうなぁ~ハハハッ~。ってか、よく小久保上手く扱えるなぁ」
「指示には従わないし、困ったもんだぁ。まぁ、腕は確かだから、いいかっ」
工場長と小久保さんは、よく喧嘩している所を目撃している。
なぜか、飲みに行ったり気は合うみたいだが、仕事となるとぶつかった。
しばらくして、有り得ない噂が女子社員の中で流れた。
私が、木村さんを好き。と言う噂。
はっ??????
今さら?????
無視無視。と平気だったが・・・・・・・・・・・・・・・・・
噂を知った次の日の朝。ロッカーへ行くと小谷さん。
「おはよ~」
ス~とすれ違った。
無視???????????????
今、無視したよね。
あの噂のせい?
ドキドキした。久しぶりだ。人から避けられるの。
用事があり話し掛けても返事もしてもらえない。
私なんか居ない人。ユーレイにでもなったみたいだ。
2日目も同じ。
3日目も同じ。ユーレイ状態・・・・・・・・・・
仕事も何とか終わり、帰り駐車場で、小谷さんにバッタリ。
「 おつかれさま」
言ってみた。
無視・・・・・・
車に乗ると、我慢していた涙が・・・・・・・・・悲しくて苦しくて寂しい。
小谷さん・・・・誤解してる。もう好きじゃない。
2人が付き合っている事知って、諦めたよ~。
しばらく、泣きじゃくった・・・・・・・・・
「私の噂、知ってる?」
「あ~、なんか聞いた」
「小谷さんと木村さんの事・・・・・」
「2人が付き合ってる事?」
「知ってるの????」
「みんな知ってるだろぅ?」
「そうなんだぁ。私が木村さんの事好きって聞いて小谷さん怒ってるみたい。一言も話してないから、何を考えてるか分からない」
「本当、アホな噂だよなぁ。女って面倒だな。だってさぁ、結衣がそんな事するわけないのに、小谷もちょっと考えりゃ分かるのにな」
「えっ????そんな事って????私が木村さんが好きって噂。他にも何か??」
小久保さんが聞いた噂。
私が木村さんを好き。
何回もアタックしてるけど振られてると。
付き合ってる小谷さんの悪口を言い回してる。
はぁ・・・・・・・・・・・・・・
私って、女子社員が嫌われてる。
毎日、会社に言って職場の人達と会ってるのに、知らない事だらけだ。
いつの間に、小谷さんと木村さんの関係をみんな知ったのか?
女の子達と普通に話してるし、仲良くしてたつもりなのに嫌われてる?
小谷さんとは誤解が解けずこのまま?
これって夢か?????
涙が止まらない。
「気にすんなよ。ほっとけよ。
嘘なんだし、そんなバカなヤツら無視、無視」
「女の世界は怖いの!明日からどうしたら???会社行きたくない」
「大丈夫だって。何かあったら俺呼びな」
「そんなの・・・・・・・・」
「私、別に会社に必要とされてないし、何か嫌われてるみたいだし・・・・辞めても誰も困らないよ」
小久保:「・・・・・・・・寂しい・・・・」
えっ・・・・・ドキドキドキドキドキドキ・・・・・さみしい???????????????
小久保:「とにかく、明日は来いよ!」
「うん・・・・・車ありがとう帰るね」
車から降り、自分の車へ。
ぽ~としながら、エンジンをかけ車を走らせた。
後ろから、小久保さんの外車。
そっかぁ、家近いって言ってなぁ。
バックミラーで小久保さんの車を確認しながら走る。
なんか変だぞ。
ドキドキしてる。
小久保さんの車が気になる。
結局、あと5分で家という所の交差点で、私は左折。小久保さんは直進して行った。
あ~あ。
うん???あ~あ???って?
別にいいよ!・・・・・・・・
もうすぐクリスマス。
小谷さんに無視されてから、一週間ほど過ぎた。
毎日辛かった。
女子社員達も特に何かしてくる事もなく、普通に話している。
小久保さんが側にいてくれたから、助かった。
仕事を終え、家に帰ると携帯が鳴った。
・・・・・・小谷さん・・・・・
ドキドキ・・・・・・・・
どうしよう・・・・・・・・・
恐る恐る出てみる。
「もしもし」
「結衣・・・・・・・・・・」
しばらくの沈黙
小谷:「あの・・・・・・・・ごめん」
小谷:「結衣が木村を好きで・・・・・・・いろいろ聞いてさぁ、ショックで我を見失ってた忘れた。木村とも話してなかったし、一瞬、信じそうになった」
「誤解だよ」
小谷:「分かってる。昨日木村から聞いた」
小谷:「何がなんだか分からないって。
結衣が自分を好き?有り得ないって。
そんな素振りをされた事もないって・・・・・・
私さぁ、会社に敵多いから嫌がらせだと思う。
結衣、巻き込んでごめん」
「誤解って分かってくれれば、それでいいよ!」
しばらく話して、仲直りできた。
「じゃぁ、また明日」
電話を切ろうとすると
小谷:「あっ、黙ってろって言われたんだけど、小久保から電話あって怒られたよ。
事実を知らないくせに、無視するなって。結衣がお前の悪口なんて言うか?友達の彼氏に手出すか?ってね。
目が覚めたわ。感謝だよ。小久保って、人当たりあまり良くないけど、優しい人だね。」
電話を切った後、嬉しくて涙が出た。
そうだ!!!!お礼の電話しよう。
携帯を手に持った。
あれ?・・・・・・・・・・・・
小久保さんって奥さんいたよなぁ
夜に電話して、変な誤解されたら悪いよ。
明日お礼言う事にした。
本当に小久保さんは、既婚者って感じじゃないよなぁ。
ついつい忘れちゃう。
まぁ、関係ないかっ。友達だしねっ。
特に何も考えず、その日はスッキリして良く眠れた。
次の日。
交差点で会える時間に合わせて家を出た。
青信号だ・・・・・・・・・
右折をする時、左をみると
いたぁ~~!!!!!
信号待ちをする小久保さん。
手を振る暇はなかったが、電話かかってくる。
バックから携帯を出して待っていた。
あれっ?????かかって来ない。
しばらく待っても鳴らない。
モヤモヤする
かけてみよう
ドキドキしながら、かける。
話し中だった
誰と話してるんだろう。なんか気になる。
バックミラーで、小久保さんの車が来ないか確認した。
何回も・・・・・・・・・・・・・
会社が近くなってきた。
信号待ちしていると、隣に大きな黒い車。
小久保さんだぁ~!!!!!
笑顔で手を振ってくれている
私も振り返した。
会社の駐車場に車を止めた。
駐車場からお店までは、少し離れていた。
小久保さんと一緒に歩いた。
「昨日、小谷さんから電話あったよ。
小久保さん・・・ありがとね。小谷さんに電話してくれて。」
「あ~、ちょっと気になったからね」
何か素っ気ない・・・・・・
いつもこんなもんかぁ。
いつもの小久保さんに戻った?
「優しい所あるねぇ~」
冗談ぽく言った。
それからは、話しも弾まずお店に着いた。
「じゃぁ、仕事頑張れよ」
「はい~」
と言って別れた。
何だか、物足りない。
友達として、最近、距離が縮まった?なんて、思ったけど、気のせいかっ。
小久保さんとは、会社では仲が良いが、飲みに行ったりプライベートでの付き合いは、全くなかった。
唯一、朝偶然、交差点で合った時だけ電話をくれた。
今日は、なかったが・・・・
さぁ、仕事頑張ろっ。
その日は、いつもより忙しかった。
お正月休みが近いから、終わらせたい仕事が沢山あった。
小谷:「今日も朝引き取りあるなぁ。
結衣は、無理そうだね。田口さん、行ってくれる?」
田口:「いいよ。なんか、朝出るの久しぶり~」
私は・・・・・・・・ガッカリ。
「よしっ、行こ~」
と言いながら、小久保さんが事務所に入って来た
今日は、小久保さんだったのか~。
残念・・・・・・
んっ???????????????
何、残念って・・・・・・・
モーニング行けないから?サボれないからだよね
2人は、並んで何か楽しそうに話しながら、駐車場の方に歩いて行った。
イラッ!!!としたが・・・・
いやいや。友達だし、他の人と仲良くしているとムカつくなんて、子供かっ!!!
と自分に突っ込んだ。
なんとなく、2人が帰って来るまで落ち着かない
ソワソワ・・・・・・・
すると
「ただいま~」
田口さんだ。
笑顔で帰って来た。
時間的に間違えなく喫茶店行ったよなぁ・・・・・・・
はぁ・・・・・・・・・・・・
しばらくすると、小久保さんが入って来た。
なにやら、引き取って来た車について真面目な顔で話している。
ドキドキ・・・・・・・・・・・・・
何、このドキドキ??????
すると後から
小久保:「結衣!!!!!忙しそうだな」
「えっ?????」
すごくビックリした。
ビックリした私を見て、小久保さんは、もっとビックリした顔をしていた。
「頑張れ~」
と肩をポンッ!!!!!
さっきのソワソワは????
と言うくらいルンルンだった。
自分でも、何がなんだか・・・・・・・・・全く分かっていなかった。
1日の仕事を終え帰ろとすると、洗車場に小久保さんの車。
車を洗っていた。
小久保:「お疲れ~。
そう言えば、チェンジャー欲しい?」
「欲しい~」
「いい中古、手に入ったから、今から時間あれば付けてやるよっ。車、持っておいで。」
「ほんと!持ってくる」
嬉しくて、走って駐車場まで行った。
「じゃぁ、ちょっと待ってて。二階でコーヒーでも飲んでていいよぉ」
しかし、私は、隣で取り付け作業を見ていた。
凄い器用だぁ。
手際よくて、早い。
車のすべてを知り尽くしているみたい。
カッコいい!
うん????・・・・・・カッコいい????
イヤ・・・そんな筈はない
間違ってもカッコいいとは言えない。
顔もイマイチ。背も低い。服のセンスもない。色気もない。
だから、気楽に友達でいれるんだよ。
気を取り直して、二階にコーヒーを飲みに行った。
二階で、コーヒー飲みながらテレビを観ていると小久保さんから終わったと電話があった。
急いで降りて行く
車の中を見ると、綺麗に配線を隠し、お願いした通り、トランクに本体が置いてあった。
「これ、リモコン」
「ありがとう。ご飯でもおごるよ」
「いいよ。こんな事くらいで。」
すると、工場長が来た。
工場長:「おっ、チェンジー付けたのか?いいなぁ。小久保が付けてあげたんだ。珍しいなぁ~。女の子の車世話してあげるの始めてみたぞ~。」
そうなの??????・・・・・・・・
小久保:「そんな事ないよ。まぁ、工賃高く貰わないとなぁ~」
工場長:「お前らしいなぁ~、結衣ちゃん、ぼったくられないようになぁ~」
「はぁ~い」
工場長は、帰って行った。
「じゃぁ、もし調子悪かったら言って。お疲れ~」
「ちょっ、ちょっとぉ~本当にお礼・・・・・・」
「いらねぇ~よ。じゃあなっ」
ドキドキドキドキドキドキ
頭に酸素が回らない。クラクラする。
何?
自分の気持ちに気づいてからも、出来るだけ普通に小久保さんと接した。
朝は、会わないように時間をズラした。
好きになってはいけない
気持ちにブレーキをかけていた。
そしてクリスマスイブの日。
私は、会社の用事で外へ出ていた。
クリスマスイブなので、道が混んでいて、なかなか会社に戻れない。
綾さんと会う約束がある。もう、17時30分。暗くなっていた。
早く帰りたい。
あまりに渋滞なので、裏道に入った。
細い道。止まれのある交差点。
見渡しが悪いので、止まってから少しだけ前に出て左右確認した瞬間。
ガシャ~ン
・・・・・・・・・・・・
何だ?
事故だ。
交差点の右側から、ものスゴいスピードで走ってきたのだ。
ボンネットがグシャグシャだ。
車が動かせない。
どうしよう。
警察を呼んだり、相手の人と話したり、会社に電話したりバタバタした。
警察の人が来るまで時間がかかった。
話しが終わると、会社の次長が積載車で迎えに来てくれた。
事故車を車に乗せ会社へ帰る。
時間はもう20時過ぎていた。
「次長、すみませんでした。」
「後は、会社で進めるから。聞いた限り相手の方が悪そうだし、まぁ今日はしっかり休んで」
ロッカーまで荷物を取りに行った。
綾さんに行けない事を電話した。綾さんの声を聞いて肩の力が抜けた。
そして、今年最後の仕事納めの日。
会社で、珍しく忘年会。
ドキドキした。
服を何着ていこうか、悩んだ。
小久保さんは、服に全く興味がない。
派手過ぎても引かれそう。
無難だけど、オシャレで可愛く見える服を選んだ。
電車に乗り、駅前まで行き小谷さんと一緒にお店へ向かった。
小久保さんの隣に座りたい。
タイミングが合わないと無理だよなぁ。
緊張しながらお店に入る。
すぐ、小久保さんを探した。
いた・・・・・・・・
すでに小久保さんの周りの席は空いていない。
長いテーブルが三列ほど並んでいて、座敷だった。
小久保さんの両隣は、工場長と藤田さん。
前には、若い女子社員達だった。
みんなミニスカートにセクシーなトップスを着ている。
コンパニオンみたいだ。
だから、年は近くても仲良くなりたくない?常識ハズレな行動が多い。
嫉妬しながら、離れた席に座った。
気になって、忘年会どころじゃない。
営業、サービスの人達がお酌をしに席をたち始めた。
小久保さん達の席は、何だか盛り上がっていた。
行けない・・・・・・・・・・
綾さんにも、小久保さんへの気持ちは話してなかった。
「もしもし、結衣。今何してる?」
「会社の忘年会だよ。帰りたいよ」
「忘年会かぁ。面倒だね。
今クラブに居るから、終わったらおいでよ。」
「わかったよ」
電話を切り、一刻も、早く帰りたい気持ちを押さえて部屋へ戻った。
私の席どけだっけ?????
あった、あった。
えっ???
小久保さん????
席を外している間に、小久保さんが私の席に座っていた。
ドキドキしながら席に向かう。
好きな気持ちがバレないように、普通に話し掛けた。
「私の席なんだけどぉ」
「知ってる。向こうの席酔っ払いばっかりで、ダルくてさぁ。
まぁ、ここ座りな。」
冷静を装いながら、頭は緊張で真っ白になっていた。
小久保さんの隣。
嬉しくても、喜んでいる事がバレないように普通にしていた。
たわいもない話し。
誰にも邪魔されない2人の時間。
小久保さんは、ジュースを飲んでいた。
「あれっ。飲まないの?」
「明日も釣り早いからさぁ」
そうだよ。小久保さんは釣りしか見えてない。奥さんの事、ほったらかしで毎日行っているんだもん。私なんか、仕事終わればスッキリ忘れるよね。
片思い、辛いなぁ。
なんて考えてると、小久保さんがライターを出して煙草に火をつけた。
ジッポみたいな玩具のライター。
ふたを開けると、キラキラ光った。
じーっと見ていると
「結衣、これあげるわ」
とライターを差し出してきた。
めちゃくちゃ嬉しい。
ものすごい喜んでいると。
「こんなんで、そこまで喜んでくれるなんて変わってるなっ。」
小久保さんの物だから嬉しいんだよ。
なんて、言えない・・・・・・・・
小久保さんが隣に来てから、帰りたい気持ちはなくなり、むしろ帰りたくない・・・と思っていた。
「さぁ、皆さんそろそろお開きにします」
幹事が言った。
嫌だよ。帰りたくない。もっと一緒にいたい。
ゾロゾロとみんな部屋を出て行く。
なかなか、立てない。
離れたくない。
すると、小久保さんがゆっくり立ち上がり
「さぁ、行くかぁ、サービスは今から二次会だってさぁ。行きたくねぇ~な。結衣も行く?」
「えっ?」
もちろん行きたいよ。
けど、綾さんとの約束あるし、男の中に女一人って・・・・誰かに気持ちバレてしまいそうだよ
行きたい気持ちを必死で押さえ約束があるからと断った。
「そうか、残念だな。結衣と話してると楽しいから、来てほしかったなっ」
と冗談ぽく言いながら頭をヨシヨシしてきた。
ドキッ・・・・・・・・
すると、綾さんが私の様子がおかしい事に気づいた。
「結衣。何かあった?」
もう、一人では抱えきれない。
綾さんに言おう。
パニックになっている頭を整理しながらゆっくり話し始めた。
「私、綾さんに言ってない事が
ある」
「うん」
「好きな人がいるんだ。
始めは自分の気持ちに気がついてなかったんだけど・・・・・・気づいた時には、もう止められないくらい好きで。」
「相手の人は、知ってるの?」
「知らないし、言えない」
「うん?どうして、言えないの?」
「・・・・・・・」
「何?問題でもあるの?」
恥ずかしくて、なかなか言えない
「結衣?」
「その人、結婚してる」
小さい声で言った。
ハァ・・・・・・・・・・
綾さんが、思いため息をつく。
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