交わらない船

レス4 HIT数 1837 あ+ あ-


2012/02/21 00:17(更新日時)




一部の方には不快な表現も含まれるかと思われます。
ご理解頂ければ幸いです。


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No.1752059 (スレ作成日時)

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No.1





まず触れるのは、髪だ。

艶やかで美しい深黒。
性格以外で言うなら、彼女の一番好きな所だと思う。

たしか初めて彼女と出会ったとき真っ先に目に入ったのも、この黒髪だった。


腰の上あたりまであるそれを優しく撫でながら
そっと唇に触れるだけの軽いキスを繰り返す。

伏せられた長いまつげと白く華奢な首筋を見ていると、もうそれだけでスタンバイOKになりかけて
下半身だけをさりげなく彼女から離した。

ベタベタと舌を絡ませるような濃厚なキスは、一度我慢がきかずやってしまったときに物凄く嫌な顔をされた。

それ以来、自重している。




高校3年、宮本遥。
透と書いて、はるかと読む。

女みたいな名前なのは、母親のせいだ。

女を産むつもりだった(その感覚がそもそもおかしいのだが)オカンは出てきた赤ん坊にタマがついていたのにも関わらず、長女につける予定だったその名をそのまま俺につけた。




そしていまこの腕の中にいる
彼女、市川呉羽。

くれは という
ちょっとカッコつけ過ぎたんじゃないかとも思えるその名が彼女にはぴたりとはまっている。

No.2




県内じゃ名の知れた進学校に、俺たちは通っていた。


紺一色の地味な制服も彼女が着ているとどうしてこう凛と映えるのか。

きっちり上までとめられていたブラウスのボタンをひとつずつ、ゆっくりと外していく。

普段どこか無機質でクールなくれはの瞳が、こういう時はすこし潤んでいて
本当はそれがたまらなく嬉しいのに、いつも追い掛ける側にいるのが悔しくて無感動な表情をつくるのに必死だった。

彼女の前ではくだらないプライドの塊だ。


「…………くれは」
「ん」
「…くれは」
「…ん……………………」


そもそも大して勉強家でもない俺がこの進学校に無理して入ったのは最も自宅から遠かったからという理由、ただ一点だった。

めちゃくちゃ背伸びして受験、そしてなんとか滑り込めたために親を説得することが出来
この夢の一人暮らしは実現した。

だがそれゆえに3年になった今まで勉強(とくに数学)の方が結構…いや、かなり辛かった。

くだらない理由で、背伸びなんかするもんじゃない。


だけどここに来たからこそ、彼女に出会えて
狭いアパートながら一人暮らしだからこそこうして誰にも邪魔されることなく彼女に触れられるのだ。



「…はる、…………」

いつもより少しだけ甘えた彼女の声に、危うく強引になりかけてなんとか理性をつなぎ止める。


彼女とは2年夏頃から付き合っている。


こうしてキス以上までするようになったのは、ごく最近だ。

まだ、最後まではしていない。

この際ぶっちゃけて正確にいうと、
彼女のスカートの中のものに触れて、濡らせるようになってきたところまで だ。


お互い、初めて同士。

生身の女なんて最初はほとんど何もわからなかったけれど
いまはもう彼女の感じるところ、喜ぶところはずいぶん分かってきたと思う。


No.3







「…くれは」
「…や………は、る…遥」

下着の中に触れ
彼女の反応を見ながら優しく撫でる。


徐々にじわじわとしつこく刺激を繰り返し、繰り返し、繰り返し…

瞬間、とろりとした感覚が指先に馴染んだ。


「…………………や…っ」


この時の 息を飲む彼女の蒸気した横顔にいつも、ギリギリに引き伸ばされた理性がぶち切れそうになる。

「…ちょっとごめん、指動かしにくいから下脱がせる」


彼女と一緒に自分も落ち着かせたくて呉羽の背中を撫でながら、中途半端に脱がしかけたシャツとスカート、下着を取り払った。


自分のベットの上で好きな女が裸になっていて最後までしないなんてノロマバカは俺くらいだろうか。


左手は彼女の背にまわし、右手で下を攻めていく。

ピンク色の胸の先っぽがあんまり可愛くて、そっとくわえてみるとくれははまたくっと息を飲んだ。


彼女に触れながら、本当は触って欲しくて、それ以上に、正直…入れたくてたまらなかった。


が、くれはのほうはどうしても痛むらしく、指先を入れることさえ拒む。

男は最初から気持ちいいばかりだというのに、女性は色々と大変なのだ。
こういう時相手を思いやれなかったらもう普通にただのクズだ。
それはよく分かっている。

よく分かってはいるのに。



(……………あー…、だめだ、だめだ、…やめろ)


はち切れんばかりのものを押し止めている頑ななベルトに手を伸ばしかけ、なんとか気持ちを振り切る。


(だめだ、やめろ、焦るな…)



下手くそなくせに強引な男ほど嫌われる人種はいない。

一年から同じクラスの本田麻美との猥談の中で言われた言葉が胸に刺さっていた。


(……………あー…、くそ)



仰向けに横たわっていた彼女の体を毛布で包み、俺はベットの端に座り直した。


No.4






「………………遥?」

呉羽の問い掛けるような視線が気まずくて またすこし離れたところに座り直した。

不安げな彼女の顔を見ないようにしながら なにか気のきいた言葉をかけたくて迷い悩み、結局、正直に言ってしまった。


「ごめん。これ以上やると俺…とめらんないと思う」


言ってから顔から火が出る思いだった。

猿か、お前は。



何でも、もっと器用にやれたらいいのに。

あの頃は何もかもに必死で
自信もないくせに強がってばかりだった。


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