姉の書いた日記
自慢だった大好きだった姉が残した緑の表紙の日記。そこには妹の私が知らなかった姉の姿が書かれていました。
姉の生きた証に日記を元に綴っていきたいと思います。
初めての携帯小説です。
うまく書けるかわかりませんがよろしくお願いします~。
新しいレスの受付は終了しました
私の名前は水沢美香。みんなには「みかん」と呼ばれてます。今、大学三年です。
私には自慢の姉がいました。姉は菜月と言う名前で8歳年上でした。姉は私と違って美人で優しくて強く、そして涙もろい人でした。そんな姉は去年の夏の終わり、いなくなってしまいました。一冊の日記を残して。
姉がいなくなるということは私達家族にとって本当に辛い出来事でした。
姉、菜月は昔から成績もよくNYにある大学院を卒業後、アメリカに本社がある大手化粧品メーカーの日本支社の宣伝部で働いていました。妹の私から見てもパンツスーツで英語を駆使し、忙しく働く姉は本当にきれいでかっこよかった。平凡な女子大に通う私とは全然違う、そんな感じでした。
姉は日本に帰ってきて本格的に就職してからは仕事の鬼だったのでしばらく特定の彼氏はいない様子でした。
以下ここからは()の出だしで始まるものは姉・菜月の語り、もしくは日記。()のない書き出しは妹・美香の語りとなります。
日記からは端から見たら、順風満帆に見えた姉の孤独、本音が垣間見えました。
(疲れた)
アメリカ人のボス、リチャード親父は融通が効かないし、ホントに最悪。毎日仕事ばっかりで終わってく。あ~あこんなはずじゃなかったのに。そういえば、メグ(姉の親友)の企画した飲み会が来週ある。こうなったら仕事すっ飛ばして参加するか。な~んてムリかな~。
あの頃の姉はいつも帰りが遅く、帰ってくるとよくアメリカ人の上司の愚痴を言ってました。それでもなんだか私には華やかな世界で活躍する姉が輝いて見えたものです。
「お姉ちゃん、日本に帰って仕事始めてから、仕事一筋じゃん。彼氏本当にいないの?」って聞くと「とにかく忙しいからね~。ま、給料もらうって大変なのよ~。でも自分の考えた企画が形になるのは楽しいよ。」って。やっぱり姉はかっこいい。
(飲み会)
「菜月~こっち、こっち。」「お~メグ久しぶり~。元気?頼んであった化粧品買ってきてくれた?」「うん、この前のフライトの時ちゃんと買ってきたよ~。」「わ~いありがとう。これ日本未発売でさ~。」「菜月ホントに化粧品好きだね~。まっ、今日は美人の菜月様々が参加してくれるんだからこれくらいはね~。菜月にオススメの人がいるんだ~。」土曜日夕方の恵比寿駅。メグと久々の再会。飲み会楽しみ~☺。
姉の親友メグちゃんは航空会社のCAです。日本に帰国してから、仕事に没頭し、彼氏が出来たり出来なかったりの姉をいつも心配していたようでした。でもこの飲み会が姉のこれからを大きく変えてしまうなんて、誰も思ってなかったと思います。この飲み会も本来であればいつも通り、なんとなく楽しかった飲み会で終わるはずでした。
(メグ企画飲み会)
「マジで~?今日カジュアルなただの飲み会じゃないの?私合コンとか苦手だよ。面倒じゃん。」「ま~ま~とりあえず参加してよ。どうしても美人連れてこいって言われてるしさ~。しかもエリートくんだよ。外国人も来るしさ。菜月様、英語得意でしょ~。」「アンタ菜月様じゃないよ、おごりじゃなかったら暴れるからねっ。」いつもメグは強引だ。ま、たまにはこういうのもいいか。
(飲み会スタート)
「彼女は菜月。私の親友で外資系の化粧品会社の宣伝部で働いてるの。大学はNY、美人でしょう?彼氏はいません、だから狙い目だよ~」「ちょ、そういう言い方やめてよね。」メグは本当に時々暴走するんだよな~。「で彼は私の大学の先輩で外資金融で働いてます。その友達の彼が、先輩の同僚。インドから日本に留学してそのままエンジニアとして働いてるアジャムくんです。」
(帰り)
久々の飲み会、というか合コンはなかなか盛り上がった。一次会はダイニングバー、二次会はカフェに移動してひたすらおしゃべり。その間、インド人は私の隣から離れない。いい人だけどしつこいな~。あ~帰って犬の散歩行きたいし、たまってるDVDもみたい。「あ、あの私そろそろ帰ろうかな~」「菜月さん、僕駅まで送ります。女性一人では危ない。」ぶっ、何言っちゃってるの、このインド人。
(駅まで)
「大丈夫だよ、駅まですぐだし~。」「菜月、アジャムくんは菜月が気にいってんのよ。送ってもらいなよ。」は~?ていうか私はなんとも思ってないし~。ふと見るとインド人はジャケットを着込み、バッグも持ち、一緒に帰る準備万端でニコニコしている。は~。まあいいか。
(駅まで。)
「菜月さんはとてもキレイですね。英語もうまいし優しいし、笑顔もすごく・・・ステキです。もっと話したいです。あのメアド交換しませんか?!」来たな~、こいつ結構遊んでるなあ。しかも直球。「ハァ、でも私普段、仕事かなり忙しいし、メール好きじゃないんですよ。」ちょっとそっけない態度をとってみる。
(メアド)
「菜月さんにストーカーみたくメールしません。僕は初対面の人にメアド聞いたりしないけど、仲良くなるチャンスは与えられるべきだと思うんです。」ふ~ん、よく言うよ。「いいですよ、じゃ教えます。返事するかわからないけど。」「本当ですか?本当に教えてくれる?」目をキラキラしながら喜ぶアジャムをかわいいと思ってしまった。つまり私はこの男にひっかかったわけだ。
(恵比寿駅)
「じゃあ私、渋谷方面なんで逆方向だからここで。」「ありがとう、菜月さん。メール絶対します。じゃまた。」「だから返信するかわからないよ。」彼はもう聞いてない。笑顔で反対方向のホームへかけ上がって行った。ふ~ん、子供みたいな顔しちゃってさ。
(携帯電話)
メール一件。
「お疲れ~菜月!アジャムくんとはどうなった?まさか一緒にまだいるとか~?私は先輩とバーで三次会して今タクシーだよ。なんか気になる。菜月、その後の経過報告よろしく!」な~んだ。メグか。なんなの、勝手に盛り上がっちゃって。
(ドキドキ)
うわっ、来たな~。
「菜月さん、明日なにしてる?会いたいです。」
ちょ、直球だな~。明日、明日って・・・。別に暇だけど。
「いいですよ。どこかに行きます?」あ~あ、私も安いな。メール待ってたみたいじゃん。
(急展開)
「じゃあ明日待ち合わせしましょう。映画見て食事とかどうかなと思って。」「わかりました。」こうして私はあっさり初デートの申し出を了解した。意外に私、直球ストレートに弱い。考えてみると今まで変化球投げてくる男ばかりだった・・・。
こうしてアジャムの積極的なアプローチにより姉とアジャムは自然に合う回数が増えていったようです。仕事一筋だった姉が休日になると少しだけ巻き髪になって、いそいそと出かける姿はわが姉ながらかわいかったな~。冷やかすと顔真っ赤にして「大人をからかうな!」と怒ってました・・・。
(初デート)
「菜月さん、本当に来てくれたんですね。うれしい~。今日最高の日です。手つないでいいですか?」「アジャム、今日は暇だったから来ただけだよっ」そう言いながらアジャムの手を取ってしまった。わかってる。外国人との恋愛、デートのOKはつまり前向き、ってこと。でもこうやって引っ張ってもらうの、なんか幸せかも。
(映画)
外国人の男の子とのデートは久しぶり。時々英語になったり、日本語になったり。ここは東京なのかNYなのかわからなくなる。でもなんか楽しいな。映画を見る時のポップコーンの味でケンカしたり、こういうあたり前の感覚忘れてたな~。結局、私の好きなキャラメル味になったけど。
姉はアジャムとどんどん仲良くなり、気がついたら付き合っていたようです。お互い忙しい仕事の合間をぬって会っていたようです。仕事一筋だった姉・菜月がさらに輝きを増していく姿は本当にまぶしかったです。そんなある日・・・。
(打診。)
どうしよう、前から出していた異動願い。国際事業部に異動が決まりそうだ。この部署は鬼のように今以上に忙しく月の半分は海外。やりたい。異動したい。でもアジャムはなんて言うかな。とりあえずメール。「ちょっと相談があるから近いうちに会いたいんだけど。」送信。
(彼と仕事)
アジャムに同棲の提案してもなかなか話が進まない。「私は来月はまたNY本社、その翌週はアジアエリア管轄の会議で香港に出張なんだよ。もう忙しくて限界。アジャムと会う時間ないよ。」「菜月と暮らしたいけどたまにインドから両親がくるからなあ。」「私のこと話してないの?」「うん、家の親うるさいからさ。」「うるさいって何が?私はアジャムの親に話せない恥ずかしい彼女なの?」「そんなこと言ってないよ。」ただでさえ忙しくてストレスなのにアジャムはわかってない。
(彼の家族)
そういえば私はアジャムのインドへの一時帰国に同行したことがない。アジャムはインドではかなり裕福な家庭で育ったということと一族で大きなホテルを経営してる、ということしか知らない。アジャムは私のこと、遊びなのかな。考えるのも面倒。
(本音)
「アジャムさ、私のこと本気で思ってないでしょ?」「そんなことない。菜月以上に愛してる女性はいないよ。」「そうやって何人の女の子ひっかけてきたの?私はもうひっかからないから。」アジャムにきつくあたってしまう。でもアジャムが悪い。私を不安にさせる。
(心の闇)
「菜月、今日おかしいよ。何かあった?ひっかかる、とかさ。菜月らしくないよ。もっとスマートな女性だと思ったのに。」どうせ嫌な女だよ・・・。ていうか私が不安に思ってることわかってない。
姉は不安だらけだったようです。仕事のプレッシャー。毎月のようにある海外出張。同棲を先伸ばしにする彼と。でも当時の私は何もわかってなかった。姉は仕事も恋愛もがんばるパーフェクトな女性としか私の目には映ってなかったのでした。
(天の助け)
やっとアジャムはご両親に私のことを伝えてくれて私とアジャムの生活が始まった。朝弱い私のために朝食作ってくれたり
一緒に住むことでアジャムが本当に優しい人だなって更に実感。「菜月、朝ごはんだよ~。」「眠い~。」すごい幸せ。
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
「しっぽ」0レス 66HIT 小説好きさん
-
わたしとアノコ55レス 592HIT 小説好きさん (10代 ♀)
-
また貴方と逢えるのなら0レス 82HIT 読者さん
-
おすすめのミステリー小説はなんですか?6レス 154HIT 小説好きさん
-
日々を生きています。55レス 400HIT 小説好きさん
-
日々を生きています。
最高の予感がする 私は本当に本当に幸せ者だ(小説好きさん0)
55レス 400HIT 小説好きさん -
神社仏閣珍道中・改
(続きとなります) お焼香の作法は、宗派によって異なります。 …(旅人さん0)
147レス 4345HIT 旅人さん -
「しっぽ」0レス 66HIT 小説好きさん
-
Journey with Day
リリアナは、そっと立ち上がり、壁のモザイクを指でさわった。 「この白…(葉月)
74レス 895HIT 葉月 -
西内威張ってセクハラ 北進
何がつらいのって草こんな劣悪なカスクソ零細熟すべてがつらいに決まってる…(自由なパンダさん1)
57レス 2176HIT 小説好きさん
-
-
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 469HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 896HIT 匿名さん
-
閲覧専用
勇者エクスカイザー外伝 帰ってきたエクスカイザー78レス 1751HIT 作家さん
-
閲覧専用
神社仏閣珍道中・改500レス 14754HIT 旅人さん
-
閲覧専用
真田信之の女達2レス 366HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1366HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 469HIT 旅人さん -
閲覧専用
神社仏閣珍道中・改
この豆大師についての逸話に次のようなものがあります。 『寛永…(旅人さん0)
500レス 14754HIT 旅人さん -
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて
『次の惑星はファミレス、ファミレスであります~』 「ほえ?ファミレス…(匿名さん)
25レス 896HIT 匿名さん -
閲覧専用
勇者エクスカイザー外伝 帰ってきたエクスカイザー
「チェンジ!マッドキャノン!!三魔将撃て!!」 マッドガイストはマッ…(作家さん0)
78レス 1751HIT 作家さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
評価してください こんな僕は人生負け組でしょうか?
男性 社会人 年収 550 年齢33 身長176 体重67 彼女いたことない 病気等はな…
37レス 1374HIT おしゃべり好きさん (30代 男性 ) -
インターネットがない昭和時代の会社員はどう働いたの?
令和時代の現在のところでは、パソコン・スマホを使ってスムーズに働けるけど、インターネットのない昭和時…
38レス 1299HIT 知りたがりさん -
男性心理と女性心理
マッチングアプリで出会った男性と4回目のデートに行ってきました。 告白や進展はなく男性は奥手なのか…
12レス 432HIT 恋愛好きさん (30代 女性 ) -
旦那がいちいち人のやることにけちつけてくる。
この前洗濯機が壊れて、縦型の乾燥機付き洗濯機を買った。 旦那も納得して買ったのに、今日乾燥機回して…
22レス 552HIT 聞いてほしい!さん (30代 女性 ) -
食事の予定日になっても返信なし
気になる男性がいたのですが… 相手は30代バツイチ 彼からの誘いで一度食事に行きました。その…
12レス 371HIT 恋愛好きさん (30代 女性 ) - もっと見る