新光武伝説 W-4
よし、ゆっくり書いていきますか。
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太正21年、春麗らかな桜の花が柔らかな風に揺れる4月のある日。
ここは帝都の治安を守る築地警察署刑事一課。
その一課に所属する鷹森恭介と常松勇次のタカとユウジ通称「始末書コンビ」は今は無き帝国華撃団の代わりに帝都を守っていた。
鷹森「お~い勇次聞いたか例の話。」
常松「ああ、華撃団復活の話だろデマじゃねぇかいまいち信憑性ねーぜ。」
常松「そもそも復活なんざあり得んだろ黄金蒸気との戦いの後その存在を危惧した政府が無理やり解散させちまったんだぜ。」
鷹森「その政府だから逆もしかりだろ。」
そんな有ること無いこと話しをしていると無線が入った。
鷹森「了解、今から向かう、行こうユウジこの話しは帰ってからにしよう。」
常松「ラジャ ラジャ」
しかし帝国華撃団の復活はもうちょっと先のお話しになる…。
桜の季節も過ぎ、新緑も香る5月ゴールデンウイークも終わったそんな翌日…一台の軍用車が帝国劇場から出て来た1人の女性を迎えていた。
女性兵「迎えに来ました中佐。」
女性中佐「ご苦労様、さぁ行きましょう。」
そう言って軍用車に乗り込みある場所へと車は走り出した。
ある場所へ向かうなかの車中にて。
女性兵「しかし凄いものですね、男性でありながらこれだけの霊力を持っているなんて。」
と、渡されたファイルを見ながら驚いた様子だ。
女性中佐「確かにそうね、前帝国華撃団隊長大神一郎中尉も男性では珍しく霊力は高い方だけど、この4人はそれ以上の霊力を持っている、彼等を華撃団に引き込めれば良いのだけれど?。」
女性兵「出来ますか、彼等の通うあの場所は一癖も二癖もある人間が集う所と聞きますが?」
女性中佐「ふふ、その一癖やアクの強さも新生華撃団には必要なファクターかもね~。」
女性兵「全く、笑い事じゃありませんよう。」
と、半ば呆れた感じで言った。
女性中佐「あらあら、もうじき着きそうね、いざ行かん変わり者達が集まる場所へ。」
そして軍用車はとある場所へたどり着いた、そここそ4人の少年が牛耳っている学園だった。
女性兵はさっきとは打って変わって鋭い口調で切り出した。
女性兵「すいません、お聞きしたいことがあります。」
女性中佐「な~に、急に。」
女性兵「この前、実家に帰った時なのですが、父も部下から聞いた事なので確証はありませんが、ある部下の方が休憩中に目の前の空間が歪むと言う現象に会ったと言うのです。」
その話を聞いた瞬間飄々としていた中佐の顔つきが変わり、厳しい口調で話しだした。
女性中佐「そうなの、貴女のお父さんがそう言ったのね?。」
女性兵「はい。」
女性中佐「ねぇ、ひとつ質問しても良いかしら?この前実家と言ったわねそれ何時の事?」
女性兵「それは先週の週末ですね、5月28日と29日です。」
女性中佐「お父さんから聞いたのはいつ?」
女性兵「28日の夜になります。」
女性中佐「ふ~ん、そうなんだなんとねその日の夜にね帝劇の前でねその現象がおきたの。」
女性兵「本当ですか?」
女性中佐「まさか自分自身が体験するとはねって思ったわ、確かに聞いた通りだった空間が歪むなんて有り得ない思ったけど、でもね現実にそれを見たから認めるしかないと。」
女性中佐「あの時は妙な空気だった、司令室の計器類は一切の反応はなかったでもおかしかった、胸騒ぎと言うやつね帝劇の外で何かあったって言う確証があったわ。」
女性兵「そうだったのですか?私が実家に帰っている間にそんな事が。」
女性中佐「それよりも気になるのは現象が起きる期間が短くなったのと、現象時間が長くなっている、これが少し気掛かりなのよね。」
彼女達が着いた学園は「帝都特別学園」通称「帝特」(ていとく)と呼ばれ、現在で言うセレブと呼ばれる家庭で育った生徒達だけが通う事が許された超名門校である。
もちろん広いのは当たり前であり、普通の学校では有り得ない程の贅の思い付く限りの施設や目をひく美術品の数々、清掃が隅々に行き届いた美しい生徒達の教室など、帝都に住む他の学生からは憧れの聖地である。
車から降りた彼女達は4人がよく居ると言われるサロンへと向かった。
軍服が珍しいのか生徒達の目を一身に浴びていた。
女性中佐「ふふふ…堪らないわね、この見られてる感じ…ゾクゾクっとするわ。」
女性兵(これさえ無ければ良い人なんですが)
サロンには階段を使って登る場所があり1段高い場所がある、そこは自分達を見上げる羨望の眼差しを受ける場所であり、また見下ろしてお前たちとは違う別次元の世界に居る人間だと思わすにはちょうど良い場所だった。
そこには高級なソファーや大理石を使ったテーブルが置かれそして簡易的ではあるがベッドまで敷いてあった。
そこにたたずむ4人の少年達、他の生徒達とは違うオーラを発し鋭い目つきで2人を捕らえた。
女性兵はそのオーラに少し圧倒されたか、言葉が出ず身構えていたが中佐の方はあっけらかんとしておりなんの躊躇なく言葉を発した。
女性中佐「私は貴方達4人を帝国華撃団の新しい戦力としてスカウトに来ました。」
少年達「はぁ、スカウト?」
少年達は呆れ顔で言った、しかしその言葉に多少の驚きも隠せなかった。
驚くのも無理はない、女性とは言え軍人であるしかも中佐と言う身分の人間が急に来て帝国華撃団のスカウトに来たと言えば驚くなと言う方が無理である。
少年A「あんた誰?急に来て帝国華撃団にスカウト?はい、分かりましたと答えると思うのか?」
少年C「駄目だろそんな口の聞き方は、レディで軍人さんなんだからもっと丁寧にね。」
少年D「それよりあんた俺達をなんで有るかを知っての事だろうね。」
と少しばかりドスの利いた質問をした。
女性中佐「もちろん、でなければ私の様な身分が此処には来ないわ」
少年B「では単刀直入に聞きます、貴女は名前は?階級章を見る限りそこそこの方ですよね?。」
そう質問された女性中佐は目をつむり一息つき、そして顔つきが変わり彼等に向け敬礼しながら言った。
女性中佐「私は帝国歌劇団の支配人そして帝国華撃団総司令、藤枝みずきもう一度言います私は、岸本大介、松浦誠、佐藤準、林洋介貴方達4人をスカウトに来ました。」
太正21年帝都…今から5年前帝都は黄金蒸気の戦士達を率いる大久保長安との戦いの中にいた。
大神一朗がまとめる帝国華撃団は戦いの最中最大の危機に陥るが巴里華撃団の助けもありこれをなんとか撃破する。
しかしその力を危惧した軍のトップ達は高圧的な対応で歌劇団の解散を要請してきたが大神一朗は自身の退陣とメンバー達を自分達の国へと帰す事でそれを回避した。
再び帝都と帝国歌劇団に安らぎが訪れたがそれから5年後帝都に不穏な空気が流れ出した。
それとはまた別に空間が歪む、捻れると言った報告があがる様になった、その現象が新たな戦いの始まりだった。
???「社長-、社長-、あー全くどこへ行かれたのか、誰か知らぬか?」
社員「社長なら何時もの奥部屋に居られるんじゃないですか?、最近外からガラクタ集めて何かしてますよ。」
???「分かった助かったわい、あの部屋か何かと時間があれば籠もって何をしてるのか、今日こそ問いつめてやらんとな。」
ふすまの奥から高笑い聞こえてきた。
???「よっしゃー、これで完成だあーはっはっはー。」
???「な~にが完成ですじゃ。」
と怒りながらふすまを開けたが次の瞬間目が点になった。
???「な、な、何ですかこれは」
???「おう、爺かこれは流石の爺も驚くか。」
???「ふふふ、これはな我が社の守り神であり日本を守る、最終兵器さ。」
夜の銀座…帝劇前
岸本「来ちまったな、どうする、行くか?」
佐藤「良いじゃん、どうせ暇だし。」
林「帰ったってやる事無いんだから、暇つぶしになりゃあそれで良い。」
岸本「誠、お前はどうなんだ?」
松浦「ん~、別に~いいんじゃない、ものは試しって言うし。」
岸本は帝劇の扉を押した、大きなその扉も昼間は暖かな日も注ぎ軽い感じもするが、夜ともなれば冷たく何より重さを感じれた。
扉を開けた4人は劇場へと足を入れた、普段は売店や食堂やロビーは人々が行き交い賑やかなものだが、流石に夜は静かでこの季節は少しは寒さを感じた。
4人が入って来た物音に気付いた1人の少女が駆け寄って来た。
???「申し訳ありませんが、今日はもうまた明日お越し下さい。」
明るく活発な声である。
佐藤「ゴメンねお嬢さん少し用事があってね俺達来たんだ、支配人の藤枝みずきではなく司令官の藤枝みずきにね。」
司令官の藤枝みずきと言う言葉にさっきまでの笑顔が顔から消えた。
???「もしかしたらあなた達が?そう分かりました、ではすいませんが此処でお待ち下さい。」
そして劇場の奥へと消えて行った、呼びにでも行ったのだろう。
そして昼間聞いたあの声が奥から聞こえて来た。
奥から現れた藤枝みずきは昼間に見せた軍服と違い軽そうなラフな服装だった。
少しお酒も入っているのか気分が良さそうだ。
みずき
「待ってたよ~、いつ来るかドキドキしたわー。」
岸本
「なんだあんた酒飲んでるのかよ、支配人だろ。」
みずき
「良いじゃないの~とっくに就業時間は終わってるし~。」
林
「俺達は女性の酔っ払いを見に来たんじゃないんだけど?」
松浦
「しかも夜に来い。なんて言えばそれなりの事でしょ。」
みずき
「んも~4人共せっかち君達だ~、分かったわよこっちね地下2階よ、ついて来てね。」
藤枝みずきは関係者以外立ち入り禁止となっている地下へと4人を誘った。
みずき
「さあ、此処地下2階へようこそ、これこそがあなた達4人を呼んだ理由よ。」
地下2階へと着いた彼等の前に電気の電源を入れたみずき。
彼等の目の前に現れたのは格納庫に佇むその姿は伝説と呼ばれた人型霊子甲冑「光武」の姿だった。
岸本
「こ これはまさか。」
みずき
「そうこれは人型霊子甲冑『光武』、光武、天武、神武に続く第4の光武通称フォースシリーズ。」
松浦
「第4の光武、フォースシリーズ。」
みずき
「どう4人共気に入ってくれましたか?」
佐藤
「気に入ったも何も何故自分達何です?他に誰か居なかったんですか。」
みずき
「ええ、あなた達が選ばれた理由それはね。」
みずき
「霊力の高さ、操縦技術の高さ、戦闘力の高さ、どれをおいても他の人よりずば抜けて高い数値を叩き出したのあなた達は。」
林
「え?いつそんなもの計ったんです、覚えないですよ。」
みずき
「今から10日前にあった未来の蒸気の博覧会って知ってるわね。」
岸本
「確かに俺達4人その博覧会にゲストで呼ばれたな。」
みずき
「そうそしてあなた達はあるもので遊んだ。」
林
「あるもの? あるもの?うーん思い付かないなぁ、なんか俺達遊んだっけ。」
岸本
「あれじゃね、『光武ナックル』って言う奴だろ。」
みずき
「ご名答、そうあれは単なる蒸気で遊ぶ遊技施設じゃないの。」
松浦
「では、あれは一体何なんですか?」
みずき
「短時間で光武に乗れる者も選定する機械、霊力はもちろんの事操縦技術、戦闘力も計りました。」
みずき
「とはいえ、博覧会のゲストで来ていたあなた達がまさかあれに乗り込むなんて想定外だったけどね。」
林
「暇…なんだよねゲストだから自分ら何もしないし、とっととずらかっていろいろ見たよな。」
岸本
「学園以外で4人揃う事もないしな、珍しかったたんだよあの日は。」
松浦
「そうそう、それにさあれ大介だけが参加する事になってたよね、最初は。」
4人の会話にみずきが割って話す。
みずき
「会話が弾んでいるところ悪いけど、返事はどう?」
返事の無い4人にみずきは1人ずつに聞いた。
みずき
「まずは…岸本大介君?君は。」
岸本
「面白そうじゃん、やってやるよこんなチャンス滅多に無い。」
みずき
「面白い?それだけ、光武に乗ると言う事は命を賭けるのよ。」
岸本
「それは百も承知だ、コレを見せたあんたの誠意と決意に応える、これが俺の答えだ、そして。」
みずき
「そして?」
岸本
「俺を誰だと思っている俺は岸本大介だ、やってやるよ。」
みずき
「じゃ続けて、松浦誠君?君はどうかな。」
松浦
「ん~、自分は大介程自信があるわけじゃ無いけどね、良いね。」
松浦
「どうせ毎日退屈な日々だ、命賭けた刺激的な毎日も悪くない。」
みずき
「と、言うことは?」
松浦
「やってやろうじゃん。」
みずき
「じゃあじゃあ、佐藤準君?君は君は。」
佐藤
「ハハッ貴女もせっかちですね、2人程でもないが僕の冷めた魂を熱くしてくれそうですね。」
みずき
「魂ね…悪くない理由ね多分燃やしてくれるわ、光武はその可能性を持ってると自負するわ。」
佐藤
「了解です、少し燃えてきた…やってやるさ。」
みずき
「そして最後に林陽介君?あなたはどうかしら。」
林
「はぁ、参ったね3人共やるのかい。」
みずき
「おやあなたは反対なのかな?」
林
「いやいや反対じゃないよ、自分も行かんとね3人共自由すぎるからねまとめる人間が居らんとね。」
みずき
「(確かにね…控え目に見えるけどカリスマ性とリーダーシップは他の3人には持ち得てない生まれ持った物ね。)」
みずき
「それはOKって意味でとらえて良いのかしら。」
林
「もちろん、OKやって奴さやってやるぜ。」
みずき
「さあ、4人から良い返事も貰えた事なので各光武の説明と光武の整備している整備班長の紹介わね。」
みずき
「班長~整備班長~すいませんがこちらに来て下さいな~。」
すると奥からつなぎを着た大柄な中年男性が現れた。
???
「お~来たか、自分達か若いのになご苦労なこったな。」
みずき
「紹介するわね、彼が光武の整備している整備班長 室田憲吾(むろたけんご)。」
室田
「よろしくな、じゃあ早速こちらへ来てくれ光武の説明すっから。」
室田は4人に光武の資料を渡し字が小さいのか眼鏡をかけ説明を始めた。
室田
「え~、岸本大介って誰かね。」
岸本
「おう。」
室田
「君か、じゃ説明すっぞあ~そうそう初めから言っとくが誰がどれに乗るかは決まっているからな。」
室田
「岸本大介が搭乗するのはこれだ『光武ブラックファング』な。」
岸本
「ブラックファングかなかなかイカす名前と姿じゃねーか。」
室田
「『光武ナックル』で見せてもらった戦い方をふまえ接近戦に特化させた機体に仕上げた。」
室田
「この機体の1番の特徴であるシリウス合金で作られた両手の甲についてある『シルバークロウ』これで相手を切り裂くって感じだな。」
岸本
「なるほどなるほど、他の装備はないのか?」
室田
「後はバルカン砲とメタルソード、それだけだ。」
岸本
「え?それだけなんだか潔ぎいいと思えるわ、逆に気に入ったごちゃごちゃあるよりはましだな。」
室田
「んじゃ次な。」
室田
「え~と次は松浦誠君。」
松浦
「はい。」
室田
「松浦君が搭乗する光武は『光武ライトニングスター』だ。」
松浦
「訳して、光る星ですか」
室田
「この光武の特徴は運動性の高さ、要はスピードなそのスピードで撹乱する事を目指した機体に仕上げた。」
室田
「スピードを上げたと言う事はそれだけ身体に負担がかかるGも上がった、それをはねのける強靭な身体が必要となる。」
松浦
「自分にはその身体があると言う事ですか。」
室田
「お~そうだ武装面の説明を忘れとった、こいつも「シルバークロウ」同様シリウス合金を使ったライトエースソードとスターシールドの攻守に優れた物となっている。」
松浦
「なるほど、悪くないですね。」
室田
「じゃ次行こーか。」
室田
「次は…佐藤準君か。」
佐藤
「は~い。」
室田
「あんたが搭乗する光武は『光武エアマスター』その名の通り空中戦の支配者だが、何より人型で飛べる事が出来たのはこの機体が初めてさ。」
佐藤
「へぇ~凄いじゃん、でこいつの運用は?」
室田
「空中戦はもちろんだが、地上の敵に一撃離脱を目指した、林君との空中と地上の連携プレーを目指した機体に仕上げた。」
佐藤
「連携プレーね、良い響きじゃん、陽介戦いの方でもよろしくな。」
室田
「さて、最後の光武の紹介とするか。」
室田
「最後は林陽介君。」
林
「はい。」
室田
「あんたが搭乗する光武は『光武ファイヤーバスター』だな。」
林
「遠距離からの後方支援を目指した機体ですね。」
室田
「それだけじゃない、指揮官機としても活躍出来る様に造ってあるしの。」
室田
「それにな、この機体の最大の特徴はチャージ式のファイヤーキャノン。」
林
「なるほどチャージ式ですか。」
室田
「建物ひとつ壊すエネルギーから一県まるまる消滅出来るエネルギーを放つ事が出来る武装だぜ。」
林
「凄いな、そりゃ使いどころ間違えるわけにはいかんな。」
それから3日後…夜の帝劇 支配人室 ノックの音。
みずき
「は~い、誰かしら?。」
岸本
「誰かじゃねーだろ、みずきさん俺達だよ。」
みずき
「アハハハ、嘘 嘘 さぁどうぞ入って下さい。」
松浦
「また相も変わらず呑んでらっしゃるんですか、良ければ私達でお相手しますよ。」
みずき
「う~んそれはありがたいけど、それはまた今度にしましょ、それにあなた達未成年でしょうが。」
佐藤
「ふふ、そりゃそうだ。」
みずき
「ま、それは置いといてはいこれ、サインお願い。」
岸本
「ん?俺達軍人になるのか?」
みずき
「それは悪魔で形式上だけね、私設軍って感じねだから本当の軍と違ってかなり自由がある。」
みずき
「4人のサインはOKと。」
ついさきほどの笑顔は消えその顔は鋭さすら感じる表情へと変わった。
みずき
「さっきも言ったけど、私設軍とはいえ命令があればそれを優先させてもらいます。」
その時支配人室にけたたましく警報機が鳴り響いた。
友美
「藤枝司令、帝劇前に脇侍・改が出現しました。」
みずき
「数は?」
友美
「2体です。」
岸本
「司令さん、俺達は出るのか?。」
みずき
「いえ、まだよあなた達は見ておきなさい戦いとはどんなものか、友美~築地警察署に連絡をあの2人に要請をお願い。」
藤枝みずきが要請したあの2人とは築地警察署が誇る始末書コンビ、鷹森恭介と常松勇次、通称タカとユージである。
友美
「こちら帝国華撃団風組緒方友美、築地警察署 捜査一課応答願います。」
水嶋
「はい、こちら築地警察署捜査一課。」
友美
「水嶋さんお久しぶりです、早速ですがお2人はいらっしゃいます?」
水嶋
「もちろん、鷹森さん常松さん至急的火急的速やかに大帝国劇場前にお願いします。」
鷹森
「了解だ水嶋ちゃん、勇次行くぜ。」
常松
「ああ~、俺達2人の力見せてやるぜな~タカ。」
劇場前に4人を連れてきた藤枝みずき、戦いとはどんな姿なのかをそれを見せるためだった。
みずき
「あなた達、良く見ておきなさい。」
すると遠くからパトカーの姿が見えてきた、そこには助手席の窓から身体を出しマシンガンを構えた常松勇次の姿だった。
常松
「行くぞ~脇侍~特注マシンガンを食らいやがれー。」
バラララララ。
助手席からの安定しない体勢と脇侍の攻撃を交わしながらの射撃だが、それを苦にしないピンポイントで脇侍の頭だけを的確に捉えている。
林
「凄いあれだけの不安定な挙動なのに動きに無駄がない。」
特注マシンガンの全弾を喰らった脇侍の一体は上半身を爆発させた。
軽いドリフトを決め急停止したパトカーから降りた鷹森と常松はライフルとショットガン構えた。
鷹森
「ユージ、準備はOK?」
常松
「いつでもOKだぜタカ。」
鷹森
「なら、パーティーの始まりだ。」
常松
「イッツ、シューティングパーティー。」
鷹森
「レディー」
鷹森・常松
「ゴー」
その合図とともに2人は二手に分かれながら、脇侍に向かってライフルとショットガンを連発した。
2つの武器も特注なのだろう、明らかに大きさと見た目がカスタム化され個人用になっている。
流石は特注の武器である、3メートルを超える脇侍に確かなダメージを与えている。
その中で鷹森の放ったライフルの弾が脇侍のメインカメラを破壊した、目標を見失った脇侍の刀は空を切るばかりであった。
常松はその隙を見逃す事なく、脇侍に近寄り零距離からのショットガンを放つ。
常松
「あばよ、この一発で地獄行きだ。」
「ズガンッ」派手な爆音とともに脇侍を粉砕した。
常松
「チェックメイト、タカ水嶋ちゃんにお仕事終了の連絡 連絡。」
鷹森
「水嶋ちゃん水嶋ちゃんこちら鷹森、聞こえてる?」
水嶋
「あ~ハイハイ聞こえてますよ。」
常松
「僕達少し遅れて帰るよ、要請した藤枝さんに挨拶して帰るから。」
水嶋
「挨拶と言うよりナンパでしょう?早く帰って来なきゃ課長に告げ口しちゃうから。」
常松
「分かったよ分かりました、今日は早めに挨拶して帰りますって。」
そう言って無線を切ると彼等の傍に寄ってきた。
常松
「やあ、みずきさん今回も要請サンキュー。」
みずき
「それがお二人のお仕事ですものね。」
鷹森
「と言ってらっしゃいますが、ここ最近はオーバーワークですよ。」
常松
「ん?そういやみずきさん彼等は?」
みずき
「この子達はただの避難者よ ひ な ん し ゃ。」
常松
「そうですか?避難者ね了解 了解。」
鷹森
「では、みずきさん悲しいですが今日の方は早々と早退しますんで。」
みずき
「分かりました、今回もご苦労様です、山田課長さんにも宜しくと伝えといてね。」
鷹森
「その言葉だけでもうちの課長喜びますよ。」
常松
「んじゃ、行こうかタカ。」
鷹森
「みずきさんまたお会いしましょ。」
2人は颯爽とパトカーに乗り込み帰って行った。
佐藤
「藤枝さんあの2人は何者です?生身の人間であそこまで出来るものですか。」
みずき
「鷹森恭介と常松勇次、築地警察署の刑事で 対降魔部隊の2人よ。」
2人が立ち去ったのを見てみずきは4人に質問した。
みずき
「みんなに戦いと言うのがどんなものか見てどう感じた、参考になったかな。」
林
「どうだろ?彼等のは参考にはならない気がするけど。」
みずき
「まあ、そうかもね2人は例外中の例外だから。」
岸本
「それ以前になぜ俺達が出ない?練習ついでにはもってこいの相手だろ。」
みずき
「な~に言ってんの、あなた達はまずシミュレーションで徹底的鍛え上げます、訓練ばかりで退屈するかも知れないけど、真に来たるべきその日まで我慢してもらいます。」
松浦
「真に来たるべき日?藤枝さん今はその日が来るまでの前兆とでも?」
みずき
「私はそう思ってる、脇侍レベルならあの数なら2人に任せとけば良いしあれぐらいならあなた達が出る幕じゃない。」
松浦
「藤枝さんはその日が来るのは近いと思ってます?」
みずき
「近いかって言われたら分からないけど、でもね遠からずあると言えるわ。」
岸本
「じゃあ、俺達はその日までとことん自分ら鍛えてもらおうか。」
明くる日から彼等は地味な訓練を重ねていった。
ランニング 筋力トレーニング より実戦に近い「光武ナックル」を使ってのシミュレーション 作戦司令室での戦術や連携プレーの構築など、地道とも言える訓練を消化していた。
そんな中で彼等の息抜きは夜の帝劇を見回りついでにぶらぶらする事だった。
一階はロビー、大広間、食堂、中庭、衣装部屋、舞台 舞台袖、大道具室、客席など。
二階はテラスやサロン、図書室などがある。
以前は帝国華撃団の隊長だった大神一郎の部屋があったり、副指令の部屋または劇団員1人1人の部屋もあったが、今は物置や第2の衣装部屋や道具室となっていた。
それまでは歌劇団と華撃団を兼用していたため、帝劇での生活を用していたが今はその必要がなくなったため、現在の団員達は自宅から通っている。
7月に入り梅雨も明け本格的な夏が近づき暑くなりだしたある日の帝都。
重苦しい空気と肌に纏わりつく日本特有の高い湿度が帝都を包み週末とは言え何時もの活気が感じる事は無かった。
何かが起こる そんな言葉が似合うなんとも言えない張り詰めた空気が流れていた。
4人は自宅に着いてすぐそうそうキネマトロンで藤枝みずきに緊急招集をかけられ、地下の作戦司令室に集まっていた。
すでに戦闘服にも着替えいつでも出撃準備は出来ていた。
みずき
「ごめんなさいね、4人とも急な招集かけて。」
林
「えっ、ま~良いんですけどねこういう日の為に頑張って来たんですよ。」
松浦
「しかし今日の帝都は不思議な静けさだ、週末にも関わらずほとんど活気てものが無い。」
みずき
「ただの取り越し苦労で終わってもらいたいものね。」
その時友美から緊急連絡が入る。
友美
「司令、上野公園に空間のねじれが発生、至急現場に行かれたし。」
みずき
「分かった、友美翔鯨丸の準備。」
みずき
「優子カタパルト準備。敦子は市民に緊急避難の放送、分かった。」
優子・敦子
「了解。」
みずき
「さぁ、4人とも覚悟は出来てる。」
無言でうなずく4人。
みずき
「帝国華撃団 W-4出撃。」
翔鯨丸に乗り込み上野公園へ向け飛び立った。
翔鯨丸の小さなサロンに集まった4人にみずきから画像通信が入った。
みずき
「ヤッホー、みんな元気してる~。」
岸本
「なんだよ、みずきさん嫌がらせかよ、それがこれから戦いに向かう部下への言葉かよ、くくく。」
この頃4人は藤枝と名字で呼ばず下の名前で呼んでいた、それはみずき自身の要望でもあった。
松浦
「それよりみずきさん、ねじれ現象はまだ続いてるんですか。」
みずき
「ええ残念ながらね、しかもねじれがさっきより大きくなってるわ。」
岸本
「マジかよ、なんか出てくんじゃねーだろーな。」
みずき
「(ま…出てくれなきゃ話しは進まないし)」
林
「みずきさん。」
みずき
「ん?なにかな。」
林
「ねじれ現象の原因って分かっているんですか?」
みずき
「いいえ全くね今のところは、ねじれると言うか歪むと言うかね。」
みずき
「さてとどうやら目的場所、上野公園に着いた様ね。」
岸本
「降下方法はどうすんだ゚」
みずき
「飛び降りて、なに大丈夫よ死にゃしないわよ。」
岸本
「なに言ってんだよ、ここそこそこ高ぇじゃねーか。」
みずき
「うっさいわねー、男なんだからとっとと覚悟決めて降りなさい。」
4人
「はい~。」
上野公園北西辺りを調べる松浦・林組
松浦
「北西辺りは異常無しでOKかい洋介?。」
林
「反応こそ有るけど小さいってみずきさんは言ってる、誠ここいらは大丈夫だ。」
みずき
「松浦君、林君、北西辺りはこちらでもたいした反応は検知してないわ、2人と合流お願いね。」
松浦・林
「了解。」
一方南東辺りを調べる岸本・佐藤組
佐藤
「大介…ここはかなり、きてるぜ反応が強い。」
岸本
「そうだな、振動計が振り切れそうだ。」
みずき
「岸本君、佐藤君かなり強い反応はこちらでも検知したわ。」
みずき
「松浦君と林君も後から合流するから無茶はダメよ。」
それは突然だった、2人の目の前で空間が歪み始めた。
佐藤
「嘘ー、マジかよ本当に空間が…。」
岸本
「空間が歪んでるのかよ。」
その歪みの中から光が見えたが共に何かが出て来るのが見えた、その時松浦と林も駆けつけた。
光と歪みの中から一匹の怪物が現れた、それは脇侍でも降魔でもない初めて見た正真正銘のアンノウンであった。
岸本
「みずきさん、頼むぜ。」
みずき
「分かったわ、今からそのアンノウンは空間獣と名付けます。」
松浦
「空間獣ですか?なんか危ない名前ですね。」
みずき
「それより、みんな良い合図出すよ。」
佐藤
「OKすよ。」
みずき
「いくわよ、帝国華撃団W-4 戦闘開始。」
4人
「了解。」
空間獣
「グギャ----。」
空間歪みの事件の始まりの場所、それは広島県のとある町からだった。
その町は日本軍の姿や車が毎日の様に見られていた、暮らしている町民達はその風景に一抹の不安を覚えていた。
何せ日本軍の姿を見る場所が高校の近くであったため、保護者や家族達は心落ち着かない日々を過ごしていた。
その近くにある高校は少し山の中にある為穏やかな学校だ。
その高校の名前は安佐北高校、少しばかり素行の悪い生徒達がちょっと多い学校である。
いつもの校舎裏で授業も出ずサボり1人の少年が寝ていた。
1人静かに寝ている少年の名前は加藤智也(かとう・ともや)16才、歪み事件の当事者になってしまう少年の1人。
彼のサボりに気付いて近づいて来る少年がいた、安佐北高校生徒会長の金沢達也(かなざわ・たつや)18才、素行の悪い生徒達が多い学校の中で優秀な生徒で常識人であり教師からの信用と信頼も高い。
またカリスマ性とリーダーシップも高く、どんな生徒にも分け隔てなく接する姿勢に男女問わず人気も高い。
しかしそんな彼も加藤と共に歪み事件の当事者の1人となる。
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