星屑
出逢った
そして――好きになった
ただそれだけのことなのに…君の心は…手の届かないところで光りつづけて…私はそれをずっと見つめてる
途方にくれたこどもみたいに…
涙だけが…溢れてた…。
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一章 サク
一宮サク、26才
普通の会社員の次女として、高校、大学、就職と可もなく不可もなく過ごしてきた。容姿は決して男受けするタイプではなかったが、情に厚く、涙もろく、お人好し、男女ともに信頼の厚い、面倒見のよい女子。
そんな彼女だが、恋になるととたんに不器用で、22才のころ、バイト先で彼女もちの男子をうっかり好きになり、気持ちが伝わり二号にされ、ファーストキスを奪われる。その後、運よくまともな男子を好きになり、すったもんだで現在まで付き合いつづけていた。
ある日、職場で中途採用があり、新しく男子社員がくることとなった。
サク「わあ、採用なんて久しぶりですね。今までずっと採用なくて、私が一番新入りだったからなあ。嬉しいですね。どんなひとかなあ。」
ミチコ先輩「あ、なんか今日きてた社員証みたら、結構かっこよかったよ。29才独身だって」
サク「ええ~、目の保養なる~♪いい人だといいですね。楽しみだなあ」
そうは言ったものの、この時サクはふと思っていた。 ―独身かあ、でも結局はユリちゃんにメロメロなっちゃうんだろうな~。――― ユリちゃんは、サクと同じ職場の21才の女子で、小柄で大変清楚で可愛らしい女子社員だった。 そんな容姿のものだから、周りにいる大抵の男子社員は彼女のことを好きになる。悪くいえばぶりっこなところがあるので女子の受けはあまりいい方ではなかったが、サクは別に気にしていなかった。 なので仲もよく、彼女が昔キャバ嬢をしていたこと。清楚にみえてすごい手練手管の持ち主で、男を意図的に誘惑していること。経験人数も半端ではなく、大変な嘘つきであることを知っていた。あまりに違う人種なので、自慢のような武勇伝をきいているとイヤミでなく楽しく聞いていることができた。 ユリの方もサクが己のライバルになるような事は有り得ないと見なしていたためか、何でもよく話した。アリバイにも使ったこともあった。 ただサクは、男の前にでると電話でも会話でも、ユリの仕草や声が、くぐもった小さいおかしなトーンに変わることだけは、何となく汚くて嫌だった。
翌日ユリからサクに ユリ「サク~、何かこの前ふったIT企業の若社長いるじゃない?💦なんかどうしても会いたくて、食事したいっていうんだけど、サクも一緒ならいいよって言ったら、サクも一緒でもいいから!っていうの💦サクが行かないなら行かないことにする!でも高級料理食べさせてもらえると思うんだ。何かずっと断ってるから怖くて。一回くらい会えばおさまるかなって。サクどうする?」 ―――またか…。 そもそもまだ連絡してるのか?会いたくないなら着拒すればいいのに…。ここで断ったら、どうせいつもみたいに私のせいになるんでしょ…。 ユリは振った相手に対して絶対悪者にならない。彼女の徹底した技なのだろう…。振るときは大抵「○○も好きだよ…。でも失えない…失ったらユリがユリでなくなるくらい大切なひとができたの…。ごめんね…」 のキマリ文句。 一体何人の「失ったら困る大切な人」たちをこの言葉で切り捨ててきたのか…。失ったら困る大切な人に、次から次に出会えてうらやましいよ…。 もう何度もという程だったので、サクは半ば呆れた態度をとったが サク「今回だけね」 と了解した。
――でも今カレにはやっぱり嘘つくんだろうな。半分本当だけど、「私と」食事いくとかって言って…。今カレのほかにもまだ一人、メッシーいるのに…、大体常時三人キープだよなあ。男いないとだめなのかなあ…。
とサクは思った。
ユリの裏は大抵男は気づかない。むしろ誰もが「ユリちゃんは若いのに大人で、清楚だよなあ」とほめちぎる。そして飲み会では、酔ったフリをして、腕を密着させたり、上目づかいでじっとみたり、抱きついたり、いやん❤ちゅ~して❤なんて、「俺に気がある」なんて、もう男をその気にさせる。「普段と飲みのギャップがいいよなあ❤❤❤」なんて言ってる。
そんな言葉をきくたびに、サクは男というものにウンザリしてくる。
キャバ嬢がお酒少し飲んだ位で、我をわすれるかよ…。
そして、自分の彼氏が、ユリみたいなタイプは絶対好きにならないこともよくわかっていたので、男がすべてそうではないことも知っていた。
そのたびに彼氏のことを見直していた。
食事当日がきた。「普段着でいいところだから💓」 というユリの言葉を信じ、待ち合わせ場所に行くと、なんとユリはばっちりのドレスコードで決めていた! サク「え💦ユリすごいけど、普段着じゃないの💦」 ユリ「え~💓サク可愛いよ、大丈夫だょ💓」 動揺していると若社長がきて、レストランへ✨ 嫌な予感どおり、何とも高そうなレストラン…。明らかに浮いているサクだったが、若社長はユリと久しぶりに会えてご満悦の様子。サクのことなど気にもとめていないようだった。 ユリはというと、もう全然しゃべらない💦 (え~💦なんでなんで) 焦っていると、若社長が「なに…💓今日はじっとみるね」 と、隣のユリをみると、テーブルに腕をちょこんと顔の前で組んで、ちょっと微笑みながら、首をかしげて、じ~っと若社長の目をみている…。 若社長あきらかにドギマギドギマギの様子! サク(すごい!!みつめるだけでいいんだ!ていうかユリ切り離す気ない!) と感服したサクだったが、もはやじっとみつめあう二人の世界に入られ、残されたサクは (私…いなくても良かったんじゃ‥) という疑問を抱きつつ、運ばれてくる料理を普段着でむさぼるしかなかった…。
食事が終わり、「また逢おうね💓」と去っていく若社長。
完全に姿が見えなくなると、いつものユリ。
ユリ「サクありがとう~💓すごい怖かったから来てくれて助かった~💓」
サク「いや…💦ううん。こちらこそ高そうなご飯ご馳走なっちゃって」
ユリ「いいのいいの、あいつ金いっぱいもってるんだから。今度カニ食べさせてくれるって」
サク「うん…」
ご機嫌で帰るユリを見送り、小悪魔ってすごいなあ~、と思う一方、サクは、ユリのことを本気で好きな若社長が少し気の毒に思えた。
サク(ユリは自分を本気で好きになってくれる人を傷つけて平気なのかな…。はっきりつきあうきないってしてるんだから、もう自由にしてあげればいいのに…。好きでなくても、好きではいてほしいんだろうか…)
サクにとってユリは、全く違うタイプだった。
彼氏のシローと同棲している家に帰り、一部始終を話すと、
シロー「わっはっはっ!お前それただの引き立て役じゃないか!」
サク「そんなに笑うことないでしょ!(照)」
シロー「んでお前、普段着で三つ星レストランみたいなとこで、恋人たちの横でバクバクくってたのか(笑)完璧邪魔ものじゃん!はらいて~💦💦」
シローがあんまり笑うものだから、何だかムカムカ。
サク「知らないっ」
とそっぽをむく。
そんなサクに気づいてか、後ろからシローがぎゅっと抱きしめる。
シロー「ごめんごめん。サクちゃんがあんまり憐れで可愛かったから。しかしユリちゃんもひどいな。自分だけちゃんとして。もうそんなのいくことないからな。次は断れよ。」
サク「シロー…」
シロー「お前は来年は俺の嫁さんになるんだから。俺はサクちゃんのそういう損ばっかして、生き上手じゃないとこも大好きだからな」
サク「うん!」
サクはシローの後ろからぎゅが何よりも好きでほっとした。どんな不安も安心にかわった。
シローとサクは学生時代から付き合っている。
シローはイケメンだ。
性格もよく、誠実な人柄だ。家事ができないことがたまに傷だが、人を外見で判断しない。
学生時代もそれなりにモテていたが、彼女は作らずにいた。
そんな彼に玉砕覚悟であたっていったのがサク。
サクの嘘のないひたむきな姿にこころうたれた彼はサクを彼女にしてくれた。
シローいわく「サクの倒れても倒れても、負けない勇気が気に入った!」とのこと。
さらにシローいわく「きつねみたいな女は気持ち悪い」と、小悪魔的な女子を毛嫌いしていた。
そんな彼は、ニ岐で傷ついたサクのこころを癒やしてくれた。
シロー「俺、消防の仕事してるから、夜勤でいなくて、たくさん苦労かけると思うけど、サクのこと必ず幸せにするから!」
サク「一緒に幸せになろうね!」
シロー「おう!」
サク「シロー!」
シロー「サク!」
シロー&サク「愛してるー!」
二人は幸せだった。気持ちがこんなにもつながる相手にめぐり逢えた…。そして来年には結婚する。サクには何の迷いもなかった。シローの好きなありのまま等身大のサク。幸せだった。
―――そう…。
この時サクは微塵も予感していなかった。
明日来る男性に、自分の運命が大きく狂わされることになるなど…。
第二章 タク
噂の中途採用の男性がやってきた。
部長に紹介された姿をみると、背が高く、彫りの深いイケメン風の男性だった。声も大きく、誠実な印象を受けた。だが正直サクの好みのタイプではなかった。
サク(誠実そうだな。うまくやっていけそう)
それが第一印象だった。
彼の名前は、九嶋タク。独身、彼女なし、ということもあり、女子からの評判も上々だったのだが、意外に仕事の覚えがわるく、間違いも多く、年の割にはサクの方がまだ使えるようだった。予想通り誠実な人柄のようだったが、ユリも含め、他の女子から「あいつ、声だけ大きいくせに覚えるの遅いんだよね」「使えない」、ユリに至っては「何かビクビクしててイライラする💢アイツムカつく」などといっていた。
何だか不憫に思えたサクは、脚力優しく協力的に仕事をサポートしてあげた。サクもすぐに新しい環境に順応できるタイプではなかったので、人事に思えなかった。
そうして2ヶ月がすぎたある日の朝。
ロッカー室に向かうサクに、タクが話しかけてきた。
タク「一宮さん、おはようございます!あの、もしよければ飲みに行きませんか?」
サク「え!」
サクが驚いたのも無理はない。何度もいうが、サクは男受けするタイプではない。まだよく知らない相手からの、こういう誘いもはじめてだった。
動揺したサクだったが、サク「あはは、いいですよ。みんなでいきましょうね」
タク「えっ…、ああ」
と、はぐらかし、その場を後にした。
――ドキドキが止まらない…!
サクは平静を装ったものの、胸の動機を抑えられずにいた。
サク(え、え?なんで私?こういうのってユリじゃないの?なんかドキドキする)
この時からサクは、今まで異性として全く意識をしていなかったタクを、急激に意識することになった。
サクは内心嬉しかった。
同じ場所にユリがいるのに、自分を誘ってくれたひとに、
(ユリも冷たかったからだと思うけど、この人も外見ばかりをみる人ではないんだな。なんか、嬉しいな。ありがとう。)という気持ちをもった。信頼にも近い感情。
サク(もちろん私にはシローがいるから、いけないけど、たまにはこういうのも嬉しかったな)
相手を意識しはじめると、すべての動作が違ってくる。
それからまた日がたつにつれ、サクとタクは仲良くなっていった。
好意は伝わる。
メールのやりとりが次第に多くなってきた。
電話もするようになった。
サク(浮気…になるのかな?でも九嶋さん彼氏いるの知ってるし、そういうんじゃないし、大丈夫だよね…?)
2人が同僚として仲良くなる頃にはタクも仕事を覚え、職場にも慣れ、当初とは異なり、明るく自信に溢れる本来の姿を取り戻していた。
ユリも「え~、相変わらずキモいですよ~」なんてみんなにはいいながら、まんざらでもない。
ある日、いままでのお礼がしたいから、食事をご馳走させてほしい、とタクに誘われ、サクはシローに後ろめたさを感じながらも断れなかった。
サク(お酒ないし、同僚としてなら、いいよね…?)
そう思いながらも、サクは内心ドキドキしていた。
一瞬可愛い服を着そうになるが、はっと我に帰り、いつもの普段着に着替えなおした。
第三章 霧の海
はじめてシローに内緒で他のひととご飯たべる…。
今までは誰と食事するにしても全部話してきたのに…。
いままでにない自分の行動に戸惑いながらも、サクはなにか本能のようなものに動かされているようだった。
タクが車で迎えにきた。私服でみるタクにドキドキしながらも助手席に案内される。
シローの車とは違う匂いがした…。
2人で簡単なレストランに入り、食事をする。
緊張はしていたが、優しくエスコートしてくれるタクに導かれ、椅子にすわる。
ふとタクに背中や肩を抱かれ、サクはドキっとした。
――何か、ボディタッチ、多い…?
そう思いながらも、サクは全く嫌な感じはしなかった…。
2人でおしゃべりしながらの食事は、思いのほか楽しかった。
普段の職場の話や、日頃の趣味の話など…。新しく知るタクのことが嬉しかった。もっともっとしりたいと思った。
お互いカラオケが好きで、タク「じゃつぎ二人で行こうよ」、サク「うん」
つい楽しくて、約束してしまった…。
楽しい食事の時間も終わり、いざ帰るときになり、サクは何となく寂しい気持ちを覚えた。
すると車の中でタクは、「ねえ、一宮さん。まだ時間ある?海でも見にいかない?」
サク「え?海?もう夜だよ」
タク「そう、夜の海!みたくない?綺麗だよ!」
夜の海なんてみたこともないサクは、それだけでもワクワクしたし、まだタクと一緒にいられるかと思うと、素直に嬉しかった。
サク「うん、いってみる!」
――後から考えれば、この時海にさえいかなければ…、サクの運命はかわっていたのかもしれない…。
そこは別世界のようだった―――
海までの道は暗い木立の中の道で、霧に包まれていた。
ひとりなら絶対に入れない怖さだったが、タクと寄り添って歩く道は、ドキドキが違う種類のものにかわっていた。
道を抜けると、霧に包まれた浜辺と、ザザ…ァン、ザザ…ァン、と波の音だけ…。
――シ……ン、とそれ以外は何も聞こえない広い浜辺に二人…。
タク「ちょっと近くいってみようか」
とタクが波打ち際を指す。
波打ち際までいくと、海がさらに大きく感じるようだった。
そして周りは霧に包まれていた。自分の周囲以外はあまり見えない…。
ふと海にみとれていると、いきなりタクが背中を押した。
サク「わっ?!」
あわてて海に入りそうになる!
サク「もうっ、何するの」
と笑うタクを追いかけるサク。逃げるタク。
そんな感じでじゃれていたものの、いきなりタクが猛スピードで駆け抜ける!
サク「えっ…!やだ、九嶋さんどこ?」
霧のせいで何もみえない!
がばっ!!
―――唐突に後ろから抱きしめられた!!
サク「!!?」
―タクだった。
タクがサクを後ろから抱きしめている。
サク「えっ??えっ…、く、くしまさんっ…??」
と戸惑うサクだが、抱きしめられる腕の力がどんどん強くなる…!
タク「ずっと…こうしたかった……」
サク「……!」
夜の海の霧の中…、どのくらいの時間がそのまますぎたのだろう…。
ふと首筋の後ろに、タクの熱くしめった息がかかり、思わずサクはビクン!!と反応してしまった。
気のせいではなく、タクの唇は、触れるか触れないかの微妙なタッチで、サクの首筋、耳、と、熱い吐息とともに這ってきた!
ゾクゾクとするサク…!
たまらず…、
サク「あ…、く、くしまさん…!」
と強く後ろを振り返ると、タクの顔がすぐ近くにあり、危うく唇が触れそうになる。
恥ずかしさのあまりサッと顔をさげるサク…!
すかさず真剣な顔のタクが、サクの顔を手で自分の方をむかせる…!
――唇が重なる…。
サクの唇は、大きくタクの唇に覆われた。
はじめは優しく……。そして何度も何度も繰り返し…執拗に…。
サクの意識は熱くなり、白くなり…、唇だけでなく、思考も奪われていた……。
そんなサクを見てか…タクは「寒くなってきたね…、車に戻ろうか」
と、サクに手をのばし、手をつないでもと来た木立を歩いた。
車についてもサクの思考は熱く止まったままだった…。
――何も考えられない…。
タクはサクを助手席ではなく、後部座席に乗せた…。
座るサクの隣に座るタク。
タク「いたずら…するよ」
サク「…?」
サク「…!」
答える間もなくサクの唇はまたもやタクに奪われた。
今度はタクの熱い舌が中に入ってくる!
サク「…んっ、っ…!」
タクのキスは止まらない。ますます熱くなるサク。
サク「…!」
タクはキスをしながら、サクの首筋に指を這わせた…。
首筋…、肩、腕をなで、ゆっくりゆっくりと掌がサクの体を這う…!タクの息もどんどん熱く荒くなる!
サク「あ…!」
タクの掌がサクの胸に這う!敏感な部分には触れず、ただひたすら周りをなではじめる…!弱く…段々強く…、そして最も敏感な部分をついに指で抑えはじめた…!
サク「あああ!」
敏感な部分を、今度は執拗に責めはじめ、サクは大きく乱れてしまう…!
サク「だめ…、くしま…さん!これ以上は…、あっ…、」
タク「だめだよ…」
サク「あっ…!」
タクはサクの首や胸元を愛撫しながら、サクの上着をとり、ブラウスのボタンを外し、サクのブラを空気にあわらにした。
タク「水色なんだね…」
サク「やだ…!」
タクはブラの上から、強くサクのたわわな胸をもみしだく…!
タク「大きなおっぱいなんだね…、イメージと全然ちがう…いやらしい体だね」
と言われサクはいやなのに、ますます感じてしまった。
タクはなお手を止めず、胸をもみつつ、ブラの上から敏感な部分をなめつづける!
サク「や…!ああ…!」
タクはブラを一気に上にあげサクの胸をあばく…!
タク「綺麗だ…、本当に」
というやいなやタクがサクの生の敏感な部分にしゃぶりつく!
サク「あああ…!」
大きな音をたててサクのものをしゃぶり吸い尽くそうとするタク!
普段とは想像もできない位に荒々しく…!両手も休むことなくサクの両胸を責めつづけている…!
サク「ああ!いやあ…!」
涙目になるサク…!
タクはそれでも手を止めない!
逃げようと体をよけようとするサクをがしっと抱き、熱く深いキスをしつづけ、胸をもみつづける!
息が熱く激しくなる…!片方の掌は次第に、胸、お腹、背中、おしりを這っていき、次第にサクの体の一番熱い部分に入ってきた…!
サク「…!だめ!だめ!」
タクが間をかき分ける…!
タク「こんなに…感じているよ…?」
と、サクのほほにぬるっとした熱いものをすりつけ、舐めた…!
サク「いやあ…」
涙目のサクをみて、タクは「…ごめんね、いたずらしすぎちゃったね…。もうこれ以上はしないよ。でも…、」
ほっとしたサクを抱きしめ、タク「俺の気持ちは…こうだから…」
と、いった。
その後は身支度を整え、何事もなく送ってもらった。
タク「じゃ、また明日、職場でね」
と気さくなタク。
サクはタクをみることもできなかった。
頭が熱くなり、何も考えることができなかったが、いきなりのことで、怖さのなかで、はっきりわかっていたことがある――。
サクはたしかにタクに感じていた…!
シロー以外の男性に…!
シローとの家に帰ると、シローは夜勤でいないものの、タクの感触も体温も身体から消えていないのだ…。
家にいること自体が罪な気がして、とても二人のベッドには眠れなかった…。またサクはすぐにシャワーをあびた…。
でもこの事実は消せない…。それだけはわかっていた。
シャワーを浴びながらサクは、はじめての涙を流していた…。
あの日以来、タクに変化はない。いつもとおなじように仕事をし、いつもと同じように接してくる。
そんなタクにサクは戸惑いを隠せなかった。
(あんなことしたのに…、電話もメールもない…。タクにとってはあんなこと…なんでもないことだったのかな…)
シローに罪悪感を感じながらも、あの日からサクは、ずっとタクを意識していた。一日中片時も頭から離れない。
そんな中、サクは3ヶ月の出向を命じられた。
――タクと離れ離れになる―――
そう思いながらも、一度タクを見ずに過ごせる期間がくることに、サクは少しほっとしていた。
―一度ちゃんと考えてみよう。この気持ちがなんなのか――――
第四章 タクとユリ
3ヶ月が過ぎ、サクはまたタクと同じ職場に戻ってきた。
タクと離れた3ヶ月…。正直な気持ちはとても穏やかに過ごせた…。タクへの意識もすこし治まってきて、やはり刺激がつよくて意識してしまったのだろうと―――恋ではない―――と納得させた。
そんなある日、ユリがサクにロッカー室で話しかけてきた。
ユリ「なんかあ…、久嶋さんと最近仲良しなんだけど、ちょっとからかっただけなのに、好きとか言われて困ってるんだよね💓」
サク「えっ??く、久嶋さんと?!」
瞬間サクの身体が凍りついた!
サク「え?なになに?どういうこと?何があったの?」
ユリのこの切り出しの男関係の話は腐るほど聞いてきたが、サクは動揺をかくせなかった。
ユリ「え…、なんかね、仕事でちょっと仲良くなったから飲みいこうとか誘われて💓やっすいチェーン店でがっかりしたんだけどね。ちょっとからかって、ちゅ~して💓とかいっちゃって💓それ以上はなかったんだけど。それからしつこく誘われて困ってるんだ⤴ほんと男ってうざいよね…😢」
ユリはいつもと同じように、全然困ってない。また新しい獲物を虜にしたことを自慢しているのだ。もちろん、ユリはタクに恋などしていない。ただ自分を甘やかし、ちやほやしてくれる人が、男がほしいだけなのだ。彼氏がいても何人か常時必要なのだ。そういう女だ。それは嫌というほどわかっている。
サク「で、いまは…?」
サクは痛烈な胸の痛みを感じていた。なぜこんなに痛いのか…!
ユリ「えぇ~💓彼氏にばれるとまずいから、ほとんど断ってるけど、メールも電話も毎日あんまりしつこいから、来週一緒にカラオケいくことになった💓」
サク「ユリ…なんで好きじゃないのに、思わせぶりするの?断ればいいじゃない…」
ユリ「いやん💓だって同じ職場でしょ。あんまり断ってきまづくなったらいやじゃない💓」
サク「そっか…」
ユリ「あ、でもサクもくる?なんか久嶋さんサクもいい人だよねとかいってたよ💓あたしもふたりだと、またあいつ調子のるから。ちょうどいい感じにバランスとっておかないとね💓」
サク「いいよ…、ただの邪魔ものになっちゃうもん」
ユリ「え~そんなことないよお💓あたしサクが一番好き💓とっても大好きなの💓」
サクにはもう、そんなことは耳に入っていなかった。頭の中が真っ暗になっていた…。
帰り道…。サクはわけもわからないまま泣いていた。ただ涙がつぎからつぎへと溢れ止まらない。前が見えない。
タクへの想いは恋ではない、恋ではないはずだったのに…!
ユリとの関係を聞いてから、胸の痛みが止まらない!息ができない!苦しい!
――私とのあの関係は、タクにとっては何の意味もない、ただの遊びだったの?私が悩んでた時間に、ユリには毎日メールして電話もしてたの?好きっていって、付き合いたいって思ってるの?――――
サクはたまらず、タクにメールしてしまった。
サク【ユリのことが好きなの?】
メールを待っている間、サクは後悔に似た気持ちと焦燥感でいっぱいだった。
返信がくる一時間は何も手につかなかった…。
タク【え?なになになに?なんのこと?】
サク【ユリにちょっときいたんだ。私…ちょっとあの海のこと意識しちゃってたんだけど…。久嶋さん、ほんとはユリが好きだったんだね】
少したってからタク。
【いやいや、ユリちゃんに対する気持ちはライクでラブじゃないよ。そういう意味では一宮さんも同じかな。でも一宮さん結婚考えてる彼氏いるんでしょ。ユリちゃんに聞いたよ。一宮さんだめだよ、彼氏いるのにあんなことしちゃ。俺だって結婚まで考えてる彼氏さんいるならあんなことしなかったし。やっぱりあの行動が勘違いさせちゃったのかな。謝ります。ラブと勘違いされるならもうしないし。何かいうなら彼氏と別れてからきてよ】
なんてひどい言いよう――!
たしかに彼氏がいるサクは悪い。でも…、あの海からずっと、タクのことで悩んでいた。想っていた。
サクはまた涙が止まらなくなった――!
でも胸が痛い!苦しい!激しく後悔した。
こんな男のために、あんなに優しいシローを裏切ったのか…。
でも―――。
ひどいひどいと思いながらも、サクの心に信じられないある感情が芽生えていた。
―それでもタクに逢いたい――
そんなサクの想いとは裏腹に、ユリはタクと関係を深めていった。
ユリは逐一報告してくる。
ユリ「カラオケでやっちゃった💓だって強引なんだもん💓」
ユリ「ゴムなんかつけてないよ💓いつも彼氏としてても妊娠しないし、大丈夫だよお💓」
ユリ「今度はロッカー室でしちゃって💓ドキドキだったあ」
ユリ「彼氏?別れないよ。だって彼氏が一番大切だも~ん💓」
ユリ「え、あっちも彼氏いるのわかってるからいいんじゃない💓」
ユリ「なんか相手のおもいが強すぎてこまる💓はあ💓」
こんな報告がわずか1ヶ月でつづいていた。
ユリの外見にそぐわない淫乱ぶりは知っていたが、サクには悪夢のような時間だった。
ユリは淫乱。
体を簡単に許す女の子だ。そして嘘が天才的にうまい。
だから相手の男性たちは、「ユリちゃんて純粋で、彼氏が嫉妬深くてかわいそうだよな」と思わせて、彼氏にあきると次をすぐキープの中から用意する。そして彼氏はまた浮気が心配になり、神経質になる。また上のように思う男が現れ、乗り換える。
今までは…そんなユリの行動はサクには関係なかったので、「すごいな」位に思っていたが、それでも何よりも気持ち悪かったのは、自分が仕組んでいるくせに、ユリの仕打ちに怒る彼氏に対して、涙を流すことだ。
――ひとり悲劇のヒロインでもしてるんだろうか?
全部生って、絶対性病かかるんじゃないのかな…―――
なんて思ったりしていた。
そんな気持ち悪さも感じていた相手の…複数の相手のひとりがタク…になってしまった事実が、何よりも苦痛だった。
そんなサクの気持ちは、当然、同棲しているシローにも伝わる…。
シロー「どした?サク。最近元気ないよ。いつも悲しそうな表情してるけど、なんかあったか?仕事のことか?」
胸がズキンと痛む…。
まさかシロー以外の男性のことで悩んでいるなんて… 言えない…。
サク「ううん…、大丈夫だよ。ごめんね。顔にでてたかな💦心配かけちゃったね」
シロー「大丈夫か?本当に無理してないか?」
サクの胸がまた痛む…。
サク「ありがとう、シロー。何かあったら相談するね」
シロー「そうか…。俺はいつもサクの見方だからな。どうにもならなくなったら…、いや、その前にちゃんと言えよ?知らないうちにサクが傷ついてるのは嫌だからさ」
サク「シロー…」
シロー「さ、もう遅いし寝るぞ、歯磨いてこい」
サク「うん…」
サクはシローに対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
こんなに優しい人を裏切って…。
その夜シローはサクを抱きしめて眠った…。背中に感じるシローの体温も…シローの優しさも…、暖かすぎて涙が流れた…。
第五章はじめての気持ち
――もうユリたちのことで悩むのはやめよう。
悩むこと自体が、何よりも、シローに対して罪だ…。
あの海のことは忘れよう…。なかったことにして…、この…タクが気になる気持ちを消してしまおう…。シローのことだけ考えて、シローの幸せだけを考えて…。
人知れず…サクはそう心に誓った。
そう思うだけで気持ちが楽になるようだった…。タクは手が早い遊び人だった…。思えば同じ遊び人のユリとはお似合いかもしれない。お互いに浮気されればいいんだ、と見返したい気持ちで思った。
―ふと、タクへサヨナラメールをしたくなった。
今から思えば、まだ未練があったからかもしれない…。
でも、あのまま、捨てられたようなカタチで思われているのはシャクだった。タクなんかもう心にないってことを伝えたかった。
サク【お疲れさま。急なメールごめんね。ユリとうまくいってるんだってね。良かったね。私…タクの言うとおり、勘違いしてしまってたみたい…。ごめんね。もう二度とメールとかしない。ちゃんとわかったから。タクのいうとおり、私はやっぱり彼氏の方が好きだから、前みたいに言う権利なんかなかったね。海楽しかった。ありがとう。これからも同僚でよろしくね。長文ごめん。】
すると、間もなくタクから着信があった…!
今更なにを電話してきたのだろう? でも胸は激しく鼓動を打っている!サクは無意識に着信にでてしまった…。 タク「モシモシ?お疲れさまです~。え、なになに?なにがうまくいってるの」 サク「え?だから…ユリと…」 エッチしたんでしょ、という言葉を飲み込んだ。 タク「ユリちゃん?だからライクの関係だっていったじゃん。全然彼氏と別れないし…。最近はなんか誘っても、なんか乗り気じゃないし。だから若い女って気まぐれで信用できね~んだよな」 と、少しイラついた口調で話すタク…。 サク「え、だって、その…関係…あるんでしょ」 タク「なになに、そこまで知ってんの?ユリちゃん恋愛ごとは誰にも、一宮さんにも話さないって言ってたのに…。嘘つくんだ…あの子…」 サクはそんな嘘なんてユリにしたら可愛いものだと思いつつ、何も言えなかった…。
タク「だから女は信用できないんだよ」 サク「…なんで…?」 タク「俺、いつも彼女に振られる方なんだよ…。知らないうちにいなくなるんだ。ひどいときなんか、彼氏と別れた、とかいって寄ってきたくせに、実は別れてなくて、別れ際に投げつけられるように暴露されたり…。本当に女って勝手だよな」 タクはますます怒り口調だ。 サク「それって…、タクが軽いからじゃない?」 タク「え?」 サク「女の子って理由もないのに急にいなくなったりしないよ…。私が感じるだけだけど、タク、手が早いもん…。ラブとかライクとかよくわからないし…。ライクでも…エッチできるんでしょ…?だんだん…信じられなくなっちゃったんじゃないかな…」 タク「そんなの心外だね」 ますます声の調子があがる。
タク「ユリちゃんや一宮さんと違って、俺はいまフリーだから。エッチしたいと思えばするし、しないと思えばしない。ライクがたくさんあるんだよ。その中でラブになった子と付き合う。」
サク「それって…、女の子たちに…失礼だよ」
サクは心からそう思った。
タク「なんで?よくわからない。ユリちゃんだって、彼氏と俺を比べて、俺の方が好きです、彼氏と別れましたっていうなら付き合うけど、別にいまはライクだから、奪いたいほどまであの子もそれ程好きじゃない」
サク「だって…ユリが彼氏と別れたら付き合うんでしょ。彼女にするんでしょ。」
タク「うん」
サク「彼女にできるってことはもうラブなんじゃないの?」
タク「だからまだライクだって。」
サク「それってただ臆病なだけなんじゃない?ラブなら奪えばいいじゃない。告白されないと付き合わないの?」
タク「だからまだ告白するほど好きじゃないんだって。一宮さんだって、彼氏と別れるなら考えるよ」
サクはカチンときて、
サク「私来年には彼氏と結婚するから!」
ときっぱり言った。
サクのその言葉の後、少し間が空いて… タク「ほんとにするの…?」 サク「する。彼が一番好きだって、九嶋さんのことがあってわかったの…」 しばらくの沈黙の後、 タク「へえ!良かったじゃん!おめでとうさん!」 タクがマシンガントークをつづける。 タク「じゃ、もう言っちゃおっかなあ。」 サク「え?なに」 タク「実はおれ、いま彼女いるんだよね」 サク「え!?」 タク「正確にはまだ彼女じゃないけど大学の後輩で23才で若いよ。まだ正式に彼女宣言もあっちから告白もされてないけど、実質彼女かな。昨日も五回くらいしたし。若いから激しいんだよね。あの子があたし彼女だよねって言ったら、そうだよっていうね」
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