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話者( lXNCh )
11/01/25 14:29(更新日時)

短編小説を書きます

思いつきです

1話につき、20~30レスくらいにおさまればいいなと思っています

No.1498419 11/01/04 01:01(スレ作成日時)

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No.1 11/01/04 01:07
話者 ( lXNCh )

第1話🔒「ドア」1

ガチャガチャ…

金属音で目が覚めた。
同時に、喉の渇きに気づく。
部屋が、やけに暖かく、乾燥している。
エアコンを切るのを忘れてた眠ってしまったらしい。
喉の渇きもそのせいだろう。
少し頭が重い。
風邪をひかないように気をつけなければ…

とりあえず、何か飲もう。

No.2 11/01/04 01:13
話者 ( lXNCh )

>> 1 第1話🔒「ドア」2

布団を抜け出して、キッチンへと続く引き戸をそっと開ける。
一気に、冷気に体を包まれた。
部屋の温度が上がりすぎていたらしく、スウェット上下を着込んだ体には汗をかいていた。
何か飲んでから着替えるか、着替えてから何か飲むか…少し迷ったけれど、キッチンまできたことだし、先に水分補給をすることにした。

ガチャガチャ…

小さな食器棚から、コップを出そうと手を伸ばしたとき、再び金属音が耳に届いた。

No.3 11/01/04 01:18
話者 ( lXNCh )

>> 2 第1話🔒「ドア」3

そういえば、この音で目を覚ましたのか…

(何の音だろ?)

思わず動きを止め、耳を澄ます。
鎖がこすれ合いながら揺れるような…金属同士を闇雲にぶつけ合うような…
耳障りな音。
どこかで聞いたことはある。

そう近くの音ではない気はするが…夜中のことだ。
よく響く。

No.4 11/01/04 01:26
話者 ( lXNCh )

>> 3 「ドア」4

私は現在、一人暮らしをしている。
住んでいるのは、5階建てのアパートの最上階。
築30年という古さで、5階建てだというのに、エレベーターがない。
1階から4階までは、2DK、5階だけが1DKという造りになっている。
北側がDK、玄関はそのDKに含まれる格好になっているので、玄関を開けるなりDK、ということになる。
バス、トイレもそれぞれDKにドアがあり、6畳の和室ももちろんDKに接している。
DKには、アパートの廊下に面した窓がある。
流しの上、玄関の扉の横。
人が通れば影が映る。
廊下には、蛍光灯がついているので、夜でもそれは変わらない。

No.5 11/01/04 01:30
話者 ( lXNCh )

>> 4 「ドア」5

ガチャガチャ、ジャラジャラ…と音は続く。
たぶん、廊下にいる誰かが出している音だとは思うのだけれど。
隣か…2軒先か…3軒先か…
私の部屋は角部屋なので、部屋の中から玄関に向かって右側にだけ注意を払えばよかった。
確かに、右の方から音は聞こえている。

No.6 11/01/04 01:31
話者 ( lXNCh )

>> 5 「ドア」6

不意に、はっとひらめく。

No.7 11/01/04 01:32
話者 ( lXNCh )

>> 6 「ドア」7

…あの音は、聞いたことがある。
あるはずだ。

…玄関の扉を開けようとする、鍵の音だ。

No.8 11/01/04 01:39
話者 ( lXNCh )

>> 7 「ドア」8

普通なら、ポケットや鞄の中から取り出した鍵を鍵穴に差し込み回せば開錠できて、ノブをつかむ。
すぐにドアは開くはずなのに。

あの音は、延々と鍵をただ回そうとし続けている?

――ゾッとした。

ただでさえ冷えていた体に、震えが走った。
気がつくと、和室に向かって後ずさっていた。
たかが鍵の音。
何をそんなに恐れることがあるのだろう。
音の主は、酔っているだけかもしれない。

No.9 11/01/04 01:43
話者 ( lXNCh )

>> 8 「ドア」9

いつまでも、鍵は開かない。
…じり、と私は更に後ずさった。
和室からのぬるい風が、ふわりと頬を撫でる。

不意に音が止む。
全ての音が消える。
痛いほどの静寂と、予感や気配といった不確かで形のないものが立ち込めているような気がしてならない。
私は行きを詰めて、ただ、じっと耳を澄ましていた。

No.10 11/01/04 01:52
話者 ( lXNCh )

>> 9 「ドア」10

チャリ、と軽い音。
鍵穴から、鍵を引き抜いた音だろう。
解錠できたのだろうか?

まるで耳の奥に心臓があるようだった。
ドクン、ドクンという鼓動に合わせて頭が振れているような気がする。


ドアノブを回す音は聞こえない。

No.11 11/01/04 01:55
話者 ( lXNCh )

>> 10 「ドア」11

何も起こらない。
私は幻聴のトリコにでもなっていたのかもしれない…
それとも…夜中に見た夢?

そう思うほどの、静寂。


突然、ガーン!!と、大きな音が響いた。

No.12 11/01/04 01:59
話者 ( lXNCh )

>> 11 「ドア」12

体がすくみ、ヒュッと喉が鳴る。

今のは、ドアを思い切り叩いた音?
手で?あるいは何かをたたきつけた?

やはり、隣ではない。
そこまで近い音じゃない。
音の遠さから、すぐ隣ではなく、もう1軒向こうかなと薄々思っていたけれど、それは確信に変わる。

…それにしても。

(一体、何事!?)
(…怖い!)

No.13 11/01/04 02:01
話者 ( lXNCh )

>> 12 「ドア」13

そしてまた、静寂。
私は1ミリたりともうごけなくなっていた。
…動けない。
肌を刺すような、静寂。

No.14 11/01/04 02:05
話者 ( lXNCh )

>> 13 「ドア」14

大きな音にも、誰か他の部屋の住人が起き出したような気配はなく、この夜のしじまに私だけが息をしているような気がする。
「誰も助けてくれない」という思いが、頭をよぎる。

今のところ、何があった訳でもないのに?
ただ、少し不審な音を聞いただけだ。
その音も、今は止んでいる。

No.15 11/01/04 02:07
話者 ( lXNCh )

>> 14 「ドア」15

鼓動が、正常な状態に戻ってゆく。
長い夢を…立ったまま、夢を見ていたのか…
息が苦しい。
知らず、呼吸が浅くなっていたらしい。
大きく吸って、吐き出した。


…カツン…

(え…?)

No.16 11/01/04 02:09
話者 ( lXNCh )

>> 15 「ドア」16

ドクン、と心臓が跳ねる。


…カツン…カツン…

ゆっくりと…足音?

No.17 11/01/04 02:11
話者 ( lXNCh )

>> 16 「ドア」17

近付いてくる足音に、私は体をこわばらせた。

やはり、いる。
誰かいる、夢などではなかった。

ドア一枚隔てた廊下に、何者かがいる…

No.18 11/01/04 02:20
話者 ( lXNCh )

>> 17 「ドア」18

目をこらして、DKの窓を見つめる。
足音はしかし、私の部屋に差し掛かることなく止まる。

(…隣…?)

耳を澄ます。


チャリ…ガチャガチャ…

再び、鍵の音、ひたすらに、鍵穴に差し込んだ鍵を…きっと鍵穴とは合わない鍵を…回し続ける音。

No.19 11/01/04 02:25
話者 ( lXNCh )

>> 18 「ドア」19

隣にはたしか、30歳くらいのサラリーマンが一人で住んでいるはず。
越してきたときに挨拶をしたきり、たまに見かけても会釈するくらいで口をきくこともないけれど。
…いないのだろうか?
それとも今、隣のドアの前にいるのは、隣人その人なのだろうか?

だとしたら…何故いつまでも合わない鍵を回し続けるのか、自分の部屋ではない、隣の部屋の鍵を開けようとしたのか?
酔っているだけ…?

寒いはずなのに、額や腋の下や背中を伝う汗が止まらない。
脂汗なのか、冷汗なのか…

No.20 11/01/04 02:29
話者 ( lXNCh )

>> 19 「ドア」20

そしてまた、静寂が戻ってくる。
それでも、今度は、私は息をつけないでいる。
指先が痺れているような気がする。


……ガーン!!

また、音が響く。

呪縛が解けるように、私は和室に飛び込んだ。
引き戸の陰になるように立ち、DKの窓を凝視する。


…カツン…カツン…

足音に、引き戸にかけた指がこわばる。

(…きた!)

…カツン…カツン…

ゆっくりとした足音。

No.21 11/01/04 08:07
話者 ( lXNCh )

>> 20 「ドア」21

DKの窓に、影が映る。
ざわ…と背中の産毛が総毛立つ。
影は、私の部屋の、窓の前で立ち止まっていた。
しかも、こちらを見ている…?

(あ…灯りが…)

タイミングを図ったかのように、廊下の蛍光灯が、チカチカと明滅を始める。
シンクロするように、私の心臓は激しく脈打っている。

No.22 11/01/04 08:10
話者 ( lXNCh )

>> 21 「ドア」22

蛍光灯の明滅…再び歩き出した影の動きを、コマ数の少ないアニメのように見せている。
希薄だった現実感が、更に遠のく。
ジジ…と耳鳴り、ゆっくりと、影のアニメーション。


足音が、ドアの前で止まる。
…私の、この部屋の、ドアの前で。

No.23 11/01/04 08:13
話者 ( lXNCh )

>> 22 「ドア」23

一息に現実に引き戻される。
薄暗がりの中、クローズアップされるドア。

(チェーンをかけていない!!)

血の気が引く。

No.24 11/01/04 08:17
話者 ( lXNCh )

>> 23 「ドア」24

スローモーションなのは私。
ドアまで、辿り着けない。

ガチン、と、さっきまでとは違う音が、遠くで?近くで?――聞こえた。

ドアの内側のツマミが、回転しはじめるのが見えた。

No.25 11/01/04 08:25
話者 ( lXNCh )

>> 24 「ドア」25(終)

何故――何故?

頭の中に溢れる疑問形。
――誰にも合鍵なんか渡していない。

――こんな夜中に訪れる人なんていない。

――何故?

――何故?

――――何故。

答えを結ぶことはない。


…ドアノブが、ゆっくり回りはじめる。


目の前が、血の色に染まる錯覚。
頭の中が白くなる。


…ドアノブが、回り切る。


――――――何故。

立ち尽くす。

No.26 11/01/04 08:34
話者 ( lXNCh )

>> 25 「ドア」あとがき☺

「ドア」を読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

学生時代、一人暮らしをしていたときに、「廊下を歩いている人が自分の部屋の前で立ち止まったら怖いなぁ」と思ったのが、ずっと忘れられずにいました。
「立ち止まるだけじゃなく鍵を開けて入って来たらもっと怖い」とも思いました。
部屋の前で立ち止まった人物が、「〇〇さ~ん」と呼びながらノック✊なら怖くないと思いますけどね。
それなら、宅配便かなんかかと思うかな…

「ドア」は別に、オチのないなんとなくイヤな話になったと思います。
また、感想などいただけると嬉しいです。

次は、フェティッシュな話を予定しています。
お楽しみに(というほどのもんでもないが💧)

No.27 11/01/24 21:08
待ち遠しい ( 20代 ♀ OWi5nb )

>> 26 早く次が読みたい

No.28 11/01/24 23:24
ジャスミン ( zJxCh )

おちがなくてホッとしました😭

良かった😭

チェーンかけたの⁉と思いながら読んでました😣

怖い話は苦手です😥

No.29 11/01/25 09:40
なな ( 30代 ♀ 06sfi )

おもしろくない

No.30 11/01/25 14:29
りゅうママ ( 20代 ♀ hoBKh )

一番良いところで終わり⁉⁉⁉ホッとしたけどガッカリもしました😅

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