大好きでした。

わたしは
5人姉弟の四女として生まれた。




甘えんぼうで

わがまま

泣き虫




幼少期は…
父によく可愛がれてた。

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>> 1 たぶん

家の異変に気づいたのは…




4歳、5歳のとき




わたしの記憶では

縁側で…
何かに怯えるように
泣いていたわたしが居た。

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>> 2 確証を得たのが
6歳、7歳




その日わたしは
父の車に乗っていた。




確か…
姉二人と弟も居たと思う。




丁度今くらいの時期

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>> 3 とある団地の前に
車を止めた父




父はわたし達を
連れてある部屋へ入った。

そこには
知らないおばさんや
お祖母さん、おじさんが
狭い部屋の中に机を並べ
食事をしてた。




人見知りだった
わたしは、姉達から
離れないよう座ってた。




…でもその緊張感も
すぐとき解れる

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>> 4 『はい…かずみ』




《わー、やったお年玉だー》




嬉しくて…
ついその場で袋の中身を見てしまった(苦笑)




前日に同じような
やり取りが実はあった




わたしの実家で
父方の叔母が集まり
たんまり(笑)お年玉を
貰っていた。

だからすぐ分かった

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>> 5 帰りの車
わたしは助手席で
ﾙﾝﾙﾝだった。




普段こんなお札を
触らせて貰う事も無いし

純粋にうれしかった。




当然…
姉達もうれしくて

罪の意識なんて無く
母にその事を伝えた。

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>> 6 母は血相を変えた。




わたし達に
どんな所へ行ったか？

どんな人がいたか？

詳しい話しを聞き始めた。




こどもながらに
《この話しはしてはいけなかったんだ…》とすぐ分かった。

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>> 7 父はわたし達を
下ろすとまた何処かへ
出掛けてしまった。




とりあえず
その時は修羅場を
避けられたが、後日…




きっと母は父を
問い詰めたのだろう…。




母は父に殴られてた

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>> 8 よくわたしを
可愛がってくれた父…




いつしか
わたしは父が怖くて
母よりになっていた。

それはわたし以外の
姉弟もそう




父の浮気に苦しめられる母

父の暴力に泣き叫ぶ母…

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>> 9 母はそんな結婚生活を
20数年堪えた。




でもわたしは
16年目に限界が…




わたしは家出を
繰り返すようになった。

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>> 10 男の家を転々としていく




そして
そんな中、高校に
通っていた




学校は嫌だったけど…
男がいない間、暇だから。

とりあえず通ってる状態




でも家にいるよりﾏｼ

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>> 11 けど高2に進級するか
しないかの瀬戸際に
立たされているとき…

先生から呼ばれた。




『学費が落ちて無いんだけど…』




頭が真っ白になった。

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>> 12 家に帰って
母に話すと…

『おやじに言え、母さんは金無い』

渋々、父に話すと…
『あいつ(母)に言え』




何なんなの…
うちの親って…




もう…親から
見捨てられた気がした。

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>> 13 《この家にわたしの
居場所なんて無い》




わたしは2年に
進級後から学校へ行かなくなった。




《もうあいつら(両親)
何て頼らない》




わたしは
また男の家へ向かった

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>> 14 父の浮気、暴力…
そして父から生活費を
貰えない母は朝から晩まで仕事

愛情をくれない母…

そして
こんな家庭にしてしまった根本的な原因を作った

浮気を繰り返す暴力的な父




わたしはすべて
嫌になった

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>> 15 ―ある日

わたしは仕事帰り
いつもとは違うｽﾀﾝﾄﾞに
向かった




原付きの燃料が
すっからかんになっていた。

いつもなら
帰る途中にｽﾀﾝﾄﾞがあるのに…

なぜだか今日は
男の家から逆方向の
ｽﾀﾝﾄﾞへ向かった。

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>> 16 『いらっしゃいませー』




駆け寄ってきた
若い男性店員。




体中に電気が走る
…ってこの事だ。




名前も年齢も何も
知らないｽﾀﾝﾄﾞの店員に
わたしは一瞬にして恋に落ちた。

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>> 17 わたしは人一倍
行動力だけは旺盛




ｽﾀﾝﾄﾞで給油中…

ｱﾙﾊﾞｲﾄ募集の看板を見かけた。




《これだ!!》

わたしは家帰ると
直ぐさまそこのｽﾀﾝﾄﾞへ
電話をした。




『お店の看板を見たんですが…まだｱﾙﾊﾞｲﾄは募集してますか？』

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