うわきしょう

浮気に走り出したのは
夫との夫婦生活が
完全に無くなって
泣いて夫に懇願する自分が
みじめに感じた頃からだった


元々夫は淡白だった

結婚してからは
更に拍車がかかり
年に１～２回ﾍﾟｰｽ


数年前から
その貴重な夫婦生活も
全くなくなってしまった


すれ違う夫婦


会話も少なくなって
それに比例するように
気持ちも冷めていった

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人間、行動や欲求に制限がかかると
更に手に入れようと必死になる


それは浮気の理由には
ならない


倫理、道徳、モラル


自分にも
一応備わって生まれた


だから欲求が満たされなくても
そこには踏み入れてはいけないとわかっていた


けれど


辛かった


二十代半ばの私は
とにかく夫としたかった


どうにか夫をその気にさせる方法はないか
あれこれ思考をこらした


けれど何年かかっても
すれ違っていくばかり

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疲れた


もうやめよう


夫とは
もう諦めよう


子供もいるし
幸せな家庭がある


それでいいことにしよう


セックスは


なくてもいいことにしよう


会話もしなくたって家族がいなくなるわけじゃない

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そんな諦めは
一時的な気休めだった


心のどこかで
満たされない体を
もてあましていた


そして


初めての浮気に
走った

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※ここからは
不倫・浮気・性について
書きます


不快な方は
どうぞ読まないでください

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初めての浮気相手は
パート先の年下の男性だった


初めて会った時
なんて可愛い人なんだろうと思った


その時は
彼と体を合わせることなど考えもしなかったが

一緒に働いているうちに
男性として意識するようになった

シフトも彼と合うように
希望を出すようにして


私の中での秘密の小さなトキメキ


アホだな、自分


わかってる、わかってる

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わかってる、わかってる

わかって…


なかった


彼とは
知り合って半年後
キスをした


キスをした後の私は
尋常じゃないほど
胸が痛くなった


何の痛さか

今思えば
罪悪感とトキメキと
複雑な思いが
入り交じった
不思議な痛さ

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彼とはそれから
二年に及ぶ関係をもった


彼を大好きになって
心も体も持っていかれた


彼も
旦那と別れて
一緒になってほしいと言い出した


けれど
家族は捨てられなく


結局別れた

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一度夫から離れて
他の男に抱かれることを覚えたわたしは
更に寂しさを増し
以前より空虚感が大きくなった


自業自得だ


夫は何も知らない


二年もの間
夫の目を盗んで密会し
他人に抱かれていたこと


火遊びのつもりが
心も体も全焼した


もう元には
戻れない


どんなに夫に戻ろうと思っても
心がついていかない

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彼との別れの寂しさから
一年が経ち
また新たな出会いがあった


二度めの浮気


毎日顔を合わせる環境にいた彼は
親しくなるのに、そう時間はかからなかった


彼には彼女がいた


その方が好都合かな


前の彼のように
旦那と別れてとは
言わないだろう


セックスするだけの関係なら
リスクは小さい方がいい


私は彼に極力ドライに接するように心がけた

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彼とはある程度距離をとっていたはずなのに
結局情がうつってしまって喧嘩も絶えなくなった


そして彼もまた
彼女と別れるから
旦那と別れてほしいと言い出した


それはやっぱりできない


彼とは一年で終わった


この頃から
浮気に対して
麻痺する自分が作られた


最初に感じていた
罪悪感や自責の念は
すでに無くなっていた


ただ
子供に対してだけは
申し訳なさが常にあった


母親失格


自分の欲望だけで
家族を裏切る


最低な人間だ

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よく浮気してから
夫に優しくなれたという話を聞くが
私は逆だった


どんどん取り返しのつかない、遠いところに行ってしまっていた


二番目の彼と別れたものの、彼とは友達として続いた


彼は心の弱い男だった


私と似てる


別れてからも
連絡はとっていたが
そのうちまた喧嘩になり
自分自身も遠くに引っ越したことで疎遠になる


また虚しさが
一日中心を独占する


また新しい出会いを
探し始めた


幸か不幸か
すぐに一人現れた


三人めの彼


彼は人妻の私はとても好都合だったらしく
遊びでセックスできる女を求めていた


割り切りのできる彼は
若干温度が低く感じられたが
私はそのくらいでちょうどいい


お互い都合のいい時に
セックスして
たまに食事したり
デートしたりした


私の家族に対する
やきもちも一切なく
とても気楽に付き合えた

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私は兼業主婦になり
フルタイムで働きはじめ
彼は同じ業界のため
話も合う


好きでも嫌いでもない
気楽な関係
体を満たし合って
余計な感情が入らない

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いつも彼からメールが届く


『買い物行かない？』


『うんいいよ』


二週間に一度くらいのペースで会う

買い物に行った帰りは
もちろん彼の部屋でセックス


これがなければ
彼と会う必要がない


セックスしない日もあったけど
お互いどちらかがしたくなれば、率直に『セックスしようよ』と申し出る


そんな快楽だけを求める関係


いつまで続くかな…


彼に好きな人ができたら
辞めようと話し合っていた

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夫とは相変わらずレス


求めてくることもない


同じベッドで寝ても
体を触ってはくるが
それ以上はない


昔だったら
私が無理矢理セックスに持ち込んだけど
今は満たされた体
夫とはしなくて平気


むしろ
ほったらかした夫が悪いと開き直る始末


完全に貞操観念を失っていた


バレなきゃいいや


うまくやってるつもりもないが、夫には不思議とバレなかった


夫は私に興味ないのかな


かといって女の影があるわけでもなく


これを仮面夫婦と呼ぶのだろうか

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いくらセックスだけの関係といえど
長い時間一緒にいると
それ以上の感情が芽生えるのは当然のことだろうか


彼との関係は特に問題なかったが
私は彼がこのまま私がいることで、婚期を逃しているような気がしてならなくなった

元々彼には、忘れられない元カノがいた

元カノと別れてから、誰のことも好きになれないと、常日頃から話していた

私のことは自分にとって都合が良く、一緒にいても気楽で相性も合うと話し
俺、一生結婚できないかもしれないなと言っていた

彼は決して顔が悪いわけではない

むしろイケメン

背も高いし、体もがっちりしていてバランスがいい

収入もそれなりにあるし、見た目には特に問題はない

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私は彼をとことん甘やかした

彼のしたいプレイに応じ
セックスの誘いも絶対に断らなかった


セックス以外でも、色んなところに連れて行って
デートを楽しんだりした


私はそれでいいと思っていたし、彼もこれだけ都合のいい女はいないと言っていた


それが


ある日ふと


疲れた

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彼は私のことが好きなわけではない


好きでない女に優しくできるはずがない


彼は冷たい人で、時々あまりの冷たさに苛々することがあった


例えばセックスが終わったらすぐ帰るように促したり、買い物の足にだけ私を使ったり
なんだか物のように扱われ、不満が募る


所詮、そんなもの


わかってはいるけど、日がたつにつれ疑問が多くなっていった

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なんて勝手な自分


セックスできればいいだけなのに、優しさまで求めるの？


どこまで貪欲なんだろう

家庭もあるというのに

私はセックス依存症なのか、ただ男性に愛されたいのかわからなくなってきた


ただ一つ言えるのは


何をしていても


空虚。


なんだろう、この虚しさ


悲しいわけでもない
辛いわけでもない


ただ単純に


虚しい。

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私の心の虚しさは
いつまでも消えることがなかった


元々、物心ついたときから義理の父親に暴力を受け
母親は何度も男を変え
そんな生活の中で、常に死にたい願望が絶えなかった


小さい頃は死に方がわからず
洗面器に水を張り、そこによく顔を沈めて死のうとした


真冬のﾌｶﾌｶな雪の中に、真夜中下着だけの姿でじっとしたり


自虐的な子供で

周囲からも変わった子供だと見られていた


その時は
本能のまま
ただどうやったら死ねるんだろうと思って試していただけ


きっと小さい頃から
虚しさは消えていない


だからこれからも
消えないのかもしれない

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結婚する前に
付き合っていた彼氏はＤＶ男だった

彼は喧嘩のたびに私を殴り、警察沙汰になるほどだった

何度も首を絞められ、意識が遠退いた


それでも喧嘩の後は
彼が決まって泣きながら謝る


みいと離れたくないんだ

みい無しでは生きていけない

そう言って彼は泣く


私は身体中アザだらけになっても、彼を許した


こんなにも自分は愛されてる


全く見当違いな私の価値観


それでも愛されてると実感していた

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決して不幸自慢をするつもりはないけど、考えてみればろくな男を掴めない

周りの友人や家族からも、みいは男見る目がないと言われていた

唯一、夫は
レス以外に関しては
問題のない人


きっと私が
無い物ねだりなんだ


誰にでも
心に隙間はあるもの


それをどう埋めるかは
人それぞれだけど
大抵の人は
合法的に、倫理的に、埋めていくもの


人はそうでなければいけない


そのように作られて生まれているのに、相反する行動をすると、更なる代償が被さる


世の中はつじつまが合っていないようで、合っている

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彼との関係に疑問を持ち始めていた矢先
私は大きく心のバランスを崩してしまった


彼との関係のことだけでなく、家庭・仕事・全てにおいて何もかも八方塞がりになった


罰当たりか


何をしてもうまくいかない


息をしていることすら
辛い毎日だった


いつもなら
友人に話したり、誰かに相談して発散し
何とかやってこれたが
今回はそうはいかなかった


もう人と会うこと
話すこと
全てが恐怖

頭の中に雨雲がかかり
耳鳴り、頭痛、めまい
毎日眠れない日々


眠剤と安定剤に頼り
やっとの思いで仕事は続けていたが


ついにダウン


ドクターストップがかかる

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初めまして😌読ませて頂いてます。主さんのペースで最終まで頑張ってください。更新、楽しみにしています✨

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>> 24 ありがとうございますm(__)m

不甲斐ない日記なのに読んでいただけて有り難いです。

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診断書を提出し、しばらく私は仕事を休んだ

夫は何も言わなかった


家事を協力するわけでもないが、家事ができないことは責めなかった


情けない、自分


とにかく生きてることが辛かった


また頭をよぎる


『死んでしまいたい』


でも今は
洗面器に顔を沈めていたあの頃とは違う


子供がいる


だから辛くても
存在していないといけない

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周りの人の反応は意外と穏やかだった


今まで頑張りすぎたんだね、ゆっくり治して、ゆっくり休んで


大多数の人がそう言葉をかけてくれた


こんなしょうもない自分に温かい言葉をかけてくれた


とても有り難い言葉


裏の顔は
最低なのに


複雑な想いが交差する


偽装した自分と
真の自分と

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私は自分の気持ちを人に伝えるのが苦手だ


どうしても相手の顔色を伺ってしまう


体調を崩してから、誰かと会うのもいやになった


話すのもいや


メールの返信すらも重荷になってしまった


自分を知っている人間との交流が、恐怖に近い


弱っている自分を見られたくないという想いと
何をどう状況説明していいかわからないし、きっと私の口から出てくる言葉は辛い話しかないから

相手に申し訳ない


彼との連絡も次第に少なくなっていく

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