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レス26 HIT数 4947 あ+ あ-

結愛( ♀ Cni7h )
10/12/27 00:06(更新日時)

私の恋愛話

誰に何を言われても…


私にとっては、どれも大切で…



…本気で本物の恋だった。

No.1489627 10/12/20 23:53(スレ作成日時)

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No.1 10/12/21 00:00
結愛 ( ♀ Cni7h )

初恋は、中学二年生。



同じ団地に住んいる、ヒロキ。

物心ついた時から、ヒロキはいつも私のそばにいた。

No.2 10/12/21 00:08
結愛 ( ♀ Cni7h )

ヒロキは、小学生の時からサッカーをしていて、背も高く、結構目立っていた。



小学校を卒業する頃には、すでにファンクラブができていて…



中学に入る頃には、地元では少し有名人になっていた。




誰が見ても[カッコイイ]と言う、そんなヒロキと私はいつも一緒にいた。

幼なじみだから、一緒にいても違和感もなくて、当たり前だと思ってた。


あの時までは…

No.3 10/12/21 00:15
結愛 ( ♀ Cni7h )

[ユキちゃんって、ヒロキくんとどういう関係?]



中学に入ってから、本当によく言われているセリフ。



どうもこうもないよ。
ヒロキとは、ただの幼なじみだもん。


え?カッコイイ?
どこがいいんかね~




これは、私がよく言うセリフ。



ヒロキと私の関係を、疑って聞いて来たたいがいの女子は、ヒロキに告白するのが目的。

No.4 10/12/21 00:20
結愛 ( ♀ Cni7h )

[じゃぁ…ヒロキくんに、これ渡しといてもらっていい?]





あ~
また…
ラブレターですか…






学校が終わって、家で軽くご飯を済ませて塾へ向かう。


玄関を出ると、二軒となりのドアが開き、ヒロキのお母さんがゴミを持って出て来るのが見えた。

No.5 10/12/21 12:03
結愛 ( ♀ Cni7h )

―おばちゃん!こんばんは~
ヒロキって、もう塾に出かけた?



「あぁユキちゃん。ヒロキね、今出かけたわよ」




じゃぁ塾でラブレター渡さないといけない。



あ~面倒くさい…

No.6 10/12/21 12:12
結愛 ( ♀ Cni7h )

ヒロキと私が通う塾は、 学力順で上からS→F→E→D→Cとクラスが分かれていた。



バレーボールばっかりしてる私が、もちろん勉強できるワケもなく…Cクラス。
ヒロキも、もちろんサッカーばっかりやってるから…Cクラス。



座席は、同じ列の前後でヒロキは私の後ろに座っていた。




授業が始まる前に、ヒロキ宛に預かったラブレターを渡そうと、いつも通り振り向いた。





―ヒロキさ~またアンタ宛の手紙預かったよ。




いつも通り、こっそり渡すと
「俺さ、もうこういうのいらないから。飽きたし。しかも俺、ずっと好きなヤツいるからさ。困るんだよな」





ヒロキ、好きな子いるんだ…

No.7 10/12/21 12:17
結愛 ( ♀ Cni7h )

ヒロキに好きな子がいるって聞いた時、なんか胸の奥が痛くなるのが分かった。




なんなんだ…この気持ちは…



「ユキ?どうした?体調悪いのか?」




明らかに動揺して、ヒロキの顔を見たまま目が点になった私に、ヒロキは気付いたんだろう。




―いや…何にもないよ。




そう言い返すのが精一杯。
うつむきながら、私は前を向いた。

No.8 10/12/21 12:23
結愛 ( ♀ Cni7h )

イヤだ…




すごい苦しい…




私は授業の始まる寸前に、机にうつむいて体を起こせなくなった。




これはもう、授業どころじゃないって思った先生が、うちのお母さんに電話をかけてくれていた。




けど、すぐには迎えに来れないらしく、とりあえず私は塾の保健室で休ませてもらうことになった。




ついに立てなくなっていた私を見兼ねて、先生とヒロキがサッと肩を貸して保健室まで送ってくれた。

No.9 10/12/21 12:30
結愛 ( ♀ Cni7h )

私が保健室で横になると、ヒロキが
「先生。少しユキと一緒にいてもいいですか?」
と 先生に聞いた。




「本当はダメだけど、お前たちは幼なじみだから、特別に!!」




「ありがとう。先生」




ヒロキがそう言うと、先生はヒロキにVサインをして、教室に戻って行った。




保健室に二人っきり…




急に気まずい雰囲気になったので、私は寝ようと思った。





「ユキさ…お前、顔に出過ぎじゃない?」




ヒロキにそう言われて、ますます複雑な気持ちに…

No.10 10/12/21 12:34
結愛 ( ♀ Cni7h )

「ユキはさ、小さい時からそうだったな。本当、正直物だよな」




そう言いながら、ヒロキは私の頭をなでてくれた。




緊張しすぎて、ヒロキの方を見れない私は、天井を軽く見つめていた。




お母さん!早く来てー!




緊張で胸が張り裂けそうだった。

No.11 10/12/22 02:09
結愛 ( ♀ Cni7h )

―な、なにが!?
私は、ただ預かった手紙をヒロキに渡そうと思ってただけだよ?




「そう?俺にはそんな風には見えなかったなぁ…」




―…
何も言い返す事ができなかった。
ヒロキの悪戯な笑顔が…
眩しい…





コンコン…

No.12 10/12/22 02:13
結愛 ( ♀ Cni7h )

「ユキ!大丈夫!??」
お母さんだった。

―お母さーん…



私は、なぜかお母さんの顔を見て、泣いてしまった。


「ヒロキくん…一緒にいてくれたの?迷惑かけて、ごめんなさいね。ユキ帰って休もうか」

お母さんはそう言うと、私を起こしてくれた。





―あ…ありがとう…




「おう…」




ヒロキをまともに見れなかった。

No.13 10/12/22 02:18
結愛 ( ♀ Cni7h )

うちに帰ると、お母さんがコーヒーを入れてくれた。




「ヒロキくんと、何かあった?」
と、ニヤリとした顔で私を見た。




「ユキが塾で体調崩すワケないもん。それに、ヒロキくんの顔見たら、お母さんピンと来ちゃった」




さすがお母さん。




お母さんには、全部お見通しなんだね。




私は、塾でのヒロキとのやりとりをお母さんに全部話した。

No.14 10/12/22 02:23
結愛 ( ♀ Cni7h )

「ユキ…それはね…恋だよ。あなたは、ヒロキくんが好きなんだよ」




―え!?




私が、今までヒロキに対して好きな気持ちを持っていたなんて、自分でも信じられなかった。




けど、お母さんに言われて、体のどこかでモヤモヤしてたものが、解き放たれた気がした。

No.15 10/12/23 01:38
結愛 ( ♀ Cni7h )

「お母さんは、ヒロキくんが生まれた時から知ってるけど、すごい素敵な男の子だと思うの」




―うん…




「ユキ?好きなら好きって言わないと、相手には伝わらないんだよ?今日の想いは、温かいうちに伝えなきゃ、もったいないよ?」




お母さんに、まさかそこまで言われると思っていなかったから、変に納得してしまった。




―うん。私も、実はずっとモヤモヤしてたんだ…
きっと、ヒロキをずっと好きだったんだろうね…それに気付かないフリをして、ここまで来たんだと思う…




「じゃぁさ、ユキ行ってきな?ヒロキくんが帰って来る所を、待ち伏せしなきゃ笑」

お母さんは、少し笑いながら言った。

No.16 10/12/23 11:27
結愛 ( ♀ Cni7h )

誰かに好きって告白された事はあったけど、自分からは言った事ないなぁ…




困った…




何て言ったらいいのかな…





その前に、ヒロキは私をどう思ってんのかな…




あー怖い…




でもでも…
ヒロキの気持ちが知りたくなってきたな。





私は、ドキドキする気持ちを抑えながら、ヒロキが塾から帰って来るのを待とうと思った。

No.17 10/12/23 11:39
結愛 ( ♀ Cni7h )

自分の部屋の机に臥せて、どれくらい時間が経ったんだろう。




ハッと時計を見ると、21時30分…
もうこんな時間!?




私は、特にお母さんに声もかけずに、家を飛び出した。




団地の駐輪場の近くにあるベンチで、ヒロキを待つことにした。




あー
寒いぃ…




顔を上げると、月がものすごく綺麗。
―こんなに月って綺麗なんだね…
思わず独り言。




「ユキ?何してんの!?」




後ろから声が聞こえたから振り向くと、そこにはヒロキがいた…

No.18 10/12/23 11:46
結愛 ( ♀ Cni7h )

「お前さ、もう大丈夫なのか!?」




―う、うん。何かごめんね。
そう言って振り返ると、そこには見慣れたヒロキがそこにはいた。




―ヒロキ、あのね…

「てか、寒くないか?よかったら、俺の家に来るか?」

―え?いいの?

「おう。母さん、まだ仕事から帰ってきてないしな」



思わぬ展開…




まぁ寒くなくなるから、ちょうどよかったかも。




ヒロキと二人きりになることを、そんなくらいにしか考えてなかった。

No.19 10/12/23 11:52
結愛 ( ♀ Cni7h )

ヒロキのお母さんは、小料理屋さんをしていて、いつも帰りは0時を過ぎるみたい。





ヒロキの家に行くのも何年ぶりだろう。
小学校低学年の時に、誕生日会をした時以来じゃない?




そんな事を考えてるうちに、もうヒロキの家の前に来た。

No.20 10/12/26 00:19
結愛 ( ♀ Cni7h )

「俺の部屋に来るの、かなり久しぶりじゃない?散らかってるけど…どうぞ」


―おじゃましまーす。

普段の、ヒロキから想像も出来ないような案内の仕方だなぁと思いながら、何年ぶりかにヒロキの部屋にお邪魔した。




ヒロキの部屋は、キレイに片付けられていて、何だかいい香りがした。




「適当に座れよ。何か飲み物持って来るわ」


―あ、ありがとう。何でもいいよ。


「りょーかい」




ヒロキが部屋から出たあと、ぐるりと部屋を見渡した。
壁には好きな歌手のポスターが貼ってあり、黒とグレーを基調にしている感じで、昔の私の記憶にあるような雰囲気は、もうここにはなかった。

No.21 10/12/26 00:30
結愛 ( ♀ Cni7h )

「ゴメン。お茶しかなかった」


―いいよ。ありがとう。




しばらくの沈黙…





「あのさぁ…」
先に口を開いたのは、ヒロキの方だった。


「俺、好きなヤツいるって言っただろ?あれって…」

―あ、あたしも、そ、そのことで、ヒロキに話があって…


テンパる私を見て、ヒロキが クスっ と笑った。

―なによ?何で笑うの!?


「ユキのさ、そういう所がダメなんだよな」


―ダメって…


「いや…ダメって、そういう意味じゃないって。もう、俺が言わなくても分かってるんじゃないの?」

―え?わかんないよ…


「俺、好きなヤツいるって言っただろ?ユキのことだから」


―は?


「聞こえなかったのか?」


―き、聞こえました。




ヒロキが私を好きなの?
信じられない…

No.22 10/12/26 00:38
結愛 ( ♀ Cni7h )

―私も、ついさっき気付いたんだけど、ヒロキが好きだったんだ…


「え?さっき!?マジか!?俺なんて、ずっとユキだけを見て来たのに!!
ユキさー、いつも俺にそっけないし、嫌われてるんだって思ってた!」


ヒロキは早口でそう言って、ニコニコして私を見つめた。



また沈黙…




ヒロキは一旦俯いて、
「フー」っと深呼吸した後、私の横に座った。




「まぁ…これからも、よろしくな」


そう言って、キスをして、軽く手をつないでくれた。


―うん。よろしくね。


私も、ヒロキの手を握り返した。

No.23 10/12/26 00:55
結愛 ( ♀ Cni7h )

お互いの気持ちを確認したあとは、二人は時間の許す限り一緒にいた。




ヒロキは意外に大胆だった。
学校ではクラスが違ったから、休憩のたびに私に会いに来てくれた。




やっぱりそんな二人を、よく思わない人もいた。




「ユキちゃん?ヒロキとどういう関係なの!?」
何人に聞かれたか分からない…。

またヒロキも
「オマエ~ユキと付き合ってんのか~!?」
何人にも冷やかされてるらしい。




けど、今の二人は始まったばかり。周囲の雑音も、いい刺激!
お互い、部活のキャプテン同士頑張ることも決めた。




いい意味で、忙しかった冬も終わりを告げ、いよいよ中学三年生になろうとしていた。

No.24 10/12/26 11:24
結愛 ( ♀ Cni7h )

―ヒロキと同じクラスにならないかなぁ…




ヒロキとは、隣のクラスに…淡い期待は、すぐに外れるんだね。




新学期。
高校進学の事、部活の事も色々考えなくちゃいけない…
勝手に色々考えて、勝手に一人で不安になる。
私の悪い癖だった。




ヒロキとは、相変わらず仲良くしていた。
大切にしてくれていたから、嬉しかったし幸せだった。




―ヒロキとは、このままずっと離れたくないな…




高校進学を決める時、同じ学校からスポーツ推薦を受けていたから、二人とも同じ学校に行くって思ってた。

No.25 10/12/26 23:58
結愛 ( ♀ Cni7h )

5月。
進路希望の紙を提出する時が来た。




新しいクラスでは、席が隣になって、今まで挨拶くらいしかしなかったのに、仲良くなったサッカー部の副キャプテンの千葉。


「ヒロキとは同じ学校に行くんでしょ?まぁ俺も、推薦受けたから、二人と同じ学校だわ。よろしくな」


―そうなの!?嬉しい!
一人でも知ってる人がいると、心強いよ!


「そうか?俺も嬉しいよ…」


この時の千葉の表情を、もっと見ておけばよかった…
そう思った時には、時すでに遅かった。

No.26 10/12/27 00:06
結愛 ( ♀ Cni7h )

ヒロキは千葉と仲良しだから、同じ学校に行けるの喜んでるんだろうな…



そう思いながら、ヒロキと一緒に帰るために、いつものように放課後に廊下でヒロキを待った。




いつもならヒロキが来る時間なのに、まだ来ない…




―ヒロキ、遅いなぁ。どうしたんだろう…


ヒロキの教室を見ると、誰もいない…
先に帰る事ってないのになぁ…


どうしようかなって思いながら、廊下をトボトボ歩いてたら


「木下?ヒロキだったら、さっき帰ってったよ」


千葉だった。

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