私を通り過ぎていった男達…過去・現在

『まあちゃん なんか怪しいことしてない？』
私は旦那に聞いてみる。

『してるワケないしょ』

『だって…だって…(泣)』


同じ会社で６年付き合い結婚した私と旦那。
一緒にいるのが当たり前の状況から 娘 息子が産まれ二人だけの時間が少なくなって。

息子が産まれた時には 丁度新しい店を任され忙しい状態だった。

朝５時に行き 夜１１時頃帰ってくる生活が続いていた。

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店には女の店員さんがたくさんいる。

朝早く夜遅い旦那におにぎりとおかずを持って店に向かった。これは口実で 店にどんな女の人がいるか気になったから。

店に近づくと 店の女の子と笑いながら持ってるノートで頭をポンポン叩いている旦那が見えた。

一緒に着いてってくれた友達は

「相変わらず誰とでも仲良く 優しそうだよね」

『それがイヤなの」

「みーちゃん 旦那さん大好きだもんね。旦那さんも子供の面倒は見るし 理解力もあるし 優しいからうらやましい。あたしも結婚するなら そんな人。」

そんなことを言われながら 視線は相手の女の店員に釘付け。

『あの女ムカつく！！』

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それであの言葉。

『まあちゃん なんか怪しいことしてない？』

『してないよ。してないのにそんなこと言われたら 俺はどうしたらいい？もう少し俺を信用してほしい』

そう言われた。

信じたい 信じてる。けど…不安。


店に一緒に行ってくれたちぃちゃんに話した。

「みぃちゃんは 旦那さんが好きだからね。旦那さんは店の女というより 娘 息子に夢中だと思うよ。」

たしかに…。

それもある。淋しいよ みゆきだって。(泣)

「あっ！そうだ」

ちぃちゃんが突然デカイ声で言った。

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「みーちゃんもやりなよ サイト。結構楽しいよ。私は何人かと会ったりしてるけど みーちゃんは会いたくないしょ？それなら 道外の人にすれば会いたいとは言われないでしょ。」

そう言われ

『うーん 考えてみるよ。」

そう答えた。

ちぃちゃんが帰ったあと 出会いは求めていなかったので コミュニティサイトを開いてみた。

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>> 4 なんか 緊張する。まだ 登録したワケじゃないのに…。

どんな男の人がいるんだろう。ちょっと覗いてみることにした。

うわぁ(苦笑)めちゃいっぱいいるじゃん。
無料でお試しができるとのこと。（一日一回の書き込みだが）

《ちょっと 登録してみようかな？話すだけだからいいよね？》

そう思い登録してみることに。

〈はじめまして。こう言うサイトははじめましてです。どんなこと書いたらいいのかわかりません。こんな初心者の私でも 話し相手になってもらえる方いますか？お試しなので 仲良くなっていただける方がいたら 本登録します。よろしくお願いします〉
そんなプロフだったと思う。

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その日はもう遅かったこともあり プロフを入れて寝てしまった。

よく朝 それを見て驚いた(・_・)エッ..?

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お試しの為 一日一回のみのやりとりしか出来ないため どんな人がいるかを探る為には 本登録しないと…。

改めて登録し直した。

《サイト内でしかやり取りしない》

そう決めていた。

そしてもう一つ。

地元はきっとすぐ会おうと言われそうだから パス×

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とりあえず 地元の人 出会い目的の人 エッチネタの人は避け返信してみる。

《はじめまして。よろしくお願いします。》

そう送った。

それしか送らなかったのは どう送っていいのかわからなかったのと いろいろと話をふってくれる人がいいなと思ったから。
そんな中で…

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大阪の３人あっちゃん 高田くん こうじくんとやり取りが始まった。

他にも東京や沖縄の人とやり取りをしたが なぜか関西弁に興味を持った。

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☆あっちゃん☆

あっちゃんはノリもよくいろんな話をしてくれた。

北海道に来たことがあって その当時付き合っていた彼女と１００万で何日北海道にいられるかという 贅沢な旅をしたことがあると言っていた。

すごっ(◎o◎)

自分の家庭の話もしてくれた。

二人男の子がいて 奥さんは下の子だけを連れて実家に帰り 上の子と二人暮らし。何かある時は 親に子供を見てもらっていて 下の子も引き取るために裁判中と言っていた。

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私は聞いてみた。

『どうして たくさんの中からみゆきを選んくれたの？』

「俺が登録した時に 一番上にいた人に書き込みするって決めてたんや。運命だったんや。」

《運命》そう言われて ドキッっとした。

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サイトの中のやりとりが一週間経とうとしていた時
「サイトだと開いたりするの大変やから ここにメールして」

そこにはアドレスが記載されていた。

不安があったし やり取りはサイトの中でと決めていたし…。

困って サイト内のメールも アドレスにもメールをせず考えていた。

《直メをすると 写メ送って言われるんじゃないかな？》

写メ 写真の嫌いな私は《やだやだ》と 首をふった。

「なんかあったん？嫌われたん？」

そんな風にサイト内にメールが入っていた。

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《うーん 困ったなぁ。でも 大阪だし 逢うこともないからいいかぁ。》

そう思い

『じゃあ メール送るよ。でも 写メは送らないから。』

『わかった。ほな 待ってるから」

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『〇〇〇さん（サイトのペンネ）みゆっち（サイトのペンネ）です。メール届きました？』

すぐさま返信が届いた。

「届いたで～。俺の名前は〇〇篤。大阪の門真市に住んどるんよ。これからは あつしでいいし」

『私は〇〇〇みゆき。札幌に住んでるよ。これからはみゆきって呼んでくれていいよ。みゆきは男の人を年下でも呼び捨てできないから あっちゃんって呼んでいいかな？』

「あっちゃんでオッケー。これから仕事に行ってくるね。」

？？？今からって 今は夜の１１時よ？確か仕事はステンレスをどうのこうの言ってたような…。

『これから仕事？大変だね。頑張って。気をつけて 行ってらっしゃい。』

「郵便局で荷物送ったら終わりやから すぐ終わるから 待っててや。あっ 言ってなかったね。俺 ブランド品扱う仕事も掛け持ちしてんねん。ネット販売のみ」

『そうなんだ。掛け持ちなんてすごい。待ってるから 慌てて失敗しないように(笑)』

そう送った。

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☆高田くん☆

あっちゃんと同時期 その他にも２人やり取りしていた。

高田くんはその中の一人。

彼は至って真面目な人。

奥さんが一番。「不倫なんか絶対しない」といつも言っていた。

『そうだよね。私も旦那が大好きだからしないよ。正直 ここのサイトで何人かとやり取りしたけど 旦那と比べてる自分がいて あぁ 自分の旦那がそんな人じゃなくてよかったって思うもの。』

「えっ うちもダメ男と思ってるん？」

『思ってたら こんな話しないで バイバイだし(笑)」

高田くんには いつも旦那の話 子供の話をしていた。

高田くんも奥さん 子供の話をしていた。
ある時

『みゆっちは ホントに旦那さん好きなんやね。そんなに思ってもらえる旦那さん うらやましい。うち みゆっちのファンやわ(笑)」

そんな風に言ってくれた。

まだまだ不倫には ほど遠かった私…。

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☆こうじくん☆

私より１つ歳上のこうじくん。

元々は広島出身で 独身。

大阪に来てからは 趣味でサックスを始めたと言っていた。

こうじくんは 話がうまいとか 楽しいとか思わなかった。

ただ なんとなく。

時々 メールの文面から出会いを求めているんだなってことがわかる。

でも 私は結婚してるし 旦那が好きって しっかり伝えてある。

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そんな３人とのメールのやりとり。

あっちゃんは自分からいろんな話をふってくる。

「みゆきは かわいい系？綺麗系？」

『どちらでもない 不細工系(笑)』

「そんなことないやん(苦笑)会話はいつもかわいい系やで(笑)」

『ありがとっ。でも 実際はいつもすっぴんだし お洒落もしないよ。』

「女は馴れてしまったらあかんよ。手を抜くなんて好きな人に失礼やん。結婚してても常にドキッっとしてたいやん。」

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確かにそうだよな。

思わずパックをし 久しぶりにネイルまでしてしまう。

「おーい 何してるん？」

ネイルに夢中であっちゃんにメールするの忘れてた。

『ごめん ごめん。今 写メ送るから 見てくれる？』

「ええよ」

私はネイルで可愛くなった指先の写メを送った。

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「かわいいやん。きっと みゆきはこれが似合うかわいい系だな」

そう言ってくれた。

そしてすぐさまメールが来た。

「写メ交換する？」

『いや しない(笑)』

「はやっ(苦笑)」

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「ただいま。今帰ったで。今日は何作ったん？」

『今日はハンバーグとサラダ ミネストローネだよ。』

「うわっ マジで。みゆきはいつもすごいもの作っとるなぁ」

『料理だけは得意なもんで(笑)あっちゃんにも作ってあげたいな。』

何言ってんだろ？べつに付き合ってるワケじゃないのに。でも 自然に出た感情。もしかして…

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ある日 あっちゃんが

「みゆきと電話で話したい。」

なんだかドキドキしていた。

素直に話してみたいと思った。

『うん。いいよ。みゆきかけようか？』

「俺かけるから 番号教えて」

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「もしもし みゆき？」

『もしもし みゆきです。なんか 緊張する。』

「そんな かしこまらんでも(笑)俺 最近 みゆきの事ばっか考えてるねん」

『みゆきもあっちゃんからのメールの返信が遅いと何度も何度も 新着メール問い合わせちゃうよ。』

「みゆき １２月誕生日言ってたけど 逢いに行ったらあかん？」

『うーん 少し考えさせて』

そう言って １時間以上話した電話を切った。

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