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言い方とか、誹謗中傷等したりはやめて下さい。原因はなんだろね
私が悪いのですが、新入社員に腹が立ちます。
ひねくれてますか?

とりあえず…タイトルは決めてないんだ。

レス16 HIT数 2706 あ+ あ-

パズー( ♂ oZDsnb )
10/01/18 12:09(更新日時)

とりあえず…殴り書きしてみようと…思うんだ。


大人の恋の物語。


酸いも甘いも知り尽くした…

そんな奴にしか分からない…

大人の男の…

ハードボイルド…エッグ?


硬ゆで卵かい?(笑)

No.1222716 10/01/15 17:13(スレ作成日時)

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No.1 10/01/15 17:59
パズー ( ♂ oZDsnb )

その日…強烈な喉の乾きに襲われて俺は目覚めた。

昨夜のアルコールが全身の毛穴から滲み出ているような不快感を感じながら、重たく感じる体を無理やり起こし冷蔵庫を開けて…よく冷えたミネラルウォーターを片手にベッドに腰をおろす…

ふぅ…冷たい水が喉から胃へと流れ込むのが分かる。

気だるさに押しつぶされてしまいそうな全身の神経が冷たくなった胃に集まる…

窓越しに少しずつ明るくなる街を見下ろしながら…まだ回転を始めたばかりのぼんやりとした頭で昨夜のことを思い出してみた…。

No.2 10/01/15 18:36
パズー ( ♂ oZDsnb )

昨夜…明け方まで人通りの途絶えることの無い繁華街で、チャイニーズと思われる女に声を掛けられ…俺は店に入った。

店内にはネクタイを緩めてくだらぬシモネタを繰り返しながら、ホステスの胸元に手を入れて鼻の下を伸ばした赤鼻オヤジや、一目でその筋の物だと分かる冷たく鋭い目つきの男達まで…

あらゆる種類の人間が1日の疲れをアルコールで薄めていた。

テーブルに案内されて腰を卸すと先程のチャイニーズがお絞りとオーダー表を片手にやって来た。

『私はミンミン…あなたは?』

まだ不自然なイントネーションで問いかけてくる。

No.3 10/01/15 19:02
パズー ( ♂ oZDsnb )

『俺は山内…とりあえずビールとナッツを持ってきてよ。良ければグラスを2つ持ってきなよ。今夜は独りで飲みたくない…そんな気分だからさ…』

ミンミンはホールマネージャーにオーダーを伝えると俺の横に座った。

『山内さんは仕事何?』

『俺?俺は酒に飲まれるしがないサラリーマンだよ…』

『山内そんな風に見えないね…本当は何してる?』

『この薄汚れた掃き溜めみたいな街をこよなく愛するサラリーマンだよ。』

ミンミンは納得がいかない様子で俺のグラスにビールを注ぐ…。

『どう?少しは付き合えよ…』

とミンミンのグラスにビールを注ごうとすると…

『私が飲むと…山内お金高くなる…だから私は要らないね…』

『俺にお金を払わせるのがミンミンの仕事だろ?』

『そう…でも…山内は払わせたくない…とても不思議だけど…そう思う…』

No.4 10/01/16 06:49
麦ちょこ ( ♂ oZDsnb )

山内は熱血漢とは全く違うが、つかみ所の無い、いつもひょうひょうと人生を生きている…そんなタイプの男で、山内自身は意識していないが人の心にスッと入り込み初対面の人も不思議と警戒しない…そんなタイプの男だった。

ここで山内について少し説明しよう。

山内拓郎 年齢34歳 独身

とある新聞社に席を置く…一応社会部の記者。

理工系の大学を卒業したのだが、いわゆる大企業というところに自分の一生を捧げ、安定という名の元に理想とする生き様とはかけ離れた人生と向き合って…少しずつ妥協を繰り返し、つまらない人生を送る…そんなことに鼻糞程の魅力すら感じない…いわゆるエリートコースからドロップアウトした一匹狼の記者って感じで毎日を生きている。

とにかくそんな山内を型にはめようとする上司に対しても『そんなもんすかねぇ…』と返すのが口癖になっているような…タイプの男です。

No.5 10/01/16 07:28
パズー ( ♂ oZDsnb )

『ミンミン…俺はそんなに貧乏人に見えるのかい?』
と言ったものの…膝の破れたジーンズにスニーカー、ボサボサ頭の俺を見れば、そう思われても仕方ないか…と…ひとり妙に納得してしまった。

『そうじゃないけど、山内…何かが他の男と違うね。強さと優しさが同居している感じ…。頼りたくなる…』

『俺はそんな男じゃないよ。まだまだ男を見る目がないな。』

『山内…あのテーブルの男達には気を付けてよ。近寄らない方がいい。仲良くなった人は皆この店に姿を見せなくなるから…何か悪いことをしている…絶対に…』

俺は仕事柄…さりげなく男達のテーブルに目をやり、声は聞こえないがやりとりを目で追った…。

No.6 10/01/16 08:30
パズー ( ♂ oZDsnb )

関東龍神会の奴らだった。 真ん中で偉そうにふんぞり返って座っているのが武闘派のナンバースリーの若林。勢力拡大のためなら組で禁じられているシャブやマリファナ、コカインまでも利用する…そんな奴だ。その横の太った男が若林の舎弟の内藤。頭は鈍いが体力と凶暴性を若林に気に入られて信頼されている…。残りの若い二人はただのチンピラだろう…

『奴ら…よく飲みに来るのかい?』

『週に二回は来るよ。いつも女の子を連れて派手に飲んでる。真ん中の人はたまに外国人と二人だけで来る時もある。』

ミンミンはそう言った。

俺は今、南米ペルーからのコカイン密輸ルートを追い掛けている。

最近の芸能界での薬物汚染…シャブやマリファナだけでなく、自信満々の強気な発言をしていて捕まった押田を見ていて…間違いなくLSDだけでなく、コカイン常習者の特徴を見逃さなかったからだ。

あてもなく繁華街をさまよい歩き、フラッと店に入り情報を集めている最中なのだ…。

No.7 10/01/16 10:16
パズー ( ♂ oZDsnb )

>> 6 『ミンミン…今夜は用事を思い出したから帰るよ。今度あの真ん中の男が外人と2人で来たら、ここへ電話してくれないか?』

私は名刺と一緒に四つに折った1万円をミンミンに渡した。
『ありがとう…携帯へ連絡すればいいのね?』

『そう…じゃ頼んだよ。』

『また仕事抜きで飲みに来て欲しい…もっと話をしてみたいから…』

俺はそう言うミンミンに背中を向けて、右手を上げて店を出た…。

No.8 10/01/16 11:01
パズー ( ♂ oZDsnb )

店を出て人混みの中を歩いていると…

『おっ!山ちゃん…こんな所で1人で何を追い掛けてるんだい?』

と声を掛けられた。

同僚の石田だった。石田は現在政治部に席を置く記者で…たしか今は総理の番記者だった…。

『何も追い掛けてなんかないさ…アルコールが切れちまったみたいでね…。ちょうど安酒を飲ませてくれそうな奴を探していんだよ。』
と軽くあしらってみた。

『社会部の連中…皆…血走った目で坂田典子の逮捕で次は誰か…芸能界~政界、経済界までも覚醒剤、LSD汚染が広がるんじゃないかと…必死になって追い掛けてるぜ…山ちゃんもその線を追ってるんだろ?』

『俺は覚醒剤なんかまったく興味ないよ。昔から摘発しても無くならないだろ?今じゃ田舎の警察官までシャブ使ってるような時代だよ…。 俺が興味があるのは…酒と女と…コカ・コーラだけさ…』

No.9 10/01/16 11:37
パズー ( ♂ oZDsnb )

石田は『コカ・コーラ?おまえ…まさか…コカインルートを追ってるのか?やめとけやめとけ!命が幾つあっても足りないぞ…相手は日本のチンケなヤクザとは訳がちがうのはおまえさんも知ってるだろ…チャカでドンパチの世界じゃないんだ。マシンガンや地対空のロケットランチャーの世界だぜ…アメリカさんだって手を焼いているのに…』

『だから俺がやるのさ…気になる女が薬漬けにされて黙ってられるほど俺は大人じゃないんでね…。そんなことより、石田はこれから何処に連れて行ってくれるの?』

『ちょっと待てよ…山ちゃんの気になる女って…坂田典子のことかい?』

『まさか…あんなタレントに興味を持つほど俺は青くないつもりだせ。まっ…ゆくゆく話すよ。簡単には言えない…そんな女なんだ。』

『お前がそこまで言うのなら余程大切な人なんだろうな…。俺もコークの件で何か情報を掴んだら直ぐに連絡するよ。』

No.10 10/01/16 11:37
パズー ( ♂ oZDsnb )

『そうしてくれるとたすかるよ…』

『冗談抜きで俺はもう社に戻らなきゃならないけど無茶だけはするなよっ。お前が死んじまったら酒が不味くなるからなっ!』

『おぅ…またな…』

そういって石田と別れて、また当て所なく繁華街を歩いた…。

No.11 10/01/16 15:36
パズー ( ♂ oZDsnb )

この街の繁華街は真夜中1時を過ぎた辺りから表情がガラッと変わる…。

それ以前は学生と思われる若者と仕事を終えたサラリーマン、そして出張などで地方から出てきたサラリーマンを標的に呼び込みを掛ける奴らでごった返していたのに…

午前1時を過ぎると…
店を終えてタクシーを拾うホステスさんやホステスのヒモ達…そして裏の世界で幅を効かせる目つきの鋭い連中が一気に増える…。

しかも…最近は目つきの鋭い連中も様々な人種に分かれるようになってきている。

日本のヤクザ、チャイニーズマフィア、ロシアンマフィア、ペルー&チリなどの南米系のマフィアなどなど…だ。

マリファナや覚醒剤の売人は主にイラン人が請け負っている。

だから捕まるのはいつもイラン人の売人だ。

No.12 10/01/16 17:56
パズー ( ♂ oZDsnb )

その中でも…俺が最も関心があるのは、南米系の組織だ。

ペルー、チリ、コロンビアなどなど…

従来…日本にはコカインは馴染みが薄かった。南米原産のコカの葉から抽出されるために大量のコカインを一度に輸入するにはコストが掛かりすぎるのが理由だ。

だからコカインを楽しむ奴らは極一部の富裕層に限られていた。例えば角河書店のエラそうな社長のように…。

しかも…そのコカインさえ混ぜ物で薄められた粗悪品が殆どだった。

だがここへ来て…純度の高い良質のコカインが流通していると…街のゴロツキから情報を得ていたのだ。

恐らく…かなりの規模の組織が関与しているに違いない…

俺はそう考えている。

No.13 10/01/16 18:27
パズー ( ♂ oZDsnb )

歩道の街路樹にもたれ掛かり、ブルゾンのファスナーを少し開けて風を防ぎ…背中を丸めてポケットから取り出した煙草に火を付けた…。

オイルライターの匂いが鼻をつく…

煙草の先がぼんやりと赤く光り、紫色の煙が俺の肺を満たす…。

この街では、通り過ぎる人は皆…少し俯き加減に足元を見ながら歩く人がほとんどだ。まるで他人との接触を避けて歩いているように…

隣の部屋の住人が死んでも気付かない場合が多く、えづきそうな腐敗臭が漂い始めてから気づくというのがこの街の孤独死のパターンだ。

こんなにも多くの人が通り過ぎる街の中での孤独死…

それが現実のこの街の姿だった…。

No.14 10/01/16 18:48
パズー ( ♂ oZDsnb )

行き交う人並みをぼんやりと眺めながら…

俺はあの夜のことを思い出していた。

学生時代に同じ軽音楽サークルで一緒に頑張っていた1つ年下の佳奈のことを…。

あの夜…久し振りに佳奈から携帯に着信があったのだが、その日に限って取材中のために着信音を消していたのだ。

留守電には佳奈の泣きそうな声で『山内先輩…助けて…私を助け出して…』とだけメッセージが残っていた。

気付いて直ぐに佳奈に電話を掛けたが…電源が切られていて、連絡がつかなかった…。

アパートに駆け付けた時には…めまぐるしい程の消防車とパトカーがアパートの下に集まり、佳奈の部屋を中心に消火活動をしている最中だった。

No.15 10/01/17 10:09
パズー ( ♂ oZDsnb )

もくもくと黒煙が吹き出す窓を見て、俺は迷わず駆け出した…。

野次馬を現場から遠ざけるために警察官が数名立っていたが、その制止を振り切ってアパートへ近づいて行った。

突然後ろから数名の警察官に肩を捕まれて『やめろ!近づくな!』と怒鳴られた。

『佳奈が…佳奈が中にいるんだ!!』

両膝から力が抜けて俺はその場に座り込んだ…。

佳奈と思われる女性が救急車で病院へ運ばれたと聞かされ、俺は急いで病院へと向かった。

混雑する道路を車の間をすり抜けるよいに俺はバイクのアクセルを開いた…激しい抗議のクラクションを浴びたが全く気にならない…。

病院へ着き救急の受付で内容を伝えると…先程の患者さんは救急車での搬送中に息を引き取ったと…病院の医師から聞かされた…。

No.16 10/01/18 12:09
パズー ( ♂ oZDsnb )

呆然と立ちすくむ私を後ろから
『あの…先程搬送された方の身内の方ですか?』

そう聞かれて振り返ると、私服の警察官のようだ…

『いえ…身内ではないけど、彼女…大学時代の後輩で…直前に携帯の留守電に《助けて…》と入っていたので気になって来てみると…』

俺は肩が震え、それ以上の言葉が出なかった。

『助けて?』それだけですか?

次の言葉を聞き出そうと目が一瞬冷たく輝いたのを俺は見過ごさなかった…。

『司法解剖に回されると思いますからまた何か思い出されたら連絡を下さい。』

その男は自分の携帯の番号の書かれた紙を私に渡すと頭を下げて離れて行った…。

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