緊急避難
199x年7月18日
○○市N川河川敷にて、遺体発見。
被害者は長谷睦実(当時6)。
全裸にされた上、レジャーシートにくるまれていた。
死因は首を絞められた事による窒息死。
なお、被害者は死後、暴行を受けた痕跡有り。
※この作品はフィクションです。一部残酷な表現がありますので、不快な方は閲覧ご遠慮願います。
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田坂圭吾は県警捜査1課に配属されたばかりの巡査部長だ。
元々気が弱い所のあるこの青年が、なぜ警察官…しかも捜査1課に配属されたのか?
そもそも彼は、警察官になどなる気もなかった。
市役所に勤める両親のもと、大した苦労もせず成長したこの青年は、とかく平和を尊重し、安定を愛する性格になった。
彼が就職活動を始める頃、世間は平成大不況であり、学生達はこぞって公務員を志願した。
もちろん平和と安定を愛する彼も、公務員試験を受けたが…落ち、念のために受けた警察官採用試験のみ唯一合格した。
警察官の仕事は思っていたより事務仕事が多く、彼の性格には合っていたようだ。
彼は与えられた仕事をコツコツとこなし、昇級試験も合格。交番勤務から県警捜査1課へと栄転した。
身長187cmのガタイを買われた次第である。
さて、この『気は優しくて力持ち』を絵に書いたような田坂巡査部長だが…、今、心は上の空である。
原因は手元にある1通のハガキ…
【英高校3年5組 同窓会のお知らせ】
とある。
誰にだって学生時代には、甘酸っぱい思い出がある。
この田坂巡査部長とて同じく、淡い恋心を寄せる想い人がいた。
橋本希実…
クラスの男子に、何人もライバルがいる程のマドンナだった。
明日、その同窓会がある。
田坂は今日明日と、急な仕事が入らないよう祈るばかりだった。
翌日、田坂は無事に同窓会に出席した。
繁華街の細い路地を入った所にあるこのショットバーは、結婚式の二次会などにもよく使われる、洒落た造りだった。
お目当ての橋本希実は…
まだ来ていない。
全くの下戸である彼は、ノンアルコールカクテル(味はほぼジュースだ)なるものを注文し、ちびちびやっていた。
小一時間ほど経ち、みんなそろそろ酔いが回ってくる頃…
麗しのマドンナはやって来た。
一言で表すなら、清楚…と言うのがピッタリくるだろう。
希実は160cm程度あるが、全体に線が細いため、実際はもっと小さく見える。
鎖骨にかかるくらいの髪は当時と変わらぬ黒髪のまま、同じく黒目がちな瞳が印象的だ。
仕事先から直接来たのか、ベージュのジャケットにスカート…フリルのついたブラウスが、唯一華を添えている。
気合いを入れてめかしこんだ女性陣の中、希実は地味な恰好でありながら、どこか人を惹き付ける雰囲気をかもし出していた。
が、彼女に話しかける女性陣は、誰もいない。
男子から人気のあった希実は、控え目な性格もあって、女子から孤立していた。
その内、酔いの回った男友達が田坂に絡み出した。
「田坂は今何してんのー?」
「俺?公務員」
捜査1課に異動してから、田坂はなるべく自分の肩書きを周囲に伏せるようにしていた。
捜査1課の、いわゆる『刑事』だと知ると、妙な期待をかけられる事が多い。
巡査部長と言えば聞こえは良いが、実際は巡査から1階級上なだけだ。
巡査長というのもあるが、これは長年巡査を勤めた者が、呼び名を変えたようなものである。
「いいよな~公務員は安定してて。俺なんか派遣よ?何せ俺らは『ロスト・ジェネレーション』だからさ~」
「アレ?田坂って確か警察官になったんじゃなかったっけ?」
高校時代一番親しかった友人が、大声で言った。
『警察官』という言葉が響いた一瞬、場の空気が止まったが、すぐに元のざわめきが戻る。
「ンだよお巡りかよ~。最初っからそう言えよな~」
『派遣』君がより一層絡み出す。
空のグラスに無理矢理ビールを注ごうとし、田坂が慌てた時だった。
パリン!
グラスの割れる音がした。
田坂が振り返ると、部屋の隅で橋本希実がうずくまり、その足下でグラスが割れていた。
みんな口々に
「大丈夫?」
とは言うものの、彼女の肩に触れる者はいない。
「おい田坂ァ、お前お巡りさんだろ?助けてやれよ」
高校当時、田坂の気持ちを知っていた友人がニヤつきながら促した。
田坂は溜め息をつくと、希実の席へと向かった。
「橋本…さん?俺、田坂。大丈夫?」
言いながら軽く彼女の背中をたたいた時だった。
「…ッ!」
声にならない悲鳴を出し、彼女が田坂の手を振り払った。
田坂を見上げる希実の顔は青ざめ、異様に呼吸が荒い。
田坂は交番勤務時代、こんな症状の女子高生を助けた事がある。
…過呼吸だ。
「誰か紙袋持ってきて!」
田坂は友人に指示をした。
確かあの時、救急隊員が女子高生の口許に紙袋をあてていた。
店員が慌ててビニール袋を持ってくる。
「コレしかないんですけど…」
田坂がビニール袋を希実の口許にあてようとするが、彼女は首を横に振る。
「イヤ……警…察は…」
言い終わらない内に希実の身体が崩れ落ちた。
「…橋本さん?」
冷や汗で湿った彼女の頬を軽くたたいたが、反応がない。
「…救急車呼んで!」
田坂は店員に向かって言った。
救急車が店の前に止まり、救急隊員が店内に駆け込んできた。
「女子で誰か付き添い…」
恋人でもない男の自分が付き添うより、同性の方が希実も安心するだろう。
言いながら田坂は周りを見回したが、誰も進んで行きたがらない。
…橋本さんってそんなに嫌われてたか?
田坂は要らぬ心配をしたが、時間もない。ここは警察官である自分が付き添った方が良いと思い直し、救急車に乗り込んだ。
車内でサイレンを聞きながら、田坂は希実の顔を改めて見た。
約10年ぶりに会えたマドンナは、当時に比べてかなり痩せていた。
発作で強ばった華奢な手首には、大振りな男物の腕時計をつけている。
田坂はこんな状況だというのに、希実にちらつく男の影を見つけ、落ち込む自分に苦笑した。
3回目のチャイムの音に、近藤みさ恵はようやく気が付いた。
夫は最近とみに聞こえが悪くなった。
テレビのボリュームが大きすぎるので、他の音が聞こえにくい。
みさ恵はコタツに夕飯を並べる手を止めると、膝を庇いながら立ち、玄関のドアを開けた。
「お食事時にすいません。こちらが管理人さんだとお聞きしたので…」
30そこそこのスーツを着た男性と、50代の女性が立っていた。
「…どういった御用で?」
早く食事を出さないと、短気な夫が怒り出す。
みさ恵は見た事のない二人連れに警戒しながら言った。
「私はこういった者です」
スーツの男が名刺を差し出した。
ダイニングテーブルにあった老眼鏡をかけて見ると、
【(有)丸福給食サービス 製造1課 仲西佑樹】
とある。
「…こちらの205号室の久地さんはウチのパート社員で…昨日今日と無断欠勤なんです」
連絡も付かないので様子を見に来たが、新聞もたまっているしドアも開かない。
真面目な人なので今までこんな事はなかった、鍵を貸して欲しい…という内容だった。
みさ恵は夫の分の料理をコタツに出し、先に食べるよう言って、二人を205号室へと案内した。
…蝉の声が聞こえる…
まとわりつくような熱気と湿度。
「お姉ちゃぁん…」
「お姉ちゃん、どこ?」
大丈夫、睦実はすぐに私に着いてくる。
だからちょっとだけ。
ちょっと隠れて、脅かすだけ。
いつも睦実ばっかり可愛がられて。
これぐらいの意地悪、構わないじゃない。
…そう、もうちょっと隠れてよう…
耳元でけたたましく鳴る着信音に、希実は目を覚ました。
目の前に広がる白い天井と、消毒の匂い。
「処置室での携帯はご遠慮願います」
「あ、すいません。ちょっと出て来ます…」
誰かの声が聞こえる。
「あら橋本さん、気が付かれましたか?」
若い看護師が、希実の顔を覗き込んだ。
「あの…」
「安心して下さいね。ここは病院です。倒れられたの、覚えてますか?」
言いながらテキパキと看護師は彼女の血圧を測る。どうやら左腕には点滴の針が刺さっているらしい。
「こんな風に倒れたのは初めてですか?」
「いえ…」
「疲れが溜まってるんですね…。後で先生の診察がありますから、点滴が終わったら呼んで下さい」
ニッコリ微笑むと、看護師は別の患者のベッドへ行った。
…嫌な夢を見た…
希実がしばらく天井と点滴の袋を眺めていると、のそり、と視界に田坂が入ってきた。
「あ…起こしちゃったかな。仕事の電話で…。橋本さん、気分はどう?」
上背のある田坂が、小さく腰を屈めながら聞いた。
「あの…」
「俺仕事に戻るから、ゆっくり寝てなよ。疲れてるんでしょうって、さっき看護師さんが」
側のパイプ椅子にかけてあったスーツに、袖を通しながら言った。
「あの、私…」
希実が慌てた様子で身体を起こそうとする。
「寝てなって。じゃあ俺、急ぐから」
ぎこちなく希実に手を振ると、田坂は病院を後にした。
荻原警部補は、2つ目のキシリトールガムを口に入れ、深呼吸をした。
少しでも綺麗な空気を肺に入れたい。
部屋にこもった血の匂いが、服や髪にまでまとわりついているような気がする。
「…ッ!」
物凄い勢いで、現場のドアが開いたと思うと、田坂が口許を押さえて飛び出して来た。
「吐くならあっちに行けよ」
田坂は無言で頷き、よろめきながらアパートの階段を降りていく。
アイツ…殺人現場は初めてか。
荻原警部補は小さく苦笑いすると、新入りがゴミ捨て場でしゃがみこむのを眺めた。
久地八栄子(58)は、自宅アパートの一室で、他殺体となり見付かった。
発見したのはアパートの管理人・近藤みさ恵(67)と、八栄子の勤め先の社員・仲西佑樹(32)、パート仲間・酒井美晴(54)の3名。
八栄子は死後3日経っており、首を絞められた後、刃渡り20cm程度の刃物で全身を数十ヶ所刺されていた。
現場の様子から、八栄子は就寝中に襲われ死亡。遺体の上から掛布団をかけられていた。
なお、同居していたはずの八栄子の長男が行方不明。
長男は何らかの事情を知っていると思われる。
捜査報告をざっとまとめると、田坂は溜め息をついた。
初めての殺人現場は、予想以上に凄惨なものだった。
交番勤務でも傷害事件や交通事故に出くわした事は何回もあった。
けれども、今回の現場は…
人間のおぞましい感情を全て詰め込んだパンドラの箱を開けてしまった…
というのが、わかりやすい表現だろうか。
「しばらく焼肉は食えんな」
デスクに突っ伏した田坂の頭を、書類ではたいて荻原は茶化した。
「勘弁して下さいオギさん、もう2回吐いたんですから」
現場で1回、写真を見てもう1回。
田坂がこの仕事に慣れるには、まだまだ修行が要りそうだ。
「まぁ…今回のは俺でもキツかったがな」
荻原が伸びをしながら言う。
首を絞め、さらに数十ヶ所も刃物で刺す…
かなりの怨恨が絡んでいそうだ。
被害者の首は皮一枚で繋がっている状態で、敷布団には大量の血糊。
うっかり田坂が踏んだところ、ジワッと血が染み出したぐらいだった。(それで田坂が吐いた訳だが)
「この長男てのがクサイな」
荻原がボールペンで、書類をつつく。
久地信弘(37)。
高校中退後、職を転々としている。現在は無職。
アパートの管理人・近藤みさ恵が言うには、最近は出歩く事もなく、引きこもり気味だったようだ。
それを示すかのように、2DKのアパートの一室は、信弘の趣味であろう漫画本・雑誌・パソコン・アニメやアダルトのDVD・ゲーム機等々…あらゆる物で埋め尽くされていた。
窓には段ボールとゴミ袋で目隠しがしてあり、ベランダには簾が掛けてあった。
和室のフスマには、所々何かをぶつけたような穴が開いていた。
「…コイツは叩けばホコリが出るだろうな…」
荻原は味のなくなったガムを吐き出すと、田坂が淹れたコーヒーに、ダイエットシュガーを2本入れて口にした。
「オギさん、いくらダイエットシュガーでも、そんなに入れたら意味ないんじゃないですか」
「コレでもミルク無しで我慢してんだ。…全く、血糖値と一緒に血圧まで上がりそうな事件だよ」
田坂は砂糖とミルク入りのコーヒーを隠すように飲みながら、捜査1課の窓に朝日が射すのを見た。
それは丁度、荻原のやや寂しげな後頭部を明るく照らし…
…無性に拝みたくなって、田坂は小さく手を合わせた。
「?何だ?」
「『いただきます』を忘れてたんですよ」
アクビをする振りをして、田坂は笑いを噛み殺した。
「アクビしてる間はねぇぞ。捜査会議だ」
部屋のカーテンを開けると、希実はコーヒーを淹れる湯を沸かし始めた。
希実の気分とは裏腹に、朝日が目映くフローリングに降り注ぐ。
結局昨日は一睡も出来なかった。
…私は何を言ったんだろう?
睦実の夢を見る度に譫言を言っている、と、母にも、かつての恋人にも言われていた。
田坂は警察官だ。
何か要らない事を口走ったかも知れないと思うと、眠剤を飲んでも、意識は逆に冴えた。
今はうって変わって、泥のように頭が重い。
湯を沸かした小鍋が煮立ち、インスタントコーヒーの香りがキッチンに漂う。
希実は食欲のない胃袋にコーヒーを流し込むと、傷跡の残る左手首に、男物の腕時計を着けた。
天気予報を見ようとテレビをつけると、昨晩起きたという殺人事件のニュースが流れた。
…また、苦しむ人が増えるんだ…
それでも最近は、こういったニュースも冷静に聞けるようになってきた。
睦実の事件からしばらくは、テレビニュースどころか新聞も雑誌も、全てのマスコミが敵のように思えた。
一歩家から出れば、全ての視線が自分に刺さっているような気がした。
囁き声が聞こえると、全て自分の噂話のように聞こえた。
少しずつそういった症状が減り、薬の量が減ると、自分が睦実を忘れていくようで、それが悲しく、また腹立たしくもあった。
希実は溜め息を付きながらチャンネルを変えようとした。
が、画面に見覚えのある顔がチラッと映り、リモコンを押す指が止まった。
…田坂だ。
警察官だとは聞いていたが、まさか刑事だったとは。
希実の不安が膨れ上がり、胸が苦しくなる。
希実は安定剤を1錠飲み込むと、勤め先に電話をかけた。
10回目のコールが鳴り、留守番電話に切り替わる直前で、伯母の声が聞こえる。
「…伯母さん?希実です」
「のんちゃん?どうしたの、具合悪い?」
「…はい…」
母方の伯母夫婦が経営する、小さな印刷会社が希実の勤め先だ。
睦実の事件以来、めっきり精神的に弱った希実を心配して、彼女が短大を卒業すると、伯母夫婦が就職を世話してくれた。
お陰でコントロールが効かない身体でも、希実は何とか社会生活を送れている。
希実は伯母から休みの許可をもらうと、クリニックに予約の電話を入れた。
クリニックには明日行く予定だったが、この状態では伯母夫婦に迷惑をかけてしまう。
診察の予約を今日にずらしてもらうと、希実はやっと安定剤が効いてきたような気がした。
駅前通りを一筋入った所に、そのクリニックはある。
『クリニック』とは言うものの、外観は 『診療所』といった雰囲気だ(つまり古い)。
希実は通い慣れたこの建物に入ると、いつものように雑誌を眺め、名前を呼ばれるのを待った。
「橋本さん、どうぞ」
初老の医師がドアを開け、自ら希実を呼んだ。
「…今日はどんな感じかな?」
通い始めた頃希実はまだ中学生だったため、医師は孫に話しかけるような口調である。
「…眠れなくて…」
「うん」
「同じ事が、頭の中でずっとグルグル回ってるんです」
「うんうん」
おっとりとした相槌が、この松田医師の特長だ。
患者は近所のお爺さんに話を聞いてもらっているような感覚になる。
希実がひとしきり話すと、松田医師はずり落ちた老眼鏡を掛け直して言った。
「希実さんが気にする程、その刑事さんは気にしていないかもしれないよ?」
「それは…」
希実は言葉に詰まった。
「それでも、そんなに気になるのは、希実さんが妹さんに、必要以上の罪悪感を感じているからじゃないですか?」
「希実さんはあの事件の時、まだ10歳の子供だったんですよ?誰もあなたを責めたりなんてしません」
ゆっくりと、諭すように松田医師は言う。
「はい…」
そう答えながらも、希実の胸の中は、不安が渦巻いていく。
…本当に…?
本当に、私は何も悪くなかったの…?
本当に、睦実を助けられなくても、仕方なかったの…?
「もし事件に関する事を言っていたとしても…刑事さんには守秘義務があるからね。安心していいと思いますよ」
仙人のような松田医師の笑顔に、希実の気持ちは少し落ち着いた。
しかし、クリニックを出る頃には新しい疑念が頭に浮かんだ。
…自分は何故、ここまで睦実の事件に負い目を感じているんだろう?
間の抜けたメールの着信音が鳴り、捜査員達が一斉に田坂を振り向いた。
「バカ!会議中は電源切れ!」
隣の荻原に小声でどやされ、田坂は焦って携帯の電源を切る。
「3分クッキングはないだろ」
会議室のどこかから小さなツッコミが入ると、若い捜査員達は下を向いて笑いを堪えた。
それと同時に、所轄のベテラン勢から冷やかな視線が田坂に注がれた。
県警のキャリアが咳払いをし、会議は進められる。
「…とりあえず長男の捜索と、被害者の交遊関係を洗ってほしい。それと現場の家宅捜査。
…それから萩原警部補」
「オギハラです」
ムッとしながら荻原が答えた。
「新人教育がなってないな。ベテラン警部補も落ちたモンだ」
田坂は荻原の歯ぎしりが聞こえたような気がした。
「痛ッ!」
捜査会議が終わると、田坂より先に立ち上がった荻原が、田坂の頭にゲンコツを落とした。
「…コレで勘弁してやる」
「すいません…」
手は荒いが、後に引きずらない荻原を田坂は尊敬していた。
「全く、背の高いヤツは…座ってる時しか届かん」
丸めた書類で肩を叩きながら一人ごちて、荻原は会議室から出ていった。
田坂は携帯を取り出すと、周りを伺いながらデスクの下でメールを開いた。
【お兄ちゃん、朝のニュースに 映ってたよ!
今日はあっくんが出張だから 花音と実家に泊まります☆】
妹の由佳里から、絵文字満載のメールだった。
力が抜けた田坂は、パイプ椅子にへたりこみ、全身の空気を吐き出した。
夕方、独身寮へ着替えを取りに戻るついでに、田坂は実家へ顔を出した。
「あっ!ケイゴくんだ!」
実家のドアを開けるなり、姪の花音が飛びついて来た。
「お兄ちゃん、お帰り~」
花音の後ろから、由佳里が大きなお腹を抱えて出迎える。
「でっかくなったなぁ。何ヶ月だっけ?」
「8ヶ月入ったとこ。出産祝い、ヨロシクね?」
「ね?」
最後の「ね?」は花音の台詞だ。
義弟は営業職で出張が多く、2人目を妊娠中の妹は、何かにつけ実家に帰ってくる。
「圭吾、オカズ詰めてあるから、持って帰りなさい」
台所から母が顔を出す。
「いいよ。また腐らせるだけだから」
ずっしりと重くなった花音を肩車しながら田坂は言った。
「またそんな事言って。捜査1課の刑事さんが、毎日カップ麺でお役に立つ訳がないでしょう」
「お兄ちゃんも早くお嫁さんもらわなきゃ~」
「花音、ケイゴくんのお嫁さんになる!」
「うさぎ組の修くんは?」
「ケイゴくんがいいの!」…
田坂家は女性陣がパワフルだ。
「あっ!またケイゴくんだっ」
田坂の頭上で身体をひねり、花音がテレビを指差した。
「えっ?」
田坂が振り向くと、既に画面はスタジオへと切り替わり、アナウンサーとコメンテーターが難しい顔をしている。
「もぉ、ケイゴくんはトロいなぁ」
言いながらポカポカと田坂の頭を花音が叩く。
「大丈夫よお兄ちゃん、ばっちりコレに録ってあるから。寮にビデオしかないんでしょ?」
由佳里がビデオテープをプレーヤーから取り出し、
「そうだ。深夜のニュースでDVDにも録らなきゃ」
ブツブツ小声で言いながらリモコンをいじっている。
…コイツ、殺人事件のニュースだってわかってんのか?…
受け取ったビデオテープを見つめながら、田坂は妹のたくましさを、ある意味羨ましく思った。
翌日。
田坂はマスクを着けて現場に入った。
つわり経験者の由佳里に、吐き気予防だと薦められたからだ。
そうとは知らない荻原、
「風邪か?うつすなよ」
と無愛想にガムを噛みながら言った。
遺体は既に検死にまわされており、白いラインが人の形をぐるりと囲っている。
田坂がうっかり踏んだ敷布団も今はなく、ただ畳に染みた血痕が、事件の凄惨さを物語っていた。
相変わらずえもいわれぬ異臭が部屋にこもっていたが、マスクのお陰か、田坂は吐き気を堪えられた。
現場検証の結果、風呂場からルミノール反応が出た。
また、被害者の長男・信弘の衣類が脱ぎ捨ててあり、これに大量の血痕が付いていた。
捜査本部は、ほぼ信弘の犯行と断定し、彼が母親を殺害後、返り血を風呂場で洗い流したものと推測した。
現場を見る限り、場当たり的な犯行である。物証も多い。
久地信弘を確保すれば、後は自白に持ち込むのも容易だろう。
殺人事件の捜査に初めて関わる田坂の目にも、捜査員達に心持ち、余裕があるように見えた。
「……」
田坂は信弘の使っていた部屋に入ると、改めてその異様さに辟易した。
目隠しをされた窓から日が射す事はもちろんなく、鬱蒼とした森のように、狭い部屋全体が湿り気を帯びているような気がした。
田坂はうず高く積まれた雑誌を一つ手に取ってページをめくった。
かなり過激な成人向け雑誌。
「おい田坂、なにエロ本読んでんだ」
目ざとい荻原に見付かり、田坂は慌てて雑誌を戻した。
と、積まれていた雑誌のバランスが崩れ、『塔』が大きな音を立てて倒れた。
「…?」
「何やってんだ田坂ァ、しっかりしろよ」
背中で荻原の小言を聞きながら、田坂は崩れた雑誌の山の下に、この部屋に不似合いな物を見つけた。
鉛筆だ。
それもかなり古びて、木の部分が焦げ茶色に枯れている。
ホコリで汚れてはいるが、ピンク地にウサギのキャラクターが描いてあり、一目で女児向けの商品だとわかる。
田坂は手袋をした指でそれをつまみ上げホコリを拭った。
『はせ むつみ』
入学祝の品だったのだろう、そこには平仮名で名前が刻印されていた。
「…何してんだ?」
荻原が、しゃがんだ田坂の肩越しに覗き込んで言った。
「…オギさん、久地信弘は一人息子でしたよね?」
「ああ。確か小学生の時に母親が離婚して、母一人子一人のはずだ」
「じゃあコレは拾ったんですかね」
田坂は鉛筆を荻原に手渡した。
「はせ のぞ…」
その名前を読み終わる前に、荻原の顔色が一変した。
「…オギさん?」
口を開けたまま固まっている荻原の肩に、田坂が軽く手をかけた。
…荻原が震えている。
「オギさん?」
荻原のただならぬ様子に、他の捜査員達も手を止めた。
「…田坂…」
荻原の口から、掠れた声がこぼれる。
「…コイツは、ただの母親殺しじゃなくなってきたぞ…」
―○○市女児殺害事件―
199×年7月18日。
○○市N川河川敷で、女児の遺体が発見された。
被害者は長谷睦実(当時6)。
全裸にされ、レジャーシートにくるまれた状態で発見された。
司法解剖の結果、死因は首を手で圧迫された事による窒息死。
さらに死亡後、暴行を受けた痕跡があった。
唯一犯人を目撃したと思われる被害者の姉・希実(当時10)は精神的ショックが大きく、事件の記憶を失っていた。
捜査本部は情報提供を呼びかけたが有力な情報はなく、2006年7月に容疑者不明のまま、事件は控訴時効を迎える。―
…あの女のせいだ。
全部、あの女のせいだ。
せっかく時効を過ぎたのに。
オレはいつも、あの女の口で光る、銀歯にイラついていた。
あの女が何か喋る度に、チカチカ光って、オレの神経を逆撫でする。
「この不景気に仕事辞めて、一体どうするの」
チカチカ、チカチカ
「女手一つで育てたのに」
チカチカ、チカチカ
「お願いだから、働いてちょうだい」
チカチカチカチカ、チカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ
頭に来たから、首を絞めてやったよ。
車にひかれたカエルみたいな声だして、ヨダレで銀歯が余計に光りやがる。
包丁で刺したら、血が口から吹き出して、やっと銀歯が見えなくなった。
…なんだ。
もっと早く、こうすれば良かった。
だけどオレの服も顔も手も、あの女の血でドロドロになった。
あの女の股ぐらから出てたのと、同じ匂いがする。
臭ぇ。
オレは風呂場で血を流した。
シャワーを出したら、鉄の匂いが湯気になって鼻に入ったから、オレは慌てて水に切り替えた。
冷たかったけど、お陰で頭もスッキリ冴えた。
さてと、持ち物は…
金と、着替えと…
大事な、戦利品。
あの娘の匂いが染み込んだ、給食袋や靴。ランドセルもかさ張るけど、持って行こう。
ずっとずっと、一緒だよ…
ランドセルのせいで鞄はパンパンに膨れたが、そんな事オレは気にしない。
この御時世だ。
オレくらいの歳のホームレスだってザラにいるし、何たってオレには『前科』がない。
ネットカフェやら適当にうろついてたって、警察はそう簡単にオレを見つけられないだろう。
ただ、だ。
『あの娘』の時と違って今回は、あの部屋を見ればどんな警察(バカ)だって、オレを疑うだろう。
どう足掻いても、最終的にオレは負けるんだろうな。
肩に食い込むスポーツバッグを足下に置いたオレは、店頭に並ぶプラズマテレビの画面に照らされた。
顔写真こそまだ出ていないが、オレの事件はもうニュースに流れている。
時間がない。
オレはもう一人の『あの娘』を思い出した。
『あの娘』ならきっと、綺麗なまま大人になってるんじゃないか?
…逢いたいな。
…オネェチャン…
睦実の声が聞こえた気がして、希実はパソコンのキィを打つ手を止めた。
午後の事務所は営業が出払い、伯母と彼女だけが残り、閑散としている。
「のんちゃん?どうかした?」
伯母は希実と二人の時だけ、彼女を幼い頃の愛称で呼ぶ。
「…最近、睦実の声が聞こえるような気がして」
希実はピアスもイヤリングも着けていない耳たぶを触りながら答える。
元々器量の良い姪だ。もっと年頃の女性らしく、華やかにしても良いだろう、と伯母は思う。
しかし、だ。
睦実の事があってから、希実は笑ったり、お洒落をしたりという事が減ってしまった。
まるで、妹を亡くした姉は、この先人生を楽しんではいけないと言うように。
「…のんちゃん…」
自分達夫婦に子供ができないとわかってから、伯母は2人の姪を、実の娘達のように慈しんだ。
睦実の事件は、彼女を愛する全ての者の心を殺した。
事件当初。
妹家族は目も当てられない程の憔悴ぶりで、特に犯人を目撃した希実は、記憶障害を起こしていた。
彼女を支えるために妹は弱った精神に鞭打ったが、仕事に没頭する義弟とすれ違い、結局2人は離婚した。
今思えば、義弟は仕事に打ち込む事で、心の傷から逃げようとしていたのだろう。
妹を亡くし、父を無くした希実は当時、まだ中学に上がったばかりだった。
事件が時効を迎え、やり場のない怒りと哀しみだけが、自分達にしこりとなって残っていた。
事務所の壁に貼ってあるカレンダーを見ながら伯母は言った。
「…そういえばもうすぐ月命日ね」
「それで睦実が呼んでるのかな…最近お墓参りサボってたし」
時効を過ぎてから、希実は妹の墓参りを避けがちになっていた。
…だって、何を報告すればいいの?
「犯人が捕まった」とも、
「裁判で懲役が決まった」とも、
妹の無念を晴らしてやれるような言葉はもう、かけられない。
世間であれだけ騒がれた事件であっても人々の記憶は風化し、やがて睦実の存在は、この世から消えてしまうのだ。
会わせる顔がない。
希実はそう思っていた。
「むっちゃん寂しがってるのかもね。会いに行くだけでもきっと喜ぶわよ?」
寂しげに微笑む伯母の目尻には、過ぎてしまった年月が刻まれていた。
翌日。
月命日には少し早いが仕事が休みだったので、希実は長谷家の菩提寺へと向かった。
駅前の花屋で、幼いままの睦実が喜びそうな、淡いピンクのコスモスを買い、コンビニでオレンジジュースを買った。
秋が深まった寺の境内は、黄金色に染まった銀杏の葉が一面に敷き詰められており、
「いくら掃除しても間に合わんのです」
と、年老いた住職が笑う。
本堂の裏手に廻ると、手入れの行き届いた墓地があった。
寺自体は歴史あるもので、中にはかなり年季の入った墓石や卒塔婆も立っている。
普通なら薄気味悪く感じるのだろう。
だが柔らかな日差しに照らされたそこには、先祖を悼む人々の温かさが漂っていた。
寺に着くまで沈みがちだった希実の気持ちも、その光景にいくらか和らいだ。
希実は掃除道具を借りるとバケツに水を汲み、睦実が眠る長谷家の墓へと向かった。
石畳が敷かれた細い道を進み、目印の大きな墓石を右に曲がる。
…と、希実の目に鮮やかな色彩が飛び込んで来た。
先に来た父か母が供えたのだろうか?
濃い黄色の菊と、紫に咲くリンドウの花が、少し毒々しいくらいのコントラストを描いていた。
不思議な事に、墓石には掃除した跡がなく、生き生きとした花束と対称的に、水はかなり汚れたままだった。
不審に思った希実だったが、きっと両親のどちらかが、慌てて参りに来たのだろうと思い直した。
丁寧に掃き掃除をし、墓石を拭く。
古くなった線香を捨て、コスモスの花束とジュースを供えると、希実は目を閉じてそっと手を合わせた。
…睦実、しばらく来れなくてごめんね。寂しかった?
ふと、背中に視線を感じて希実は振り返った。
墓石の影を誰かが通ったような気がする。
…オネェチャン…
妹の声と一緒に、玉砂利を踏む音がして、希実は胸騒ぎを覚えた。
「お姉ちゃんだね…」
今度は幻聴などではない。
高めではあるが、大人の男性の声だ。次第に足音も近付いてくる。
希実の心臓が早鐘を打つ。
「…誰!?」
ありったけの勇気を振り絞って、希実は声の主に言った。
「嫌だなぁ…忘れちゃったの?オレはちゃんと覚えてる。ずっと遠くから見てたしね」
「……」
「最近は見に行けなかったけど…やっぱり、綺麗なまま大きくなったね」
希実の頭がフル回転で、様々な記憶を呼び起こす。
少し高めの、神経質な声。
いつ聞いた!?どこで聞いた!?誰の声!?最近聞いた!?もっと昔!?子供の頃!?いつ!?いつ!?どこでどこで!?睦実は生きてた!?
そう睦実が…
殺された時だ。
「…ッ!」
希実の抑えられた記憶が、頭をもたげようとする。
蝉の声まとわりつく熱気草の匂い汗で貼り付いた服妹の声揺れるランドセルそして…
目の前に、月日を重ねたあの男の顔が現れた。
「来ないで…」
希実の息は上がり、冷や汗が背中をつたう。
本能は「逃げろ!」とシグナルを送っているのに、身体が言う事を聞かない。
「どうして?オレはずっと君を見守って来たんだ」
「…人を呼ぶわよ」
「構わない。そうしたらまた、逢いに行くからね」
男は希実の肩に手をかける。
「オレには時間がないんだ」
「―――!」
何ともつかない悲鳴が喉の奥から出た。
逃げろ!逃げろ!逃げろ!!
希実は夢中で男の手を振りほどき、細く入りくんだ墓地の隙間を走った。
背中から男の声が聞こえるが、何を言っているのかわからない。
「あっ…!」
わずかに浮いた石畳の縁にパンプスが引っ掛かり、希実は派手につまづいた。
男の影が希実に覆い被さる。
「…何で逃げんだよ…。やっと…やっと、逢えたのに…」
最後に希実が見たのは、何かを持った男の腕が、自分に向かって振り下ろされる瞬間。
鈍い音と痛みが走って、希実の意識は遠のいた。
捜査本部は、事件の新たな展開に、驚天動地の騒ぎとなっていた。
今回起きた殺人事件の容疑者が、よりにもよって、3年前に時効を迎えた幼女殺害事件の容疑者だったのだ。
家宅捜索の結果、信弘が使っていた部屋の押し入れから、幼女殺害事件の被害者・長谷睦実の物と思われる、筆箱が出てきた。
信弘は余程慌てていたようだ。
筆箱は押し入れの床に落ちてフタが開いたまま、消しゴムや定規が散らばって、引き戸に挟まっていた。
それらの証拠品には、睦実と信弘以外の指紋が付着していなかった。
早速、長谷睦実の遺族に連絡を取り、事件後離婚したという両親に遺品の確認を依頼した。
睦実には姉・希実がいたはずだったが、連絡がつかないとの事で、両親のみの確認となった。
「……」
筆箱を見た両親は初め、一言も発せずにただただ、震える手で遺品に触れた。
ひとつひとつ、丁寧に手に取っては、食い入るように見詰めている。
田坂が見つけた鉛筆に刻印された娘の名を、ビニールの上から指でなぞり、初めて母親の目から涙が溢れた。
声もなく膝から崩れ落ち、元夫に肩を支えられ、テーブルにやっと手をついた。
「間違い…ありません…これは…入学祝に、私の姉が…あの子に……」
最後は嗚咽となり、ハッキリと聞き取れない状態だった。
両親に付き添っていた荻原はそっと部屋を出ると、ドアに背をもたせかけ、無機質な天井を仰ぎながら目頭を押さえた。
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