オーバーオールに麦わら帽子の彼達
テンガロンハット………いやいや某ホームセンターで98円の麦わら帽子。オーバーオールを着た独身三人の男達(26歳・44歳・48歳)
対する三人の女性達(28歳・30歳・36歳)。
いつもながらの恋愛とちょっぴりエッチな小説です。
他にも男の人が出てきます。
新しいレスの受付は終了しました
- 投稿制限
- スレ作成ユーザーのみ投稿可
【自己紹介】
26歳…笹岡ひさなり
44歳…中田ひでゆき
48歳…相田ひでまさ
28歳…福井みき
30歳…福井ちほ
36歳…貞行あみ
その他、陽気なおじちゃん達。おばちゃん一人と41歳主婦の小林わこ
【ようこそ観光農園へ】
4月1日。福井みきは農業体験型観光農園スタッフとして60歳の池野さんと二人入社した。
二歳上の福井ちほとは母方の従姉妹同士。
「みきちゃんまっとったよ。」
「ちほちゃん宜しくね」
二人は会うのも数年ぶりだった。
最年長65歳の松井せつ子が「同じ苗字やし…ちほちゃん・みきちゃんでえぇなぁ」とみんなに紹介した。
男性陣達は戸惑う。
「福井さんゆうてたのが今日からちゃん付けかぁ」
「んなもん。私が恥ずかしいわぁ」とちほが照れる。
「皆さん宜しくお願いします」みきが挨拶をした。
実はこの観光農園はお客様を迎えるのは今年初めて。みきが任されたのはリースやトールペイントを作る工房。間ではブルーベリーの世話。週に数日しかこない小林わこがしどうしてくれる。
「小林さん…」
「わこでいいよ」
「じゃ~皆さんと同じでわこちゃん って呼びますね。」
「みきちゃんはやった事がある?」
「趣味でリース作ってる」「トールペイントは?」
「………覚えま~す」
“これより朝礼を始めます”
突然放送が聞こえてきた。
「みきちゃん行こう」
「はい」
「皆さんおはようございます」
園長の太田が挨拶をする。「今日から新しいメンバーが増えました。池野さんと福井みきさんです。」
「初めまして池野です。主に栽培をします」
「初めまして福井みきです。わこさんの下で森の工房とブルーベリーの管理をします 宜しくお願いします。」
喜んだのはチーフの中田だった。
「みんなで仲良くオープンさせましょう。」
「わこちゃん、みきちゃんと材料の打ち合わせをしてね」
「はい」
「さぁ、行きましょう」
「えっ?」
「かご持って」
「はい」
二人は園内にある木の実を拾いに出かけた。
「みきちゃん、リース作りを任せるね」
「はい」喜ぶみき。
“わこちゃん事務所まで”
「行ってくるね」
「はい」
みきは一人で拾ってた。
そこに苺ハウス担当の笹岡とちほが来た。
「みきちゃん私は事務だから滅多に会えないけど、用事がある時は内線してね」「えっ…ちほちゃんと会えんの?」心細いみき。
「私のかわりに彼に相談役になってもらうから(笑) ねぇ笹岡さん」
「ちほちゃんの頼みなら」ちほを見つめる笹岡。
みきは二人は恋人だと思った。
「じゃあ、笹岡さんに手伝ってもらって」
「はい………って…えっ??」
【会話に困るみき】
無言のままの二人。
「みきちゃん」
「はい?」突然呼ばれてビックリするみき。
「ちほちゃんと似てないな」
「…何ですか?」
「ちほちゃんは4コ上だけど時々ドキッとさせられる魅力を持ってるよ」
「………」
「みきちゃんは…」
「はい」
「活発そうだね。」
「ちほちゃんは三姉妹の長女だし、私は上下男だから活発かもな」
そう、小さい頃からちほちゃん姉妹は女の子らしいのに対して、みきは兄弟に挟まれているから活発だった。
「僕…人を見る目が鋭いんだ」
「???」
「初対面だけどわかった。」
みきは 変な人 と思った。
「ちほちゃんから聞いた?」
「何を?」
「私らの母は双子なんよ」「へぇ~」
「うちの親父も双子なんだなぁ~」
「ほんま~」
「うそ」
「………」会話に困るみき。でも笹岡…この男がみきの生涯のパートナーになるとはまだ思ってもない事。
「お母さんは双子って似とる?」
「うん。一卵性だからそっくりよ。」
「何で色々聞いてくるん?」
「別に~」
本気でムカつく奴だとみきは思った。
そこにわこちゃんが帰って来た。
「あら手伝ってくれとん?」
「わこちゃんどこいっとったん」
「中田さんとこ」
わこちゃんに甘える笹岡。そんな笹岡を見てますますムカついてきたみき。
長~い初日が終わった。
【歓迎会で】
「池野さんとみきちゃん。急だけどこれからあいとる?」太田が話し掛けてきた。
「空いてますけど」返事をする二人。
「歓迎会したいんだ」
「ありがとうございます。」喜ぶみき。
「会場は………ここでバーベキュー…どう?」
「いいですね~」
「買い出し行って来ます」相田が貞行と近くのスーパーに。
「みきちゃん、仕事どう?」
「あっ、ちほちゃん」
「みきちゃん飲む?」
「ううん、飲まんよ。一人暮らしだからかえらんといけんから」
「みきちゃん私は飲むから送って……いい?」
「いいよ(笑)」
楽しむみんな。
「みきちゃん彼氏いるの?」ちほが聞いてきた。
「別れたんだな~。ちほちゃんは?」
「一応いるよ。でもね、結婚までは……」
「何かある?」
「彼な‥リストラにあって無職なんよ……それより……笹岡君て可愛いと思わん?」突然に聞かれて
「私は年下には興味なし」
それを聞いた中田が……
「よっしゃ~、みきちゃんは俺がもらう」
「お前の物かよ」相田が突っ込む
「みきちゃん、マジで付き合って」酔っ払った中田。
「あたし帰るわ」貞行が言った。
「もう?」相田が聞く。
「息子とじいじが待ってるからね~」
実は貞行は×1だった。
「送ってやる。飲んでないから」
実は相田と貞行は付き合っていると噂が……。
「みきちゃん、タイプは?」しつこく聞いてくる中田に困るみき。
「は~い。お開き……明日は休みだからみんなゆっくり休んでね」
「はい」「は~い」
「ちほちゃん…彼がきとるで」
「みきちゃん、ごめん。迎えが来たわ」同棲中の彼が迎えにきた。
「また明後日ね~」
ちほは彼氏と帰って行った。
「みきちゃ~ん」
完全に酔い潰れた中田。
「みきちゃんいいよ。事務所に泊まるから。コタツで寝るわ」太田が中田を連れて行った。
「わしらも泊まるわ~」池野も他のおっちゃん達も事務所に……
残ったのはみきと笹岡。
【プライベート】
相田と貞行……
「いつもの所でいい?」
「うん。…私酔ってないよ」
「フリだよな」
「だって……福井(ちほ)さんの従姉妹でしょ。歓迎会なんてつまんないわぁ」
「みきさんには関係ないだろ?」
そう、貞行より後に入ったちほが事務をするのが気に入らない貞行。おまけにドキッとするような魅力……甘え上手に見えるちほに嫉妬するのである。
「着いたよ」
「うん」
手を繋いで入る二人…そう、そこはHOTEL。二人はそういう仲になっていた。
「なぁ、俺達再婚せんか?」
相田も×1である。
「今はやだなぁ」
「こういう友達か?」
「お互いね(笑)」
実は相田はこんな関係を辞めたいと思っている。………そして、ちほに少しだけ気持ちが傾いてきている。
ちほは絶対に仲間の悪口は言わない。辛くても笑顔を絶やさない女である。それに比べて貞行は……これと決めたら人の意見は聞かない女。二人は対照的なのだ。
「何か…マンネリ化…やだなぁ」
「距離をおこうか?」
「いいよ」本当に貞行は自分勝手。
「ねぇ、笹岡君は彼女居ない歴6年だし…誘惑しちゃおっかなぁ~?」
「若いのがいいんか? 生意気な奴だな」
そう言って相田はキスで唇をふさいだ。
ちほと彼
「仕事決まった?」
「だめだ…」
「ねぇ、私家に戻るよ」
「何で?」
「親が心配してるから…」「ダメだ」
ちほに抱きつく彼氏
「辞めて…疲れているから」
「中田さん…」小声で呟く。彼には聞こえてない。彼を受け入れても感情がない。彼はちほを抱く事で心を繋ぎ止めている。
みきと笹岡
「みきちゃん苺ハウスにくる?」
「真っ暗でしょ?」
「電気ついてるよ」
「じゃ~いく。」
歩いていく二人。
「本当だ。電気がついてるね」
「苺は今の時期騙されているんだ」
「騙されて…?」
「春が来たと思い込ませているんだなぁ」
「3月末まで騙すんだよ。」
「熟れと糖度は関係あるの?」
「日照時間が短いとじっくり赤くなるんだ。そしたらそれに合わせて糖度が上がってくる」
「へぇ~すごいね」
熱く語る笹岡。
「ブルーベリーするんだろ?」
「あっ、うん。」
「相田さんが指導するみたいだけど。」
「植える所からだから楽しみ」
「へぇ~」
【苦手な人】
翌々日、みきは相田の指導のもと池野さんとブルーベリーを植える事に。
「毎日少しずつトータル1000本植えます。」
「えっ?1000本ですか?」「それが何か」冷たい相田。
「別に…」みきは直感でこの人は苦手だと思った。
「1本につき60~80センチの穴を2M間隔で掘ります。これは重機で掘ってもらいますから。」
「水捌けの良いもの・腐葉土・ピートモス・チップでいいのでしょうか?」みきが質問した。
「みきさんよく知ってますね。」ビックリする相田。「資料に目を通しただけです」
うそ…じつはみきの母はブルーベリー園勤務である。家でも父と植えているから詳しい。
「二年生苗を植えます。」
「ラビットアイ系・ハイブッシュ系・ビルベリー…色々ありますね」喜ぶみき。
「君って何者?」
「別に…普通の人」みきは段々腹が立ってきた。
「僕…君みたいな子嫌いだな。話したくないよ」相田の嫌な言い方に
「私も相田さんとは喋りたくないですから」…ついに言ってしまった。
気まずい池野さん…
そこへ重機を持ってきた野菜作り部隊の陽気なおっちゃんトリオが
「どこ掘る~?」
「君に任せるよ」帰っていく相田
「腹立つ人だわ~」怒るみきに
「あ~いう奴だからほっとけ」おっちゃんトリオが言う。
「みきちゃんの指導のもとやるで~なぁ池野さん」
「あぁ、ほなやろ~か~」
みきは図面を見せて指示をする。
その様子を見てる相田・笹岡・中田。
「相田さん、あの子にやられましたね」中田。
「別に~」そう言って去っていく相田。
笹岡はただただみきを見ていた。
「ちほちゃんオープンのチラシだけど……」相田が話し掛けてきた。
「中田さんとこんなの作りました。」
事務所で二人きりで話す相田とちほ。
その様子を見てた貞行。
みきを探しに出たちほに。「事務に疲れて作業するの(笑)」
「いいえ…みきさんに用事です。」
「あの賑やか子…裏山にいたわよ」
「…ありがとうございます…」ちほはその場を去った。
「みきちゃ~ん」
「みきちゃ~ん。いてる~?」
探すがいない。
そこへ… 相田がきた。
「みきさんなら……」
「きゃっ……」石に躓いて転びそうになったちほを
「大丈夫?」相田が抱き締めた。
「だ…大丈夫です」
「ちほちゃん…」
相田は思わずキスしようとした……
「いやっ…」
「何してるの?」
来たのは……
みきだった
「ちほちゃん…相田さんと………そうだったんだ(笑)」誤解するみき。
「お邪魔でした~~~」みきはその場をさった。そして木陰にいた笹岡に……
「失恋かな?元気出せよ少年」
「あんな~、関係ないって」
「さ~、仕事仕事 池野さんとこ帰るで~」
「はいはい」
二人はブルーベリー畑に。
「ちほちゃん、君の従妹は……あんな子?」
「マイペースと言うか……あんな子です(笑)」
「相田さん。」
「何?」
「私は二股嫌ですから…お互いにね」
ちほは相田と貞行の関係に気が付いていた。
「それに、私が好きなのは……」
「笹岡君か?」
「さ~どうでしょう?(笑)」
「さっき、相田さん私にキスしようとした?」
「ばれた…ハハハ」
「ダメですよ。貞行さんに悪いですから」
釘をさすちほ。
【オープン】
いよいよ 森のファーム がOpen
今の時期はイチゴ狩りをメインにクラフト・パン工房。
“いらっしゃいませ”
日曜日だけに家族連れが多く来られた。
みきのリース教室も大変好評だった。
暫らくは土日・祝日が一般のお客様で、平日は完全予約制。月に一度は日曜日でも休み。
1日が終わって
「わこちゃん~疲れた~~」
「みきちゃん頑張ったね~。」
「二人ともお疲れ様」
太田とちほがきた。
「お疲れ様です。忙しいけど楽しかった。」
「わこちゃんはすごい。何でもできるんよ。」
「も~みきちゃんったら~」
「ねぇ、三人組見た?」
「三人組?」
「麦わら帽子&オーバーオール」太田とちほが笑う。
「あの三人?」
「今日の為にって三人でお揃いにしたみたいやで」太田の笑いが止まらない。
「テンガロン…麦わら帽子だけど、女性陣もってゆ~とるけど……無理」ちほが困ってる。
「あたしなら平気だけど」
【嫌味】
貞行だった。
「お疲れ~」
「貞行さんお疲れ様」みきが挨拶する。事情を知らないみき。
少し嫌な顔をするちほとわこ。
「みきちゃん…三人を見に行こうよ。」誘われたみきは着いて行く。
「貞行さんね~ みきちゃん大丈夫かしら?」
「あの二人何か私のこと言ってなかった?」突然聞かれた。
「何も…って言うか話す機会がないから」
「私ね、みきちゃんだけに秘密を言うわ。」
「…秘密…ですか?」みきはめんどくさいと思った。が………。
「相田さんをどう思う?」「別に……」
「うちら付き合ってるんよ。それもHしてる…仲よ」「わぁ~ビックリした」
みきはかなり焦った。
「お互い×1だから…似た者同士なんかな」そう言った貞行の顔が少し淋しそうだった。
「あれ見てみ~」
三人組がいた。
「まぁ~、すっかりカントリー風ですね(笑)」
「色やデザイン違いならまだしも、全くお揃いでしょ」
貞行とみきが近づいた。
「どう、似合う?」中田が話し掛けてきた。
「フフフ」「アハハハ…」二人は笑いが止まらない。
「貞行さんもみきちゃんも着る?」
「パス1」「パス2(笑)」
「今頃貞行さんとみきちゃんは何話してんだろ?」ちほが気になってきた。
「みきちゃんは何も知らんよ」わこが宥める。
「わこちゃん…私ね…」
「何?」
「みきちゃん嫌いなんよ」「何で……」
「私と違って素直やし…」「ちほちゃん、人それぞれよ。それに、みきちゃんはちほちゃんになかなか会えなくて寂しがってる」
「みきちゃんが?」
「ちほちゃん。ちほちゃんは魅力がある女性よ」
「わこちゃんごめんね。」「いいよ」
「みきちゃんと貞行さんが仲良くなるのが嫌なのかも。」
「あんたらは何悩んどん?」話し掛けてきたのは梅本(65歳・女性)だった。
「人は人。仲ようせんといかんよ」
「梅本さん……」
「ちほちゃんは可愛いんだから」
梅本はちほとわこをとても可愛がっている。ちなみに、みきは梅本が苦手である。
「気になるんなら私が様子見てくるわ」梅本が五人の所に歩いて行った。
「ちほちゃん、喧嘩はやめようよ」わこが心配する。
「みきさん。あんたはここでなにしょうるん」梅本が来てみきに大声をあげた。
「すみません。」みきが謝る。
「梅本さん、みきちゃんを誘ったのは私ですけど」貞行がかばった。
「仕事がまだあるんでしょうがな」 きかない梅本。
「突然来て何いっとんですか?わけわからん人やなぁ」中田が梅本に注意した。
「みきちゃん…ブルーベリーとこ行こう。」笹岡が助け船を出した。
「言いすぎですよ。」中田はおさまりがつかなくて………二人は暫らく言い争っていた。
「またね。みきちゃん…」貞行と相田は持ち場に戻る。
「早く行こう」
「でも…」
「いいから早く」
「気にしなくていいから」「でも………前々から気になってたんよね。」
みきはちょくちょく嫌味を言われていた。でもその事を笹岡に言えない。
「みきちゃん。携帯番号とアドレス聞いていい?」
「えっ…あうん…いいけど何で?」
「相談のりたいから(笑)」笹岡は気が付いていた。
「赤外線通信…こうだったかな?」
「あっ、来たから後でメールするな」
「ありがとう。」
【秘密で…】
♪♪♪~~
「あっ…メールだ」
“今度の休みにドライブしよ”
“いいよ”
ちほちゃんに怒られそう。でも笹岡さんが気になるし……
そう、みきは笹岡さんが気になってきていた。
「みきちゃん」
突然の声に驚くみき。
「ちほちゃん…」
「メール?」
「…うん…もう仕事終わったから見ていいよね?」
「みきちゃん…ご飯行く?」
「ごめん。今日は何か家でゆっくりしたいから……」みきはその場を去った。
ーーー自宅でーーー
「もしもし、みきちゃん?」
「笹岡さん?」
「今日の事……気にしてる?」
「ごめんなさい。仕事終わったら話題に仕事は出したくないの」
「ごめん」
「いいよ」
「いつが休み?」
「来週の木曜日」
「僕も休みとるよ」
「怪しまれない?」
「どこ行く?」
【木曜日】
笹岡がみきのアパートの近くまで迎えにきた。
「おはよう~」
「おはよう」
「笹岡さんって大人っぽい服装なんだ。」
「茶色好きだし」
「私も(笑)」
「何かみきちゃんとペアっぽい」
「ほんまにね~」
「どこ行くの?」
「某苺ハウス」
「それって偵察?」
「そう」
「楽しそうね~~(笑)」
二人は最近人気の近県にある“高井農園”に向かった。
「高井農園の社長って奥さんが10歳も上なんだ」
「へぇ~……って言うか笹岡さん、偵察じゃないよ。知り合いなの?」
「あぁ、僕は高井さんに苺の指導を受けてるからね。」
「私と行ったことばれない?」
「大丈夫」
「よく来たね」高井(40歳)が出てきた。
「久しぶり」妻のゆう(50歳)も出てきた。
「こんにちは。高井さん、ゆうさん」
「はじめまして。」みきは緊張していた。
「笹岡君、彼女が出来たんだ」
「新人です。うちの福井ちほの従姉妹です」
「何となく似てるね」
ちほちゃんとも来てるんだ…ちょっぴりがっかりしたみき。
「笹岡君が女性スタッフを連れてくるなんて…(笑)」
「えっ?」ゆうさんの言葉にビックリするみき。
「いつも一人で来るよ。たまに高井さんがうちに来てくれるんだけどね」
「そうなんだ」みきは心の中を少し見透かされたようで恥ずかしかった。
「みきさん。苺ハウスに行きませんか?」ゆうが誘ってきた。
「あっ…はい」
【男同士・女同士】
「笹岡君。気になってる子はあの子?」ストレートな質問に
「はい。彼女は努力家なんですね。ブルーベリーで入ったんですけど」
「君の口調からしたら年上?」
「2コ…」
「いいじゃん。うちはもっと離れとるぞ。」
「今日は苺の相談か。それとも彼女の相談か(笑)」
少し照れて
「どちらもです。」
一方ハウスでは
「みきさん?だったよね」「はい」
「あなた、笹岡君が好きなの?」こちらもストレートな質問。
「どうでしょうか…自分でもわかりません」
「苺好き?」
「えっ?……好きですが。」
「なら笹岡君と上手くいくよ」
「何でですか?」
「私達もこの苺の………はいどうぞ(笑)」
「あっ…四つ葉。」
「滅多にない四つ葉を見つけたのがきっかけ」
二人は苺の勉強をし……
「ありがとうございました」
「また様子を見に行くよ」「さようなら」
「さようなら」
高井農園を後にした。
「楽しかった」みきは本当に楽しかった。
「高井さん夫婦いい人だろ(笑)」
「うん」
「さ~てこれからどうする?」
「帰る」
「はっ……マジ?」
「うそ(笑)」
【それぞれの思い 相田】相田は×1で息子三人の父親である。別れた妻が引き取っているが、月に数回息子とだけ会っている。
貞行とは似た者同士で付き合ってというよりは、お互い傷を埋めあっているだけ。
「まさかこの僕に反発するとは……」
優しいちほに傾いていたはずなのに、いつの間にかみきを意識し始めていた。
「みきちゃんを振り向かせる……無理か。あの子は笹岡君を好きみたいだし」
「それに親子くらい年の差が……長男と近い子に恋するなんて……」
相田はプライドが高いだけに恋している事を認めたくなかった。
《中田》
結婚寸前で彼女にふられた可哀想な人。ちほに恋してる。
「ちほちゃんを彼から奪いたい。」
年の差14歳。
中田は体も大きいが心も寛大である。
《貞行》
×1で4歳の子供がいる。元旦那はかなりのおじさんで女癖が悪く浮気を繰り返したため離婚。
相田とは身体だけの繋がり。
「笹岡君って女慣れしてなくて可愛いかも」
《ちほ》
「中田さんが好き……彼とは別れたい。」
同棲6年に終止符をうとうとしている。
《笹岡》
「みきちゃん…胸毛で痔の男好き?…とは言えないや」
笹岡はみきを本気で好きになった。
「みきちゃんは細いのに……巨乳だよな……僕ってダメだ。」
若いだけにモヤモヤと悩む笹岡。
【キス】
「ちほちゃん、ワラビ採りに行こう」中田が休憩時間に誘った。
「あの裏山?…怖いよ」
確かにワラビは沢山出るが少し気味悪い場所。
「梅本さんの店で売るんだって」
「そうなんだ」
ちほは中田とふたりっきりになれる事が嬉しかった。中田も同じ思い。
「どこ行くの?」呼び止めたのは貞行だった。
「ワラビ採り~~」中田が言うと。
「後から行くわぁ~」
貞行はそういうとみき達を呼びに行った。
嫌だなぁ…ちほはそう思った。中田も同じだった。
2人は裏山に着いた。池があり誰も近寄らない場所。
「みきちゃん、笹岡君、相田さん。ワラビ採りに行こうよ」貞行が誘う。
「貞行さん。ごめんなさい…これから相田さんとブルーベリー畑に行くことに」みきが残念がる。
「じゃ、僕が行くよ。あの裏山危ないし…」笹岡が貞行と行くことにした。
「みきちゃんも行きたかった?」相田が聞いてきた。「また次回ね(笑) さぁ行きましょう」
2人はブルーベリー畑に。
「中田さん、怖いわ…」
「大丈夫。熊は出ないから(笑)」
「ワラビ沢山あるね。」
2人はいつ貞行達が来るかとドキドキしていた。
「みきちゃん……」
相田が話しかけてきた。
「何ですか?」
「うん。今度ね、ブルーベリーの勉強会があって…その~僕と2人だけど行く?」相田は精一杯の笑顔で誘った。
「わぁ~行きたいです(笑)」みきは大喜び。
「約1万本くらい植えてあるんだよ。20年ものの木もあるし」
「いつですか?」
「いきなりだけど明後日」
みきはとても嬉しかった。相田も内心ホッとしていた。
「中田さ~ん」
「あれっ?いない?」
「帰ったのかなぁ?」
貞行と笹岡が探す。
「ちほちゃん、隠れて脅かそう(笑)」
「うん(笑)」
2人は木陰に隠れてヒソヒソ話していた。
「ねぇ、笹岡君。」
「何ですか?」
「みきちゃんの事が好き?」
「と…突然何ですか?」
動揺する笹岡。
「何話してるかよく聞こえないね」中田とちほも気になる。
「笹岡君……これ見て?」「何ですか?」
近付いた笹岡に………
貞行がキスをした。
「二人の秘密ね(笑)」
「冗談きついです。貞行さんは相田さんと付き合ってるんでしょ?」
「今のキスの事をみきちゃんに言っていい?」
「ぼくとみきちゃんはそんな関係じゃないから……好きに言ったらどうですか?」笹岡は怒って1人で降りた。
「貞行さん…あなたって人は……」目の前に現れたちほ。
「あら~隠れて見てたんだ。可愛い顔した性悪女」
「何(怒)」
「やめなさい」中田が出てきた。
「あなた達も木陰で仲良くやってたんだ」
「いい加減にしろ」貞行を叩こうとした中田に……
「中田さんの時は大人のキスだったよね。それも彼女と別れて寂しさから……あなたから求めたよね」
「ふ~ん。そうなんだ……」
新しいレスの受付は終了しました
小説・エッセイ掲示板のスレ一覧
ウェブ小説家デビューをしてみませんか? 私小説やエッセイから、本格派の小説など、自分の作品をミクルで公開してみよう。※時に未完で終わってしまうことはありますが、読者のためにも、できる限り完結させるようにしましょう。
- レス新
- 人気
- スレ新
- レス少
- 閲覧専用のスレを見る
-
-
猫さんタヌキさんさくら祭り0レス 42HIT なかお (60代 ♂)
-
少女漫画あるあるの小説www0レス 61HIT 読者さん
-
北進11レス 246HIT 作家志望さん
-
こんなんやで🍀182レス 1617HIT 自由なパンダさん
-
「しっぽ」0レス 102HIT 小説好きさん
-
神社仏閣珍道中・改
(続き) ところで。 こちらのこの半僧坊大祭では護摩札の授…(旅人さん0)
211レス 7209HIT 旅人さん -
わたしとアノコ
ほんと,,,なの? 掴みとって良い幸せなの? 本当に,,,!本当に…(小説好きさん0)
156レス 1584HIT 小説好きさん (10代 ♀) -
こんなんやで🍀
水道水も、電流も、街灯のLEDからの光も、Wi-Fiも、ブルーライトも…(自由なパンダさん0)
182レス 1617HIT 自由なパンダさん -
西内威張ってセクハラ 北進
今はまともな会社で上手くいってるよ、ばーか、今の職場が良ければ良いほど…(自由なパンダさん1)
78レス 2679HIT 小説好きさん -
仮名 轟新吾へ(これは小説です)177レス 2740HIT 恋愛博士さん (50代 ♀)
-
-
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②4レス 99HIT 小説好きさん
-
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?11レス 120HIT 永遠の3歳
-
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令1レス 125HIT 小説家さん
-
閲覧専用
今を生きる意味78レス 508HIT 旅人さん
-
閲覧専用
黄金勇者ゴルドラン外伝 永遠に冒険を求めて25レス 946HIT 匿名さん
-
閲覧専用
🌊鯨の唄🌊②
母鯨とともに… 北から南に旅をつづけながら… …(小説好きさん0)
4レス 99HIT 小説好きさん -
閲覧専用
人間合格👤🙆,,,?
皆キョトンとしていたが、自我を取り戻すと、わあっと歓声が上がった。 …(永遠の3歳)
11レス 120HIT 永遠の3歳 -
閲覧専用
酉肉威張ってマスク禁止令
了解致しました!(小説好きさん1)
1レス 125HIT 小説家さん -
閲覧専用
おっさんエッセイ劇場です✨🙋🎶❤。
ロシア敗戦濃厚劇場です✨🙋。 ロシアは軍服、防弾チョッキは支給す…(檄❗王道劇場です)
57レス 1390HIT 檄❗王道劇場です -
閲覧専用
今を生きる意味
迫田さんと中村さんは川中運送へ向かった。 野原祐也に会うことができた…(旅人さん0)
78レス 508HIT 旅人さん
-
閲覧専用
サブ掲示板
注目の話題
-
発達障害者だって子供が欲しい
発達障害があります。半年前に結婚しました。 子供がほしい話をしたら 「あなたと同じように仕…
62レス 1573HIT 育児の話題好きさん (20代 女性 ) -
初対面の人と仲良くなれません。
45歳彼女いない歴=年齢です。アプリ、結構相談所で10年間婚活してきましたが、お金と時間ばかりかかる…
58レス 1408HIT 結婚の話題好きさん (40代 男性 ) -
おばさんイジリされる職場
私は40代の女性会社員です。 会社は男性が多く昭和な社風です。 一応、私は役職もついていますが下…
23レス 577HIT 社会人さん -
同棲するなら1人になれる部屋が欲しいって言ったら号泣された
彼女と同棲の話になり、部屋はひとつでいいよね、と言われたので「喧嘩とかした時用に1人になれる部屋があ…
21レス 575HIT 恋愛初心者さん (20代 男性 ) -
誰からも愛されない
誰からも愛されない私は無価値ですか? なんのために生きているのですか?
12レス 359HIT 気になるさん -
「夫が家事を手伝うのは当たり前」
結婚2年目で子供はいません。専業主婦の妻が「夫が家事を手伝うのは当たり前」と言ってます。 こっ…
15レス 366HIT 相談したいさん - もっと見る