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小愛的故事 --黒百合女学院 恋の時間割-- (確定清書版)

No.7 19/11/10 13:38
青木あかね ( 30代 ♀ sEoWnb )
あ+あ-

≫5

《あおい七歳 恋の始まりの時間》

京都市内の某産科病院。さっきまでの土砂降りも一転、空は快晴となり、白い月が青空に浮かんでいる。多分、離れた場所からこの病院の方角を眺める人の角度によっては、上空に虹があったかも知れない。



桃子の出産、長女藍子、長男貴志、次女碧(みどり)に続いて生まれそうなのは・・・。

すでに三人の子の父なのに、七人の孫の祖父なのに、出産に慣れないと言うよりは、産科に男の居場所はなく、落ち着かない男たち。

桃子の夫、つまり赤ちゃんの父の幸一郎と祖父の晋太郎は、病院外のパーキングで缶コーヒーを片手にタバコを燻らせていた。



六人の孫娘が生まれたときは、何故か土砂降りだった赤井家。と言うか、女の子が生まれるときは何故か雨降り・・・近年、そんな歴史の赤井家。

その二十九代当主の祖父の晋太郎は、女の子が生まれるはずと、予感していたらしいが、その予感も的中。



「晋太郎さん!幸一郎くん!生まれたぞ!女の子だ!」

そう叫びながら来たのは、黄大泉こと赤井晋太郎の、黄家八極拳の同門の師兄弟の、渡忠人先生だ。

明治初期に旧武家の赤井家に婿入りした、台湾人の黄響鐘。その名字が黄家八極拳の宗家の黄四海と同じなのは、たまたまの偶然の産物なのだが。

ともあれ台湾では黄大泉の武名で割と有名なる、祖父の赤井晋太郎。
日台混血時の赤井家当主であり、赤井家再興のお姫様、赤井葵から、また赤ちゃん誕生に合わせるかの晴天と青空に浮かぶ月から

赤ちゃんを赤井あおい、武名を黄蒼月と命名したのである。



そして、いつしか時は流れ、あおいは青空に浮かぶ月のような色白の、これぞ旧武家の末娘な、蝶よ花よと、甘やかされたお嬢さまに育っていた。そんなクリスマス間近

時は・・・

『わたしの夢 黒百合女学院初等部一年一組 赤井あおい

 わたしは藍子お姉ちゃんの大好きだったお兄ちゃん、真鍋の瞬お兄ちゃんが大好きです。

 お兄ちゃんは、いつもわたしをお風呂に入れてくれます。お兄ちゃんは毎日、わたしに勉強を教えてくれて、遊んでくれます。わたしはそんな優しいお兄ちゃんが大好きです。

わたしはお兄ちゃんのお嫁さんになって、美味しい料理をたくさん、たくさんたくさん、作ってあげたいです・・・』

時はこの作文の半年前に遡る。

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