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あの日のギター

レス7  HIT数 1613 あ+ あ-

旅人( ♂ )
16/05/19 13:24(最終更新日時)

 一週間の中で最もテンションの低い月曜の朝、俺は校門に向かって全力で走っていた。ヤバイヤバイ、また寝過ごしちまった!吐く息白い寒さの中、汗ばみながら走っていると、後ろから「うぃ~っす!光永く~ん!」と声がした。
「森下!」
「ニシシッ(笑)」
「毎度の遅刻コンビだな、俺とお前は(笑)」
「ヒヒっ」
森下とは同じクラスで、いつもこうして駆け込み登校をしている仲だった。森下は見た目はインテリっぽい感じなのに、中身は気のいいバカで、無邪気な男だ。
「やべーよー、光永~、一時限目は帝王だろ?またヤラれちまうぜ」
「あ~、最悪だよな~、月曜の一時限目からアイツの授業なんて」
帝王とは数学の中村先生のあだ名で、Vシネマに出てくるヤクザみたいなコワモテの男教師なので、生徒の間で帝王と呼ばれていた。
学校に着くと急いで上履きに履き替え、廊下を走って教室に向かった。が、途中で帝王に見つかってしまった。
「こら!光永聡!森下康介!まーたお前らか!」
さっそく帝王の雷が落ちる。
「お前たちは~」「高校生にもなって~」「たるんでるんじゃないのか~」等々、毎度、お決まりの中村の台詞。
俺は帝王の説教には慣れっこだったから、左の耳から右の耳へと聞き流していた。そして叱られている間、先輩との事を思い出していた。

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No.2334497 16/05/19 13:15(スレ作成日時)  
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