知っておいたほうが良い「産後うつ」の知識まとめ

産後うつとは?

出産を終えた女性が、急にうつ状態におちいる事を産後うつといいます。

よく眠れない。些細な事にイライラする。涙もろくなる。落ち込みやすくなる。食欲がない。いいしれぬ不安に襲われるなど、そんな症状が出てくると要注意。

妊娠、出産を終えた女性の約10人に1人がかかる可能性があるという「産後うつ」は、決して珍しい病気ではありません。

出産という大仕事を終え、いざかわいい赤ちゃんと対面。それは嬉しい事ですが、同時に大きな責任と、不安を抱くのも事実。女性の心は無意識のうちに「母」となり、これまでとはガラリと心境が変化し、また、自身の身体も急激な変化に見舞われます。

産後うつの原因は女性ホルモンの急激な変化

女性は妊娠すると身体に1つの命を宿します。その命は母体の栄養を元に育って行き、大きくなるにつれ、身体が受ける負担も増えて行きます。身体の中に心臓が2つあるわけですから、心臓にかかる負担も避けられません。

大きなお腹で思い通りに動けない。食後の動悸や息苦しさなど、身体が疲弊し、それに慣れた頃に出産が起き、急に妊娠前の身体に戻る事を要求されます。

子供を抱いていた子宮は産後約2ヵ月程で元の大きさに戻るわけですが、それには女性ホルモンの働きが作用しています。その女性ホルモンの急激な変化で、自律神経が乱れ、産後うつが発症するというのが、産後うつになってしまう原因の一つだと言われています。

急激な環境変化

子供を授かってからも、女性の生活は劇的に変わりますが、子供を産んでからもまた180度変わってしまいます。

出産で疲弊していても、産んだその瞬間から始まる「育児」。赤ちゃんは待ってくれません。

寝不足のまま新しい会社へ転職したようなもの。初めての事に戸惑い、イライラしてしまうのは当たり前の事でしょう。

そこで能天気な外野からの声や、思い通りに手伝ってくれない夫や、おせっかいな姑のちゃちゃなどが入ると、ますます追いつめられていってしまうもの。

子供を産んでから始まるママ友との交流も、新たな負担を増やしてしまうようです。やはり「自分の友達」とは違った関係なので、色々な気遣いがあったり、対応に迷ったりと、心はすり減ってしまうのでしょうか。

産後うつの大きな原因は「助けを求める相手がいない」または「助けを求める事ができない」という事のようで、完璧主義で、真面目な頑張り屋タイプがなりやすいようです。はじめは誰しもうまくできないもの。家事も育児も妻としても100点満点を取ろうなんて不可能に近い試みですが、それをやろうと頑張ってしまう方に多いそうです。日々の生活のできない点に目を向けてしまい、「なぜできない」「自分のせいだ」そう自分を責めてしまったあげく、そのフラストレーションが積もり積もって精神的に追いつめられて行くという過程が多いようですね。

しかし産後うつは「治る病気」早めに病院へ行き、薬を服用すれば早く治るようですから、少しでもおかしいなと思ったら、専門の機関へ相談へ行きましょう。

何でも一人でかかえこまないで

困った時に「助けて」と言う事は、全く迷惑な事でも負ける事でもありません。

育児に疲れた時や、誰かの手助けが必要な時。それでも頼る人がいないという方に向けたサービスは意外と多いものなのです。

市の保険センターには子育相談窓口があり、場合によっては保健師が自宅へ訪問して相談に乗ってくれます。他にも市町村で開かれている子供のひろばや、子育支援センターには専門知識を持った保育士や看護師がいて、誰でも相談する事ができます。

相談された内容は守秘義務によって周りに伝えてはいけない事になっていますので、他に漏れる事はありません。

頑張って妊娠時期を乗り越え、出産を終えた女性は大仕事を終えた後。それだけで充分100点満点なのですから、少しくらい周りに頼ってもいいじゃないかという気持ちで、気楽に子育をする事が産後うつを防ぐコツなのかもしれません。

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