西尾維新のミステリー小説、初の実写化&新垣結衣、連ドラ初主演『掟上今日子の備忘録』

目次

一晩眠ると記憶をなくす名探偵

一晩眠ると記憶がリセットされてしまう探偵「掟上今日子」の活躍を描いた西尾維新のミステリー小説が初の実写化。彼女のアニメチックな白髪も新垣結衣さんがしっかり再現しています。

勤務先で重要なSDカードを盗んだというとんでもない容疑をかけられた厄介。「探偵をよばせてください!」と懇願。呼ばれた探偵が「忘却探偵」掟上今日子だった。

彼女を一目見た瞬間、厄介は心を奪われた。しかし彼女は一晩たつと記憶を忘れてしまうという特異体質の持ち主で…。「今日の事件は今日解決!」コミカルな掛け合いとスピーディーな謎解き。その中にもせつなさが混在する異色の名作が始動します。

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キャスト

掟上今日子…新垣結衣

隠館厄介…岡田将生

絆井法郎…及川光博

也川塗…有岡大貴

幕間まくる…内田理央

スタッフ

原作…西尾維新『掟上今日子の備忘録』

主題歌…西野カナ『No.1』

オープニングテーマ…goodby holiday「溢れるもの」

日本テレビ・毎週土曜・21:00〜21:54 各話~最終回

白髪の新垣結衣さんの変身ぶりや、「忘却探偵」という新しい試みや人気作家西尾維新さんの作品初の実写化。期待が高まる今作品に期待が高まります。【ネタバレ】

【ネタバレ】第1話

「社内で重要なSDカードが盗まれた!!」腹を探り合う従業員。その中でおかしいくらい汗をかく隠館厄介。そんなオープニングで始まった掟上今日子の備忘録。

彼は厄介という名前の通り、運の悪さは世界一。

受験当日目の前に隕石が落ちたり、誘拐犯に間違えられて拘留。釈放された時には正社員の内定を取り消されていたり…。とにかく運が悪く、本人もそれを自覚しています。オープニングの滝のような汗は「まただ!」という彼の諦めにも似た動揺の結果だったようです。

今回の事件は2つ

なんと、1話の中に事件が2つ起き、それを解決した上でまた冒頭の事件の真相をあばくという盛りだくさんの内容でした。今回のテーマは「人の憎しみ」からの事件発生といった形でしょうか。嫌な記憶、相手への憎しみを忘れられない犯人達と、嫌な記憶どころか今日あったまるまる1日分の記憶をすっかり忘れてしまう掟上今日子のコントラストがうまく描かれていたように感じます。

私には1日しかないから。今日という1日を後悔したくないんです。

今日子にときめいてしまった厄介が、動揺の中、「明日になったら忘れてしまうのにどうして事件を解決しようと頑張るのか」と、つい配慮を欠いた発言をしてしまった後の今日子の言葉。

どちらも不運な境遇

厄災がついてまわる厄介と、眠ってしまうと記憶をなくしてしまう今日子。二人は稀に見る不運の持ち主です。しかし、あくまでも前向きに前進しようとする今日子と、不運を怖がって道の端を歩く約介。そんな二人はお互いにどのように変わっていくのかとても楽しみなドラマとなりそうです。

第2話の予告

眠ってしまうと全てを忘れる探偵、掟上今日子がある事件の「アリバイ」に利用されてしまう!?彼女の特性が事件を難解にしていく様子…!目が離せません。

【ネタバレ】第2話

今日子に恋心を抱いていると自覚した厄助。のっけから失恋してます。今日子さんのタイプの男性の依頼人、鯨井に完全敗北するのです。鯨井はウナキの殺人疑惑を受け、今日子さんに調査を依頼するのですが、なんと殺人事件だと思っていたウナキの死因は自殺。鯨井はその自殺を見てしまっただけでした。

プロスポーツ界のドーピング疑惑から全てははじまった。過去に疑惑をかけられたウナキとそれを密告した鯨井の一件がウナキを追い詰めていたのだ

昔プロスポーツの世界にいた鯨井とウナキ。ドーピング疑惑がささやかれていたウナキの事を鯨井は密告する。実際の検査で薬物反応が出たが、それはウナキの常備薬の未記載の成分のせいだった。ウナキの無実は証明されたが、風評被害で1年を棒に振ってしまった。

スポーツ選手としての自信を失ったウナキ。鯨井の裏切りにも気づいていた

自殺を企てた時、自殺するやつと思われたくなくて、ウナキは鯨井を犯人にしようと考えた。「お前のした事の罪をつぐなえ」そういう気持ちがあったのでしょう。

鯨井は全てを受け入れようと思っていたが、カフェで忘却探偵の今日子さんと出会い、望みをかけたのだった…。

この人かっこいいな、好きだなと思っても、次の日には全てを忘れている今日子。振られていながらも厄助は今日子と向き合う事を選びます。

「今日子さんって呼んでもいいですか?」

マスターに今日子さんは恋愛には向かないと忠告されていても、好きな気持ちは変わらなかったようですね。

【ネタバレ】第3話

美術館で警備員のバイトに勤しむ厄助ですが、そこへ今日子さんが頻繁にやってきます。その度に「母」という題名の絵画の前に佇み、20分以上眺めているのだそうだ。「そんなにその絵が好きなんですか?」そう気いた厄助に「この絵には2億円の価値があるのです」と答える今日子さん。眠ったら記憶をなくしてしまう今日子さんは、毎回新しい気持ちで絵画展の情報を知り、新しい気持ちで「母」に向き合っているのでしょう。

先日名前呼びを許可してもらった厄助は、なんとか二人の仲を進めたい。考えた末バイトの休みの日に「母」の前で今日子さんを待ち伏せる事に。そこで「この絵には2億円の価値がありますよね」と話を持ちかけ、いい感じに食事に誘おうという魂胆です。

当日、計画通り今日子さんを待ち伏せた厄助。しかし、今日子さんはなぜか「母」の前を素通り。なぜこの絵を見ないのか、慌てた厄助はたずねますが、今日子さんの答えはそっけないもの。「この絵には2億の価値があるんじゃなかったんですか!?」ついついそう口走ってしまいます。しかし今日子は「この絵には200万程度の価値しかない」と言い切り去っていきます。唖然とする厄助。

その時、初老の男が「母」を見て怒り狂い暴れ出し、それを取り押さえた厄助。館長がやってきて「その方を離せ!」と命令されます。言いつけ通り手を離す厄助ですが、初老の男は持っていた杖で「母」に穴をあけてしまうのです。

館長に責任をなすりつけられた厄助はまたもクビ。

実はこの初老の男は額縁を作る職人で、「母」のために作った額縁を美術館の新作の額縁に転用された事に腹をたてたようです。「額縁は絵との融合で初めて魅力を発揮するもの。お前は絵に経緯を払っていない!」と激怒してしまったのです。

実は新作絵画の額縁を間違って発注した館長は一時的にサイズがぴったりだった「母」の額縁を拝借してしまい、「母」の額縁を安価なレンタル品に替えました。後日元に戻すつもりだったのですが、タイミング悪く額縁作者に見られてしまったという真相でした。厄助の疑惑は晴れますが、この話次回の事件の布石になっていたようで…。

今日子さん七変化

洋服を毎回変えてみたり、黒髪ウィッグをつけてみたり、今回のお話は今日子さんのオシャレが際立った回でしたね。新垣結衣さんのかわいらしさにキュンキュンした視聴者も多かったのでは。一方厄助の恋は前途多難。今日子さんに好意を悟られてしまったにも関わらず、今日子さんから「そういうのいらないので」と告白する前に断られてしまいます。

確実に失恋の烙印を押された厄助

もう会えないと落ち込む厄助の元に一本の電話が。それは今回携わった額縁職人、和久井からでした。「女探偵と一緒に今すぐ来い」そう言われた厄助。またもや今日子さんと会えると喜ぶのもつかの間、更なる大きな事件に巻き込まれるはめにー!?

一日で記憶をなくしてしまう探偵と、厄災に愛された青年。無事にピンチを切り抜けられるのでしょうか。

【ネタバレ】第4話

前回の事件で登場した、和久井が厄助と今日子にボディーガードを依頼しました。昨日厄助の好意をぶった斬った事はすっかり忘れている今日子は、なんとなく微妙な距離を取る厄助に不信感を抱きます。和久井の元へ行く途中「私、何かしましたか?(忘れてるけど)」と問いかけますが、まさかフられたとはいえない厄助はなんでもありませんと答えるのでした。

約束の時間に和久井を尋ねる二人。しかし今日子達が到着した時、和久井は何者かに腹部を刺されて倒れていました。

和久井は「アトリエ荘」というマンションを持っています。そこには自分が厳選した「才能がある芸術家」の卵たちを集め、馴れ合いを一切禁じてただ芸術を極めるだけのために作ったいわば養成施設。今回和久井は彼らにテストを仕掛け、そのテストに合格した者だけに、自分が額縁を作るという試みをしたのでした。

その額縁は和久井の最後の作品となるようで、ここで選ばれる者は将来が約束されたようなもの。

誰もが選ばれたいと願っていた様子。しかし和久井は本命の依頼が誰なのかわからないよう、カモフラージュの為にアトリエ荘に住む人にまんべんなくキャンバスを渡し、作品を描かせていました。住人の中の2名を除いて…。

その除外された2名があやしいと即座に推理する今日子は住人に聞き込みをし、その中でも最年少、小学生の陸という少年が真犯人をかばっているのを見抜きます。そして単身、真犯人の女性の元へ乗り込んだ今日子は、彼女に自首を勧めるのでした。

厄助は今日子の正式な助手、もといワトソン的立ち位置に抜擢されますが、今日子に対して「せこい」と失言をしてしまった為に即座に「クビ!」とされてしまっていました。

余談ですが岡田将生さんと新垣結衣さんは、前回大ヒットドラマ「リーガルハイ」2期で共演しています。そしてこの度「クビ」を連発する姿がリーガルハイのリスペクトだと、ネット上では盛り上がっていました。

【ネタバレ】第5話

今回は今日子さんの大好きなミステリー作家須永昼兵衛の「須永フェスタ」にて新作原稿を探せというもの。出版社の編集者である重信からの依頼です。しかし須永はフェスタの前日、心臓発作で亡くなってしまいます。須永の大ファンである今日子さんには、今日一日その事を伏せておこうと考える厄助ですが、結局バレてしまいます。無事原稿を発見した今日子さん。今日の自分が新作原稿を読めないのは残念だけど、楽しかったと笑うのでした。

厄助は記憶をなくす今日子さんの為に、須永の遺作が文庫化された時に喫茶店の本棚に置いておくという約束をします。そして今日子さんがその本に気づき、大好きな作家の死に悲しみを抱いた時、今日の事を話して聞かせると決めるのでした。

一生に一度の嬉しい日の記憶を厄助が再び話すことによって、今日子さんの毎日は確かに存在したという事を教えてあげられるかもしれない。そしてその日の今日子さんは、一日楽しい気持ちで過ごせるかもしれない。厄助はそんな風に思ったのです。

厄助と今日子さんの距離がかなり縮まった回でした。しかし次回、またも嵐の予感です…!

【ネタバレ】第6話

厄助が殺人犯の疑いをかけられる!? 様々な災厄から愛される青年厄助。今回は女子中学校の用務員の仕事に正規職員として入りましたが、そこで一人の生徒の自殺騒動に巻き込まれ、殺人容疑をかけられてしまいました。

目張りした用具室でCO2を使用して自殺を図った少女、逆瀬坂雅歌(さかせざかまさか)を厄助が助け、しかし彼も酸欠で倒れてしまいます。幸いにも命に別条はなかったのですが、雅歌は寝たふりを続け、点滴をひっこ抜き、今度は衰弱死を狙っているといいます。

自分の疑いを晴らすべく、そして真相を暴くべく今日子さんに依頼する厄助。そして彼女と謎を解き明かすうちに、厄助に「自分の秘密を知られた」と感じた雅歌が厄助を殺害するつもりだったということがわかり、ますます混乱します。

結局よくある思春期の感情のブレや自殺願望、そして自意識過剰による羞恥心が原因だったのですが「人は生きていく毎に恥をかく…。生きるっていうことは恥ずかしいことを増やすということなんだ」と達観する厄助。確かに、思い出して悶絶するような記憶、誰にでもありますよね。

それがない今日子さんははたして羨ましいと言ってしまっても良いのでしょうか。「記憶」に焦点が当てられた回でした。

次回はいよいよ伏線回収。「【ネタバレ】第5話」の須永先生の遺作を喫茶サンドグラスに置いておいた厄助。「須永ファンの彼女が、いつかその本を見つけた時、今回の事件の事を話して聞かせよう」と考えていたのですが、とうとう今日子さんが見つけるようです。

彼女は好きな作家の本を家に置きません。それは「絶対に読みふけってしまい、仕事にならないから」だそうですが、その予想は的中。全99巻を徹夜して読むという暴挙に出るというのです。はたして二人の距離は縮まるのでしょうか。

【ネタバレ】第7話

今回は5話の話の続編といった形でした。須永先生の死が自殺ではない可能性が浮上したのです。今日子さんはその謎を解くために、須永氏の既刊99冊全ての読破を目標に掲げ、厄介に眠らないように見張っててもらいつつ読み切るという事を始めました。寝ないようにと二人一緒にヨガをしたりゲームをしたり…厄介にとってはまさに役得! 嬉しい時間が続き、「もしも今日子さんと僕が結婚したら…」なんて妄想も展開します。

しかし、人間の3大欲求である睡眠…。妨げられ事は多大なるストレスを感じます。今日子さんも人の子。72時間を超える頃には不眠による不機嫌が今日子さんを支配し始めました。厄介と喧嘩を始める今日子さん。「ちょっとシャワーをあびてきます。冷水とお湯を交互に浴びればきっと眠気も覚めるはず…」そう言い残してシャワーへ行った今日子さん。待っている厄介もつい意識をなくしてしまい、目覚めた時は3時間後。今日子さんは冷水をかぶったまま眠ってしまっていました。

3時間冷水を浴び続けた今日子さん。厄介がレスキューの知識を駆使して命を救います。「このまま目を覚ますと今日子さんはまた同じことを繰り返し、きっと死んでしまう」そう考えた厄介は、彼女の身体にきざまれたメモの本件に関する事だけを消したのでした。

依頼を断りに編集社を訪れた厄介ですが、そこに今日子さんが現れます。実はメモを消す前に今日子さんは目覚めており、推理を終えていたのでした。

「須永先生は自殺ではない」

そう結論づけた今日子さん。犯人は明かされませんでしたが、「他殺」とわかっただけで捜査が始まることでしょう。

そして帰り際、今日子さんは「私の部屋の秘密は決して口外しないように」と厄介に言います。

実は厄介、今日子のベッドの上に大きな文字で「お前は掟上今日子。今日から探偵として生きていく」と描かれていたのです。

その筆跡は今日子さんのものではありません。誰かもわからないそう。しかし厄介は「Kの備忘録」という記録書を作ることを決めました。厄介は今日子の記憶の代わりになろうと思ったのです。

そして今日子さんは、身体にあるメモを書き足しました。「厄介さんは信用できる」彼らの絆が強まった回となったようです。

今回は今日子さんの「記憶」がズームされた回でしたが、果たして心の記憶はどのようになっているのでしょう。感じた事や考えた事など、記憶は頭のなかだけではなく心の中にも蓄積される気がするのです。

今日子さんが作中で「なんだか厄介さんは大丈夫だと思ったんですよね」とつぶやくシーンがあるのですが、それは頭が忘れていても、心は覚えているというメッセージだったのでは…と思えてなりません。さて、この二人の関係性はどう動くのか、楽しみですね。

【ミニコラム】今日子さんの患う「前向性健忘症」とは?

「1日で記憶がリセットされる」原作では今日子さんが患う病名は「前向性健忘症」であると明記されています。前向性健忘症とは、記憶障害の一種であり、よくドラマや漫画で「目が覚めたら自分が誰かわからない。ここはどこ?」というシーンがありますが、あれは「逆光性健忘症」といいます。過去を忘れてしまうのが逆行性、新しいことを覚えられないのが前向性なのですね。また、今日子さんは「1日の記憶」がある状態ですが、現実世界では記憶が数分単位や数時間単位しか続かないという人もいます。

現実の世界でもこの病気を患う方がいます。前向性健忘症で一時有名になったのが、英リンカンシャー州スポールディングに住むミシェルさんです。彼女は事故によって記憶を維持する力を失ってしまった事を告白しています。

フィクションの世界では「博士の愛した数式」(記憶は80分しか持たない)「メメント」(数分単位しか記憶が持たない)など、前向性健忘症は多数とりあげられています。

この病気の原因は「精神的ショック」「事故」「ベンゾジアゼピン系の薬」「ビタミンB1・B2の長期的欠乏症」などで、実は条件さえ揃ってしまうと誰にでもなる可能性がある病気なのです。

今日子さんの髪が白髪である事から、「精神的ショック」の線が大きいのではないかという憶測をよんでいるようですが、現段階(平成27年11月)ではまだ原作でも今日子さんの記憶障害の原因について明記されていない様子です。

彼女が「現在の掟上今日子」となったのはいつからなのか。また、そのきっかけは何なのか…。そもそも彼女の名前は本当に「掟上今日子」なのかでさえも謎となってきましたね。

【ネタバレ】第8話

今日子さんの一日が少し紐解かれました。朝起きて、天井のメッセージ「お前は今日から掟上今日子。探偵として生きていく」を読み、身体のメッセージを確認し、部屋を調査。自分の素性をなんとなく理解した上で、サンドグラスへ降り、オーナーから自分に関する情報を教えてもらい、朝食を摂る…。彼女の一日はそうやって始まるようです。

今回身体に刻まれたメモに新しく追加された項目「厄介さんは信用できる」の文字。それを「やっかいさん」と読んで混乱した今日子さんに、新しい依頼が舞い込みます。それは警視庁の警部の妻が経営するブティックでの密室殺人事件。またもや厄介が容疑者となってしまっていたのです。

無事に事件を解決した今日子さんですが、ふと、自分の部屋も「密室」である事に気づきます。その謎は翌日に引き継がれるわけではないのですが、今日子さんは自分の生い立ちや、なぜ忘却探偵になったのかという事に興味を持ち始めました。

彼女が唯一覚えている、最後の記憶の断片は「どこまでも続く実験室の廊下のような所を何かから逃げる自分」というものだけ。果たして誰から逃げていたのかなんてわからない状況です。しかし、確実に覚えているその記憶は、彼女を立ち止まらせるには充分でした。

そんな時、一人の男性が今日子さんに声をかけます。「今日子」とはっきりと名前を読んだ彼に、今日子は振り返ります。「どうして急にいなくなったんだ。婚約の約束までしていたのに」そんな衝撃的な言葉を投げかけるのでした。

一方厄介はサンドグラスのオーナーの所へ。「今日子さんの自室の天井に書かれた文字」について事情を知っているはずだと詰め寄ります。はじめははぐらかしていたオーナーでしたが、次回、少し真相を語ってくれるようです。

ついに物語の軸が動き出しましたね。今日子さんの密室は解けるのでしょうか。これからの展開に期待が持たれます。

【ネタバレ】第9話

今回は「今日子さん最後の日」となりました。彼女の過去を知っている男性、しかも「夫」であると話す澤野(要潤)が今日子さんをさらってしまったのです。

事の発端はある事件の依頼から。「暗号を解読してほしい」と今日子さんに依頼をした澤野の事務所へ、今日子さんが赴きます。厄介と今日子さんはその依頼を解決させた後映画に行こうと午後19時に待ち合わせの約束をします。

厄介と離れて一人澤野の所へ向かう今日子さん。実は全てが澤野の芝居であり、今日子さんは澤野に試されていた事が分かります。澤野は今日子さんが「自分の知っていた今日子さん」かどうか、試していたのです。彼女が掟上今日子になる前に解決した事件をそのまま再現し、今日子さんが一寸の狂いなく同じように事件を解決した様子に、「君は僕の妻である今日子に間違いない」と告げるのでした。

約束していた19時。今日子さんは厄介との待ち合わせ場所に現れませんでした。一人待ちぼうけを食らう厄介。そしてその後、今日子さんは厄介の前からはもちろん、アパルトマン・サンドグラスからも姿を消してしまうのでした。

今日子さんがいなくなって10日後。厄介は今日子さんを探しますが、手がかりは巧妙に隠されていて、なかなか澤野までたどり着く事はできません。そして、彼女と約束していた映画館へ足を運び、見る予定だった映画の広告を見ていると、そこに一人の女性の姿が。

「今日子さん?」

呼びかけて振り向いた女性は今日子さんその人でした。しかし彼女のトレードマークの白髪は白く染められており、「今日子って誰ですか?」と尋ねる始末。

一体彼女の身に何が起こってしまったのでしょう。

さて、ここに来て今日子さんの身に危険が迫り、どうやら身体に書かれた文字も澤野によって書き換えられてしまったようです。そうなると記憶のない今日子さんに為す術はありませんね。

探偵の今日子さんではない、普通の女性としての生活を手に入れた今日子さん。サンドグラスの皆は、「そっちの方が彼女にとって幸せだ」と話します。厄介にとっては残念かもしれませんが、確かにこのままそっとしておいたほうが彼女の為かもしれませんが…。

次回怒涛の最終回! 一体どのような展開を迎えるのでしょうね。

【ネタバレ】第10話・最終回

ついに澤野に誘拐されてしまう今日子さん。里見という名前を与えられ、設定を上書きされてしまったようです。厄介が彼女に会った時には、すでに全てを忘れ、澤野が望んだ里見という女性になってしました。白髪を隠すため、黒色のウィッグを渡され、身体のメモも消されていたのです。

彼女の後をつける厄介ですが、彼女の探偵としての素質は健在のようで、見事巻かれてしまいます。その夜、澤野によって睡眠薬を飲まされた今日子さんは、またもや記憶をリセットするのでした。

翌日、なんとか今日子さんと接触する事に成功する厄介は、今日子さんに「あなたは今幸せですか」と問いかけます。すると今日子さんは「ある程度お金があって、不自由なく生活できているから幸せだろうと思います」と告げました。

その言葉を聞いて、厄介は彼女を諦める事を決意しました。「今日一日を大切に」と言い残し去る厄介に、何かを感じる今日子さん。そして家に帰るとまたもや澤野の出した紅茶を飲み、眠りにつきます。

厄介は自宅で、彼女と出会ってからを書き溜めた備忘録をプリントアウトし、「明日になったら忘れよう」と決意して目を閉じます。翌日、案の定忘れられない自分にため息をつき、喫茶サングリアへ向かうのでした。

ちょうどその頃、彼女の大好きな作家の須永の小説を与える澤野。「本が揃っていない」と話す今日子に「明日買ってくるよ」と伝える澤野。今日子さんには今日しかないのに、ひどい事をいいます。

突然家を出ようと提案する今日子さん。そして、突然走りだし、厄助の職場へ入り込みます。そして机の中に仕舞っていた書類から住所を割り出し、彼の自宅で例の「備忘録」を見つけました。部屋に放置されていた履歴書から厄助の携帯番号を探り出し、そこへ電話する今日子さん。

実は彼女は「明日」ばかり口にする澤野に不信感を抱き、厄助と話をした日から「徹夜」していたのでした。

「私は誰なんですか」と尋ねる今日子さん。厄助が名前を口にしようとした時、澤野が電話線を切ってしまいます。

実は澤野は今日子に恨みを持った組織の人物で、ある取引の為に今日子さんを「掟上今日子」ではない別人にしようと企んでいたのです。

全てを知った今日子さんは彼らを巻き、厄助が書いた備忘録を読みます。全てを読んだ頃に厄助が来て、やっと2人は手を取り合って安全な場所へ逃げることができました。

3日も徹夜したのですから、眠気がピークの今日子さん。「眠って下さい」という厄助の言葉に「あなたを忘れたくありません」と涙します。そして今日子さんが厄助にキスをしました。

「あなたが忘れても僕が覚えています」と厄助。今日子さんは眠りに落ち、また、記憶がリセットされた今日子さんになってしまいました。

「せっかく両思いになったのに、またふりだしか」と嘆息する喫茶サンドグラスのオーナーに、今日子さんが自分に「また、一から口説いてくださいね」と言ったと打ち明ける厄助。「毎日口説き放題です」と得意げな厄助は、毎日今日子さんに好意を伝えるようでした。

という形で終わった「掟上今日子の備忘録」最後はなんだか素敵なラストでしたね。恋人同士にはかならず来る「倦怠期」。出会った頃が一番楽しかったなぁなんて、残念な発言が出るわけなのですが、今日子と厄助はずっと新鮮な恋の始まりの時期を繰り返す事ができるのです。それはある意味永遠の愛なのかもしれませんね。

視聴率

平均視聴率は10.24%だったようで、視聴率は右肩下がりの様子でした。新垣結衣さんの再現率は良かったように感じたのですが…。しかし平均視聴率が二桁なので、まずまずといった所なのではないでしょうか。

本作のようなコミカルなミステリーは楽しく観ることができるので、ぜひ増えてほしいと感じますね。

第1話『僕が恋した白髪の美女探偵…寝たら記憶を無くすので難事件も1日で解決致します』…12.9%

第2話『忘却探偵に恋の罠…水泳選手殺しの犯人は今日子さんの恋人!?』…10.3%

第3話『2億円の名画が破られた!?忘却探偵が黒髪コスプレで潜入調査』…10.9%

第4話『忘却探偵vs天才37人命がけの名推理…気絶させて推理を奪え!』…10.2%

第5話『忘却探偵が秋の絶景小旅行…軽井沢でライバル刑事と推理合戦』…8.8%

第6話『名門女子校で美少女が殺人!?セーラー服の忘却探偵に恋の予感』…7.6%

第7話『私を寝かせないで!忘却探偵が秘密の同棲天国と地獄の5日間』…9.3%

第8話『忘却探偵の正体は!?過去知る謎の男…密室不可能殺人』…7.2%

第9話『迎えに来たよ…忘却探偵の婚約者が現れた あなたは誰』…9.2%

第10話『愛してるから永遠にさよなら…涙の結末忘却探偵の最後の恋』…10.5%

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