池井戸潤の代表作を半沢直樹スタッフで実写化『下町ロケット』

目次

直木賞受賞作が待望のドラマ化

池井戸潤の代表作『下町ロケット』は直木賞受賞作品として、世間を騒がせたベストセラーです。ロケットエンジン開発に失敗した佃航平。今は父親が遺した下町の工場で二代目経営者として奮闘する毎日。しかしその下町の工場でロケットエンジン開発に力を入れすぎて経営は傾き始める。そんな折、大手の取引先会社から突然取引を中止する旨の通告が来てしまった。資金繰りに右往左往する航平。やっと目処がついたという所でライバル企業から特許権侵害で訴えられてしまって…!

ロケットエンジンを開発したい!! 熱い夢は叶うのか。中年の夢が始動する。

公式ホームページはコチラ

キャスト

佃航平…阿部寛

佃利菜…土屋太鳳

殿村直弘…立川談志

山崎光彦…安田顕

江原春樹…和田聰宏

迫田滋…今野浩喜

真野賢作…山崎育三郎

津野薫…中本賢

唐木田篤…中本賢

浅木捷平…中村倫也

立川洋介…竹内涼真

川本浩司…佐野岳

後半キャスト…今井耕司

神谷修一…恵俊影

佃和枝…賠償美津子

財前道生…吉川晃司

藤真秀樹…杉良太郎

スタッフ

原作…池井戸潤「下町ロケット」

脚本…八津弘幸

プロデューサー…伊興田英徳・川嶋龍太郎

演出…福沢克雄・棚沢孝義・田中健太

TBS・毎週日曜・21:00〜21:54

2007年11月に15歳年下の一般女性と結婚されましたね。結婚後、更に演技力に磨きがかかっている阿部さんですが、今回、夢を追う中年戦士の役をどのように演じるのか、期待です。

【ネタバレ】第1話

ロケットの打ち上げ失敗の場面からドラマは始まります。阿部寛演じる佃航平発案・研究開発したロケットエンジンを搭載したロケットは予想軌道を緩やかに逸脱、下降していきます。墜落してしまう! 現場に緊張が走ります。そして航平の目の前でロケットの自爆ボタンが押されてしまうのです。

航平は退職勧告を受ける。「自主退職」し、父の残した「佃製作所」の代表取締役となるがロケットエンジンへの夢は健在

事業のかたわら研究を続けていた航平ですが、ある日大手取引先から急に取引を打ち切りにされます。まあ、赤字にはなるけどやっていける…。そう思った矢先大事件がおきます。

突然ナカシマ工業から「特許侵害」で訴訟され、90億を請求される。和解するには特許を手放すしかない!?

恐ろしい額を請求され「なんじゃこりゃ!」と絶叫する航平。しかももともと航平が特許を得ていたものを、逆に「侵害された」と訴えられた形。そうです。いちゃもんをつけられてお金を取られそうになっています。それどころか航平の夢と情熱をかけたロケットエンジンの技術まで…!

それは大手企業であるナカシマ工業の常套手口だそう。なんとかその訴えを退くことはできるものの時間がかかるとのこと。残念なことに主要取引先からの解約を申し入れられた佃製作所の資金では、無実を証明する以前に、裁判するお金がなくなってしまうであろう事が予想されました。

残された期限はあと1年。しかし…

資金的にもギリギリの佃製作所。ナカシマ工業は航平の技術を奪うだけでなく、それを元にロケットのエンジン臨床試験を突破してしまいます。

航平は特許技術をナカシマ工業に渡し、和解案を受け入れる事を決意します。

しかし、従業員の熱い思いに助けられ、戦おうと思い直します。

全てを賭けることになる、一か八かの勝利案。それは「逆訴訟」

相手の卑劣なやり方を許さない。銀行に見放されようとも取引先から見捨てられようとも絶対に屈したりなんかしない。「どんな難問にも必ず答えはある」そう信じる航平に未来はあるのか…。

どんでん返しが繰り返されていて2時間スペシャルだったにもかかわらず、中だるみせずに観ることができました。見逃した方はホームページより見逃し配信をcheck!

【ネタバレ】第2話

大変な理不尽に合い、窮地に追い詰められた航平達は戦う事を決意しました。今回のお話はかなり胸がスッとする話でしたね。こころなしか半沢直樹を彷彿とさせる素敵な展開でした。

資金繰りで四苦八苦していた航平達の前に、帝国重工という企業が20億で特許を譲ってくれと申し出ます。ロケットの打ち上げが成功したこの企業、新たに開発したバルブシステムの特許を出願しようとしたところ、すでに佃製作所が先に特許を持っていたのです。

資金に首が回らない航平にはこの申し出は、疑いようもない救いの手でした。しかし、彼らが作ったエンジンには彼らの夢や技術者達の誇り、そして熟考した時間や経験がすべてつまっている大切なもの。「売ってはいけない」という社員と「すぐに売って会社を立て直してくださいよ!」と迫る社員。

二つの勢力に押されて悩む航平。しかし、航平は腕を怪我していた娘が、必死に頑張って航平のシャツにアイロンをかけている姿を見てハッと気付きます。「このアイロンを考えた人たちの熱意が叶ったからこそ今、娘の愛情に気づくことができた」。航平は娘の頑張る姿はもちろんですが、アイロンを考え出した技術者に感謝の念を抱くのでした。

裁判当日。押され気味であった航平達ですが、「技術とはお金ではない。技術者達の魂がこもっている」と反論します。心の中にある思いをすべて吐き出した航平。「たとえ特許を奪われたとしても屁でもありません。技術は奪われない!」その言葉に裁判長の心もつかまれます。

平和的な和解を勧める裁判長。結果的な勝訴となった航平。お金が入ってくるとわかった瞬間あれだけ見下してきた銀行がすり寄ってきて頭を下げてきました。そこにガツンとやり返す航平。

朴訥な阿部さんがかなり良い味を出していますね。そして池井戸潤さんの作品らしい、胸のすくような清々しさを覚えた回でした。来週、航平達の夢はどのようにうごくのでしょうか。楽しみでなりません。

【ネタバレ】3話

事実上の和解で会社の危機を脱した航平。低迷していたステラエンジンの受注も元の波に乗ってきました。帝国重工の財前道生が「特許使用権で技術を使用させてくれ」と申し出ました。それを受ければ何もしないで大金を稼ぐ事ができ、会社は安泰。誰もがそれを受けると思っていたのですが航平はそれを拒否。「部品供給をしたい」と持ちかけます。つまり部品を自社で作り、それを相手へ売る下請けとしての契約を要求したのです。

それに驚いたのは財前だけではありあませんでした。社内の人間の間でも分裂が起こります。「ただでさえ忙しい納期なのに、社長の夢ばかりで社員の事は何も考えていない!」と腹を立てたステラエンジンの技術者が、だんだんと離れていきます。その噂をききつけた他社が引き抜きの話を持ちかけます。

そんな中、財前が部品供給の話を断りに来社しました。航平は財前を社内へ招きいれ、いろいろな部署を見学させます。そしてエンジン製作の工程を全て手作業でやっていると明かすのです。

それに驚いた財前。手作業の方がズレが少ないと語る航平の話とエンジンの詳しい資料に目を通すと、なんと自社で100億もかけて製作したバルブシステムよりも高い効果を得ている事に気付くのでした。

自社より高い技術を持っている…!そう確信した財前は、「部品供給」で話をつけるため、自社へ急ぐのでした。

一方、航平の家の中でも異変が起こっていました。娘の利菜が「友達の会社を助けて!」と航平にもちかけたのです。「1億貸してあげて!」。友達の一家が事業に失敗。転校が決まってしまったといいます。しかし航平はその話を却下。「人に恵んでもらったお金ではなにも解決しない」と娘に伝えますが、娘には伝わらず、「自分さえよければいいと思ってるんでしょ!」と怒らせてしまいました。

次回、帝国重工の視察が佃製作所に訪れるようです。そして利菜と航平の間の問題も急展開を迎えそう。まだまだ航平は落ち着く事ができなさそうです。

【ネタバレ】4話

帝国重工との部品供給に関して社内でモメてしまう航平達。同時に娘の進路の問題で「お父さんは人を振り回してばかり!」と怒りをぶつけられてしまい、仕事もプライベートもうまくいきません。

一方、帝国重工側も部品巨級ではなく特許使用権の方向をまだ諦めてはいませんでした。

水原とい男性を差し向けて、部品供給におけるテストと称し、視察をおこない無理難題を航平達におしつけたのです。そのテストはまさに「落とすためのテスト」。とうてい無理な要望だったのですが、航平達は諦めず、テストの課題を提出します。もちろんダメだしの嵐。そして追加で莫大な量の資料を提出するように要求されるんでした。

お前達には無理だろうと、言葉外に表されています。

赤字の会社は無理だ、こんな小さな会社に高精度のクリーンルームは必要無いなどと、いちゃもんをつけてくるのです。

しかし航平達は「絶対に負け無い。やってやろう!」と夜遅くまで力を合わせて頑張って、資料の提出を間に合わせました。そこにまたもいちゃもんをつけようとする水原。そこに正論で立ち向かう佃製作所の社員達、といった構図で攻防が続きます。

そしてついに、あまりに失礼な発言をした水原に、「あなた達は何か勘違いされていませんか」と経理部長の殿村が静かに言い放ちました。

「下請けの立場で何を生意気な!」と激昂する水原に、「うちのバルブがなければスターダスト計画は頓挫するのではないですか」「うちの技術力や努力を理解できない企業にはうちの大切なバルブシステム、そして特許をお預けすることはできません。この取引はうちの方からお断りします!」そう言ってのけました。

思いがけず断られてしまった水原は「これは一般論だ」とうろたえ始め、うやむやにして帰って行きました。

ホッとしたのもつかの間、提出部品の中に不良品が混じっていたという報告を受けます。そしてそれは事故ではなく、故意に混ぜられたものだと判明するのです。そして犯人は真野という社員。彼は航平達のやり方に納得していなかったのです。

急いで正式なものを届ける航平達。彼らの誠実な対応が評価され、なんとか丸く収まりましたが、航平の夢への道はまだ波乱に満ちているようです。

【ネタバレ】5話(ロケット編完結)

ロケット編いよいよ完結です。野球中継が延長され1時間半遅れてのスタートとなりました。野球は日本が勝利を収めたので、テンションが高いままドラマへ入った人も多いはず!

佃製作所のロケットエンジン試験が実行されました。しかし、なぜか実験は失敗。原因を調べてみるとどうやら佃製作所が作成したバルブが作動しなかった模様。「やはり部品供給なんて無理だ!」という帝国重工に対して「御社のシステムも見直させてください!」と頭を下げる航平達。財前の口添えもあり3日間自由に調べてもいいという許可がおりました。

どうしても自分達のバルブシステムに問題があったとは思えない。そこでバルブを切断し中を見てみると小さな傷が付いている事に気づきます。バルブにはガスを供給している配管がつながっており、その配管の中にも無数の傷が…。帝国重工が作ったフィルターに細かな粒子がついており、それがガスの排出と共に配管を通りバルブへ。イレギュラーな異物混入のため、バルブシステムが誤作動を起こしたというのが事の真相だったのです。

これまで佃製作所を弱小企業だ力のないちっぽけな会社だのとののしりケンカを売ってきた社員も自分達のミスと判明し混乱します。疲労困憊の航平達に頭を下げ謝罪するのでした。

「一緒に力をあわせませんか。…純国産のロケットを打ち上げるという夢を一緒に叶えましょう!」そう力強く発した航平の言葉に、壁を作っていた帝国重工の社員達も拍手喝采します。初めて佃と帝国重工が結束した瞬間でした。

財前の努力もあり、正式にバルブシステムの納入が決まった佃製作所。ついにロケット打ち上げ本番を迎えます。

種子島宇宙センターの外からロケットを見守る航平達。前回は発射管理室から見ていたのですが、今回は外から見るようです。トラウマでしょうか…。

ロケットは無事大気圏を突破。宇宙空間へと射出され軌道に乗りました。航平の電話に財前より成功の報告が入って初めて、皆手と手を握り合って喜びました。

下町ロケット、航平の夢「ロケット編」は今回で完結です。次回はなんと医療業界!「人工心臓ガウディ計画」が始まります。舞台はどうやら利権絡まる泥沼のようで、またしても航平達に苦難がふりかかりそう…! 彼らはロケット編のように、熱意とチームワークで乗り越える事ができるのでしょうか。楽しみですね。

【ネタバレ】第6話(ガウディ計画偏 始動!)

ロケット打ち上げから早3年。業績を伸ばしてきた佃製作所は精密機器メーカー最大手の日本クラインより、ある部品の開発依頼を受けます。それは動作保証が90日という高難易度の小さなバタフライバルブの作成でした。高度な技術の割に依頼単価が安く、更に何の部品かも教えてもらえないまま「作れ」と言われる航平達。気乗りしないまま作ってみたものの。あっさり却下。設計図が変わったから作りなおせと言われます。

前回の試作品に投じた資金の回収が見込めないばかりかもう一品作るなんて赤字もいいところ。怒った航平達はそのまま席をあとにしました。

実はこのプレゼン大会は出来レースである可能性が高く、サヤマ製作所が勝つように予め話をつけていた可能性が浮上しました。

実はサヤマ製作所の椎名という人物に、航平は会っていました。久しぶりに財前に招かれてパーティーに出席した際、「NASA出身のサヤマ製作所の社長」として紹介を受けていたのです。その時はこんな形で再会するなんて思っても見なかった航平。

社に帰り、とりあえず改良案としての設計を作ってみる設計士の山崎。完全なお遊びでしたが、航平達の気は済んだようです。…実はそのデータを注意深く見つめている男が1人…。その男は中里という名で、かつての真野のように佃製作所のやり方に納得がいっていない1人でした。

彼は航平に辞表を叩きつけます。そして転職先はなんとサヤマ製作所。しかも山崎が設計した「バルブの改良案」のデータを盗みだした上、「自分が設計した」と嘘をつき、入社の足がかりにしたのです。

入社後に困ったのは中里本人。「動作保証を120日に伸ばしてほしい」と社長の椎名自ら依頼してきたのです。「しかしこの設計書は…!」設計書を盗みだしたなんて口が裂けても言えない中里。口ごもる彼に椎名は言います。「君はあの設計書を作ったんだ。必ずできるさ」と。こうして中里は袋小路に追いつめられてしまったのでした。

そんな中、ロケットエンジン計画偏で航平のやり方についていけないと会社を後にした真野が、新しい上司を連れて佃製作所を訪ねてきます。彼は航平の力添えもあり、医療機器の部品を作る株式会社サクラダに就職していたのです。

冒頭で航平に直筆の手紙を送っていた真野。会社を裏切るようなひどいやめ方をしたにもかかわらず暖かく迎える社員たち。そして真野は改めて航平に深々と頭を下げました。

真野は「心臓弁膜症に苦しむ子どもたちを救う新しいバルブの制作に力を貸してほしい」と航平に頼みに来たのでした。

一度は断った航平ですが、真野の熱意に負け、株式会社サクラダへ一度視察へ行くことに。すると社長のサクラダから心臓弁膜症で亡くなった愛娘の話を聞き、桜田の夢を聞きます。「自分はもう娘のためにしてやれる事がないけれど、娘と同じ病気で苦しむ子供達を助けたい!」そう涙ながらに語る桜田に触発された航平は彼らの夢に力添えをする事を了承しました。

新たな人工弁の名前は「ガウディ」サグラダファミリアの建築士アントニオ=ガウディにちなんだものなのか、それとも他の意味があるのかは定かではありませんが、次の航平達の夢は「ガウディ計画を成功させること」にシフトしました

しかしこのガウディ、先刻試作品を制作したバタフライバルブよりもはるかに難易度が高いもの。更に医療機器なので失敗したり不良品が出てしまった場合に多額の慰謝料をかけた訴訟へ発展するリスクがある、まさにハイリスクハイリターンな代物。

果たして航平達の運命はいかに…。彼らの試みが成功すれば沢山の子供の命が救われるのでぜひとも成功してもらいたいものですね。

ちょっと複雑でむずかしくなりつつある第一話。見逃した方はTBSの見逃し配信、もしくは公式ダイジェストでチェックすることをオススメします!


【ネタバレ】第7話

心臓の人工弁は従来アメリカ製のものばかりが商品化されており、純日本製の弁はないというのが現状だそう。なので、身体の小さい子供たちには合わないのだとか。公平達は「子供たちの笑顔と未来のために」純日本製で子供の身体に合う人工弁の開発を計画しているのでした。

今回、開発チームに「立花洋介(竹内涼真)」「加納アキ(朝倉あき)」「鈴木健児(堀井新太)」が選ばれます。この3人が一丸となって、新しい人工 弁を作成することが決まりました。

しかし試作品の承認には大きな壁が3つありました。ひとつは技術面・ふたつめは資金・そして最後は認可の問題です。日本の医療品は「pmer」という機関の承認を受けた後に厚労省へ提出され審議されます。そのpmerの審査会までに残す所2週間となっていたのです。

この人工弁の発案者の心臓外科医「一村」は以前、貴船という男性にアイディアを奪われており、今回も人工弁の事を嗅ぎつけてきた貴船が一村に「協力」を申し出ました。もちろん自分の名前で発表するため。彼はそれを断ります。

するとなぜかpmeaの承認が降りなくなってしまいました。なんと審査員の滝川という人物に貴船の息がかかっており、彼が邪魔をしていたのです。

なんくせをつける滝川。ただでさえ時間が惜しい佃製作所側に「会社概要の作り直し」を命じます。株式登録もしていない中小企業が医療部品を作るなんて甘いというのです。大きな訴訟があった時にどうにもできないだろうと話す滝川は、しきりに「貴船先生に相談しなさい」とすすめるのでした。

また、開発チームにも問題が起こります。なかなか実験が上手く行かないのです。納得が行く試作品ができたとしても、どうしても「血栓が出来てしまう」という問題をクリアすることができません。

しかし、この血栓は「薬を飲む」という方法で解決できる問題。水準的な部分ではまあまあなところまで行っているのですが、立花達は「薬は一生飲まなければならないし、飲み忘れた時に命にかかわる」と言って「血栓の発生がない人口弁」を作る事を目指します。

更に高みを目指すなんて素敵ですね。しかし、やはり技術的に難しい部類に入る人工弁。なかなか上手くいかず「もう無理だ」と弱音が出てきます。

そんな3人を、航平は一村の病院へ連れて行きました。そこには手術を控えたケイタ君という少年がいました。彼は「友達とサッカーをしたい」という夢を抱いており、それを叶えるために手術に望むといいます。しかし、彼の心臓にはやはり外国製の人工弁は大きすぎ、所定の位置とは違う場所に取り付けることになりました。機能的には問題はありませんが、やはり小さな子どもには適合しない製品という事が分かります。

さらに、ケイタ君はたまたま人工弁をつけることができましたが、同じ病室の子供たち全ての子が適合するとは限らず、やはりサイズが合っていないために手術ができないという子供が多いようでした。

そんな現実を目の当たりにし、手術の見学までさせてもらった航平と開発チームの3人。人工弁が取り付けられ、心肺機能が回復する時瞬間まで見届け、「彼らの為に俺たちができることを精一杯しよう」と決意を新たにまた実験に戻るという姿が、涙をさそいました。

さて、第2回目のpmeaの会議が始まりました。しかし結果はNG「大企業の後ろ盾がない」というのです。航平は「後ろ盾があればいいのですね」と念を押します。滝川は「貴船先生にご協力を頼みなさい」と譲りませんが航平は「信頼できる所に任せたいので」とキッパリ断りました。一村の事を思っての決断ですね。

果たして、後ろ盾になってくれるような大企業が見つかるのでしょうか。次回の展開も楽しみですね。

【ネタバレ】第8話

佃製作所が帝国重工納品しているロケット部品。そこに突如サヤマ製作所が飛び込んできました。「自社製品でロケットを」と願っていた帝国重工に「協力開発」を申し出たのです。

協力開発なら帝国重工の「すべてのパーツを自社製品で」という理念にもマッチします。帝国重工側はぜひともサヤマ製作所と共同開発に持って行きたい所。一方佃製作所にとっては帝国重工にロケットエンジンの納品を断られてしまったら、「ロケット品質」を名乗れなくなります。

二社の社運をかけたコンペが開催されました。

技術面では佃の圧勝だったコンペですが、やはり「企業側の大人の事情」によりサヤマ製作所の勝ちとなりました。勝負に勝って試合に負けたといった形になった佃製作所。航平も含め、皆涙をのみます。「悔しい!」そんな思い出いっぱいです。

同時進行していた「ガウディ」ですが、資金が底をついた上に、「バックアップしてくれる大手企業」も見つけられずにいました。航平は帝国重工の財前にそのあたりをつけていたのですが、コンペに負けてしまった以上打つ手がなくなってしまいます。

エンジンに入ってくるバルブを粉砕する「シュレッダー」を開発していた佃製作所。この技術はガウディにおける「血栓の除去」にも役立てる事ができる素晴らしい技術なのですが、製品化する手立ても同時に失われてしまった事となり、佃製作所は経営的にも窮地に立たされます。

そんな中、貴船達が手掛ける「コアハート」の臨床試験が始まりました。臨床試験とは実際に病気で苦しんでいる人に製品を使用し、正常に動くか、市場に出しても大丈夫かどうか試すという最終テストのようなものです。

もちろん、臨床試験に移るまでには何度も何度も試験をし、「99%間違いがない」という状態でのテストとなります。手術で人工心臓コアハートを設置した貴船達。上々な検査結果に気が緩んだ貴船は弟子の巻田に全てを任せ、一人現場を離れてしまいます。その肝心の巻田にも、自分の代わりに学会へ行くように指示してしまいました。

その夜、まさかの急変。コアハートを入れた患者が心停止を起こしてしまったのです。急変の連絡が貴船の携帯に入ります。タイミングが悪い事に現場には研修医しかいません。

連絡を受けた巻田がいち早く手術室へ到着します。なんと研修医は人工心臓の患者に電気ショックを与えようとしていました。「やめろ! その患者は人工心臓をつけているんだぞ!」と、寸前で阻止する巻田。しかし状況は最悪のものでした。

続いて到着した貴船。その時はすでに患者は死亡していました。「この…馬鹿者どもが!」大声で罵倒する貴船。臨床試験の失敗は、「その商品は市場へ出すことが出来ない製品」という証明になってしまいます。そうなると研究に費やした莫大な費用が無になるだけでなく、更に改良する為の研究・制作費がかさみます。

更に「臨床試験失敗」という汚名はなかなか消えるものではなく、貴船の名誉に関わるだけではなく、商品自体の封印も視野に入れなければならず、最悪、今回死亡した患者の遺族から莫大な金額の賠償金を請求され、スポンサーを失うという結果にもなりかねません。

となると取れる手立ては一つだけ「コアハートには何の問題もなかった」と事実を捏造する事だけとなります。

「医療機器」の現場にあってはならない裏切り行為ですが、自身の名誉を守るためその禁断の手段を実行する貴船ですが…。次回、衝撃のセミファイナル!

【ネタバレ】第9話

ついに自分の身を守る為に葛西に全責任を押し付けた貴船教授。「人工心臓だとは知らなかった研修医の初期手当が適切でなかったため、被験者の死に繋がった」と結論付け「責任者は君だっただろう」と全ての責任を押し付けられた葛西は実質「切り捨て」に遭ってしまいました。彼はジャーナリスト咲間にリークを試みます。葛西は「コアハートに問題があったのではないか」と考えていたのです。

そして話が進むに連れ、やはり「コアハート自体の欠陥」の線が濃厚になってきました。そして佃製作所から人工弁の設計図を盗んでサヤマ製作所へ入社した里中の策略も、航平達が突き止めました。「自社の設計図を盗みだしたのも問題だが、まだ完成していないあの設計図を完成した体で提出したのだとしたら」航平達の頭に最悪の事態がよぎります。

今回のコアハートのように、第二の犠牲者が現れる事は火を見るよりもあきらかだからです。航平達は咲間と協力して、この闇を暴くことにしました

時を同じくして「なんとしてでも子供たちの心臓病を治したい」そう祈念して頑張ってきた航平達の「ガウディ」試作品が、ついに完成します。不眠不休で頑張り続けたスタッフの願いが叶い、かなりの好成績で200時間耐久という品質をつくり上げることに成功したのです。

手を取り合い、涙を流して喜ぶ航平達。pmerでの発表も期待できそうです。そこには貴船と癒着している滝川がいますが、航平には考えがありました。

ジャーナリストの咲間に頼み、彼が貴船と一緒にキャバクラで飲んでいる写真と、「ガウディ計画なんて捻り潰してやりますよ!」と豪語する滝川と貴船の会話を録音したものを手に入れていた航平。その証拠をpmerで滝川にたたきつけました。

証拠が功をなし、滝川はガウディ計画の審議から外されました。更に試作品の素晴らしさを他の評議員が認め、どうやら軌道に乗り出した様子。そして椎名と会い、里中の計画書盗難の疑惑を直接尋ねますが、返ってきた言葉は人をバカにした、命を命と思わない卑劣な言葉でした。

「絶対あんたを丸裸にして暴いてやる!」怒りに震えながら宣言する航平

さて、次回は最終回です。一体どのように決着がつくのでしょう。見るものをスカッとさせてくれる展開が望まれますね。また、ガウディは子供たちの命を救う希望の光になってくれるのでしょうか。お見逃しなく!

【ネタバレ】第10話・最終回

pmeaの面談も無事突破した航平達。しかし「ガウディ」を一番必要としている小児患者聖人君の容体が芳しく無く、ガウディの臨床試験が急がれます。

そんな中、コアハートの耐久性に疑問を持っていた里中が、独自にデータ管理事業部の月島に依頼し「コアハート」の試験結果を見せてもらう事に成功しました。「1回しか使えないパスワード」で厳重に管理された「コアハートの臨床試験データ」は脅威の成功率でした。

理想的で美しい数字の羅列に息を呑む里中でしたが、一緒にデータを観ていた横田(バカリズム)は「これは出来過ぎていないか」と疑問を投げかけます。

あまりにも非現実的な数値の羅列に首をかしげる横田。彼は里中が去った後、里中のPCからそのデータをダウンロードし咲間の元へ秘密裏に届けました。

咲間から臨床試験データを見た航平達は、コアハートの臨床試験データは、実験結果を改ざんされたものだという結論を出しました。未完成の品を臨床試験に上げていたのです。その非人道的な行いに立腹した航平は、ついにその事実を世界に公表し、自分も椎名と直接対決する決意を固めたのでした。

里中に直接会い、「お前は技術者として胸を張れるのか」と尋ねる航平。里中は「社長は自分が設計図を持ちだした事を知っている」と気づきます。しかし、素直に謝ることも出来ずにその場を後にしました。

週刊誌からその事実を公表される事が決まった日、航平は発売予定の週刊誌を持って椎名の元へ行きます。そして「お前がしている事は間違っている!」と説きました。「60%の成功率をあなたは高いと見ますか? 低いとみますか? 60%を低いと感じた場合助かるはずだった60%の命も諦めることになるんですよ」としたり顔で反論しました。

しかし、コアハートの欠陥・そして臨床試験データ改ざんは明日公にされる事が決まっています。「お前がやったことは60%の人を救うこともできないし、コアハートに関わっていた全ての技術者達の夢を壊す事に等しい!」と怒りをぶつけました。

その言葉にぐうの音も出ない椎名。現に、帝国重工はもうサヤマ製作所のバルブではなく佃製作所のバルブを採用すると意見を覆していました。そして白黒つくまではサヤマ製作所との取引は現行凍結すると宣言したのです。

翌日、捕まった椎名と貴船教授、そして様々な事実が明らかにされ、彼らの再起は絶望的となりました。

三年後…。再びロケットの打ち上げ現場に航平の姿が。またも佃製作所のバルブエンジンが搭載されたロケットが打ち上がるのです。無事に打ち上がったロケットを見送った後、「社長!」と声をかける人物が。それは出所してきた椎名でした。彼の手には新しいバルブエンジンが握られています。

「これは御社の製品よりも30%品質が向上しているエンジンだ。今度はコレで俺が勝つ!!」

事実上丸裸となった椎名が心を入れ替え、今度は「技術での真剣勝負」を航平に挑んできたのです。「受けて立つ!」と言った航平の目は燃えています。彼らの戦いはこれからも続く! という終わり方でしたが、かなりの視聴率をたたきだした「下町ロケット」。なんとこの日の最終回、本編の前にスペシャル解説を踏まえた「総合6時間スペシャル」だったという事実に、ただただ驚くばかりです。

視聴率

第1話『ジャパン・ドリーム感動物語の誕生!! 中小企業が大企業に勝負! 涙…! 夢とプライド』…16.1%

第2話『池井戸潤・直木賞受賞作〜娘の愛で20億買収の危機を救えるか 15分枠大SP』…17.8%

第3話『池井戸潤・直木賞受賞作〜新たな敵・帝国重工が牙をむく!』…18.6%

第4話『池井戸潤・直木賞受賞作〜反撃開始!下請けの屈辱をはらせ!!』…17.1%

第5話『池井戸潤・直木賞受賞作〜ロケット編完結 涙と感動の打ち上げ』…20.2%

第6話『池井戸潤・直木賞受賞作続編〜NASAからの刺客!医療編へ』…17.8%

第7話『池井戸潤・直木賞受賞作続編〜反撃開始!!町工場vs医療の野望』…17.9%

第8話『佃&財前、まさかの敗北…逆襲を狙え!!』…20.4%

第9話『最終回前15分拡大!!財前失脚…佃vs椎名!技術は嘘をつかない』…20.4%

第10話『裏切り者は許さない日本のプライドを持て! ロケットの夢・人工弁の夢を打ち上げろ!!』…22.3%

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