「シティーハンター」のパラレルワールド作品の実写化『エンジェル・ハート』

更新日 15/12/08 12:42

ドラマ「エンジェル・ハート」まとめ

香はリョウとの結婚式直前で死んでしまう
キャスト
スタッフ
【ネタバレ】第1話
【ネタバレ】第2話
【ネタバレ】第3話
【ネタバレ】第4話
【ネタバレ】第5話
【ネタバレ】第6話
【ネタバレ】第7話
【ネタバレ】第8話
【ネタバレ】第9話・最終回
視聴率

香はリョウとの結婚式直前で死んでしまう

大人気ハードボイルド作品「シティハンター」のパラレルワールド的作品として描かれた「エンジェル・ハート」のドラマ化の今作品ですが、その世界観の中ではシティハンターのヒロインである香がリョウとの結婚式前日で死んでしまう…というもの。

かけがえのないパートナーを失ったリョウの前に現れた本作ヒロインの香瑩。彼女は香の心臓を移植された人物だった。香の心臓のおかげかりょうに対して親近感がめばえはじめる香瑩。

まさかの前作ヒロイン死亡から始まった、新たなシティーハンターの世界ですが、ハードボイルドな仕掛けやサスペンス感は健在です。人間同士の心のふれあいをテーマに描く複雑な人間ドラマは期待大。

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キャスト

冴羽獠…上川隆也

香瑩（シャンイン）…三吉彩香

槙村香…相武紗季

劉信宏（リュウシンホン）…三浦翔平

ファルコン…ブラザートム

ドク…ミッキー・カーチス

カリート…和泉崇司

ホーリー…山寺宏一

モッチー…ゴリ（ガレッジセール）

小宮山忍…高橋努

智…斎藤めぐみ

ロッコ…戸塚純貴

ミキ…渡邊このみ

野上冴子…高島礼子

李堅強（リジィエンチャン）…峰雷太

スタッフ

原作…北条司

脚本…高橋悠也

音楽…金子隆博

演出…狩山俊輔・鈴木勇馬

プロデューサー…次屋尚・千葉行利・宮川晶

チーフプロデューサー…伊藤響

日本テレビ・毎週日曜・22:30〜23:25

週間少年ジャンプで描かれたハードボイルド作品「シティーハンター」のパラレルワールドとして発表された「エンジェル・ハート」。この作品の発表には壮絶なドラマがあったようです。

週刊少年ジャンプという誌上では、異作であった「シティーハンター」。劇画チックな作風に好みが分かれ、少年誌という特性もあり、紙面よりもコミックの方が人気だったとか。順調に連載を続けていたものの、編集部で色々と悶着があり、突然の「打ち切り」。冴羽獠と槙村香の恋愛もこのまま続く…といった形で、突如終わってしまったようなのですが、作者である北条司氏は「描ききれていない」という思いを常に持っていたそう。

そこでスピンオフ作品として誕生したのが「エンジェル・ハート」だそう。また獠と香が見れる！と根強いファンは歓喜に沸いたようです。二人の恋の行方が気になっていたファンたちの期待通り、エンジェル・ハートの世界では獠と香は婚約していました。

しかし、喜びもつかの間。本作では香が交通事故で脳死、事実上亡くなってしまうというストーリーだったのです。香の心臓を移植された香瑩と獠が出会い、新たな相棒としてタッグを組む…。ドラマでもこの設定のまま進行していきました。

【ネタバレ】第1話

獠役の北条司さん。結構なハマり役ではないかと感じましたが、皆様はいかがだったでしょうか。香役の相武紗季さんも、サバサバした性格と時にキツくしかし優しい眼差しがピッタリだったように感じます。ネット上でも意見が分かれていたようですよ。

実写で再現されたシティーハンターの世界ですが、初回は獠と香のコンビネーションや人物相関図が簡単に描かれており、またバトルシーンもしっかりと再現されていて、世界観が構築されていました。冴羽獠は、ずっと影の世界で生きてきたため、戸籍も名前もありません。この冴羽獠という名前も、看護婦をしていた香がたまたまつけたもの。

つまり結婚するといっても獠には入れる籍すらないのです。そんな折せめてもとウェディングドレスを着たいと願う香。仲間たちにも勧められますが、全身白のタキシードがどうしても嫌な獠は断固拒否します。

その時受けた依頼の中で「好きな人を思う心」に心打たれる獠

香に「タキシードを着てもいい」と告げるのでした。

香が亡くなるのはこの直後です…。ウエディングドレスのカタログを見ながら道を歩いていた時、サッカーボールが車道に飛び出します。そしてそれを無心で追いかける幼い男の子に向かってくるトラック。思わず飛び出した香が、間一髪助け出しますが、対向車線から来た乗用車に香が轢かれ、脳死状態となってしまいます。

臓器提供の意思カードを持っていた香。獠に手紙を書いていた

意思カード通り臓器を提供する香ですが、その心臓が盗まれてしまいます。落胆する獠。

それから1年後…話が動き出します

香の心臓を移植された香瑩。彼女は闇の組織で「グラスハート」というコードネームで暗躍していましたが、優しすぎる心根により、自分で命を絶ってしまいます。しかし、組織の力で延命された香瑩。香の心臓を移植され、命をつなぐのでした。

目が覚めた香瑩は、組織を抜け出し運命的に獠に引き寄せられていきます。そして喫茶キャッツアイで出会う二人。香瑩が口にした秘密コード「XYZ」で獠が依頼を引き受けるといった扱いになり、香瑩を守り、二人は一緒に行動することになったのでした…。

香が香瑩の中で生きているという描写がせつない

香瑩は、秘密コードを無意識に口にしたり、香の記憶を思い出すたびに混乱します。そして獠と出会った時に自然と流れる涙。獠も香の存在に気づいているようで、場面的に2人だけれど香が混在しているという描写が目立ちました。

獠は香瑩とどのような関係を築いていくのか、今後も目が離せませんね。

【ネタバレ】第2話

香の心臓を持った香瑩。物語が動き出した第2話ですが、直前の番組「おしゃれイズム」に上川降也さんがゲストとして出演されていましたね。そのままの流れでｴﾝｼﾞｪﾙﾊｰﾄを視聴したという方もオオそうです。

第2話では獠と香の出会いを中心に展開されました。小さな診療所に運び込まれた獠を献身的に看護する、看護師の香。彼女は身元も分からない獠に「死んでも泣いてくれる人がいないなんて思わないで…」「私はあなたが死んだら悲しむ」といったセリフを言います。その言葉が獠の心に突き刺さり、彼女の兄（彼が元祖ｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰなのです）の相棒になる事を決意するのです。

「香を泣かしたくない」その為だけにｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰになるという事を決めた獠

警視庁に籍を置くかたわら法律が届かない悪の存在を成敗するｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰとして暗躍していた香の兄は、ついに敵に殺されてしまいます。

遺体安置所で号泣する香。「香を泣かせてしまった」獠は自分の無力さに苛まれ罪悪感に包まれます

「私が兄貴の代わりにｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰになる」そう決意表明する香。こうして獠と香がタッグを組んで新しいｼﾃｨｰﾊﾝﾀｰが誕生しました。

XYZって、もう後がないって意味なんじゃないの？

依頼の為の暗号のコードの意味を推測する香。後がなくて困っている人の力になれるように、そして自分たちを受け入れてくれた街に恩返しできるようにという思いが強いようです。

エンジェルハート

【ネタバレ】第3話

公園で絵本を読んでいる幸福の少女ミキと出会う海坊主。目が見えない海坊主に優しく絵本を音読してくれるミキに惹かれ始めた海坊主は毎日会いに行くようになります。ミキはどう見ても小学生ですから、海坊主はかわいい孫を見るような、もしくは年の離れた子供を見るようなそんな類の愛情を抱いていたと思われます!　海坊主のビジュアルがビジュアルなので、ちょっと犯罪臭がただよいますが大丈夫です。

ミキは母親が失踪してしまい、廃墟で母の帰りを待っているという悲しい過去を持っていまし。「人に優しくしなさい」と教えた母。その母の教えを守り、母が帰ってこない家で一人、失踪した母親を待っていたのです。

実はホームレスの話から母の死を知っていたミキ。

病気がちの母親は、日雇いの仕事場で倒れて亡くなってしまったようです。海坊主はミキを引き取り、育てることにしました。ミキのお母さんはミキの心の中に居る。そう信じて明るく毎日を生きようとするミキでした。

今回まではあまりハードボイルドな雰囲気が出ていなかたエンジェルハートですが、次回から、やっとリョウがシティーハンターを再開するようです。スピーディーな展開やハラハラするようなアクションが見られるのか、楽しみですね。

【ネタバレ】第4話

今回は心臓の移植に関するストーリーでした。シティーハンターを再開したリョウの元に依頼人が訪れた。高畑という男性だ。リョウは女性ではないことにガッカリ。高畑は最近売り上げを急激に伸ばしたIT会社の社長。彼の依頼は15年前に心臓を提供してくれた家族を探す事。しかも高畑には心当たりがあるという。街で出会った高級クラブのホステス綾音だ。「彼女と街ですれ違った時に心臓がドクンと高まった」というのです。

彩音と同伴をする高畑は、まだあったばかりの彼女の好き嫌いを知っていました。そして綾音の姉だけが知っていた「あーや」という呼び名で彼女を呼んだので驚きます。なぜその呼び方で呼んだのかと聞く綾香でしたが、高畑は無意識だった様子。その時高畑は心臓発作に見舞われ倒れてしまいます。

高畑の命は長くない…。その前に、どうしても心臓をくれた相手の家族に会いたいと思っていたと話します。

シャンインは、高畑の「心臓が家族を呼ぶ」という話に共感を覚えます。心臓の中に香の人格を有しているシャンインには、高畑の話が身近だったのです。

登山の途中に崖から転落した姉を助けられなかった綾音。彼女は姉を助けられなかった事をずっと悔いていました。はじめは高畑の話を信じなかったものの、心臓に姉が生きていると気づきます。手を伸ばしたその瞬間、高畑が致命的な発作により、目の前で倒れてしまう。

ICUで横になっている高畑が「あーや、生きて」とつぶやきます。

綾音は高畑の中に生きる姉が、高畑の命が残り短い事を知り、自分にこの言葉を伝えるために行動を起こしたのだと悟ります。そして夜の仕事を辞めて、実家へ戻り、前向きに生きる事を決意するのでした。

今回は少しアクションシーンがありましたね。シティーハンター再開、出だしは上々のようです。

【ネタバレ】第5話

今回はシティーハンターを再開したリョウとシャンインが大活躍しました。組織レギオン所属であり、シャンインの命を狙っていたけれど、いつの間にかシャンインを好きになってしまって組織を脱退したシンホン。彼の元仲間であるパイランという女性が彼を訪ねて喫茶キャッツアイに訪れた事から話は始まります。

パイランはレギオンの命令で早川という男性の元へ暗殺任務に赴いていますが、早川はパイランの命の恩人。どうしても彼を守りたいと思うのですが、事態はうまくいきません。そんな様子を見かねて手を貸すリョウとシャンイン。そして強力なサポートによって無事早川を助け出す段が取れるのですが、最終的には早川は自ら死を選び、シャンインは早川に守られる形で組織を脱退する事に成功。彼の分まで幸せに生きる…というラストでした。

シティーハンター再開によってアクションシーン満載の今回の話でしたが、「血のつながりのない人々の愛情」がテーマになっていたようです。前回は心臓が移植された人に持ち主の人格が語りかけるシャンインと香を意識した話。そして今回は血の繋がりがないものの、親子の絆を有した早川とパイランの話。そして次回は香の兄を殺した犯人との対峙となるようです。

【ネタバレ】第6話

今回は冴子に焦点が当てられました。香の兄、槙村の命日に墓参りに来た冴子は、槙村を殺害した犯人から挑戦状を受け取ります。

槙村の死の原因は冴子のストーカー遠山をおびき出す囮作戦にありました。冴子に近づく男性を殺していった凶悪な遠山は槙村の命と引き換えに逮捕されましたが、なんと彼はまだ未成年。少年院に入れられたのですが脱走し行方をくらましてしまったのです。

遠山は冴子に挑戦状を送った後シャンインを狙うべく姿を現します。しかしシャンインは無意識に彼に拳銃を向け、殺害しそうになりました。胸の鼓動により発砲は免れましたが明らかに自分の意思に反した行動にシャンインは戸惑います。

「香…お前はどうしたい？」

実の兄を殺害した遠山を前にした香は一体何を思ったのでしょうか。もちろんリョウの問いかけに答える者は居ません…。

しかし遠山は腎臓病で末期の状態。心酔していた冴子に自分を殺してほしいと願い、凶行に及んだのでした。「撃てよ！」と叫ぶ遠山に対立する冴子。恋人の仇を取る絶好のチャンスでしたが彼女は彼を殺すことはしませんでした。

「あなたは罪を償いなさい。生きていれば何度でも人生はやり直せるのよ」

最後まで優しさを捨てなかった冴子。発作を起こし倒れた遠山を乗せた救急車を見送り一件落着です。

そしてシャンインから指輪を渡されます。それは槙村が冴子に渡そうとしていたもの。しかし当日にケンカをしてしまい渡せないまま仕舞われていたものでした。シャンインは心臓の記憶からそれを知り、代わりに冴子に渡したのでした…。

冴子からのXYZの依頼。回想シーンでは香の１トンハンマーも飛び出し、原作ファンにはたまらない回だったのではないでしょうか。次回はシャンインの身に危険が迫る予感です…！

【ネタバレ】第7話

シャンインの自殺の原因になった暗殺。シャンインが殺害したターゲットの子供が真相を知りたいと、喫茶キャッツアイを訪れました。「XYZ」彼女の口から発せられたSOSに複雑な気持ちを抱きつつ、協力しようと力を発揮するシャンイン。「私を殺して気が済むなら殺してほしい」そう願うシャンインのコードネームは「グラスハート」。人一倍繊細な心を持った殺し屋だったのです。

事の起こりは数年前。シャンインが暗殺した男に駆け寄るまだ幼い少女の泣き叫ぶ声をがシャンインの心をえぐります。その事で心が粉々に砕けてしまいます。「もうダメだ」と自分の命を手放したシャンイン。そして彼女が香の心臓を得て再び生きる決意を固めた時、当時の少女「夢」が彼女と知り合うのでした。

シャンインを「友達」として扱う夢。彼の父は「マットドック」というコードネームを有した殺し屋だった。実は夢の良心を殺害した犯人で、彼と夢の間には血はつながっておらず、夢もその事を知っているけれど「父」として慕っていた様子でした。

実は彼には「ドックウォーカー」という仲間がおり、彼の死後「次は自分の番だ」と悟ったドックウォーカーは、ひっそりと身を隠し、夢がおかしな行動をしないか、もしした場合は「殺害も視野に入れて」監視していたのでした。

だんだんと真相がわかってくるシャンインとリョウ。しかしドックウォーカーの策略により、夢はシャンインの正体を知ってしまいます。一度はシャンインに銃口を向ける夢ですが、やはり引き金は引けません。「シャンインは友達」すでに夢はシャンインの事が大好きだったのです。

ドッグウォーカーはレギオンに始末されてしまいました。夢は遠くに引っ越しをすることになりまｓた。最後まで姿を現すことができなかったシャンインですが、夢が車に乗り込む直前に「ありがとう」と声をかけます。そんなシャンインに「行ってきます」と告げる夢。

「いろいろな事があったけど、あなたは私の友達」と暗に伝えているようなエンディングとなっていました。

その日は喫茶キャッツアイで泣き疲れて寝てしまったシャンイン。彼女の心の楔が解き放たれた瞬間でした。

【ネタバレ】第8話

ついにレギオンに誘拐されてしまうシャンイン。彼女は拘束され、本部に連れて行かれます。レギオン会長・李堅強（竜雷太）に「戻ってこないか」と声をかけられるシャンイン。しかしシャンインは首を横に振り、「もう人を殺したくはない」と答えたのでした。そんな彼女を見た李は「あの男が、お前をここまで変えてしまうとはな」と皮肉な笑みを浮かべます。

シャンインが拘束されたというニュースは喫茶キャッツアイまで届きました。彼女を救うべく、仲間たちが立ち上がります。冴子も巻き込み、渋谷を巻き込んだ大騒動に。

いくら腕に自信があるといえども相手は世界的な犯罪組織レギオン。リョウも無傷では帰れないと覚悟を決めます。

しかし冴子はその意見に否定的。「諦めよう」と提案しました。これ以上仲間を失いたくはないという彼女の優しさがさせた決断のようです。しかし、リョウは諦めないと伝え、冴子の口から「XYZ」とシティーハンターとしてのリョウに依頼が出されます。

シンホンと共にレギオンへ乗り込むリョウ。ついにシャンインの元へとたどり着きます。しかしそこに控えていたのは組織一の強者「カリート」でー。

次回、ついに最終回を迎えるエンジェル・ハート。リョウはシャンインを無事に救い出す事ができるのでしょうか。そしてリョウへの気持ちに気づいたシャンイン。彼女はこれからどのように行動するのでしょうか。次回、必見です。

【ネタバレ】第9話・最終回

レギオンに囚われたシャンイン。彼女を助けに行くリョウでしたが、カリートと戦うことになります。「なぜシャンインを殺さなかったのか」と聞くリョウに、答えられないカリート。彼もまた、シャンインの姿に心をうばわれていた一人のようでした。そしてリョウとの決闘の末、彼は行方不明になってしまいました。

そしてレギオンの会長、李堅強（竜雷太）はリョウに「XYZ」と告げます。「お前の愛しい人を奪った私が頼むことではないのだが、シャンインを、守ってほしい」そうリョウに頼むのです。実は李堅強、シャンインの父親でした。

シャンインを背負い、診療所へ連れて行く李堅強とリョウ。そして一人、シャンインに別れを告げる李堅強は、どこかへ去ってしまいました。

夢の中で香と会うシャンイン。「目覚めなさい」という声に、うなされます。シャンインの口から「XYZ」と告げられ、目覚めたシャンインはリョウに「パパになって」と頼むのでした。

かつて暗殺者だった「グラスハート」はシャンインという一人の少女として生まれ変わり、リョウと香の娘のような形で育てられるようになったようでした。最後のほうでリョウの事を「パパ」と呼び、依頼者に邪な感情を抱くリョウに巨大な1000トンハンマーを振り下ろすシャンインは、非常に漫画タッチに作られていましたね。

ドラマによって再現されたエンジェル・ハートの世界。皆様にはどのように映ったのでしょうか。なんといっても冴羽リョウの再現率はお見事の一言だったようですね。