TBSがドラマ枠を新設! 水曜深夜ドラマ『おかしの家』

目次

まんをじしてTBSが新しいドラマ枠を新設

枠にとらわれない表現の幅を伸ばしたり、エッジの効いた企画など「深夜枠」だからこそできるテレビの本気を見せてくれるのがこの新しいドラマ枠「水ドラ!!」です。TBSの若手クリエイターの育成や発掘を目的としたこの枠は、貴重な原石が見つかる予感。楽しみな企画ですね。

『おかしの家』のあらすじ

少年の心を持ち続ける33歳の桜井太郎。33歳のシングルマザー木村礼子。33歳の脚本家志望のニート三枝弘樹。その3人が成長し、痛みを知りながら「大切なもの」をみつけていくという物語。

舞台は東京の下町、地域に密着した、もうけ度外視の昔ながらの駄菓子屋「さくらや」。大のおばあちゃんっこの主人公、桜井太郎は祖母が経営しているこの駄菓子屋を手伝っている。毎日子供が金魚すくいをしたりおやつを買いに来ているのをぼんやりと眺めながら、古くからの馴染みと触れ合い、泣いたり笑ったりしながら大人になるにつれて手からこぼれ落ちてしまう大切なものに気づいていくという、人間味あふれたあたたかいストーリー。なんだかのんびりと見る事ができそうですね。

キャスト

桜井太郎(33)…オダギリジョー

木村礼子(33)…尾野真千子

三枝弘樹(33)…勝池涼

金田剛(32)…前野朋也

島崎明(54)…嶋田久作

桜井明子(83)…八千草薫

おかしの家の公式HPはこちら

TBS・毎週水曜日・23:53〜

ほのぼのとした駄菓子屋で繰り広げられる、大人になりきれない大人達の物語です。今までの価値観を打破するような革命的なドラマをテーマに作成されたTBSの新しいドラマ枠第一弾です。

【ネタバレ】第1話

下町にあるこぢんまりとした駄菓子屋を経営する明子(八千草薫)とその孫である太郎(オダギリジョー)を中心に話はすすんでいきます。昔から地域密着型で子供達の駄菓子屋さんとして経営してきた明子ですが、時代の流れとともに駄菓子屋の売り上げは落ち込んでいっています。月に換算しても雀の涙のような売り上げで、もう商売というよりかは老後の趣味のようなありさまです。

小さい頃に両親を亡くした太郎は祖父母に引き取られ、祖父は他界してしまったため、今は明子と二人暮らし。店番を手伝ったりとのんびりとした生活を送っていました。

近所には脚本家志望の三枝や、客の少なくなった銭湯を必死できりもりする島崎。そして後輩であり仕事で大きな挫折を経験した剛がおり、4人は駄菓子を食べつつおしゃべりを楽しむという時間をよくすごしているのでした。

全体を通じて流れるマッタリ感

ある日、小さい頃の遊び友達である木村礼子(尾野真千子)が訪ねてきます。久々の再会に二人で少し話をすることに。彼女は結婚をしましたが離婚。5歳の子供を連れて地元へ戻ってきたところでした。のんびり暮らしの太郎とシングルマザーの礼子。少し会話をしていたのですが、「太郎君は子供の時のままだね」と吐き捨てて、彼女は帰ってしまいました。彼女には太郎が気楽にのんびり過ごしているように見えたのですね。

しかし、実は太郎、駄菓子屋を支えるために工事現場で働いてお金を稼いでいたのでした。そんな優しいのにそれを表現する事のできない太郎に、惹かれていく礼子ですが…。

大人になりきれていない大人がたくさん出てくるドラマのようです。かわいいような、儚いような…。ホームドラマとは一味違う人間ドラマが展開されていく予感がしますね。

【ネタバレ】第2話

さくらやの裏口に、かつての駄菓子仲間の武田武蔵(藤原竜也)が訪ねてきます。武田は今や年収1億を超えるIT社長。上から目線で馬鹿にされるのではと危惧していた太郎でしたが、太郎を見つけた武田は太郎を力強く抱きしめます。

純粋に再会を喜び、一緒に駄菓子を買う武田に、太郎は自分の心配が馬鹿馬鹿しいものであったと悟るのでした。

そして武田は自分が経営するレストランに太郎を招待します。太郎と礼子、祖母と礼子の子供の4人でおしゃれをしてレストランへ。美味しい食事に舌鼓を打って、笑顔で別れたその翌日、新聞には武田の名前が。脱税で逮捕されてしまった様子。

太郎は武田の「うらやましい」という言葉を思い出し、彼が窮地に立たされていた事を悟ります。それでも旧友である自分と楽しい時間を過ごしてくれた事を思い、次に武田が目の前に現れた時、自分が武田を力一杯だきしめようと決めるのでした。時が流れても、何があってもずっと友達。そんな強い絆が描かれていました。

【ネタバレ】第3話

今回の太郎達は、昔いじめていた女の子、清美の事をふと思い出します。「木工ボンドを食べ、うんこを漏らしていた女の子」清美。かなりのいじめられっ子だった彼女は今どうしてるのかなーなんて話していた太郎達。そこへ礼子がやってきたので「今清美ってどうしてんの?」と尋ねてみるも知らない様子。

なんとなく気になった礼子は同級生に清美の事を聞いて回り、彼女が中学高校でひどいいじめにあっていた事を知ります。しかも同級生達は小学時代に太郎達が中心的に清美の事をいじめていた事を覚えていましたが、当の太郎達は覚えていませんでした。

「私もその場にいたのに、何も覚えていない」そう語る礼子でしたが、「結局、いじめられているのを見ても何も感じなかったんだよ」とつぶやき、その言葉が太郎の胸につきささりました。

そして太郎は清美に関して妄想します。「きっと株で成功して幸せになってる」「子供は五人いたりして」しかしその願いむなしく、礼子から「清美が白血病で死んだ」という事を聞かされました。通夜に行く太郎達ですが、清美は苗字が変わっており、子供も生まれていた事を知ります。いろいろあったけど、清美は幸せな時間を過ごす事が出来たんだと感じる太郎。

「もし、俺らが清美にバカなことしなければ、清美はもっと違った人生を歩めたのかな…」そう呟く太郎に、「そうだと思うよ。でもそれがなかったら、清美は今のご主人と会えなかったと思う」と答える礼子が印象的でした。

いじめられた方は覚えているけれど、いじめた側はその事をすっかり忘れてしまっているという事、ありますよね。自分がしてしまった事が相手の人生に多大な影響を与えていたら、その責任は一体どこにあるのでしょう。だけどそれがなければ現在はまた違った展開を迎えていて…。そんなノスタルジックな回でした。

【ネタバレ】第4話

いつものように不思議な雰囲気でまったりじゃれ合う三枝と太郎と剛。そんななか、やめとけばいいのに世界情勢の話になって、ついつい熱くなってしまった剛の言葉に腹を立てた太郎は剛を殴ってしまいます。じゃれあいの中なのでそんなに大事にはなりませんでしたが、まるで小学生の男子達のようですね。

そんな中、礼子が勤務中に倒れてしまいます。やはり居酒屋とレストラン、かけもちの仕事の疲労が出てしまった様子。つかの間の入院です。しかし母子家庭の彼女には頼る相手がおらず、太郎が子供の面倒をみてあげる事になりました。

悪戦苦闘しながらなんとか礼子が帰ってくるまで持ちこたえた太郎。

お互いに好意を持っているはずなのに、そして結構お似合いなのになかなか進展しないこの二人にやきもきしますね。このまま二人で生活してみるのも面白いのにな、と感じた方も多かったのでは?

母子家庭の礼子の強い姿も素敵ですが、やはりちょっとは休んでほしいと感じた回でした。

【ネタバレ】第5話

礼子と太郎の関係がいい感じです。お互いにお弁当を作りあって昼休みに食べる仲へと進展しました。…が、礼子のお弁当、ちょっと味が残念だったらしく、太郎は「次は俺が作る」とすごすごと逃げ出します。

そしてまた礼子との待ち合わせに来た時、礼子の同僚麻理絵と会います。「久しぶり」と声をかける太郎。…実は麻理絵は太郎が風俗通いをしていた時にお気に入りだったマロンちゃんだったのです。

きまずい雰囲気が流れる二人。そんな二人を見かけた礼子は「知り合いなの?」と太郎を問い詰めます。まさか風俗で会ったなんて言えない太郎は言葉を濁すばかり。それにイラっとした礼子はますます問い詰め、ちょっとしたケンカになってしまいました。

そして昼食を食べ終わると、礼子が、麻理絵が昨日で店を辞めた事を話してくれました。そして麻理絵の事はもう何も聞かないとも…。

家に帰るとさくらやに麻理絵の姿が。海外に行く前に会いたかったと話す麻理絵。試しに「マロンちゃん」と呼びかけると、なんですかそれとかわされてしまった太郎。「やっぱり覚えていなかったんだ」と落胆する麻理絵。実は太郎の同級生だった麻理絵は昔太郎に憧れていたと打ち明けます。風俗嬢なのかそうでないのかはあいまいに濁されてしまいましたが、さくらやでは太郎に内緒でおばあちゃんから料理の特訓をうけている礼子の姿が…。女性には暴いてはいけない秘密があるようですね。

【ネタバレ】第6話

今回は太郎と三枝に不思議な事が起こります。「天使の声」を手に入れてしまうのです。事のきっかけは彼らが幼少時代に体験した「カッパ捕獲事件」でした。それを元に三枝は脚本を書き、ある映画関係者に見てもらうチャンスにめぐり逢います。なんとなく三枝が遠くに行ってしまいそうでおもしろくない太郎でしたが、幸か不幸か、「カッパを本当に見た」と話す三枝に映画関係者は失望してしまいチャンスにはつながりませんでした。

その帰り道、太郎に「俺たちカッパ見たよな」と尋ねた三枝。太郎は「見たよ」とあっさり認めます。「今から見に行こう」と太郎が誘い、2人は過去にカッパを見た場所へと再び歩いて行くのでした。すると前方から天使の格好をしたオッサンが小走りで走ってきます。なぜかソプラノの美しい声を発しながら川の水で身体を洗っているオッサン。「天使か、変態か」太郎と三枝はそのオッサンを捕獲しようと力を合わせます。いざ捕まえた! となった時、肝心の三枝が「倫理観がちらついたせいで」躊躇してしまいました。そのスキにオッサンに逃げられる太郎達。そしてあろうことか、オッサンは太郎と三枝の首筋に、ガブリと噛み付いていったのです。

そして…翌朝目がさめると、太郎と三枝はオッサンと同じソプラノの美声が出るように! 天使の声を手に入れたのです! 夢オチかなと思ったら、しっかり現実の話だったようで、次回、2人はその天使の声で音楽を練習し、その成果を礼子に見せる様子。ノスタルジックでファンタジーな世界観に目が離せません。

【ネタバレ】第7話

前回「天使の声」を手に入れた太郎達。2人は夜中にいそいそとでかけて歌の練習に勤しみます。スーパースターになったらどうする? と期待でいっぱいの様子。そんな中、銭湯を営んでいる島崎は、就職活動を始めることにし、金田も触発されて2人で職安へいきました。若い金田と比べるとやはり年齢で面接までしてもらえない島崎。だんだん腐ってしまい、金田にもひねくれた発言ばかりするようになります。

そんな中、太郎達は歌の練習を重ねて「人前で披露してみよう」という気になります。そして礼子を呼び出し、歌ってみることに。すると、礼子には「普通の下手な歌」にしか聞こえず。もちろん天使に嚙まれた事も信じてもらえずに怒って帰ってしまいました。

「どういうことだ」と首をかしげる太郎達。2人の天使の声はどうなってしまったのでしょうか。

そんな中、太郎達に訃報が届きます。それは金田の死。金田は道へ飛び出した島崎を助けてトラックの前へ飛び出し、自分が轢かれて死んでしまったのでした。

「オレが死ねばよかったのになぁ」と泣き崩れる島崎。「明日」というものの儚さが浮き彫りになる回でした…。

【ネタバレ】第8話

大切な仲間の死で、少しづつ大人への脱皮を始めた仲間たち。一人ひとりに変化が訪れます。ついに太郎の祖母に認知症の気が現れたのです。太郎に向かって「あなたの名前が出てこない」と話す祖母。太郎はショックから家を出て礼子を呼び出し、「結婚しよう」と持ちかけました。

いきなりの失礼な告白に立ち去ろうかと考えた礼子でしたが、「なにかあったの」と優しく問いかけました。太郎はもう駄菓子屋を閉める覚悟を固めていたようでした。

認知症は波があります。記憶が切れかかった電球のようにチカチカ頼りなく点滅し始め、ゆっくりと消えていくというのが病状です。家に帰った太郎を迎えた祖母は「太郎」とよびかけ、「ごめんね」と謝ります。「ついに認知症になったのかな」と寂しく語る祖母に、「おばあちゃん、俺の事は忘れないで。そうでないと俺は何のためにここにいるかわからなくなっちゃう」と涙ながらに語りかける太郎。

2人は酒を酌み交わし、「さくら屋」の閉店を決めました。

島崎も仕事が決まり、北海道へ移転することに。ついにバラバラになりはじめる太郎たち。そんな中、太郎は礼子にプロポーズをし、礼子もそれを了承してくれました。

金田の死がきっかけで、「子供」から大人へ脱皮しようとしている4人の姿がせつなくも頼もしい回でしたね。

【ネタバレ】第9話

太郎の元に一通の訴状が届きました。それは「自分のベンツにお宅の猫が傷をつけたので110万円賠償しろ」というもの。太郎の家は三毛猫のミーちゃんしか飼っておらず、相手の勘違いだという結論にいたりますが、相手に挑発された太郎は法廷で争う事になりました。

いつのまにか脚本家になっていた三枝。「裁判物のTVドラマを書いている」らしく、面白半分で太郎の公判についていきます。

結果は散々なものでした。お互い「勝てる」と踏んでいるからか、弁護士にやんわりと拒否されたからか、全く弁護士をつけないまま法廷に挑んでいるのでまさに「子供の喧嘩」。初老の裁判長も疲労困憊です

このまま勝利するであろうと高をくくっていた太郎でしたが、大変な事実が判明します。実は礼子の息子である春馬が、該当の野良猫に餌をやっていたのです…。

これは非常にマズイ事態になりました。祖母も「もう大人しく賠償金を払ったら?」とすすめ、家を売ろうと持ちかけます。実は老人ホームに入ろうと考えており、その資金調達に必要なようで…。

今回は公判部分がかなりおもしろかった「おかしの家」。しかし物語はシリアスな方向へすすんでいますね。終始つつましやかな祖母がせつないです。

さて、次回はついに最終回。皆が笑って終われるような結末なら良いのですが。

【ネタバレ】第11話・最終回

余分なものはざっくり切り落とし、「本当に伝えたいテーマ」だけに焦点を絞った今回。かなりのインパクトを視聴者の心に残したようです。

礼子が息子・春馬に「うらしまたろう」を読んであげているシーンから始まります。「太郎は本当の幸せをわすれちゃったんだね。あ、浦島太郎の話だよ? 私達の太郎は大丈夫だよきっと〜」と明るく茶化していました。

10話の野良猫騒動の訴訟にまさかの敗訴。撃沈した太郎を次に襲った悲劇は、「さくら屋」はおばあちゃんの手によって、太郎に相談もなく売却されてしまったという事実でした。

急いで新居を探し、一緒に引っ越そうという太郎の誘いを拒否するおばあちゃん。「わたしはひとりで暮らそうと思うの。…だってあなた達といたら疲れちゃう」そう話すおばあちゃんに、裏切られたような悲しみを抱く太郎。

しかし結局、老人ホームの送迎バスにのせることができず、老人ホームまでタクシーで付いてきてしまった太郎は、「ここでいいから」というおばあちゃんに為す術もありません。「太郎、ありがとう」そうつぶやいて背をむけるおばあちゃん。ひとりで老人ホームへ入所してしまいました。

「俺が店を出したら、ぜったいばあちゃんと一緒に住む」そんな決意を三枝に伝える太郎。三枝も脚本の仕事に打ち込んでいるようです

礼子、春馬と住むアパートを借りた太郎。バイト先はスペイン料理店のコックですから料理に打ち込んでいます。オーナーから「お前、すじがいいな、前世スペイン人だろ!」と言われた瞬間から時間が動き、なんと太郎はさくら屋を買い取りそこでスペイン料理屋をオープンしたところまで時間が進んでいました。

多少強引に映りますが、こういった演出はこのドラマに必要であったようです。とにかく世界線は2020年になっており、テレビを見るのに3Dメガネを装着する時代に。(オリンピックも開催中でした)

自分の夢を叶え、新しい広い家を買い、毎日忙しくしている太郎。一方の三枝もなんとテレビ放送の連続ドラマの脚本を書いているようで、いつもそのドラマを見ようと早く帰ってくる太郎でしたが、エンドロールしか見られない状態です。

そんな折、太郎のスペイン料理店「さくらや」に三枝が女優を連れて食べに来ます。クタクタのシャツにスラックス姿で天使だカッパだと騒ぎ、駄菓子を食べていた太郎と三枝は、スペイン料理店のオーナー兼コックと、売れっ子脚本家に変身を遂げていました。

「今日は腹いっぱい食うぞ」と話す三枝。太郎と会話を交わし、店内で飲食を始めます。すこし時間が経ち、なにやら感慨深げにきゅうりをカジッた三枝は、おもむろに席を立ち太郎のいる厨房へ向かいました。

飲み過ぎて千鳥足になっている三枝に苦笑する太郎。「うまかったぞ」と賛辞を述べ「お前、俺のドラマみてるか?」と尋ねる三枝に「いつも時間なくてエンドロールしか見れていないんだ」と正直に話す太郎。そんな彼に「いいんだ」と笑い、「お前、ばあちゃんに会いに行ってるか」と太郎に尋ねた三枝。その言葉に絶句する太郎は、老人ホームで別れてからおばあちゃんの所へ行っていないようでした。

「大切なものを忘れていくんだ」と、急に三枝がつぶやきます。「子供の頃は見えていたのに。大事なものが見えなくなってきた。…俺はなんで脚本家なんてやってるんだろう」三枝は嗚咽しながら太郎に訴えます。

数日後、太郎の家に一本の電話が入りました。その電話を受けて血相を変える礼子。身支度を整えている太郎に「おばあちゃんが危ないって」と伝え、「行くよね」と促します。しかし太郎は「今日は、大切な打ち合わせがあって…」と言ったきり、動かなくなってしまいました。

次第に漏れ聞こえてくる嗚咽。三枝の放った言葉の意味がわかったのでしょう、太郎は涙を流しながら締めたばかりのネクタイをゆるめます。「行くよね」という礼子の言葉に「うん」と頷く太郎。

礼子から事情を聞いた春馬は「えー、俺ヤダよ、学校あるし」とにべもなく言い放ちます。怒り出す礼子に、太郎はいいんだと告げて、春馬を思いっきり抱きしめました。

「だけどいつか…思い出してくれ」

子供である春馬に向けた太郎の願いでした。

おばあちゃんの元へ向かう車中の中で「おれはバカだ」とつぶやく太郎。

仕事にかこつけて会いに行かなかった事を言っているのでしょうか。それとも名前を呼んでくれなくなってしまったおばあちゃんが怖くて会いに行けなかった自分に言っているのでしょうか。おばあちゃんに会いにいけたのか、太郎とおばあちゃんの関係はどのようになったのか、視聴者に明かされぬまま、唐突に物語はおわりました。

しかし、その後に、太郎の記憶かおばあちゃんの記憶か、それともなんらかのメッセージなのか、かつてのさくらやにおばあちゃんが佇んでいるシーンにつながります。奥からはジャージにボサボサ頭のダメ男であったかつての太郎が出てきて、「お客来ないね」とおばあちゃんに話しかけました。

「こないねぇ」と困ったように微笑むおばあちゃんに「お茶のもうか」ともちかける太郎。おばあちゃんはくすぐったそうに笑います。

玉手箱を開けたうらしまたろうは幸せを見失ってしまいましたが、大人になった桜井太郎はどうなったのでしょうか。

記憶の中のさくらやは、ただただひだまりの中にあり、太郎の事を「太郎」と呼んでくれるおばあちゃんと子供のような太郎がよりそい、めったに来ないお客を待っていつまでもいつまでも幸せそうに談笑しているのでした…。

視聴率

笑撃的な変声期に、衝撃的な友人の死、そして涙腺崩壊の最終回…。もはや30分ドラマの限界を突破したのではないかと思われる「おかしの家」に、Twitterは「今クール最高のドラマ!」と盛り上がっていました。新しいドラマの形を目指す「水ドラ!!」は好調なスタートを切ったのではないでしょうか。

第1話『恋と恐怖』…2.8%

第2話『意味』…2.2%

第3話『後悔』…2.5%

第4話『大波乱!!一触即発の四角関係!!禁断の秘密、バレる』…2.1%

第5話『それぞれの痛み、直面する現実 』…1.8%

第6話『愛』…1.6%

第7話『夢』…1.5%

第8話『夢の続き』…1.8%

第9話『覚悟』…2.3%

第10話『戦い』…3.5%

第11話『忘却』…12.7%

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